【概要】被災者の生活再建をいばらの道にさせてはならない。
(バス路線の見直し、放射線廃棄物の焼却拒否、認可保育所の拡充など)
〇庄司あかり議員
日本共産党仙台市議団の庄司あかりです。会派を代表して、提案されている諸議案並びに市政の重要課題について質疑を行います。
地下鉄東西線が開業して1年がたちました。市は、当初見込みを大きく下回る東西線利用者を引き上げようと躍起になり、沿線開発や地下鉄駅に無理やりバスを結節させる路線再編を行ってきました。
バス路線再編をめぐっては、「直後からバスが減ってしまった」「仙台駅への直通便がなくなった」など、過去に例を見ないほどの件数の苦情・問い合わせが仙台市に対して寄せられました。市は「再編前に64回の説明会を行い、市民の意見を反映させてきた」などと言っていますが、バス路線再編が市民生活への大打撃となったことはこのことからも明らかです。
市民から寄せられる早急な見直しを求める声に背を向け、奥山市長は1年たったら見直しすると言い続けてきました。市長が示してきた約束の時期に合わせて、10月には向山地域のバス問題を考える会、11月には若林地区町内連合会などから見直しに向けての要望書が提出されています。
バス路線を検討するには、町内会、老人クラブ、商店街振興組合などの要望を聞き、生かすべきです。そうした路線の決め方をしてこそ、市民の生活実態に即した便利な路線になるし、行政と市民がともに路線を決めることで、市民がみずからバスを支えようという思いもさらに深まり、利用促進につながるのではないでしょうか、伺います。
交通局は、バス路線見直しの方針を16日の常任委員会で示すとしていますが、先日の代表質疑の答弁からすると、見直さないという方針を示すつもりなのでしょうか。その上、自動車運送事業経営改善次期計画の中間案と同時に示すといいます。次期計画の枠組みは、平均乗車密度を主な指標にして利用状況に合わせたサービス供給量となるよう所要の便数調整をしていくというものです。
市民が1年間待ちわびたバス路線の見直しなのに、見直しをしないどころか、この方向では、市民にとって、さらにバスが減らされ不便になるのではないでしょうか。バスを縮小する方向ではなく、バス事業の健全化対策補助金を増額し、市民の足を守り充実させるべきです。いかがでしょうか、奥山市長に伺います。
補正予算では、市中心部に病児・病後児保育施設を開設するための改修費等の助成へ600万円が計上されています。子育て世代にとって切実な課題の一つである病児・病後児保育施設の新設は前向きな一歩だと思います。
しかしながら、現在、子供が病気になったときどころか、通常の保育所にすら入所できない待機児童の解消は待ったなしの課題になっています。
11月7日から12月7日まで、来年度の保育所入所申し込みが行われました。第一次申し込み分速報値は5553人、昨年より377人ふえています。
私の友人は、来年1月からの職場復帰を目指して認可保育所へ申し込みましたが、現在待機児童となり、育休を延長しています。最大延長できるのは来年6月までのため、何とか4月には入所したいと考えていますが、区役所からは4月でも入れない可能性を示唆されてしまったと不安を抱えています。小規模保育所も見学には行きましたが、3歳を前にまた保育所探しをすることや、子供がなれ親しんだ保育所がかわるのはかわいそうだと選択肢からは外したといいます。
市は、多様な保育基盤を整備すれば待機児童の問題が解消されるかのように言っていますが、3歳の壁と言われるように、足りない0・1・2歳児の保育施設をつけ焼き刃でふやしても、またすぐに3歳になってからの保育所探しに翻弄されることになります。
公立も民間も、求められているのは6歳まで通える認可保育所の増設です。その願いに真っすぐ応えないから、認可保育所を希望しても入れない子供がことしも1000人を超えています。公立保育所廃止の方針はやめて、認可保育所の整備に市が力を入れるべきです。お答えください。
さらに、今度は保育所入所の申し込みにまでマイナンバーを利用しようとしています。第144号議案仙台市個人番号の利用に関する条例の一部を改正する条例は、保育の実施、国民年金の審査、子ども・子育て支援法による教育・保育給付等について、市独自でマイナンバーの利用を拡大するものです。
今議会にそのような議案が出されることについて私どもが説明を受けた直後、11月下旬に若林区で子育て中のパパさんがSNSでつぶやいていたのを見て私は驚愕しました。「保育園更新・入園手続に、このたびから家族全員のマイナンバーが必要とのこと。というわけで若林区役所なう」というものでした。
条例案が議会で承認される前から、先取りでマイナンバーを集めているということでしょうか。議会軽視も甚だしいと考えますが、いかがでしょうか、御認識を伺います。
今年度予算も含め、これまでのマイナンバー導入関連経費は34億円にも上っています。そのうち、システム構築や運用にかかわってIT関連企業に流れ込んだ税金は28億円です。マイナンバーを利用する事務が広がれば広がるほど、システム構築などでIT関連企業がもうかる仕組みです。一方で市民にとっては、準備書類がふえ、手続は面倒になります。
これまでも議論してきたように、個人情報が一つの番号でひもつけされ、情報漏えいのリスクが格段に高まるマイナンバー制度は廃止すべきであり、独自に利用を拡大するなどもってのほかです。いかがでしょうか、伺います。
補正予算では、こちらも切実に求められているトイレ改修について、小学校で9校、中学校で6校分予算化しています。内訳を見ると、校舎トイレの系統改修を行うのは宮城野小学校一校だけで、ほかは体育館のトイレ改修です。体育館のトイレ改修とともに、やはり系統ごとの改修について抜本的な予算措置を行い、ペースアップを図るべきです。
例えば、若林小学校は洋式トイレが非常に少なく、来年就学予定の子供がいる御家族は、これまで和式トイレを使ったことがないから、練習させておかないといけないのかと不安を抱えています。
子供たちの教育環境整備へ財政出動をためらうべきではありません。お考えを伺います。
教育環境整備に求められることはまだまだあります。学校のバリアフリー化についても、仙台市が改修にお金がかかることを言いわけにしていることで、遅々として進まない状況にあります。
現在、車椅子を使用している子供は小学校で28名、中学校で15名います。そのうち、エレベーターがない学校に通っているのは24名です。太白区のある小学校には車椅子の児童が同じ学年に2人いますが、上の階の教室で授業がある場合には階段昇降機を使って移動することになり、1人20分以上かかるため、休み時間だけでは到底足りず、授業時間に食い込むことになります。学年が小さいうちは、先生が抱きかかえ、別の先生が車椅子を運ぶという方法もありますが、高学年になってくるとそうもいきません。
