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【概要】市民が安心して年を越せる、あたたかい施策を急いで
〇物価高騰のもと、暮らしを応援する補正予算を
〇市長と議員の期末手当引き上げやめよ
〇学校給食無償化、子どもの医療費助成拡大
〇市バス運賃値上げをやめ、公共交通維持の責任を果たせ
〇宿泊税導入強行 市長は事業者・市民に向き合え
〇マイナ保険証を中止し、従来の保険証存続を
〇労災病院、仙台赤十字病院移転の白紙撤回
〇事業費高騰の中、音楽ホール・震災メモリアル施設の整備時期など再検討を
〇ふるくぼ和子議員
ふるくぼ和子です。日本共産党仙台市議団を代表し、提案されている諸議案ならびに市政の重要課題について質疑を行います。
食料品や生活必需品の物価高騰の高止まりが続き、所得や年金額は物価上昇に追いつかない状況の中、市民のくらしは良くなっているとは到底言い難い方向に向かっています。
臨時国会での補正予算の議論がおこなわれ、本市においても市民生活を支える補正予算が求められているときに、定例議会の冒頭で補正予算の提案がないなど、考えられない異常事態だというほかありません。
市長には、市民の暮らしがどう映っているのでしょうか。寒さが厳しくなっていく中、また年末年始を迎える中、市民の冷え切った懐を少しでも緩める、市としての暮らし応援策が今ほど求められているときはないと考えます。
11月26日には通常の要請行動とは別に、市として個別の要望行動をおこなって、市長自らが足を運んで「物価高騰等による影響への支援」などを求めたとのことです。国に対して、対策が必要だという認識であれば、国がやるかどうかに関わらず、市としてできることはしなければならないとはお考えにならなかったのでしょうか。
市が独自に可能な範囲に限定したとしても、物価高騰対策に必要だと考える補正予算を市の責任で組むべきですし、国が負って補正を組んだとすれば、別の物価高騰対策に充てることも、市が提案した対策の財源に差し替えたり拡充することもできたはずだと考えますが、そうはしなかった市長のお考えを伺います。
国において議論がなされている「103万円の壁」の問題では、全国知事会は地方財源が減少しないよう求めていますが、市長もいち早く「300億円の減収」「国においてしっかり検討してほしい」と表明されました。
物価がこれだけ上がっているのですから、課税最低額を引き上げるのは当然です。しかし、国民民主党の178万円まで引き上げる案では、物価の伸びをはるかに上回りますので、所得税の自然増収の範囲では足らなくなり、他から財源を持ってくることが必要になってしまいます。その際、例えば消費税増税で財源をつくるのなら、いまでも課税最低限以下の低所得の人には所得税は1円の減税にもならず、消費税の増税だけがかぶさることになります。また、所得税の減税財源のために教育予算がさらに削られ、大学の授業料が値上げされたりしたら、学生にとってもかえってマイナスです。こうした国民の暮らしに跳ね返ってくるような対策であってはなりません。市長はどうお考えでしょうか。
そもそも壁が作られているのは、労働者の低賃金と高い学費が重くのしかかっていることが原因です。地方自治体の財源が減るのでは、と心配するのであれば、国に対してお金の使い方を改めるよう求め、課税最低額を引き上げると同時に、物価上昇を上回る、市民が安心して暮らせる思い切った賃上げと、高すぎる学費の引き下げと無償化、給付型奨学金の拡充などを求めるべきです。ご所見を伺います。
国と地方自治体の関係は対等平等ですから、国に財源を求めることは当然ですが、独自の補正予算で市民が少しでも「支えられている」と感じる施策を市の判断でおこなうことが、市政のあり方として問われることになります。
とりわけ、地域経済を支える中小零細事業所に対する支援が強く求められています。コロナ禍においては様々な支援がおこなわれましたが、コロナが収束したとして終了した国の施策に合わせて本市でも支援を終了させてしまいました。しかし、その後の長引く物価高騰の影響をうけ、努力を重ねるものの、コロナ前の水準までお客も経営も戻らない状態が続いている事業者が市内には大勢いらっしゃいます。
糸満市では「電気料金高騰対策事業者支援交付金」として市内に事業所を有する、自ら小売り電気事業所等と契約を締結する法人および個人事業主を対象に契約電力の区分に応じて最大134万円を助成する制度の申請を、11月25日から開始しています。また、兵庫県加西市でも今年の1月から12月までに市内の事業所において業務をおこなう上で使用した光熱費(電気代、ガス代)および燃料費(ガソリン代、軽油代、重油代、灯油代、混合油代)のうち任意の3か月の合計額の20%、上限30万円を補助するとして10月15日から申請を受け付けています。
本市においても事業者に対し、かかった水光熱費の一部を助成するなど、市が支援することが必要だと思いますが、伺います。
低所得者にとって夏の暑さと冬の寒さは光熱費の支出が増えるため、生活の質を左右する大きな要因となります。電気代や灯油代、ガス代などの燃油、エネルギーの高騰は家計を直撃するため、少なくない世帯で冬の寒い時期は自宅でコートを着込んで毛布を何枚も重ねて寝たりと、憲法25条で保障する、健康で文化的な最低限度の生活が脅かされる事態となっています。
国において事業者支援などがおこなわれ高騰を抑える対策がとられても、家計が受ける影響を除ききることはできません。低所得者に対しては、せめて市独自で、ひと月分の電気代や灯油代・ガス代を支援するなどの補助をおこなうべきですが、伺います。
生存権を保障する最後のセーフティーネットが生活保護制度です。
しかしこの間、生計を維持するための基準額が下げられ続け、同時に食料品や生活必需品の価格高騰も相まって「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されているとは言えない状況になっています。昨年の秋に名古屋高等裁判所が出した判決では「健康で文化的な最低限度の生活」と言えるためには、食事は3度摂れるだけでなく、基本的な栄養バランスがとれていること、親族間や地域における対人関係や自分なりの楽しみがおこなえることが必要と指摘しました。そのうえで余裕のない生活を長期間にわたり強いられてきたとして、国に慰謝料の支払いまで命じる判決を言い渡しています。
こうした訴えは全国でおこなわれていますが、32の判決のうち、半数を超える18の判決で生活保護基準の引き下げが違法としています。こうした流れをうけて今年10月には日本弁護士会が決議を発表し、制度の改善を求めて提言もおこなっています。市としても、市民の健康で文化的な最低限度の生活をしっかりと保障する立場で、来年度に予定されている更なる基準額の引き下げをやめさせ、生活扶助費や住宅費の引き上げ、夏季加算の創設や加算額の引き下げなど、生活保護制度の拡充こそ国に求めていくべきですが、伺います。
本市における生活保護申請数は今年度に入って10月末までの7ヵ月間で1600件にものぼり、昨年度比で大きく増加しています。
「生活保護の申請は国民の権利です」というポスターを作成し、各区の保護課の職員が大奮闘していただいていることに敬意を表します。
