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一般質問 ふるくぼ和子議員(12月15日)

【概要】貧困対策と生活保護行政

 (生活困窮者のとらえかた、生きる権利保障の生活保護行政、

  ケースワーカーの増員、健康管理問題)

 

◯ふるくぼ和子議員

日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。私は、貧困に対する各種施策と生活保護行政に対して、一括方式での一般質問を行います。

全て国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、全ての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。これは、国民の生存権と国の責務について規定した憲法第25条です。 ところが、2012年に制定された社会保障制度改革推進法では、基本的考え方の第一に家族相互及び国民相互の助け合いを挙げ、公的責任を規定した憲法の理念からはかけ離れ、社会保障の本質をゆがめてしまいました。これに基づき、年金や医療、介護、少子化対策、生活保護を攻撃対象にして見直しするとしています。 この法律に対して、日本弁護士連合会でも、国による生存権保障及び社会保障制度の理念そのものを否定するに等しく、日本国憲法25条一項及び二項に抵触するおそれがあると指摘して、反対する意見表明を行っています。 市長は、この社会保障制度改革推進法と憲法第25条との関係についていかがお考えでしょうか。社会保障に関する施策は、全ての法律の根幹となる憲法第25条にこそ軸足をしっかり置いて取り組むべきですが、市長の御認識を伺います。

厚生労働省が発表した2012年の生活実態に基づく貧困率は、前回3年前の生活実態よりさらに悪化し、全体の相対的貧困率は16.1%と最悪に達しています。厚生労働省では、等価可処分所得の中央値の半分を貧困ラインとし、その額は122万円としています。全国では約6人に1人、人口換算では2050万人が貧困ライン以下の生活をしていると公表しています。 また、17歳以下の子供の貧困率は16.3%と相対的貧困率を上回り、ひとり親世帯では54.6%と突出しています。子供のいる現役世代で大人が一人という世帯の貧困は大変深刻です。 ところが、社会保障制度改革推進法の制定以降、自己負担増と給付額の削減や制限が次々と進められています。年金額の引き下げ、高齢者医療における窓口負担の増加、入院時給食費の負担増、国民健康保険料の値上げ、介護保険では、要支援者のデイサービスやヘルパーの給付除外、特別養護老人ホームの入所は原則要介護度3以上に制限し、一定所得層に対する自己負担の2倍化などなど、国民負担増の改悪はとどまるところを知らない状況です。それ以外にも、各種控除が廃止となって課税額が増加するなど、貧困に拍車をかける政治が続けられています。 市長は、貧困の実態と市民生活の困難さ、暮らしにくさの増大についてどのような御認識をお持ちでしょうか。住民の福祉の増進を図ることを基本として、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う地方自治体として、今の国の施策に無批判ではいられないと考えますが、市長の御所見を伺います。

国は、セーフティーネットの改革として、2013年12月に生活保護法の改定とあわせ生活困窮者自立支援法を創設しました。 この法律では、必須事業として自立相談支援事業と住宅確保給付金事業を、任意事業として就労準備支援事業、一時生活支援事業、家計相談支援事業、学習等支援事業を支援の枠組みとして設けています。仙台市がモデル事業で積極的に取り組んできた学習支援の制度化や、ワンストップでの相談、家賃の現物給付など、生活に困窮する人に対して支援を行う積極性は一定評価できます。 しかし、法創設の議論の中で、生活保護へ移行するのを防止するという方向性が出され、既に貧困状態に陥っている人への生活保護手前での対応策という性格の制度として具体化されていきました。これでは、緊急性の高い人にも生活保護を対応させずに済まそうとする支援になりかねません。 私は、この法律が持っている、生活の困窮を個人の自己責任としてしまう問題点があることを市が認識をして、支援に当たらなければならないと考えます。水際作戦や生活保護からの追い出しとならないように、自立支援と生活保護が補い合って、真に生活困窮者の生活支援となるような運用を求めますが、いかがでしょうか。

