(2014年10月議会 決算審査特別委員会 花木則彰議員の質問)
○花木則彰委員 決算を通じて明らかになった奥山市政の特徴の一つ、被災者を被災者として見なくなるという問題についてです。決算年度、被災建物の公費解体が終了しました。誰もがこの制度は、被災した家屋の解体を行って、被災者の生活再建に資するための支援策だと思っていました。しかし、打ち切りの理由を聞くと、そうではなかったということになります。制度の目的と打ち切りの理由をお示しください。
◯環境局長 公費解体制度につきましては、国の補助事業を活用いたしまして、倒壊のおそれにより緊急性があると認める家屋を解体撤去することにより、生活環境の保全及び2次被害の防止を目的としたものでございます。 当該制度の申請につきましては、議会での御議論等も踏まえまして、当初の受け付け期間を延長した上で、その後も可能な限り、個別の御事情に配慮するなど、そうした対応をすることによりまして、当初の目的が果たされたものと判断いたしまして、平成24年度内に終了したものでございます。
◯花木則彰委員 環境局は、被災者のためだと思ってやっていないんですね。結果、家屋の解体が必要であるのに、制度の枠組みに合わない人たちは申し込んでも拒否をされる。時間切れで窓口さえ閉じてしまうという流れです。国は決算年度もお金を出すと言っていたのに、仙台市は打ち切りました。同じように、被災した市民なのに適用できない制度を改善すること、また受け付けを継続することが必要でした。 今、復興公営住宅の入居が始まって、これまでさまざまな事情から大きな被害を受けた借家に住んでいた人たちが復興住宅に移る時期を迎えています。入居していた方も、大家さんもみんな震災での被災者です。やっと解体や建てかえができる状況になったときに、公費解体の制度で支援できないという状況です。制度の要件を満たさない人は、被災者とは見ないで、切り捨てたということではないでしょうか。
◯環境局長 ただいま御答弁申し上げましたけれども、公費解体、私どもの震災廃棄物処理の一環で行ってきたものでございます。私どもといたしましては、さまざまな方々、特に被災された方々のやむなき事情も十分に酌み取りまして、申し込み期間、あるいは申請期間の延長、さまざまな対応を行ったものでございます。私どもといたしましては、こうしたことは適切かつ十分な期間を設けて実施したものと考えております。
◯花木則彰委員 必要な人でも受けられない人が、まだまだ残っていたことは明らかです。復興公営住宅の入居募集で、ほかの自治体からの被災者を排除する。あるいは、原発被災者への制限をするということも、被災者としての支援の対象から外すということになりますが、いかがでしょうか。
◯復興公営住宅室長 復興公営住宅の入居資格につきましては、法に基づき条例で規定しているところでございまして、他の自治体で震災による住宅を滅失された方で、本市に住民登録をされている方と、東京電力福島第一原子力発電所事故による避難指示区域に平成23年3月11日時点で居住していた方が避難指示を受けている期間、申し込みができるものとなっております。このことについては、昨年から説明会や相談会などでも周知するとともに、募集案内にもその旨を記載したところでございます。 これまでの募集において、避難指示区域にお住まいではなかった方々の応募もございましたが、その方々には丁寧に説明して対応してまいりました。
◯花木則彰委員 だから、新たに指示が解除されれば外されるということでは、そういう人たちを対象から外すということになっているんですよ。復興公営住宅が被災者の恒久的住居を確保する施策だとすれば、確保できていない被災者を募集対象から外すべきではありません。また、復興公営住宅の高い家賃設定に困惑している被災者が今でも多いです。入居後は一般の市営住宅扱いだとして、一定の所得があれば数年ですごい家賃になり、いずれ退去を命じられる仕組みです。これでは、被災者の恒久的な住宅の確保にはならないと思いますが、いかがでしょうか。
◯復興公営住宅室長 復興公営住宅におきましては、国の制度により、入居時の収入要件を問わないこととなっております。一方、入居後は市営住宅と同じ取り扱いをすることとなっておりまして、収入超過している方につきましては、明け渡しの努力義務が生じ、さらに収入の高い高額所得者につきましては、認定された後の一定期間後に民間賃貸住宅への移行も可能でありますことから、明け渡し義務が生じるものでございます。このことにつきましても、昨年から説明会や相談会などでも周知するとともに、募集案内にもその旨を記載してきたところでございます。
