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花木則彰
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雨水対策の予算激減 このままでは200年かかる

(2014年10月議会 決算審査特別委員会 庄司あかり議員の質問) ◯庄司あかり委員 下水道事業会計中、雨水対策事業費について、伺います。本会議では、8月の広島市を中心とした土砂災害に関連して、たくさんの質疑がございました。被害に遭われた方々に改めてお見舞いを申し上げます。  仙台市でも、今月の豪雨で冠水や自動車の水没などの被害が生じたことは、先ほども質問があったとおりです。地球温暖化による異常気象の中で、豪雨対策は喫緊の課題です。雨水対策事業費の推移について、決算年度と震災の影響がない2009年度、そしてピーク時の2004年度の事業費について、お示しください。 ◯下水道経営部参事兼経営企画課長 雨水事業費の決算額の推移でございますけれども、平成25年度、昨年度の決算額につきましては24億6700万円、平成21年度が32億4100万円、平成16年度が99億1100万円となっているところでございます。済みません、99億1700万円となっております。 ◯庄司あかり委員 決算年度は24億6700万円とのことで、また、10年前の2004年度は約99億1000万円に比べて、約100億円近くあったわけですけれども、平時である2009年度は32億4000万円とピーク時の約33%にまで事業費がどんどん減らされてきているということは問題だと思います。必要さや緊急度に反して、なぜこれほど事業費が減ってきたのか、伺います。 ◯下水道経営部参事兼経営企画課長 減ってきた要因でございますけれども、中野第3号雨水幹線や長町第一ポンプ場などの大規模な雨水排水施設が完成し、企業債残高がピークに達する一方で、国及び地方において税収の落ち込み等により、財政が厳しさを増していったことが反映されているものと認識しているところでございます。 ◯庄司あかり委員 財政が厳しいことが反映されているとおっしゃいますけれども、私この間の事業費の減少の仕方を見ますと、財政局によるマイナスシーリングが余りにひどいと、ここに最大の問題があると思います。抜本的に予算をふやして、雨水対策のテンポを上げるべきです。例えば、若林三丁目の整備工事があります。この地域は国道4号線仙台バイパスの手前に位置して、青葉区や若林区の都市部の雨水が流れ込む一方で、バイパスのほうが高さがあるので、東部には流れていかずに、ゲリラ豪雨の際には短い時間で冠水して、近隣住宅では浸水被害が生じています。  ここで写真をごらんいただきたいのですが、2013年9月15日、台風18号の降雨による被害状況です。若林消防署の観測データで1時間に36ミリメートル降りました。私の膝くらいまでの水位になっています。さらにひどいことに、この地域は汚水と雨水の合流式のために、下水管が飲み込み切れず、あふれた場合には、排せつ物などもあふれ返ります。私もここでは、ちょっと口にするのもはばかられるような光景を見ました。夏場は、水が引いた後の匂いがひどいので、住民の皆さんが、水が引いた後にホースで道路上のあれやこれやを流していらっしゃいました。この地域に対して行う対策工事の概要と整備計画について、御説明ください。 ◯下水道計画課長 若林三丁目地区の整備工事について、お答えいたします。  当該地区は、昭和40年ごろに合流式下水道により整備が完了しておりますけれども、その後の都市化に伴いまして、下水道の排水能力というものが不足している状況でございます。抜本的なその対策ということには時間を要するというところがありますので、当該地区であふれた水を集め、小規模なポンプで近傍の河川まで送水するということで、被害の軽減を図ることとしております。その事業の概要としましては、ポンプ場の整備、それから圧送管の整備、そして河川に放流する排水樋管などの整備を予定しておりまして、平成28年度の完成を目指しております。 ◯庄司あかり委員 こちらの整備は5年計画で整備するということで着手されましたが、決算年度には榴岡小学校前が予算化されただけで、若林三丁目は優先度が高いにもかかわらず、予算がつかなかったと言います。そのため、決算年度は前年度からの繰越事業のみが行われました。