そもそも衣食住の安定は生活の土台です。それなしに、就労を初め自立生活を営むことは困難です。その土台が脅かされる貧困状態になぜ陥ったのか、その原因を社会状況まで含めて分析をすることが大事です。そうしてこそ、必要な支援策を立てることが可能となります。 誰もが、安心して毎日を過ごせる生活を願っています。しかし、失業や出産、病気や離婚、家族の死別など、誰にも起こり得る何らかのきっかけで生活設計が狂い、陥っていくのが貧困です。 ある方が、生活に困って区役所に相談に行っても窓口を紹介されるだけで、結局何の制度も利用できなかった。自分の苦しみを聞いてくれ、寄り添ってくれていると感じることができれば、もっと頑張ろうと思えたと、自分をわかってほしい、力をかしてほしいと、もがき苦しんできた思いを伝えてくれました。 相談に来た人に、個人の能力の問題にして対応すれば見誤ります。制度のすき間に落ちないような支援と、継続して寄り添っていく支援こそが求められています。これらを基本に据えた取り組みとすべきですが、いかがでしょうか。

その上に、個別具体の支援策についても、国が示す必須事業や任意事業の枠にとどまらない、求められる支援を行っていく必要があります。 今、全国各地の自治体で地域の実情に応じた独自の支援策に取り組み始めています。大阪の羽曳野市では、庁内9部局19課で構成する生活困窮者支援ネットワーク会議を設置して、就労支援やひきこもり支援、社会資源開発などのワーキング会議を持って取り組んでいます。弁護士会との連携や、NPO等の団体が実施しているシェルター、母子寮などの自主事業を始め、生活困窮者レスキュー事業として緊急支援・現物給付事業を行っている既存事業との連携など、地域との協働と社会資源の開発まで位置づけて地域づくりとして実践し始めています。 仙台市でも、全庁的な取り組みを行い、支援を必要とする当事者の視点で、現状の制度活用にとどまらない社会資源の開発と活用で支援体制の強化を求めますが、いかがでしょうか。 中でも、とりわけ重要なのは子供の貧困対策です。全国的に子供の居場所づくりや夕食支援の取り組みが広がっています。仙台市でも、当然必要な施策ですから、実施に踏み出していくべきではないでしょうか、伺います。

ひとり親世帯の貧困はさらに深刻です。ひとり親世帯が受けることができる児童扶養手当は、最高額で1人目4万2000円、2人目5000円、3人目3000円となっており、多子世帯ほど支援が弱まる制度になっています。2人目は1日160円、3人目は100円でとても育てられないと、改悪された児童扶養手当に対する怒りの声が上がっています。保育料や医療費、教育費など子育てに必要な負担が無料になるならまだしも、食費さえも賄えないような支給額です。 全国の多くの自治体では、出産祝い金や医療費、保育料の無料化や学校給食も無料にするなど、ひとり親世帯に対する独自の支援に取り組んでいます。仙台市では、保育料減免や医療助成など行ってはいますが、無料ではありません。 一人一人の子供を大事にする支援とするためにも、2人目以降の児童に対する市独自の給付の上乗せをすることや、成長に合わせた現金手当の支給など、経済的支援を強めるべきです。あわせ伺います。

昨日も紹介がありましたが、今月3日、日本財団が、貧困家庭の子供を支援せずに放置すると、現在15歳の子供一学年だけでも社会がこうむる経済的損失は約2兆9000億円にも達するという推計を公表しました。進学を支援して得られる所得額の差を推計したものですが、将来にわたって見ても子供の貧困対策は重要であることを示しています。 進学の支援は、学習支援だけではなく、学費などの経済的支援が不可欠です。高校や大学進学に当たって給付型の奨学金制度を市の努力で創設することは、緊急の課題です。実施を求めますが、いかがでしょうか。

生存権を保障し、それを具現化するのが生活保護制度です。 生活保護法では、第一条で、憲法第25条に規定する理念に基づき、国が生活に困窮する全ての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とするとしています。ここで言う自立とは、生活保護からの離脱を指すものではありません。生活保護によって暮らしが安定し、生活が確立されるということを指して自立としています。さらに、第二条では無差別平等に受けることができると規定しています。 この原則からすれば、生活保護行政は、最低生活を割り込んで、生存権が保障されない状態にいる市民を誰一人として生み出してはならないという理念で実施されなければなりません。 しかし、生活保護の利用率は人口比でわずか1.6%、捕捉率、すなわち、生活保護を利用する資格があるにもかかわらず、現に利用している人の割合は、日本は20%にも届かないと言われています。ドイツでは約65%、フランスで約90%など比べても、日本の捕捉率は異常な低さです。 本市の捕捉率はどうなのか、市民の最低限度の生活を営む権利を保障する制度として、生活保護行政が命のとりでとして機能が発揮され、資格のある人全てが利用できていると自信を持って言える状況なのか、御認識について伺います。

