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一般質問 花木則彰議員(10月2日)

 【概要】いじめ、不登校に真剣に立ち向かうとき

(いじめ認知件数と防止マニュアル、子どもたちの過度のストレス、少人数学級と多忙化解消)

 

花木則彰議員

日本共産党仙台市議団の花木則彰です。
昨年、本市で中学一年生の生徒が自死するという痛ましい事件があり、いじめとの関連性があるとされました。亡くなられたお子さんに哀悼の意を表するとともに、いじめをなくす決意を私も表明をし、一般質問いたします。

市の調査では、昨年度のいじめ認知件数は、小学校で1万2533件、中学校で1592件、高校で33件にも上ります。全ての学校で認知されており、小学校では一校平均100件、中学校では25件です。この数字もアンケートによる発見が76%であり、重度のいじめ事案はそこには入ってこない傾向があることから、どれだけの意味を持つのか不明です。本人の訴えは10.9%、担任教師による発見は9.1%です。
また、30日以上欠席した不登校児童生徒は、2014年度、小学校で210人、中学校で920人となっており、中学校では一校当たり約14人、学年で5人程度に上ります。不登校の原因はさまざまですが、いじめを含む人間関係の影響も大きいと思われます。
加えて、自殺者の増加です。未成年の自殺は、2011年度は一人、毎年ふえて2014年度は6人になりました。まさに仙台市の子供たちにとって、緊急に解決を要する事態ではないでしょうか、伺います。

今回の自死事件は、仙台市いじめ問題専門委員会に昨年11月25日に諮問され、ことし6月23日に答申が出されました。調査の結果、いじめとの関連性があると認め、学校の対応の問題点が分析され、再発防止に向けての提言が12項目にまとめられています。
各学校には、いじめ防止マニュアルに基づき学校教育計画を見直すことや、研修、児童や保護者に教員以外の相談機関があることを周知するなど5点。教育委員会には、研修、人的配置、環境整備、地域協力が得にくい学校への支援など7点です。スクールカウンセラーの配置を中学校区に複数とし、域内の情報の共有を図ることも盛り込まれています。
市教育委員会は、臨時校長会を開き、子供、保護者、教員向けアピールを教育長名で出し、いじめ事案の緊急点検を行いました。また、専門委員会の提言に沿って、いじめを生まない環境づくり、いじめの早期発見・迅速な対応の徹底、組織的な取り組み体制づくりなどの手だてをとったとしています。しかし、残念ながら、子供たちを含む学校現場にも、市民にも、これでいじめ問題が解決に向かうという実感はありません。今議会でもさまざまな議員がこの問題で質問をしているのも、こういった実感があるからではないでしょうか。市の対応が、表面を取り繕っただけのものに感じる、これが私の感じ方です。
取り組むべき課題は、大きく分けて二つです。一つは、目の前のいじめから、子供たちのかけがえのない命、心身を守り抜く、いじめ対応の基本原則を確立することです。二つは、いじめがエスカレートする要因を、教育と社会のあり方の問題として捉え、改革することです。いじめ対応の基本原則が貫かれなかったことへの反省が必要です。いかがでしょうか。

いじめ対応の基本原則の第一は、いじめの対応は絶対に後回しにしない、命の問題として最優先にすることです。様子を見てからではなく、すぐ報告し対応を始めることです。各学校には、いじめ防止対策委員会がつくられていますが、さきのような認知件数で発生している事態に対応できる仕組みなのか、検討が必要です。同時に複数のいじめ事案に対応するので、事実上優先順位がつけられ、対応が後回しにされるケースがある。また、メンバーが各種研修会への出張などで日程が合わせられず、対策の会議を日延べせざるを得ないケースがある。これが実態です。あれこれの課題の一つにしかなっていないからです。いじめ問題を仙台市を挙げて取り組むべき緊急課題、最重要課題だと位置づけて、この実態を変えなければ、子供たちの命を守れません。
実際、学校の現場では、さまざまなプロジェクトやチームがつくられています。学力向上、体力増進、自分づくり、防災教育、不登校、そしていじめ防止対策委員会。それぞれにやるべきこと、具体化すべきことが満載で、教育局に報告する文書も膨大です。
どの問題も大事だからと、教育局の担当課はまじめに方針を出し、報告を求め、まとめていると思います。学力向上や防災教育は教育指導課、体力増進は健康教育課、自分づくりは学びの連携推進室、そしていじめ問題は教育相談課です。多忙化解消が課題のはずの教育指導課からは、校務支援システムについての詳細な報告が求められたりもしました。現場では本当に矛盾を抱えています。教育局の担当課は縦割りかもしれませんが、子供たちも教員も身は一つです。いじめ問題を文字どおり最優先にするために、重点や優先順位をどうするのか、真剣な議論、検討が必要です。いかがでしょうか。
また、いじめを受けた子供が安心して学校に通うことができる状況がつくれない場合、安全確保のため、学習環境の保障もできる緊急避難策を考えるべきです。いじめ防止のためのセンターをつくり、正規の教諭を十人以上配置し、相談を受けたり、学校への応援を出したり、緊急避難の子供たちを受け入れ、その子の学校の進度に合わせた授業を行うなどするのはどうでしょうか。教育環境を整備する市長の役割に属すると考えますが、いかがでしょうか。