しかし、申請数が増加しているにもかかわらず、初めて窓口を訪れ、申請に至るまでの相談者に初回面接をおこなう面接担当員の数は全市では35名、今年度に入って228件の申請を受けた泉区においては、たったの3人となっています。一人あたりで計算してみると、泉区以外ではおよそ30世帯から53世帯なのに対し、泉区では76世帯にものぼります。初回面接は丁寧な聞き取りが必要ですから、一人あたりにかかる時間が長く、その後の継続面接や書類作成などの実務があるだけでなく、区役所の開所時間内であれば、いつでも相談に来た方に対応する必要がありますので、体制を整えておく必要があります。
また、一人のケースワーカーが担当する数にも限度があります。現在最大持ちケース数を伺ったところ、123件ものケースを担当するワーカーがいらっしゃるとのことで、大変驚きました。国の基準では概ね80件となっており、全市平均すれば80.2件とのことですが、80件以上担当するケースワーカーの解消に向けて直ちに改善させる必要があります。
面接担当員の増員と相談室の拡充、ケースワーカーの担当ケース数の上限を設け、増員することを求めますが、伺います。
第129報議案 特別職の職員の給与、旅費、費用弁償の額並びにその支給方法に関する条例の一部を改正する条例と、第130号議案 市長等の給与に関する条例の一部を改正する条例の2件の条令で、市長と私たち議員の期末手当の増額がそれぞれ提案されています。市民生活の苦悩にほんの少しでも共感できるとすれば、もともと一般職員より高額の報酬を受けている、選挙によって選出された私たち議員や市長が「国及び他の地方公共団体の特別職の職員並びに本市の一般職の職員の給与の改定措置等を考慮して」と言って、期末手当を市長が9万7333円、議員で6万900円も増額しようということにはならないのではないでしょうか。
私たち議員と市長が「上げないでいい」と言えば据え置くことができます。市長から議案提案の際に議会の意向が聞かれ、私たち市議団は「引き上げなくていい」と表明していますが、市長の意見は聞いたことがありません。「上げなくていい」とは思わないでしょうか。伺います。
また、条例の構成についてですが、議員は、常勤の監査委員や選挙管理委員会、教育委員会、農業委員会の委員などと一緒に規定されています。
任期や組織の独立性などがあるとはいえ、求められている役割はまったく違います。選挙で選出される議員についての報酬や期末手当については、切り離して条例制定することを検討してはいかがでしょうか。ご所見を伺います。
第136号議案 仙台市学校条例の一部を改正する条例では、実沢小学校の閉校と根白石小学校への統合が提案されています。
実沢小学校ではかねてより、毎日根白石小学校に行き、交流授業を重ねてきました。保護者の希望や地域との話し合いの結果、今回の条例提案で新年度からの廃止を決めたいとのことですが、地区ごとに違う獅子踊りを実沢地域と学校が一体となって守り繋ぎ、地域の力を沢山もらいながら先生方が一人一人の子どもたちにしっかりと向き合うことができることができる小規模校だからこその学びが継続できないことは残念でなりません。
あらためて実沢小学校開校の経緯と、1873年(明治6年)の創立以来150年にわたって積み重ねてきた歴史と、住民の皆さんと共に発展させてきた地域のコミュニティの核としての役割を担ってきた実沢小学校の評価、地域の要望に応えた施設の活用について伺います。
関連して、現在今後の学校給食のあり方にかかわる「仙台市学校給食施設基本方針」(中間案)が示され、パブリックコメントが実施されています。
中間案では現在の実施方法において、単独調理校が「給食従事者の関わり等により、食への関心が高まりやすい」「地産地消や児童生徒との関わりを推進しやすい」と評価をしています。ところが、基本方針の冒頭から「児童生徒数の減少に伴う給食単価の上昇、人的リスクの高まり等の課題を抱えている」と決めつけていることに問題を感じざるを得ません。
さらに方針の具体の内容の一番には「単独調理校方式・親子方式・学校給食センター方式それぞれの実施方式の特性を活かしながら、安全で安心な学校給食を将来にわたり安定的に実施する」とありますが、次に「児童生徒数が一定規模を下回る単独調理校は、親子方式への移行を進める」「一定規模を下回る単独調理校で親子方式への移行が困難である場合には、学校給食センター方式への移行を進める」ことを基本とするとしています。
これでは実質的な給食センターへの集約方針となりかねません。大量調理をおこなう給食センターのリスクは仙台市でも経験しているはずですが、学校施設が災害時の避難所となることなども考えれば、子どもたちへの食育と安全安心の給食のためにも、センター方式からの移行を視野に単独調理校と親子方式を基本にし、拡大させていくべきですが、伺います。
子どもの育ちを支える点で、学校給食費の無償化は喫緊の課題となっています。本来であれば、憲法の「義務教育は無償とす」という条文に基づき、国において実施されるべきもので、市議会からも全会一致で意見書を提出してきました。
しかし、だからと言って市が独自でやらなくてよいという免罪符になるものではありません。国に求めるということは必要だという認識のはずですから、国が実施するまでの間、全学年分の財源を充てられないとしても、学年を限定したり、給食費そのものを半額とか3割減にするとか、できる範囲からでも踏み出すべきです。
今からでも年明けから年度内の給食費は払わないでいいと決めれば、直ちに一歩を踏み出すことができますが、市長いかがでしょうか。お答えください。
子どもの医療費についても同様です。初診時にワンコイン負担をさせているのはすでに県内では仙台市だけですが、新年度からはいよいよ対象年齢も15歳までは仙台市だけとなり、文字通りの県内最低最下位となります。
政令市でもすでに12都市で18歳まで対象年齢を拡大しています。子育てするなら仙台市という市長が、このままで良いとする理由がどこにあるのでしょうか。
直ちに18歳まで完全無料に拡大することを表明すべきと考えますが、ご所見を伺います。
市営バスの運賃改定と今後の進め方が公表され、2026年10月の運賃改定15%もの値上がりになるとの内容が、物価高騰で生活苦がひろがる市民の中に大きな衝撃を与えています。
この中で、企業債の償還額が大きい2026年度からの5年間に限り、一般会計から従来の補助金等に加えて40億円の追加支援をおこなうことも示されました。
私たちはかねてから、公共交通政策は市当局の責任の下でおこなわれるべきであり、市民の交通権を保障するための交通事業者への一般会計からの支出はおこなわれ当然との立場ですので、今回の対応は歓迎するものです。
しかしコロナ対策として、2020年~23年度の特別減収対策企業債借入額19億5000万円と経営改善促進を目的に2024年から26年度の時限的措置として創設された新たな交通事業債の借り入れ予定額25億円を足せば、44億5000万円です。今回、市が支援を判断した考え方に当てはめれば、44億5000万円が市の追加支援の最低額にではないかと思いますが、なぜ40億円にとどめたのでしょうか。伺います。