学校からも繰り返しエレベーター設置の要望が出され、さらに今月5日には地元町内会の会長が直接奥山市長に要望書を手渡されました。障害者差別解消条例を制定した市の姿勢が問われる問題です。直ちに補正予算を組み、障害のある子供たちにも安心の教育環境を整えるべきです。いかがでしょうか、伺います。
第149号議案は、来年4月、宮城県から権限が移譲されることに伴い、教職員の給与を定めるための条例改正案です。
私たちは、第3回定例会でも、日々子供たちと向き合う先生方の待遇が移譲を機に今よりも下がるようなことがあってはならないと求めました。今回の市の提案は、4000人以上の教員について、市立幼稚園の教育職給料表を適用するとし、これまでの県の給料表の直近下位の額にするというものです。基本給をどう位置づけるのかは、その労働に対する評価が問われるものであり、市が県よりも下げるようなことは本来あってはならないことです。
今回の措置について市は、給料と地域手当とを合計した額では県の水準を下回らないと言っています。基本給は下がっても、宮城県4.5%と仙台市六%の地域手当に1.5%の差があることから、地域手当を含めれば生涯賃金は下がらないという提案です。しかしながら、地域手当については、復興期間中にも3%引き下げられたように、未来永劫今の水準が保障されるというものではありません。
県の水準を維持することを基本原則に据え、自治体の判断でいつでも変更可能な手当によって教職員の給与が不利益とならないようにすべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
安倍政権が進めている介護分野でのサービス切り捨て、負担増で、事業者からも利用者からも悲鳴が上がっています。要支援1、2の訪問・通所介護は保険給付から外され、来年度までに自治体の総合事業に移行されます。
既に移行した自治体は3割ほどですが、事業所への報酬単価が引き下げられ、サービス取りやめが起きていることが問題になっています。介護報酬も削減され、倒産は過去最高の76件、廃業は2万件に上っています。介護の質が確保できなければ、重度化が進み、かえって給付費を押し上げることにつながります。
第143号議案仙台市デイサービスセンター条例の一部を改正する条例は、台原、沖野、高砂、郡山にある仙台市デイサービスセンターの事業を来年度開始の新しい総合事業の枠組みに改めるものです。これによって通所型サービスは、現行のサービス水準の通所介護型サービスに加え、運営基準や人員基準を緩和したサービスにまで道を開くものとなってしまいます。
これまでも日本共産党仙台市議団は、現行のサービス水準から後退させず、緩和型を取り入れるべきではないと求めてきました。国の制度改悪に対して無批判なばかりか、市のデイサービスセンターで緩和型が導入され、サービス水準の後退や利用料金の負担増があってはなりません。いかがでしょうか、伺います。
仮設住宅が集約化され、市内の18あったプレハブ仮設団地の全てで解体工事が進められています。集約された先の一つがJR東日本南小泉アパートです。ここには、12月1日現在、7世帯が集約され、以前から仮設として入居されていた世帯と合わせて9世帯がお住まいになっています。
このJR南小泉アパートは、JRとの契約により来年4月までとなっています。ことし8月、プレハブ仮設住宅から移ってこられた方は「プレハブより環境はいいが、住みなれた地域と離れたため、なれるのに大変。それなのに、わずか半年でまた引っ越しをさせられると思うと不安でたまらない」と話します。
仮設から仮設へ、たび重なる引っ越しを被災者に強いるべきではありません。JRアパートや、みなし仮設住宅も含めた仮設住宅には958世帯が暮らしています。
他自治体では、足りない復興公営住宅の増設を決断しています。東松島市では、被災者への意向調査から必要戸数が増加するとして新たに121戸、石巻市では、これまで入居資格のなかった被災者も対象に広げ、200戸増の4700戸に変更し、仮設住宅の解消を急いでいます。仙台市も、限られた空き住戸の入居調整を十数回も繰り返すのではなく、復興公営住宅の増設を決断すべきです。いかがでしょうか。
福島第一原発事故の避難者の方も仙台市内の仮設住宅で暮らしています。中でも、国の賠償打ち切りを狙いとした避難指示解除によって、自主避難という扱いになってしまった方は、来年3月までで仮設住宅の無償提供が打ち切られることになってしまいます。
原発事故の避難者の方も、仙台市内の仮設住宅で5年以上お暮らしになる中で、仕事やコミュニティーのつながりから仙台市に住み続けることを希望され、復興公営住宅へ入居したいと要望を出されています。入居要件の緩和を行い、復興公営住宅への入居を支援すべきです。いかがでしょうか、伺います。
復興公営住宅に入居している3060世帯のうち、国の特別家賃低減事業で家賃が減免されているのは2374世帯、実に77.6%に上ります。
この特別家賃低減事業は国の復興交付金事業で、10年間という期限があります。その上、6年目からは交付割合が段階的に引き下げられ、11年目からは法定家賃になるように制度設計されています。
市は、これまで国に対し東北市長会などを通じて、特別家賃低減事業の交付割合を据え置くこと、10年の期限を延長することの2点を求めてきましたが、国からの回答はありません。被災地の切実な声に応えない国の姿勢は問題です。
一方、仙台市が2012年に被災者への説明資料として作成した「仙台市の復興公営住宅に関するお知らせ」を見ると、荒井東地区の復興公営住宅に入居した場合の家賃の目安とともに、特別家賃低減事業適用後の家賃について記載があります。そこには、「年収が少ない世帯については、入居開始後10年間は下表のとおり家賃が軽減されます」と書かれています。
また、復興公営住宅の入居説明会資料には、家賃の項目で、「特に所得の低い方(所得月額が8万円以下)については、家賃の減免制度(入居から10年間適用)があります」と記載されています。当然、これを読んだ被災者は、10年間は軽減された家賃が保障されるものと受け取るでしょう。
ところが、市に改めて確認すると、特別家賃低減事業は10年間の制度ですが、仙台市としては、国の交付割合が変わる6年目からは段階的に家賃を引き上げ、11年目から本来家賃に達するようにしていくというのです。被災者にも議会にもそのような説明はされていません。重大な問題です。いつ方針が変わったのか伺います。
例えば、若林西復興公営住宅で、減免区分I、2Kの間取りにお住まいの方は、現在5100円の家賃ですが、6年目から段階的に値上げされ、11年目の法定家賃は経年減価を勘案しても約1万5000円と、3倍近くに引き上がることが想定されます。
復興公営住宅入居者の8割近くが減免を受けていますが、6年目から家賃が値上げになるなんて入居者は認識していません。市は、説明をしてこなかった責任をとって、6年目からの家賃値上げを行うべきではありません。市が独自の支援策をつくることで国を動かすべきです。伺います。
