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代表質疑 ふなやま由美議員 (6月17日)

【概要】アベノミクスの失敗と暮らしをまもる方策

 (消費税にたよらない道、マイナンバー制度、認可保育所の整備、中学生まで医療費無料に、バス路線の充実)

 

◯三十二番(ふなやま由美)

ふなやま由美です。日本共産党仙台市議団を代表して、提案されている議案及び市政の重要課題について質疑いたします。
市民の皆さんから切実な相談が毎日のように寄せられています。収入はどんどん減るのに、税金と保険料の負担、物価高のトリプルパンチ、押し潰されそう、貯蓄も底をついた、この先どうやって暮らしていけばいいのかという悲鳴です。市民生活を向上させ、安心して暮らせる政治への転換こそ、強く求められています。安倍自公政権の進める政治が貧困と格差を拡大させ、国民生活を追い詰めていることは、さまざまな指標が如実に示しています。
労働者一人当たりの実質賃金は、5年連続のマイナスとなり、5%も減っています。年収400万円の方は、20万円も目減りする計算です。非正規労働者がふえる一方で、正社員は年平均で2015年までの3年間で36万人も減っています。
GDPのうち、個人消費は消費税増税前に比べ4兆円も落ち込みました。2年連続のマイナスは戦後初めてという最悪の事態です。
七十七銀行がまとめた1月から3月期の県内企業動向調査では、景気判断指数は昨年10月から12月期に比べ15%も低下し、景況感は悪化し、県内の経済状況も深刻です。
安倍自公政権が来年4月からの消費税10%引き上げを2年半延期する方針を出さざるを得なかったのは、アベノミクスの失敗と消費税大増税路線の破綻であることはもはや明白です。消費税増税は先送りではなく、中止すべきです。
奥山市長はこれまで議会で、消費税は社会保障の安定財源、増税はやむを得ないと容認する答弁を繰り返してきました。増税延期が現実味を帯びた5月10日の定例記者会見では、増税していかないと日本社会がもたない、増税していく方向で決断していただきたいと、積極的な推進者としての発言を行いました。市民の願いには真っ向から反しています。この発言を受け、市内の中小零細業者の団体の皆さんが、増税のたびに廃業に追い込まれる実態を訴え、抗議と発言撤回を求める申し入れを行っています。
増税を推進する市長の考え方の大もとにあるのが、社会保障の財源は消費税増税しかないという認識です。この認識こそ、市長は改めるべきです。いかがでしょうか。

消費税は、所得の少ない人に重くのしかかる最悪の不公平税制です。中小企業の6割が売り上げに上乗せできず、身銭を切って納めていますが、輸出大企業は、商品の仕入れにかかったとされる消費税は全額還付されます。税率が上がれば上がるほど還付金がふえるという、こんな大企業優遇はありません。
また、多国籍企業や富裕層が課税を免れるため利用しているタックスヘイブンの実態を暴露したパナマ文書が、世界を揺るがす大問題になっています。日本銀行の国際収支統計では、ケイマン諸島への日本からの証券投資の残高は約75兆円にも上り、安倍政権発足後の3年間で約25兆円もふえています。大企業や富裕層が税逃れをするなどというのは言語道断であり、国内税制の強化と国際的なルールづくりを行い是正すべきです。こうした対策を強め、適切な課税を行えば、消費税増税は全く必要ありません。
また、年所得1億円を超えると負担が軽くなる優遇税制や、301兆円もの内部留保をため込む大企業への法人税減税を改めれば、社会保障の財源はもっと豊かになります。応能負担と累進課税の原則を貫く税制への転換を国に強く求めるべきです。市長、いかがでしょうか。

第九十六号議案、一般会計補正予算(第一号)で提案された補正予算額は12億7500万円で、その3分の1の金額がマイナンバー制度とインバウンド推進事業に充てる予算となっています。
マイナンバー制度には、2014年度からの3ヵ年で本市の関連事業費は38億5000万円余のうち、市は27億円も負担する見込みです。
日本共産党仙台市議団は、マイナンバー制度が大量の情報漏えいや成り済まし犯罪の危険性を招くものであり、百害あって一利なしと繰り返し指摘してきました。この間、全国の自治体では、誤ってマイナンバーが住民票に記載される、異なる人に同じ番号が割り振られるなどのミスやトラブルが続出しています。さらに、地方公共団体情報システム機構のシステムがたびたび不具合を起こし、目の前に市民がいるのにカード発行ができない事態が発生しています。
本市でも、各区役所で市民が交付を受けるのに何時間も待たされたり、休日交付が始まった先月28日には、県庁の点検のための停電で、受け取りに来た市民全員にカードを渡せないというトラブルが起きました。便利になるからと大宣伝しておきながら、市民には大迷惑をかけています。
窓口対応に追われている各区の職員の多忙と疲弊を市長はどのように受けとめておられるのでしょうか。
カードを発行するだけでこんなに大変なのに、セキュリティーはますます心配です。十重二十重の対策を講じるから心配ないと強弁してきた市当局は、ここに及んでも胸を張って大丈夫などと言えるのでしょうか、お答えください。

補正予算には、保育施設の整備のための借地料や賃貸物件改修費などの補助額として3億6000万円余が計上されています。これは単純に国からの増額分を加えただけで、市が当初計画として見積もった箇所数がふえるわけではありません。市民が切実に願う保育所待機児童の解決や、安心の子育て支援を行うための思い切った追加提案こそ必要です。
市が公表した4月1日現在の保育所待機児童数は213名となっていますが、全く実態とはかけ離れた数字となっています。待機児童を少なく見せかける国の定義に合わせているために、育児休業中や幼稚園の一時預かり事業の利用者、特定の保育園等のみ希望する場合などを除いているためです。
市民からは、保育所が決まらないために職場復帰ができない、せっかく内定した仕事を辞退せざるを得ないという切実な声が出ています。保育所側からも、一時預かりは保育所に入れなかった方々で満杯、本来の一時預かりの機能を果たせないと解決を求める声が寄せられています。
認可保育所申込者数から入所児童数を差し引いた人数は1102人です。認可保育所を希望しても入れない人の数を待機児童としてカウントし、地域の保育ニーズと待機児童の実態をつかんで整備していくべきです。いかがでしょうか、伺います。

よりよい保育を行うためには、保育士の賃上げと処遇改善が欠かせません。ある男性保育士は、月14万円の給料しかない、最近結婚したが、家族を支え働き続けられるか心配だと話しておられました。
保育計画や記録の作成、教材準備などのため長時間労働やサービス残業が常態化し、有給休暇もとれません。保育士の平均賃金は、全産業平均より月12万円も低くなっています。このことが保育士不足の最大の原因です。
ところが安倍政権は、保育士確保を理由に、長時間開所する保育所では無資格者でもいいとする規制緩和を進めようとしています。保育士の専門性を否定し、保育の質の低下につながる規制緩和は行うべきではありません。必要なのは保育士の処遇改善のための賃上げであり、国が抜本的な対策を行うよう強く求めるべきです。
さらに、自治体独自で積極的な施策も広がっています。横浜市では6万円を上限とした家賃補助制度を行い、福岡市でも勤続年数に応じた業界補助金制度をつくり支援しています。
保育士の処遇改善のための市独自の施策を行うべきです。あわせてお答えください。