公共交通の整備はまちづくりの基本です。先ほどももうしあげましたが、そもそも公営企業が公共交通のすべてを担うものではないはずです。
これからの市の公共交通が市バスのみならず宮城交通や地域交通も含めて、どのように張り巡らせれば、市民のくらしを支え、移動の権利を保障するものになるかを抜本的に見直す必要があると考えます。
自家用車から公共交通利用に切り替えても、利便性や経済性は変わらないと思ってもらえるような思い切った転換を今こそ真剣に考えるべきではないでしょうか。通勤・通学の足を確保することは当然、南光台などで運行されているコミュニティバスの様に、大型バスだけでなく小型バスを地域に細かく走らせるとか、地域交通やオンデマンドタクシーなども地域まかせではなく、市の総合的公共交通政策の中で市が責任を持って市民の足として巡らせるなど、もっと知恵と工夫を凝らせば、利用者が増え、交通事業者の経営的安定にも寄与することにつながります。
このまま延長線上ではない取り組みが求められていると考えますが、これからの公共交通をどうしていくおつもりなのか、市当局のご所見を伺います。
バスや地下鉄の利用者を維持拡大し宛て行くために大事な役割を果たしてきたのが敬老乗車証です。
市はこの10月から、これまで1割負担だった利用負担額を2.5倍にも増額しました。市当局も交通局も試算しているとおり、利用が減るのは必至です。交通事業者の経営が大変なことをわかっていながら、さらに高齢者の健康維持の障害となり、地域経済にも支障を与えることになる施策判断をした責任は重大だと絵わざるを得ません。
敬老乗車証制度は無料のフリーパスであるべきというのが私たちの立場ですが、せめて12万円の利用上限額は撤廃して、25%にも増えた自己負担であっても必要な高齢者には利用制限なく公共交通を利用してもらえるようにして、交通事業者を励ますぐらいのことをおこなうのは市として当然の対応ではないでしょうか。伺います。
現在、(仮称)観光戦略2027の中間案が示され、今月23日までパブリックコメントがおこなわれています。1日に国際センターでおこなわれた「仙台観光シンポジウム2024」では、仙台市のこれからの観光行政についての意見交換がおこなわれました。
市の示した中間案では、宿泊数の目標をこれまでの650万人泊を大きく上回る680万人泊と設定し、インバウンドで70万人を呼び込むとしていますが、「宿泊業ほど天候や災害などの影響を大きく受ける不安定な業種はない」と話されていたパネリストの発言が印象的でした。
そもそも観光施策はコンテンツを増やして人を呼び込めばいい、人さえ来ればいい、ということではないはずです。一部の企業や業種だけが潤うとか、仙台で落ちたはずのお金が中央に持っていかれるとか、季節的、一時的なものであってはならないことも当然です。
大事なことは、その地で育まれてきた伝統や産業が息を吹き返し継承していけるようにすることや、地域の経済そのものが元気になることです。
そして、その土台を支えるベースとなるのが、市長の言う「まちの主役である人」の安心で安定した暮らしだとは思わないでしょうか。だからこそ必要な施策に市の一般財源を充てるのは当然ですし、今回の観光戦略においては、世界から呼び込むことに躍起になるより、市民の暮らしが豊かになる取り組みを一番に据えるべきですが、伺います。
この間、市長が一貫して宿泊事業者に向き合おうともしてこなかった、その対応を問題にしてきました。「観光戦略の説明会の中で説明する」というような話をしていましたが、それは新戦略についての説明と意見交換の場であり、現に市長は宿泊税ありきの立場から発言をしていただけで、宿泊税について市民と向き合うものにならないことは明白です。
残念ながら、宿泊税について郡市長は、新税導入という重大な施策であるにもかかわらず、説明の機会をつくり市民に呼びかけることも、その実務をおこなわせる宿泊事業者から直接意見を聞き、反対している理由を真摯に受け止めることも当事者に自らの考えを述べる事すらせず、一方的に強行した、ということが仙台市政の中に刻まれました。
市長はこのまま「もう決まったことだから仕方ない」として批判が行き過ぎるのを待つ姿勢を貫くということなのでしょうか。
市長自らの行動で失った宿泊事業者との信頼関係の回復は、担当局の担当者任せでいいとのお考えでしょうか。伺います。
7日におこなわれた市と県の合同説明会では、まさしく宿泊事業者から口々に発言されたのは、そのことでした。「強行突破されて何も信頼できない」「共感も納得もないままに強行され、どうやって連携できるのか」と、市や県が考えているという連携推進体制や宿泊者部会に対する意見が続出しました。
また、初めて説明される罰則についても「宿泊者が払わなかったら、どうすればいいのか」との問いに「宿泊事業者が払うことになる。なので宿泊者への周知が行き渡るように頑張る」といい、設置期間も開設時間もまだわからないカスタマーセンターに電話して、などという無責任な回答も飛び出すなど、およそこのまま実施できるとは思えないやり取りが繰り返されました。
来年11月の開始予定についても「紅葉の時期で団体客も多い多忙な時期にやめてほしい」「なぜ11月なのか」という意見や、今回の説明会の日時設定についても「土曜日の宿は満館日と言われる日なのに、もっと考えて設定してほしい」といった意見も出され、行政がどれだけ宿泊事業者の事情を知らないかということも如実に明らかになりました。
このような状況で、本当にこのまま進めていっていいとお考えなのでしょうか。
市長にちゃんと伝えてほしいとして「逃げずに話し合う場を作ってください。オープンで誰もが出入りできる場で、カンペを持たずに来てください」との強い要望も出されていました。7日の説明会で観光施策を共に進めるはずの宿泊事業者との信頼関係が大きく損なわれていることがはっきりしたのですから、実施のための事務作業は一旦止めて、まずは市長が前面に出て直接話し合う場を持つべきです。市長に伺います。
次にマイナンバー保険証への対応についてです。
今月2日からすべての保険証の新規発行が停止され、マイナ保険証以外の方には「資格確認書」が交付されることとなりました。もちろん、現在交付されている健康保険証は有効期限まではそのまま使用できますし、期限が切れても「資格確認書」が郵送されますので、当面はマイナ保険証でなくても、これまで通りに医療にかかることができます。そうしたことを市民に周知することを求めてきましたが、どこまで正確に情報を伝え、行き渡っていたとお考えでしょうか。伺います。
また、県内の医療福祉団体などが3日におこなった「マイナ保険証なんでも無料電話相談」には、109件もの電話が入り「もう健康保険証は使えないのか」「今のままで医療は受けられるのか」といった相談が多数寄せられたとのことです。
12月2日前後には全国の自治体の電話が鳴りやまなかったとの報道もありますが、仙台市での状況と問い合わせ内容やその内訳についても、あわせ伺います。
任意であるマイナンバーカードですから、作ることや保険証を紐づけすることも本人の選択が原則であると同時に保険証登録解除も、カード返納も、本人の自由意思で、いかなる強要もあってはなりません。