特別家賃低減事業の対象世帯は所得月額8万円以下の低所得世帯です。復興公営住宅に入居されている世帯のうちの多くがそうした低所得世帯だという状況ですから、復興公営住宅に申し込んでも落選を繰り返し、やむを得ず民間賃貸住宅に入居された世帯も同様の所得水準であることが容易に想像できます。そうした低所得世帯にとって、民間賃貸住宅の家賃は大変な負担です。
名取市では、津波浸水区域等の被災者が民間賃貸住宅や災害公営住宅に入居する際、18歳未満の子供がいる世帯を対象に、上限2分の1、最大1万円の家賃補助を3年間行っています。
仙台市でも独自の家賃補助制度をつくり支援すべきです。復興期間が終わっても、復興基金は全体の3分の2、198億円も使い残しているのですから、財源はあります。いかがでしょうか、伺います。
今年9月に財政局が行った半壊以上の被害を受けた家屋の修繕状況調査では、市内の半壊以上の住宅で修繕済みと答えたのが1318件で6%、「解体済み」が293件で1%、そして未修繕は1万6274件で73%に上っていることがわかりました。
震災から5年9ヶ月を迎えてもなお、市内にはこれほど多くの住宅が被災したまま修繕することもできず取り残されています。応急修理制度や公費解体を早々に打ち切ってしまったことや、経済的な事情で修繕できないというのが大きな理由だと考えられます。復興基金は全て被災者への直接支援に充てるべきお金です。こうした住宅への修繕費補助を行うべきですが、いかがでしょうか、お答えください。
宮城県民主医療機関連合会が9月に県内復興公営住宅の訪問調査を行いました。仙台市内では381件、3ヶ所の復興公営住宅で聞き取りを行っています。寄せられたアンケートでは、家賃の支払いについて、大変苦しい、苦しいが合わせて4割を超える結果となっており、復興公営住宅に入居して経済的な負担感が増していることがわかります。
また、生活上で不安と感じていることは健康が最も多く、アンケートの約半数に上っています。被災者の医療費免除を復活、継続してほしいとの回答が74%を占め、被災者の生活再建の課題として、医療、介護の免除制度の復活が急務であることがわかります。
被災者の命綱である医療、介護の免除制度を市の決断で復活すべきです。国がやるべきというのは答えになりません。いかがでしょうか、伺います。
11月23日、市主催の防災集団移転跡地利活用フォーラムが開かれました。跡地利活用検討委員会が設置され、今年度内に方針を取りまとめるとの計画とともに、被災者から跡地利活用に期待することなどが語られました。
フォーラムに参加された市民からは、「ユニークなアイデアが寄せられたというが、被災地はただの空き地ではない」「被災者や現地で活動を続けてきた団体の意見はどこまで反映してもらえるのか」「元町内会の方々などだけではなく、これからの被災地を考える若い世代の声も生かしてほしい」など、多くの意見が出されました。
確かにこの間、市民意見の公募や被災地で活動している団体からの聞き取り、進め方の説明など、現地に赴き丁寧に取り組んでいただいていると思います。大切なのは、そうした中で寄せられた被災者の声に応えることです。
例えば、荒浜で震災後四年間運営されてきたスケートボードパークは、代表の所有する敷地につくったため、その場所自体は跡地利活用の対象地区ではありません。しかし、その周辺の跡地利活用事業によっては、パークを続けられなくなるのではと不安を感じていらっしゃいます。
震災後も住民や被災地を訪れる人の集まる場となってきた取り組みについては、今後も継続していけるよう配慮すべきです。現地で活動を続けてこられた方々の御意見を利活用事業に生かすべきですが、いかがでしょうか、伺います。
跡地利活用が具体化していく中で重要なのは、人が住まなくなった沿岸部の防犯対策です。被災者が自宅跡地に建設した事務所が、昨年、蒲生北部、荒浜と相次いで不審火により全焼する事件が起こりました。沿岸部では不法投棄も問題になっています。
そうした事態を受け、これまでも被災地の防犯対策について求めてきましたが、市は街灯の設置やパトロールの強化を行っていくと答えてきました。ところが、いまだに沿岸部は夜、真っ暗のままです。
蒲生北部でも荒浜でも、全焼した事務所が所有者の御努力とたくさんの支援で再建されました。しかし、また同様の事件があったらという懸念を払拭することはできません。最近では、荒浜でたき火をしたと思われる跡が何度も発見されています。
跡地利活用の方針を取りまとめる中でも、防犯対策を位置づけ、早急に手だてを講じるべきです。いかがでしょうか、お答えください。
第146号議案仙台市工場立地法に基づく準則を定める条例の一部を改正する条例は、企業立地を目的に工場等の緑地面積率などについて緩和した基準を定めるものです。
そもそも工場立地法に基づき公表された準則においては、緑地の面積割合で20%、環境施設の面積割合では25%という基準が示されているのに、この条例では、緑地の面積割合で一四%、環境施設の面積割合では準工業地域で15%、工業地域では14%に緩和しているものであり、仙台市の環境を守る上でも問題です。そこにさらに蒲生北部地区と茂庭地区を加えようというのが今回の改正案です。
蒲生北部地区は災害危険区域に指定され、区画整理事業が行われています。住宅を修繕して住み続けている住民がいるにもかかわらず、市は、住宅再建への支援を行わないばかりか、住宅があるのに緑地面積率などを緩和し、住環境を悪化させようというのでしょうか。また、震災を乗り越え、豊かな生態系が回復している国指定の特別鳥獣保護区である蒲生干潟もあります。
蒲生北部地区では住民を追い出し、茂庭地区では田んぼを潰し、企業誘致促進のための規制緩和を行うべきではありません。いかがでしょうか、伺います。
第139号議案市長等の給与に関する条例の一部を改正する条例は、市長や副市長の期末手当を引き上げるものです。例えば、市長の期末手当は58万3998円上げて年額では632万6645円になるという提案です。
市長は、今なお仮設住宅で暮らす被災者が残され、住宅再建を果たしても、生活やなりわい、コミュニティーの再生は道半ばだというのに復興期間を打ち切りました。市民には財政難だと言ってサービスを削って、負担増を押しつけているのが奥山市政ですが、そうした中で市長や副市長の期末手当は引き上げるという提案に、市民の納得は到底得られません。
財政難はごまかしで、市の財政が本当は豊かだということなのでしょうか。それとも、市民の暮らしよりも奥山市長の期末手当の引き上げのほうが優先度が高いと判断したのですか。どちらでしょうか、伺います。
同じことが私たち議員にも問われます。第138号議案特別職の職員の給与、旅費、費用弁償の額並びにその支給方法に関する条例の一部を改正する条例と補正予算が2000万円組まれています。議長は44万3700円、副議長は39万5850円、議員は36万5400円、期末手当を引き上げるというものです。
期末手当の引き上げを行うべきではないと主張した会派が日本共産党仙台市議団を含めて複数あったにもかかわらず、当局はなぜ議案を提出したのでしょうか。その理由について伺います。
