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代表質疑 嵯峨サダ子議員(9月30日)

【概要】防災、暮らし、復興など直面する課題の解決策

 (豪雨、土砂災害の補正予算、復興公営住宅の追加整備と家賃補助、子ども医療費助成)

 

嵯峨サダ子議員

嵯峨サダ子です。日本共産党仙台市議団を代表して、提案されている諸議案及び市政の重要課題について質疑します。

安倍自公政権は、歴代政権が禁じてきた集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案、いわゆる戦争法を19日未明の参院本会議で強行採決しました。議会制民主主義を踏みにじる暴挙です。  戦争法は、国会の審議を通じて憲法違反の法律であることが明白となりました。戦闘地域での兵たん活動、戦乱の続く地域での治安維持活動、核兵器、毒ガス兵器、劣化ウラン弾やクラスター爆弾まで輸送できるとする内容であり、憲法が禁じる武力行使そのものです。圧倒的多数の憲法学者、内閣法制局長官経験者、最高裁長官経験者が安全保障関連法案は違憲と断じたことからも明らかです。6月議会の代表質疑で日本共産党仙台市議団は、戦争法について、憲法を遵守する立場にいる市長も当然憲法違反だとお考えになっていると思うが、いかがかと問いただしました。これに対し市長は、外交、防衛は国の事項、憲法解釈も含め国政の場で十分な議論が尽くされるべきものと述べ、繰り返し聞いても憲法解釈に対するみずからの考えを示すことを避け続けました。市長は、ここに至っても憲法違反だと言えないのか伺います。

三重県松阪市の山中光茂市長は、16日、安保関連法案は違憲だとして、国会での法案の議決や公布のための差しとめを求める訴訟を東京地裁に起こしました。また、岩手県の達増知事は、法案が参院特別委員会で強行可決されたことについて、審議が進むほどに専門家の疑念が強まり、国民の反対がふえてきたという経緯を振り返ると、決して採決すべき状況ではなく、今からでも白紙撤回すべきだとの談話を出しました。戦争法強行成立後に報道各社が行った緊急世論調査によると、国会審議を尽くしていないと八割近くが答え、説明が不十分という回答も8割に上っています。国民の理解が得られなかったことを示すものです。奥山市長は、国民の中での理解がさらに深まることが肝要だと言っていましたが、理解が十分深まったと思うのか伺います。

9月9日から11日、安倍自公政権が国民の民意を無視した暴走政治を行っている最中に、台風18号による豪雨災害が発生しました。栃木県、茨城県を流れる鬼怒川で起きた大規模水害を初め、県内では大崎市でも同様の水害が発生しました。仙台市では、土砂災害や河川氾濫に対する避難勧告、避難指示を発令し、避難所数は105カ所、避難者数は最大で3446人に達しました。床上、床下浸水、崖崩れ、道路陥没等の被害が出ました。また、公共施設等の被害に加え、水稲や大豆の農作物、パイプハウス等の農業用施設、水産物、水産業施設も大きな被害を受けました。17日までに把握した被害報告に基づく推計被害総額は45億1000万円です。今回の水害で仙台市は避難所数と避難者が多かったということで、災害救助法の一部が適用されます。避難所設置に伴う経費のほか、被災した住宅の応急修理が救助の対象になります。所得制限はありますが、半壊以上の世帯に対し、一世帯当たり56万7000円以内の費用が出ます。これには、り災証明書の申請を行い、建物被害認定調査が必要となります。被災した住宅の応急修理は災害発生の日から一カ月以内となっていますが、短い期間で対応するのは困難です。東日本大震災では期間を延長して対応しました。今回の場合も申請期間を延長すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

太白区羽黒台では、急傾斜地が崩壊し、羽黒台の9世帯15名に避難指示が発令されました。羽黒台団地は約50年前の宅地造成等規制法施行前に駆け込みで造成した団地のため、崩れた現場ののり面の傾斜は約40度と、現行制度では認められない急斜面です。現在は急傾斜地崩壊危険箇所に指定されています。また、土砂災害危険箇所として公表されていますが、警戒区域指定に向けた県の調査は行われておりません。のり面の土砂崩れについて専門家は、宅地造成で土盛りした部分と以前からあった地形の間に雨水や地下水が流入したのが原因との見方を示しています。こののり面一帯は大雨が降るたびに土砂崩れが起きるところで、1994年の豪雨でも崩れました。東日本大震災でも崩壊し、市道が通行どめになり、バスが通れなくなりました。今回も同様です。崩れた崖の上に住む住民は、今も避難をしていて自宅に戻れない状態です。急傾斜地の向かい側の団地住民も、被害が拡大しないか不安を抱えながら過ごしています。崩壊した崖は自然崖でなく人工的に造成された崖のため、急傾斜地対策工事等の補助の対象にならないということですが、放置するわけにはいきません。早急に安全対策を講じて住民の安全を確保すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

また、市内の土砂災害危険箇所並びに急傾斜地崩壊危険箇所、特に宅地造成等規制法施行以前に造成された団地も含めて、現場に出向いて総点検し、必要な対策をすべきですが、いかがでしょうか、伺います。

水害による農業被害等に対し、従来の枠にとらわれない支援策が求められています。水稲や大豆は農業共済に加入していても全額補償ではありません。また、国の農地災害や農業用施設災害復旧事業では、事業費が40万円以上でないと国の補助が受けられません。現行制度にとどまるのではなく、被害を受けた市民の声をよく聞いて支援をすべきです。国と県に支援の拡充を求めつつ、市独自でも支援をすべきですが、いかがでしょうか。  また、個人の住宅復旧、土砂災害危険区域への復旧費助成を行うべきですが、いかがでしょうか、あわせて伺います。

