【概要】
2023年度は40億6900万円の黒字
物価高騰対策、くらし応援にもっと予算を!
〇2023年度の財政運営と財政見通し
〇物価高騰から市民を守る施策の実施
〇低所得世帯等へのエアコン購入、設置に対する助成
〇保育料の負担軽減をはじめ、子育て支援、若者応援の充実
〇敬老乗車証制度の大幅負担増は中止・延期
〇市民・事業者に負担を強いる宿泊税の導入撤回
〇4病院の移転再編計画や県営住宅廃止方針の中止
〇女川原発再稼働の中止、健康保険証の存続
〇庁舎建替え、音楽ホール等大規模事業の精査や見直しの必要性
〇犯罪被害者等支援条例の充実
〇すげの直子議員
日本共産党仙台市議団のすげの直子です。会派を代表して提案されている諸議案および、市政の重要課題について質疑いたします。
8月末に公表された本市の7月の消費者物価指数は天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、昨年の同じ月を2.8%上回りました。前年同月との比較で上回っているのは、実に3年1ヵ月連続とのことです。
政府の電気代・ガス料金への補助金がいったん終了したことが大きく影響しているものの、菓子類や飲料、肉類などの食料をはじめ、学習塾などの「補習教育」が10.5%、カバンなど「身の回り品」が10.4%、「書籍・他の印刷物」が9%、食器や台所用品など「家事雑貨」が6.4%上昇するなど、生活に欠かせない身近なものが軒並み値上げとなっています。こうした点からも、市民の暮らしが本当に厳しくなっていることが浮き彫りとなっています。
また、本市の消費者物価指数は、4月以降連続で主要都市中、最も高い数字となっていて、市民生活や地域経済への影響はより深刻です。
市民に一番身近な基礎自治体として、物価高騰から市民の暮らしを守る積極的な役割を果たすことが強く求められていると考えますが、郡市長はどのようにお考えでしょうか。伺います。
2023年度 令和5年度普通会計決算(速報)によると、昨年度は実質収支である黒字額が40億6900万円となり、前年度から4億7200万円の増という結果でした。
今年の第1回定例会の際に、本市の市民一人当たり基金額が政令市20市の平均である8万円を大きく超えて圧倒的1位を誇っていることを総務省の資料を基に指摘しました。決算年度には基金からの取り崩しが173億円余でしたが、126億円余の新たな積み立てもおこなって、普通会計で約1268億円余の基金残高となっています。
財政局の説明資料には、ここ数年(参考)として新型コロナウイルス感染症・物価高関連経費にかかる歳入として、特定目的財源の内訳と、目的別歳出が掲載されています。通常とは大きく異なる事態が起こった際に、そのための財源がどのくらい、どのように使われたのかをわかりやすく議会や市民に知らせていくことは大切であり、こうした資料の提出は今後も続けることを求めておきます。
この資料によると、決算年度コロナや物価高対策のために主に国や県から来た特定財源は250億4000万円余でした。それに対して、市が同事業に使ったお金の総額は276億7000万円余とのことです。足りなかった分が本市の一般財源ということになりますが、その額は26億2000万円余ということになります。
しかし、この中には国から来たお金を返した過年度還付金、約18億円も含まれていますので、実際の物価高騰に対する決算年度の市の財政支出はわずか8億円余で歳出総額に占める割合はわずか0.1%にすぎません。
前年の2022年度も決算審査の際に、コロナ物価高対策に対する一般財源投入額が23億円にとどまっていることを指摘しましたが、決算年度はさらに少ない額にとどまっています。コロナ禍から立ち上がりきれない中で物価高騰が市民の暮らしを直撃する中で、もっと思い切って暮らしを支えるための取り組みをすべきと求めてまいりましたが、その分野への財政支出が非常に少なすぎたのではないでしょうか。
決算を踏まえて郡市長はどのように受け止めていらっしゃるのか、ご認識を伺います。
決算年度は、予算編成時には335億円の財源対策をおこなってやっと予算を編成したとしていました。さらに本市は、今回の決算を受けての予算編成方針案とともに、来年度以降10年間の収支差が3747億円前後になるとの見通しをたてています。
前回公表の3838億円から少し減りましたが、私はこの財政見通しについて、以前からあまりにも実態との乖離(かいり)が大きすぎること、より実績に近い見通しとなるよう計算の仕方そのものを変える必要があると求めてきました。
そして実態とかけ離れた過大な数字を示して、市民に対して財政難だと過剰にアピールするのは問題だと指摘してきました。
今年の第1回定例会の際にも少し紹介しましたが、改めて政令市の財政見通しをできる限り把握してみました。
4年から5年間の収支不足額で公表している政令市が多く、本市の場合で言うと、来年度以降5年間の収支不足は1545億円で、その後の5年間が2202億円の財源不足になるとしています。
本市以外の政令市では、それぞれ5年間の収支不足が相模原市は112億円、川崎市は604億円、北九州市は812億円などとなっています。年間予算が8000億円規模の神戸市が427億円、一般会計予算がおよそ2兆円の大阪市で649億円との見通しです。
他の都市と予測の立て方が違うとか、決算ではなく予算ベースで見通しを立てているからとのことですが、やはり本市の財政見通しは、あまりにも過大であり、しかも実態とも全くかけ離れています。ご当局も他都市の状況はもちろん把握していると思いますが、見通しの立て方そのものを改める必要があると考えます。現状の方法に固執する理由は何なのか、そうすることが市民にとってどのようなメリットがあるのか、明確にお答えください。
財政が厳しいことの理由として、本市の経常収支率が高いことを必ずあげますが、ご当局も述べている通り、財政状況は一つの指標だけで測れるものではありません。決算年度での比較はまだできませんが、令和4年度決算で比較すると、確かに経常収支比率は政令市中17位で良い数字ではありません。
しかし本市の基金額が一人当たりでは政令市で1位になっていることをはじめ、将来負担比率は第9位、実質公債費率は10位とほぼ平均です。それらを含めて財政力指数は政令市中第7位となっており、けっして他都市と比較しても、より財政が厳しいとは言えないと感じますが、これらの数字を総合的に見て市長はいかがお考えでしょうか。伺います。
もとより、住民福祉の向上こそが自治体の一番の仕事ですから、どういう事態にあっても市民が汗して支払っている血税を、その時々に求められる市民の幸せのために最優先で活用されるのは当然です。
冒頭で、本市の消費者物価指数が高い水準にあることを申し上げましたが、長引く物価高騰や猛暑の中で市民生活や事業者の経営はひっ迫しています。
決算年度の物価高対策の財政投入もささやかでしたが、今年度は前回も、そして今議会にも疲弊する市民生活を支える直接支援のための補正予算が提案されていません。必要な施策に財源を充てることなく、市の財政だけが好転しても胸を張ることはできません。
9月に入っても厳しい猛暑は続いています。いったん打ち切られた電気代や都市ガスに対する国の補助が8月分から復活しますが、当面10月までの3ヵ月となっています。国に対して更なる継続を求めることは当然ですが、市としても独自の支援が必要です。大株主として、東北電力に電気料金の引き下げを要請するとともに、市として支援金の給付をおこなうよう求めますが、いかがでしょうか。
また、エアコン使用が推奨されても、そもそもエアコン自体がつけられないでいるというご家庭もまだまだ残されています。命にかかわる問題です。
生活保護世帯においては、2018年以降に保護が開始になった世帯については一定の要件を満たせば、エアコン購入に対して現時点で6万7000円を上限に支給されるようになりましたが、実績は多くありません。設置を含めて到底支給額が足りないことや、要件を満たすにはハードルが高すぎるという問題があると考えられます。支給の対象外になっていて、エアコンを必要としている生活保護世帯や非課税世帯、ひとり親世帯などに対するエアコン購入・設置に対する独自の助成をするよう強く求めます。お答えください。