保育の規制緩和と市場化路線の中で、本市でも保育所に株式会社が参入していますが、見過ごせない事態が起きています。ある株式会社立の保育所で、慢性的な人員不足のため、研修という名目で福岡や東京の同系列の保育所で働かされる。クレヨンや絵本などの教材は保育士が自分で買わないといけない。子供のための保育が行えない。耐え切れず保育士が大量に退職しているという実態が告発されています。
この会社はこれまで認可外保育施設を中心に全国展開をしてきました。そこで使われている職員の心得マニュアルには、当社は社会福祉ではなく企業である、福祉でなく営利組織であるとうたわれ、職員にはその意味を理解して業務に当たれと求めています。
保育は子供たちの命を守り育てるとともに、保護者支援を行う福祉の専門機関です。その役割を十分に果たしているのか、しっかりと指導を行い、改善させるべきです。いかがでしょうか。

市は、かつて52ヵ所あった公立保育所を既に7ヵ所も廃止し、現在は4ヵ所の廃止を具体的に進め、今後、22ヵ所の拠点保育所しか残さない方針です。
長年愛されてきた保育所は地域の大切な宝です。幾ら引き継ぎを十分に行うから心配ないといっても、保育内容そのものを引き継ぐことはできません。民営化した後の保育所の運営も大変です。昨年4月から廃止、民営化となった愛子の保育園では、一年間で10名も一気に保育士が退職したそうです。公立保育所ではあり得ないことです。
障害児の受け入れ、アレルギーや福祉的な支援が必要な子供の対応、地域の子育て支援と公立保育所の役割は、以前にも増して大きくなっています。よりよい保育の実践に市はみずからの責任を果たすべきであり、公立保育所廃止方針は改め、必要な整備を進めるべきです。いかがでしょうか。

村井知事が子ども医療費助成制度を拡充させることを明らかにしました。宮城県の対象年齢は、外来は2歳児まで、入院は就学前の児童までで、所得制限を設けて対象者を限定し、全国最低です。子ども医療費助成の拡充は県民の切実な願いであり、その運動は40年来続けられてきました。県内全ての議会で、党派を超えて県に助成制度の拡大を求める意見書を採択しています。県が拡充方針を示したのは、こうした県民の粘り強い運動の成果です。
市長は、拡充の内容を問う議会質問に対し、県内市町村のレベルを勘案することや、県の示す拡充の水準を超えて市が行うことを明らかにしました。県内8割以上の市町村が行っているように、中学校卒業までの年齢拡大はもちろんのこと、一部自己負担をやめて、所得制限も撤廃させる内容となるよう、真っすぐに実施すべきです。お答えください。

東日本大震災から5ヵ年が過ぎ、被災した市民の生活の困難さは一層切実さを増しています。ところが、今議会の補正予算には、昨年度末で使い残した185億円の復興基金を活用した被災者向けの支援は1円も提案されていません。
熊本地震が発生し、大規模な地震災害が日本全国いつ発生してもおかしくない状況の中、東日本大震災の教訓を生かす取り組みが求められています。それなのに、大震災を経験した政令市仙台が、復興基金を被災者のために使わないという恥ずかしい教訓を全国にさらしています。直ちに補正予算を組んで、安心の生活を取り戻せる支援に力を注ぐべきです。
津波被災した約4100世帯を対象に、住宅の再建をした場合、20万円を市独自で支給する津波被災者再建支援金制度が6月から始まっていますが、制度周知の徹底が必要です。
被災時、借家だった世帯や、災害危険区域で住宅を修繕している世帯の合わせて約1300世帯が対象から外されるという問題があります。対象を広げるための予算額は2億6000万円あればできます。宅地被害を受けた世帯を含め対象を広げるべきです。お答えください。
復興はまだ終わっていないのに、入居期限だからといって、被災者を仮設住宅から無理やり追い出すべきではありません。被災者が切実に願っている住まいの再建を果たせるように、住宅再建のさらなる補助や仮設住宅退去後の家賃補助制度など、復興基金を活用した思い切った支援策を今すぐ実施すべきです。お答えください。

市は、被災者への医療、介護の免除制度を3月末で非情にも打ち切りました。東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターでは、県内の復興公営住宅やプレハブ仮設住宅の入居者にアンケート調査と電話相談を行っています。5月17日以降のわずか3週間で、401通もの回答が寄せられました。回答のあった方のうち、98.5%が健康不安を訴え、受診を中止した方が14.2%に上ります。
このアンケートには、私も持病がある。夫は3年前にがんになり2回手術を受けたが、3回目の手術は受けられない。いっそ二人で死にたい。同じ病室の人は石巻と多賀城なので免除が受けられて、自分は仙台市民だから受けられないという切実な訴えが寄せられています。
市長、住んでいる自治体によって支援に格差をつけ、被災者の命綱を断ち切ってしまったことを猛省し、復活させるべきです。いかがでしょうか、お答えください。

高過ぎる国保料を引き下げることが市政の大きな課題です。国がこの間、保険料引き下げに充てるためとして、1700億円の財政支援を行っています。本市分は、昨年度14億円、今年度も14億7000万円入る見込みです。加入者一人当たり約6500円引き下げできる金額です。
ところが、保険料率は基礎賦課額では、所得割は0.14の増加、被保険者均等割で1800円、世帯別平等割で1560円と、いずれも昨年度より値上げです。国の財政支援が行われるのに、なぜ保険料は値上げとなるのでしょうか。
国保加入世帯の一人当たりの平均所得は78万2900円です。所得の10%から15%近い保険料を賦課するという異常に高い保険料のため、納め切れず収入未済額はふえています。
市は、ことしの賦課総額を決める際、収納率を91%と見込んで計算し、保険料を約一割近く高く設定しています。その影響額は19億6000万円で、一人当たり約8600円も高くしています。少なくともその分は市が一般会計で見るべき内容です。
また、決算をしてみれば、保険給付費が少なく済んだり、国庫負担分が見込みより多く来たことで、一般会計からの仙台市の独自繰入金を必要額使わずに済む事態となっても、市民には保険料を多く集め過ぎましたから還付しますとは絶対に言いません。
国庫負担増額はもとより、一般会計からの繰り入れを初め、あらゆる努力を行って国保料を引き下げるべきです。お答えください。