この間、安倍自公政権のもとで、大規模な生活保護費の削減が行われています。 2013年から3年間にわたって、生活扶助を総額で670億円もカットする、過去最大の削減が強行されました。ことしの7月からは、アパートなどの家賃として支給される住宅扶助費を3年間かけて190億円も削減する計画です。 仙台市での住宅扶助削減による影響は、単身世帯では変更はありませんが、2人以上の世帯についての区分変更が行われたことで、これまで2人暮らしだった方の基準額が4万8000円から4000円も減額されることになりました。仙台で4万4000円の多世帯向け賃貸住宅を見つけるのは容易ではありません。 基準額を超える世帯には、契約更新の際、または更新の定めがない場合には、2016年6月までに転居指導が行われることになっています。しかし、住む場所を決定するのはあくまでも本人ですから、強制的に転居させることはできません。 通院や通勤、通学に支障を来すおそれがある場合や、高齢者や障害者では転居によって自立を阻害するおそれがある場合などは、旧基準の適用を認めることになっています。生活保護利用者が正しく理解し、主体者として制度利用ができるようにすべきですが、いかがでしょうか、伺います。

さらに、この冬から、暖房で光熱費がふえることに対応する冬季加算も減額されました。生活扶助費の減額と合わせ、出費の多い年末年始に支給される期末一時扶助も2年前から削減されており、利用者にとっては大打撃です。11月から4月まで支給される冬季加算は、仙台市の厳しい冬を越す上で必要不可欠な加算です。 国に対して、冬季加算の減額は撤回してもとに戻すよう求めるべきです。また、障害者や要介護者、乳幼児がいるとか、疾病、療養のためなどで常時在宅している世帯員がいるなどの場合は、1.3倍の額を支給できることになっています。一律の減額とせず、例外措置の対象を狭めずに、対象となり得る全ての世帯で適用するよう求めます。いかがでしょうか。 生活保護を利用している方の中には、身内がいないとか何らかの事情で孤立している人も少なくありません。そうした方の中には、一人で暮らせなくなったときに、いわゆる脱法シェアハウスや無届介護施設と言われるところに入居しているケースがあります。利用者への訪問を行う中で、狭いスペースに十分な介護も受けられず、おむつをつけたままというような、人権侵害の実態をケースワーカーは目の当たりにしているものと思います。  全国では、こうした施設で起きた火災によって生活保護利用者の死亡が相次いでいます。消防法と建築基準法に照らして違法性はないかを点検し、改善させる必要があるのではないでしょうか。生活保護利用者が入居している市内の全ての居室について調査に入るべきですが、伺います。

生活保護制度の幾つかについて求めてきましたが、いずれの場合にもケースワーカーの役割は大変重要です。 私も、福祉を学び、医療現場でのケースワーカーの経験がありますが、当事者を主体にした寄り添うケースワークを行うには、最低でも面接には1時間以上を要します。ケースワーカーからケースワークを取ったらただの管理業務を行う人、ケースワークを行ってこそケースワーカーと言っていた方がいましたが、まさしくそのとおりです。また、当事者とともに問題解決に取り組むケースワークの中でこそ技術も向上していきます。当然、そのための研修も欠かせません。 利用者に、自分なんていないほうがいいなどと自身を否定する発言は絶対にさせないケースワーク業務が求められています。福祉事務所長以下、全ての職員、ケースワーカーが、一人一人の尊厳を認めるという憲法25条の理念のもと、寄り添う支援をしているかが問われるのではないでしょうか。また、これまで繰り返しケースワーカーの増員と研修制度の確立を求めてきましたが、健康管理も含めて改めて充実を求めますが、いかがでしょうか、伺います。

生活保護が地方自治体の財政を圧迫するかのような議論や風潮がありますが、その4分の3が国負担で、残りの4分の1は地方交付税で措置されるので、実質全額が国負担です。保護率が上がっても、地方財政に負担がかかることはありません。 しかし、地方交付税の基礎となる生活保護基準財政需要額と実際の決算額を比較すると、毎年決算額が数億円少なくなっています。ケースワーカーの充足率が85%程度の低水準でとどまっていることなどが主な原因なのははっきりしています。本来、ケースワーカーを増員することは当然、福祉灯油の実施や2005年度で廃止した低所得者への見舞金の復活、緊急の現金給付制度など可能な施策を考えて、低所得者の生活を引き上げるために使うべきです。伺います。

