【概要】アベノミクスから脱却し、市民の所得増、
福祉充実の政策に転換を
(消費税増税、燃料代補助、介護保険、中小企業活性化条例、宅地復旧)
◯高見のり子議員
日本共産党仙台市議団の高見のり子です。会派を代表して質疑を行います。
11月6日から9日まで、震災対処訓練の名のもとに、自衛隊が主催しアメリカ軍とオーストラリア軍が参加した、みちのくALERT2014が行われました。心配する市民の声を無視して、墜落事故を繰り返す危険な米軍機オスプレイが、若林区の霞目駐屯地に初飛来しました。ところが、オスプレイが途中で引き返すなど、事前に仙台市が知らされていたスケジュールとは違った飛行が行われ、変更の理由について、仙台市はおろか自衛隊も把握できないという異常な事態でした。強風のため着艦訓練ができないなど、不安定性があったことは明らかです。いざというときに使うことができず、人命第一の震災対処にこうしたオスプレイはふさわしくないということを裏づけました。
また、住宅地の上空では、最も危険な転換モードが目撃されました。日本の航空法では安全上の基準で、ヘリにはオートローテーション機能が不可欠です。ところがオスプレイには、このオートローテーション機能がありません。すなわち、日本の法律を完全に無視して飛行しています。アメリカとの地位協定によってそんな違法なことが許されていることに、私たちはもっと怒りを持つべきです。
先ごろ行われた沖縄県知事選挙では、イデオロギーを超えた県民の共同で、基地撤去を公約に掲げる新知事が誕生しました。これは、日本のアメリカ言いなりの安全保障政策をめぐる沖縄県民の怒りが示されたものです。
今回、市は危険なオスプレイの飛来について、ノーを言うことはありませんでした。市民の命と安全を守る立場であるべき自治体の役割は果たさなかったということです。
市長は、オスプレイの飛行はなるべく人家密集地は進入路を避ける、また回転翼の制御時が危険性が高いので、そちらは海上で行うなど報告されていたのに守られなかったことについて抗議をすべきですが、お答えください。あわせて今後は飛来しないよう申し入れすべきですが、いかがでしょうか、市長に伺います。
市民の命を守るという点では、ヘリポート整備事業についても市長の対応が問われています。
宮城県と仙台市が共同で進めているヘリポート整備事業について、本年6月、県から、利府町菅谷地区での造成工事に係る事業費が当初予算約27億円から約70億円に増大することや、工期が15ヵ月から24ヵ月に延びることで国の補助が受けられないなどの理由で、事業の推進に大きな課題があるとの報告を受けました。市はこれに対し、事業費を圧縮するために、最短距離での土砂運搬経路にすることや、発生土砂を仙台市事業に受け入れ、経費の2分の1を市が負担することなど2度にわたり提案しましたが、県との協議が進まず、整備を断念しました。
造成工事費が70億円に増大したといいますが、県がヘリポート整備事業をやめたいがための理由にしているとしか思えません。県のやる気が見えてきません。この件について、奥山市長は村井知事から事業はやれない旨の話を直接受けましたが、何の抗議もしなかったと聞いて驚きました。なぜ抗議しなかったのでしょうか。県に振り回され、結果的にヘリポート整備がおくれる事態になったことを考えれば、村井知事に強く抗議すべきです。奥山市長に伺います。
また、これまでの経緯を考えれば、既に仙台市が負担している経費、約7000万円は、当然県に請求すべきですが、いかがでしょうか、伺います。
ヘリポート整備事業は市民の命を守る大事な事業ですから、急いでつくる必要があります。県を当てにしないで、市単独でつくることを検討すべきです。また、国に対し、引き続き補助を求めるべきです。お答えください。
12月2日に公示された衆議院選挙は、14日投票で選挙戦真っただ中です。安倍自公政権に対する審判が下される選挙です。
安倍首相は、アベノミクスの効果として、雇用者が100万人ふえたと言っていますが、内容を見ると、この2年間で正規労働者は22万人も減少し、非正規労働者が123万人ふえたということです。年収200万円以下のワーキングプアは、約30万人ふえて、1100万人を超えました。実質賃金も16ヵ月連続マイナスで、アベノミクスの2年で国民の暮らしが悪化したことは明らかです。
アベノミクスは株価を上げて富裕層の利益にしましたが、庶民は痛めつけられただけでした。財界優遇の政治経済から内需主導、国民の所得をふやす政策への転換が必要です。
日本経済の消費基盤が脆弱化していたので、消費税が4月に8%に引き上げられてから、GDPは二期連続マイナスになりました。格差を拡大するアベノミクスを続けても、よくならないことは明らかです。消費税増税は、先送り実施ではなく中止すべきです。
経済をぼろぼろにする消費税増税では社会保障の安定財源をつくれず、財政再建もできません。2011年の自民、公明、民主、3党合意に基づいて推進してきた社会保障と税の一体改革路線の破綻も明白です。財源といえば消費税という考え方が誤りです。年間所得1億円を超える富裕層と優遇され続けてきた大企業に応分の負担を求める税制改革をするべきです。
これまで日本共産党仙台市議団は一貫して消費税増税に反対し、市民の暮らしを守る立場で国に物を言うべきだと市長に求めてきました。しかし市長は、消費税は安定した財源だと言って耳をかそうともしませんでした。いまだに同じお考えなのでしょうか、伺います。
第百四十八号議案は、公共施設長寿命化推進基金をつくるものです。第百四十五号議案平成26年度仙台市一般会計補正予算は、そこに40億円を積む内容がほとんどです。市民、被災者のためにお金を使わず、ため込むという悪いくせは、いまだに直っていないようです。市は、市民のためにやるべきことをやっていません。そもそも公共施設のために積み立てると言いますが、必要な公共施設は一般財源で手当てされるべきであり、別の財布をつくって巨額のお金を積み立てる必要はありません。これだけのお金が用意できるのであれば、被災者や市民のためにもっとやるべきことがあるはずです。
私ども日本共産党仙台市議団は、補正に間に合うようにと11月4日に市長に対して燃料費補助の緊急要望を行いました。その際、藤本副市長は原油が最近下がってきており、今、実施を判断できる状況にはないとし、さらに一般家庭の負担感も大きくなっており、低所得者だけ補助するのはどうかと回答しました。市長は、その後の記者会見の中で、円安による燃料代の高騰、これは企業だけでなく市民生活も直撃するものになりますと述べました。これだけ聞けば、市民に思いを寄せて燃料代補助を実施するのかと思えば、補正の提案もありません。
