(2010年12月議会 すげの直子議員の一般質問)
◯すげの直子議員 住宅リフォーム助成制度は、市民が住宅をリフォームする際、地元業者に仕事をお願いすれば、自治体が住民に対して一定の助成を行うものです。壁紙やふすまの張りかえ、畳がえや屋根のふきかえ、外壁やベランダの改修などのリフォームを対象にしています。 現在、全国三十三都道府県、百七十五自治体まで広がっています。県内では石巻市、加美町が既に実施しています。岩沼市や多賀城市、気仙沼市も新年度に予算を計上すると表明しています。秋田県は、県と市町村がそれぞれ制度を実施しています。畳屋、塗装屋、建具屋、大工さんなど、建築関連の方々の仕事もふえて、地域経済活性化策としても大きな注目を集めています。 私たち日本共産党仙台市議団も、この制度の先進地、岩手県宮古市に視察に行ってまいりました。宮古市の今年度の当初予算は、五千万円でした。たちまち市民から申し込みが殺到し、四月、六月、九月に追加補正を行って、現在の予算総額は三億五千万円になっています。 視察に伺った八月の時点で、市内の建設関連業者約五百社のうち二百三十社に仕事が来ていると伺いました。上半期で既に昨年度の売上額を上回った、十年前の仕事量に戻っていると、この不況の中、業者の皆さんを励ます施策になっています。十一月十五日現在で、市内の世帯のほぼ一割近く、二千三百九十七件が申請しています。総工事費用は約十億八千万円で、その経済効果は四・五倍になるそうです。市民からも、地元に根を張り頑張っている業者の方々からも、喜ばれる施策になっています。 秋田県でも、当初十二億六千万円の予算を組んでスタートしましたが、八月に臨時議会を開いて八億四千万円の追加補正を行っています。これに呼応して、県内二十の市町村がさらに独自の制度を実施したことで、当初予算十二億円に対して五百億円以上の経済効果が上がっていると伺いました。 地域経済への波及効果は、既に他の自治体でも試され済みです。地元の中小業者の仕事と雇用の確保に結びつく、そして市民にも喜ばれる住宅リフォーム助成制度の創設に仙台市も踏み切ることを求めます。いかがでしょうか、市長のお考えをお聞かせください。 その際、宮古市のように、対象は二十万円以上の工事にして低く設定することが、より広い業種の方の仕事起こしにつながります。また、助成額は、工事総額の何%と割合で設定すると、一件ごとに変わるので煩雑になってしまいます。十万円など一律の金額を設定し、わかりやすくすることが、行政の手間も少なくすることができます。また、申請書は用紙一枚で、添付資料もできるだけ少なくして、手続を簡便にし、市民にも業者にも申請しやすくすることが重要です。 さきの県議会では、宮城県建設職組合連合会、宮城県建築士会、宮城県商工団体連合会の三つの団体が請願者になった住宅リフォーム助成制度の制定に関する請願が全会一致で採択されています。仙台市が制度をつくり、県も制度を創設すれば、市民は両方から助成を受けることができます。県とも協議をして、市民や地元業者の方々にとって使い勝手のいい制度にするよう求めます。いかがでしょうか、お答えください。
◯都市整備局長 住宅のリフォーム工事に対する助成制度の創設についての御質問でございます。 近年、地域経済の活性化などを目的として、住宅リフォームに対する独自の補助制度を導入する自治体が全国的に増加してきていることは承知をいたしております。しかしながら、部屋の模様がえや台所設備の取りかえ等の住宅リフォーム工事は、住空間の改善や個人財産の価値を高めることを専らとするものであり、市民の安心・安全のため実施している耐震改修助成とは異なり、住宅政策の観点からは補助制度にはなじみにくいものと考えております。住宅リフォームにつきましては、住宅所有者の方が住宅エコポイントを活用しながら取り組むべきものと考えております。