今議会に提案されている補正予算はわずか4億1200万円です。そのうち市の負担分はたったの644万円です。今議会中に追加補正を行い、復旧支援を行うべきです。いかがでしょうか、伺います。

2014年度決算における一般会計決算は28億3300万円の黒字となりました。このうち15億円は財政調整基金に積み立て、13億3300万円を今年度へ繰り越しました。市の基金残高は1809億円で、全国トップクラスです。財政調整基金は295億円です。これに加え、お金がないと見せかけるために、わざわざ別財布をつくってためた、市のへそくりと言える公共施設長寿命化推進基金は48億5000万円あります。  市がこの時期に出している予算編成方針(案)には、800数十億円の収支不足が見込まれるなど、毎年決まり文句のように数字が出ていました。ところが、2016年度予算編成方針(案)には、この記述も数字も消えてなくなりました。財政も好転し、お金をため込んでいるのに、単なる演出だと私たちが指摘したことを受けて、収支不足の演出を取りやめたのか伺います。

市は、震災以降、毎年黒字会計を続け、黒字額をふやしてきました。復興のためのお金も積み立てに回し、震災復興基金残高は178億8041万円です。市民や被災者のために直接お金を使わず、ため込んできたからです。東日本大震災から4年半が経過しました。市の復興期間は今年度で終了する予定となっていますが、被災者の置かれている現実に正面から向き合い、住まいの再建や宅地の復旧など必要な支援が切実に求められています。被災者の命と健康を守ることもその一つです。大震災から時がたつにつれて、被災者の健康が脅かされています。被災者の医療と介護利用料免除措置が一部の被災者を対象に行われています。これは、国による国保に対する特別調整交付金拡充分を活用して実施されているものですが、来年度も継続されるか未定となっています。国に対し継続を求めるとともに、市独自に免除対象を拡大して命と健康を守るべきです。いかがでしょうか、伺います。

生活再建の土台である住まいの確保は最重要課題です。ところが、仙台市と宮城県は、まだ住まいが決まらない被災者が多数いるのに、仮設住宅供与終了の通知とお知らせを8月末に3071世帯に出しました。通知とお知らせという形をとっていますが、事実上、5年で応急仮設住宅から出ていってくださいという通告です。3071世帯の中には、これから復興公営住宅に移る方や集団移転、自力再建の方々も含まれています。しかし、まだまだ住まいが決まらない世帯がたくさんいます。市の復興リポートで、市自身が住まいの再建実現性が低いとしている1071世帯のうち、特定延長の対象にならない市内被災世帯が少なくとも536もあります。これらの世帯が追い出しの対象になります。また、再建方針が決まっていても、隣地の危険宅地の復旧工事が事情があって終わらないために自宅に戻れず、仮設住宅から退去できないでいる方がいます。この方にも供与の終了通知が届き、事情を説明しましたが、市は延長を認めようとしません。  こうした世帯は、期限が来たからといって追い出すべきではありません。特定延長の対象にすべきです。いかがでしょうか、伺います。

もともと、市の意向調査では復興公営住宅の希望者は3844世帯でしたが、収入超過者や市外被災の一般世帯等は対象から除外し、整備戸数を3200戸としました。その時点から少なくとも600戸超の差があったわけです。また、募集の時点でより明確になりましたが、単身用の小規模住宅が少なく、この面でのミスマッチも指摘されています。復興公営住宅入居を希望し、入居資格のある被災者のニーズに合わせた整備計画を持っていれば、こんなに被災者を苦しめる抽せんを繰り返す必要はなかったはずです。それなのに、市は非情にも復興公営住宅の新たな整備は行わないと決め、多くの落選世帯を切り捨てました。9月1日現在、住まいの再建方針が検討中の世帯が626あります。再建方針が検討中の世帯のほとんどは、復興公営住宅に応募して落選した方々です。市が復興公営住宅をふやさないために、まだ検討中になっているのです。市の側に原因があることは明らかです。補正予算に被災者向けとして鶴ケ谷第二市営住宅50戸を改修する工事費が上程されていますが、ここだけでは到底足りません。市長は、復興公営住宅はセーフティーネットだと言いました。そう言うのであれば、希望者全員が入れる復興公営住宅を急いで追加整備すべきです。そうして初めてセーフティーネットと言えるのです。いかがでしょうか、伺います。

市は、復興公営住宅をつくらず、被災者に民間賃貸住宅に移り住むことを誘導し、伴走型支援を行っていますが、これにより民間に移った世帯はたったの4世帯だけです。高齢者が連帯保証人をつける場合、現役で働いている人を探すのは容易ではありません。民間賃貸住宅に誘導したいというのであれば、市長が保証人を引き受けるなど、それくらいの覚悟が必要です。制度化すべきです。いかがでしょうか、市長に伺います。もう一つは、家賃補助が切実に求められています。公営住宅並みの家賃補助を行わなければ民間賃貸住宅に移るのは困難であり、市の思惑どおりには進みません。家賃補助を決断すべきです。いかがでしょうか、伺います。

市は、復興期間を今年度内で終了するとしています。しかし、被災者生活再建加速プログラムでは、住まいの再建の実現性が低く、再建を支援する世帯は975です。また、日常生活と住まいの再建の両方を支援する世帯は96です。仮設住宅全体の20・9%です。まだまだ終わるわけにはいきません。基本計画の後半に当たる2020年までの5年間において重点的に取り組む、仙台市政策重点化方針中間案が出されました。これは復興計画を引き継ぐとされています。ところが、震災復興の取り組み状況について次のように書いています。日常生活の土台である住まいの再建については、計画期間でおおむね完了する状況であり、とあります。これでは復興計画を引き継ぐものではありません。だめです。復興期間を延長して、最後のお一人まで再建できるまで力を注ぐべきです。伺います。