この間、東北、北海道地方を初め、全国の多くの地方自治体では、福祉灯油制度を実施してきました。総務省も、こうした状況を踏まえて、福祉灯油制度を実施した自治体に対して、本年3月に特別交付税措置を行う決定をし、施策を後押ししています。
いまだ生活再建を果たし得ない被災者や市民の所得が減っている中で、燃料費助成制度の必要性は高まっています。今、問われているのは、原油価格の上がり方ではなく、市民の生活の困窮度です。真剣な検討を行ったのでしょうか、お答えください。あわせて、直ちに実施する決断を市長に求めますがいかがでしょうか、伺います。
来年4月から始まる子ども・子育て支援新制度に対応する支給認定申請と保育所の入所申し込みが始まっています。区役所で状況を伺うと、12月9日までの受け付け期間なのに出足が悪いとのことでした。例年より1ヵ月、申込時期が早まっています。必要な方に周知されているのか心配です。
認可保育所に入れないのが待機児童なのに、子ども・子育て支援新制度は認可保育所以外のさまざまな受け皿をつくるというもので、待機児童解消につながりません。市は、子育て世代を応援するというのであれば、不足する認可保育所の増設をしなければなりません。
市は、先日、47カ所の公立保育所のうち22カ所の保育所は、地域拠点保育所として残すと発表しました。これは、事実上、その他の公立保育所を廃止するという計画になっています。公立保育所を廃止する必要はありません。補正予算には民間保育所への支援がわずかに入っていますが、ささやかなものです。老朽化した公立保育所の建てかえ予算を計上すべきです。いかがでしょうか、伺います。
放課後児童健全育成事業についても同様です。来年4月から、市がみずから決めた基準で運営されなければなりません。支援の単位40人ごとに専用区画が必要です。今でさえ、過大な児童クラブがたくさんあります。基準を守って、なおかつ待機児童をつくらないためには、3月までに施設の整備を行わなければなりません。そのための思い切った補正が必要なのではないでしょうか、お答えください。
市は、来年4月から実施する高齢者保健福祉計画、第六期の介護保険事業計画の中間案を取りまとめています。要支援者を訪問介護、通所介護の対象から外し、市町村が実施する地域支援事業に移すという、新しい総合事業を盛り込む内容になっています。
地域包括支援センターや介護事業所からは、一体どうなるのか不安でいっぱいだ、このまま地域に丸投げされても高齢者を支え切れない、公的な給付から外されサービスを買うやり方になれば、お金のあるなしでサービスを受けられない人が出てしまうと、新制度に疑問や問題視する声が寄せられています。
新総合事業は、市町村が条例で決めれば、2017年3月末まで移行しなくてもいいものです。来年四月以降も、要支援者の方々への通所介護、訪問介護は、引き続きサービスを受けられるようにすべきです。また、ボランティアなどの安上がりのサービスに流し込むような介護サービスの切り捨ては実施しないよう、国に強く求めるべきです。あわせてお答えください。
安倍自公政治による介護保険制度改悪によって、来年4月から、特別養護老人ホームに入所できるのは要介護3以上に限定され、要介護1、2の方は、市町村が認めた場合のみの特例入所扱いになってしまいます。市の次期計画では3ヵ月で700人分整備するとしていますが、本年4月の待機者は3792人にも上っています。対象者を要介護3以上で優先入所が必要な方に絞り込んだり、有料老人ホームの整備数分をわざわざ差し引いたりして、余りにも少な過ぎる整備目標を出しています。これでは全然足りません。
グループホームや小規模多機能型居宅介護をふやすことはもちろんですが、介護サービス基盤の柱に特別養護老人ホームを据えて、整備目標は大幅にふやすべきです。いかがでしょうか、伺います。
次に、介護保険料についてです。
そもそも基準額として設定しているのは、例えば住民税非課税で、課税年金収入が80万円しかない人にも、年間6万7788円の負担となります。そのほかに、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料などがのしかかり、負担はもう限界です。保険料の引き上げを抜本的に抑えるためには、現在20%しかない国の負担割合をもっと拡大させるべきです。
また、低所得者への保険料軽減措置についても、消費税増税分から財源措置をするとしていましたが、そもそも、消費税増税とセットで財源手当てを考えること自体が大きな間違いです。介護保険料の引き上げをやめて、安心の介護を支えるために、国庫負担を拡大するよう強く求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。
市は、来年の第一回定例会に提案する(仮称)仙台市中小企業活性化条例の中間案を出しました。
中小企業活性化条例の制定に向けた中小企業活性化懇談会やシンポジウムでは、震災以来落ち込んでいる売り上げや販路をもとにもどすための取り組みが強調されています。中小企業の活性化に向けた新たな条例に関するアンケート調査及びヒアリング調査では、条例に入れてほしい施策は、人材育成、人材確保の支援、地元企業への優先発注の促進、販路拡大の支援、資金調達、後継者確保などが挙がっています。それぞれの課題にしっかり応える条例づくりが大事です。
そのためにも、市が条例案で設置するとしている中小企業活性化会議に区ごとの分科会を設置することや、区役所に経済課を復活することを求めます。いかがでしょうか、伺います。
また、第一回仙台市中小企業活性化懇談会の中でも、委員の中から実態調査の重要性が指摘されていたはずです。シンポジウムでも全事業者の実態調査が必要との発言もありました。ぜひ全事業者調査を行うべきです。お答えください。
中間案には、財政上の措置を講ずるように努めると書かれています。伊藤副市長も活性化懇談会で、財政措置が大切だと発言しています。そもそも中小企業向けの予算は少な過ぎます。大幅な予算増額が必要です。いかがでしょうか、伺います。
仙台の経済にとって、震災で被災した農業の再生は不可欠です。NHKで放送された荒浜の「イナサに稲がそよぐとき」は、震災後、稲作が再開され、田植えから収穫までの様子を映したものでした。農業は、体力を使うきつい仕事です。でも、自分たちが丹精込めてつくった米や野菜を食べてもらうことは、何にもかえがたい喜びであるということが伝わってきました。