さらには今年も冬の灯油代が高くなることは十分想定されます。いわゆる福祉灯油の実施をはじめ、全世帯を対象にした灯油代への助成を今から検討することを求めます。合わせてお答えください。
決算年度や、その前年度に実施した高齢者や障がい者福祉施設、私立保育所などに対する光熱費や食材料費の物価上昇分への支援や公共交通運行継続のための奨励金などが、今年度はいまだに提案されていません。いったいどういうご認識でこういう判断になっているのでしょうか。
学校給食や公立保育所の食材料費の物価上昇分については、当初予算医計上されたわけですから、本来であれば、民間の福祉施設などについても計上されてしかるべきでした。その後の議会のたびに補正の計上がないことを指摘していますが、こうした事業所等への支援はいまだ必要ないと判断されている根拠は何なのか、わかるようにご説明ください。
必要性はあるものの、国の交付金がないから支援できないというのは理由にはなりえません。千葉市では中小企業を対象としたエネルギー価格高騰対策支援金として、一律5万円の給付を実施したり、以前紹介した福岡市では、引き続き今年度4月分までの燃料費の高騰分に対する事業者支援金を実施しています。まずは市として独自の財政措置をおこない、市民や事業者支援をおこなうべきです。いかがでしょうか。伺います。
市民の暮らしを応援することにもっと財源を振り向けるべきであり、本市の財政力をみても、そのことは十分に可能です。
「子どもの保育料が月約5万6000円。日々の成長は嬉しいけれど、こんなに子育てにお金がかかるとは思わなかった。2人目は欲しいが躊躇(ちゅうちょ)してしまう」「仙台の子育て支援が他の自治体より進んでいるとはとても実感できない」この夏、子育て真っ最中の方たちと接する中で、市民意識調査の結果同様、子育て支援に対する評価は依然として低いことを再認識しました。困難な時代の中でも子どもを持ち育てたいと願う若い人たちをしっかり支え、後押しすることが求められていることを改めて実感しました。
上杉分庁舎こども若者局入口の扉を開けると「子育てするなら仙台」まち全体で子育てを応援します!仙台市長 郡和子 とのステッカーが一番に目に入ります。看板倒れにならないようにしなければなりません。
保育料の無償化については実際は第2子にもかかわらず、第1子が保育所を卒園すれば第1子扱いとなって、保育料が課せられるという現状を改める必要があります。保育所を卒園したからといって、第1子の成長にも経済的な負担がなくなるわけではありませんから、こんな不条理なことはありません。
静岡市や堺、北九州市、本市がライバルとしている福岡市ではすでに同時入所にもかかわらず、第2子以降は保育料を無償化しています。
本市でも実施に踏み出すべきですが、いかがでしょうか。少なくとも「第2子は半額」というのは、その世帯にとっての第2子であれば、上の子が保育所にいようが卒園してようが、第2子としてカウントして保育料を算定することは早急に実施すべきです。伺います。
子どもの医療費無償制度の拡充は、いつになったら県内他自治体と足並みをそろえる決断をするのでしょうか。
この間、国に対して地域間格差の生じない制度となるよう求めていくとのご答弁を繰り返していますが、今や仙台市が年齢拡充の決断をしないことが県内での地域間格差を生じさせています。
政令市でも、もはや半数を超える都市が18歳までを対象とする前進を図っているのに「国に求める」のみの一点張りでは子育て世帯に対する説明にはなりません。子育て支援策として重要な柱の一つだからこそ、他自治体では独自の前進を図っています。18歳までの年齢引き上げと、窓口負担をなくすことを求めます。来年度から実施すべきです。お答えください。
学校給食の無償化についても後ろ向きのご答弁に終始し続けています。
文科省の調査でも令和4年度時点で小中学生全員の給食費の無償化を実施しているのは約550自治体にのぼり、6年前から7倍に増えているとのことです。
育ち盛りの子どもたちを持つ世帯に、今の物価高はより重くのしかかっています。学校給食の食材料費の高騰分に対する予算は組んでいますが、もともと本市の給食費は小学校では政令市で2番目、中学校では3番目に高い水準であり、大変な負担です。
おとなりの富谷市では、市長が決断し実施されていますが、10年間は財政調整基金で賄い、その間に国に実施を迫り財政措置させるとの考えにたって始めたというのは郡市長もご存じのはずです。
本市の財政調整基金は決算年度末で256億円ですが、満期一括償還分を除いた減債基金も決算年度末残高は約99億円と増えており、こうした基金も活用できます。
小中学校全学年での一斉実施がもちろんベストですが、中学生だけとか小6と中3からとか、導入の仕方についても具体に示してまいりました。もう国に働きかけるとのご答弁ではない、市としての前向きなお答えを求めますが、いかがでしょうか。伺います。
高等教育まで学費は無償、これが世界的には当たり前の流れです。国連の高等教育無償化条項を留保し続けた日本でも、2012年には批准したにもかかわらず、今も教育に対する公的支出が少ない中で、高い学費が子育て世帯と学生自身を苦しめています。首都圏の大学をはじめ、今でも高い学費をさらに引き上げようとする動きに対して、学生たち自身が値上げはするなと声をあげています。
給付制奨学金制度の導入は、郡市長の1期目の公約の大きな柱の一つだと記憶しています。政令市中、独自の奨学金制度がないのは仙台市と広島市だけだ、と仙台で学ぶ学生を応援したいと市長がご自身の言葉で熱く訴えておられた姿を、私は今でも鮮明に覚えています。1期目に奨学金の返済に対する独自支援が早速創設されたことは高く評価しますし、この度からスタートする『仙台バスFREE+』についても、学生の通学支援となるもので、市民から歓迎の声があがっています。
さらに歩みを進めて、いよいよ学生の学びそのものに対する支援に踏み出す時はないでしょうか。
重すぎる学費を少しでも軽減してほしい…この切実な願いにこたえて、学都の名にふさわしい給付制奨学金制度の創設を求めます。お考えを伺います。
子どもたちから高齢者まで生き生きと暮らせるまち仙台の実現こと市民の願いです。
高齢者を含めて、聞こえに支障を感じている方々に対して、補聴器の購入助成をおこなうことも繰り返し求めてきました。
「耳が聞こえなくなってきたけれど、補聴器って高いんだよね」と、最近も購入を躊躇(ちゅうちょ)している高齢者の方の声をお聞きしました。日常生活の困難や社会参加への制約を軽減し、支える取り組みとして補聴器購入に対する助成制度の創設を求めます。いかがでしょうか。
この間、制度の創設に対して「支援の対象範囲や内容が異なることの合理的な説明が難しいことや財源面での課題がある」とのご答弁を繰り返していますが、新潟市や相模原市、富谷市や東京都のと特別区、実施済みの自治体では、そういった課題をどうクリアしているのか、合わせてお答えください。
市民生活応援こと求められているのに、残念ながら逆行していると言わざるを得ないのが、今の仙台市です。
敬老乗車証の大幅引き上げについては、条例可決後の説明会においても当局の説明には到底納得できないとの意見が相次ぎました。高齢福祉予算が今後10年間で70億円増えるので、敬老乗車証にかかる予算を今以上増やさないようにしなければならないとしきりに言いますが、高齢者が増えることこそ、そのための予算が増えることは何十年も前からわかっていたはずです。今議会には泉区役所の建て替えについて、当初提案価格の78億円から131億円まで増えるとの提案がされています。
また、この間、本庁舎の建て替えの増額や音楽ホール等の複合施設も230億から現状350億円まで事業費が膨らむと想定していますが、こうした事業については大幅な増加があっても問題ないと判断されています。