◯花木則彰委員 説明したかどうか聞いているんじゃないんです。これでは、被災者の人、特に一定の所得がある人の恒久的な住宅の確保にならないんじゃないかと聞いているんです。
◯都市整備局長 この災害公営住宅、法的には災害公営住宅の定義でございますが、これは、公営住宅法に基づきまして建設をして入居いただくということでございまして、法の中では災害に遭っている被災者に特段の配慮ということで、一般的には公営住宅、収入要件の条件がつきますが、被災者であるということに鑑みまして収入要件をつけていないというところでございます。入居については、ハードルを非常に低くしたということについて、これは制度的にも被災者に根差した制度と我々としても認識しているところでございます。
◯花木則彰委員 ですから、入るのはそうやって下げたけれども、結局出ていけということになるんですから、それでは恒久住宅の確保にならないんじゃないかと聞いているんです。
◯都市整備局長 被災された方々について、まずはその生活再建をするということが、まず第一にあろうかと思います。そういう意味では、生活を再建するに当たりまして自力で再建できない方々もおられるということから、この災害公営住宅、我々は復興公営住宅と申していますが、を用意してきたというところでございます。ここにつきましては、被災された方々、津波に遭って家財道具等もなくなっているということ。そういったことで、初期投資的な面につきまして相当あるだろうということを踏まえて、収入要件についてはつけていないというところでございますが、その後、いわゆるお住まいになった方の生活再建につきましては、当然その収入そういったものについて一定程度あるということを踏まえますと、通常の市営住宅とどう違うかということだと思います。そういう意味では、収入に応じて家賃を取るということについては、全く公営住宅と同じ制度でございますので、収入が少ない方々、あるいは年金生活者の方々、この方々につきましては十分な配慮として家賃を低くしているというところでございまして、十分に被災者のために我々としては対応していると認識しております。
◯花木則彰委員 結局やはり被災者という人たち、被災を受けた人たちが、まだ生活再建できていなくても、いろいろ枠をくっつけて省いていくと、そこから出していくということです、これも。被災農家であっても国の進める方針についていけない人は切り捨てています。宅地被災者も公共事業部分での負担増で困っていても支援はない。市独自支援の助成制度、使えない状況の被災者も見ないふりをする。医療費、介護費の免除打ち切り一部復活も対象となっていた8割は切り捨てています。生活再建を果たし得ていない被災者を勝手な枠をはめ、そしてその枠を狭めて切り捨ててきたということです。奥山市長も、復興計画でも何よりも重要な課題は被災された方々の暮らしを一日も早くもとの姿に戻すことだと言葉では言ってきましたが、実態は切り捨てではないですか。
◯市長 ただいま申し上げましたとおりでございますけれども、まず私は被災されたお一人お一人の方々が生活再建を十分に果たされることが大事であると考えてございまして、本年3月には被災者生活再建推進プログラムを策定いたしまして、仮設住宅にお住まいの全ての世帯の方々に直接訪問させていただき、その生活状況や健康状態などをお伺いし、それぞれの世帯の方の課題ごとに、また私どもの支援の策を複合的に組み上げ、生活再建に向けて、御一緒に歩いていくということを取り組んでいるところでございます。 そのほか、ハード面での復興公営住宅の整備、さまざまな手立てとしまして、この被災された方々の生活再建に当たっているという状況でございますので、その件については、私の志にとって施策を展開しているというふうに考えてございます。
◯花木則彰委員 いろいろ事情をお聞きして、それぞれの課題ごとにあった支援策を組み上げると言われましたけれども、その組み上げるもとになっている支援策、もうこれで終わりですと、全部完成したんですと言っているから、合わなくなるんだと思うんですね。再建ができるところまで、手をかえ品をかえ、支援をするということが必要です。決算の中で、制度がまだまだこれでは不十分だと。枠に入り切らない人がいっぱいいるということが明らかになったら、それを改めるように指示を出すことが市長の役割だと思いますが、いかがでしょうか。
