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吉田ごう
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花木則彰
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すげの直子
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児童虐待への対応と防止策

(2019年10月 嵯峨サダ子議員の質疑から 決算審査特別委員会分科会)

1、 児童相談所運営管理費等に関連し、子どもの命を守る体制強化を求めて質問します。今年に入ってから子どもの虐待死亡事件の報道が続き、胸が痛みます。本市でも今年1月、生後2か月あまりの乳児が衰弱死するという痛ましい事案が発生しました。こども虐待から子どもを救い出すことは児童相談所の社会的使命であるとともに、各関係機関も同様の役割があります。
児童相談所は子どもに関する相談のうち専門的知識及び技術を要する相談に対応し、一時保護を実施したり、必要な事例に対して里親委託・施設入所措置あるいは在宅での指導措置をとることが求められています。また、民法上の権限として、親権喪失や親権停止の審判の請求あるいは未成年後見人の選任・解任の請求をする権限を有しています。児童相談所が有する権限は幅広く、とりわけ一時保護ができる権限は児童相談所だけに与えられているものです。
決算年度における相談件数と過去5年間の推移について伺います。

2、 相談件数が3158件、2014年度に比べ約1000件も増えています。同じく、児童虐待相談件数についてもお答えください。

3、 児童虐待相談件数は918件、5年間で2倍近くに増えています。虐待対応は不適切な養育状況に積極的に介入し、養育の改善を求めるとりくみを進めていかなければなりません。そのため、相談動機のない保護者との相談関係を構築するという専門的知識と技術が求められます。それを担うのが児童福祉司です。
4月1日現在、児童福祉司は27人配置されていますが、決算年度の地区担当児童福祉司一人あたりの担当ケース数は何件か伺います。
(2019年2月末 74.3件 4月当初 43.6件)

4、 一人あたりの担当ケースは74.3件ということですが、これに前年度以前から継続している在宅支援ケースや里親委託中・施設入所措置中のケース数が上乗せされれば、一つ一つの事例に丁寧に寄り添って継続的に支援することが大変むずかしくなると思われますがいかがでしょうか、実態をお聞かせください。

5、 現時点で、仙台市の児童福祉司の配置基準はクリアしています。しかし、国は目黒区の死亡事例を受けて、昨年12月に児童虐待防止対策体制総合強化プランを策定し、2022年を目標に人口比をこれまでの4万人から3万人に一人を実現するとしました。これにより、2020人程度の児童福祉司増員を図ることとなっています。配置基準引き上げで、本市において12人の増員が必要とされています。総務局長のご認識を伺います。

6、 国は2016年4月の児童相談所強化プランにより、児童福祉司の配置基準引き上げとともに、児童福祉司スーパーバイザーや児童心理司の増員も示されましたが本市の対応はどうなっているのか伺います。

7、 児童福祉司は業務の性質上、経験が重要です。27名の児童福祉司経験年数内訳を伺います。

8、 全体の6割が経験4年未満と、経験が浅い職員が過半数を超えています。短期間に児童福祉司を増員して来たのでこうした結果になっていると思います。大事なのは、経験年数の浅い職員に対する研修をしっかり行うことです。合わせて、スーパーバイズできる職員を増やすことも重要です。児童相談所は日常のケース対応と並行して、新たな職員を育成する役割があります。決算年度に行った児童福祉司の法定研修を含めた研修体制と内容について伺います。

9、 児童福祉法改正で児童福祉司の研修が義務化され、法定カリキュラムも示されましたが、実際に児童福祉司が育つのは職場内でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング、職場の実務を通して上司や先輩職員から指導を受ける育成方法)であり、これが有効に行えるような職場環境のゆとりが必要となります。お考えを伺います。

10、 次は、一時保護施設の問題についてです。一時保護施設の定員は20人ですが、実際は定員を超えて入所しているのが実態だと聞いています。決算年度最多で何人入所したのか伺います。