子供たちに過度のストレスがかかっていることが、いじめの深刻化を招く大もとだという認識は共通のものになっています。日本の過度な競争的な教育制度は、国連子どもの権利委員会から再三改善勧告を受けています。派遣労働など非正規雇用が広がる中、貧困と格差は拡大し、福祉は後退、社会全体がいじめ社会とも言うべき状況です。自己責任論や各種の競争的価値観に取り囲まれて、子供たちのストレスが増大していることが、いじめ問題、不登校問題となってあらわれています。
それなのに、学校間で学力向上を競わせる、家庭での食事の献立を毎日書かせる、ゆったりした休み時間を過ごさせるのではなく、走ったり、ドリルをしたりを奨励される。よかれと思って教育委員会から提起されていることが、子供たちにとってはさらなるストレスになっているのが現状ではないでしょうか。
私は、いじめ問題や不登校問題を文字どおり最重点課題として、誰もが楽しく通え、学べる学校をつくることに、教育局と教員の実践力を集中して取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
市長は、8月25日に開かれた総合教育会議で、教育の振興に関する施策の大綱最終案を示しましたが、いじめ問題記述の強化が必要として、各委員から改めて意見を聞いています。単なる記述の強化ではなく、ほかの課題は数年間脇に置いても、まさに仙台市の大綱として、いじめ問題を最重点課題に位置づけるお考えはないか、伺います。

総合教育会議の議論では、いじめ問題に関連して、数値目標化すべきとか、第一義的には家庭の問題とか、問題解決に逆行する意見が出されていることに驚きました。数値目標化は、いじめ隠しにしかなりません。そもそも、いじめの認知件数、解決件数を同じ基準でカウントすることが困難なこと、その正確化のために注ぐ時間は大変無駄なことだと言えます。一人一人の子供たちの命にかかわる問題であり、数字が半分になったから、十分の一になったから目標達成などとは言えない性質の問題だと考えますが、市長はいかがお考えでしょうか。
いじめ問題で、家庭か学校か、どちらが第一義的かなどと考えること自体、関係者が協力して取り組むべき最重要課題と位置づいていないあらわれです。
私は、学童保育の取り組みの中で、親と指導員、そして行政が子供を真ん中に、共同の子育てを行う関係を目指してきました。いじめは教室の中、学校の中だけで起きているわけではありません。また、いじめを受けている子供の変化に気づくのは、担任教師以外にも、養護教諭や学童保育の指導員や、スポ少の指導員、その子の友達やその保護者などです。気になることがあれば連絡をもらえるような、こうした人々との信頼関係も大事です。
家庭・保護者と学校・教師も、子供を真ん中に一緒に子育てをする仲間であるべきです。そういう立場で、お互いに信頼関係を築いていく学校・地域を目指すべきです。いかがでしょうか。
教師、学校、保護者がいじめに真剣に立ち向かう姿を貫き、子供たちから信頼を得る、このことこそ、目の前のいじめから子供を守り、いじめのない学校と社会をつくる基礎ではないでしょうか。この点で、いじめを訴えても何もしない、いじめを、けんかやからかい、トラブルとして扱う、表面的な仲直りで解決と見るなど、こんな事例。とりわけいじめによる自殺が隠蔽されたニュースが繰り返され、子供たちからも保護者からも、学校と教職員に対する不信が蓄積しているという現実を直視すべきです。子供から信頼される学校になる、教師になる、これがキーワードと考えますが、いかがでしょうか。