政策重点化方針は三つの重点化方針を掲げています。一、防災と環境を基軸とした未来を創るまちづくり、二、社会のイノベーションを生み人口減少に挑むまちづくり、三、東西線開業を契機とした都市の楽しさを創造するまちづくりです。  戦略プロジェクトを見ると、国内トップクラスのコンベンション都市の推進や地下鉄東西線沿線まちづくりの推進といった開発型のまちづくりの項目が並び、大きく強調されていますが、それによって市民の暮らしがよくなるという実感は持てません。それでも、地域活性化支援、子育て支援、若者支援、観光振興などの項目も入っていますが、これらは国のメニューにあるもので、国の補助を受けられる範囲のものです。しかも、国の考えで施策化するだけのものであり、市民の暮らしの願いから出発したものではありません。埼玉県蕨市の頼高英雄市長は、市民の切実な願いを公約、マニフェストに掲げて、それを着実に実現し、住みよいまちづくりを前進させています。中学卒業までの医療費無料化、全普通教室へのエアコンの整備、認可保育所の大幅増設、小学校全学年での35人学級の実施、コミュニティバスの75歳以上の無料化などです。蕨市のまちづくりビジョンは、このまちに住んでよかったと心がほっとし、笑顔になれる、そんな日本一住みやすいまちを目指そうという構想です。仙台市でも、一人一人の市民の暮らしに根差したまちづくりが求められているのではないでしょうか。奥山市長に伺います。

仙台市が実施した市民意識調査では、今後特に力を入れていくべき施策のうち、安心して子育てができる社会づくりが第一位になっています。これは、ここ数年変わっていません。  また、子育ての悩みとして挙げられているのは、子供の教育と子育ての出費が毎年上位になっています。こうした市民の要求に沿った施策の具体化が求められています。  秋田県は、全国トップクラスの子育て助成を掲げています。第3子の子供が生まれた場合、第2子も保育料を全額助成する。医療費助成の対象を小学生から中学生まで拡大する。若者の流出防止のため、県内で就職した新卒者に対して、大卒は三年間、短大、高卒は二年間、奨学金返還額の3分の2を助成する。子供3人以上の家庭を対象に新たな奨学金制度を設けるなどの施策を実施し、合計特殊出生率を1.34から1.50に引き上げるとしています。仙台市でもこのような取り組みに学び、実施すべきです。日本共産党は、この間、子供と子育てを応援するこども署名に取り組み、市長に署名を提出しました。子育て世代の方々や祖父母の方からは、切実な要望や訴えがたくさん出されました。仙台市の子供の医療費助成は県内で最低水準になりました。仙台市が県のせいにしている間に、他の市町村はどんどん助成対象年齢を引き上げています。この機会に、現在、小学校3年生までになっている通院助成を中学校3年生まで引き上げ、ワンコイン制度もなくすことを求めますが、いかがでしょうか、伺います。

保育需要に応えるための保育所整備は待ったなしの課題です。今議会に若林保育所と岩切保育所の廃止条例が提案されていますが、公的責任を投げ捨てるものであり、認められません。市は、多様な保育環境の整備を掲げていますが、これでは待機児童解消は望めません。待機児童解消のかなめは認可保育所をふやすことです。公立保育所の廃止、民営化方針は撤回し、市が責任を持って公立保育所をつくることです。公立保育所を整備するとともに、認可保育所をふやすべきです。いかがでしょうか、伺います。

奨学金制度創設も若者、学生の切実な要求です。文部科学省の調査では、経済的理由で中退する学生がふえています。本来、国民の教育を受ける権利を保障するための奨学金は、若者の借金となってしまう貸与制でなく、給付制とするべきです。みやぎ奨学金問題ネットワークが、7月に市議選の候補者に対しアンケートを実施しました。アンケートに回答した32人全員が市の独自の奨学金制度が必要と答えました。そのうち22人が給付制の奨学金制度が必要だと回答しました。これまでも繰り返し述べているように、政令市の中で独自の奨学金制度を持っていないのは広島市と仙台市だけです。市の戦略プロジェクトには、学生、若者の仙台への定着促進が掲げられています。給付制奨学金制度はそのかなめとなる重要な施策です。早急に給付制の奨学金制度創設に足を踏み出すべきです。お答えください。また、自治体本来の使命である福祉を向上させる施策が重点化方針に位置づけられていません。高過ぎる国民健康保険料の引き下げ、安心して介護サービスを受けられる独自支援、市の責任による地域公共交通の充実等、市民が切実に望んでいる問題を政策にして、具体的に重点化方針に盛り込むべきです。いかがでしょうか、伺います。

次に、第百三十六号議案仙台市個人番号の利用に関する条例について伺います。これは、マイナンバー法の制定に伴い、個人番号を利用することができる事務を定める等のものです。日本に住む人に一人残らず番号を割り振り、国が情報管理するマイナンバー、社会保障・税番号制度の本格的運用へ向け、10月5日から番号を国民に知らせる通知カードを郵送します。しかし、多くの国民は制度を詳しく知らず、むしろ情報漏れへの不安を広げています。  地方自治体や企業の対策もおくれています。年金情報漏れ発覚後、政府が地方自治体を緊急調査したところ、情報保全措置が不十分な自治体が存在する実態が判明しました。こんな状態で厳重な保管が必要な番号の通知を始めることは、個人情報を危険にさらします。実施に突き進むのは無謀です。従業員や家族のマイナンバーを集め、罰則つきで厳格に管理することが求められている民間企業の対応も立ちおくれています。中小企業は業務の煩雑さや出費の重さなどに頭を抱えている状況です。また、マイナンバーカードの盗難、紛失等による情報流出の危険も完全に否定することはできません。情報が流出した場合、被害の大きさと深刻さははかり知れません。国や自治体からすれば、所得、社会保障給付の状況を効率よく把握できる反面、国民にとっては、分散していた個人情報の収集を容易にするマイナンバーが一たび外部に漏れ出せば、悪用され、個人のプライバシーが侵害される危険は飛躍的に大きくなります。導入したアメリカや韓国では、銀行口座など大量の個人情報が流出して被害が発生し、見直しに追い込まれました。それなのに、実施されてもいないのに、日本は番号の利用範囲を金融、医療に拡大する改定を国会で成立させました。日本のマイナンバーは、世界の流れに逆行する時代おくれの制度です。マイナンバー制度が実施されなくても、住民生活への不都合は生じません。国民の支持や理解が広がらない制度を急ぐ必要はありません。マイナンバーは実施を中止、撤回すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