なぜ、敬老乗車証にかかる経費については最大でも3億から5億円ほどしか増えないのに、それが許されないのか。今のままでは制度が持続できないのか、合理的な説明はまったくされていません。高齢福祉予算の義務的経費が今後10年間で70億増えることも介護保険など国の制度によるもので、高齢者のせいではありません。市民とともに国に対して自治体負担を軽減することこそ求めるべきではないでしょうか。伺います。
高齢福祉予算が増えることを強調して、自分たちのせいで財政を圧迫させていると高齢者に肩身の狭い思いをさせて「やむを得ない」と諦めさせるようなことを行政がすべきではありません。
私たちは本市の福祉予算が政令市の中でも少ない水準にあることを指摘してきました。その際には本市の特徴として、高齢化率が他都市と比較して低いことを理由の一つにあげています。他都市と比較して高齢者が少なく、福祉予算が少なくすんでいるなら、それこそ削るべき分野ではありません。
介護や医療等の負担は増え、高齢者のくらしは物価高騰のなかでますます厳しさが増しています。
コメ不足のなか、ようやく新米の流通が始まるとのことで安著したのもつかの間、価格が2割から4割高くなるとの報道に、節約も限界との悲鳴の声があがっています。敬老乗車証の経費は、市の予測でも再来年度でまだ令和元年度を越えるか超えないかという水準です。本市のここ数年の決算からみても早急に負担増をしなければならないというひっ迫した状況ではありません。
8月末には「敬老乗車証問題連絡会」が引き上げ止めよとの追加署名とともに「私のひと言メッセージ」を提出しています。「母には70歳で車の運転をやめてもらいました。値上げで負担が増えると家にこもりがちになる不安がある。実施はやめて」など、まだまだ声が寄せられています。
先日、私たち党市議団としても、負担増の中止・延期を求める要望書を提出させていただきました。高齢化を取りまく現状に鑑み、今からでも負担増は中止する判断をするなら市民には大歓迎されるはずです。いかがでしょうか。郡市長の賢明な判断を求めます。
敬老乗車証にかかる経費が増える事ばかりに目を向けず、この制度が持つ効果や役割にもっと光をあてて、財政局を説得することや市民との共通理解にしていくことが必要です。
文化芸術・スポーツ振興調査特別委員会で調査に伺った八幡市では、高齢者を中心に市の人口の1割が参加している事業について、要支援や要介護認定を受けるリスクや、年間1人当たりの医療費介護給付費が非参加群よりも参加群では抑制されているとの調査結果を数字で示して、効果の見える化を図っていました。敬老乗車証制度が持つ多面的な効果について、増える経費以上のものがあるのは間違いありません。
そして今回の大幅引き上げでどれほどマイナスになるのか、本市でもきちんと調査・分析をおこなって、市民に説明すべきです。いかがでしょうか。伺います。
市民や地域経済を支える事業者の声に耳を傾けないという点では、本市が前のめりで導入しようとしている宿泊税も同様です。
第107号議案 仙台市宿泊税条例および、関連する第106号議案 令和6年度一般会計補正予算(第2号)について伺います。
8月の総務財政、経済環境委員会において、宿泊税の制度設計案などについて説明された際にも、私たち市議団は事業者の方々からの根強い「導入反対」の声があることを示し、市民の誓いは未だ得られているとはとても言い難く、今議会への提案はやめるべきと主張しました。
先日宮城県と仙台市が共催でおこなった事業者向け説明会でも、反対意見が続出し、9月定例会に条例案を提案すること自体に対する疑問や怒りの声が噴出しました。
ご当局は、この間も事業者を訪問して説明してきたと言っていますが、一連の流れの中で事業者の理解が進んでいるとは到底言えない状況です。また宮城県は、今後おこなう県民説明会で知事が自ら説明するとのことですが、郡市長はこの間も直接事業者のもとに足を運んで声を聞くこともありませんでしたし、市民向け説明会すらおこなわないとしています。なぜ必要ないとの判断をしているのでしょうか。
市民にも負担を求める新しい税制を創設しようという時に市民に直接説明して声を聞こうともしないこと自体、手続き上大問題です。少なくとも市民説明会を開催して、郡市長が自らご自身の言葉で説明すべきではありませんか。伺います。
先日地元紙に「宿泊税 あなたはどう見る」との記事が掲載されました。
全国の自治体の新鋭構想に長年かかわってきたという青木宗明神奈川大学経営学部教授のコメントは、まさに我が意を得たりという気持ちで読みました。
「法定外税を導入する上で重要なのは、多くの人が納得できる課税の根拠を示す事。観光を振興するのに、なぜ宿泊者が税を負担するのか明確に説明できない。
他でやっているから導入してしまおうというのは安易な考え。問題だらけの独自課税が全国各地に広がることを懸念している」と至極もっともなご意見です。
そもそも市長は課税ラインとして、5000円との考えも示していましたが、その後すぐに6000円に変更して、宿泊税200円を徴収するという提案をしてきました。課税ラインとしてなぜ6000円なのか、深い検討がその間なされたとはとても思えません。
総務財政委員会でも、なぜこの課税ラインが妥当なのか市民が納得できる合理的な根拠はなんら説明されませんでした。10億円の新たな税収を確保したいとの思惑からの設定のようですが、それも650万人泊が前提となっているなど、なんの保障もないものです。
市民・県民を含めて負担増となる新たな税の創設が思い付きのような経過で簡単に決められるなど決してあってはなりません。
さらには東京都では1万円以上で100円などと設定している中で、県と合わせて300円の税負担についても高すぎるとの声は、導入やむなしというご意見の方からも寄せられています。県とは膝詰めで協議して合意できたと胸を張りますが、市民や事業者のこうした声にこそ応えるべきです。
課税根拠を明確に出来ない以上、とても議会の審査に耐えうるとは思えません。
関連する補正予算を含め、議案は一旦取り下げるよう求めます。市長の英断を強く求め伺います。
今議会の説明資料では、宿泊税導入の検討敬意について「本市議会における宿泊税の導入を求める旨の決議案が可決される」との説明から始まっています。
この時にも私ども日本共産党仙台市議団は反対しましたが、今回もとにかく議会に提案して、あとは議会が可決したことだと市民や事業者に説明し、議会の責任にして諦めさせようという腹積もりなのでしょうか。今議会にこだわる真意を伺います。
私たちは党市議団としても、市内事業者の方々のお考えを広くお聞きしたいと、約140宿泊事業者にアンケートを送付させていただきました。
お盆前後を含めて大変繁忙な中、回答を寄せていただいた事業者の皆様に深く感謝を申し上げます。
宿泊税に対して反対とのご意見が多いのはもちろんですが、「食材費、燃料費、人件費、リネン類クリーニング費、電気代、ありとあらゆるものが高騰し、宿泊料金を10%値上げしましたが、追いついておらず利益を圧迫されている」など、リアルな実態が寄せられています。こうした声に応えて苦境にあえぐ事業者への支援を実施することや、今ある財源をもっと有効に活用することで仙台の魅力を高めることは十分可能だと考えます。観光振興のためにの必要な施策に一般財源を充てることは当然です。
その一般財源も市民や市内事業者が支払っている税金によるものです。この間、市長のトップセールスでポケモンGOフェスタが実現するなど、経済効果が大きく上がっていると評価されているわけですから、その手腕をさらに発揮していただいて、宿泊税なしに観光振興や地域の魅力アップの財源を生み出すことに尽力することを求めますが、いかがでしょうか。
市民の声を聞くことなく、このまま押し通すということになれば、4病院の移転再編計画や県営住宅の廃止方針に固執して進めようとする宮城県政となんら違いがないという評価を受けることになってしまいます。4病院の移転再編計画については繰り返し県に対して意見や疑問をぶつけ、とりわけ精神医療センターの移転については、一歩踏み込んで反対の意思をきちんと表明するなどしてきた本市の姿勢に市民は信頼と期待を寄せています。