会期を延長された国会で、環太平洋連携協定、TPP承認案と関連法案が九日、参議院本会議で強行採決されました。
TPPは参加12カ国のうちアメリカと日本がともに批准しなければ発効しない仕組みで、トランプ次期大統領の離脱表明で発効が事実上不可能になったのは明白です。安倍首相は、TPPの発効が難しくなったことは認めつつ、日本が率先して批准し、アメリカと交渉していくとしています。
TPPが日本の農業や食の安全、医療や雇用などを破壊し、アメリカなど輸出大国と多国籍大企業の利益を最優先したものであることは、その内容からも明らかです。米など重要農産物は除外するという国会決議さえ踏みにじった協定を批准すべきではありません。
仙台市においての影響も、さきに述べたものだけにとどまりません。TPPのISDS条項は、投資家が相手国の協定違反によって損害を受けたとして損害賠償を求めることができる制度です。これによって、外国企業が相手国の政府や自治体を訴えられるようになります。
例えば、学校給食で国産、地元産の食材を確保していることを外国企業への差別だと言ってくることがあり得ます。また、国の公共事業だけでなく、県、政令市の事業も国際入札にかける。入札の際、地元の業者を優先することを差別だと訴えられる可能性があり、地方の雇用にも影響を与えることになります。中小企業活性化条例を制定し、地元中小企業を支援するとしている仙台市にとって、地域経済にも大きな打撃が懸念されます。
奥山市長は、TPPに関して農業の分野においては一定の影響が想定されると慎重姿勢を見せていましたが、及んでくる影響は農業分野だけではないことを認識し、今こそ国に反対の意思を表明し、承認撤回を求めるべきです。いかがでしょうか、お答えください。
11月3日の宮城県市町村長会議で村井知事が、県内にある8000b㏃以下の放射性廃棄物について、県内で一斉に焼却処理をしたいと提案しました。奥山市長は、その後の記者の質問に、試験焼却に限定して応じることを前提に、住民説明が可能かどうか検証したいと前向きな姿勢を示しました。
仙台市が昨年行った市内の8000㏃以下の放射性廃棄物の焼却処理においては、市民や焼却場周辺の住民や農家の方々から厳しい批判と中止を求める声が寄せられました。それなのに、今度は県内の放射性廃棄物を仙台市に寄せ集め、またしても焼却処理することに仙台市民の理解は得られません。また、石積埋立処分場がある富谷市では、県が行った議会への説明に対して反対意見が噴出しています。
11月には、脱原発仙台市民会議の皆さんが仙台市に対して焼却処理を行わないよう求め、要望を行いました。その回答を聞く場には80人が参加し、仙台市民だけでなく富谷市民も駆けつけました。市民の関心の高さをあらわしています。それなのに環境局は、県の方針、国が決めた方法で焼却するので安心など無責任な回答に終始し、市民の怒りはさらに広がっています。
OECDが提唱した、環境対策費用は汚染の原因者が第一次の負担者であるべきとする費用負担に関する汚染者負担原則、PPPは、国際的にも当たり前のルールです。問題になっている放射性廃棄物を発生させた責任は東京電力にあります。
8000㏃以下の農林業系汚染廃棄物については市町村が担うとした特措法そのものが間違っていると国に意見を上げ、県内の放射性廃棄物については東電と国に管理の責任をとらせることこそ、真っ先に取り組むべきではありませんか。放射性廃棄物の県内一斉焼却、そのための試験焼却にはきっぱり反対すべきです。いかがでしょうか、伺います。
南スーダンでPKO活動に当たる陸上自衛隊の部隊に、安保関連法に基づく駆けつけ警護と宿営地共同防護の新任務が付与され、本日、12月12日から実施可能となります。
11月に公表された国連特別調査報告書は、ことし七月、首都ジュバで数百人が死亡した大規模な戦闘によって和平合意は崩壊したと断定しています。政府自身が決めた自衛隊派兵の前提である停戦合意や中立性など、PKO参加五原則の破綻は明瞭であり、自衛隊は撤退すべきです。
稲田防衛相が命令した駆けつけ警護は、PKO部隊やNGOなどの関係者が襲撃された際、現場に駆けつけて救助する任務です。任務遂行のための武器の使用も認められています。この間、PKO部隊関連施設なども攻撃、襲撃を受けており、国連の報告書は南スーダン政府軍の関与を指摘しています。自衛隊が駆けつけ警護を行えば、政府軍と交戦する事態も起こりかねません。
政府軍との戦闘は憲法九条が禁止する海外での武力行使そのものです。憲法違反の安保法の具体化は直ちに中止すべきであり、日本には憲法の精神に立った非軍事の人道、民生支援の抜本的強化こそ求められます。
南スーダンに派遣されている部隊は東北方面隊です。青森の陸自第九師団を中心に、宮城県の船岡駐屯地からも派遣されています。地元紙では、霞目駐屯地所属の息子を持つ男性が、無事に帰ってくることを願うと話したことが報道されています。
仙台からも派遣されているのですから、奥山市長も人ごとでいることは許されません。憲法違反の安保法に基づく新任務の実施をさせず、自衛隊は撤退させるよう国に声を上げるべきです。いかがでしょうか。最後に伺って私の第一問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
◯市長(奥山恵美子)
ただいまの庄司あかり議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、沿岸部の防災集団移転跡地の利活用事業におけます住民の皆様の御意見についてのお尋ねでございます。
跡地利活用に当たりましては、当初から民間の自由な発想を生かし、主体的な利活用を図っていただこうという趣旨で、幅広く市民の皆様の御意見を募集するとともに、利活用を考えておられる方々や地域の皆様との意見交換などを進めてまいったところでございます。
既に現地でさまざまな活動を続けておられる団体もございまして、こうした方々につきましても、一年以上前から直接お伺いするなどして、今後の御意向の把握に努めてまいりました。
この跡地利活用は、本市の復興にとりましてシンボリックな取り組みの一つでもございます。今年度末を目途に利活用方針を策定したいと考えており、この地域の歴史や自然などを生かし、さらに新しい魅力も生み出すような利活用のあり方について、引き続き地域の皆様を初め多くの市民の御意見を踏まえながら、検討を進めてまいりたいと考えております。
その中で、現地で活動をされている方々の御活動につきましても、新しい事業者による利活用と相互によい相乗効果をもたらすことができるような方策もあわせ検討してまいる所存でございます。
次に、南スーダンにおける国連平和維持活動への自衛隊の派遣に関する御質問にお答えをいたします。
いわゆる安全保障関連法につきましては、さまざまな議論がございましたけれども、国政の場において決定されたところでありまして、同法に基づく駆けつけ警護などの新たな任務を付与された部隊が既に南スーダンに赴いているものと承知をしてございます。