次に、第百四十六号議案、石積埋立処分場浸出水処理施設建設工事に関連し、福島第一原発事故により放射性物質に汚染された牧草、ほだ木の焼却処理について伺います。市は、汚染された牧草、ほだ木について、8月24日から市内3つの清掃工場で一般ごみにまぜて焼却処理を行っています。市は、7月に行った試験焼却の結果で安全性は確認できたとしていますが、実際は不都合な結果が出なかったというだけです。市民向け説明会も、清掃工場周辺住民への説明会さえ行わず、焼却を強行しました。市はその灰を石積の最終処分場に埋めるとしています。清掃工場周辺の住民などからは、放射性セシウムが大気中に拡散するのではないかという不安の声が多数出されています。市民が担当課を呼んで質問をしても、焼却炉に投入された放射性セシウムが排気にまざっていないという確証は語られません。市は、今からでも焼却を一旦中止し、工場周辺の町内会などに対し説明会を開くべきです。そして、そこで出される意見や不安に応える努力をすべきです。いかがでしょうか、伺います。

日本共産党市議団は、9月18日、市長に対し、市民の理解を得ていない放射性物質に汚染された牧草、ほだ木の焼却処理の即時中止、焼却によらない管理を求める申し入れを行いました。私たちは、農家の方々が汚染物を保管させられているのは早急に解決すべきと考えます。同時にこの課題は、市民の生活環境に対する放射性物質による汚染を市民が安心して暮らせるよう処理し、管理するという大きな仕事の一分野と位置づけるべきです。拡散の心配が拭えない焼却処理、大量の焼却灰と放射性物質をまぜて埋めてしまうなどは、現在の市民にも、後世の市民にも無責任な対応と言わざるを得ません。国と東京電力は、汚染の責任をほんの一部しかとらず、被災者や自治体に押しつけています。国の言いなりでは、市民の生活、安全も守れません。放射性物質による汚染に対して、市民の安心をもっと大切にした責任ある対応を市長が指揮すべきです。いかがでしょうか、伺います。

次に、仙台市教育の振興に関する施策の大綱策定と子供のいじめ問題について伺います。市は、仙台市立中学校一年生がいじめを苦に自死した問題を受け、教育の振興に関する施策の大綱を見直すとしています。いじめや登校拒否、不登校、学校の勉強についていけるかなど、我が子は、孫は大丈夫かと心を痛め不安に思っている方は大勢いると思います。今求められているのは、憲法と子どもの権利条約に基づく教育を国、地方挙げてつくることです。  国連の子どもの権利委員会は、子どもの権利条約の適用状況にかかわる日本政府への勧告で、日本の教育制度がもたらす過度の競争が、いじめ、精神障害、不登校、中途退学、自殺などを助長している可能性があると指摘し、学校制度、教育制度を見直すよう求めています。また、日本の子供たちの遊び経験が減っているという調査結果をもとに、子供の遊び時間その他の自主的活動を促進するよう勧告しています。  この勧告を正面から受けとめるならば、日本政府と自治体が何をしなければならないのかは明らかです。それは第一に、国連子どもの権利委員会が指摘するように、過度な競争的な制度となっている日本の教育のありようを改善することです。ところが、子供たちは学力テストや入試制度の変更などで競争を強いられ、さらにはアベノミクスのもとで貧困と格差が拡大しています。子供の貧困率は16.3%と過去最高となっている中で、経済的な困難が理由で進学や将来の夢を諦めざるを得ない子供たちが多数存在します。子供たちは厳しい状況に置かれています。  日本政府は、子供たちの学ぶ権利、幸福追求の権利を、憲法や子どもの権利条約、国際人権規約などに従って保障することです。仙台市教育の振興に関する施策の大綱は子どもの権利条約に沿った内容にすべきですが、いかがでしょうか。  このことを最後に伺って、第一問といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

市長(奥山恵美子)

ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。

初めに、いわゆる安全保障関連法に関するお尋ねにお答えを申し上げます。
国として責任を担うべき安全保障のあり方につきましては、国政の場において議論を尽くし、決定されるべきものであり、憲法との関係につきましても、三権分立の原則の中で最終的な判断がなされるべきものと認識をしております。
このたび関連法が成立をいたしましたが、世論調査の結果を見ましても、必ずしも国民的な理解が十分とは言えない状況にございますことから、引き続き国において国民への十分な説明を行うことが必要であると考えております。

次に、教育の振興に関する施策の大綱に関してのお尋ねでございます。
子どもの権利条約は、教育基本法と軌を一にし、国の教育振興基本計画とも理念を共有するものであり、また、昨年の地方教育行政法の改正により地方自治体の首長に策定が義務づけられました大綱は、この国の計画を参酌しつつ、地域の実情に応じ定めることとされたところでございます。
本市の大綱につきましては、これまで四回にわたる総合教育会議におきまして、教育振興基本計画の基本的な方向をベースに、震災からの復興や地域との連携、いじめや不登校といった課題への対応について教育委員の皆様と協議を重ねてまいりました。
もとより、教育行政を推進する上では、児童生徒の人権に配慮をし、一人一人を大切にする視点が不可欠と考えているものでありまして、これまでに交わされました議論や今議会での御議論を十分踏まえ、大綱を策定してまいりたいと考えております。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。以上でございます。