子供たちにとって、何でも相談できる、相談すればまともに向き合ってくれる先生こそ、信頼できる先生です。いつも忙しくしている先生では、相談も報告もできません。これは保護者やほかの関係者から見ても同じです。ある先生から、教室で新聞を読むなど暇そうにしていないと、子供たちは声をかけられないからと、給食は5分で食べ終わるようにしているとの話も伺いました。いじめ問題が社会的問題とされたころから、子供たちと教師との信頼関係や、子供たちが遊び、自然体験、社会体験をするゆとりが必要だと指摘されてきました。この原点に戻ることが大切です。子供にも、教員にも、人間的信頼関係を紡ぎ合えるゆとりこそ必要です。
市は、再来年度から学級編制権の移譲を受けます。これまで宮城県は、国がお金を出す範囲でしか少人数学級を広げないという、かたくなな態度を続けてきました。宮城県議会は、35人学級を求める県民の請願さえ否決し、県の姿勢を追認しています。秋田県や山形県のような東北のほかの県と比べて、大変おくれた対応です。いじめ問題を最重点課題として、全学年での35人学級実施を行うことを求めます。また、これまで、さまざまな人手不足を30時間講師などで手当てしてきましたが、正規教員に切りかえるなど、抜本的な教職員の拡充を行うべきです。市長の決意が問われる課題です。いかがでしょうか、伺います。

市教育局は、教員の多忙化解消のためと称して、校務支援システムの導入を進めようとしています。しかし、子供の人格権にかかわる高度のプライバシーデータが電子データとして日々利用され、追加されて、さらにさまざまな教員に引き継がれていくことになるこのシステムでは、セキュリティーの確保は事実上無理です。その上、教員の実務負担軽減は、絵に描いた餅になる可能性が高いものです。ソフトウエア会社の未来永劫の利益のために、子供たちの情報を危険にさらすことはすべきではありません。情報の漏えいがあれば、学校や仙台市にとって修復不能な信頼関係の破壊になることは明らかです。考え直すことを求めます。いかがでしょうか。
いじめる側の子供は、いじめに走るだけの悩みやストレスを抱えています。表面上の反省をさせるだけでは、いじめはとまりません。別の対象に被害が及ぶことも考えられます。簡単に解決、解消と目を離さない対応が必要です。子供たちの成長に確信を持ちながら、寄り添う指導を組織的に継続することです。
いじめ問題を解決する力は、子供たち自身の成長にあります。いじめる子もいじめられる子も、完成された人格ではなく、成長過程にあります。そして、子供たちは、学級など集団の中で学び、成長し、生活しています。子供たちが成長すると、集団の質や力も向上します。
先生方にお話を伺いました。子供たちの力をかりないと解決しない問題だと言います。しかし、その過程は単純ではないと、事例を幾つかお話をしてくれました。問題行動を起こす子が、唯一声かけを受けとめることができる友人がいます。しかし、その友人にさえ、ひどいことを言い暴力的になることもあり、その友人は落ち込みます。でも、そんな友人を励まし、支えるほかの子供たちがいる。だから、続けていられるという例や、また所属するグループによっては、いじめの傍観者になってしまう子も、別のグループだと、だめなことはだめと言える子になる事例などがお話しされました。
クラスの中に閉じた集団をつくらない努力をしている、あなたはほかの人にとってどんな存在かと問いかける、一人の大人としての自分の姿を見せるなど、先生たちが学校の現場で奮闘している情熱を感じました。
多くの子供も、いじめを何とかしたいと思っています。日々起きるいじめの芽も、みんなで捉え考えられる集団づくり、学級づくりこそ、教職員集団の本来の仕事であり、手間暇をかけなければならない分野だと考えます。この手間、この暇を保障する、大事にする仙台市の教育行政であるべきです。いかがでしょうか。

今回のように、いじめが自死という重大な結果となってしまった場合、遺族に事実調査の結果やアンケートなどが包み隠さず伝えられるべきだと考えます。真相の解明に参加することも、本来保障すべきではないでしょうか。今回の問題では、学校名公表問題が影を落としていると感じます。どんな小さないじめの芽であっても隠さない、教職員集団はもちろん保護者も含めて、みんなで心配し力を合わせる、このことをこそ対応の原則とすべきとの認識は、教育長も市長も同じだと、先日の代表質疑の答弁で確認をいたしました。
改めて、いじめ問題、不登校問題を学校、教育局のみならず、仙台市として取り組む最重要課題に位置づけることを求め、市長に伺って、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