ところが、米価の下落は、復興に取り組む農業者の皆さんにとって大打撃となりました。宮城ひとめぼれの概算金は、2012年には1万2500円が8400円になる大きな落ち込みです。農水省調査によると、米60キロ当たりの米の生産費は1万6356円であり、燃料費や資材費の高騰が追い打ちをかけています。さらに、安倍政権は、米直接支払交付金をことしからばっさり半減し、4年後には廃止しようとしています。米価暴落に追い打ちをかけているのは、安倍政権です。
大きな借金をしながら農業の再生に取り組んでいる、ある生産者の方は200万円もの赤字だと話していました。農業の衰退は、地域経済の衰退を一気に加速させかねません。直ちに米価暴落対策が必要です。市は激変緩和補助金など、独自に支援制度をつくるべきです。お答えください。
国の進める農業政策で、農家からは、米つくって飯食えねえと悲鳴が上がっています。国のやっていることは、農業で生きようとする方たちを支援するどころか、希望をなくすことです。地方創生を掲げ、若者が将来に夢や希望を持てる地方の創生などをうたいますが、そもそも大都市一極集中で地方の疲弊などをここまで深刻化させたのは、国の政治です。人口減少による地域衰退や東京一極集中のゆがみを打開することは、多くの国民が切実に求めていることです。
しかし、安倍政権の地方創生は、その願いに応えていません。本当に地方を大事にするというのであれば、農業、漁業の第一次産業をもっと支援すべきであり、農業などの土台を掘り崩すTPPへの参加はやめるべきです。市長は、東北の農業を守る立場で、TPPにははっきりと反対の表明をすべきです。いかがでしょうか、伺います。
次に、第百八十二号議案指定管理者の指定に関する件についてです。これは、直営で運営している若林図書館に指定管理者制度を導入して、株式会社ヴィアックスに運営を委託するものです。
私たちは、これまでも再三にわたって、図書館は直営を堅持して、市民の学習権を保障すべきだと求めてきました。
もともと公共施設の中でも指定管理の導入率が低い図書館ですが、一旦指定管理にしたものの、その後、直営に戻している図書館も生まれています。下関市立中央図書館は、2010年から指定管理で運営されてきましたが、来年から直営に戻ります。下関市長は、図書館についてはビジネスになじまない、お金に換算できないところに価値があるので、市として責任を持って運営をやるべきと述べたと報じられています。佐賀市や出雲市でも、教育施設に指定管理はなじまない、図書館利用は無料のため、指定管理者が利益を上げるには人件費等の削減にならざるを得ず、サービスの低下につながる、経験豊富な司書職員が長期に継続して勤務することがサービスの向上につながるなどの理由で、指定管理だった図書館を直営に戻しています。
こうした動きすら無視して、市が責任を負うべき図書館への指定管理をどんどん広げるなど、とても学都とは言えません。市民の学習権を保障する根幹である図書館への指定管理者制度の導入はやめるべきです。いかがでしょうか、伺います。
第百八十六号議案特定事業契約の締結に関する件については、加茂と宮城の給食センターを合併し、(仮称)仙台市南吉成学校給食センターをPFI事業で建設契約するものです。
先日、同規模でPFI事業の高砂学校給食センターに伺って、調理風景などを視察してきました。約一万食の学校給食をつくる工程はまるで工場のようで、規模が大きくなればなるほど、新鮮で良質の食材の確保が大変だということがわかりました。
給食は教育の一環であるという学校給食法の精神に照らせば、食育の観点からも、地産地消を進め、子供たちが食材に触れ調理を身近に感じられる自校方式に切りかえることが必要です。
毎日、時間どおりに安全・安心の給食を提供するために、市の栄養士とそこで働く調理員の連携が不可欠です。しかし、PFI事業では連携を深めようとすればするほど偽装請負になるという問題は解決できません。震災のとき、リスク管理に問題があることも経験済みです。このような手法での学校給食センター整備事業はやめるべきです。いかがでしょうか、伺います。
バス路線再編の二回目の説明会が行われました。一回目の説明会やその後の新聞報道などで不安を感じ、出された意見がどう反映されたのかと、1247人もの市民が参加しました。
説明会では、そういった市民の不安に答えることもせず、冒頭に、バスに経費がかかっているというお金の話を、仙台市と比較対象にならないような大都市を持ち出し、説明しました。これに対し、地下鉄にはいっぱいお金をかけられるのに、なぜバスにはかけられないのかと意見が出ました。これは当然のことです。
こんなわずかな便数の復活では納得できない、また、直行便を減らさないでほしいなどの意見がありました。地下鉄東西線ができて乗りかえが必要になり負担がふえる市民から、不便になって料金が上がるのは納得できないという声も上がりました。ところが、今回の説明会では、一回目の説明会で配られた、意見を聞くためのアンケート用紙もありませんでした。こういった態度では、市民が怒るのも当然です。
市長に至っては、これまで一回目、二回目を通して57回もの地域説明会に、一度も参加をされませんでした。市長は、市民の声を直接聞かず、こんな大事なことを決めてしまうつもりなのでしょうか。二回目の説明会で出された市民の声に応えて、再編案はこれで決まりではなく、再検討すべきです。お考えを伺います。
先日、視察で名古屋市に伺い、地下鉄を利用しました。地下鉄、バスの車内には、観光案内、イベント案内、格安切符の紹介など、乗りたくなるような広告があふれて、乗ってもらうためのさまざまな工夫が行われていました。仙台においても、例えば経済や観光の活性化のために、定義、作並、秋保地区や仙台東部の沿岸など都心から離れた地区まで定額で行ける一日乗車券をつくるとか、市民の生活を支える学都フリーパスの充実や敬老パスの上限撤廃など、さまざまなアイデアがあるはずです。そういった努力が不足しています。
公共交通には、市民の移動を保障するという責務があります。市内のどこに住んでいても安心して移動ができ、人が元気に活動できる公共交通の充実を真剣に考えるべきです。お答えください。
第百六十二号議案から第百六十六号議案、第百六十八号議案、第百六十九号議案の7件は、造成宅地滑動崩落緊急対策工事請負契約にかかわるものです。資材の高騰などの理由で、契約金額の増額を求めるものです。