現時点において私といたしましては、今回の国連平和維持活動が、法律の趣旨にのっとり、国会の場での審議を踏まえ適切に行われ、求められる役割を果たされることを願っているものでございます。
今後の国際貢献や安全保障のあり方につきましては、国民にとって引き続き将来にわたる大変重要な問題でございますので、このたびの現地での状況なども踏まえ、引き続き国において十分な説明を果たすとともに、国民の理解を深めることが肝要であると考えております。
そのほかのお尋ねにつきましては、交通事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯総務局長(加藤俊憲)
市長、市議会議員等の特別職の期末手当についての御質問にお答えいたします。
特別職の期末手当につきましては、従来より国の指定職や県の特別職との均衡を考慮した支給割合とすることを基本といたしてきたところでございます。
そうした中、国などにおきましては、昨年、一昨年と引き上げが行われてまいりましたが、本市におきましては、復興計画期間中という状況を踏まえ、この間据え置いてきた経緯がございます。
昨年度末で震災復興計画の満了という一つの節目を迎えたこともあり、今年度におきましては、本市の一般職職員の改定措置なども踏まえ、従来の国の指定職などとの均衡を考慮した支給割合とすることが適切であると考えたものでございます。
また、市議会議員の皆様の期末手当につきましても、市長等の特別職と同様の考え方に基づき、あわせて御提案いたしたものでございます。
以上でございます。
◯まちづくり政策局長(大槻文博)
私からは、マイナンバー制度についてお答えいたします。
この制度は、社会保障や税の効率性、透明性を高め、国民にとって利便性の高い公正な社会を実現するために必要な社会基盤でございます。
個人情報の保護につきましては、特定個人情報保護評価の実施や通信の暗号化、アクセス制御など、制度とシステムの両面からさまざまな措置が講じられております。
本市といたしましても、システムのセキュリティーや制度の運用面における個人情報の保護を徹底すべく、総合行政ネットワークをインターネット環境から分離するなどの新たなセキュリティー向上策を講じているところでございます。
来年7月の国や他の自治体との情報連携の開始を万全の状態で迎えられるよう、遺漏なく対応してまいりたいと考えております。
以上です。
◯健康福祉局長(佐々木洋)
健康福祉局に係る御質問にお答えいたします。
初めに、市立デイサービスセンターについてでございます。
新しい総合事業はそれぞれの市町村の状況に応じた多様なサービスが提供できる仕組みであり、本市においては、現行相当のサービスに加えて緩和した基準によるサービスも実施することとし、その利用料金は現行相当サービスよりも低いものとしております。
市立デイサービスセンターについても、こうした新しいサービスを提供できるよう条例改正を御提案しているものであり、これにより利用者の選択の幅が広がるものと考えております。
総合事業を含めた介護保険サービスについては、事業者に対する実地指導や集団指導を通してサービスの質の確保に努めてまいります。
次に、被災者に対する国民健康保険などの一部負担金免除についてでございます。
これら一部負担金等免除措置につきましては、国の全額財政支援によって行われるべきと考えておりますが、今年度において国の全額財政支援が確実に見通せない状況の中、責任を持って国保、介護両制度を運営していくためには、免除を終了せざるを得ないと判断したものでございます。
現時点におきましてもその事情は変わっておりませんことから、免除を再開する状況にはないものと考えているところでございます。
以上でございます。
◯子供未来局長(福田洋之)
私からは、まず保育所の整備に関するお尋ねにお答えいたします。 本市では、待機児童の約8割を3歳未満児が占めているという実態を踏まえ、認可保育所を初め認定こども園や小規模保育事業などを組み合わせながら、保育基盤の整備を進めてきておりまして、来年4月に向けましても、認可保育所の約1000名分の定員増を含め、全体で約1700名分の受け皿の拡充に取り組んでいるところでございます。
また、小規模保育事業等の卒園後の受け入れ先につきましても、近隣の認可保育所等に対する協力要請や、私立幼稚園向けの新たな補助制度の創設の検討など、3歳以降の適切な教育、保育の場の確保にも努めているところでございます。
こうした保育総量の拡大と並行して、老朽化した公立保育所につきましても、児童が安全で快適に過ごせるよう早期の建てかえが必要でございますので、引き続き、限られた財源を有効に活用し、子育て支援の一層の充実を図るためにも、民設民営による建てかえを着実に推進してまいりたいと考えております。
次に、保育所に係るマイナンバーの利用についてのお尋ねにお答えいたします。
平成28年1月より保育利用の受け付けの際にマイナンバーの提出をお願いしておりますが、これは、マイナンバー法の施行にあわせて、保育利用の支給認定におけるマイナンバーの提出が、子ども・子育て支援法施行規則などにより規定されていることを踏まえて実施しているものでございまして、条例への規定にかかわらず行うものでございます。
今回の条例案につきましては、国が定めますマイナンバーの活用範囲のうち、省令で定めるとされていた部分につきまして、本年九月にその内容が明らかになり、その中には定められていない、例えば支給認定を行う際に必要となります妊娠の届け出に関する情報などを、本市が独自に利用するということのために規定をするものでございます。
以上でございます。
◯環境局長(小林仁)
汚染廃棄物の処理に関するお尋ねにお答えいたします。
国の特別措置法は、原発事故に由来する環境汚染による人の健康や生活環境への影響を速やかに低減することを目的に定められ、その中で、一義的な責任は東京電力にあり、国もまた社会的責任を負い、対策を講ずることが明確に位置づけられております。
8000㏃以下の汚染廃棄物については市町村が処理することとされており、今般の試験焼却の案件についても、そうした枠組みの中での取り組みと理解をしております。
宮城県全体の復興を推し進める観点からも重要な課題であり、市民の安全と安心を第一としながらしっかりと検討を進めてまいります。
以上でございます。
◯経済局長(石川浩史)
私からは、まず工場立地法に基づく準則を定める条例の一部を改正する条例についてお答えいたします。 蒲生北部地区及び茂庭地区の区画整理事業におきましては、地権者の皆様との合意形成や都市計画決定などの手続を進めており、蒲生北部地区では緑地帯設置など周辺環境にも配慮しながら事業を推進してまいりました。 本市におきましては、都市計画決定において工場立地法に基づく一定規模以上の工場の設置が想定される場合に、原則として当該地区に本条例を適用することとし、企業誘致の促進を図ってきたところであり、今回の改正はこのような方針に基づき両地区を対象地区に追加するものでございます。 今後、これらの地区の特性に応じた企業誘致に積極的に取り組み、本市経済の活性化と雇用確保を図ってまいりたいと存じます。
