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一般質問 高見のり子議員(10月1日)

【概要】高齢者に寄り添った施策を

 (介護予防運動への公的支援、老人福祉センター、敬老乗車証、

  特別養護老人ホーム、介護報酬)

 

高見のり子議員

日本共産党仙台市議団の高見のり子です。高齢者が安心して暮らし続けられるまち仙台を願って一般質問いたします。
先日、75歳のおひとり暮らしの女性の方からの御相談を受けました。27年間厚生年金をかけて必死に働いてきて年金が月8万円。今は何とか暮らしているが、もし病気になったら生きていけない。考えると眠れなくなるというお話でした。
日本の高齢者世帯は、2013年国民生活基礎調査によると、年収200万円以下の世帯が37.8%、年収100万円未満の世帯も12.8%に上ります。国民年金だけを受給している人の年金の平均額は月4万9000円です。余りに低くて暮らしていけないので、生活保護を受給する世帯217万人の約5割を高齢者世帯が占める状況となっています。自殺者の中で高齢者の割合も高い水準になっており、高齢者の貧困、生活破壊が社会の大問題となっています。
年金は、老後の暮らしを支える所得保障の根幹です。ところが、この間の年金改悪により、2015年度からスタートしたマクロ経済スライドによって、基礎年金の実質水準は今後30年間にわたり約30%も低下することとされています。大変な引き下げです。高齢者がこれでは暮らせないとついに年金引き下げ違憲訴訟に立ち上がって、宮城では20人が参加しています。
今後、高齢者の困窮がますます深刻化すると考えられます。安心して暮らせる最低保障年金などの制度が必要と考えますが、市長はいかがお考えでしょうか、伺います。

市の2014年の統計では、高齢者だけの世帯は9万6500世帯です。そのうちおひとり暮らしが5万5000世帯となっており、どちらも増加傾向にあります。
先日、救急車で病院に運ばれたおひとり暮らしの方が、入院するに当たり保証人や連絡者を確保できず困っているという相談を受けました。家族や友人に先立たれ、緊急の事態に対処できないということでした。亡くなった御兄弟の家族がようやく見つかり、入院できることになり、ほっとしました。高齢になれば入院する機会もふえますが、このような問題がつきまといます。
また、突然倒れたりして御自身が動けなければ、町内会長に連絡が行ったり、地域包括支援センターに相談が持ち込まれたりする事例も数多く見られます。そういったとき安心して療養できるよう、市長が保証人になるなどの検討が必要ではないでしょうか、伺います。

市は、仙台市高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画の中で、高齢者が尊厳を保ち健康で生きがいを感じながら社会を支え続けるとともに、支援が必要になっても地域で安心して暮らすことができる社会の実現を目指すとうたっています。この目標に照らせば、高齢者の元気な活動を保障しなければなりません。
本市の65歳以上の方は、2014年10月1日現在で22万755人、高齢化率は21%となっています。しかし、中学校区別に高齢化率を見ると、人来田34.7%、鶴ケ谷34.0%など、地域によって高いところもあります。高齢化率は高くても健康寿命を延ばし元気に暮らせる施策の充実が、ますます求められています。
その点で注目されているのが、鶴ケ谷地区の取り組みです。つるがやリフレッシュ倶楽部は11年前に結成されて、地区内5カ所で約170人が介護予防運動を中心に活動しています。コミュニティーづくりでも役に立つ活動です。この会は住民の自主的なクラブですが、結成のきっかけは区役所の運動教室だったそうです。支えているのは介護予防サポーターの皆さんで、区の主催する年に1、2回スキルアップ研修会を受けています。
大切な役割を持つサポーターさんたちですが、研修会の交通費初めボランティア保険の掛金など、公的支援はほとんどありません。町内会や共同募金などのバックアップに頼らざるを得ない状況で、団体によって差が出ています。市として支援制度をつくるべきです。お答えください。