 

危機管理監(寺内譲)

東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射性物質の汚染対策につきましては、市民の皆様の安全・安心を第一に考え、事故から4年半が経過した現在におきましても、学校や保育所等での空間放射線量の測定や、学校給食用の食材や自家消費野菜等の放射性物質の検査を継続して実施し、市民の皆様へその結果をお知らせしているところでございます。
今後につきましても、市民の皆様が安心して暮らせるよう、放射性物質による汚染に関しての疑問や不安に対しましては丁寧に対応してまいりたいというふうに思っております。

 

まちづくり政策局長(大槻文博)

私からは、政策重点化方針における市民の暮らしに根差したまちづくりについてお答えいたします。

政策重点化方針においては、震災の経験と教訓を踏まえた快適で防災力の高いまちづくりや、将来の人口減少局面に対応した子育て応援社会の形成、多様な暮らしを支える生活環境の創出を進めることとしております。また、震災復興につきましても、被災された方々の移転先における新たなコミュニティー形成など、生活安定化に向けて引き続き取り組むこととしております。これらの取り組みを推進するためには、何より雇用の確保が重要であることから、東西線開業を契機に本市全体の経済活性化やにぎわいの創出にも力を入れることとしたところでございます。
このような方針のもと、施策の重点化を図り、震災からの復興を着実に推進し、市民の皆様一人一人が安全・安心に生き生きと暮らせる都市の実現につなげてまいりたいと考えております。
次に、福祉施策の充実についてでございます。
重点化方針におきましては、基本計画策定後の本市を取り巻く状況の変化を考慮し、市民が生涯を通じて健康に暮らせるまちづくりや持続可能な生活交通の実現に向けた取り組みなどにより、多様な暮らしを支える生活環境づくりを推進することとしております。また、従来より取り組んでまいりました福祉施策につきましては、状況変化によらず当然に重要であるということから、現行の基本計画に基づく重点的な取り組みとして引き続き推進してまいる考えであります。

次に、マイナンバー制度についての御質問にお答えいたします。
この制度は、社会保障、税制度の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公正な社会を実現するために必要な社会基盤でございます。
個人情報保護につきましては、マイナンバーの目的外利用の禁止や特定個人情報保護評価の実施など、さまざまな措置を講じております。
特に諸外国の番号制度において課題となっている成り済ましの防止に関しては、マイナンバーを使った各種手続の際に、厳格な本人確認が義務づけられているところであります。
さらに、先般の年金機構の事案を踏まえ、地方自治体に対しては、住基システム等のインターネットからの分離やサイバーセキュリティーに関する研修の義務づけなど、さらなる安全管理の強化策が国から提示されたところであります。
本市といたしましても、システムのセキュリティーや制度の運用面における個人情報の保護を徹底するとともに、市民の皆様に安心してマイナンバーを利用していただけるよう、より一層の周知広報に努め、制度の導入に向けて遺漏のないよう対応してまいる考えであります。
以上でございます。

 

復興事業局長(鈴木三津也)

私からは、復興事業局に係ります数点のお尋ねにお答えをいたします。

初めに、応急仮設住宅の特定延長についてでございます。
応急仮設住宅にかわります住宅の充足が見込まれる市町にありましては、住宅の再建に係る工期などの関係から、供与期間内に転居できない方に限定し延長される制度でございます。
被災された方の中には、さまざまな御事情によりまして供与終了後のお住まいを決められない方も少なからずいらっしゃることから、本市といたしましては、一日も早く住まいの再建を確実なものとしていただけますよう、加速プログラムによる支援に鋭意取り組んでいるところでございます。
今後とも、供与期間内の住宅再建の実現に向け、お一人お一人に寄り添ったきめ細かな支援に全力で取り組んでまいりたいと存じます。

次に、民間賃貸住宅の契約時の保証人の制度化についてでございます。
被災された方が民間賃貸住宅を再建先とする場合に、本市が保証人となることは考えておりませんが、高齢者世帯など保証人の確保が難しい方も一部いらっしゃることは承知いたしております。
このため、保証人がいなくても賃貸可能な物件を紹介していただけるよう、不動産事業者などへの協力をお願いしているところでございます。
それに加えまして、宮城県におきましても高齢者世帯などと契約した家主の方への奨励金制度を創設したところであり、このような取り組みによりまして、事業者の方々の御理解も広がりつつあるものと認識しております。今後も、高齢者世帯などの民間賃貸住宅への入居につきまして、事業者の方々の御理解がさらに進みますよう努めてまいります。

次に、民間賃貸住宅への家賃補助についてでございます。
本市といたしましては、被災された方の一時的な居住の安定を目的とした応急仮設住宅の供与終了後におきまして、家賃補助を実施する考えはございません。
引き続き再建に向けた課題や御事情を丁寧にお伺いし、経済状況など各世帯の実情に合わせ、安心して暮らしていただけますよう、公営住宅の入居勧奨や福祉サービスへのつなぎも含め鋭意取り組んでまいりたいと存じます。

最後に、復興計画期間の延長についてでございます。
住まいの再建に係る事業は計画期間内に完了を見通せる段階に至っておりまして、現在、被災された皆様の一日も早い住宅再建、生活再建の実現に向け取り組みを加速しているところでございます。また、計画期間を超えて実施する事業につきましても、個々の事業計画に基づき進めることといたしております。
このようなことから、復興計画期間の延長については考えてございませんが、復興計画の理念は政策重点化方針に継承し、復興に向けた取り組みにつきましても、引き続き着実に推進してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