問題は、被災者の皆さんの個人負担です。それぞれの分担金は、宅地ごとに復旧擁壁の施工規模や復旧工法が異なるため一律ではありませんが、概算額は30万円から100万円程度となり、今回の増額でおおむね1割から2割の増額ということです。中には、工法によって分担金は1.5倍から2倍になる場合があるということで、市民は一体どのくらいの負担になるか大きな不安を抱えています。
7事業全体平均での一人当たりの分担金は、51万540円です。それが今回の増額変更で56万5906円となり、5万5367円も引き上がります。市は分担金の計算の際、消費税分は5%のままにすると聞きました。そもそもこの事業は国が出すものなので、市の判断でどのようにでもできるということです。被災者に負担を求める必要もないものです。さらに、資材や人件費の高騰は、被災者のせいではありません。せめて増額分は負担させないようすべきですが、いかがでしょうか、伺います。
津波の被害があった仙台市東部地区で現地再建する地域の皆さんは、安全・安心のために必要なのは、まず避難道路や津波避難施設だと訴えています。震災から4年近くにもなるのに、一本の避難道路もつくっていない、仙台市は金もうけはやっても、被災者を助けないという痛烈な批判が寄せられています。
市長は、先日、宮城野区岡田地区で現地再建でのまちづくりに取り組んでいる、がんばっぺ岡田の皆さんとの対談を行ったそうですが、聞き置くだけでは意味がありません。被災者が主体となって復興を進め、自治体がそれをバックアップできるような復興支援を行うべきです。現地再建地区ではまず、必要だとされている避難道路、避難施設の整備に早く取り組むべきですがいかがでしょうか、伺います。
蒲生北部区画整理事業は、県の防潮堤の計画変更によって、事業計画を見直さなければならないことは明らかです。蒲生干潟を守るためには、堤防をもっと内陸に移すという自然保護団体や住民の提案があります。また、高砂で被災した高校生の提案は、歴史と文化を継承する防災公園の提案を行い、専門家からも高く評価されています。
今、市がやらなければならないことは、被災者、市民とともに取り組む復興です。そもそも区画整理事業は、津波で何もかもなくした被災者の皆さんに、減歩や清算金を負担させることになり、復興の手法として間違っています。この際、区画整理事業はやめるべきです。お答えください。
市は、医療、介護の一部負担金の免除を来年度も継続すると発表しました。その決断は評価しますが、対象となるのは、打ち切り前の2割にも満たない方のみです。国や自治体の線引きが被災者の再建の足を引っ張り、さらに被災者を差別、分断することにつながっています。
家族に就業者がいるため免除の対象にならなかった高齢の方から、無年金で家族に申しわけないから、具合が悪いけれど病院に行くことができない、またある方は、腰の手術が必要だと医者に言われたけれども、お金がなくて手術に踏み切れないなどの声が寄せられています。必要な方がきちんと医療を受けられるよう、免除対象はもとに戻すよう求めますが、いかがでしょうか、伺います。
第百五十四号議案仙台市営住宅条例の一部を改正する条例には、霊屋下市営住宅及び荒井第2市営住宅を設置するとともに、子ども・被災者支援法に基づく支援対象地域に居住していた方の入居資格の特例を認めるものです。
震災から3年9ヵ月にもなろうとしています。福島から避難をされて、既に生活の基盤を仙台に移している方の中には、復興公営住宅への入居を希望する方もおります。ところが、市はかたくなに避難指示区域だったのにその後解除された原発避難者を門前払いしています。申し込みさえも拒否するという冷たさです。市は、避難解除になったからもう被災者ではないという国の方針の言いなりです。
しかし、今回の条例改正で、避難区域以外の避難者が仙台市に住民票を移していなくても、市営住宅に入居できるとしたのですから、これを復興公営住宅にも適用できるはずです。入居を認めるべきですが、いかがでしょうか、伺います。
復興公営住宅の一般抽せんの申し込みが11月28日で締め切られ、12月16日に抽せんが行われます。先立って行われた優先順位の抽せんでは、133世帯の方が落選しました。中には、第5希望まで書いたのに落選し、本当に復興公営住宅に入れるのだろうかと不安の声が上がっています。そういった優先順位で落選した方々は、今回の一般抽せんに再び申し込み、その結果を心待ちしています。
今回の一般抽せんの募集数は1471戸に対して、応募数は2277世帯でした。落選する数を住宅ごとに見ると、1100世帯以上が落選することになります。圧倒的に整備戸数が足りないことは明らかです。
当局はこれまで、募集に対する応募状況、他の自治体との調整状況などを踏まえまして、さらなる対応が必要な場合には、さまざまな方策を検討してまいりたいと答弁してきました。検討の時期は、とっくに過ぎています。希望する被災者が全員入居できるよう、復興公営住宅の整備戸数をふやす決断をすべきですが、いかがでしょうか、伺います。
住宅ごとの希望を見ると、あすと長町の3ヵ所だけで314世帯も落選することになります。長町地域への希望が多いことは、これまでも指摘していたことです。旧長町支所跡地に復興公営住宅を建てることを改めて求めます。いかがでしょうか、伺います。
復興公営住宅に入居された皆さんから訴えられるのは、高過ぎる家賃の問題です。復興公営住宅は、被災者の皆さんが恒久的に安心して住める住宅であるべきです。
いわき市では、早期の生活再建へ向けた支援などを目的に独自の制度をつくり、全階層一律、各住宅の管理開始から3年間は50%、4年目、5年目は25%、家賃を減免するとしています。市も独自に家賃設定をして、被災者の負担を軽減するべきです。いかがでしょうか、伺います。このことを最後に伺って、第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
◯市長(奥山恵美子)
ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず初めに、ヘリポート整備の御質問にお答えを申し上げます。
これまで、県市共同によりヘリポート整備を進めてまいりましたが、今年度、県が行う予定でありました造成工事において、事業費や工期が当初の見込みから大幅に増加したことに加え、国補助制度の活用も困難となったことなどにより、大変残念ながら、このたびの断念に至ったものでありまして、議会及び市民の皆様に心からおわびを申し上げます。
知事からは、直接、県の初期段階における予算見積もりの不適切さが原因で断念に至り、大変御迷惑をおかけして申しわけないという旨のお話があったところでありまして、改めて知事に申し入れをすることは考えておらないところでございます。