先日、仙台市秋保地区を会場にG7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議が開催されました。震災復興とSENDAIの名を世界に発信し、大規模な国際会議を開ける都市として評価を高めると意気込んで誘致したものです。
しかし、予定した被災地ツアーに参加した会議関係者のうち外国人は一名のみ、秋保を会場にした地元歓迎企画も、オープニングの時点ではほとんど会議関係者や海外プレスも参加できず、空振りに終わった感が強いと地元紙も報道しています。
秋保地域の住民の皆さんからは、磊々峡や遊歩道整備、樹木の剪定など環境が整備されてよかったという声が寄せられる一方、検問や物々しい警備で移動も制約された、緑のすがすがしい季節なのに、一般の観光客は訪れず店はがらがら、費用対効果を検証してほしいという声が寄せられています。
今回の会議が地域経済活性化に役立ったのか、市はどのような評価をしているのか伺います。

補正予算には、インバウンド関連予算に1億8750万円が計上されました。今年度から3ヵ年の仙台市インバウンド観光復興対策実施計画を進める方針です。外国人延べ宿泊者数を昨年度11万6000人のところを15万9000人へ、外国人旅行消費額を6億7000万円にすることを目標に、積極的なプロモーションや受け入れ環境整備、国際会議等を誘致していくとしています。これは、安倍政権のインバウンド戦略のばらまき予算に乗っただけです。
今、全国の自治体が外需頼みの政策を競い合って進め、国際会議の誘致合戦、そのための箱物や町並みを整えることに躍起になり、血税が注がれています。都市間競争に明け暮れるのではなく、歴史、伝統文化や豊かな自然環境など、仙台市独自の資源や魅力にこそ磨きをかける努力を粘り強く行うべきです。いかがでしょうか。

また、中小企業、小規模事業者のなりわいを支える経済政策を柱に据え、雇用者報酬など市民の所得の向上、雇用確保と安定を図っていくなど、個人消費の力をつけ、内需をもっと温める経済政策に力を注ぐべきではないでしょうか、お答えください。

第九十九号議案は、東北大学農学部跡地の雨宮地区計画の区域内の建築物に関する制限を定めるものです。約10.2ヘクタールの広大な土地を、商業施設地区、医療福祉施設地区、集合住宅施設地区の三区域に分けた事業計画が都市計画審議会で決定されています。全体をイオンモールが220億円で落札しました。医療福祉地区は仙台厚生病院が進出することになっています。
跡地活用の検討に当たっては、市は、地域経済団体を含め民間の方々とともに、東北大学キャンパス移転まちづくり会議をつくり、協議をしてきた経緯があります。この中で、居住機能を主とする複合市街地の再構築モデルと位置づけ、知的交流活動の促進や貴重な樹林や歴史資源の保全、活用、周辺幹線道路への自動車交通負荷の抑制、学校等公共施設配置と調和した人口配置計画となることが提言されています。
6月9日に開催された仙台市環境影響評価審査会では、樹木の保存について、契約が更地での引き渡しになっていることや、合流式下水道処理区域内に位置することから、汚水の流入による梅田川への影響、雨水対策などの改善が指摘されています。
地域住民の方々からは、交通渋滞が心配、市街地で貴重な緑はどんどんなくなっていく、杜の都の環境を守ってほしいという声が寄せられています。
仙台市の都市計画が開発業者任せで、後で振り返れば、こうした提言が全く生かされなかった、まちの姿が市民の願いとはかけ離れてしまったということがあってはなりません。いかがでしょうか、お答えください。

市民生活に欠かせないインフラとして役割を果たしているのが公共交通です。市は、地下鉄東西線中心主義とも言える、極端な交通政策を行っています。無理やりバス路線の廃止や減便を行ったことで、市民からバスを返してと悲鳴が上がっています。
先日、日本共産党仙台市議団は、公共交通アンケートの報告と公共交通の充実を話し合うタウンミーティングを行いました。このアンケートには約三千五百通もの回答が寄せられ、東西線ができて便利になったとの回答はわずか12%でした。とりわけ若林区では不便になったという回答が73%に上ります。その理由はバス路線の再編が圧倒的です。
特徴的なのは、東西線を実際に利用している人の中でさえ38%が、若林区に至っては何と52%が不便になったと答えていることです。便利になったなと思って東西線に乗っているのではなく、不便だなと思いながら乗っていることがわかりました。
タウンミーティングでは、宅地被害の上にバスも減便され、このまちに住み続けていけるのか不安でならない。バス停がなくなり、通学のため親が車で送ることになってしまった。高齢者や障害者など弱い立場の人たちに負担がより多く降りかかっているという意見が寄せられました。
バス路線の廃止・縮小は、市民の交通権を根底から壊し、交通難民を生み出し、病院や買い物に行きたくても行けない事態を生じさせています。
アンケート結果では、市バスや宮城交通、愛子観光などバスを利用している回答者はどの区でも9割を占めており、バス交通の充実が市民全体の願いであるとわかりました。東西線中心の交通政策から、市民生活に根差した交通としてバスを位置づけ直し、廃止・減便をやめ、バス路線の復活を直ちに行うべきです。いかがでしょうか。

また、公共交通政策は、福祉や教育、地域経済などいろいろな側面から市が支えるべき課題です。例えば、コミュニティバスを独立採算でなく、福祉的な観点で市が行うことなどです。どの地域に住んでいても、安心して住み続けることができる公共交通政策をつくるべきです。伺います。

第百三号議案工事委託契約の締結に関する件は、JR岩切駅構内の南北自由通路新設と橋上駅化するためのもので、長年の住民の願いが実現したものです。
ほかにも市内にはまだまだ改善が必要な駅が残されています。例えば、県内JR駅の中で乗降客数が4番目に多い南仙台駅です。
今年度、この駅の自由通路にバリアフリー対策としてエレベーターが設置される予定です。車椅子で西口から東口には渡れない。杖をついた高齢者の方がやっとの思いで自由通路の階段を上りおりしなければならず、何とかしてほしいという声を私も伺ってきました。エレベーター設置は地域住民の願いに応えるものであり、一歩前進です。
この地域は、鉄道によって東西に分断され、交通渋滞等、日常生活に支障を来しています。連合町内会の皆さんが中心となり、中田地区鉄道高架化・まちづくり勉強会も重ねていますが、仙台市は、厳しい財政の中、鉄道高架化に巨額の事業費を要するので困難という回答を続けています。しかし、いつまでも後回しにしておくことはできません。
高架化を進めるために解決すべき課題は何なのか明確にし、地元住民にも示して協議していく必要があると思いますが、いかがでしょうか、伺います。

第百一号議案は、宮城学校給食センター及び加茂学校給食センターを廃止するとともに、調理能力1万1000食もの南吉成学校給食センターを設置するものです。これにより、市内全てのセンターが1万食以上の大規模センターになります。
給食は教育の一環であるというのが学校給食法の精神です。食育基本法には、食育を、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置づけることを明確にしています。PFIの活用や大規模化を進めれば進めるほど、食材の供給や安全・安心の調理は大きなリスクを伴います。調理現場にも労働強化と不安定雇用を押しつけるものです。
群馬県高崎市は自校方式による地産地消で全国的に有名ですが、100%県内産の米はもちろん、食材のうち約半数が県内産野菜です。本市の給食センターにおける一週間分の献立から原材料の資料をいただき、分析したところ、県内産は15.3%だけでした。
地元でとれた食材を子供たちが食べることは、生産者の苦労を学び、郷土への愛着も深まることにつながります。仙台市の給食を豊かに発展させていくために、自校方式を基本に組み立てていくべきです。中学校との親子方式や、太白給食センターの改修時期に合わせ、順次自校方式へ切りかえる方針に転換していくべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

