(2017年9月議会 嵯峨サダ子議員の代表質疑から)
〇嵯峨サダ子議員 仙台版奨学金制度の創設の検討を進めることも述べられました。事実上の教育ローンと化している貸与型有利子奨学金を借りる学生がふえています。一番の理由は学費の高騰です。国立大学の授業料は、今、年間五十三万五千八百円です。私立大学は百万円を超えます。また、学費負担を主に支えている親の所得も減少しています。
今の学生が借りている奨学金は月に八万円から十二万円が多く、中には月十七万円以上の学生もいると言われています。四年間で三百万円から八百万円にもなり、多額の借金を背負い、社会に出てから実際には返せないという深刻な状況が大きな社会問題になっています。
国は、返す必要のない給付型奨学金制度を創設し、今年度から先行実施しています。本格実施の二〇一八年度の給付対象者は二万人です。今、学生支援機構の奨学金を利用しているのは百三十万人ですから、対象人数は極めて不十分です。
給付型奨学金制度は、出身家庭の経済力による教育機会の格差を是正するというのが重要な目的です。自治体でも独自の取り組みが行われています。政令市で制度を持っていないのは仙台市と広島市だけです。給付型奨学金制度は半数の政令市が持っています。市長選挙では、給付型奨学金制度創設に学生や若者から大きな期待が寄せられました。こうした期待に応えることが求められています。仙台でこれからつくる奨学金制度は給付型とすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
〇郡和子市長 次に、給付型奨学金に関するお尋ねでございます。
大学を初めとする高等教育に関しては、経済的な事情により進学を断念したり、卒業後の奨学金の返済で困窮するなどさまざまな問題が生じていることは、私も承知をしているところでございます。
高等教育の充実というのは国の活力の基礎でありまして、その就学機会の確保については、国の責任において対策がなされるべきものであると考えているところでございますが、国において、同様の認識のもと、今年度から給付型奨学金制度を創設し、今後の拡充等を検討している状況にございます。まずはその流れを注視してまいりたいと存じます。