市長(奥山恵美子)

ただいまの花木則彰議員の御質問にお答えを申し上げます。
いじめや不登校問題についての教育大綱への位置づけと、本市としての取り組みについてのお尋ねでございます。
現在、策定を進めております教育大綱につきましては、第四回総合教育会議におきまして、いじめ対策を盛り込むことに関し、教育委員会と重点的に協議を行い、教育委員の皆様からは、二度とこのようなことが起こらぬよう、あらゆる手だてを講じ、いじめ撲滅を図る必要があるとの御意見をいただいたところでございます。
私といたしましても、大綱の中に、いじめや不登校の問題を本市の教育行政、並びに本市においても受けとめるところとしての最重要課題の一つとして、しっかりとした課題の認識、さらには基本的な対応方針を明確に位置づけてまいりたいと考えており、教育委員の皆様の御意見や今議会における御議論等を十分に踏まえ、今後、大綱を策定してまいりたいと考えております。
本市のかけがえのない子供たち一人一人が、安心して元気に学ぶことができるよう、教育委員会と一丸となり、いじめの根絶に向け、強い決意で取り組んでまいる所存でございます。
そのほかのお尋ねにつきましては、教育長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

教育長(大越裕光)

私からは、いじめ問題に関する御質問についてお答えいたします。
今回の事案につきましては、結果的にいじめをやめさせることができず、学校としての対応が不十分であったと認識しており、教育委員会といたしましても、その責任を痛感しているところでございます。ただいま御指摘のとおり、本市の状況としては、いじめや不登校につきましては増加傾向にあり、子供にとって緊急に解決を要する事態であると認識しているところでございます。
いじめや不登校、自死の問題には、さまざまな要因や背景がありますが、その根底には、子供たちが自己肯定感や所属感を持てないことや、コミュニケーション能力の不足、規範意識の低下などの問題があるものと考えます。このようなことから、子供たちの人間関係づくりや居場所づくりを早急に進めていくことが必要であると考えております。

次に、今回の事案の反省についてでございます。
いじめは、子供の生命または身体に重大な危険を生じさせるおそれがあり、最優先に取り組まなければならないものであることを、学校に指導しているところでございます。しかしながら、今回の事案におきましては、学校が何度も保護者から相談を受けていたにもかかわらず、迅速な対応や情報の共有が十分に図られなかったという問題がございました。こうした反省を踏まえ、全学校に対し緊急点検を実施したところでございます。
いじめ問題に関連して、去る8月25日の総合教育会議での意見を挙げて数点のお尋ねがありました。まず、数値目標化についてでございます。
いじめの認知件数や解決件数の数値目標の設定が、必ずしもいじめ問題の解決につながらないことは承知しているところでございますが、何よりも大切なことは一つ一つの案件に対してきちんと向き合いながら、丁寧に取り組み、しっかりと解決し、いじめが繰り返されないようにすることであると考えております。

次に、学校、家庭、地域の信頼関係ということについてでございます。
いじめ問題解決のためには、学校対応だけでは限界があり、学校、家庭、地域が力を合わせ、子供のために何ができるのかを真剣に話し合うことは大切でございます。学校と家庭、地域が一体となって、いじめへの対応が一層迅速に図られるよう、必要な情報の共有を図り、お互いの信頼関係を高めながら、いじめ撲滅のために取り組んでいけるよう働きかけてまいりたいと存じます。
さらに、子供から信頼される学校、教師についてのお尋ねがございました。
子供から信頼される学校、教師になるためには、いじめで苦しんでいる子供を守り、教師一人一人が子供の心に寄り添いながら、いじめは絶対に許さないという共通の認識のもと、取り組んでいくことが何より大切であると考えます。教師全員が同じ目線に立ち、組織的な学校対応ができるよう、今後も徹底してまいりたいと存じます。