第百二号議案は、公職選挙法施行令の改正に伴い、市議会議員及び市長の選挙運動にかかわる条例の一部改正です。
選挙は、国民主権、議会制民主主義の根幹をなすものですが、近年、投票率が低下しています。政治そのものへの信頼を得る政治家自身の努力が必要なことは言うまでもありません。さらに、投票率向上のための啓発活動の充実や、もっと選挙がしやすい環境改善が必要です。
高齢化が進む地域では、投票所まで遠くて行けない、区域内で身近なところに投票所の設置をしてほしいという要望も寄せられています。また、施設入所者の方からも、投票したいができないという声も寄せられます。
身近な場所への投票所の設置や、病院や施設への周知を徹底し、要請があれば選管が出向くなど改善すべきです。いかがでしょうか。

また、郵便投票制度を知らないという声や、対象が厳し過ぎて、自宅で介護が必要な方が投票したくてもできないという実態があります。郵便投票制度は要介護5しか認めず、また障害の種類によって制限があります。現在、要介護5の方だけで約3500人、対象の身体障害者手帳を持っていらっしゃる方は1万490人、そのほかに戦傷病者手帳保有の方もいらっしゃいますが、昨年の県議選挙では、郵便投票者は149名にとどまっています。
投票したくてもできなかったと諦めることがないように、制度をきちんと周知することが必要です。そのお知らせの際に、例えば対象者には郵便等投票申請書も事前にお届けするなどの工夫が必要ではないでしょうか。また、精神障害の方や要介護5未満の方なども対象とするよう、拡大を国に求めるべきです。いかがでしょうか、あわせてお答えください。

ことしの参議院選挙から18歳選挙権が初めて実施されます。幅広い民意が議会に反映されることは議会制民主主義の発展につながります。
青年層に対する主権者教育の充実と投票しやすい環境づくりも必要です。昨年四月の統一地方選挙で、大学キャンパス内に期日前投票所を設置した大学は、弘前大学、大阪大学、高知大学を初め12大学に上ります。学都仙台として若い世代の方々の大切な権利保障として、大学キャンパスへの期日前投票所の設置が必要ではないでしょうか。どのような検討を行ったのか伺います。

18歳選挙権の実施を受け、文科省は、高等教育における政治活動に対する通知とQ&Aを作成しています。この中で、校外で実施される政治活動については、家庭の理解のもと、生徒が判断し行うものとしていますが、学校側が必要かつ合理的な範囲内で制限や禁止を含め適切に指導すると、制限できる内容を盛り込んだために、全国では、政治活動参加に対して生徒に届け出を求め、生徒を萎縮させ、自由な活動を制限するという問題が起きています。
18歳選挙権への拡大について、国家、社会の形成に主体的に参画していくことがより一層期待されるとし、そのための主権者教育が大事としておきながら、自由な活動を制限することは、憲法の保障する思想信条・良心の自由、言論・表現の自由を著しく侵害するものです。
若者の国政選挙の投票率が80%を超えるスウェーデンでは、若者を民主主義の担い手として育てることが共通の認識で取り組まれ、教育、雇用やまちづくりなどに若者の提言を取り入れ、積極的に改善させています。
教育基本法第十四条では、政治教育について規定しています。その第一項では、良識ある公民として必要な政治的教養は教育上尊重されなければならないとしています。
主権者教育の中で生徒が身につけるべき力は、さまざまな政策について広い視野で多面的に考えることができる判断力、異なる意見の中でお互いに尊重し合いながら、自分の考えを明確に伝える力です。そのためには、判断材料として政治的知識を保障することが大事と考えますが、いかがでしょうか、伺います。

次に、原発問題について伺います。
福島原発事故から5年が経過しても、いまだに約10万人もの人々が故郷を奪われ、避難生活を余儀なくされています。原発には、ほかの技術にはない、異質の危険性があります。
女川原発の再稼働がまともな避難計画もつくられないで進められようとしていることに、市民が不安を抱くことは当然です。事故時の風向きによっては、仙台市が放射性プルームの直撃を受ける可能性を考慮しなければなりません。県の示す広域避難計画も、現実的には実行不可能なものと言わざるを得ません。
先日、日本共産党仙台市議団は、大間原発差しとめ自治体訴訟に取り組んでいる函館市へ調査に行き、ここで、なぜ市長が原告になり立ち上がっているのか、伺ってきました。
訴状には、大間原発に事故が起これば、福島第一原発事故とは比較にならないほど深刻に、函館市民の生命、身体、安全な生活、財産が脅かされ、さらには家族、地域社会が破壊される。地方自治体としての機能を喪失させられるなど、途方もなく甚大な被害を生ずることは明らかであると明記しています。
市民の生活を守る役割を果たす自治体の任務として当然の立場を明確にし、市民とともに取り組んでいることに感銘を受けました。
今月28日には東北電力株主総会が開催されます。この中で株主から、所有する原子力発電所を再稼働させず、廃炉作業を開始することや放射性物質の責任管理、核燃料再処理事業への投資の中止など、5項目の議案が提出される予定です。
519万の大株主である仙台市が、議案に賛同する立場に立ち、原子力に依存しない社会をつくり、市民の生命と財産を守る自治体の役割を果たすことを強く求めます。いかがでしょうか、お答えください。

最後に、市長の政治姿勢にかかわって伺います。
共同通信が行ったアンケートで、自民党が憲法改正案に明記するとしている緊急事態条項に関して、東日本大震災の被災3県の知事と市町村長42名のうち、98%が発生当初の人命救助や復旧は条項がなくても支障が出なかったと答えていることが報道されています。
奥山市長も、昨年5月の定例記者会見で、東日本大震災の発災を受け法改正が必要と実感したが、憲法改正が必要とは考えていない。緊急条項で国に権限を一元化するよりも、もっと地元の自治体が高い自由度をもって、予算や権限を心配することなく、救助活動など必要な活動に移れることが大事との見解を示しました。
最も住民の身近な場所で支援に当たる地方自治体が、住民ニーズを酌み取り、迅速に災害対応に当たるべきであり、国の指示待ちでは始まらない。ましてや、憲法改正の理由に大震災を取り上げ、緊急事態条項が必要などという理屈は当てはまらないことを示されたものと思いますが、御所見を伺います。
地方自治体の本旨に常に立ち返って、住民福祉の向上に力を尽くす仙台市政の実現を強く求めて、私の第一問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)

 

◯市長(奥山恵美子)

