青葉区選管「票水増し」問題
選管、仙台市、市議会が事実究明と再発防止策に持てる力を傾注して、信頼回復を
2015年1月21日 日本共産党仙台市議団
昨年12月実施の衆議院選挙・最高裁裁判官国民審査において、青葉区選管が行った票水増し行為は、民主主義の根幹をなす選挙制度の公正さを揺るがす重大問題である。あってはならない行為や、判断がなぜ行われたのか、徹底的に事実究明が行われ再発防止策が検討されてこそ市民からの信頼回復の礎とすることができる。
この間の奥山市長の取り組みは、問題を起こした部門の責任者に調査を任せるというものであり、自ら事実究明に責任を持つ姿勢がなかった。それがうまく進まないと「限界だ」と警察任せ、第3者委員会任せに走ろうとするのは、市長の責任逃れともいうべきである。
票のねつ造という行為は公職選挙法に違反する犯罪行為であることは明らかで、警察による捜査、司法による処罰は当然だと考える。しかし、警察は、刑事責任をだれに負わせるのかに必要な捜査はするが、なぜこのような重大な誤りが起きたのか、再発防止にはどうすればよいのかを考えるところではない。
また、市選挙管理委員会の下に作る第3者委員会は、選挙制度に詳しい学識経験者1名、弁護士1名、他政令都市の実務経験者1名というもので、再発防止策の提言を4月まで出してもらうと言う。何の調査権限も持たない3名が、事実究明もできない中で、再発防止策をどう検討すればよいのかと、この間の議員協議会でも疑問が出されている。
今回の事件は、選挙の公正さを守るべき選挙管理委員会が、その責務を果たし得なかったことを示している。その原因の一つに、市の職員である選管事務局主導し、市長部局から独立した行政機関として選ばれた選挙管理委員が事実上お飾りとされていた実態がある。
選挙管理委員会が事実究明と再発防止策検討で主体的に関わり、その職責を果たすことが重要である。それを市当局が全体的にバックアップするのが、本来の姿だと言える。外部の有識者のサポートを受けるのもよいが、第3者委員会まかせで済ませる問題ではない。
市長には、事件に関わる事務局職員を配置した者として、事実究明の調査にとりわけ大きな責任がある。市長と議会の一部に、市職員のの不祥事全般、職員のコンプライアンスの問題にする議論がある。これは、今回の事件の重大性とその原因究明の緊急性を薄めることになる。市長は、今回の事件の事実究明を何よりも優先させ徹底すべきである。
議会は地方自治法第100条の規定に基づく決議によって、調査する権限を持つことができる。市職員など関係者を呼び証言を求めることができ、拒んだりすれば6か月以下の禁固または10万円以下の罰金に処せられる、虚偽の陳述をすれば、3か月以上5年以下の禁固に処せられるという強力な調査権である。事実究明をこの100条委員会を設置して進め、再発防止策を提言することこそ、市民から負託を受けた議会がやるべきことである。
日本共産党仙台市議団は、選管、市、議会が以上の役割を果たし、市民からの信頼回復がはかられるよう、全力で取り組む決意である。
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