一方、自治体にとってはマイナ保険証か否かで「資格確認書」か「資格情報のお知らせ」か、仕分けして交付しなければならなくなり、事務量が増え、煩雑化することとなります。「資格情報のお知らせについては、厚労省が発行するリーフレットに「マイナ保険証での受付が上手くいかなかった場合」などという記載があり、国自らがマイナ保険証がいかに使えないかを証明しているわけですが、そのために自治体の事務量が増えるなど、本末転倒です。
また、システムの不具合だけでなく、マイナンバーカードの有効期限との関係で、市民が受信した時に保険確認ができない事態も想定されますので、新たな無保険状態が生み出され、国民皆保険制度そのものが崩壊しかねません。
さらに、いまだ誤登録の構造的欠陥も解消されおらず、それだけでなく徳島県阿南市では今月6日、マイナ保険証で受診した7500人に「有効期限切れ」の表示が出て、原因不明で大混乱の事態が起きるなど、患者の命にかかわるだけでなく、保険請求にも関わる課題は解決どころか拡大しています。
そうした中において、自治体として何ができるか、真剣に考え、市民の命と健康を守るための最大限の努力をおこなうべきです。マイナ保険証への誘導策はおこなわないことは当然、後期高齢者医療制度では来年7月までに限ってではありますが、マイナ保険証の有無にかかわらず、新規に加入された方など全員に資格確認書を交付するとしているのですから、仙台市においても全ての国保加入者に健康保険証と同様の資格確認書を交付すべきです。伺います。
そもそも国の制度設計の問題です。マイナ保険証の利用率も15%台から大きく引きあがらないのは、全国保険医団体連合会が10月に医療機関の7割でトラブルがあったとの調査結果を発表しましたが、トラブル続きで信頼できないからにほかなりません。本市においてもマイナ保険証の登録解除が可能になって以降、今月3日までに国民健康保険で131件、後期高齢医療で108件の合計239件が登録解除をおこなったとのことです。
マイナンバーカードを作れとメリットのみが強調され、事実上の強要がおこなわれていますが、障害を持つ方や施設入所している方などは作成の手続き自体を進められないとか、施設が個人情報であるカードの暗証番号を管理することや、職員が代理代行に出向き、更新まで管理するなど到底不可能だとの声もあがっています。また国保料の支払いが困難な市民との収納相談にも影響が出るのではと心配です。
マイナンバーカードへの保険証の紐づけはまずは直ちに停止をし、健康保険証を存続させることを市として国に求めるべきですが、いかがでしょうか。
仙台赤十字病院と東北労災病院を市外に移転させる県の4病院再編移転計画に大きな楔(くさび)が撃ち込まれました。
県議会で知事が正式に県立精神医療センターが富谷への移転を取りやめ、単独で名取で建て替えをおこなうことを表明したのは、患者当事者や関係者のみなさんをはじめとする住民運動の大きな成果です。
この問題で市は県に対して、市と医療圏の救急医療をはじめ政策医療に与える影響を具体に示し、市民の運動とともに止めるように求めてきたものですから、喜び合いたいと思います。
しかし、名取での建て替えが決まった精神医療センターと合築して移転する計画だった労災病院については、もはや移転する理由は失われたと思いますが、いまだはっきりとした方針は示されていません。
精神医療センターの患者・当事者を3年間にわたって翻弄させ傷つけ続けてきた県に対して労災病院についても、これ以上患者や地域の不安を掻き立てることはやめて現地で存続させることを県にはっきりと求めるべきですが、いかがでしょうか。
また市としても、労災病院の政策医療に対する支援を強めて地域医療の維持発展に努めるべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
仙台赤十字病院と県立がんセンターの統合移転についても、新たな動きが始まっています。
先月、2030年の開院を目指すとする新病院の基本構想が公表されました。
このまま進めば、県立がんセンターの研究機能やホスピスなど、これまで担ってきた多くの医療が後退するだけでなく、市民にとっても中核的総合病院が人口密集地からなくなることになりますので、大きな影響を受けるのは必至です。
こうしたことを受けて、仙台医師会が今月2日に本市に対して「仙台赤十字病院の跡地に地域医療を支える後継病院の設置を県に強く求めてほしい」との申し入れをおこないました。市内の約480もの登録医との「病診連携」が移転によって損なわれることを危惧し、初期救急と回復期病床を備えた病院の必要性を訴えたとのことです。
対応した市長は「県に伝え、しっかり対応してもらわないといけない。重く受け止めた。思いは同じだ」と応じたとの報道でしたが、精神医療センターの計画が破綻した今「4病院」の枠組みは崩れました。あらためて仙台赤十字病院の移転計画もがんセンターの機能を維持させることと合わせ、白紙撤回を求めるべきではないでしょうか。そのためにも市長自ら仙台赤十字病院にも足を運んで市がおこなえる支援の模索と検討をおこなうことを求めますが、伺います。
この間、議会のたびに建設資材の高騰などの影響による工事請負契約の変更がおこなわれていますが、今議会でも庁舎建て替えについて第140号議案で工事金額の増額の契約変更が提案されています。
今回の契約変更自体はやむを得ない者と判断していますが、これから計画を進めようとしている(仮称)国際センター駅北地区複合施設、音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設にどれだけの費用がかかることになるのか、多くの市民が注目しています。
基本設計業務の公募型プロポーザルによる受注候補者の選考の際には、どれほどの経費がかかるのか、予想もつかないようなデザイン画を示した事業者が選ばれ、先月に業務委託契約も締結したとの報告がありました。当初230億円と言われていたものが、すでに350億円にもなるとなって、そのうえ建設資材の高騰などでさらに経費が追加されるとなれば、到底同意できるものではありません。
秋田県横手市では、規模を大きくする新市民会館の建設計画が当初93億5000万円だったものが、125億円かかる見通しとなって、一時中断したと報じられていました。
仙台市にもそうした決断が求められているのではないでしょうか。立ち止まって再検討することをあらためて求めますが、伺います。
最後に環境市議会に諮問し、条例化を視野に検討を進めるとしている「新築建築物への太陽光発電・高断熱化促進制度」に関連して伺います。
本市においては2030年度温室効果ガス削減目標の実現のために、これまでも住宅等への太陽光パネルの設置や断熱化を推進する取り組みを進めてきました。
今回はさらに踏み込んで、新築建築物に太陽光発電の設置を促進するための具体的な制度を検討しようというもので、脱炭素・地球温暖化対策の前進発展に期待する所です。
一方で市民に協力を呼びかけ、設置を進めてきた太陽光パネルの発電で出力抑制が起きていることが今問題となっています。出力抑制とは、電力の需給バランスを「発電量を抑えること」で整える措置だと言われていますが、「優先給電ルール」と呼ばれる仕組みによって、出力抑制される発電所の優先順位が決められています。今月から再稼働した女川原発での発電が開始されたのことですが、原子力発電は一度動かすとすぐには止められないことから、抑制する優先順位が再開と位置付けられているために、太陽光発電が出力抑制を受けることとなり、せっかく設置したパネルの役割が果たせない状況が作り出されています。