続きまして、消費税率に関するお尋ねでございます。
我が国の社会保障制度が転換期を迎える中、国政の場での議論を経て社会保障と税の一体改革がこれまで進められてまいりましたことは、御案内のとおりでございます。
急速に進む少子高齢化の進展などを受け、保険料負担の上昇傾向が避けられない局面にある介護保険制度や、また来年から開始されます子ども・子育て支援新制度など、さまざまな社会保障施策を私ども基礎自治体は担っておるところでございます。
これらの制度の維持、充実のためには、より安定的な恒久財源が必要であると私自身認識をしてございまして、それを消費税率の引き上げによって確保をすることはやむを得ないものと考えているものでございます。
そのほかのお尋ねにつきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯危機管理監(加藤俊憲)
初めに、みちのくALERT2014におけるオスプレイの飛行についてでございます。
本市からの自衛隊に対する安全な運航等に関する事前の申し入れに対し、運用上可能な対応がなされたものと認識しておりますが、情報提供等、十分でない点もございました。
災害時における市民の安全・安心を確保するためには、平時からさまざまな防災訓練等を通じ、関係機関と連携を確認しておくことが重要であると考えております。今後につきましても、訓練の実施に当たりましては、万全な安全対策と関係機関との十分な情報共有を図りながら取り組んでまいりたいと考えております。
次に、津波避難施設の整備についてでございます。
13ヵ所計画している避難施設のうち、現在、仙台港背後地三号公園予定地内の避難タワー、高砂中学校、岡田小学校の屋外避難階段の3ヵ所が工事中であり、来年2月の竣工予定となっております。その他の施設につきましても、住民の皆様にスケジュールをお知らせしながら、順次工事に着手し、できるだけ早期に全てが竣工するよう目指してまいります。
また、住民の皆様とともに、施設の整備状況に応じて避難計画を作成し、それに基づいて繰り返し訓練を行うなど、引き続き安全・安心のまちづくりに取り組んでまいります。
以上でございます。
◯復興事業局長(鈴木三津也)
私からは、二点につきましてお答え申し上げます。
まず初めに、宅地復旧工事に係ります分担金についてでございます。
宅地の復旧に際しましては、現場状況に即した工法への変更、資材等の高騰などによりまして工事費が増額し、これに応じて分担金の額もふえるケースも生じてございます。しかしながら、個々の宅地擁壁の復旧は、本来、所有者の責任において行うべきところ、二次災害防止の観点から本市が復旧を行うものでございまして、これらの増額分も含め、御負担していただくべきものと考えてございます。
次に、蒲生北部地区についてでございます。
当地区は、防災集団移転により本市が買収した土地と事業所用地とが混在しており、業務系の機能集積を図っていく上で、現状では効率的な土地の利活用を図れない状況にございます。こうした課題を解消するため、都市基盤整備とあわせて土地の整理集約を図ることが可能な土地区画整理事業により、新しい産業集積の拠点としての市街地整備を進めているところでございます。
現在、来年度の仮換地指定に向けて鋭意作業を進めておりまして、今後とも、より一層の事業推進に努めてまいります。
以上でございます。
◯健康福祉局長(高橋宮人)
健康福祉局に係る数点の御質問にお答えいたします。
まず、燃料費の補助についてでございます。
総務省の家計調査によると、冬場の光熱費の家計支出における割合は、平均的な世帯に比べて低所得世帯のほうが高いとされており、このことから灯油価格の急激な上昇は、低所得世帯の家計への影響があるものと思われます。
しかしながら、県内の灯油価格は、ことしの7月をピークに下落し続けており、昨シーズンの冬場に当たることしの1、2月より下回っている状況でございます。これに加えて、国において、低所得世帯へ臨時福祉給付金の支給を行っているほか、本市でも、今年度から国民健康保険料の独自軽減措置を講じるなど、生活の困窮度が高い世帯へ一定の配慮を行っており、燃料費を補助する考えはないところでございます。
次に、介護保険制度改正に伴う新しい総合事業への移行についてでございます。
今般の制度改正による新しい総合事業への移行時期については、最大2年間の猶予期間がありますことから、本市では、生活支援ニーズの把握や担い手の実態調査を行い、事業の枠組みを十分に検討することとしており、その間は引き続き現行のサービス利用が可能でございます。
この新しい総合事業は、既存のサービスに加え、介護保険制度の中で多様な主体によるきめ細かなサービスを重層的に提供できるものであり、利用者のさまざまなニーズに対応し、選択の幅が広がる側面もございます。
今回の介護保険制度改革は、持続可能な社会保障制度の確立のためには避けて通れないものでありますが、この新しい総合事業の実施に当たりましては、市町村間の地域格差を生じることなく円滑に移行できますよう、国への働きかけをさらに強めてまいりたいと考えております。
次に、特別養護老人ホームの整備目標についてでございます。
整備目標数の算定に当たりましては、ことし8月に特養の入所申込者へのアンケート調査を実施しており、その結果、将来に備えて申し込みをしている方などを除きますと、優先的に入所が必要な方は、全体の48.6%と把握しております。
その上で、これまでの実績をもとに、現在の申込者数3792人に今後申し込みをされるであろう方を加えた総数から、優先的に入所が必要な人員を推計し、そこから特養を退所される方の人数と介護つき有料老人ホーム入居者の数などを除き、さらに、要介護認定者数の伸びなどを考慮した結果、次期計画において700人分の整備目標としたものでございます。
次に、介護保険料についてでございます。
介護保険制度は、保険給付に要する経費を公費と保険料で賄う仕組みでございますが、次期計画の保険料については、介護保険事業財政調整基金を活用して、極力上昇を抑える考えでございます。
今後、給付費の増加が見込まれる中、介護保険制度を次の世代に引き継いでいくためには、国庫負担割合の引き上げによる財政基盤の確立は不可欠であると認識しており、引き続き、必要な措置を国に要望してまいりたいと考えております。
最後に、国保と介護の一部負担金等免除についてでございます。
現行の免除措置は、国、県からの十分な財源の手当てがないことから、県内市町村が、対象者を住民税非課税で、かつ大規模半壊以上の世帯に限定して実施しているところでございます。