 

財政局長(西城正美)

初めに、豪雨災害に伴う住宅の応急修理に関する御質問にお答えいたします。
被災住宅の応急修理につきましては、その前提となる被害認定調査や当該応急修理に要する期間等の点から、一カ月以内の完了は困難であると判断し、既に制度を運用する宮城県の担当部局に対し期間延長の申し入れを行ったところでありまして、申請期間につきましても、実情に応じた対応を検討してまいりたいと考えております。

次に、基金と財政見通しに関してでございます。
本市の基金は、復興交付金基金など被災自治体特有の基金もあり、その総額は高い水準にございますが、いずれも本市の重点政策を着実に実施していくために必要な財源でありまして、今後とも計画的に活用してまいる考えであります。
また、予算編成方針(案)の記載内容につきましては、今回、ポイントを絞り、基本的な考え方などをより端的に示すことを意図したものでございまして、財政見通しに関する認識は従前と全く変わるものではなく、今回は歳入歳出の構造をよりわかりやすく示し、新年度予算編成を進めるに当たっての課題認識の明確化を図ったものでございます。
以上でございます。

 

健康福祉局長(佐々木洋)

私からは、被災者に対する国民健康保険、介護保険の一部負担金免除についてお答えいたします。
一部負担金の免除措置は、本来国の全額財政支援により行われるべきと考えておりますが、それが実現されなかったことから、県内市町村、統一的な方針のもと、対象者を限定して実施せざるを得なかったものでございます。このように国の全額財政支援がない状況においては、対象者の拡大は困難と考えております。
また、免除措置の財源として活用している国保特別調整交付金の拡充は、今年度までの措置とされていることから、県市長会として国に対し、その継続を求めているところであり、今後とも機会を捉え要望してまいりたいと存じます。以上でございます。

 

子供未来局長(板橋秀樹)

私からは、子育て支援に関する二点の御質問にお答えをいたします。

初めに、子ども医療費助成についてでございます。
対象年齢の拡大をした場合、多額の財源が必要となり、現時点では全額これを市費で賄うこととなります。制度のさらなる拡充に向けては、長期にわたる財源確保の見通しをつけることが必要であり、本市独自のさらなる財源の上乗せは難しい状況にございます。
なお、利用者一部負担金につきましては、制度の将来にわたる安定的な運用や公平性の観点から、一定の受益者負担が必要との考えのもと、他都市の制度も参考としながら導入したものでございますことから、今後とも継続することが必要であると認識をいたしております。

次に、認可保育所の整備に関するお尋ねでございます。
老朽化した木造の公立保育所につきましては、児童が安全で快適に過ごせるよう早期の建てかえが必要でございます。限られた財源を有効に活用し、子育て支援施策を拡充していくためにも、今後とも民設民営方式による建てかえを基本として計画的に推進してまいりたいと考えております。
また、本市では、地域の拠点と位置づけた公立保育所におきまして、地域子育て支援の充実や保育の質の向上などの責任と役割を主体的に担うこととしております。
認可保育所整備に当たりましては、このような公立保育所の役割を踏まえ、民間との役割分担を行いながら、保育総量を確保する上からも、国の資金を効率的に活用した民間保育所の計画的な整備を重点的に推進してまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

経済局長(氏家道也)

私からは、経済局に関する二点の御質問にお答えいたします。

まず、農作物被害などへの支援についてでございます。
今回の豪雨災害による減収補償につきましては、農業共済制度により、水稲で最大七割、大豆が九割まで補償されるなど、翌年以降の再生産に必要な金額は措置されているところでございます。
一方で、被災した農地及び農業用施設の復旧につきましては、国の災害復旧事業を活用するほか、補助対象範囲が拡大される激甚災害の指定動向も見据えながら、今後、被害状況の精査を行った上で、必要な支援内容について検討してまいりたいと存じます。

次に、牧草及びほだ木の焼却処理に係る御質問でございます。
今回焼却しております牧草などにつきましては、廃棄物処理法上、家庭ごみなどと同様の扱いとされており、試験焼却などの検査結果を見ましても、放射性物質などの測定値は、排ガス及び放流水が不検出、焼却灰が基準値以下であるなど、十分な安全性が確認されているところでございます。
これまでも、ホームページへの掲載や市民センターでのチラシの配布などにより測定結果などの周知を図るとともに、地域の皆様方から要請をいただいた際には、直接出向いて説明を行ってきたところでございます。
今後とも、不安をお持ちの市民の皆様に対しましては、これまでと同様、丁寧な対応に努めてまいりたいと存じます。
以上です。

 

都市整備局長(小島博仁)

私からは、都市整備局にかかわる数点の御質問にお答え申し上げます。

まず、羽黒台における土砂災害対策についてお答えいたします。
これまで市道への大型土のうの設置や、のり面の状況を観測する装置の設置など、二次災害防止に向けた対策を行っておりますが、のり面の上にお住まいの方々については、安全確保の観点から避難をしていただいているところでございます。
現在、専門家に依頼し復旧工法に係る調査を行っているところであり、周辺住民の皆様が一日も早く安心した生活を取り戻せるよう、本市といたしましては、民有地ではございますが、今後とも、のり面所有者と協議しながら早期の復旧に向けて積極的に取り組んでまいる所存でございます。

次に、土砂災害危険箇所などの点検についてでございます。
土砂災害のおそれのある危険箇所につきましては、これまでも毎年パトロールを行ってきたところでございますが、今回、羽黒台で発生した崖崩れにより市民生活にも大きな影響が出ていることから、今後、関係部局と連携し、同様の影響が生じ得る箇所がないか、さらなる点検を実施してまいりたいと考えております。
今回の災害に対する復旧についてでございますが、大規模な土砂災害につきましては、急傾斜地災害の復旧に係る国の補助制度等の活用について国や県と協議しているところでございます。
それ以外の小規模な土砂災害や住宅復旧につきましては、災害救助法による応急修理や住宅金融支援機構の融資、本市の宅地災害被害復旧工事補助といった既存の制度で対応することとしており、復旧の相談に当たりましては、それらの制度の紹介を行ってまいりたいと考えております。