市・市民・事業者等が一体となって杜の都の環境づくりを進める上で、道しるべと位置づけている杜の都環境プラン(仙台市環境基本計画)を進める立場に立てば、太陽光発電は原子力発電より優先されるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。
また、そうした立場で、原発は再稼働ではなく廃炉に向かうべきだと市としても声を上げることを求め、最後に伺って、私の第一問といたします。
◯市長(郡和子)
ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
物価高騰対策に関する一連の御質問にお答えをいたします。
エネルギーや食料品価格などの上昇によって、市民生活や地域経済が引き続き影響を受けている状況を背景にして、国の経済対策や補正予算の検討が進められていた先月末、本市といたしまして必要な物価高騰対策を速やかに講じることができるように、国に対する要望を行ってまいりました。
その後、国の経済対策や補正予算の進捗状況を見定めながら、このたび市としての補正予算案を取りまとめたところでございます。
重点支援地方交付金の活用と併せ、基金の取崩しによる本市独自の財源も投入しながら、住民税非課税世帯への給付金や福祉施設等への助成、地域経済への応援パッケージ施策など、市民生活や事業活動に対し幅広く目配せをし、各般の支援を行ってまいる考えでございます。
現在、国におきましても税負担軽減策など様々な検討が進められているところでございますが、その動向も注視し、状況に応じて他自治体と共に意見なども申し述べながら、市民の暮らしを守るという観点で引き続き本市として必要な対応を行ってまいります。
次に、特別職の期末手当及び条例の構成に関する御質問についてお答えをいたします。
特別職である私や市議会議員の期末手当につきましては、国や県の特別職の支給割合と均衡することを基本としつつ、本市人事委員会による市内の民間事業者への調査を踏まえた勧告に基づく一般職職員の改定措置なども勘案し、改定してきたところでございまして、今年度におきましても、こうした基本的な考え方によることが適切であると考えて御提案をしたものでございます。
市議会議員の期末手当等に関する条例につきましては、これまでも議会の考えを伺いながら提案をしてきたところでございまして、引き続き議会の御意見を十分に踏まえ対応してまいりたいと存じます。
宿泊税の導入に関する御質問にお答えをいたします。
12月1日に実施いたしました観光シンポジウムでは、宿泊事業者の方々を含む市民の皆様に対しまして、宿泊税の必要性や具体の活用策などを含め、新たな観光戦略に対する私の考え方を御説明させていただきました。
また、その後実施いたしました説明会は宿泊事業者等を対象とした実務的なものでございましたが、御懸念のお声はあったものの、負担軽減策や連携推進体制の在り方、また宿泊税の使途など、導入に向けた具体の御意見、御提案をいただいたと報告を受けております。
今後とも、様々な機会を通じて私も含め情報発信を行うとともに、説明会や意見交換を重ねながら、円滑な導入を図ることができるよう努めてまいりたいと存じます。
次に、東北労災病院に関する県への申入れ及び同病院への支援についてでございます。
精神医療センター建て替え方針の見直しにより、富谷市への移転、合築という県の提案は前提が大きく変わってきております。県は、東北労災病院移転の協議を進めるのではなく、まず移転の必要性、合理性などを明らかにすること、地域住民や関係者等の理解を得ることなどの対応を行うべきであり、これらにつきまして改めて県に求めてまいりたいと存じます。
また、東北労災病院は地域医療を支えてきた重要な医療機関でございまして、本市といたしましても、病院群当番制事業による二次救急医療体制構築などへの協力に対し助成を行ってきたところでございます。本市の政策医療における支援の枠組みの中で適切に対応してまいります。
医療は市民生活を支える重要な基盤であって、将来にわたって市内で必要な医療提供体制が確保されますよう取り組んでまいる考えでございます。
仙台赤十字病院と県立がんセンターの移転統合についてお答えをいたします。
仙台赤十字病院とがんセンターの統合新病院に係る基本構想が突然公表され、住民や医療関係者の皆様の切実な課題として、移転の影響に対する不安が高まっていて、移転後の地域の医療提供体制の確保について、市が県に申し入れてほしいとの先般の御要望につながったものと受け止めております。
本市といたしましては、県に対し、本市が以前より示している、再編の必要性やその影響に関する懸念と課題への説明を行うこと、そして地域の皆様のお声を受け止め、移転後の地域医療確保の対応策を示すことを求めてまいります。
今後とも、地域の住民の皆様や医療関係者の声を踏まえ、また県の対応なども見極めながら、本市としての役割を果たしてまいりたいと存じます。
◯財政局長(永渕智大)
私からは、一般会計から市バス事業への追加支援についてのお尋ねにお答えをいたします。
地方公営企業として公共性と経済性の両立が求められる中、本市では、市民の暮らしを支えるバス事業の経営健全化に向けまして、健全化対策補助や地域路線運行補助など、毎年度、30億円前後の財源を投入してきてございます。
今回の追加支援は、一般会計も厳しい財政状況の中、特別減収対策企業債等の償還による資金不足の負担が大きくなる期間に限定をして行うものでございまして、企業債を肩代わりするという趣旨のものではございません。
その上で、今後のバス事業の持続的な経営に向けましては、新たな経営計画に基づき、中長期的な経営改善の取組を積み重ねていくことが重要であるというふうに認識をしてございます。
◯健康福祉局長(郷湖伸也)
私からは、健康福祉局に関する御質問のうち、市長から御答弁したもの以外についてお答えをいたします。
まず、低所得者世帯に対する電気代等に係る本市独自の補助についてでございます。
今般の国の総合経済対策を踏まえ、エネルギー価格や食料品の物価高騰の影響を特に受ける低所得者世帯に対し、一世帯当たり3万円を支給する緊急支援給付金について、今定例会で追加提案をしたところです。また、これまで行われてきた燃料油価格の激変緩和措置の当面の継続や、電気、ガス代への支援の再開も予定されております。
こうしたことから、光熱費のみに係る本市独自の支援は考えていないところですが、引き続き物価の動向等を注視してまいる考えでございます。
次に、生活保護制度の拡充に向けた国への要望についてでございます。
生活保護の基準額等については、国の社会保障審議会生活保護基準部会において、国の統計データ等を用いながら専門的かつ科学的な見地から見直しが図られているところであり、令和五年度及び今年度においては、近年の物価高騰等を踏まえ、臨時的措置として世帯員一人当たり月額1000円を基準生活費に加算するなど、社会情勢等を踏まえた対応も図られております。