免除措置につきましては、本来、被災自治体の負担によるものではなく、国の責任において行われるべきと考えており、従前の対象者が免除を受けられるためには、国の全額財政支援が不可欠でございます。しかしながら、現時点において、こうした国の全額財政支援が見込めないことから、本市として、現行の免除措置を来年度も継続実施することとしたものでございます。
以上でございます。
◯子供未来局長(板橋秀樹)
私からは、子ども・子育て支援新制度に関する二点の御質問にお答えをいたします。
初めに、公立保育所の建てかえに関するお尋ねでございます。
新制度では、保育の量的拡充、確保を図るため、従来整備が難しかった場所や比較的小規模でも保育の受け皿整備が推進されるよう、新たに小規模保育や家庭的保育、事業所内保育などさまざまな施設を公的支援の対象として位置づけ、待機児童の早期解消を目指すこととされております。本市におきましても、新制度の目的を踏まえ、認可保育所の整備に加え、認定こども園や小規模保育などさまざまな保育基盤の整備を推進してまいりたいと考えております。
老朽化した木造の公立保育所につきましては、児童が安全で快適に過ごせるよう早期の建てかえが必要でございます。限られた財源を有効に活用し、子育て支援施策を拡充していくためにも、今後とも民設民営による建てかえを基本として、計画的に推進してまいりたいと考えております。
次に、新制度での放課後児童健全育成事業についてでございます。
本市では、今後、年次計画により、段階的に小学校六年生までの受け入れを進めることとしてございます。平成27年度当初におきましては、まず小学校三年生までを受け入れて事業を開始したいと考えており、現在、これに必要な専用区画等を年度内に確保するため、民間物件の賃借等の準備作業を進めているところであり、これにつきましては、現年度の予算の範囲内で対応可能と見込んでいるところでございます。
以上でございます。
◯経済局長(氏家道也)
まず初めに、(仮称)中小企業活性化条例に関する一連のお尋ねにお答えいたします。
今回の条例制定を機に設置を予定しております(仮称)中小企業活性化会議におきましては、中小企業実態調査を行い、これをもとにした施策検討を行うこととしており、調査の手法や内容につきましては、活性化会議の中で協議したいと考えております。また、中小企業活性化に必要な予算のありようにつきましても、鋭意検討してまいる所存でございます。
一方、活性化会議の分科会や区役所への経済課の設置などにつきましては、経済施策として区を超えた総合的な取り組みが重要と考えており、困難と認識しております。
次に、米価下落対策についてのお尋ねにお答えいたします。
今年度の米の概算金につきましては、米の消費が低迷する中、在庫の過剰感により全国的に下落したものであり、国におきましては、差額の補填による影響緩和の対策が講じられております。
また、本市におきましても、農家の資金繰りを改善するため、JA仙台と協調して、独自に融資制度を立ち上げるとともに、国に対し、しっかりとした米の需給調整の仕組みの構築を要望してきたところであり、今後とも国の対応を求めてまいる所存でございます。
次に、TPPへの対応についてのお尋ねにお答えいたします。
TPP交渉につきましては、先月10日に中国の北京で首脳会合が開催されたところであり、本市といたしましても、今後とも、政府の交渉経過等の動向を注意深く見きわめながら、東北の関係自治体と連携し、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯都市整備局長(小島博仁)
私からは、バス路線の再編並びに復興公営住宅に関する一連の質問にお答えいたします。
まず、バス路線再編案の再検討についてでございます。
第二回説明会では、交通事業者の経営状況等も踏まえながら、でき得る限り再編内容の見直しを行い、取りまとめた修正案をお示ししたものでございまして、市民の皆様から一定の御理解を得たものと認識しております。
本市といたしましては、運行経路やおおむねの便数といった基本的な部分についてはこの内容で確定し、今後、ダイヤ編成や国への手続など、バス路線再編実施に向けた詳細な作業を進めてまいりたいと考えております。
次に、公共交通の充実についてでございます。
市民の皆様が、公共交通を活用しながら充実した日常生活を営んでいただくことは重要なことであると認識しております。これまでも、観光面では、各交通事業者が連携して、仙台まるごとパスを実施しているほか、都心100円パッ区やイクスカの導入、東西線開業に合わせた地下鉄200円均一運賃の実施など、使い勝手のよい乗車券サービスの提供に取り組んでおりまして、引き続き、交通事業者とともに公共交通の利用促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、避難区域以外から避難している方々の復興公営住宅への入居についてでございます。
このたびの国からの要請は、各自治体が地域の住宅事情やストックの状況等を総合的に勘案し、公営住宅の入居資格要件の緩和を行うことを求めるものでございます。一方、本市の復興公営住宅につきましては、住宅を滅失された方への供給を目的としており、現状では本来の供給対象者についても供給が終了していないことから、復興公営住宅の入居資格要件の変更は考えておらないところでございます。
次に、復興公営住宅の整備戸数についてでございます。
第一回一般抽せんの応募状況では募集戸数を上回る結果となりましたが、応募団地に偏りがあり、また、抽せんの結果によっては民間賃貸での自力再建も検討するとしている方も相当数いらっしゃいます。こうした状況から、年明けに実施予定の第二回、第三回一般抽せんの結果を見きわめながら、さらなる対応の必要性について判断してまいりたいと考えております。
長町地区への整備につきましては、全市的な配置バランスを勘案して戸数を設定したものでございまして、これ以上同地区に整備することは考えておらないところでございます。
最後に、復興公営住宅の家賃についてでございますが、これは市営住宅と同様、国の基準を踏まえて、入居世帯の収入、住宅の大きさや立地場所などにより決定するものであります。さらに、より低所得の世帯に対しましては、国の特別家賃低減制度を活用し、一定期間家賃負担の軽減を図ることとしておりますことから、本市として、さらなる家賃の引き下げは考えておらないところでございます。
以上でございます。
◯建設局長(吉川誠一)