県営住宅の廃止方針をすすめようとする県に対しても、自治体として公営住宅の整備に責任を持つよう求めるなど、しっかりと意見を述べています。この2点についても引き続き県に対して必要な意見を言い、県政によって市民が不利益を被るようなことにならないよう、毅然とした姿勢で臨むことを求めて伺うとともに、宿泊税について県と話し合うべきは、市として宿泊税の導入はとてもできる状況ではない旨を伝え、県にも同様の決断を迫ることです。お答えください。
市民の未来にも関わる県政の重要課題として、女川原発2号機の再稼働についてです。
原子力規制委員会の「規制基準」には、事故が起きた時の住民避難計画の実効性については含まれていません。また、規制基準に適合していても「安全とは申し上げません」と規制委員会委員長自身が述べるような無責任な内容です。
安全対策工事がおこなわれることを条件として「規制基準適合」が出されたことをもって再稼働に同意したことは、あまりにも軽率だったと考えます。その後、相次ぐ安全対策工事の不備、追加工事などで再稼働の時期は延び延びになりました。その間、能登半島地震があり、避難計画が実行性を失ったにもかかわらず、燃料棒が原子炉に入れられ、11月再稼働の準備が進められています。
原子力規制庁が備えるべき事故の放射性物質の放出量で実際の気象条件でシミュレーションすると、仙台市も避難すべき範囲に入る場合があることが明らかになっています。本市の地域防災計画・原子力災害対策編も大幅に作りかえなければなりません。
福島第一原発と同じ古いタイプの原子炉であり、東日本大震災で大きな揺れに襲われ被災した女川原発2号機を無理やり再稼働させる暴挙を止めることが市民への市長の責任です。真剣に向き合うことを求めます。いかがでしょうか。伺います。
河北新報や東京新聞など、全国18の地方紙が実施したマイナ保険証に関する合同アンケートによると現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証への一本化が3ヵ月後に迫った現在も「現行の保険証を残してほしい」との意見が8割にのぼる結果だったと報じられていました。
国は必死に旗をふっていますが、まだまだマイナ保険証に対する信頼性は薄く、利用率は7月でも11.13%にすぎません。アンケートの回答にもありますが、マイナンバーカード自体が任意のものにもかかわらず、国民皆保険のもとで保障されている保険証を廃止するというのは事実上、マイナンバーカード取得の強制につながるものです。
第1回定例会でも議会としての意思を国に届けようと意見書案を提案しましたが、この時には残念ながら否決されてしまいました。しかし、市民の不安や疑問が払しょくされていないことは明らかです。国保の保険者として、国に対して現行の保険証の廃止はやめるよう求めるべきです。いかがでしょうか。伺います。
令和7年度予算編成方針案の参考資料として示された「財政見通しと対応の方向性について」のなかには、今後の大規模事業の見通しが掲載されています。
本庁舎建替えに553億円、音楽ホール・中心部震災メモリアル拠点複合施設整備に350億円程度、都心再構築プロジェクト、市街地再開発事業・建替え促進助成に600億円程度など、総事業費とともに本市一般財源や繰入れ金の投入額などが示されています。
あまりの額の大きさに市民のため息が聞こえてきそうです。財政が厳しいなら、こうした多額の税金を要する事業こそ、その必要性や事業費の妥当性などについてしっかりと精査し、市民が納得できる説明が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
泉区役所建替えについては、当初提案価格の78億円から131億円まで買取予定価格を引き上げる提案がされています。
物価上昇や、提案内容からの追加や変更などで増える内容になっていますが、その妥当性については一つ一つ検証が必要です。昨日の質疑の中で泉区から答弁がありましたが、常に検証と市民への説明責任を果たすよう求めておきます。
関連して、市民に直接接する区役所の抜本的な体制強化についても伺います。
今年2月の総務財政委員会に報告された「適正事務の確保に向けた本庁と区役所の事務のありよう等における課題への対応方針」読んで職員の皆さんがこれほど多忙な中で、市民に向き合う仕事に従事しているのかと再認識しました。地域の課題も複雑多様化する中で、区役所に求められる役割は、ますます大きくなっています。
市民ニーズに的確にこたえ、市民とともに歩もうとそれぞれの区役所・総合支所では、地域性も発揮しながら日々市民や地域に向き合っていただいていることに深い敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。これまでも区役所の人員増や体制の強化を図ることは折に触れて求めてきましたが、とりわけ来年度については、仙台市長選挙や参議院選挙など少なくとも3つの選挙が実施されることになっている上、5年に一度の国勢調査も実施される年になっています。適正な事務執行はもちろん、期日前投票の増設など市民ニーズにこたえるためにも区役所の抜本的な増員が欠かせません。
委員会でお聞きしたところ、区役所と協議もされているとのことですが、しっかりと人員配置に努めるよう市長はじめ二役の方々に改めて求めたいと思いますが、いかがでしょうか。伺います。
最後に、第108号議案 犯罪被害者等支援条例についてです。
本市が条例を制定すれば、県内すべての自治体での条例制定となり、貴重な一歩と評価し歓迎いたします。
提案されている条例案には、様々な経済的支援もうたわれており重要です。審査にあたり、先行する自治体の条例や制度の実施状況なども改めて確認しました。兵庫県明石市の条例は、平成23年に制定されてから数度にわたる改正をおこなない、第1条例の目的や第3条基本理念に犯罪被害者等の権利に関する文言をうたっていることと合わせて、条例の名称自体にも「犯罪被害者等の権利および支援に関する条例」と盛り込む改正をしています。
また、明石市の条令で大変注目したのは、裁判などで確定した賠償金が支払われない場合に300万円を上限に市が立て替える制度や時効前に再び裁判を起こす再提訴費用を補助すること、遺族に特例給付金が支給されることも規定されていたことです。
本市の条令も今回の制定をスタートとして運用をするなかで、さらに必要な項目については、その都度充実させていくことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。このことを最後に伺って私の第一問といたします。
〇市長(郡和子)
ただいまのすげの直子議員のご質問にお答え申し上げます。
物価高騰による市民の暮らしへの影響と本市の対応についてでございます。
エネルギー価格をはじめとする物価高騰は広範囲にわたっており、市民の皆さまの暮らしや事業者の経済活動に影響を与えているものと認識をしております。
決算年度におきましては、生活に身近な光熱費や食料費の助成や、また、持続的な賃上げにつなげる中小事業者向けの支援策などの多岐に渡る施策により、市民生活と事業者の経済活動の下支えに注力してきたところでございます。
引き続き、今後の物価の推移やまた国の動向なども見定めながら、市民の皆さまの暮らしを支えるために必要な各般の施策を展開してまいりたいと存じます。
次に宿泊税に関する一連のご質問についてお答えを申し上げます。
私は、本市の持続的な発展のためには、これまでの延長線ではない思い切った観光施策の強化が不可欠であるとの思いから、今回そのための財源として、できる限り早期の宿泊税の導入が必要であると考えまして、今般条例案を提出いたしました。
これまで交流人口拡大推進検討会議における議論に加えまして、宿泊事業者のご意見を丁寧に伺いながら制度設計や施策の検討を行い、県とも税率や免税点などの合意の上、今般のご提案に至ったものであり、条例案を取り下げる考えはございません。