◯市長 震災で被災された方々の生活再建に向けましたさまざまな支援制度につきましては、発災時以降、その時々の被災された方々の生活の状況、また本市の復興の段階等に応じまして、国等に対して必要な制度の改正や拡充を求めつつ、制度の充実を図ってきたところでございます。そうする中で、本市の復興につきましては、ただいま担当局からそれぞれに申し述べましたとおり、着実に震災からの復興、生活の再建の道を歩みつつあるという認識を持っているところでございます。 今後、こうした支援制度の拡充を図るということについてのお尋ねでございますが、重ねてさまざま御答弁をさせていただきましたが、現時点におきましては、私といたしましては既にあります支援制度を十分に御活用いただくことで、被災された方々の暮らしの再建が進むものと考えているところでございます。
◯花木則彰委員 合わないのに、使えば何とかなるでしょうとただ言い続けるだけということです。そういうことだから、復興予算が使われずに残されて、被災者や市民に市の取り組みのおくれを指摘されるという事態になっているんです。前年に引き続き、今年度も人件費の一部、46億5000万円を震災分だとして計算しています。それで、通常分は37億4000万円の黒字、震災分は21億9000万円の黒字だとしています。人件費は、通常分で計上するという当たり前の会計処理で見ると、通常分の実質収支は9億円の赤字になります。お金の使い過ぎです。震災分の黒字は、68億5000万円となるんじゃないでしょうか。
◯財政課長 震災復興の取り組みの中には、職員のマンパワーが主要経費であるものもございますし、その他震災関連業務に係る事務負担も少なからず発生しております。このことを踏まえました、当たり前の会計処理をした結果をお示ししているものでございまして、御指摘は当たらないものと存じます。
◯花木則彰委員 それはおかしいと思いますね。では、歳入にはどうなっているのかというと、人件費分の財源は、全て通常の一般税収と地方交付税に含まれていると思いますが、どうですか。
◯財政課長 御指摘のとおりでございます。
◯花木則彰委員 歳入のほうには両方分財源としては入れている。通常分に入れていると。それなのに、歳出だけ震災分で見るということが、当たり前の会計ルールとは絶対言えない。誤りだと思います。 実際、決算年度は復興基金などを取り崩して事業を進めたのではなくて、入ってきたお金ほども使わずに、基金が積み増しされるという格好になっています。復興期間はお金をため込む期間ですかという問いがありましたが、これにまだ答えていただいておりません。はいか、いいえでお答えください。
◯財政局長 復興期間の基金の取り扱いのことかと存じますが、基金につきましては、いろいろな目的で複数の基金がございます。それらを一緒くたにイエスかノーかということは、お答えできかねるところでございます。
◯花木則彰委員 復興基金。
◯財政局長 復興基金につきましては、復興事業に充てるということで設定してございまして、復興事業の実施期間で活用してまいります。それは単年度ではなく、全体として捉えるべきと考えてございまして、復興期間を踏まえまして対応してまいりますが、復興期間を越えて継続する事業もございます。そういったこともありまして、引き続き、積み立てのほうも行ってございます。一度設定した基金を取り崩すのみというような基金ではなく、同時に積み立てを行いながら、復興事業全体の財源を確保するものでございますので、単純にはお答えできかねるところでございます。
◯花木則彰委員 いや、だから当然積み増しするのもいいと思いますよ。だけれども、積み増ししたほうが多いんだから、使うのよりも。だから、復興期間というのは、その間にためて、その後使うための期間なんですかと、そうではないでしょうということを言っているんです。いろいろ言葉を左右しますけれども、結局、復興期間中にちゃんとお金を使おうと、復興のためにということができていないという決算なんですよ。 復興事業計画の決算の年度末では、進捗は公共施設復旧が81%なのに対して、津波地域での住まい再建は29%、宅地再建では38%です。被災者の生活がもとに戻るというためには、被害額に見合う支援がなされなければできないことです。被災者の受けた被害に比べて、これまでの支援は余りにも少ないのではないでしょうか。