住民からすれば、市が用地を取得して、ポンプ埋め込みのためのマンホールはできたのに、そこから工事が頓挫してしまったということになります。待ち遠しく思っていた方々にはひどい仕打ちです。建設局は、雨水対策の重点箇所に、この若林三丁目を位置づけていたのに、なぜ予算がつかなかったのか。 ◯下水道計画課長 当該地区の浸水対策というものに関しての優先度が高いと我々も認識しております。平成20年度工事を繰越工事で実施しまして、平成25年度の決算に反映しております。この際、繰越工事で行っていたということもございまして、追加の工事につきましては、現場のふくそうを招くというところも懸念されたため、着手が難しかったこと。そして、緊急性を要する雨水施設の災害復旧が生じまして、その工事を優先したというところが、予算を見送ったというところの原因でございます。 ◯庄司あかり委員 緊急性の高い災害復旧の工事が入ったということですけれども、その場合、災害復旧費で見るべきだと思いますけれども、この点はどういった事情があったのでしょうか。 ◯下水道計画課長 災害復旧は、東日本大震災における災害復旧でございますけれども、災害復旧の申請をする当時、見つけることができなかった箇所というものが新たに発見されました。そういう箇所については、やはり危ない状況でございますので、緊急性があると判断して、我々のほうでは事業費を獲得すると。その際、災害復旧の災害査定というものはある程度期限がございまして、我々のほうでは、それにちょっとおくれたというところで、市の単独費を投入して実施しているという部分がございます。 ◯庄司あかり委員 災害復旧費で見るべきものが、査定の期限に間に合わずに外れてしまったということでした。本来なら、そういう場合に財政が追加の措置を講ずるというのが当然のことだと思います。下水道からすれば、少ない予算枠内でのやりくりのために苦肉の策だったんだとお察しいたします。とはいえ、予算をつけなかったために、工事がおくれて、現場は大変な状況に置かれています。  続いてごらんいただきたいのが、ことし8月24日の写真です。若林消防署の観測データで1時間に23ミリメートルの降雨でした。この商店は、いつも浸水被害がありまして、以前には豪雨による浸水被害でレジが壊れてしまい、今はレジを高いところに上げています。この日は日曜日だったのでお店は休みでしたが、強い雨が降ってきたために、離れた御自宅から、家族総出で駆けつけて、店内に浸水した水をかき出しているところです。  次の写真をごらんいただきたいんですけれども、前日に天気予報確認の上、店の前に土のうを置いて、土のうを設置して、商品は一番下の段から上の段に避難させていました。それでも、やはり浸水して駆けつけなければならない状況が生まれています。こうやって整備がおくれればおくれるほど、市民の財産が脅かされ、雨の予報におびえ、休日も休んでいられない。こういう状況を生んでいることをどう考えているのか、伺います。 ◯下水道計画課長 先ほど申し上げました理由によりまして、平成25年度の予算措置はできかねましたけれども、今年度は工事を再開する予定でございまして、地域の皆様に少しでも早く安心していただけるよう、整備完了に向けて努力してまいります。 ◯庄司あかり委員 今年度は工事を再開する予定だということで、これはとても喜ばれるいいお話だと思います。少し具体的に教えていただけますか。 ◯下水道計画課長 先ほど、事業の概要におきまして、ポンプ場の整備、それから圧送管の整備、そして川に流すための排水樋管の整備というところでの概要を申し上げました。今年度につきましては、ポンプ場につきましては一部完了しております。それに引き続きまして、管路でございます、その圧送管の整備、ここをできるところに着手していきたいと考えております ◯庄司あかり委員 圧送管の整備に着手するということで、工事がとまっていた周辺住民の方からすれば、工事が進んでいくというのは、気休めかもしれませんけれども、でも大変安心感があることだと思います。  市内全域で雨水対策の整備を今か今かと待っている地域があるわけですから、整備をさらに進めていくということが、ほかの地域においても必要です。基本計画では、市内一律で10年に一度確率の降雨に対する整備を目標としていますけれども、現在のテンポで進むと、整備に何年かかる計算になるのか、伺います。 ◯下水道計画課長 今後の雨水排水整備についての整備期間でございますけれども、汚水整備が昭和41年で大体36%でございました。