次に、事業の優先順位と、いじめ不登校問題への取り組みについてでございます。
現在、学校教育におきましては、学力、体力の向上、豊かな心の育成などの普遍的な課題だけでなく、社会状況や家庭環境の変化などを受け、児童生徒の安全・安心の確保、地域との連携などのさまざまな取り組むべき課題が生じております。これらの課題はいずれも重要なものですが、本市の教育振興基本計画に掲げる子供たちが未来を切り開いていく力を育むことを念頭に、各事業の重要性や優先順位について、十分な議論や検討を行い、必要である事業を進めていく必要があると考えております。
その中でも、いじめや不登校の問題は最優先で取り組むべき課題の一つであると認識しており、こうした認識を全ての教職員が共有した上で、教育委員会と学校が一体となり、全力でいじめの防止に取り組んでまいりたいと考えております。

次に、いじめ対策に関する具体的な提案がございました。
初めに、いじめを受けた子供に対する緊急避難策についてでございます。
現在、各学校においては、いじめを受けた子供に対しては、信頼関係のある教員がいじめを受けた子供を別室で個別対応するなど、保護者の理解を得ながら、心のケアを含め、実態に応じたさまざまな配慮を行っているところでございます。また、今年度より、そうした学校での対応を支援するために、いじめ不登校対応支援チームが学校を訪問し、いじめがあった場合の初期対応や解消後の見守りが適切に行われるよう、必要な指導等を行っているところです。
今後、さらに相談体制や学校に対する人的支援の充実を検討してまいりたいと考えております。

次に、35人学級の拡大と教職員の拡充の御提案についてでございます。
35人学級を拡大するに当たっては、国による教職員定数の改善が基本であることから、ほかの政令市と連携して、国に繰り返し要望してきたところであり、引き続き求めてまいりたいと考えております。また、いじめの未然防止や早期発見をさらに進める上では、学校に対する一定の人的支援が必要であると認識しているところであり、今後、より効果的な人的配置を検討してまいりたいと存じます。
また、教職員の拡充に関連して、校務支援システムのお尋ねがございました。
本市で導入の準備を進めております校務支援システムでは、児童生徒の氏名や住所、成績等といった、管理に格段の注意を払う必要のある個人情報も含めて取り扱うことになります。そのセキュリティー確保については、十分な対策が講じられたデータセンターにおいて適切な管理を行ってまいります。このデータの管理方法につきまして、本市の個人情報保護審議会からも、相当であるとの意見をいただいております。
また、当該システムの導入による事務の効率化及び業務時間の削減については、既に導入済みの他都市においても顕著な効果が認められているところであり、教員が子供たちに向き合う時間を十分に確保するためにも、本市における校務支援システムの導入は必要であると認識しております。

いじめ問題についての最後として、集団づくり、学級づくりを大切にする教育行政についてでございます。
いじめの未然防止に当たっては、子供たち一人一人が存在感、自己肯定感を感じながら、安心して過ごすことができる居場所である学級づくりを、学校全体で進めることが必要不可欠であると認識しております。教職員が子供としっかりとかかわり合いながら、望ましい集団を築いていけるようにするために、教育委員会といたしましてもしっかりとサポートしてまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

再質問

花木則彰議員

御答弁ありがとうございました。市長も、そして教育長も、いじめ問題を大事な問題として位置づけているという気持ちはわかりました。しかし、その位置づけ方が、どちらもですが、最優先の課題の一つなんですよ。私はきょうの質問の中で何を言っているかというと、最優先にすべき課題が幾つもあってその一つになっているというのは、最優先になっていないことなんですよ。
だから、いろいろ大事な問題、これをやれればいい、こんなことももっとよくしたいという思いはいっぱい当然ありますけれども、しかし、事ここに至っては、この、今の仙台市の状況の中で、本当の意味の最優先にいじめ問題をしましょうよと。それを教育局はもちろんですが、仙台市全体として応援するんだという、そういう姿勢を示すことが、もう必要な局面なんだと思うんですね。当然学力がどうでもいいとは言いませんよ。体力がどうでもいいとは言わない。だけど、そういういろいろな大事な問題がある中の一つなんだと言っている限りは、それは最優先になっていないんだと。
この状況、学校の現状、子供たちの現状をやはり見て考えるべきなんです。余裕がないでしょう。先生にも子供にも。だから、こういういじめ問題がやはり後回しになっちゃっている。そういう事例が出てくるんだと。今回のことだけじゃないと思いますよ。後回しにされているのは。後回しにしてしまって、重大な結果になったのが今回なんですけれども、そこまで自死というところにはいっていないけれども、後回しになってきている問題はいっぱいあるんじゃないでしょうか。
ですから、この今あれこれの一つとなっていることが、やはりネックになっているんだと。大事だ、大事だと幾ら言っても、あれこれの一つでは、やはり進まない。ここを打開するために、市長がせっかくつくる教育大綱で、思い切って本当の最重要課題として位置づけるんだと。意味としては、ほかの課題は脇に置いても、いじめ問題に市として力を入れると、こういうことをやはり表明する。これが第一に必要じゃないかと思うんです。
そして、そのためには体制の強化として、35人学級、全学年で実施することを中心に、市長が頑張る。それは大変なことはいっぱいありますよ。あるけれども、子供たちのいじめ問題を解決するために、私は35人学級実施のために全力で頑張ると、そうやって胸を張って市長が宣言をして、現場の先生や子供たちを励ますということが必要な、今局面なんだと思うんです。市長にこのことを再度伺います。