本市はこれまでも、全国市長会を通じ、夏季加算の創設など支援の拡充を国に要望してきたところであり、引き続き国に対し必要な措置を求めてまいりたいと考えております。
次に、生活保護に係る面接担当員やケースワーカーについてでございます。
生活保護の面接担当員は、相談者からの丁寧な聞き取りや個々の事情に応じた助言など、一定の経験や技術を要することから、実務経験の豊富な職員を配置いたしますとともに、相談前に住所、氏名など必要な項目を記載いただくことで、相談時間の短縮化を図っているところでございます。
また、地区担当制をしくケースワーカーについては、受持ち地区によって担当世帯数が必ずしも均一とはならないことから、必要に応じて担当の地区割りを見直すことにより、適正な職員配置に努めているところでございます。
今後とも、社会経済情勢の影響等により相談者が急増した場合などは、各区役所などとも連携をしながら、面接担当員や面談室について柔軟な対応を図るとともに、ケースワーカーについては、可能な限り国の配置基準を満たすよう努めてまいりたいと存じます。
次に、敬老乗車証制度の年間チャージ上限額に関するお尋ねでございます。
敬老乗車証制度については、新たな枠組みでの運用を本年十月より開始したところであり、さらなる制度変更に当たっては、将来見通しをはじめ今後の影響等を十分見極める必要がございます。
したがいまして、現段階での年間上限額の引上げ等は難しいものと考えておりますが、引き続きチャージ場所の増設に取り組むなど、多くの皆様に幅広く御利用いただけるよう工夫いたしますとともに、利用者の方々の声に耳を傾けながら、持続性を確保しつつ、よりよい制度となるよう運用してまいります。
次に、マイナ保険証に関する市民への周知や問合せ状況等についてでございます。
今般の改正に当たりましては、九月の被保険者証の一斉更新時に有効期限等を記載いたしましたリーフレットを同封いたしましたほか、11月からは制度変更の概要をまとめたリーフレットを区役所などで配布するとともに、市政だよりの十12号や市のホームページでも広くお知らせをしたところであり、制度に関する理解は徐々に進んできていると考えております。
被保険者証の新規発行が終了した先週には、区役所等に一定の問合せが寄せられましたが、主な内容は被保険者証の有効期限や医療機関への受診方法などで、各区への問合せ件数は一日当たり平均40件程度でございました。
現在、問合せも大きく減少してきているところでありますが、引き続き様々な機会を捉えて丁寧な周知に努めてまいる考えでございます。
次に、国民健康保険に係る資格確認書の一律交付についてでございます。
国民健康保険法では資格確認書を交付する際の要件が定められており、国からは、この規定に基づき、マイナ保険証を利用することができない状況にあるか否かを確認せずに、一律に資格確認書を交付することは認められないとの見解が示されております。
一方で、マイナ保険証をお持ちの方が資格確認書の交付を望まれる場合には、マイナ保険証の利用解除手続を行うことも可能であり、そうした制度内容も含め、引き続きリーフレットやホームページなどで丁寧な周知を図ってまいりたいと考えております。
最後に、被保険者証の存続についてでございます。
国の制度改正により、本年12月1日をもって被保険者証の新規発行が終了となりましたが、マイナ保険証や資格確認書等を御利用いただくことで、これまでと同様に保険診療を受けられる仕組みとなりました。
この間の周知等により制度に対する理解が徐々に進んでいると考えておりますが、区役所等に一定の問合せが寄せられるなど、さらなる周知啓発や制度運用上の課題への対応が求められているものと認識しております。
今後とも、国民健康保険の保険者として、改正後の制度を基本に、国の責任において国民の理解のさらなる浸透に向けた普及啓発や円滑な制度運用がなされるよう求めてまいります。
◯こども若者局長(郷内俊一)
私からは、子ども医療費助成制度の拡充のお尋ねについてお答えいたします。
18歳までの対象年齢の拡大や、また利用者の一部負担の廃止に対する市独自財源を用いたさらなる拡充につきましては、将来にわたる安定的な制度運営の観点から慎重に検討すべきものと考えてございます。
子ども医療費助成制度につきましては、居住地にかかわらず、全国統一の制度であることが望ましいと考えておりますことから、他の指定都市とも連携しながら、国に対しまして地域間格差の生じない制度設計を引き続き要望してまいります。
◯環境局長(細井崇久)
私からは、太陽光発電の導入促進及び原子力発電に関するお尋ねにお答えいたします。
原子力発電を含むエネルギー政策は、安全性の確保を大前提に、電力の安定供給や経済性、環境配慮などの観点を踏まえ、国が責任を持って判断すべきものと認識をしております。
御指摘の出力制御に関しましては、脱炭素社会実現のためには太陽光発電を最大限に活用することが重要との考えの下、制御が行われないよう、他の政令市と連携し、国に対応を求めてきたところでございます。
なお、現時点でも10kw未満の太陽光発電設備は制御の対象外とされておりますことから、今般、検討を開始した太陽光発電導入の新たな促進制度において多くを占める住宅用の発電設備は影響を受けないものと認識をしております。
今後とも、2050年ゼロカーボンシティの実現に向け、建築物の屋根を活用した太陽光発電設備の導入をはじめ、再生可能エネルギーのさらなる普及促進に取り組んでまいりたいと存じます。
◯経済局長(木村賢治朗)
市内事業者への支援についてでございます。
光熱水費等が高騰し、今後も高止まりが見込まれる中、事業を継続するためには、中長期的な視点に立った生産性向上等による収益力強化が重要と認識しております。
本市ではこれまで、市内事業者のデジタル化推進などの生産性向上支援策を講じてきておりまして、今回の追加補正予算案でも、業務効率化や売上げ拡大を支援するための経費を計上したところでございます。
引き続き、経済動向や市内事業者ニーズの把握に努めながら、市内事業者の支援に取り組んでまいりたいと存じます。
◯文化観光局長(柳津英敬)
私からは、まず、新たな観光戦略に係る御質問にお答えをいたします。
観光は宿泊、飲食、サービス業など産業の裾野が広く、地元中小企業の関連も多いことから、地域経済を活性化し、市民の皆様の暮らしを豊かにする重要な役割を担う産業であると認識をしております。
こうした点を踏まえまして、新たな観光戦略の策定に当たりましても、長く滞在してもらい、消費を促すという視点も重視しながら、6つの重点プロジェクトをまとめたところでございます。
今後、新たな財源も活用しながら、これまでの枠を超えた観光施策を推進していくとともに、本市が育んできた地域の文化や伝統にも磨きをかけながら国内外に広く発信し、地元の観光関連事業者の皆様と共に、経済効果を最大限高めることができるよう、交流人口のさらなる拡大を図ってまいりたいと存じます。
次に、音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設についてでございます。
昨今の建設費の高騰の状況を鑑みますと、本施設の整備を進めるに当たりましても、資材価格等の動向を注視し、コスト面に十分配慮しながら検討を進めることが肝要であると認識をしております。