市は、高齢者の社会活動の促進として、ボランティア団体への助成を行っています。ふれあいデイホーム事業、給食サービスボランティア助成、地域支え合いボランティア団体活動支援事業の3事業です。
ふれあいデイホームは、民間施設借り上げ型が5団体、公共施設活用型が9団体あり、定期的に開催され、昼食の提供や介護予防の活動を行っています。ところが、この事業は新規募集が停止されたままで、事業費も10年間で1100万円も減額されました。
給食サービスボランティア助成は、食事が困難なひとり暮らし等の高齢者に対して食事の提供を行いながら、安否確認にもなっている事業です。おいしい食事は大変喜ばれています。この事業も事業者募集が2006年から行われていません。こちらは10年間で310万円の減額です。
地域支え合いボランティア団体活動支援事業は、地域での孤立化を防止し、高齢者に対する見守りや支え合いの活動をする団体への支援です。この事業は年に2団体、上限20万円で事業の立ち上げ時のみの支援です。
いずれも高齢者の社会活動の促進に大切な事業なのに、決算では3事業でわずか3200万円です。公募を再開し、市民の自主的な取り組みを市が責任を持って育成、支援をするためにも、思い切って予算をふやすべきですが、いかがでしょうか、伺います。

高齢者が健康増進、介護予防、教養の向上、レクリエーションなどを楽しみ、健康で明るい日常生活の維持、充実に資することを目的として、仙台市内には8カ所の老人福祉センターがあります。年間約33万人に利用され、高齢者の憩いの場になっています。身近にそのようなセンターがもっと必要です。
例えば高齢化率の高い鶴ケ谷には、老人福祉センターがありません。鶴ケ谷第一市営住宅再整備事業が進む中で、高齢者向け施設用地も計画されています。こういった市の用地に老人福祉センターを設置してほしいという要望が出ています。その際、お風呂やプールの設置も、健康づくりには欠かせません。また、鶴ケ谷だけでなく、中学校区単位で設置すべきですが、いかがでしょうか、あわせて伺います。

健康づくりのために生涯スポーツも大切です。スポーツの指導者として活躍されている80代の男性は、今でも週に4、5回はテニスやプールを楽しんでいます。65歳以上の方が市の体育施設を利用する場合、利用回数に応じて利用料が無料になる元気はつらつチャレンジカードがありますが、1回ごとのシルバー割引を行ってほしいという声もあります。また、月3000円で夕方5時以降限定でプールとトレーニング室を使い放題のスポーツトワイライトパスと同じように、高齢者向けに平日日中限定のスポーツシルバーパスをつくってほしいという声もあります。高齢者のスポーツを推進するためにこうした制度の創設を求めますが、いかがでしょうか、伺います。

高齢者の社会参加を保障する交通の支援は、何より敬老乗車証です。市はこの間利用者の自己負担を一割とし、年間12万円という利用上限までつくってしまいました。
視覚障害者のボランティアをされていた方が、この間の制度改悪で交通費が負担になり続けられなくなったというお話を伺いました。老人福祉センターに元気にバスで出かけていた女性は、夏を前に利用上限を超えてしまい、出かける回数を減らしたそうです。また、90歳になる女性は、毎日バスでお買い物に出かけていましたが、上限があるので余りバスに乗らないようにして、楽しみが減ったと嘆いていました。敬老乗車証の交付者数は年々ふえているのに、2014年度決算の実績は、運賃ベースで約17億円。制度改悪前と比較すると約3億円減っています。1割負担と利用上限設定をしたことが高齢者の活動を狭めていることは明らかです。
名古屋市では、民間のシンクタンクの会社に敬老パスの調査を依頼し、効果として、社会参加効果、健康効果はもちろん、経済効果も大きいとの調査結果が出されました。名古屋市は、それを受けて事業費縮減をやめました。
健康増進と高齢者の社会活動を支えることは、地域の活性化につながります。高齢化社会になればなるほど、敬老乗車証を活用して健康づくり、ボランティアやお買い物など社会参加していただくことが、敬老乗車証制度のあるべき姿です。敬老乗車証の利用上限は撤廃し、大いにバスに乗ってもらうべきです。いかがでしょうか、伺います。