ただいまのふなやま由美議員の御質問にお答えを申し上げます。
大災害発生時における災害対応に関連してのお尋ねでございます。
東日本大震災の発災直後から実際の救助に当たってまいりました本市の経験に照らしますと、政令指定都市には災害対応全般を担い得るその体制やノウハウ等が備わっているにもかかわらず、現行の枠組みの中では、これらの持てる力が十分に生かし切れないという、そうした歯がゆさを感じたところでございました。
こうしたことから、自然災害を受けた住民の救助や生活支援につきましては、大規模な災害といえども、緊急事態条項による国への権限の一元化といった方向よりも、災害救助の最前線で対応に当たる基礎自治体による、より主体的かつ自立的な支援が可能となるような、そうした体制づくりが重要と認識をしているところでございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長並びに選挙管理委員会の事務局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

◯まちづくり政策局長(大槻文博)

私からは、まず、マイナンバー制度に係るセキュリティーについてお答えいたします。 個人番号を取り扱う環境に関しましては、これまでもシステムのセキュリティーや制度の運用面における個人情報の保護を徹底して図ってまいりました。 国におきましてもセキュリティーの抜本的な強化を打ち出しているところであり、本市といたしましても、ほかの自治体との情報連携に活用する総合行政ネットワークへの接続環境をインターネットから切り離すほか、端末からの情報の持ち出しを制限するなどのさらなる対策を進めております。加えて、今年度から職員向けにマイナンバー制度に係るセキュリティー研修を実施するなど、人的対策の強化にも努めております。 今後も、来年七月からの情報連携開始に向け、引き続き万全の対策を講じてまいる所存でございます。

次に、G7仙台財務大臣・中央銀行総裁会議についての御質問にお答えします。 今回の会議では、仙台、東北の知名度向上や風評被害の払拭のために、大臣など発信力の高い会議参加者や報道関係者に、復興状況や地域の魅力を実際に見ていただくということを目標にいたしました。 特に、今回来訪された報道関係者は国際経済を専門とする方々が中心ではございましたが、できるだけ復興や地域観光を取材していただくため、本市が働きかけを行って、大臣、総裁の厳しいスケジュールの中、仙台城跡での記念撮影や沿岸部の公式視察を実現したことで、それぞれ仙台市の名前とともに写真入りで大きく報道されたところでございます。 また、公式視察に同行できない各国参加者や報道関係者などのために、お忙しい中での御要望にできる限り柔軟に応えるべく、各種のツアーや秋保の文化を味わっていただくイベントなどを種々御用意した結果、60名近い外国の方々に参加をいただいて、さまざまな報道やSNSでの拡散につながったところでございます。 今回の会議開催実績や知名度の向上を最大限に活用し、今後のコンベンション誘致など交流人口の拡大に取り組み、地域経済の活性化を図ってまいりたいと考えております。 以上です。

 

◯財政局長(板橋秀樹)

私からは、三点の御質問にお答えをいたします。

初めに、消費増税に対する認識についてでございます。
この問題は、我が国の将来の社会保障制度の維持及び充実に向け、必要な経費を国民全体でどのように分担していくかという国家レベルで議論されるべきものでございまして、多様な御意見がある中で、最終的に国会の議決により法律で定められたものでございます。
先般、政府において引き上げ時期の再延期方針が示されましたが、さまざまな社会保障政策を担う基礎自治体といたしましては、今後予定されている子育て支援策の充実などに影響を及ぼすことのないよう、必要な代替財源をしっかりと確保するとともに、将来的な増大が避けられない社会保障経費について、引き続き国民に対する説明責任を果たしながら、国の責任のもとで確実な財源確保に努めるべきものと考えております。

次に、富裕層や大企業に対する税制についてでございます。
租税負担の制度につきましては、応益負担、応能負担、公平性などさまざまな観点に基づいて設計がなされてきたところでございます。
御指摘の高額所得者に対する税制につきましては、例えば株式の譲渡益に対する課税における問題点を今後国において議論を行っていく考えであると伺っております。
また、法人税減税につきましては、企業の収益力を高めることにより、企業に対し積極的な投資や雇用の拡大等を促し、経済の活性化を図ることを国において目指しているものと受けとめております。
いずれにいたしましても、税負担のあり方につきましては、将来の社会保障経費の増大など多くの課題を抱える中で、異なる立場の多様な御意見がございますが、広く国民の合意を得られるよう、国会の場等を通じて十分な議論がなされていくべきものと認識をいたしております。

最後に、東北電力株主総会に向けた対応についてでございます。
東北電力の株式につきましては、本市がかつて行っていた電気事業を、国の方針により譲渡した際に取得したものを財政調整基金で保有しているものでございまして、基礎自治体という立場からも、本市といたしましては、市民生活や経済活動に必要な電力が安定的に供給されることが重要と認識をいたしております。
過日、原発に反対する立場の方々から株主提案への賛同を求める要望を受けたところでございますが、株主総会に向けましては、本市の基本的な考え方に沿って、提案された議案の内容を十分精査の上、適切に対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯市民局長(寺田清伸)

私からは、マイナンバーカードの交付に携わる職員の業務状況についてお答えをいたします。
カード管理システムに起因した窓口の混雑などにより、市民の皆様には御迷惑をおかけしております。
この間、各区役所、総合支所の職員は、カード交付を円滑に進めるため市独自に作成した手順書により対応してまいりました。また、カード交付の特設会場の設置に当たりましては、必要な職員数を別途配置してきたところでございます。
現在はシステムへのアクセス状況が若干改善しておりますことから、他の自治体の効果的な取り組みも参考にしつつ、さらなる工夫を重ねることにより窓口の混雑解消につなげてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯健康福祉局長(佐々木洋)

私からは、国民健康保険に関する二点の御質問にお答えいたします。 初めに、被災者に対する国保と介護の一部負担金等の免除についてです。 免除の実施については、各自治体の被災状況や国保の運営状況に応じ、それぞれの判断がなされたものと認識しております。 本市としては、国の全額財政支援が確実に見通せない状況の中、責任を持って国保制度を運営していくためには、免除を終了せざるを得ないと判断したものでございます。 今もその事情は変わっていないことから、免除を実施できる状況ではないと考えております。

次に、国民健康保険料の引き下げについてでございます。 国民健康保険は、医療給付費を公費と保険料の折半で賄う形となっているため、医療給付費が増加し続けている現状においては、それを賄う保険料も増加することとなります。こうした状況の中でも、消費税8%による増収分を財源として交付された約14億7000万円など、国の財政支援を最大限に活用し、保険料負担の増加を抑制するほか、低所得者世帯を対象とした本市独自の減免によって負担軽減に努めているところでございます。 一般会計からの法定外繰り入れは、医療費の増嵩などによる収支差を補填し、国保事業の安定運営のために計上しているものであり、保険料を一律に引き下げるために繰り入れるべきものではないと考えてございます。 保険料負担の軽減には国保財政が抱える構造的な問題の解決が不可欠であることから、国の財政支援のさらなる拡充を今後とも強く働きかけてまいりたいと存じます。 以上でございます。