また市民や宿泊客の方に向けましては、これまでパブリックコメントや、それから対面での旅行者アンケートなどでご意見を伺っており、今後とも、制度や使途を含めた本市の観光施策について、様々な手法により発信してまいります。
今後とも、県とも宿泊税の活用などについて連携をし、県市の観光施策の相乗効果を図りながら取り組んでまいりたいと存じます。
〇危機管理局長(白山幸喜)
私からは、女川原子力発電所の再稼働についてお答えをいたします。
女川原子力発電所の再稼働につきましては、これまで原子力規制委員会による様々な審査が行われ、宮城県と立地自治体からも同意が表明されおり、本市といたしましては、引き続き、東北電力の安全性向上の取組などを注視してまいります。
また、本市は女川原発から30㎞圏外に位置しており、法に基づいた計画を策定すべき地域ではございませんが、原子力災害の影響が広域に及ぶという可能性があるという認識に立ちまして、平成26年に「地域防災計画原子力災害対策編」を策定いたしました。この間、5回の修正を重ねてきました。
今後とも、計画の実効性向上に向けまして、必要な見直しを図ってまいります。
〇総務局長(佐野直樹)
私からは、区役所の人員体制についてお答えを申し上げます。
区役所におきましては、身近な窓口として日々の市民ニーズに応えるとともに、選挙や国勢調査に際しましては、その業務量に応じ、必要な増員等も行いながらこれまで対応してきたところでございます。
複数選挙と国勢調査が重なる次年度に向けましても、投票環境の改善など投票率向上の取組も含めまして、正確かつ確実な業務執行が図られますよう、必要な体制の確保に向けて、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
◯財政局長(永渕智大)
私からは、まず、物価高騰対応に関する一連の御質問についてお答えをいたします。
決算年度におきましては、物価高騰への対応として光熱費や食料費の助成をはじめ、持続的な賃上げに向けた中小事業者向けのパッケージ施策や、医療、観光、農業、交通ほか様々な分野に向けた助成など、各局と連携しながら、生活者及び事業者に対する必要な支援策を講じてきたところでございます。
物価高騰による影響は市民生活や事業活動に広く及んでいるものと認識をしておりますが、足元では実質賃金がプラスに転換しているほか、4月から6月までの中小企業人件費の増加率が大企業を上回るなど、これまでの賃上げに係る取組の効果が浸透し始めているものと考えてございます。
定額減税や調整給付などに加え、電気代、ガス代の補助金も八月分から再開されており、引き続き、これまでの対策の効果や物価の推移、国の対策の状況などを踏まえながら、必要な対応を検討してまいります。
次に、財政見通しの試算手法についてお答えいたします。
本市の財政見通しは、一定の前提条件に基づき、市税等の収入や社会保障関係経費などの歳出を予算ベースで試算しているものでございます。決算ベースでの財政見通しの作成は、不確実な収支改善額を見込むことの難しさや妥当性といった課題もあることから、予算をベースにした試算が基本と認識をしてございます。
引き続き、社会経済情勢や物価の推移なども踏まえながら、見通しの精度向上を図るとともに、本市の財政状況を市民の皆様へより適切に説明できるよう、取り組んでまいりたいと存じます。
次に、財政状況を表す指標についてでございます。
令和五年度決算では、実質公債費比率や将来負担比率といった財政健全化法に基づく指標が改善をする一方で、通常債残高の増加、基金残高の減少など、今後の財政運営が懸念される指標もあり、まさに一つの指標のみではかれるものではなく、これらの指標を総合的に勘案していくべきものと認識をしてございます。
今後は、社会保障関係費の増加などにより厳しい財政状況が続いていくものと見込んでおりますことから、歳入歳出における不断の取組を継続し、安定した財政運営を実施できるよう努めてまいります。
次に、今後の大規模事業の見通しについてでございます。
本市が持続的な発展を遂げていくためには、まちの魅力向上や活力の創出に向けた積極的な投資が必要不可欠であり、今後予定している大規模事業につきましても、厳選重点化を図りながら着実に進めていくことが肝要であると認識してございます。
今後10年間の財政見通しにおきまして、大規模事業の事業費や財源もお示ししておりますが、今後とも、事業費の精査により負担の抑制に努めることはもとより、実施時期の平準化や補助金等の財源を最大限活用することなどにより、財政負担が過大なものとならないよう、取組を進めてまいりたいと存じます。
◯市民局長(佐々木淳一)
犯罪被害者等支援条例に関するお尋ねにお答えいたします。
犯罪被害者等の支援につきましては、その方の置かれた状況に応じ、かつ、利用しやすいものであることが求められると認識をしております。そのような観点から、今回の条例案や支援施策につきましては、学識経験者だけでなく、実際に被害者支援を行っている方や御遺族の方も御参加いただいた懇話会で御意見を伺いながら、現場の実情に合った支援となるよう検討してまいりました。
他の施策同様、犯罪被害者等の支援も、その時々の社会状況に合わせ不断の見直しが必要と考えてございますが、まずは、今回の条例案に基づく支援策を着実に進めることに注力してまいりたいと存じます。
◯健康福祉局長(郷湖伸也)
私からは、健康福祉局に係る御質問についてお答えいたします。
まず、生活保護世帯等に対するエアコン購入費用の助成についてでございます。
生活保護制度において、エアコンを含め日常生活に必要な生活用品は、毎月の保護費のやりくりの中で計画的に御購入いただくことが基本とされているところでございます。
ただ、保護開始以降、初めて到来する熱中症予防が必要となる時期までにエアコンを保有しておらず、当該世帯に高齢者等の熱中症予防が特に必要とされる方がいる場合など、特別な事情がある場合に限り、別途エアコン購入費用の支給が認められております。
また、これらの要件に該当しない被保護世帯やその他の低所得者世帯等については、社会福祉協議会の生活福祉資金貸付けの活用による購入が可能とされているところでございます。
本市として独自の助成については考えていないところですが、全国市長会等を通じて支援の拡充を継続的に要望しており、引き続き、国に対し支援を求めてまいる考えでございます。
次に、補聴器購入助成制度についてでございます。
他自治体においては、財源面では都や県の補助金の活用事例があるほか、支援対象の要件等については、先行自治体を参考に設定するなどの対応をしているものと捉えております。
一方で、本市における助成制度の創設に向けては、医学的な裏づけに基づく効果的な支援対象や内容を定める必要があるものと認識しております。
そのため、こうした制度は国による一律の基準に基づいた創設が望ましいと考えており、財源の点も含め、引き続き、国や県に対し要望を重ねてまいりたいと存じます。
次に、介護保険制度等に係る自治体負担の軽減についてでございます。
介護保険をはじめとした公的保険制度において、高齢化の進展に伴う給付費の増加などにより保険料や自治体の負担等の上昇傾向が継続していることは、保険制度を持続的に運営する上での課題であると認識しております。
介護保険等の各保険制度の安定的な運営基盤の確立に向け、給付適正化などに取り組みながら、国費負担割合の引上げなど、国への要望を重ねてきたところであり、今後とも他都市との連携の下、国への十分な財政措置を強く求めてまいります。
次に、敬老乗車証の制度改正についてでございます。
敬老乗車証は、高齢者の皆様の社会参加などに幅広く御利用いただいている重要な制度であり、高齢化が進展し、医療や介護など高齢者施策全般の事業費が増加する中においても、持続的かつ安定的にお使いいただけるよう、見直しをすることとしたものでございます。