高齢者が安定的な生活をしていくためには、医療や介護を含めたさまざまな社会支援が必要とされます。ところが、国は医療介護総合法で、団塊の世代が75歳以上となる2015年を目標に、ベッドを26万床削減し、病院から追い出された患者、要介護高齢者の受け皿として、在宅でぎりぎりまで生活させるために地域包括ケアシステムを構築するとしています。住みなれた地域でケアを提供できるといいますが、これらは医療費抑制を目標とし、介護では、サービス提供者には効率化を求め、利用者側には負担増を求めるものです。
要支援1、2の人への訪問介護と通所介護を介護保険の給付から外し、市町村ごとに新総合事業に置きかえられることになり、市は2017年度実施に向けて準備を始めています。しかし、要支援の介護サービスを担うとされるボランティアやNPO、民生委員や町内会、社会福祉協議会などは慢性的な予算と人手不足、担い手の高齢化などの問題を抱えるところも少なくありません。要支援者の新総合事業は、ボランティアや地域に肩がわりさせるのではなく、国や自治体が公的責任を果たすべきです。いかがでしょうか、お答えください。

市は要支援サービスの見直しと新総合事業移行に手いっぱいになることに加えて、地域包括支援センターも同様に、新総合事業のケアマネジメントに追われることになります。地域包括支援センターは、今でさえ少ない職員で、地域の高齢者のよろず相談所として要望に必死に応えようと努力しています。あるセンター長は、時には孤独死、孤立死の現場に立ち会うこともあり、命と向き合う責任の重さに押し潰されそうだと伺いました。
市は、ことしの取り組みとして、地域包括支援センター50カ所中25カ所へ生活支援コーディネーターの配置を行いましたが、役割や計画がないまま手探りで悩みながら活動しているのが実態です。地域包括支援センターが本来果たすべき機能を果たせるようにするためには、センターの職員体制と委託費の抜本的拡充が必要です。同時に、市はセンターと密接な連携を日常的にとり、市の責任を明確にすべきと考えますが、いかがでしょうか、あわせて伺います。

今、復興公営住宅入居や防災集団移転で引っ越しが行われています。被災者の皆さんを支えるために、地域では社会福祉協議会や近隣町内会が中心になり支援する会などを立ち上げ、さまざまな取り組みが行われています。
復興公営住宅を含めた公営住宅は、とりわけ高齢化率が高くなっています。ある復興公営住宅では、高齢世帯が6割にもなっていて、町内会の役員が選出できないということです。被災した高齢者が地域で安心して暮らし続けられるために、よりきめ細かく丁寧な支援が必要です。東京都北区では、大規模団地に地域包括支援センターのサテライト窓口を2014年から設置したそうです。市においても、復興公営住宅を含めた公営住宅に地域包括支援センターの分室などをつくって、高齢者がいつでも気軽に相談できるコーディネーターの役割も果たせるよう支援をすべきです。その際、当然ながら人員配置や必要な経費の増額をすべきです。あわせてお答えください。

介護サービス事業者の倒産件数がことし8月までで全国で前年一年間を上回る55件に達したことが、東京商工リサーチの調べでわかりました。介護保険制度開始から年間倒産件数が最多です。4月に行われた介護報酬の引き下げや人手不足が主な原因と言われています。日本共産党仙台市議団が行った事業者アンケートでも、宿泊費、食費の値上げを行った、人件費を削減した、求人を幾ら出しても応募が全くない、人員を確保できず事業を縮小したなど、深刻な実態がつづられていました。
介護報酬削減が事業者や地域、利用者に与える影響や困難は、これまでにないものです。介護報酬の削減中止と介護、福祉職員の処遇改善、人手不足解消を国に求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。