 

◯子供未来局長(福田洋之)

私からは、まず、保育ニーズを踏まえた施設整備についてお答えいたします。
本市におきましては、昨年3月のすこやか子育てプラン2015の策定に当たり、就学前児童を持つ家庭を対象としたアンケート調査をもとに、潜在的な保育需要を含む今後の保育ニーズを推計し、それに対応した整備計画を定めて取り組んでおります。
また、保育施設等の整備に当たりましては、従来の認可保育所だけではなく、新制度のもとで新たに認可事業となりました小規模保育や家庭的保育、事業所内保育などさまざまな事業を組み合わせて、保育基盤整備を推進することとしております。
今後も、プランで見込んだ保育ニーズに対応したさまざまな保育基盤の整備拡充を図るとともに、事業間での効果的な入所調整などを行い、待機児童解消を目指してまいりたいと考えております。

次に、保育士の処遇改善に関するお尋ねでございます。
保育の現場を支える保育士の処遇改善は重要な課題であり、子ども・子育て支援新制度が開始した昨年度には、国において、人事院勧告に従った2%と、消費税財源を活用した3%相当、加えて補正予算においてさらに1.9%相当の処遇改善が実施されたところでございます。
また、来年度予算においては、さらに2%相当の改善に加え、技能、経験を積んだ保育士についての追加的な処遇改善の実施が検討されており、今、一歩ずつ制度の拡充が図られている状況にあるものと認識しております。
家賃補助などの施策を実施している自治体もございますが、安心して子育てができる社会の実現のためには、保育士の処遇改善は、国の責任において安定財源を確保しながら取り組むべき問題でありますことから、今般、全国市長会としても、国に対し保育士の処遇改善を要望したところでございます。
今後も引き続き、国の動向を注視していくとともに、機会を捉えて国に対し必要な要望を行ってまいりたいと考えております。

次に、保育所に対する指導についてお答えをいたします。
保育所は保護者にかわって児童を保育し、児童の心身の健全な発達を促す役割を有している施設でございまして、その役割を適切に果たしていただくために、運営法人の形態にかかわらず、関係法令や運営基準に沿った適切な運営をしていただく必要がございます。
本市では、全ての保育所等を対象に毎年指導監査を実施し、児童の処遇や施設の運営管理体制について確認した上で、必要な場合には適宜指導を行っているところでございます。
また、保護者等から苦情や相談があった場合には、随時訪問などを行い運営状況等を確認し、保育現場の責任者に対する指導のほか、必要に応じ保育所運営法人の責任者に対する指導も行っております。
今後も保育所等の適切な運営がなされるよう指導を行い、保育の質の確保に努めてまいりたいと存じます。

次に、公立保育所の民営化に関するお尋ねでございます。
民営化を行った保育所におきましては、移行後の保育の実施状況の確認や、必要に応じた指導、助言を行うことにより、保育の質の維持、向上が図られるよう支援に努めております。また、近年は障害児やアレルギーのある児童の増加など、保育を取り巻く環境は変化しており、本市でも研修の充実を図るなど、保育の質の維持、向上に取り組んでいるところでございます。
老朽化した公立保育所につきましては、児童が安全で快適に過ごせるよう早期の建てかえが必要であり、その実施に当たっては、保育総量の拡大と並行して着実に推進していくべきと認識しております。
限られた財源を有効に活用し、子育て支援施策を一層拡充していくためにも、保育の質の確保に向けた支援を行いながら、今後とも民設民営による建てかえを基本として計画的に推進してまいりたいと考えております。

最後に、子ども医療費助成に係るお尋ねでございます。
子ども医療費助成制度につきましては、今後、具体的な制度設計を進めてまいることとしております。
現行制度における一部自己負担金や所得制限につきましては、限りある財源の効果的な配分等の観点から導入しているものでございます。
以上のような点にも留意しながら、将来にわたって安定的に持続可能となる制度とすべく検討を進めてまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯経済局長(石川浩史)

私からは、内需拡大に向けた経済政策についてお答えいたします。
本市経済の活性化にとって、安定した雇用の確保や所得向上による消費拡大とこれに伴う投資創出など、内需拡大に向けた取り組みは重要でございますが、本市には、それに加えて、東北の中枢都市として地域経済の活性化を牽引するという役割が求められているものと認識しております。
このため、これまでも起業日本一を目指した取り組みや企業誘致、経営力強化に向けた施策などを進めてまいりましたが、また、中小企業活性化会議でも、販路開拓や商品の高付加価値化による域外需要の取り込みに向けた御意見をいただき、さらなる取り組みを進めているところでございます。
今後とも、外需の獲得と経済循環により東北経済の持続的な発展に貢献できますよう努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯文化観光局長(館圭輔)

私からは、本市独自の観光資源の活用についてお答えを申し上げます。
仙台城跡や瑞鳳殿など伊達政宗公の歴史にまつわる観光スポットや、自然豊かな町並みは本市を代表する観光資源となっており、本市が昨年度に実施した観光客動態調査でも、歴史・文化観光、自然・景観観光が本市への訪問目的の上位に上がるなど、本市の観光の強みとなっていることが改めて裏づけられたところでございます。
今後、他都市との差別化の上でも欠かせない本市ならではの観光資源を大切にし、一層の磨き上げを行いながら、国内外からの観光客の誘致を進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯都市整備局長(鈴木三津也)

私からは、都市整備局に係ります数点のお尋ねにお答えをいたします。

初めに、住宅再建支援についてでございます。 津波被災者再建支援金制度は、本市が独自に創設したものでございまして、津波浸水区域においては、住宅や家財の流出など、他の区域に比べまして被害の程度が大きいものの、生活再建支援制度による支援が、必ずしもその被災程度に応じたものとなっていないことを踏まえたものでございます。 このような制度の目的、これまでのさまざまな住宅再建支援制度とのバランス、さらには安全な住まいの再建を後押しするという観点から、借家にお住まいだった方々、災害危険区域に居住を継続されている方々、津波被災地域以外の方々に対して対象を広げることは考えてございません。 また、本市ではこれまで、被災された方々の御要望や議会での御議論などを踏まえ、さまざまな住宅再建支援制度の創設や拡充などを行ってきたところでございまして、既に多くの方が再建を果たされている状況でもございます。このようなことから、さらなる支援制度の拡充は考えてございません。 住宅再建につきましては、既存のさまざまな支援制度や復興公営住宅への入居支援金制度もございますことから、これらを御活用いただきながら、さらなる住宅再建の促進を図ってまいりたいと存じます。

次に、東北大学農学部の跡地利用についてでございます。 これまで、まちづくりの方向性が示された提言に基づき、東北大学におきまして事業者の選定が行われ、計画の具体化に向けて本市と事業者で協議を進めてございます。 本市で定めます地区計画は、周辺市街地と調和した複合型の市街地をつくるためのルールであり、緑地と広場の創出や交通を円滑に処理する自動車用の通路の確保などについて定めるものでございます。 今後とも、提言に沿ったまちづくりが行われますよう事業者を指導してまいりたいと存じます。