 

市長(奥山恵美子)

未来への希望に向けた、育ちつつある若い命が、学校にとって、また私ども仙台市政をあずかる者、また広く仙台市民の方々にとって、何よりも大切なかけがえのないものであるということについては、私もそのように考えておりますし、また教育委員会もそのような認識であるということでございます。
それに向けて、今回の中では校務にいろいろな課題があるために、ある意味ではその一番の命ということに向き合う優先順位というのが、諸般の校務のさまざまな環境の中で置き去りにされたのではないかという指摘が、専門委員会の調査の中でも触れられているわけでございまして、そのことの解消に向けた手だてを私も、また教育委員会においても真剣に考え、予算措置も含めて取り組んでいきたいという思いでございます。 教育大綱と申しますのは、御承知のとおり、教育振興基本計画の枠組みにのっとって、教育委員会が進めようとする教育行政を私としても支援をしていく、ともによりよい子供たちの育ちを目指すという観点から、長期の視点も踏まえてつくるというものでございまして、その基本にありますのは、子供たちの命が何より大事であるということは間違いのない思いでございますけれども、その大綱の組み立てというのは、やはり計画の性格上、最重要の課題を幾つか並べるという形になると、そういうふうに考えてございます。

 

花木則彰議員

国の計画に沿ったものにするしかないんだというお話でありますが、そうじゃないと思うんですよ。やはり教育局もそして市長も、本当に大事だと思っていることを、それを大事だというふうにすぱっと打ち出すということが、わかりやすい大綱になるんじゃないでしょうか。
その上で、解消の手だてやいろいろな対応策については、教育局もこれまでずっと研究もされています。相当いろいろな検討をされて、まとまってはいると思います。その作業が今必要だと思わないんですよ。決めたことを、やろうと言っていることが本当にやれるような現場をちゃんとつくると、その現場をつくるのにはっきり言ってネックになっているのが、今、市長が言われた最重要の課題がいっぱいあり過ぎるということなんですよ。これを本当の意味で第一がいじめ問題なんだということを、やはりまず答弁をしていただく、口だけでという話がありますけれども、まず口が言わなければ話にならないので、まずそれを言っていただく。そうしたら、じゃ口だけじゃなくて、じゃどうするのかということになれば、一番求められているのは、やはり35人学級ですと。これははっきりしています。
ですから、ぜひこの点について、市長自身がいじめ解決のために私は35人学級を本当に頑張ると、こういう表明がやはり必要なんだと思うんです。それが子供たちを励まします。先生も励まします。保護者も本当に仙台市の教育、これからよくなっていくということで期待が持てる、そういう答弁になるんじゃないでしょうか。再度になりますが、お願いいたします。

 

市長(奥山恵美子)

子供たちの命を大切にすることを基本に据えて、学校運営、そしてまた私どもの市政の運営、まちづくりも進めていくということにつきましては、変わらないものであり、その原点というのは仙台市政の根底に常に流れているものということでございます。
その上で、現時点でどのような予算措置を講じ、どのような施策を立てていくかということにつきましては、現実に私が今所管しておりますさまざまな財政的課題の中で、教育委員会とも十分に協議をしながら定めてまいりたいと考えているところでございまして、御提案の35人学級が直ちに実現可能だというふうな判断は、現時点では持っておらないものでございます。
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