次に、TPPについてでございます。 国におきましては、TPPを成長戦略の柱と位置づけ、ヒト、モノ、資本、情報の自由化に伴い、新たな投資促進やGDPの拡大など、大企業だけでなく中小企業や地域の産業が活躍の場を広げていくことが可能としており、12月9日に関連法が成立したところでございます。 本市は、これまで特にTPPによる影響が懸念される農業分野について、米価の安定や生産性向上などの具体的な施策を宮城県市長会などを通じて国に要望してまいりました。 今後、TPPによる本市中小企業や農業者への影響を注視しながら、必要に応じて本市として適切な対応を行ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
私からは、初めに復興公営住宅に関します数点のお尋ねにお答えをいたします。
まず、その整備についてでございます。 これまで本市では、一般抽せん後に残った空き住戸において、みなし仮設住宅も含めた市内の仮設住宅にお住まいの方全てに対象を広げ、入居調整を行ってまいりました。 現在も入居調整を継続しているところであり、空き住戸もまだございますことから、復興公営住宅の入居を希望される方への対応は十分に可能と考えており、新たな復興公営住宅の建設は考えてございません。
次に、原発避難をされている方々に対する入居要件の緩和についてでございます。 復興公営住宅は、震災により住宅を失い、自力では住宅の確保が困難な低所得者の方々を対象として建設戸数を決定し、その整備を完了しておるところでございます。 現在も本来の供給対象者の方々への入居調整を進めているところであり、入居資格要件の緩和は考えてございません。
次に、東日本大震災特別家賃低減事業についてでございます。 この事業は、一般の公営住宅より低廉な家賃設定としている復興公営住宅について、特に低所得者の方に対し、入居後十年間にわたりさらなる負担軽減を図るものであり、当初5年間は特段の軽減措置を講じ、6年目以降10年目までの5年間で通常の家賃にまで段階的に引き上げる仕組みになってございます。 本市といたしましては、当初から国の創設したこの制度を適切に運用することとしており、その後も方針を変更してはございません。 入居者の皆様には、国の動向も見きわめながら、適切な時期に6年目以降の家賃につきまして周知を図ることといたしておりましたが、平成24年にこの制度を適用した場合の家賃の目安をモデル的に示すために配付した資料の一部に、確かに正確さを欠く表現がございました。 平成30年度には入居後6年目を迎え、このまま推移すれば家賃が増額となる方もおられることから、この制度に基づく家賃決定の仕組みなどについて、早速今年度から御説明を尽くしてまいりたいと考えてございます。
次に、民間賃貸住宅の家賃補助制度についてでございます。 本市における民間賃貸住宅の賃料は幅広い価格が設定されており、入居希望者の実情に応じた選択が可能であると認識してございまして、家賃補助制度の創設は考えてございません。
次に、被災住宅の修繕費補助についてでございます。 まず、住宅再建はその所有者の方がみずから行うことが原則であると考えてございます。 一方、津波によって住宅が流出するなど、甚大な被害を受けられた方々に対しましては、国の制度に基づく防災集団移転の促進や復興公営住宅の整備に加え、独自の支援制度を創設もしくは拡充をしながら、みずから再建することが困難な方々に重点を置き住宅再建への支援に取り組んできたところでございます。 このような認識から、本市におきましては住宅への修繕費補助制度を創設することは考えてございません。
最後に、防災集団移転跡地の防犯対策についてでございます。 これまでも木柵の設置や除草など適切な管理に努めるとともに、庁内の関係部局や警察などによるパトロールの強化を図ってきたところでございます。 安全・安心の確保は防災集団移転跡地利活用の取り組みの前提となりますことから、その具体的方策につきまして、今後、跡地利活用における事業者とともに検討してまいりたいと考えてございます。 私からは以上でございます。
◯教育長(大越裕光)
私からは、教育に関する数点の御質問にお答えいたします。
補正予算に係る学校のトイレの改修についてでございます。
今回の改修工事は、国の補正予算に対応し、次年度以降に予定していた校舎や体育館のトイレ改修工事の中で、設計が完了するものについて前倒しで発注するものでございます。
今後とも学校の校舎及び体育館のトイレ改修につきましては、着実に進めてまいりたいと存じます。
次に、学校のバリアフリー化についてでございます。
学校のバリアフリー化につきましては、その重要性は十分に認識しており、これまでも各校の校舎で玄関等のスロープ整備やひろびろトイレの整備などを図り、また、今年度からは体育館へひろびろトイレの整備も始めたところでございます。
既存の学校でのエレベーター整備につきましては、改築や増築といった機会に整備することとしており、現在の整備率は小学校で29.7%、中学校で23.8%でございまして、改築や増築の計画に合わせて順次整備しているところでございます。
今後とも学校のバリアフリー化などの教育環境の充実に努めてまいりたいと存じます。
最後に、宮城県より権限移譲となります教職員の給与についてでございます。
制度案の検討に当たりましては、移譲により著しく給与水準が変動しないよう、県との均衡に配慮したところでございます。
具体的には、地域の賃金水準や物価等を反映する地域手当の支給率が本市と県全域を対象とする宮城県とでは異なりますことから、このことも踏まえて、当該手当と給料との合算においてこれまでの水準を保障することとしたものでございます。
今後とも、民間準拠という公務員給与の原則に照らして適切な教職員の給与水準となるよう対応してまいりたいと存じます。
以上でございます。
◯交通事業管理者(西城正美)
初めに、バス路線再編後の見直しに関する御質問にお答えいたします。
昨年12月に実施しました路線再編以降、お尋ねにあったような内容も含め、仙台駅前行き直通便の復活や、あるいは増便に関する御要望などさまざまな声が寄せられております。
ダイヤ改正等の具体的な検討に当たりましては、お客様のニーズが直接反映する日々の乗車実績に着目して行う必要がございまして、この間、再編地区における乗車実績に係るデータの収集、分析を進めてきたところでございます。
こうした地元の皆様を中心としたさまざまな声と、関係する各種データの分析結果、一方には現下の厳しいバス事業の経営状況等を考え合わせますと、追加的なコストを必要とする路線の再設定や増便といった取り組みは極めて困難であり、明年に予定するバスダイヤ改正では、再編路線に関しては原則として現状を維持するものとし、その後に関しては、新たな経営改善計画のもと、乗車実績を基本とした全市的な対応の一環として、改めて検討を進めていくことといたしたいと考えているところでございます。