今後、先般契約を締結した事業者が設計を進めてまいりますが、設計者任せにすることなく、本市が主体的に関わる形でコスト管理を行ってまいりたいと考えております。
また、設計はもとより、運営面なども含めまして検討状況は節目節目で広く市民の皆様にもお知らせし、御理解を得ながら整備を進めてまいりたいと存じます。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
私からは、今後の公共交通の在り方についてお答えいたします。
本市ではこれまで、仙台市地域公共交通計画に基づき、路線バスの利便性向上に向けたダイヤ調整やせんだいバスFREE+の導入などによる利用促進に取り組んでまいりました。また、地域、交通事業者、行政の三者による検討を重ね、本市の交通政策の一環として、地域交通の導入などによる地域の移動手段の確保にも努めてきたところでございます。
一方で、この間、路線バスを取り巻く環境は深刻な運転士不足などにより厳しさを増していますことから、そのような現状を踏まえた取組が必要であると認識してございます。
今後、令和8年度末の仙台市地域公共交通計画の改定に向けまして、学識経験者や交通事業者とも議論を重ね、厳しい環境下におきましても持続可能な公共交通ネットワークを確保できますよう取り組んでまいりたいと存じます。
◯教育長(天野元)
私からは、教育局に係るお尋ねにお答えいたします。
まず、実沢小学校についてでございます。
実沢小学校は、明治6年5月に開校しました市内で最も長い歴史を刻む小学校の一つでございます。
児童数が最も多かった昭和23年には291名の児童がおりましたが、昭和63年に館小学校の分離新設もあり児童数は減少し、令和2年には7名となりました。地域の皆様と協議の結果、児童は根白石小学校へ転籍することとし、令和3年度以降は休校となっていたものでございます。
休校以降も、町内会長等による実沢小学校の今後とまちづくりを考える会が結成され、これまでに12回にわたり協議を重ねてきたほか、本年5月には創立150周年記念式典を開催するなど、地域に愛されてきた学校であると認識しております。
閉校後の施設の利活用については、引き続き地域の皆様と検討していくこととしており、学校や地域に対する思いを踏まえ、関係部局とも連携しながら検討してまいりたいと存じます。
次に、仙台市学校給食施設基本方針(中間案)についてでございます。
この基本方針は、安全で安心な給食を将来にわたって安定的に実施するため、一定規模を下回る単独調理校について、親子方式への移行を基本に検討することとしたものでございます。
学校給食センターは、単独調理校と遜色のない温かい給食を提供し、単独調理校の改築時等の代替提供等の役割も担っているところであり、教育委員会としては、引き続き、それぞれの実施方式の特性を生かしながら、児童生徒においしい学校給食を提供してまいりたいと考えております。
最後に、学校給食費の無償化についてでございます。
学校給食費の無償化は保護者の経済的な負担軽減や子育て支援につながるものと認識しておりますが、部分的な対応であっても、多額の財源を恒久的かつ安定的に確保する必要がございます。
このため、本市といたしましては、自治体間で差が生じないよう全国一律の制度創設と財源措置が必要なものと考えており、学校給食に関する実態調査の結果を踏まえて、課題整理等の国の検討状況を注視しながら、引き続き機会を捉えて国に要望してまいりたいと存じます。
◯ふるくぼ和子議員
御答弁どうもありがとうございました。個別の問題については、また引き続きいろんな場で議論を続けていきたいというふうに思いますけれども、この場では2点について再質問をさせていただきたいと思います。
まず1点目は、第129号議案、市長の期末手当についてです。
私の質問は、市長に、御自身について上げなくてもいいと思わないかと、このようにお伺いをしました。御答弁は、議案の説明の文言をほぼそのままというか、少しかみ砕いてという、そのままの答弁をいただいたわけですけれども、私たち議員や市長というのは公選でこの場にいるという関係です。議案を提案するという権限が与えられていて、据え置くということも判断して行うことができると、こういうものですから、明らかに一般職員とは違うんですね。
今回の改定分でいえば、市長は9万7333円上がる提案になっているんですけれども、今月の10日に既に支給された期末手当、これは、前年比で3.03%ですか、増えて、330万9322円ということになっているということです。今回のこうした支給額分だけでは足りないということなんでしょうか。上げなくてもいいと思わないかという問いに対しては、私、真っすぐにきちっとお答えをいただきたいというふうに思いますので、再度お伺いをしたいと思います。
そして、2点目の、宿泊税について、事業者の皆さんとどう向き合うのかということについてお伺いをしました。市長からは、7日の説明会でたくさん出された批判、あったわけなんですが、私の印象としては、都合よく前向きな意見にして答弁されたなという、そういう受け止めの答弁でした。
7日のほうの説明会は、市長が来てオープンの場で膝詰めで話し合うように、逃げないでください、ちゃんと市長に伝えてくださいと、こういうふうに具体的に求めていらっしゃったわけですよね。市長は、そうしたことを、きちっとそのことが伝わっているのか、まず市長にきちっと伝わっているのか、そうした意見をどういうふうに受け止めているのか、なぜ宿泊事業者が怒っているのかということ分かっていらっしゃるのか、こういうことについて疑問でなりません。
議会の議論を経て成立に至ったという説明会での議会のせいにするような御当局の発言というのもあったんですけれども、しかしながら、宿泊事業者の皆さんは、議会に説明すれば自分たちに説明しなくていいというふうにはなりませんし、自分たちの理解や納得がないままに、こうして強引に進めた手法に対して一体どう考えているのかという、こういう思いで今いらっしゃるんだというふうに思います。
そういう意味でいえば、まずは宿泊事業者との信頼回復のために責任ある行動を取るべきだというふうに思います。その役割が市長御自身にあるというふうにお考えにはならないでしょうか。宿泊事業者等の皆さんと対面で話し合う機会を持つこと、そのためにも、手続というのも一時的に停止をして、合意と納得を得られるまで進めないんだという、こういう決意を持って対話をするということが必要だというふうに思いますけれども、この点再度お伺いをいたします。
◯市長(郡和子)
まず、私の期末手当についての条例改正の案提出に至った背景でございます。
現下の状況も踏まえて、いろいろなことを考えさせていただきましたところでございます。国やまた県の特別職の給与等との均衡を図ってきたこれまでの経緯等々もございましたものですから、今回は、検討の結果、改定をお願いをするということで、これまでと同じような形での水準にすべきと判断をさせていただいたところでございます。
それから、2点目、宿泊税の説明についてでございます。