今年8月から、介護保険の利用料負担が、所得によって1割から2割に引き上げられました。対象となる合計所得160万円以上など2割負担になる方は、市内で約5700名の方がいらっしゃいます。症状が重く介護と医療の両方で自己負担をしている方、施設に入所して食費、居住費の全額負担をしている方などは、今でさえ過酷な負担をしています。ますます利用を控えることになってしまいます。国に対して利用料の2割負担は撤廃を求めるべきですが、いかがでしょうか。また、市は独自の減免策を講じるべきです。あわせて伺います。

仙台市における特養ホームの待機者は、2014年4月で3792人です。ところが、市の計画では2017年までたった700人分の整備の計画しかありません。さらに、4月1日以降の改定で、特養ホームへの入所は原則として要介護3以上に限定され、要介護1、2の人は入りたいと願っても待機者にすらなれません。安心して入所できる特養ホームの増設が求められています。
ところが、政府は、介護給付費抑制のため、特養ホームの増設を抑え、有料老人ホーム、サービスつき高齢者住宅など、低所得者が利用できない施設の整備ばかり応援してきました。必要な方が特養ホームに入れるよう、整備を急がなければなりません。その際、介護保険の給付費がふえることで介護保険料の引き上げにはね返らないように、別枠で国が責任を持つべきです。国に対して特養ホームの増設を求めるべきですが、いかがですか、伺います。

東京都は、借地を活用した特別養護老人ホーム等設置支援事業で、賃料などを都が補助する制度など独自の支援を行い、設置促進を図っています。市も以前は市有地の無償貸与や建設費に対する大きな補助をした実績があります。このような制度を復活し、特養ホームの増設を進めることが必要と考えますが、お答えください。
介護保険制度は介護の社会化といって導入され、国民は期待を寄せました。ところが、老老介護に疲れ果てた高齢者夫婦の無理心中や、要介護の高齢者を抱えた一家全員が遺体で発見される孤立死など、痛ましい事件が後を絶ちません。重い保険料、利用料負担、保険あって介護なしの事態を解決することは急務です。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」、憲法第25条の生存権を守るために、介護保険の改悪はやめるよう、国に対して強く声を上げるべきです。お考えを伺います。

高齢者が安心して暮らし続けられるために、住民福祉の向上を本旨とする自治体の役割として、高齢者に寄り添った施策を求めて第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

市長(奥山恵美子)

ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。

介護保険制度に関する御質問にお答えをいたします。
介護保険制度は、高齢化の進展や核家族化の進行などを背景に、高齢者の介護を社会全体で支え合い、住みなれた地域で生活を送ることができる仕組みとして、平成12年4月にスタートをいたしました。以来、現役世代の負担が過大とならないよう、受益と負担の均衡を図りながら、持続可能な社会保障制度の確立を目指すための制度改正が行われてきたものと認識をしております。
介護保険制度を含め、社会保障制度の改革は、引き続き国民の皆様の理解を得ながら進められることが肝要でございます。本市といたしましては、今後とも国の動向を見守るとともに、基礎自治体として、他の自治体とも連携を図りながら国への要望や意見を述べるなど、必要な対応を講じてまいる所存でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

市民局長(寺田清伸)

私からは、高齢者のスポーツの推進についての御質問にお答えをいたします。

本市のスポーツ施設におきましては、各種割引制度に加え、魅力ある高齢者向けの健康づくり事業を行うなど、スポーツを通じた健康づくりに資する取り組みを行っているところでございます。
御質問にもありましたスポーツトワイライトパスは高齢者の方にも御利用いただけるほか、元気はつらつチャレンジカードは回数券と組み合わせて御利用いただくことにより利用料金が相当程度割引となることから、新たな割引制度の創設については、受益者負担の観点からも難しいものと考えております。
今後とも、高齢者の方々がスポーツを通じた健康づくりに気軽に取り組めるよう、現在行っております制度や事業のわかりやすい周知に努めてまいります。
以上でございます。

 

健康福祉局長(佐々木洋)