次に、復興公営住宅の整備についてでございます。
復興公営住宅は、自力で再建できない、真に住宅に困窮している被災者のためのセーフティーネットであると認識しております。
そのため、一般抽せん終了後、これまで応募しながらまだ決まっていない優先順位世帯や特別減免世帯の皆様に対し、既存の市営住宅の活用も含め、3回にわたって入居調整を実施してまいりましたが、その際には、単身世帯の間取りを3Kまで拡大する等、条件の緩和も行ってきたところでございます。
現在は、再建方針の決まっていない防災集団移転促進事業対象世帯や特別減免世帯などの皆様に再度入居調整を行っているところでございまして、これまでの入居調整で残った住戸に加え、復興公営住宅の入居辞退や退去により生じた住戸もございますことから、十分に対応できる戸数があるものと認識しておりまして、新たな復興公営住宅の整備は考えておらないところでございます。
以上でございます。

 

教育長(大越裕光)

私からは、給付型奨学金の制度創設に関する御質問にお答えいたします。
経済的な事情によって学ぶ機会が失われることのないよう、現在、国において無利子奨学金の拡充や卒業後の所得に応じた奨学金返還の仕組みづくりなどが進められております。
また、県においても昨年度から低所得世帯に対する奨学金の給付が開始されたところでございます。
本市としては、国、県の制度に加え、民間におけるさまざまな奨学金制度を御案内し、活用いただくことにより、意欲ある生徒、学生が安心して学び続けることができるよう支援してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

再質問

嵯峨サダ子議員

市長に数点再質問させていただきます。

一点目は、安全保障関連法についてであります。
先ほどの市長の御答弁をお聞きしますと、6月議会で答弁された中身と何ら変わらないものであり、非常にがっかりをしております。憲法を守る義務を負っている市長なわけですから、市長自身の理解がどこまで進んだのか伺います。憲法に対する理解がなければ市民の暮らしは守れません。再度お答えください。

二点目は、住まいの再建の問題です。
市長は、昨日の答弁で、お一人お一人の早期の生活再建に取り組んできた、特に住まいの再建は最優先の課題として進めてきたと述べられました。しかし、1千を超える世帯の方々がいまだに住まいの再建ができずにいる現実をどう説明するのか。これが最優先の課題として取り組んできた結果なのか、私はそう思います。
希望者全員が入れる数の住宅をつくらずに、3200戸にとどめたことが今の状態を生み出しているのは明らかです。被災者を切り捨て、投げ出して幕引きを図るのではなくて、復興期間を延長して、最後のお一人まで、市長が何度も何度もこれまで述べておられる言葉のフレーズでありますけれども、住まいの再建が果たせるよう全力で取り組むべきです。再度伺います。

三点目でありますけれども、政策重点化方針についてです。
市長は、政策重点化方針について、外に出しても恥ずかしくないものにしたいと昨日おっしゃられました。この発言を聞くと、何か市民に向かって政策を出すのではなく、外に向かって政策を出すということなのでしょうか。だから、見てくればかり気にしたまちづくりを進める方針が出てくるのだと思います。
政策重点化方針は市民に目を向けた施策にすべきです。他都市におくれをとっている子供の医療費年齢拡大や奨学金制度創設は、まさに市民が切実に望んでいるものです。政策重点化方針に盛り込んで実施すべきです。再度伺います。

 

市長(奥山恵美子)

嵯峨議員の再度のお尋ねについてお答えを申し上げます。

まず、安全保障に関連してのお尋ねでございます。
私ども公務に携わる者には憲法尊重擁護義務が課されておるところでございますけれども、この義務は、憲法の規定や精神に反し、その職務の公正性に対する信頼を揺るがす行為を行ってはならない、このような趣旨であると私は理解をしているものでございます。
国として責任を担うべき安全保障のあり方につきましては、国政の場において議論を尽くし、決定されるべきものであるという考えについては、いささかも変わりのないところでございます。
また、引き続きまして住まいの再建についてでございますけれども、住まいの再建は、この震災復興の中でも最重要の課題として、お一人お一人の被災された方々が、その最後のお一人までしっかりと新しい我が家というものにたどり着けるように、私ども仙台市として力を尽くしてまいりたいということにつきましては、これまでも重ねて御答弁も申し上げ、またそのための施策も実施をしてきたというふうに考えているところでございます。

現在、残りの計画期間、半年でございますが、災害復興公営住宅の整備を進める中で、特定延長が必要な方々についてはそのような決定をいたしておりますし、また、それ以外の方々においても、個別にお伺いをしながら、それぞれの御事情に応じて可能な限りの御支援をしながらとり得る手だてをただいま御相談申し上げ、その実現に向けて努力をしているところでございまして、なお残された半年の期間で一層の努力を傾けてまいりたい、このように考えているものでございます。
したがいまして、復興計画につきましては、その大きな課題であります住まいの再建の部分については、おおむねこの時点で達成されると考えているところでございまして、残余のさまざまな都市づくりなどに関しましては、引き続き各計画並びに新しい方針のもとでこれを進めていくと考えているものでございます。