次に、バス事業の経営改善に向けた取り組みについてでございます。
現在の厳しいバス事業の経営実態と今後一層の厳しさを増す事業環境を踏まえますと、経営の改善に向けた取り組みは喫緊の課題であると認識いたしております。
こうした課題に対処する上では、運行効率の悪化という経営上の問題に向き合うことなく、補助金のみに依存するやり方では、運行サービスの持続性や安定性を真に確保することにはならないものと考えております。
私どもとしては、乗車実績に応じた運行を基本としつつ、利用の少ない日中時間帯の便数設定については、市民の足として確保すべきサービス水準といった観点も加味しながら、公共性と経営持続性の両面にわたりバランスのとれた事業展開が図られますよう取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。
──再質問──
◯庄司あかり議員
聞き流すわけにはいかないような答弁ばかりでしたけれども、三点に絞って伺いたいと思います。
まず、バス路線見直しについてです。
市民に1年たったら見直しすると約束してきたわけですね。議会からも会派問わず、東西線に結節する路線は不便だから利用者がいないとか、バスの利用をふやすための提案などもこれまで出されてきました。先日、開業から1年という日には、交通事業管理者が東西線に乗ってくださいとティッシュ配りをされているのを私テレビで拝見しましたけれども、経営が厳しいんだと繰り返すバスについては、なぜバスにも乗ってくださいというキャンペーンはおやりにならないんでしょうか。
市民は、不便だからバスに乗らないし、乗りたいバスがないということで要望を出されているわけです。交通局はそれをいいことに、市民が乗らないからといってバスを減らすと。さらに不便になったらもっと市民は乗れなくなってしまうという、悪循環に陥っていくわけです。市民から寄せられたたくさんの苦情や要望に応えようとしないというのは傲慢だというふうに思います。
奥山市長も、議会で1年たったら見直しすると言ってきました。これは市民との市長の約束だと思いますけれども、市長はどのように考えているのか伺います。
市民と約束したバス路線の見直しは行わないと。その一方で、被災者には説明すらしていない家賃の引き上げを行うというのは大変な話です。特別家賃低減事業は国が示したメニューで、最初から6年目から交付割合が下がるということは市も御存じだったはずです。それなのに仙台市が入居されるときも含めて伝えてこなかったというのは、市の過失だというふうに思います。
復興公営住宅の入居説明会に私も幾つか参加しましたけれども、この特別家賃低減事業で減免を受けた人は6年目から家賃が上がるなんていう説明を聞いた記憶は私は全くありません。
政治家の記憶は信頼できないという人もいるかもしれないので、もう一つ御紹介したいと思いますけれども、ある復興公営住宅の被災者の方が入居説明会を録音されていた音声データがあります。ついの住みかに移るための大事な説明会だから、聞き逃しては大変と録音されたものです。それを私も聞かせてもらいました。特別家賃低減事業については、所得8万円以下の方には減免制度がありますので申請してくださいと、それだけしか言っていないんですね。
文書でも口頭でも、これまで一切、復興公営住宅の入居者に6年目からの家賃値上げの説明はしてきていません。これから説明するなんていうことは許されないと思います。だって、最初からわかっていたんですから。市が出した2012年の案内には、10年間この家賃が適用されると明記されています。これは復興定期便で仮設住まいの全世帯に送ったものです。先ほど局長は正確でない表現だったというふうにおっしゃいましたけれども、それを訂正もしてきていないわけですね。その責任は仙台市にあります。
説明をしてこなかったのは市の過失なのに、入居者にしわ寄せが行くのはおかしいです。市の独自施策で、軽減された家賃を10年間保障すべきです。市長、この重大さを受けとめ、責任ある決断を求めます。いかがですか、もう一度伺います。
最後に、バスに関する要望も聞かない、被災者にも大変冷たいと。そういう状況の中で市長の期末手当を上げるなんていうのは、私、答弁を聞けば聞くほど、市民からも被災者からも納得は得られないというふうに思いました。
これは引き上げるべきではないと思いますけれども、市長の期末手当のことなので奥山市長に伺います。
以上、三点です。
◯市長(奥山恵美子)
まず、地下鉄東西線の開業に伴うバス路線の見直しということでございます。
このバス路線につきましては、この間、地域の皆様からもさまざまな御提案とともに御要望はいただいておりますし、私もまた、地域の方から直接御要望の文書をいただいたりお話をいただいたということがございます。1年たったらということでお話をしてきたのもそのとおりでございます。
私の現時点での考え方といたしましては、まず地下鉄をなぜつくったかということの原点としては、やはり定時性、速達性を旨とする地下鉄を通すということが、単に公共交通機関の足としての利便性の向上にとどまらず、東部地域におけるまちづくりにとって大変重要な機能を果たすという認識でございます。
その上で、一つやはりバス路線の長距離化、仙台市はかつてからバス運行路線が非常に長いということがバス経営上の大きな課題でございまして、地下鉄ができました際には、それらについて並行して走るということはないということについてはかねてから申し上げていたところでございます。
そうした従来から御説明申し上げてまいりました大きな原則の上に立って、それでもなお一年ということを申し上げました背景といたしましては、やはり交通局にとっても大変大きなバス路線のダイヤの改正でございますので、あるいは時間的な偏りであるとか、またあるいは交通ネックが新しくできることによって予期しない運行状況が出ているかもしれない。それらについて実態を把握させていただくためには、やはり季節変動等も踏まえ一年という時間をいただきたい、そのような趣旨でございます。
そうした上で、今回交通局のほうで、原則としてはやはり長路線化、路線の長距離化を含みます問題については、やはり運行効率という問題からするとなかなか難しいという観点、これを御説明申し上げているところでございます。
私といたしましては、なお交通局に対しましてたくさんの御提案を各路線ごとにいただいておりますので、そうした中で、例えば迂回の道のルートの御提案でありますとか、また、薬師堂駅その他の駅に寄ることの時間帯ごとの可否でありますとか、いろいろな御意見もいただいておりますので、それらをさらに実態を踏まえて精査をするようということをお願いしつつ、今、最終的な報告を待っている段階でございます。