私からは、市長が答弁した以外の健康福祉局に係る御質問にお答えいたします。

初めに、年金制度についてでございます。
公的年金制度は、現役世代が納める保険料を原資に高齢者などの年金給付に充てるという、世代間の支え合いを基本として運営されております。社会保障と税の一体改革におきましては、受給資格期間の短縮、低所得の受給者への給付金の支給など、年金制度の充実が決定されているところでございます。
御指摘の最低保障年金制度につきましては、財源確保の課題があると認識しておりますが、低年金の高齢者に対する対応も含め、公的年金制度は将来にわたり安定的に持続していくことが必要であり、国が責任を持って制度設計をし、運営されるべきものと考えております。

次に、高齢者の入院に係る支援についてでございます。
医療機関に入院する際に、保証人や連絡先の確保が難しい高齢者もいらっしゃることは承知してございます。本市が保証人となることは考えておりませんが、入院などの場合に限らず、ふだんから緊急時の連絡先を確保しておくことが肝要でございます。これまでも地域では見守りなどの活動を実施していただいておりますが、地域でのさまざまな活動を通して、高齢者の支え合いが進みますよう取り組んでまいりたいと存じます。

次に、介護予防サポーターへの支援についてでございます。
本市では、住民が介護予防を切り口に地域で支え合う仕組みづくりとして、介護予防自主グループの育成支援に取り組んでおり、現在、市内177グループにより、それぞれ地域の実情に応じた活動が展開されているところでございます。つるがやリフレッシュ倶楽部は、住民主体によるボランティア活動の先駆的な取り組みであり、その後の本市における介護予防サポーター育成や介護予防自主グループ活動のモデルとなっております。
今後、一層高齢化が進展する中、こうした地域主体の取り組みは大変重要でございますことから、引き続き本市としてはサポーターの人材発掘や活動メニューの相談等に対する支援を行い、高齢者が元気に暮らせる地域づくりに取り組んでまいります。

次に、高齢者を支援するボランティア団体への助成についてでございます。
高齢者が住みなれた地域で引き続き暮らすことができるよう、さまざまな主体が高齢者を支えていくことが大事であり、ボランティア団体はその重要な担い手であると認識しております。本市では、こうした活動を行うボランティア団体に対し、介護予防の推進や団体の育成を目的とした支援を行っておりますが、この間、NPOを含めた民間団体において同種の取り組みが進んできているところでございます。
今後につきましても、限られた財源を有効に配分し、ボランティア団体の活動を支援してまいりたいと存じます。

次に、老人福祉センターについてでございます。
現在、老人福祉センターは市内に8館ございますが、センターと同様に高齢者が生きがいづくりや健康づくりの活動を行うことができる市民センターやコミュニティ・センターなどの施設の整備が各地域において進んでまいりました。こうした状況も踏まえ、老人福祉センターについては新たな建設は考えておらないところでございます。

次に、敬老乗車証についてでございます。
高齢者の社会参加、健康づくりは重要であると考えており、敬老乗車証につきましては、そうした高齢者の活動の一助となる本市の高齢者施策の重要な柱の一つであると認識しております。
さらなる高齢化の進展が見込まれる中、高齢者がこの制度を将来にわたりお使いいただくことができるよう、受益と負担の適正化を図り、年間上限額を設定する見直しを平成24年10月に行ったものでございます。今後とも、高齢者の社会参加、健康づくりを支える現行の敬老乗車証制度の安定的な運営に努めてまいります。

次に、新しい総合事業への移行についてでございます。
この事業では、既存の介護サービス事業者等が提供するサービスに加え、多様な主体によるきめ細かなサービスが提供されるなど、利用者の選択の幅が広がる側面がございます。現在、NPOやボランティアなどについて実態調査を進めているところであり、地域の社会資源や担い手の状況を十分踏まえながら、利用者の状況に即した必要なサービスが提供できる体制づくりに取り組み、平成29年4月からの円滑な移行を目指してまいります。

次に、地域包括支援センターの職員体制等についてでございます。
地域包括支援センターは、高齢者の総合相談を行うとともに、地域での支援体制づくりなど、さまざまな機能を担っております。また、地域包括ケアシステム構築のための中核的な役割を期待されております。
本市では、センターが求められる機能を十分担えるよう、今年度より25カ所のセンターに専任職員を配置し、機能強化を図っているところでございます。今後とも計画的な配置に努めるとともに、センターの役割について、共通認識のもとで運営されるよう、情報交換を重ねるなど連携を緊密に図ってまいりたいと考えております。