11、 最多で25人とのことですが、定員を超えた子どもたちはどこにいるのでしょうか

12、 本館の部屋を仕切って対応しているということですが、こうした対応にも限界があります。保護すべき子どもは他に里親や養護施設に措置されますが、そこだって簡単ではありません。一時保護施設が足りないため、本来保護すべき子どもがスルーされているのではないでしょうか。
また、一時保護期間が61日以上になる子どもが決算年度で25人います。受け入れ先がないなど様々な事情があるものと推察します。一時保護施設の定員増は待ったなしの課題です。一時保護施設の増設に取りかかるべきです。伺います。

14、増設する際、定員を何人に増やすのか伺います。

15、質問の冒頭にも言いましたが、一時保護ができる権限は児童相談所だけに与えられています。一時保護は緊急時にいつでも受け入れができるようしておかなければなりません。そのためには大幅な定員増が必要だと思います。子どもの安全を守るために一時保護施設の増設は急務です。財政局が後押しすべきだと思いますがいかがでしょうか、財政局長に伺います。

16、今年の1月19日、青葉区の28歳の母親が生後2か月あまりの双子に十分な栄養を与えず、双子の兄を衰弱死させるという痛ましい事案が発生しました。この件については児童相談所と関係機関が関わっていたと伺っていますが、どうだったのでしょうか、伺います。

17、この方は出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦、「特定妊婦」の対象になっていたと聞いています。「特定妊婦」への支援はどの機関がどのような支援を行うのか伺います。

18、要保護児童対策協議会の運営指針によれば、医療機関など特定の関係機関が把握している情報だけでは支援の必要性が低いと考えられる場合であっても、他の関係機関が保有する情報を勘案することにより、新たなリスクや支援の必要性が明らかとなる場合もあるため、地域協議会を積極的に活用し、関係機関との情報共有、支援の要否及び支援内容の協議を行うことになっています。こうした支援や情報共有が今回の場合行われたのか伺います。

19、児童虐待による死亡事例については、必要な再発防止策を検討するため、自治体が事実の把握や発生原因の分析等の検証を行うこととされています。本市では、2014年6月と12月にも、乳幼児の虐待死事案が発生しました。この2件について、仙台市社会福祉審議会児童福祉専門分科会の措置・里親審査部会が2016年5月に、児童虐待死亡事例検証報告書を出しています。報告書では、事例の検証を通じてそれぞれ問題提起をしています。その内容についてご照会ください。

20、報告書の冒頭に「これらの事例を通して今後の児童虐待防止の取り組みが強化され、一人でも多くの命を救うことにつながることを願うものである」としています。報告書の提言が活かされていれば、今回の青葉区の事例は防げたのではないかと思います。要保護児童対策協議会の実務者会議やケース検討会議で今回の事例がどの位議論されたのか伺います。

21、関係機関の情報共有はまだまだ不十分だと思います。組織の垣根を越え、子どもの命を守ることを最優先にした対応と取り組みが求められています。今回のケースについて、7月に検証委員会を立ち上げたとのことですが、いつごろを目途に検証報告を出すのか伺います。

22、児童相談所や区役所は親子の暮らしを総合的・構造的にみる視点や親子の思いを丁寧に聞く姿勢が求められます。子どもにとって最善の利益とは何か、親子に希望を届けられる支援が行えるように児童相談所のみならず、区役所の体制強化が必要です。

最後に、児童相談所の増設について伺います。かつて児童相談所運営指針には、管轄人口の目安として50万人に1カ所という基準が示されていましたが現在は中核市にも設置できるように法改正がされたため、この基準はなくなりました。設置基準はなくなったものの、児童虐待を含む相談件数の増加に対応するには1ヶ所では足りません。地域との連携を強めるためにもより身近な所に児童相談所をつくることが求められています。児童相談所の増設を検討すべきではないでしょうか、伺います。

 
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