私からは、避難道路の整備に関する御質問にお答えいたします。
避難道路の3路線につきましては、現在、用地測量及び詳細設計を進めており、年度内には用地取得に着手する予定でございます。また、あわせて整備いたします避難経路につきましても、今後、地元からの御意見をいただきながら、今年度中に整備方針を固めることとしております。
避難道路の整備完了は、かさ上げ道路との関係で平成30年度末を予定しておりますが、東部地区の方々の一日も早い生活再建を図るため、一定の用地取得がなされた箇所からの工事着手や円滑な避難を誘導するための案内標識の整備など、早期の事業展開に努めてまいります。
以上でございます。
◯消防局長(栗村渉)
ヘリポート整備に関する3点についてお答えいたします。
まず、これまで本市が支出した事業費、約6700万円の取り扱いについてでございますが、利府断念に起因した部分につきましては、今回の経緯を踏まえながら、県と協議してまいりたいと考えております。
また、恒久的なヘリポートを早期に復旧させることは、本市としての喫緊の課題であり、ヘリポート整備に対する補助制度の関係もありますことから、今年度末までには一定の方向づけを行いたいと考えており、この財源となる補助金の獲得に向け、引き続き、国に対し要望してまいります。
事業の実施体制につきましては、選定する場所等も考慮しながら、今後、判断してまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯教育長(上田昌孝)
私からは、教育局に係る2点の御質問にお答えを申し上げます。
まず、若林図書館への指定管理者制度導入についてでございます。
既に指定管理者を導入いたしております広瀬、榴岡の両分館においては、民間のノウハウを活用し、市民サービスの向上と運営の効率化が図られているところでありまして、これを踏まえまして、今回、地区館である若林図書館にも導入することとしたものでございます。
なお、導入に当たりましては、引き継ぎ期間の十分な確保により適切な業務引き継ぎを行うこと、司書率75%以上の組織体制を求め必要な人材を確保すること、専門性を高めるための職員研修の充実などを求めているところであり、良質な図書館サービスを市民の皆様に提供していけますよう、適切な運営を図ってまいりたいと存じます。
次に、(仮称)南吉成学校給食センターについてのお尋ねにお答えを申し上げます。
本市においては、PFI活用指針に基づき、一定の施設整備事業についてPFI導入可能性調査を行うこととしており、新センターにつきましても、十分な導入効果が見込まれるとの結果が得られたところでございます。
今回の事業者につきましては、耐震性や災害時対応を踏まえた施設配置計画、経験や技術力に富んだ安全確実な調理体制等の提案がすぐれていると評価がなされ、選定いたしております。これまでのPFI手法による野村、高砂両センターの運営実績も生かしながら、PFI事業として適切に実施してまいりたいと存じます。
以上でございます。
再質問
◯高見のり子議員
三問、再質問させてください。
まず、燃料費補助についてです。
第一問で、補正予算で市民のために取り組むべきものがあるはずだと、燃料費補助、公立保育所の建てかえ予算、放課後児童健全育成事業、介護の充実などを求めましたけれども、どれも冷たい答弁でした。震災からもう4年近くがたとうとしている今、市長は、被災者、市民が復興のおくれの中で、暮らしが本当に大変になっているという状況をよくわかっていらっしゃらないのではないかと思います。
例えば燃料費補助の答弁では、高くないというか、値下がっているというような御答弁でございました。でも、燃料費補助だけじゃないんですよね。物の値段も上がっている、それから、さまざまな負担も、税の負担なんかも上がっている、こういった中での暮らしですから、そういったところの市民の暮らしがどうなっているのかという、そういったところの検討を行ったのかどうか、そこをもう一度伺いたいと思います。
それから、次に消費税の問題です。
市長はいまだに消費税が安定的な財源であると答えておりましたけれども、今回、10%増税が先送りになったことなどを見ても、決して安定した財源というふうにはならないんだというふうに思うんですね。景気に左右されるということだと思います。そして、市長は記者会見の中で、消費税増税について問われたことに対しまして、子ども・子育て支援新制度や介護の改定の財源として心配していると、こういう発言されておりますけれども、消費税が上がらなければ福祉はよくならないと思わせるような、私はまやかしの発言だというふうに思います。消費税を上げてもいいと考えていらっしゃるのでしょうか。消費税増税の裏で進められてきた大企業や富裕層への優遇税制こそ改めて、適正な課税をすべきと国に言うべきだと思うんですけれども、この点、もう一度伺います。
それから、三つ目なんですが、復興公営住宅の整備戸数です。
抽せんに何度も落選する被災者の皆さんの思いを、どのように受けとめていらっしゃるのかなと思うんです。入りたいから応募しているんです。先ほど、都市整備局長は、民間での再建も考えていらっしゃる方がいるなんていうことを言いますけれども、入りたいから申請するわけですよね。入れれば入りたいと思っているわけですよね。そこのところをそんなふうに言いかえるなんていうのは、全くひどいと思います。
二次、三次の募集で状況を見ていくと言いますけれども、絶対数で八百六、もう足りないということは明らかなんですよ。マッチングを幾ら進めても、もう足りないんです。もう今すぐ判断すべきだと思いますけれども、伺います。
◯市長(奥山恵美子)
消費税に関連しての私の考えについての再度のお尋ねということでございます。
消費税は安定的な税源であるという私の趣旨は、その消費税をもって、さまざまな転換期を迎えております、これからの日本社会における社会福祉、社会保障について、しっかりとした展望を持って、長期的な課題としてこれに取り組んでいく必要があるというふうに考えるということについて、申し述べさせていただいたものでございます。それは、昨今の景気の状況等を踏まえますと、この導入の時期ということについては、やはり現在は大変厳しい状況がいまだ東北地方を中心に続いてございますので、必ずしも適切でない時期であるという判断はあろうかというふうに考えるものでありますけれども、いずれ長期的な展望の中では、消費税の上げるという判断のもとに、やはり高齢化社会にとって必要な社会保障制度をきちんと整備し、国民、市民の皆様に安心をしていただくということも必要な政策の目標であるというふうに考えているものでございます。