次に、バス路線についてでございます。 東西線開業を契機として実施いたしましたバス路線の再編は、定時性、速達性にすぐれた地下鉄の特性を最大限に生かすため、地下鉄にバスが結節するという公共交通体系の構築を目指すという本市の基本方針に沿って行ってきたものでございます。 バス路線のあり方につきましては、今後の利用状況などを総合的に考慮しつつ検討していくべきものと考えてございます。

次に、公共交通政策に対します認識でございます。 公共交通は、市民の日常生活や社会経済活動などを支えるものであり、買い物や通院など日常生活に必要不可欠な足の確保は重要な課題であると認識してございます。 一方で、人口減少や少子高齢化などによる利用者の減少に伴い、路線バスの維持が困難となる地域もふえつつある中、ある程度地域の自主的な取り組みも必要になってくるものと考えてございます。 このようなことも踏まえまして、路線バスの役割を改めて見きわめつつ、地域、事業者、行政がどのように連携しながら取り組むべきか、検討してまいりたいと考えてございます。

最後に、JR南仙台駅周辺の鉄道高架化についてでございます。 南仙台駅周辺の交通渋滞などの課題に対する解決策といたしましては、鉄道高架化が有効であると認識してございますが、高架化には多額の事業費を要するとともに、事業の前提といたしまして、東西一体のまちづくりの検討が重要になるものと考えてございます。 引き続き、地域交通の課題解決に向けた取り組みについても地元の方々と議論を重ねてまいりたいと考えてございます。 以上でございます。

 

◯教育長(大越裕光)

私からは、教育に係る二点のお尋ねにお答えいたします。

初めに、学校給食の提供方式についてでございます。
学校給食は、食事についての正しい理解と望ましい習慣を養うことなど、必要な栄養の補給とあわせまして、学校給食法に定められた目標の達成に努める必要がございます。この点に関しましては、給食センター方式によりましても問題なく実施できているものと認識しております。
仮に現在の給食センター対象校を自校方式に切りかえるといたした場合、新たな調理場を整備する必要がございますが、敷地の関係で物理的に増築できない学校もございます。加えて多額の工事費及び維持費を要することとなり、現実的には困難であると存じます。
今後とも、可能な限り地場産品を活用するなどの努力を重ねながら、自校方式と給食センター方式を併用することにより、安全・安心な学校給食の提供を行ってまいる所存でございます。

次に、主権者教育に関するお尋ねでございます。
これまでも高等学校におきましては、公民科などの教科において主権者にふさわしい政治的教養を育む教育を行ってきているところでございます。
今回の選挙権年齢の引き下げを受け、生徒が政治的な事象や地域課題などを多面的、多角的な視点で捉え、さまざまな意見を交わし、理解し合いながら、みずからが判断できる力をさらに育成することが求められております。今後、高校の授業においてもこうした観点からふさわしい事象を取り扱うなど、主権者教育の充実に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯選挙管理委員会事務局長(工藤雅義)

私からは、選挙管理委員会に係る数点の御質問にお答えをいたします。

初めに、投票環境の改善についてでございます。
投票率の低下傾向が続く中、高齢者の増加といった地域の状況に対応した環境づくりが一層求められていると認識しております。
大規模な投票区において、民間も含めて確実に開設できる施設があれば、投票区を分割して投票所を身近な地域に開設するようにしたり、指定病院等における不在者投票制度について利用促進に向けた周知を図るなど、さまざまな取り組みが考えられるところでございます。指定病院等の指定は県の選挙管理委員会が行いますので、県との連携が必要になりますが、投票率の向上につながるよう、可能なものから順次取り組んでまいりたいと考えております。

次に、郵便等による不在者投票制度の改善についてでございます。
障害のある方や重度の在宅療養の方の選挙権の行使を容易にすることは、障害者等の自立や社会参加の促進を図る観点からも重要であると考えております。指定都市の選挙管理委員会連合会としても、重点要望として適用対象者の範囲拡大や制度改正を国に求めているところであり、今後も継続して要望してまいりたいと考えております。
また、制度の対象となる方々に対しましては、これまでも保健福祉に関する施策やサービス内容をまとめた冊子に制度の概要を掲載するなど周知を図ってまいりましたが、市長部局と連携しながら、各種相談機関や利用されている施設などを通じた効果的な周知を図っていく考えでございます。

次に、大学キャンパスへの期日前投票所の設置についてでございます。
この設置を行うには、二重投票防止のためのオンラインシステムの拡張のほか、責任ある管理運営を可能とする人員体制が必要となること、また、通学している学生が必ずしも大学が所在する選挙区の有権者とは限らないこともあり、投票率向上への効果は限定的と考え、今回の参議院議員選挙での設置は見送ることといたしました。
大学への期日前投票所の設置につきましては、人員体制や費用面の課題もございますが、設置による若年層への啓発効果など、他都市における実施例も検証しながら引き続き検討していく考えでございます。
以上でございます。

 

◯三十二番(ふなやま由美)

私から再質問させていただきたいと思います。

先ほど市長に対して政治姿勢にかかわる問題、市政の重要課題についてもお伺いをしたんですが、残念ながら一問だけの御答弁でした。とりわけ社会保障の財源としての消費税の考え方について、先ほど財政局長からの御答弁でしたので、この点について市長にお答えをいただきたいと思います。 所得の低い人ほど負担が重くなる消費税はさらなる貧困と格差を広げるもので、社会保障の財源としては最もふさわしくないものだというふうに考えます。どのように確保していくかを考える際に必要なのは、応能負担、累進課税の原則を生かして、所得再配分の機能を果たすことだと思います。大企業、富裕層の税逃れですとか、史上空前の内部留保をため込んでいる大企業の法人税の減税、改めていくと。こういったことを社会保障の財源として市長はお考えになっていらっしゃらないのか、この点お答えをいただきたいというふうに思います。

次に、保育所、待機児童の解決についてです。 市は、213名ということで4月1日現在で発表していますけれども、これは対象を余りにも小さく見せる、これは国の基準に合わせただけの数字で、実態とはかけ離れた数字です。 第一問でもお示ししましたように、認可保育所申し込み数から実際に認可保育所に入所できた人の数というのは、昨年もことしも1000人を超えている状態です。この人数でやはり整備計画を持って対策を立てていくということであれば、この対策についての考え方をですね、先ほど言ったような認可申し込み数から実際に入所できない人の数、これで考えていくべきだというふうに思います。保育所に入れず一時預かりを活用せざるを得ない、それから職場復帰ができないと苦しんでいらっしゃる、この市民の実態を直視した対策を市長は講じるべきだというふうに思います。