こうした見直しの背景や必要性も含め、新制度の内容等については、市政だよりやリーフレットなどで広報するとともに、制度対象者全員に対してお知らせを送付するなど、様々な媒体を活用した幅広な周知にも取り組んでまいりました。
御負担の増加に対する不安や懸念の声があることは承知しておりますが、より多くの方に御理解いただけるよう、引き続き、丁寧な周知や説明に努めながら、円滑な新制度施行に向けて取り組んでまいりたいと存じます。
次に、敬老乗車証制度の効果の調査、分析についてでございます。
今般の制度改正では、市民意識アンケートを実施する際に、健康増進や消費促進などの効果が把握できるような設問を設け、その結果に基づき、社会福祉審議会老人福祉専門分科会において御議論をいただきました。
分科会では、一定の効果はあると認められたものの、制度の未利用者との比較や外出と健康の因果関係の検証が必要といった御意見もあり、現時点で定量的な評価を示すことは難しいものと考えております。今後、制度改正後の利用状況の検証などを行う中で、効果的な調査、分析手法を探ってまいります。
次に、4病院再編に係る本市の姿勢についてでございます。
県の4病院再編構想につきましては、地域の医療提供体制に大きな影響を与えることから、地域住民や関係自治体の共通の理解の下で進められるべきものと認識しております。
これまで、県市協議の場などを通じて、その影響などについて説明を求めてまいりましたが、この間の県の説明においては、本市として再編に理解を示すことができる状況には至っていないものと考えております。
良質かつ適切な医療提供体制の確保ができるよう、引き続き、県に対し必要な対応を求めてまいりたいと存じます。
最後に、国民健康保険の被保険者証についてでございます。
国の制度改正により、本年12月2日以降、現行の被保険者証の新規発行が終了となり、マイナ保険証や資格確認書等を御利用いただくことにより、これまでと同様に保険診療を受けられる仕組みとなります。
一方で、従来どおりに医療機関を受診できるのかという国民の不安が払拭されている状況にはないものと認識しております。
今後とも、国民健康保険の保険者として、被保険者の受診に支障が生じることのないよう、市政だよりやホームページ等で制度改正の内容について広く周知するとともに、国に対して円滑な制度の運用を求めてまいります 。
◯こども若者局長(郷内俊一)
私からは、子育て支援の充実に関する御質問にお答えいたします。
初めに、保育料の第2子無償化と第2子の数え方の見直しについてでございます。
本市では、保育利用をしている二号及び三号認定のゼロ歳児から2歳児クラスの児童の保育料につきましては、国の基準に基づき、兄弟姉妹が同時に認可保育所等を利用している場合、第2子を半額、第3子以降を無償とし、さらに一定の所得以下の世帯につきましては、市独自に第2子の保育料を軽減しております。
少子化と人口減少が加速する中、多子世帯への経済的な支援の充実は必要なものと認識しておりますが、財源の課題があることから、引き続き、指定都市市長会等を通じ、国が統一的な拡充を図る要望をしてまいります。
次に、子ども医療費助成制度の拡充についてでございます。
対象年齢の18歳までの拡大や、利用者の一部負担の廃止に対する市独自財源を用いたさらなる制度拡充につきましては、将来にわたる安定的な制度運営の観点から、慎重に検討すべきものと考えております。
子ども医療費助成制度につきましては、居住地にかかわらず同一の助成が受けられますよう、全国統一の内容であることが望ましいと考えておりますことから、国に対しましても、地域間格差の生じない制度設計を引き続き要望してまいります。
◯文化観光局長(柳津英敬)
私からは、宿泊税に係る御質問のうち、観光振興の財源についての御質問にお答えを申し上げます。
観光施策については、これまでも事業の見直しやデータ等に基づく効果検証により、効果的、効率的な実施に努めてまいりましたが、激しい都市間競争の中で一段踏み込んだ施策展開を図るためには、宿泊税の導入が不可欠であると考えております。
このような認識の下、これまで十分に対応できなかったナイトコンテンツの強化でありますとか、新たなインバウンドの市場開拓、観光の基盤となる宿泊事業者への支援などに取り組み、既存施策と併せて相乗効果を高め、事業者の皆様にも効果を実感いただけるよう努めてまいりたいと考えております。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
私からは、県営住宅の移転支援方針への対応についてお答えいたします。
県では、集約移転の対象とした県営住宅におきまして、入居者の個別的事情に配慮しながら、他の県営住宅への入居に向けた調整を進めていると聞いております。
これまで、入居者の移転先確保が困難となる場合には、県営住宅の一部建て替えや借上げによる対応など、住民の皆様が安心して住み続けられるよう、県に対して申入れを行ってきたところでございます。引き続き、責任を持った対応について、様々な機会を通じて求めてまいります。
◯教育長(天野元)
私からは、教育局に係る二点のお尋ねにお答えいたします。
学校給食費の無償化についてでございます。
様々な物価が高騰する中、給食におきましても食材料費の確保が課題となっており、本市におきましては、令和四年度から食材料費の物価上昇分について予算を計上し、対応しているところでございます。
本市としましては、自治体間で差が生じないよう、全国一律の制度創設と財源措置が望ましいと考えており、その旨、国に働きかけを行っているところでございます。
国が無償化に向けて実施しました実態調査の結果や、課題の整理等の状況を注視しながら、引き続き、機会を捉えて国に要望してまいりたいというふうに存じます。
次に、給付型奨学金制度についてでございます。
家庭の経済状況によらず、学生がひとしく大学等に修学する機会を確保することは、国全体で対処すべき課題であると考えております。
国におきましては、授業料等の減免と給付型奨学金をセットで行う高等教育修学支援新制度を行っており、今年度、多子世帯の中間所得層に支援が拡大され、令和七年度には、所得にかかわらず、多子世帯の授業料と入学金が無償化される予定でございます。
本市としましては、こうした国の支援制度を学生や保護者が活用できるよう、引き続き、進学指導と併せ、ホームページやチラシ等で周知し、修学機会の確保につなげてまいります。
◯すげの直子議員
御答弁をいただいたんですが、今の御答弁だと、ちょっといろいろお聞きをしなくてはいけないと思いますので、皆さんを含めて、もう少々お付き合いを、よろしくお願いしたいと思うんですけれども、まず最初は財政見通しについてでございます。
どうしてこうした見通しの立て方にこだわるのかということが全く分からないんですね。それで、何か予算ベースだといろいろ不確定要素も多いから、そういうのが妥当性もどうなのかということになるので、こっちでやっているんですという御答弁であるんですけれども、いや、それがもう全然実態と合っていないし、ほかの自治体よりすごい大きい数字になっているわけですよね。
ほかの自治体は、じゃあそういう不確定な要素も含めて予測を一定立てながらやれているのに、何で本市はそれができないのか。本市の財政部門は、そういうところをちゃんと加味した財政見通しの試算が、ほかの都市はできているのにできないということなんでしょうか。私はそんなに能力のない方々ではないというふうに思っています。もっとちゃんと実情に合った数字になるような、額になる努力をしていただきたいということを、私、もうずっとこれ言い続けているんですね。
先ほど政令市の例をお示ししたんですけれども、実は川崎市は5年後以降、財政は好転させてプラスになるという見通しになっています。新潟市も今後5年間でプラス6億円の収支差だという見通しになっていました。