したがいまして、私としては、この間、議会で御説明、御答弁申し上げましてきたことの考え方に沿って、ただいま今後の状況についても交通局とともに精査を進めていると、このような段階でございます。
それから、特別家賃の関係につきましては都市整備局長から御答弁を申し上げますが、なお、特別職の期末勤勉手当の件でございますけれども、ただいま総務局長から御答弁を申し上げましたとおり、復興期間に一定の経過を見たということ、そしてまたこの間の国及び各地方自治体における引き上げの実態等を勘案し、私としてこの時期に御提案を申し上げるのが適切であろうという判断のもとに、今議会にお諮りを申し上げているところでございます。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
復興公営住宅の家賃についてでございますが、毎年度、入居者の方々の所得の状況に応じて決定をされるものでございます。平成24年に配付させていただきました資料につきましては、私もしっかり確認をしてございますけれども、参考までに家賃の目安をお示ししようとしたものでございまして、将来にわたる家賃を約束したものとは考えてございません。
ただ、家賃決定の内容につきまして誤解が生じているんだという御指摘でございます。先ほども御答弁申し上げましたけれども、早い方で入居後6年目を迎えますのが平成30年度という方々もおられますことから、先ほども申し上げましたけれども、早速私どものほうで入居者の方々に対する説明につきまして段取りをとり、丁寧に御説明をしてまいりたいと考えてございます。
──再々質問──
◯庄司あかり議員
再々質問を行います。
まず、バス路線についてですけれども、バス路線の長距離化がしているということをおっしゃいましたが、広い仙台市域なわけですから当たり前のことなんですよね。東西線ができただけでその広い市域全てカバーするものではないというのは、奥山市長だってよく御存じのことだというふうに思うんです。長距離化しているということを理由に無理やり地下鉄の駅に連れていくということにはならないというふうに思います。 一問目で、バス事業の健全化対策補助金を増額してバスを充実させるべきだというふうに求めました。これは、市長が市民との約束を果たすために、そういう決断をすることこそ必要だというふうに思います。交通局にそれは検証するように求めれば、経営が大変だという話になっていくんだと思います。やっぱりこれは市長が政治判断を行うべきだというふうに思います。奥山市長、お答えください。
続いて、特別家賃低減事業についてですけれども、2012年に出している資料は、家賃は目安というふうに書いてありますけれども、特別家賃低減事業については、10年間この家賃が、表に書かれている家賃が適用されますというふうに明確に書かれているわけですね。それについてこれまで訂正もしてきていないんですよ。 所得に応じて家賃は決定されるということをおっしゃいますけれども、それは一般的な家賃の決め方であって、この復興公営住宅の減免が少しずつなくなっていくというのは国の制度によるものですから、一般的な家賃の決め方と一緒にするのは全く適切ではないというふうに思います。 これから説明をしていくとおっしゃいますけれども、2018年度、再来年度には北六番丁で、2019年度には田子西、荒井東復興公営住宅と、6年目の値上げが迫っているんです。入居者の8割が家賃減免を受けていますし、月額所得は8万円以下の世帯です。年金は下がる一方なのに、6年目から段階的に家賃を引き上げていって、一問目で紹介した事例では5年で約3倍に家賃が引き上がると。これでは払えないという方は当然出てくるんだろうというふうに思います。 市が2012年に目安として10年間適用されるという資料を出したときに、被災者の皆さんはどんな状況だったかというと、財産も失って、なれない狭い仮設住宅暮らしの中で、住宅再建の方法を真剣に検討していたときです。自力再建するか、それとも復興公営住宅に入るべきかと、家賃の目安とローン額とを見比べて、希望と現実を突き合わせながら選択を考えていたときだというふうに思うんです。そういうときに出した資料が誤りだったということ、それすら伝えもしないで、入居して6年目が迫っているときに、家賃をこれから段階的に引き上げていきますということを伝えるというのは余りにひどい話だというふうに思うんです。 ほかの自治体よりも仙台市は路線価が高いですから、本来家賃もさらに高くなっています。なおさら引き上げは困難だというふうに思います。 そんなとんでもない家賃の値上げを説明もしてこないで突然押しつけるなどというのは、大変問題だと思いますし、被災者のついの住みかを奪うおつもりなのかというふうに思います。これは市が説明してこなかった責任を果たすべきだと思いますので、もう一度伺います。
◯市長(奥山恵美子)
まず、地下鉄におけるバス事業の再編でございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、地下鉄ができました際には、既存バス路線につきましては再整理をし、地下鉄駅に結節を図っていくということは、これは無理やりそうするということではなくて、そのことを目指して地下鉄を、それを前提に交通体系の再編も含めてつくってきたということでございますので、決して理不尽なことをしているという認識では私はございません。理にのっとった形で交通政策として進めているというふうに御理解を賜りたいと存じます。
またあわせて、地域路線運行補助金やまた健全化対策補助金の交付などを通じて、従前の路線と同等のものを担保することができるのではないかというような御指摘でございますけれども、もちろん私ども、こうした地域路線運行補助金とか、また健全化のための補助金等を交通事業に支出をいたしておりますけれども、それは私どもが支出が適正と認め得る中でございまして、例えば地下鉄路線と並行する路線の存続ということは、適切なる健全化対策補助金等の交付の要件とは言いがたいものというふうに私は考えているところでございます。
なお、地域の皆様のさまざまな御要望については、交通事業者、また私もともに真摯にこれに取り組んでいるというところでございます。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
今、先ほども庄司議員のほうからさまざまな御指摘を頂戴したわけでございますけれども、説明が不足している、それから誤解が生じているのだということの御指摘につきましては、それを心の中で私どものほうでもきちんと受けとめさせていただきながら、きちんと丁寧な御説明をしていくということに尽きるかと思ってございます。
また、大変御事情が厳しいという方々もいらっしゃるかもしれません。そういう方々に対しましては、まさにお一人お一人の事情をお聞きしながら、場合によりましては福祉施策につなげるというような手だても同時に講じてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。