もう一点は、被災者医療、介護の免除制度についてですが、4月から打ち切られています。このことで本当に病院に行けなくなったという事態が現に起きているわけです。このことを市長は本当に何とも思っていないのか、ぜひ尋ねたいと思うんですね。 がんですとか心臓病ですとか糖尿病ですとか、治療を続けなければ命にかかわるような問題です。市民に対して死にたいと思わせるような、そういう政治ではあってはならないと思います。子ども医療費助成制度を決断をしたように、被災者医療の分野でも、国がやるべき、県がやるべきとは言わずに、直ちに復活を決断すべきです。

今の三点は市長にぜひ御答弁をいただきたいというふうに思います。お答えください。

 

◯市長(奥山恵美子)

三点の重ねてのお尋ねでございます。

まず、社会保障の財源としての消費税ということでございます。
税につきましては、もちろんさまざまな税がこの国内にあるわけでございまして、富裕層への課税というような他の税への転換ということも可能ではないかというお話でございました。
しかしながら、この少子高齢化の時代における、まさに膨大な金額を必要とするであろう社会保障の安定的な持続的な運営ということに向けまして、長年にわたり国会におきましてさまざまな議論を経た中で、諸税の可能性等も含め勘案された結果、この消費税によるものとなったというふうに私自身は経緯を理解しております。
現時点において、この消費税ではない税目を求めて、それの制度設計をし、議論を国会で深めていくということは、現時点での私の判断といたしましては、極めてこれまでの経緯を踏まえた形にはならないのではないかというふうに思っているところでございます。

二点目として、国基準によります213名という待機児童の数は過少であるというような御指摘でございます。
これも再三お話を申し上げてきたところでございますけれども、私といたしましては、待機児童の解消に向けて、何はともあれ総力を挙げて取り組んでいる現状というふうに思ってございます。
そうした中で、本市の保育の受け皿の基盤整備といたしましては、認可保育所のみによることではなく、例えば小規模保育施設であるとか、例えば幼稚園の預かり保育であるとか保育ママの方々であるとか、さまざまな保育の機能を総合的に勘案しながらこれを運用する中で、さまざまな働き方をしていらっしゃる方について保育のサービスを提供してまいりたいということでございまして、そのような本市の立場からいたしますと、この213名というただいまの待機児童の数はこのような数として受けとめて、なお今後とも基盤の拡充に努めてまいりたいと思うものでございます。

また、被災された方々の国保におけます一部負担金の免除の打ち切りということでございますけれども、これは、ただいま局長から御答弁申し上げましたとおり、国においてこれを負担すべきものと、全額負担すべきものということで、この間重ねて議会でも御答弁を申し上げてまいりました。
ただいまの時点におきまして、そのような状況とはなっておらないことから、私といたしましては、やはりこれを打ち切らざるを得ないという決断に至ったものでございます。御理解を賜りたいと思っているところでございます。

 

◯三十二番(ふなやま由美)

市長からお答えいただいたんですけれども、ここに至っても消費税が社会保障の安定財源というふうにお答えになるということを、私非常に驚きます。これでは本当に消費税増税論者なのではないかと言わざるを得ない事態ですよね。 この間、消費税八%に上げられたことで、中小業者の皆さんや本当に市民の皆さんがどれだけ苦しんでいるかと。景気が悪化したことで、個人消費が戦後最悪まで下がっていると。こういう事態を受けて安倍政権が消費税増税を延期をしたと言わざるを得ない、アベノミクスのこれは失敗だというふうに思うんですね。そういう状況に至ってもなお、なおそれでも消費税に、増税が社会保障の安定財源だと考えるというふうに市長がここで御答弁するということは、この考え方をぜひ改めていただきたいと思うんですね。 だって、タックスヘイブンの74兆円の問題ですけれども、もっとほかにも社会保障を支えるための財源はあるじゃないですか。国のそういった国会の議論を見守るというのであれば、これからの仙台市の市民の社会保障をどうやって支えていくかという点において財源措置が必要だと。市民にさらに負担をかける消費税増税ではなく、しっかりと富裕層ですとかそういった大企業の法人税分とか、もっと正すべきところがあるというふうに思うんです。これ市民の暮らしを守る立場でこの問題でも発言していただきたいですし、行動していただきたいというふうに思います。再度お答えいただきたいと思います。

それから、保育基盤整備の問題ですけれども、私は何もさまざまな保育基盤で支えていくことを否定しているわけではないんです。 市が計画を立てて進めるときに、213名の待機児童しかカウントして見ないと。ここには、育児休業の方ですとか、あるいは、求職活動を休止したというふうにみなされましたけれども、赤ちゃんを連れてハローワークには行けなくて、おうちの中で一生懸命パソコンから仕事を探している方々だって含まれているわけですよ。そういった方々が、今の国のカウントでは待機児童から外されてしまうわけですよね。213名しか待機児童がいないんだという認識で対策を強めれば、これは市民の願いには応えられなくなりますから、ここをしっかりと見てほしいと、それで対策をとってほしいということで求めています。 それから、被災者医療の点についても同じです。市民の命が奪われてしまうというような事態をつくってはならないということで復活を強く求めていますので、再度お答えをいただきたいというふうに思います。

 

◯市長(奥山恵美子)

お話の点でございますけれども、市民の方々にとって、さきに行われた消費税増税が経済的な面で一定の消費抑制効果があり、非常に景気の上向きに向けて下振れの要素となったということは御指摘のとおりでございます。
したがいまして、私は、会見等の場におきましても、社会保障の安定的な財源として消費税増税というこの枠組みについて、私は地方自治体の首長としてやはりこれを進めなければならないというふうに思うけれども、しかし、さきの事実に鑑みれば、やはり相応のしっかりとした現今の経済状況に応じた経済支援策、これは必要であるということも申し上げているわけでございまして、その両面を見据えて進んでいく必要があるだろうというふうに考えたところでございます。
また、求職される皆様、保育サービスを利用されたいという皆様の中には、今御指摘いただきましたようなさまざまなケースというのも現実にはありましょうし、また、求職活動をやっていたけれども、事情によってやめざるを得なくなって、カウントから外れたというような方もあるいはおられるかというふうには思います。
したがいまして、この待機児童というのは、さまざまに状況がある方々を、一定の+他自治体等との比較、また国としての制度の進捗状況を勘案するためには、全国共通の待機児童のカウントでなければいけないということで、この間、待機児童の定義というのは御承知のとおりここ5年ぐらいの間でも何回か変わってまいりました。それは各自治体によって非常に食い違いが大きかったからでございます。
したがいまして、現状、さまざまな状況の方でこぼれ落ちている方はいらっしゃる可能性はあるとは思いますけれども、ただ、一定国が示している基準の中で事態を整理しながら進めていくということが、やはり私としては、国制度の中で進めている私どもとしては、適切な数字の把握であるというふうに思っているものでございます。
被災者医療の件に関しましては、個別にさまざまな医療の状況でお困りの方につきましては御相談をいただければというふうに思うわけでございまして、制度といたしましては現状の状況であるということでございます。
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