安倍政権が打ち出した一億総活躍社会では、みんなが活躍できる社会をつくるといいますが、国民の基本的人権の保障が問われています。かつて、国民総動員と呼ばれた戦前、戦中には、障害者や高齢者などが社会に役立たない人として真っ先に隔離、排除されていきました。国民の価値を社会に役立つか否かではかろうとする安倍総理の意図が、一億総活躍という言葉の中に見え隠れしているように思えてなりません。 国家は個人の上にあるのではなく、個人の確固たる存在と尊厳を基本に構成されるものであることは、憲法でも明らかであり、絶対に取り違えてはなりません。 最後に、日本国憲法の理念を地方の政治にしっかり生かした行政が行われることを求め、伺って、私の第一問といたします。 御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

 

市長(奥山恵美子)

ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
社会保障制度改革推進法と憲法の関係等に関するお尋ねでございます。
社会保障制度改革推進法は、急速に進む少子高齢化や雇用基盤あるいは家族形態の変化など、社会情勢の大きな変動が続く中にあって、社会保障費の増大等による国民負担の増加や国と地方の財政状況の悪化などに鑑み、安定した財源を確保しつつ、持続可能な社会保障制度の確立を図るために必要な基本的考え方を定めたものと認識をしております。
この法律も憲法の趣旨を踏まえ制定されたものと考えてございますが、私ども地方自治体においても、国の最高法規である憲法を遵守し、その定めるところに基づきながら、医療、介護、福祉、子育て支援、生活保護などさまざまな社会保障施策の維持、充実を図ることが肝要であると考えているところでございます。
そのほかのお尋ねにつきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

 

健康福祉局長(佐々木洋)

初めに、貧困の実態に対する認識と現在の施策についてでございます。
国内においては、非正規雇用労働者やひとり親家庭の増加、急速な高齢化の進展などの要因により、生活保護受給世帯は増加傾向にあり、また、生活保護に至っていないものの、生活困窮に至るリスクの高い層も増加しているものと推測しているところでございます。
本市におきましても同様の傾向と考えられ、今後も低所得者世帯の増加が懸念されることから、市民が地域で安心して生活できるよう、社会保障制度を初めとした各般の施策については、今後とも国に対し、自治体の意見を十分に聞くよう要望するとともに、適宜意見を申し述べてまいりたいと存じます。

次に、生活困窮者自立支援法の運用についてでございます。
生活困窮者自立支援法の趣旨は、生活に困窮している方を重層的に支えるセーフティーネットを構築し、生活保護に至る前の支援を強化するものでございます。本市では、本年4月、総合相談窓口として仙台市生活自立・仕事相談センターわんすてっぷを設置し、相談者の御希望を伺いながら、支援者がマンツーマンで行う、いわゆる伴走型支援により生活支援や就労支援を実施しているところでございます。
センターの相談者の中で生活保護が必要と思われる方につきましては、各区の保護課の窓口に確実につなぐこととしているほか、生活保護の対象ではないものの支援が必要な方については、各区保護課よりわんすてっぷを御案内するなど、双方の窓口が連携し、生活困窮者の支援を行っているところでございます。

次に、相談者に寄り添った支援等についてでございます。
生活に困窮している方の支援につきましては、個人の尊厳を確保しながら、自己選択や自己決定を促し、経済的自立のみならず、日常生活や社会生活の自立など、一人一人の状況に応じた自立の実現に向けた支援が求められているものと考えております。
このような認識のもと、今後とも、相談者が抱える課題を受けとめ、自立に向けた支援プランを一緒に作成し、御本人の意欲や思いに寄り添いながら、さまざまな制度や施策を活用した包括的な支援を行ってまいりたいと存じます。

次に、支援体制の強化についてでございます。
生活に困窮している方に気づき、早期に支援につなげていくためには、庁内連携は大変重要であると考えております。
このため本市では、福祉関係部局だけではなく、市税や市営住宅、教育関係部局、また水道局、ガス局の収納担当課、消費生活センターなど15部局22課で構成する自立支援連絡会議を庁内に設置し、関係部署の連携を強化しています。
また、民間企業から無償で提供された食品を相談者に届けるフードバンク事業を利用するなど、民間の社会資源も活用しております。
今後とも、支援に活用できる社会資源をお持ちの民間団体と連携を深め、生活困窮者支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