◯復興事業局長 住まいの再建や被災宅地の復旧に係る本市独自の支援制度、あるいは復興公営住宅等入居支援金の創設など、議会での御議論も踏まえながら、被災の実態や被害の状況に応じたさまざまな支援制度の導入、拡充を図ってきたところでございます。これらの制度を御活用いただき、住宅再建も住んできているものと認識してございます。今後も被災された方々のお住まいの再建と生活再建を図られますよう、取り組みを加速させてまいりいと存じます。 御指摘のプロジェクトの進捗率でございますが、津波防災・住まい再建プロジェクトの中には、東部地域の防災集団移転促進事業、復興公営住宅整備事業のほかに、これから本格化するかさ上げ道路事業でございますとか、蒲生北部の土地区画整理事業も含まれてございまして、これらは今後確実に進めてまいります。また、宅地復旧につきましても、今年度末に全ての地区の公共事業の完了、そしてさらには助成金制度を活用いただいての、できるだけ多くの未復旧宅地の復旧を目指して、今後とも鋭意取り組んでまいる所存でございます。
◯花木則彰委員 ですから、そういうところは、制度をちゃんと条件、要件を緩和したり、いろいろやって、みんなが使えるようにしていくということが大事なんです。それをやらないで、ただふえていくだろうと言っていても、ふえないんです。生活復興プロジェクトについても、決算年度の実施38億円のうち、何と31億1000万円は国から丸々お金が来る緊急雇用創出事業費です。ほんのわずかしか被災者の生活支援には回っていない、また、独自の施策が本当にこの部分では弱いと思いますが、いかがでしょうか。
◯復興事業局長 生活復興プロジェクトでは、国の緊急雇用創出事業を活用いたしまして、仮設住宅に入居されている方々の見守り活動や健康相談などの支援を行っているほか、生活再建支援員によります戸別訪問や自立に向けた就労支援、さらには復興定期便による情報提供など被災者の方々お一人お一人の生活再建に向けまして、さまざまな取り組みを実施してございます。被災者の方々の生活再建に回っていないという御指摘は当たらないものと考えてございます。 今後もこのような取り組みを継続いたしまして、被災された皆様の一日も早い生活再建を後押ししてまいりたいと存じます。
◯花木則彰委員 被害に見合った支援がなければ、再建できないんだというところはしっかり抑えて、到達についてよく見ていただく必要があると思います。 次に移りますが、震災後3年が過ぎまして、もう一つ矛盾が大きくなっているのが、市民生活の基盤整備、維持管理のおくれです。震災や財政難を口実にして、それまで曲がりなりにも確保されていた予算がストップされたままになっているからです。一つ、グラフを掲げさせていただきますが、学校の維持補修費です。最近では2006年をピークに年々下がって、2001年には3割ですね、それまでの。また、その後も5割のところでとどまっています。おくれを取り戻す年次計画と予算が必要だと考えますが、いかがでしょうか。
◯教育長 本市では、震災前から学校の耐震補強に集中的に取り組み、震災直前におおむね終了したため、維持補修費が徐々に減少してきたところでございます。また、震災後は災害復旧に最優先で取り組んできましたことから、御指摘のような状況となっているところでございます。災害復旧を優先したことにより、中には先送りした修繕もございましたが、復旧にもめどが立ちましたことから、今後は緊急性と優先度を見きわめながら、必要な修繕を着実に実施してまいりたいと考えております。 また、特に大規模な修繕につきましては公共施設マネジメントプランに基づき、学校施設の長寿命化に向けた計画的な保全を図っていくため、維持修繕についての考え方を整理し、必要な予算の確保に鋭意努めてまいりたいと存じます。