最後になりますが、政策重点化方針についてのお尋ねでございます。
政策重点化方針は、この間、御説明を申し上げてきておりますように、この震災というものを受けた新しい仙台の今日的状況を鑑みた上で、総合計画に目指します市民の方にも安全で安心してお住まいいただける仙台市を目指すということで、新たな方針として打ち出したものでございます。当然、震災からの復興の時期、また人口減少社会という局面を理解してのものでございますので、そのことに対してどう取り組んでいくか、この方向性を明示的にお示ししたというところであります。
しかしながら、総合計画と相まってその大きなまちづくりとして目指すところは人が輝く杜の都仙台を実現するということでございまして、市民の方々に目を向けたものであることは従前と同様でございます。

 

嵯峨サダ子議員

安全保障関連法について、市長御自身の理解についてお尋ねをしたんですが、結局、御自身がどういう理解をしたのかということについては、またお答えを述べることを避けられました。
国会での議論をもっとするべきだとか、それから国民への十分な説明が必要だというふうにおっしゃられますけれども、こういうことを言うこと自体、全く他人ごととして市長がこの問題を捉えているのではないかというふうに私は思います。
実際、はっきりと多くの専門家を初めとして国民が安全保障関連法は憲法に違反するんだと言っているときに、市長自身がそれについてまともに向き合って憲法に対する理解を示せないということは、詰まるところ、この法律自体を容認するとか賛成するとか、こういうことを意味するのだと私は思います。ですから、市長が事実上、憲法違反の推進派になったと受けとめられても仕方がないというふうに感じるんですが、そう理解してもよろしいのかどうか再度伺います。

それから、住まいの再建の問題ですけれども、市長は可能な限り努力をするとおっしゃられました。しかし、先ほど都市整備局長もおっしゃられましたけれども、この間、何度も何度も落選を被災者に対して繰り返して、それで3回の優先順位落選世帯等のいわゆる入居調整を行いました。しかし、それでもうまくいっていないんです。さらに4回目もこれから行うということでありますけれども、こういうことをしても落選者をさらにふやすだけで、被災者を苦しめるだけです。
奥山市長が、覚えていらっしゃるかどうかわかりませんけれども、震災後にあすと長町プレハブ仮設住宅に行かれて、被災者を前にしてこう言いました。皆さん、安心してください、皆さんが入れる住宅を準備しますと、こういうふうにおっしゃられました。
復興住宅に入れずに希望の持てない日々を過ごしている被災者は、あのときの市長の約束は一体何だったのかと、約束をほごにされて非常に怒っていらっしゃいます。市長の責任において恒久的な住まいを確保する、このことを市長の口からはっきりとおっしゃっていただきたいし、そのために、今年度で復興期間を終了するのではなくて、期間を延長して、本当に本当に最後のお一人まで生活再建を果たせるように、市長が、御自身がこれを実施していくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

それから、政策重点化方針の関係ですけれども、子供未来局長、教育長も全くやる気がない、そういう答弁でした。
子供の医療費助成、これまでも議会で繰り返し述べさせていただきました。今、仙台市のこの制度は県内最低レベルになってしまったと。本当に恥ずかしい状態です。奨学金制度もそうです。
子供の医療費、先ほど財政的に大変困難だというふうに子供未来局長はおっしゃられましたけれども、通院、中学校三年生まで無料にして、ワンコインの制度もなくすのに必要な費用が約22億円、一般会計のわずか0.4%です。そんなに市の財政にとって困難な額でしょうか。私は今すぐにでもできるはずだと思いますし、奨学金の制度についても、国や県頼み、あるいは民間にお願いすると、こういう姿勢で本当に若者支援と言えるのでしょうか。口先だけではだめなんです。きちんと政策に盛り込んで具体化をする、それが重点化方針ではないんでしょうか。市長に再度伺います。

 

市長(奥山恵美子)

安全保障関連法案に関する私の判断ということでございますけれども、先ほどもお答えを申し上げましたけれども、憲法の違反であるかどうかということにつきましては、やはり最終的には三権分立の中で最高裁判所によりこれが判断されるというふうな仕組みになっているところでございまして、これは基本的な仕組みとして定められているものであると理解をしておりますので、その旨を再度述べさせていただきたいと思います。
続きまして、住まいの再建ということでございますけれども、このことにつきましては、やはりさまざまな方々がいろいろな御事情を抱えつつ、千人の方がいらっしゃれば千通りの再建の望みをお持ちで、現在仮設で御苦労されているというふうに私どもも、また私自身も認識をいたしております。
そうした中で、やはり復興公営住宅についてもある程度優先順位というものを設けなければいけないということは、御希望が重複する地域等ございましたので、そうした中で残念ながら選に漏れられた方にとっても、やはりいろいろな状況を抱えておられる方々がおられますので、利用の調整を行ってきたというところでございます。
まだ引き続きそうした利用調整の中にあられる方については、大変時間がかかっている面については申しわけなく思うところでありますけれども、私どもとして、市営住宅も含めさまざまな私どもが持ちます資源の中で生活再建を果たされるよう、なお十分な御支援をしていきたいと思っているところでありますので、時間がかかっておりますことについては御理解をいただきたいというふうに存ずるところでございます。

また、政策重点化方針とあわせての子ども医療費、また奨学金についてのお尋ねでございます。
子ども医療費の現状につきましては、私も十分承知をしているところでございます。基本的な県の負担のありようについても、この間私の考えを述べさせていただいたところでありますが、本市に限って現時点で申し上げれば、先ほど局長より御答弁申し上げましたとおり、やはりこの制度は一度始めますと財政的な長期な裏づけが必要となりますので、現状、直ちにこれに実施に当たるということは困難だというふうに思っているものでございます。
また、教育に向けての奨学資金制度につきましては、先ほどこれも教育長から御案内申し上げましたとおり、さまざまな利用可能な奨学金制度が現状の中であるわけでございますので、それらの十分な活用に向けて情報提供に努めていくというのも本市としてのあり方であるというふうに考えるものでございます。
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