これまでも私は、担当から7日の件については報告を受けたところですけれども、別に私は逃げたり、かたくなに宿泊事業者の方々とお話をしないということではなく、これまでも個別、いろいろお話を聞かせていただく機会もございました。また、事務方も含めて宿泊事業者の皆様方から様々な御意見を寄せていただいて、逐次その報告も受けながら、反映させて対応について図ってきたところでございます。
先般の一日の観光シンポジウムにも宿泊事業者の皆様方がおいでになっていたのは、私も確認をさせていただいているところでございます。その中からの御発言は、時間の許す限り手を挙げていただくなり、また、ネットでいろいろ御意見を寄せていただいたりしたものについて、私自身も御回答させていただいたところでもございます。
今後とも、事業者の方々や市民の皆様方に対して同じ方向を向いて進んでいかないと成り立たないものだというふうに考えておりますので、ぜひ、様々な場面、手法を通じて市民の皆様方に私どもの考えを丁寧に御説明申し上げて、理解を得るように努めてまいりたいと存じます。
◯ふるくぼ和子議員
今ほど市長から宿泊税についてお話しいただきました。決して私が逃げたというんじゃなくて、その説明会の場で事業者の皆さんがそのように発言をされたということを紹介をしているわけであって、結局、そういうことが事業者の皆さんが求めているということなんですね。
一日のシンポジウムのことでいえば、観光戦略ですから、これからの仙台市の観光をどういうふうにするかというその場において、きちっとそういう方向でやれること、あるいは期待すること、進めてほしいこと、そういうのが、これはいろんな事業者の皆さんがそういう意味ではよく理解はされていて、ただ、7日の説明会の報告を市長は聞いたかどうか分かりませんけれども、その中でも、7日の中でも、一日には、そういうことを言う場ではないと思ったから、むしろ息をのんでぐっとこらえたんだと。宿泊税のことでということではない、やっぱり観光戦略でどうやって動かすかというところにそういうことではないだろうと、本当にのみ込んだんだということもきちっと7日には発言をされているわけですよね。ですから、それはちゃんとそういう理解を、市長、しなきゃいけないというふうに思います。
もしそういう状況をつぶさに報告をきちっと受けていて、状況を把握しているんだとすれば、やはり今市長がやらなければならないことというのは、決していろんな場でやっているんだとこの場で言うのではなくて、今から直ちに事業者の皆さんとお会いをしようと、こういう表明をすることだというふうに思うんです。
例えば、札幌市で今、70歳以上の市民が地下鉄、市電、バスで利用できる敬老パスというもの、これをめぐって、制度の大きな後退になるというそういう提案がされているようなんですが、反対する住民運動が起きていて、先月の30日に札幌市の秋元市長が市民と直接意見交換会を行うという集会を行ったと報じられることもありました。
見直す内容のよしあしというのはもちろんいろいろあるにしても、どんな批判が寄せられようとも、施策提案をした限りは、ちゃんと市民に向き合うというのが私はトップのあるべき姿というふうに思うんですけれども、市長はどんなふうにお考えでしょうか。違うでしょうか。まさしく、今、宿泊事業者の皆さんが共感と納得がないと言っているのは、そうした市が施策決定をするときに市民の多様な意見を聞くというこの入り口のところで、郡市長と残念ながら意見交換ができなかった、自分たちの思いも聞いてもらえなかった、けど結果的に強引に進めたということに対する批判ということだと思うんです。
このままで、観光行政の推進のために必要不可欠な宿泊事業者の皆さんと連携できる、協力できるというふうに、本当に市長、思っていらっしゃるんでしょうか。宿泊事業者の、まず話し合いたいです、来てくださいという思いに応えるということが本当に求められているし、説明会で強引に進められてどうやって連携できるのかというこういう具体的な声も出ているわけですから、その求めに応じて、次に何か機会があればと、これまでやってきたということではなくて、年明けすぐにでも市長自らが日程調整をすると、こういう表明をしてしかるべきだと私は思っているので、再度重ねてお伺いをしたいと思います。
もう一つ、市長の期末手当の件ですけれども、御自身で据え置く判断はできるんだけれども、同じ水準にということで御答弁です。
物価高騰で、市民生活、本当にますます大変さが増しているこのときです。市民から要望が出されている、支えてほしい、ぜひ実現してほしいと要望が出されている学校給食費の無償化だとか子供の医療費の拡充だとか、今ほど御答弁もありましたけれども、全然応えようともしない。一歩も踏み出そうとしない。それどころか、敬老乗車証の利用者負担、大幅に増やして、バスの経営にちょっとでも役立つんだったら上限だってどけたらいいんじゃないかということさえも応えない。そして、宿泊税も、宿泊事業者の声はよそに、市民に対しても新たに負担をすることになる、その新税というのが導入される。
こうして市民の負担を増やす一方と。願いに応えない、増やす一方ということで、しかし、御自身の期末手当は既に昨年から3%増えて330万円にもなっているのに、340万円にしようという提案をしている。このことに私はやっぱり何も感じないんでしょうかということを伺っているわけなので、市長の再度の判断を求めて伺いたいと思います。
◯市長(郡和子)
お答えをいたします。
まず、宿泊税についてでございます。
新しい目的税を創設をする決断をしたわけでございます。ここに至るまでには、これはこの条例をお認めいただいたときにも申し上げましたけれども、令和元年から既に関係する皆様方とこの宿泊税の導入に向けて何ができるのかという活発な御議論をいただきました。また、議会においても、当時の議長の下で決議がなされたものでございます。
そして、今般、やはり人口減少が進む中で本市の持続的な発展を目指していく上では、裾野の広い観光産業について、てこ入れをした上で、今までの枠組みにとらわれない観光施策を打って出なくちゃいけないということで、議会からもお認めいただいた宿泊税の導入に向けて、今準備を進めているところでございます。
12月の7日に開催をされました事業者の皆様方を対象とした実務的なやり取りの中でも、これもですね、担当からしっかりお話を聞かせていただいております。どなたが何をおっしゃったのか、聞けるところまで聞かせていただきました。
その上で、私自身はですね、皆様方の御不安はあるというのを十分に捉えた上で、しかしながら、こういうふうに使ってもらいたい、あるいはこのように検証してもらいたいというような建設的な御意見も多々あったのも理解をしているところでございます。ただ、物すごく強硬に私が何で出てこないんだというふうにおっしゃられた方に対しましては、私は別に逃げも隠れもしないわけでして、また、事業者の方々にぜひ御理解をいただいて共に進めるために、様々な機会を捉えて私の言葉でお話をしてまいりたいというふうに考えております。
それから、期末手当についてでございます。
様々な情勢分析を重ねた結果、国、県の特別職の支給割合、ほかの自治体の皆様方の特別職の支給割合ということも考えた上でですね、これはこれまでの基本を踏襲するということで判断をさせていただいたものでございます。