本市は、とにかくずっと大変だと、ずっとこんなに足りないと、実態とかけ離れた数字を示して言い続けているだけ。それで、実は震災後は震災前よりも基金も増え、黒字額も増えているという状況が続いているんだと。全く合っていないと。これでは、財政が厳しいということだけを市民に思い込ませるための印象操作ではないかと言われても仕方ないのではないかと思いますけれども、私はこういう見通しの立て方はやっぱり改めるべきだと思います。他自治体でできていることが本市でできないわけはないと思いますので、再度伺います。
2点目は、財政見通しにも関わるんですが、第一問で、物価高騰対策、子育て支援、暮らし応援、様々求めさせていただきました。
それで、物価高対策も、市長からも、そして財政局長からも、様々様々、多岐にわたることをやりましたと。やってきましたというお答えあったんですけれども、私は、自分なりに調べた上で、第一問のところで、国や県から来たお金を除くとこれしか使っていないよと。もちろん国の財源を有効に活用するということは必要ですけれども、やっぱり市自身が、市民が支払った税金を今大変なところにどれだけ充てているのかというのは、やっぱりその姿勢が問われる問題なのではないかということで、決算年度を踏まえて、こんなに少なかったよと、もっとやれたんじゃないんですかということを聞いたのに、いや、多岐にわたる施策に注力をしてきたという御答弁は、私はちょっとこれは違うのではないかというふうに思います。
それで、子育て支援であるとか、物価対策もそうですよ、今後ね、国の動向を注視するとか、国に求める、国がやるべきだから国に求める、もうこういう御答弁にずっと終始しているわけですよね。ということは、決算からも、今回の御答弁からも、これらの福祉施策と子育て応援が財政不足に大きな影響を与えるわけではないということはよく分かります。
例えば、既に15都市実施しているんですよ、18歳までの子ども医療費助成。保育料の減免拡充、これもさっき他都市でもやっていますよということをお示しをしました。こういうことを実施するつもりがないのに、他都市以上に財政が厳しくなるのはどういうことなんだと、ますます疑問が募るわけですよね。
やっぱり大規模事業のほうにお金をかけたいという思惑からなんですか。自治体の仕事は住民福祉の向上、これが一番ですよ。ここを本当に他都市よりもやれない状況にして、大規模事業はやらなきゃならないというのであれば、その大規模事業が身の丈に合っているのかどうかというのをちゃんと見定めなくてはいけないんじゃないでしょうか。
ちょっとこのことも一点伺いつつ、子供の医療費助成については、少なくともこれ15都市やっています。これまでも、全国統一、それは国がちゃんとやるということも必要だと私は思います。そんな中であっても、15歳まで所得制限をなくすという前進をさせてきたんだということを考えると、御当局、必要性は十分認識されているからだというふうに思います。来年度からの拡充のためには、準備も必要だと思いますので、制度の拡充の決断、今すべきだと思いますので、再度伺います。
次に、敬老乗車証についてでございます。
制度の持続をしなくてはいけないので今般の見直しをしたんだという御答弁をなさっておられました。重要な制度なのでね。私も、大変重要な制度で、市民の皆さんに使われている、高齢福祉予算の一般財源のそのほとんどが使われているのは、唯一この施策ですから、これがやっぱり制度が持続、制度だけ残ればいいというものではなくて、市民の皆さんに大いに喜ばれ、活用されてこそ、その制度が持続する意味があるんじゃないかというふうに思うわけです。
この制度に係る経費を今より増えないようにするということは、対象者が増えるのに自然増を抑えるということですから、今でさえ少ない1人当たりの福祉予算を実質減らしますということなんですね。私たちは、制度の拡充も必要だと思っていますけれども、現行制度の下で対象となる方が増えることで経費が増えるのは当然です。なぜ抑えなければならないのか。暮らしがこんなに大変なときに高齢者に負担増を強いるようなことは、今の物価高のときにすべきではないと思います。今、中止の判断をしても市民から抗議の声が上がるとは思えません。本当に大歓迎されると思います。中止や延期の判断をすべきです。再度伺います。
そして、宿泊税についてです。
まずは、市長による市民への直接説明を、まず前提としてこれは絶対必要ではないかということで求めさせていただきました。アンケート取ったとか、事業者からヒアリングした、これ、御当局の皆さんがされたことですよ。
私は、市民に新たな負担増を求める市としての税の創設であり、国や県がする施策ではないんだと。市民に対する説明を尽くすのは、手続として絶対に外せないものであって、当局の職員のみではなくて、市長が先頭に立って行うのは当然ではないかというふうに求めさせていただきました。まちの主役は人というのが市長のお考えですから、その主役である多くの市民の声を直接御自身でお聞きしたいというふうにお考えだと思いますので、もう一度伺います。
こうしたことすらできないということも含めて、やはり今議会で議決を求めるのは無理だというふうに思います。
取下げしないという御答弁でしたけれども、一旦条例案を提出した後に、議会内外通じて様々議論の中で、議会中に議案を取り下げたということは、過去にも幾つか事例はございます。今議会というのは十月四日まで会期ございますので、取下げ手続、十分可能だと思います。そもそも市長は、市民理解がこの間大きく広がったというふうにお感じなのでしょうか。検討会議で議論を始めた当初からすると、導入するなと、導入しないでほしいという声のほうが確実に広がっていると私は思います。議案を撤回するよう、改めて求めます。
再度、以上5問、お答えください 。
◯市長(郡和子)
私からは、宿泊税について、市民説明会を開催すべきだという再度のお尋ねと、導入について撤回を、議案を取下げてはという御質問、二点にお答えしたいと思います。
まず、後段のほうですけれども、先ほども申し上げました、仙台市を世界の方々から選んでもらえる有数な観光都市、MICE都市に磨き上げていきたい、そして、その効果を地域の活性化、また経済の活性化につなげてまいりたい、そして、その波及効果を東北一円に広げていきたいという強い思いがあって、提出をさせていただいております。そういう意味で、撤回をするということについては、そのつもりはないということを重ねてお話をさせていただきます。
その上で、市民説明会についてですけれども、この間もですね、先ほども御答弁させていただきましたが、検討会議を2019年から開催をさせていただきまして、宿泊事業者の皆様方にも御参画をいただき、観光関連の事業者の皆様方、有識者の方々にも熱心に御議論をいただいてまいりました。そこでの御議論も踏まえまして制度案を作成し、パブリックコメントや旅行客へのアンケート、事業者の皆様方への個別訪問によるヒアリングを重ねて、このたびの制度設計をしたものでございます。
反対、まだ御不安の声があるのも承知をしておりますけれども、こうした経過を踏まえて提出をさせていただいたということでございまして、今議会で提出をさせていただきまして、まず議会の皆様方の御議論の中で、本市としての考え方について、詳しく丁寧にお話を御説明してまいりたいというふうに思うところでございます。
◯財政局長(永渕智大)
私からは、まず、財政見通しの試算手法についての再度の御質問にお答えを申し上げます。
財政見通しは一定の前提条件の下に試算をしているものでございまして、決算ベースでの財政見通しを作成するということになりますと、税収の上振れ、下振れ、あるいは不用額がどれぐらい出るかといったところが不確実な収支改善額を見込むということになりまして、財政局としては、その難しさ、妥当性といった課題から、予算ベースが基本と考えてございます。
その上で、他都市の事例も参考にしながら絶えず見直しを行っていくこと、また見通しの精度向上を図っていくということは重要であると認識をしてございまして、本市の財政状況を市民の皆様に分かりやすく説明する、その取組を進めてまいりたいと考えてございます。
次に、大規模事業の見通しについての再度のお尋ねでございます。