次に、生活保護の機能が発揮されているかについてでございます。
生活保護制度は、健康で文化的な最低限度の生活を保障するという要請に応える最後のセーフティーネットとしての役割を担っているものであり、制度の対象となる方に適切に実施することが必要であると認識しております。
各区保護課では、生活困窮者自立支援の相談窓口や地域の民生委員児童委員と密に連携し、窓口への来庁が困難な方に対しましては訪問での保護相談を行うなど、必要な方に生活保護を実施しているところでございます。

次に、住宅扶助の適用についてでございます。
本年7月の住宅扶助基準の改定により、家賃が減額後の基準額を超えることとなった2人世帯については指導が必要となりましたが、転居によって通院、通学等が困難となる場合などには、従前どおりの住宅扶助を認定できる経過措置がございます。
基準を超える世帯には、担当ケースワーカーが丁寧に説明し、御理解いただくよう努めているところでございます。
住居は生活を営む上での基盤でございますので、世帯それぞれの状況を把握した上で適切に対応してまいります。

次に、冬季加算の減額についてでございます。
国の基準改定により、本市においても一月当たりの基準額は減額となったものの、12月から3月までであった適用期間が4月までと1ヵ月延びたところでございます。
また、要介護度が高い高齢者や乳児がいる世帯など、常時在宅せざるを得ない状況にある世帯については増額となっております。
今回の冬季加算の見直しは、国が一般の低所得者世帯における冬季の光熱費の実態、光熱費物価動向などを詳細に調査の上、社会保障審議会による議論を経て、最低生活を営む上で必要な額が決定されたものであることから、国への要望については考えていないところです。

次に、無届介護施設等への調査についてでございます。
生活保護を受給している複数の高齢者世帯が一部屋に入居している施設につきましては、家賃を人数割りした住宅扶助額を適用するよう国から通知が出されたところであり、本市としても、ケースワーカーによる訪問調査等により、保護世帯の実態把握に努めているところです。
訪問調査によりこうした施設において介護サービスや食事などの提供が確認された場合には、届け出が必要となりますことから、庁内で情報共有を図り、設置者に必要な届け出を指導するとともに、必要に応じ、消防、建築などの関係部局間とも連携し、それぞれの権限に基づき指導を行ってまいります。
入居者への適切なサービスが確保されるよう、引き続きこうした取り組みを進めてまいります。

次に、ケースワーカーの増員等についてでございます。
生活保護制度を適正に運営していくためには、福祉事務所で直接受給者へ指導援助を行うケースワーカーの増員及び資質の向上などによる組織運営体制の強化が必要であると認識しており、これまでも、平成24年度当初から平成27年度当初までの3ヵ年の間に、ケースワーカーを15人増員してきたところでございます。
今後とも、国が示す標準数に近づくよう引き続き体制強化に努めるとともに、職員の健康管理面も含め、新任職員研修、福祉事務所の自主研修の充実を図りながら、生活保護制度による適切な支援を実施できますよう、職員の資質向上に努めてまいりたいと考えております。

次に、生活保護基準財政需要額に見合った施策についてでございます。
地方交付税算定における基準財政需要額は、各地方公共団体に地方交付税を配分するために各団体の標準的な財政需要を算定するもので、生活保護費に係る分につきましては、人口をベースとして一定のルールに基づき計算され、生活保護に実際に要した経費とはそもそも一致しないものでございます。したがいまして、これまでも決算額のほうが基準財政需要額を下回った年もあれば、逆の年もございました。
福祉分野においては、低所得者への施策はもとより、高齢者、障害者、ひとり親世帯など、取り組まなければならない政策課題は数多くございます一方で、その財源は限られておりますことから、それぞれの優先順位を慎重に判断し、事務事業を実施しているところであり、御提案のような低所得者に限った独自の施策は考えていないところでございます。
以上でございます。

 

 

子供未来局長(板橋秀樹)