◯健康福祉局長(高橋宮人)
本市として燃料費の補助を行わない理由について、再度御説明いたします。
本市は、東北各県の県庁所在都市との気象状況を比較いたしますと、冬場の平均の気温においても、また日照時間においても、そして積雪量などにおいても、最も温暖な都市でございます。また、一世帯当たりの灯油の購入量においても、総務省の家計調査によりますと、仙台市は、青森市、盛岡市、秋田市、山形市、これらの都市の半分以下にとどまっている状況でございます。
諸物価が上がっているという状況でありましても、実際に県内の灯油価格は下落しており、そしてまた、生活困窮度の高い世帯に対しましては、本市がさまざまな支援を行っておりますことから、先ほど御答弁申し上げましたとおり、燃料費の補助は考えていないところでございます。
◯都市整備局長(小島博仁)
復興公営住宅の整備戸数の再質問にお答え申し上げます。
応募状況を見ますと、確かに募集戸数を上回る結果とはなっております。応募者が一部の団地に集中する一方で、整備戸数に満たない団地も多数あるというのが現状でございます。
また、これまで被災者の皆様から多くの相談を受けてまいりましたが、繰り返しになりますけれども、民間賃貸住宅での自力再建も視野に入れながら希望したいんだという方も直接聞いているところでございまして、今回は、そうした方も含めて応募者数が多くなったものと認識しております。今回の結果をもって直ちに対応について判断するのは難しいと考えておりまして、年明けに実施予定の第二回、第三回一般抽せんの結果を見きわめてまいりたいと存じております。
また、さきの優先順位の抽せんの結果、落選された方もいることも十分我々承知しておりまして、そういった方々につきましては、今後、丁寧に対応してまいりたいと考えております。
再々質問
◯高見のり子議員
消費税の問題ですね、もうこれ以上お聞きはしませんが、先ほど、やっぱり市長の財源の考え方って、やっぱり間違っているというふうに思うんですね。消費税しかないというのが間違いだと思うんですよ。少子高齢化でお金がかかっていく。でも、そのお金は世の中回るお金です。特養ホームをつくって、例えばそこで働く場を確保して、そこで働く人たちの賃金を保障し、その人たちが税金を払う。そして、それがまた、地方自治体の身近な公共事業に回っていく。やはり世の中にお金が、身近なところで回るという、こういう仕組みの中で、やはり自治体の財源なんかもできてくるんだと思うんですね。だからこそ、地域経済をやっぱり活性化しなきゃならないということになるんだというふうに思うんです。決して少子高齢化、お金がかかる、そういうことを言って大変だということは、もうちょっとやっぱり、それだけの説明ではおかしいと思うんです。市民の懐を温める、内需拡大に変えていくと。やっぱりそういった経済政策そのものが変わらないとだめではないかと思います。消費税が社会保障の財源にならないということ、もうこの消費税導入されて25年間、一度もよくなっていないんですから、これはもう明らかですので、このことは申し上げておきます。
それから、燃料費補助についてのことですけれども、市民の暮らしがどうなっているかという観点から検討してほしいと、どういう検討をされたのかと質問したのに対して、やらない理由を述べられております。冷たいなあというふうに思います。先ほども言いましたけれども、アベノミクスで本当に市民の暮らしというのが大変になっている、もうそういう状況があるんですから、その市民の暮らしに思いをはせて、やはりもう一度考えていただきたいというふうに思います。これは質問ですね。市長に、ぜひこれは答えていただきたいと思います。
それから、復興公営住宅の問題なんですけれども、本当にひどいし、被災者の状況をわかっていらっしゃらないんじゃないかなと思うんですよ。落選をしてどんな思いするかという被災者の気持ちを全然わかっていません。このままでは、応募したくても応募できなくなります。例えば、多人数世帯の方々が広いタイプでの部屋がなくなれば応募できません。また、高齢単身の方が2Kなど単身用のタイプがなくなれば応募できないじゃないですか。こうして応募が減ったからといって、ニーズがなくなったというわけではないんです。どうするつもりなんでしょうか。少なくとも絶対数で足りない800戸規模の整備は、すぐにでも始めなければ、ますます復興がおくれる、いつまでも仮設暮らしだということになるのではないでしょうか。これは重ねて答弁を求めます。
◯副市長(藤本章)
燃料費の助成についての再質問に御答弁申し上げます。
これまでの過去の例から申し上げますと、平成20年の冬場の段階で、一度、燃料費の高騰に対する助成を行っておりますが、これは本来、あのときは夏場でも値上がりをするということで、冬場にかけて急激なカーブで値上がりをし、2200円を超える水準まで至ったという、そういう状況の中で、大変一時的な負担が増ということに対しての一つの政策判断として燃料費を助成と、こういった形で、たしか当時、補正をお願いしたと認識しております。
今日の時点では、そういう水準には依然として達していない中で、11月に御要望いただきましたときは、恐らくまだ1700円だったものが、昨日あたりですと1600円台というような状況で、灯油自体が下がる状況で推移をしていると、こういう状況の中にありましては、これをもって直ちにその部分を取り上げて燃料費の助成と、こういうことにはならないのでないかというふうな理解でございます。
◯都市整備局長(小島博仁)
復興公営住宅の再度の質問にお答え申し上げます。
単身用の世帯への住戸の間取りのタイプにつきましても、3K等についても対応できるとか、そういったことも含めて柔軟な対応について、これまでもしてきたというところでございます。
また、今回落選された方、落選されることになる方、おられるわけでございますけれども、そういった方々についても、情報の提供なり、あるいはこれまでやってきましたが個別の相談と、そういったものについても丁寧に応じてまいりたいというふうに考えております。
整備戸数につきましては、繰り返しになりますが、応募団地の偏りとか、あるいは被災者の皆様の検討状況など、不確定な要素がかなり多いことから、現時点で判断することはなかなか難しいというところでございまして、これについては、第二回、第三回一般抽せんにおける具体的な応募者数などを見きわめながら、さらなる対応の必要性とその方策について検討してまいりたいというふうに考えております。