その後、50年かけてようやく平成20年度に既成しております。雨水整備は整備率が今31.4%でございます。汚水に比較しまして施設規模も大きいことから、汚水整備よりも時間を要し、整備完了までは相当の期間を要すると考えております。 ◯庄司あかり委員 具体的にどのぐらいかかるかというのがわからなかったんですが、汚水管の場合は50年かかって既成したので、雨水はもっとかかるだろうということで、50年以上かかるというお答えだったのかなと思いますけれども、私それもごまかしだと思います。事前にいただいた資料では、今後の10年確率の整備には約4400億円かかるとされていました。決算年度、約25億円、こういうテンポで進めば、単純計算でも200年近くかかるということになります。雨が降るたびに不安を抱えている方々には、申しわけなくて、とてもこんな数字をお伝えすることができません。雨水対策予算をふやすために努力をすべきです。  雨水対策事業には、社会資本整備総合交付金も活用することができます。切実で緊急な雨水対策などの事業に、こうした交付金をもっと活用すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。 ◯下水道経営部参事兼経営企画課長 本市といたしましては、現在の状況が将来にわたって続くものとは考えていないところでございまして、下水道事業におきましては、これまでも浸水対策事業や地震対策事業などを執行するため、社会資本整備総合交付金や防災安全交付金を活用してまいったところでございます。  今後ともこうした国の補助制度を積極的に活用して、雨水事業を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。 ◯庄司あかり委員 安倍政権は、国土強靱化と言いながら、巨大防潮堤などのゼネコンをもうけさせる公共事業にばかり税金を注いでいます。しかし、こういった雨水対策こそ都市基盤整備と呼ぶべきものだと思います。  本会議では、土砂災害対策に関して、危機管理監が時期を逸することなく取り組むと御答弁されました。豪雨災害が多発して、市民の意識も高まっている中で、この時期を逸することなく取り組みたいということなんじゃないかと受けとめておりますけれども、こうやって豪雨災害が頻発する中、住民の財産を守るという点で、当然雨水対策においても貫かれるべき考え方だと思います。雨水対策事業費を大きくふやすべきです。これについては、市長に伺います。 ◯市長 ただいま、雨水対策について御質問がございました。安全・安心なまちづくりを進めていくということは、市民の皆様の暮らしを支え、まちを育む上でも極めて大切なことであると認識しているところでございます。しかしながら、ただいま下水道局からも御説明を申し上げましたように、全市的な雨水対策ということで考えますと、その事業規模は極めて大きく、やはり長期にわたり着実な事業の推進を目指していかなければならないと考えているところでございます。  昨今、大変課題となっております集中豪雨の増加でありますとか、また、先日の本市におけます浸水被害といったような状況を見ますと、そうした長期的な着実な進捗を図る一方、そうした被害の多い地区にどのような対策が効果的であるかということにつきましては、なお私どももハード、ソフト、その両面から調査をし、そうした知見を住民の皆様とも共有していくことが大事であると考えているところでございまして、それらさまざまな工夫を組み合わせる中で、住民の皆様の安全をお守りすべく、今後推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。 ◯庄司あかり委員 建設局は限られた財源の中で、とにかくやりくりするしかないという状況で、枠が減らされてきているということが問題だと申し上げています。10年確率と言われる降雨でさえ、今や年に何度も頻発するような状況のもと、市長は長期にわたって着実な推進をするとおっしゃいましたけれども、では200年かかってもいいって、長期にわたっていいんでしょうか。予算をふやさなくてはならないと思いますけれども、いかがですか。 ◯市長 本市の財政運営の中で、しかるべくその配分については、十分に意を用いてまいりたいと考えるものでございます。
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