◯花木則彰委員 この間おくれた部分というのは、このがっとおくれたここら辺ですね。この部分で大体40億円です。ただ、元のレベルに戻すだけでは足らないと、おくれを取り戻すというのは。これまでの毎年15億円のレベルに、5年間でもし取り戻すとすれば、8億円足して23億円は必要だと。やはりそれなりの財政上の手を打つということが大事だと思います。 次に、9月11日、きのうもありましたけれども、大雨の被害を考えますと市内での雨水排水の整備が必要になる箇所、相当数上っています。ここでも、雨水対策事業費の決算額は激減をしています。10年確率の降雨対応に、このままでは200年かかるということが明らかになりました。 道路維持費です。10年前と比べて、年間10億円も少なくなっています。道路や側溝が壊れたりしても、応急修理のまま置かれている箇所も少なくありません。ことしの冬は大雪で苦しみました。通常の除雪、融雪の体制が弱くなっていたのも、維持費の削減に大もとの原因があると感じています。 新制度への対応が危ぶまれている児童クラブ、学童保育の現状も、必要な施設整備にお金を出し渋り、決断ができていない結果だと私は思います。いずれも矛盾が蓄積され、市民生活に支障が出ています。自治体の責任を果たすべきですが、いかがでしょうか。
◯財政局長 それぞれの事業につきまして、それぞれ事情がございますが、震災からの復旧・復興の取り組みを最優先するという中で、それ以外の事業について抑制的に対応せざるを得なかったという面は確かにございます。そのようなことから、復興事業の進捗を勘案しつつ、財政状況や優先順位などを十分に踏まえながら、必要な予算の計上について、検討してまいりたいと考えております。
◯花木則彰委員 繰り返して言いますが、震災に力を入れたからと言われますけれども、決算を見れば震災にはお金が十分かかっていないんです。これまでよりも余しちゃっているわけです、その部分で。そうすると、なぜこういう必要なところが削られたままになっていたのかと。その分、一体何に使っていたのかが問題になります。被災者にも、市民生活にも、市の財政を振り向けないで、奥山市長が進めているのが、地下鉄東西線やコンベンションホールが似合うまちづくりです。誰のためでもない、まちづくりのためのまちづくりです。地下鉄東西線が都市軸、理想の都市像のためで、市民のためではないということが、バス路線再編案で地域住民に知れ渡ることになりました。こんなに莫大な税金をつぎ込んだのに、住民はかえって不便になると。これは、おかしいと思いませんか。
◯都市整備局長 まちづくりは市民のために行っているところでございますが、本市では将来的な人口減少、少子高齢化の進展の中で、市民一人一人の暮らしを充実させ、誰もが心豊かで安全・安心に暮らすことができる都市づくりを目指し、公共交通を中心とした機能集約型の持続可能な都市形成を進めているところでございます。 そういった中で、地下鉄を都市軸としたまちづくりは、定時性、速達性にすぐれ、環境負荷の小さい鉄道と路線バスの連携によりまして、公共交通を中心とした交通体系の構築を進めるものでございまして、このたびのバス路線再編は、市民の皆様の一層の暮らしやすさの向上につながるものと考えているところでございます。
◯花木則彰委員 コンベンションホールができると、交流人口が拡大して、地域経済が元気になると言いますが、しかし、しょせんはよその人たちのお金頼みになります。どこの都市も税金をかけて施設をつくり、よその人たちを呼ぶ計画です。実際はホールができたからといって、誘致が進むものではありません。仙台の地域、市域の経済にとって一番大切なお客様は市民のはずです。市が市民の生活や福祉をしっかり支えて、市民の購買力を高めるのが真っ当な道筋だと考えますが、いかがでしょうか。
◯財政局長 市民の生活支援、あるいは社会福祉に関する施策につきましては、極めて重要でございますが、それぞれ固有の目的を持った必要な施策でございます。地域経済における購買力の向上、あるいは消費活動の活性化というのは、効果でございまして、それを目的に行っているものではございません。 なお、震災後には平成25年度決算で言えば、1000億円を超える歳出を決算として計上してございますが、そういう中にありましても、子育て環境の充実、雇用機会の創出、中小企業支援策の強化など、市民の方々の暮らしや地域経済を支える施策について、鋭意取り組んできたところでございます。
◯花木則彰委員 市民が市に望んでいる仕事というのは、市が行った市民意識調査の意識調査結果でも明らかです。復興関連では住まいの確保や就労、健康などの生活支援、そして震災や原発事故の教訓を踏まえた防災対策です。復興以外の施策では、決算年度も今年度もほぼ同様の施策が望まれています。改めて御紹介ください。