次に、公営住宅への地域包括支援センター分室などの設置についてでございます。
本市では、3000人から6000人という国が定める高齢者人口の基準を基本とし、中学校区を踏まえながら、各センターの担当圏域を設定しております。高齢者人口が基準を上回る場合には、担当圏域の見直しやセンターの分割、職員の増員を行うこととし、これに見合った予算を措置してきたところでございます。
その上で、これまでもセンターにおいては、社会福祉協議会や民生委員児童委員、町内会など地域の関係者と連携を図り、高齢者の身近な相談窓口としてきめ細かな対応をしておりますことから、分室の設置については考えておりません。

次に、介護報酬の削減中止等についてでございます。
本年4月からの報酬改定や全国的な介護人材不足の深刻化は、事業者にとって厳しい状況であると認識しております。この間の介護報酬の請求の状況等を見ますと、事業者においては報酬改定により改善された処遇改善加算などの算定を反映させていることがうかがわれます。
しかしながら、今般の改定の影響により今後サービスの利用や介護人材の確保に支障が生じる場合には、国に対し、早期に必要な措置を講じるよう、全国市長会等を通じて働きかけてまいりたいと考えております。

次に、介護保険の利用者負担についてでございます。
今般の2割負担の導入については、給付費等の増加に伴う介護保険料の上昇を可能な限り抑えつつ、現役世代の過度な負担を避け、高齢者世代内で負担の公平化を図っていくために行われたものであり、制度の維持に向けた改正であると認識しております。
利用者負担の減免につきましても、被保険者相互の支え合いにより運営する社会保険制度の趣旨から、災害等の事情のある場合に限定すべきものと考えております。

最後に、特別養護老人ホームの建設についてでございます。
本市では、高齢者保健福祉計画に目標数を定め、整備を着実に進めるとともに、国に対しては、自治体の財政負担や被保険者の保険料負担が過重にならないよう、国負担割合の引き上げや調整交付金の確実な交付を求めてまいりました。
この間、特養建設に対する市有地の貸し付けにつきましては、ほとんどの事業者がみずから土地を確保し施設整備を行っていることを踏まえ、無償から有償に切りかえたところでございます。また、補助につきましては、国の制度にのっとり、実施しているところでございます。
今後とも、特別養護老人ホームを初めとした必要な施設整備に資するよう、国に十分な財政措置の実施を強く求めつつ、現在の計画に定める700人分の整備目標達成に向けて、取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。

 

再質問

高見のり子議員

再質問を行います。

今の答弁は、国の基準から、また市の施策を述べられたというふうに受けとめました。質問は、年金、それから医療、介護、こういったものの改悪に対する市長の姿勢を伺いたいと思います。
今、誰もが老後に不安を持っています。老後破産という言葉があるくらいです。市長は、こんなに高齢者が大変になっているのに、国の言いなりで、つき従うだけだと。さらに、高齢者を支援すると言葉では言っておりますけれども、この間、敬老乗車証は改悪、ボランティア活動や社会活動への支援も、これも減らしてまいりました。本日、私は、質問の中でさまざまな積極的な前向きな提案を行ったつもりなんですけれども、これらについても受益者負担というようなことを言って、それを改善、拡充ということについては、いい御答弁はいただいておりません。このままでは高齢者は守れないのではないかと思います。
高齢者が生き生きと元気に暮らすために、年金、医療、介護の充実、これはもう必要だと思います。国の悪政の流れはこれに逆行するものだと思います。高齢者の命にかかわる事態にもなっています。市長は、こういう状況、こういった年金や医療、介護、こういった中で、高齢者を守れると思っていらっしゃるのかどうか、この点をお伺いします。