私からは、子供の貧困に関する2点の御質問にお答えをいたします。
初めに、子供の貧困対策についてでございます。
これまで本市においても、国が策定した子供の貧困対策に関する大綱を踏まえ、教育や生活、就労など各般にわたる支援策を講じてきたところでございます。
中でも、低所得世帯の中学生を対象とした学習サポート事業につきましては、単に学習支援を行うのみならず、子供が安心して通える場におけるボランティアとの交流による社会性の育成など、子供の居場所の提供機能も含めて取り組んでおります。
今後とも、子供への貧困の連鎖の防止のために必要な施策について着実に実施してまいりたいと存じます。

次に、ひとり親家庭に対する経済的支援についてでございます。
本市におきましては、仙台市ひとり親家庭等安心生活プランを策定し、ひとり親家庭等相談支援センター事業や高等職業訓練促進給付金など、各般にわたる施策を展開しているところでございます。
このうち、経済的支援の中心である児童扶養手当につきましては、先月の国の衆議院予算委員会における厚生労働大臣の答弁にて、二人目以降の子供への支給額の増額を検討する旨の表明がなされ、また、同じく先月下旬に開催された国の一億総活躍国民会議に提示された緊急に実施すべき対策の中に、児童扶養手当の機能の充実を図ることが盛り込まれたところでございます。
現在、国においてこのような動きがありますことから、まずこれを注視いたしますとともに、本市としてもこうした国の動きに連動し、適切な対応を図ってまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

 

教育長(大越裕光)

私からは、給付型奨学金制度のお尋ねについてお答えいたします。
経済的な事情によって子供たちの就学が困難となることは我が国の損失であり、社会全体として課題解決を図ることが不可欠でございます。国においては、無利子奨学金枠の拡充が継続的に進められており、県においても、育英奨学資金貸付金の貸与に加え、昨年度からは低所得世帯に対する給付型の奨学金が支給されるなど、高等教育における学びのセーフティーネットの充実が図られております。
本市といたしましては、こうした国や県などの制度の活用を御案内することで、学ぶ意欲のある生徒、学生を支援してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

 

  再質問 

ふるくぼ和子議員

個別の施策については、今後も具体の事例を通じて検証しながら引き続き議論を発展させていきたいと、このように思いますけれども、いただきました答弁、国が設定している範囲内のものにはやるという、こういう当然の答弁以外は、市の積極性というのは残念ながら、感じられる、そういうものではなかったと思います。
そこで、3点について再質問をまずさせていただきます。

1つ目は冬季加算についてなんですが、市長のところにもこれは行っていると思うんですけれども、私たちのところにも、寒さを我慢をして、日中とにかく暖房を入れないようにしているとか、何枚も重ね着をして灯油代節約をしているといった、厳しい暮らしを訴える声というのが市民から具体的に出されています。ある70歳を迎えた生活保護利用者の方からは、冬季加算の減額と年齢による基準額の変更、これで昨年同月と比べて支給額が1万円近くも減って、お年寄りは早く死ねと言われたのに等しい、何のために国民年金も一生懸命払って頑張ってきたのか、苦しい人の立場に立ってほしい、こういうふうに訴えていらっしゃいました。
こうした市民に向かって、市長は、仕方ないんだと、我慢してねと、こういうふうに言うということなんでしょうか。財源についても、本来この分野で使うべき、使っていないということを指摘をさせていただきました。局長からは、使われない、差が出るのは当然なんだと、このような答弁がされて、上回った年まであると言われましたけれども、私が調べましたところ上回ったのは一年だけ、平成元年以降一年だけ。それも、恐らく監査が入った、この関係で影響を受けたのではないかと。こういうことですから、胸を張って、差があるのが当たり前だとか、上回った年もあるんだなんてことを言えるものではないはずなんですね。
冬季加算の削減撤回を求めていくというのは、そういう意味では当然のことだというふうに思いますし、市に来るこうした財源はちゃんと生活保護世帯あるいは低所得者への灯油代の補助などに充てて行うべきだということを求めたわけですから、もう一度ここはお答えいただきたいと思います。