本市の持続的な発展のためには、まちの魅力向上、活力の創出に向けた新たな投資というものは必要不可欠というふうに考えてございます。
その上で、大規模事業の事業費、また財源、こういったところについても精査を行いまして、負担の抑制に努めるということが重要であると考えてございます。国の補助金等の財源の活用ということもございます。そういった財政負担が過大なものとならないよう努めまして、住民福祉の向上、市民生活に資するような予算の確保にも関係局区と連携をして取り組んでまいります。
◯健康福祉局長(郷湖伸也)
私からは、敬老乗車証に関する再度のお尋ねにお答えを申し上げます。
今般の見直しの検討は、高齢化の今後のさらなる進行に伴う医療や介護など高齢者施策全般に関わる事業費の増大が確実視される中においても、敬老乗車証制度の維持、これを前提として進めたものでございます。
改正には利用者の皆様の御負担をお願いする内容も含まれておりまして、市民説明会などでも御懸念のお声などをいただいていることは承知しておりますが、見直しを契機に、見直しの背景や必要性などをより多くの方々に御理解いただくとともに、併せまして、より多くの方の敬老乗車証の御利用につなげてまいりたいと、そのように考えております。
◯こども若者局長(郷内俊一)
私からは、子ども医療費助成制度の拡充に関する再度の御質問にお答えをいたします。
子ども医療費助成制度につきましては、昨年度、市独自の財源を用いまして所得制限の撤廃などを行ってきており、さらなる制度拡充につきましては、将来にわたる安定的な制度運営の観点からも、慎重に検討すべきものと考えております。
本制度につきましては、居住地にかかわらず、やはり全国統一の助成制度であることが望ましいと考えておりますので、引き続き、国に対しましても、地域間格差の生じない制度設計について要望をしてまいります。
◯すげの直子議員
どれもこれも、再度伺ったんですけれども、とても納得できない御答弁なんですけれども、これから決算の特別委員会含めて、それぞれ深める議論もしていかなくてはならないなというのを今御答弁も聞いて改めて思ったんですけれども、健康福祉局長に、高齢者全般の費用が増えるので圧縮必要だというお話も今回なされましたけれども、先ほども言いましたが、それは、義務的経費が増えるということで、ある意味、だから当然なんですよね。
市の一般財源、福祉にかける経費が、高齢者の方々が増えるために増えるのって、当たり前のことだと思うんですよね。そういうところで増やさないから、仙台市の福祉予算が政令市の中で低い状態にあるという状況が続くんだと思いますので、再度これは再考を、これを求めて、今日は御答弁は求めないでおきます。
それで、宿泊税についてのみ、ここではもう一回お聞きをしたいと。
市長、どうして説明会しないことにそんなにこだわられるのか、ちょっと私、分からないんですね。最近とみに、世界に選ばれる都市に、先ほども世界の方々から選んでいただきたいという思いでとおっしゃるんですけれども、世界に選ばれるよりも、まず目の前の市民に向き合っていただいて、理解を得る努力をこそ、まずやるべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか、説明会、市が行う施策なんだと。しかも新たな負担を市民に強いるものですから、職員の方々がアンケートを取ったとかあれとか。検討会議も出席なされたかもしれませんけれども、検討会議以降、決まったこと、決めたことって、いっぱいあるわけですよ。それについて市長の口からちゃんと御説明するということが必要なのではないかと、手続として。前提としてということで求めております。そして、より多くの市民の声を直接聞くというのは当然ではないかと思います。
過去にも紹介していますけれども、ごみの有料化のときには、地域説明会を町内会単位で開いて、当時の梅原市長もちゃんと地域説明会に出席して、自らの言葉で説明しておりました。
丁寧な説明に努めてまいりますということをおっしゃるんですけれども、丁寧な説明大事だとおっしゃるからね、私ちょっと議事録検索したんですけれども、前奥山市長が13ヒットだったんですけれども、郡市長は50ヒットだったんですよ。それだけ丁寧な説明したいという思いでこれまでやってこられたんだと思いますよ。市民に真摯に向き合ってね。多様な意見を尊重するというのは、郡市長の大切にしたいという、そういう政治スタンスではないんでしょうか。それもしないまま、議会でだけ議決を諮ろうなど、到底納得できません。
県議会開会前の12日の県民説明会では、知事が直接説明するということで、第一ラウンドは私だけで頑張ると述べたそうですけれども、第2ラウンドは、じゃあ郡市長が頑張る番だと思いますけれども、説明会を開催しない、市長が出たくないというのはどうしてなのか、もう一度伺いたいと思います。
そして、これからも丁寧に説明してまいりますとおっしゃいますけれども、決める前の手続含めて、事業者の理解は得られていないんです。決まってからというのは、説明じゃないと思うんですね、私。説得だと思うんですよ。それでいいのかということを問うているわけです。
第一問で少し紹介しましたけれども、私どものところにも大変強い怒りの御意見たくさんいただいております。「行政からの説明も不十分な中、税の導入ありきでどんどん話が進んでいることに憤りを感じる」
「客足、経営がやっと回復途上にあるので、ブレーキをかけるのはやめてほしい」
「コロナが終わり、旅行が盛り上がってきたので、便乗してもうけようと考えているのでしょうか。今は我慢してきた跳ね返りで旅行者も増えていますが、この先落ち着くでしょう。そして物価高騰+宿泊税により、財布のひもも固くなることは確実と思います。観光業を盛んにし、繁栄させたいなら、短絡的な条例はやめるべきです。衰退していきますよ。消費税と同じです。上げれば消費は滞り、経済衰退をもたらすことでしょう」こういった様々御意見寄せていただいております。
合意をされていないにもかかわらず、市が強引に決めてしまえば、宿泊事業者に対して、あなたたちがきちんと宿泊者に直接説明して税の徴収をしなさいと言うわけです。私、本当にこんなことはさせてはならないと、理解、納得得られていない中でね。さらに重大なことだと思いますよ。
あなた方ちゃんと説明して集めなさいと、納得していないのに言われるわけですから、とても導入できる状況ではないと思います。取下げする決断をすべきです。もう一度伺います。
◯市長(郡和子)
再々質問にお答えを申し上げます。
新しい税の創設ですから、皆様方の御理解をいただく、そして御協力をいただきながら進んでいくというのは当然のことだというふうに思っております。御指摘ごもっともだと思っております。
その上でなのですけれども、この間いろいろ議論をさせていただく中で、今回、私ども仙台市だけがもうけるつもりで宿泊税の導入をお願いしているわけではないということは、議員も御承知のことと思います。仙台市のまちのためにも、そして宿泊事業者の方々のためにもなる、また市民のためにもなる、双方がウィン・ウィンの仕組みになるような形でお願いをさせていただいているものでございます。
現に、仙台でお泊まりになられる宿泊客の方にアンケートを取らせていただいた、そのアンケートの結果もきっと御承知のことだというふうに思いますけれども、宿泊税の導入については、大方、望ましいというふうにお答えいただきました。そしてまた、宿泊税額についても、税率についても、一番実は多かったのは200円から300円、この規模だったんですが、中には500円でも1000円でもいいというふうにおっしゃった方々もおいでだったということでございます。あまりこういうことを申し上げるのは何ですけれども、しかし、私どもはそういったような声も併せて検討を重ねて、そしてこの機を逃さずにという形で御提案申し上げております。
ぜひ議会の中でも闊達な御議論をいただきまして、事業者や市民の皆様方にもこれは資する税であるということを、様々な手法で御理解を得てまいりたいと考えているところでございます。