二つ目は、地域包括支援センターについてでございます。
重要な役割を持つというお話がありました。それを認めていらっしゃるのであれば、やはりその役割に見合う人的、それから委託費などの拡充が必要だと思います。地域で高齢者が生き生きと元気に暮らすために地域包括支援センターは大切です。しかし、国の介護保険の改悪では、この要介護以外の高齢者全般、要支援も含めて、今は健康な高齢者の皆さんも、こういった皆さんもセンターと住民に肩がわりさせようとしています。結局苦しむのは高齢者になると思います。
大切なのは、国の仕組みに当てはめ込むのではなくて、一人一人の高齢者に元気に暮らし続けられる支援を強め、それを支える地域づくりを行うことだと思います。だからこそ、市全体で責任を持って地域包括支援センターのあり方、役割を考えなければならないと思います。
今回、25カ所へ生活支援コーディネーターを配置しましたが、結局は包括支援センターに丸投げをしている状況だと思います。市の職員が配置されるのかと期待をしていたという声もあります。市が責任を持つこと、人もお金もそれで十分なのかを検証する必要があると思いますけれども、地域包括支援センターの職員体制と委託費の拡充、これをもう一度求めますけれども、いかがでしょうか。

 

市長(奥山恵美子)

高見議員の再度のお尋ねにお答えを申し上げます。

まず、ふえ続ける高齢者の方がますますそれぞれ自治体において数が多くなる、また全住民に対する比率が高くなるというのは、日本全体の大きな問題であるわけでございます。仙台もまたその例外ではないということであります。
そうした中で、お話にありましたように年金、医療、介護、この三つの社会福祉制度が今後どのように推移をしていくか、これは国民全体にとっても、また本市にとりましても、大変重要な課題だと認識をしているところでございます。
そういう中で、まず一番の問題は、それぞれの制度が、今後現役世代が人口が少なくなるにつれて制度として成り立っていくであろうかというところでございまして、このことにつきましては、国を初め、また本市議会でもいろいろと御議論を重ねてきたというふうに承知をいたしております。
私自身は、日本の現在の年金、医療、介護のそれぞれの制度については、さまざまな課題があるというふうには認識をしておりますけれども、しかしながら、国における大きな議論の中で、今、一定の持続可能性を求めて、国においてもその適正な運用に向けてさまざまな取り組みが進められていると認識をしております。必要な場合には、私どもも仙台市として、また宮城県市長会等として、また全国の市長会としても、改善の要望等もこの間行ってきたという経緯があるところでございます。
この三つの制度は今後とも大変重要な制度であると考えておりますので、本市の高齢者の方が安心してこの三つの制度のもとで暮らしていけることができる社会ということを念頭に置きながら、今後とも、国の対応等も含め、見守ってまいりたいというふうに考えております。
また、敬老乗車証につきましては、先ほど局長からも御答弁申し上げましたとおり、やはり高齢者の方が増加するという中で、この制度を持続的に仙台市として運営していくためにはどのようなことが必要であろうかということを御議論いただいた上で、お認めをいただき、現在実施をしておるものでございまして、これにつきましても、その今回の敬老乗車証の平成24年に行いました改善の趣旨にのっとりまして運営をしてまいりたいと考えているものでございます。

 

◯健康福祉局長(佐々木洋)  

私からは、包括支援センターに関する再度の質問についてお答えいたします。 従前から包括支援センターにつきましては、機能ということでさまざま担っていただいております。それに必要な人員については、基本が3人でございますが、これに加えまして加算の人員、あるいは非常勤も含めて人員配置を行ってきたところでございます。また、これに要する経費につきましても、一定の委託料を確保し支給するなど、対応を行ってきたところでございます。さらに、今般の包括ケアシステムの関連で職員を増員いたしましたが、これにつきましても、必要な委託料の増額というものを図ってまいったところでございます。 さまざま機能を担っていただいておりますことから、区あるいは健康福祉局とも十分連携をとって業務を進めていくことが必要であると考えておりまして、この間、研修ですとかさまざま説明会の開催、こういったものを通しまして情報共有を図りながら、業務運営に努めているところでございます。 以上でございます。