求められている施策をどういうふうにしていくのかということについては、子供の貧困の問題についても同様です。政策重点化方針にのせないからこんな状況になるのかと思わざるを得ないわけですが、無策のまま支援の拡大をしない、今ある施策から枠を出ようとしない、これでどうやって子供の貧困を改善させていくということでつなげていくんでしょうか。
給付型の奨学金制度であるとか児童扶養手当の上乗せ、そのほかにも保育料、医療費、学校給食無料化、やろうと思えばできるメニューもそろっているということも紹介しました。経済的支援なしで子供の貧困の改善はあり得ないというのはもはやはっきりしている、こういう状況だと思いますから、市として独自の施策に踏み出すという、こういう決断をきちっとしていくということが求められているんだと思います。この点も再度伺います。

 

最後は、社会保障の施策の実施の立脚点、どこに置くのかという、市長の答弁に対してですけれども、国の政治が今、社会保障をゆがめて、自己責任を殊さら強調する施策を進めている、こういうときです。
直接の住民の暮らしを守る、福祉を増進する、具体的に第一問で地方自治法の条文を私そのまま地方自治体の役割ということで紹介もさせていただきましたけれども、これを憲法第25条の理念を確立してきちっとやるという立場を明確にするのかどうか。これは住民の福祉との関係でも直接問われていくことになるものですから、ここははっきりしてもらわなくちゃいけないところなんですね。
市長は、社会保障制度改革推進法も憲法の理念でできたんだという、こういうことを答弁でおっしゃいましたけれども、実際には、この法律、そういう認識では、この法律に対する認識では、市民の暮らしも憲法も守れないというのが実態になっているわけですから、これは市長にもぜひ再度お伺いしたいと思いますが、憲法25条が社会保障制度改革推進法の上位にあるはずだということで、違うのかということと、それを明確にして、憲法25条、この立場こそをという太い柱として打ち出す、そういう市長の答弁を再度求めたいと思います。

 

 

◯市長(奥山恵美子)

憲法25条と社会福祉を担います基礎自治体としての福祉施策のスタンスということについての再度のお尋ねでございます。  私は、このたび制定をされました法律、具体的には社会保障制度改革推進法ということでありますけれども、その法律につきまして、先ほどお答え申し上げましたように、この法が憲法25条と相反するものであるという議員の御認識とは認識を異にしているということでございまして、憲法25条が目指すものの範囲の中において、今日的な時代状況の中でこの法が制定されたというふうに受けとめているものでございます。  そうした認識に立ちました上で、私ども基礎自治体としては、多くの住民の皆様のさまざまな生活上の困難、それに向き合い、ともに解決の道を探っていくということは大きな責務であり、また行政として果たすべき任務でもございますので、それについては十分に皆様方議会の御意見も伺いながらこれを進めてまいるという考えでございます。

 

 

健康福祉局長(佐々木洋)

私からは、冬季加算と灯油代補助について再度の質問にお答えいたします。
冬季加算につきましては、先ほど申し上げましたように、国において物価動向ですとか低所得世帯の動向を調査の上、国の審議会において適切に手続を経て決定されたものというものでございまして、減額の一方、一定の期間の延長ですとか増額の対応、こういったものを図っておりますので、これを独自対応ということは考えてございません。
また、灯油代につきましては、ことし、11月現在でございますけれども、18リットルで1272円と。これは昨年よりも30%程度下がっているということから、灯油代補助、これを実施する状況にはございません。
以上でございます。

 

 

◯子供未来局長(板橋秀樹)

ひとり親家庭に対する経済的支援についての再度のお尋ねでございます。 国の制度以外の本市の独自の取り組みについてでございますけれども、本市におきましては、税法上の寡婦控除が適用されない、いわゆる婚姻暦のない母子家庭、父子家庭につきまして、保育料や各種子育て支援事業の利用料金の算定に当たりまして、税法上の控除を適用したものとみなして取り扱う、いわゆる寡婦控除のみなし適用、これを昨年度から開始をするなど、本市独自の取り組みにも努めているところでございます。 一方で、ひとり親家庭の子育てに関する経済的支援の中心となっております児童扶養手当でございますけれども、先ほども申し上げましたが、予算規模的にもこれが最も大きな支援となっておりまして、先ほど申し上げました第二子以降の支給額の増額、これが国のほうで検討されておりまして、仮にこれが実現した場合には、国のみならず本市におきましても相応の一般財源の負担が生じることとなりますことから、まずはその動向をしっかりと見きわめて適切に対応すると、こういう考えでおります。

 

教育長(大越裕光)