◯まちづくり政策局長 市民意識調査におきましては、復旧・復興以外の施策のうち、今後特に力を入れていくべきと思う施策について伺った結果でございますが、上位5項目は、子育て環境づくり、鉄道やバス等を中心とする交通体系、医療サービス、高齢者を支える環境づくり、学校教育の充実となっておりまして、これは決算年度、本年度とも変わりがございません。
◯花木則彰委員 こういった自治体本来の仕事を行うべきだと思います。住民の暮らしを支える仕事です。必要だけれども、もうけにならない仕事だからこそ、自治体が行うはずです。そのために、住民は能力に応じて税金を納めます。ところが、税金を納めた上に受益だからとさらに負担を求めるのが当たり前とか、何でも費用対効果で評価するとか、果ては、子供たちを学校から追い出して金もうけのできる施設に転換すべきだという主張まで出てくるのは、大変残念です。市長は、市民の求める施策の充実に真っ直ぐ努力する決意か、伺います。
◯市長 施策目標に関します市民意識調査でございますけれども、基礎自治体としての本市は、住民の皆様に最も身近な自治体でございますことから、さまざまなそうした住民の福祉に関する要請を受けまして、この間も施策を総合的に展開してまいったものでございます。市民意識調査の中では、そうした本市の各般にわたります施策の推進状況に関します市民の皆様の御評価、また、市民の皆様の求めますニーズの変化などを継続的に把握し、分析の上、私どもがその結果を施策に生かしていくということを目的に実施しているものでございまして、ただいま担当局から御回答申し上げたような御要望が上位に来ているということを十分勘案の上、予算の編成、また施策の執行に努めているところでありまして、今後ともそのような形で対応してまいる所存でございます。
◯花木則彰委員 仙台市の財政は、財政調整基金の残高が政令市以降、最高となるなど震災を受けて、逆に財政力が増しています。ここまで述べてきたように、被災者も市民生活にも冷たいお金の使い方をしてきたからです。これを市長が思い描く都市像実現のために使うのではなくて、国の悪政に苦しみながら、被災から立ち直ろうとしている市民のためにこそ使うべきです。いかがでしょうか。
◯市長 お尋ねいただいております基金の残高が、震災の前より総額として多くなっているという点でございますけれども、主に震災復興交付金基金等の新設によるものでございまして、本市の財政力が格段に向上しているという認識は持っておらないところでございます。 多方面にわたります基礎自治体としての行政におきましては、全体としてハードとソフトの両面の施策を適切に組み合わせることが不可欠であると考えておりまして、この両者に、なかなかあちらが一方のみがよいというようなことではないと考えるものでございます。 本市におきましては、復旧・復興を最優先に取り組みを進めますとともに、東北の全体の発展も視野に入れ、仙台が将来にわたり、魅力ある都市として活力を保持するために、さまざまな政策課題への対応だけではなく、長期的なビジョンも持って、着実に施策を展開していくということが不可欠と考えてございます。今後とも効果的、効率的に施策の成果が達成できますよう、ハード、ソフトとも的確な予算の配分を念頭に置きつつ、あるべき都市像の実現に向けて、取り組んでまいりたいと考えております。
◯花木則彰委員 基金でお聞きしたのは財政調整基金なんですが、それはいいです。 魅力ある都市というときに、一体誰のために、誰にとって魅力あるのかということだと思うのです。私たち日本共産党市議団は、被災者、市民と力を合わせて、市の財政のあり方を転換する必要があると思っています。そして、安心して暮らせる、そういったまちになるように奮闘することを決意するものです。 今議会の質疑の中で、教育内容への政治の介入とも言うべき議論が声高に行われたことは、議会人として残念に思っています。歴史的見解が確定した問題を、政治的議論があるからといって教えるなとか、健康教育だとして調査を求めるなど、教育に介入すべきではありません。教育現場での問題を政争の具とすることも、子供たちの利益に反する行為です。このことを最後に申し上げて、質問を終わります。