 

高見のり子議員

高齢者がふえること、長寿をやはり喜べる社会を目指さなければならないと思うんですね。それで仙台市の高齢者施策もあるんだというふうに思うんです。福祉にかけるお金というのは無駄なお金ではないです。衣食住、介護も、介護でそこで働く皆さんに給料を払えば、税金として市の収入にもなっていくと、こういう流れもありますし、一つの経済だというふうに思うんですね、福祉も。やはりそういう観点が私は抜けているなというふうに思います。
それで、ふえる高齢者に元気で過ごしてもらうことで、社会活動に参加してもらって、お買い物をしたり、ボランティアをしたり、地域経済にも役に立っていただくという前向きなやはり考え方でないと、高齢者施策はやはりこれは暗いものになってしまうのではないかというふうに思います。そうではなくて、やはり健康な高齢者の皆さんに、例えば先ほどの敬老乗車証制度も一つですけれども、やはりどんどん社会に出て、元気で暮らしていただくと。それで社会に貢献していただくということが必要なのではないかと思います。
そういう観点から、やはり今の国のやっている医療や介護の施策が高齢者の皆さんを苦しめるものになっているのではないかというふうに思いますので、そこの点、重ねてどのようにお考えになるかお尋ねしたいなと思います。
それから、包括支援センターなんですけれども、十分だという認識のように聞こえるんですね。でも、私は、十分ではないと思います。十分であれば問題は起こらないわけですね。これから高齢者の皆さんがふえるということは、誰もが年をとって、困った事態に、介護が必要になったり病気になったりする事態が起こるということだと思うんですね。
例えば一定の年金や財産があっても、子供さんが非正規であったり失業したりで親の年金を頼らざるを得ない、そしてともに破産する、これは老後破産というふうに一つのケースだと思うんですが、また、元気に暮らしていたんだけれども、突然腰が悪くなって動けなくなって、どうしたらいいかわからなくなった。元気で暮らしていた方が急に困るという事態にもなる。それに対応するために地域包括支援センターが役割を果たしていくということも必要だと思うんですけれども、やはり拡充ですね。これからの介護保険の新総合計画を踏まえれば、それも考えれば、さらに充実が必要だと。十分ではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

市長(奥山恵美子)

長寿が、その長寿を達成された方にとって幸せであるような、そういうやはりことほぐようなものであるべきであるということでありまして、そのことにつきましては、私も同様に、やはり長生きをすることが大変すばらしいことだと思っていただけるようなまちとして、この仙台をつくり上げてまいりたいと願っているものでございます。
そうした中で、年金、医療、介護といった、この大きな三つの高齢者を支える制度でございますけれども、私自身も、これらを例えばマイナスの要素の分野であるというふうに思ったことはございませんで、これらがしっかりと高齢者の生活の土台を支えるものがあるというふうに認識をしておりますからこそ、この間、この制度につきまして、やはり適正な運用というのが必要だろうというふうに考えているものでございます。その適正な運用の適正という意味は、しかるべきサービスが提供されるということと同時に、やはり制度として社会の中でこれが回っていくということ、長期に支えられてシステムとして安心して根づいていくということであろうかと考えてございます。
国の行います制度改革にもさまざまな側面がございますので、全てがよいというわけではないと思いますが、全てが悪というわけでもないというふうにも思っております。今後とも、私どもとして、仙台市の実態を踏まえながら必要な制度の改善等に向けて発言をし、仙台の高齢者の皆様が安心してお暮らしいただける社会を目指して取り組んでまいりたいと、そのように存じます。

 

健康福祉局長(佐々木洋)

包括支援センターに関するお尋ねでございますが、包括支援センターの配置人員につきましては、現在で終了ということではございません。今後とも高齢者人口が一定基準を上回る場合には加算配置ということもございますし、また、先ほど申し上げました包括ケアシステムの関係で、今年度25人、25カ所配置してございますが、これにつきましても、今後、計画的な配置に努めてまいりたいと存じております。
以上でございます。
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