給付型奨学金についての再度のお尋ねでございます。
国におきましても、無利子奨学金枠の拡充ということで、平成28年度の概算要求においても拡充について進められておるところでございますし、また県におきましても、給付型の奨学金、昨年度から始まりまして、今、高校1年、2年、平成28年度で3年生まで完成するという制度でございますので、学びのセーフティーネットというところで改めて充実が今図られているところでございます。
本市としましては、こうした国や県などの制度の活用がまず第一と考えているところでございます。

 

 

◯ふるくぼ和子議員

市長の憲法25条は否定はしないと言いながら根本認識が違うというお話、伺いました。 再度明確にしていただきたいのは、憲法25条は、この法の、社会保障制度改革推進法の上位にある、根幹の部分にある、そういうものだということについてはきちっと認識されているのか。そして、打たれるべく社会福祉の施策はこの憲法25条にきちっと立脚をしてやられるものなのだと、それを仙台市とてもやるんだということでいいのかどうかということを、もう一度市長にはっきりとお答えをいただきたいと思います。

それと、これも市長に聞きたいんですけれども、生活困窮者への支援、困窮している、今実際困窮している市民に寄り添うことが今必要なんだけど、やるかやらないかと、こういうことが問われてきている問題だと思うんです。 ケースワーカーの方が現場で実際に必死で市民に寄り添おうとしている。幾ら努力をしていても、市長だとか市長部局の皆さんがそう思わなければ、そうでなければ、現場でも市民から求められる寄り添う支援なんていうのは実際にはできるわけがなくなるんですよね。まさか市長は寄り添う支援なんか必要ないと考えているわけではないんでしょうから、これは、長く寒い仙台の冬、大事な冬の支援です、伺っているのは。これ以上冷たい答弁は私は要らないと、市民に対してですね、思いますし、温かい答弁を再度求めたいと思います。

それと、子供の貧困の改善の問題についても同じです。市長に伺いたいんですが、経済的支援について必要ないと考えているのでしょうか。 昨日の一般質問でも議論ありましたが、貧困の連鎖を断ち切ること、今必要な支援をしっかり行うこと、これはもう絶対に必要だということは共通の認識だと思います。まして、子供の成長、ひとしく愛され健やかに育つというこの権利にもかかわってくる問題です。国の増額を待っている、そんな話もありましたが、今ですね、子供は、目の前にいる子供は、今成長して、今必要なんです。今その対応が求められている、こういう問題だと思います。 そこに独自の支援も二の足を踏んで、何かをやろうという決断さえしない。こういうことでは、まさか今の制度で十分なんだと考えているわけはないと思うけど、そうじゃないのかとやはり問わざるを得ません。何もしないで黙ってやり過ごそうなんていうことは、とんでもないことだと思います。

これも再考して、3点、最後市長にきちっとお伺いをしたいと思います。

 

市長(奥山恵美子)

再度のお尋ねで1点目でございます。
憲法25条とこの社会保障制度改革推進法ということでありますけれども、憲法というのは、私たちが最上位の法律ということで、法律の法律というふうな位置づけであるということでございます。
その中で、個別の施策を展開してまいりますためには、憲法そのものに立脚してという事務となるよりは、やはりそこに個別具体の生活保護であれば生活保護に関連する法案でありますとか、さまざまな政令等も含めて規定が制度として定められた上で、それを受けて私ども具体の事務事業を運営をしていくということでございまして、憲法から直接的にさまざまな具体の、例えば現金給付であるとか、そうしたものが導かれるものではないというふうに理解をしてございます。
その中間的な法としてのこの社会保障制度改革推進法につきましては、その設置の趣旨について、私は現行の社会情勢に鑑みこれを理解をするというお答えについては従前と同様でございます。

それから、冬季加算、また子供の貧困対策等の現金給付を含めたさまざまな新たな事業の立案、実施ということについての再度のお尋ねでございます。
さまざまな生活の困難または子供の貧困という状況の中で、私どもがその現場の実態を知り、そこに寄り添って施策を考えていかなければいけないということについては、私も同様に考えているところでございます。
しかしながら、市長としての私は、本市のさまざまな行政課題について総合的な視点から、また限られた予算を配分するという責務も負っているわけでございまして、そうした判断の中で、現時点においては、先ほど局長が申し上げましたとおり、これらの御指摘、御提示を賜りました施策については、実施ということに踏み込むまでの決断には至っていないということでございます。
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