【概要】ごみを燃やさず循環させ「ゼロ・ウェイスト宣言を」
(発生抑制、再使用、再利用、再資源化。生ごみの回収、循環処理)
◯ふるくぼ和子議員
日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。市民とともに取り組むごみゼロの循環型社会を目指し、焼却から脱却する一般廃棄物処理政策について一般質問を行います。
今年3月、市は一般廃棄物処理基本計画を改定しました。基本的な考え方として、今後の10年、100年を見据え、私たち一人一人がライフスタイルを見直し、さらなる資源循環を進めるなど、自然環境や地球環境に配慮した真に持続可能な社会づくりを進め、杜の都仙台の豊かな環境を次の世代に引き継ぐとしています。大変大事な視点が盛り込まれており、そのとおりの実践が求められています。
しかし、一方で、東日本大震災後、仙台市のごみ総量と燃やすごみの量、リサイクル率は、2011年に策定した基本計画の2020年度達成目標値との乖離が大きく、停滞状況が続いています。震災復興に係る経済の活性化に伴う事業ごみ量の高どまりと、家庭ごみに含まれるプラスチック製容器包装の増加等ごみ組成の変化など、震災による排出動向の影響が続いていることを市は理由にしています。
震災によって一時的にごみ排出量が増加するのは、ある意味当然のことと言えます。しかし、震災後5年余りが経過した現在もその影響が続いているという分析だけでは不十分です。今後の施策展開を効果あるものにしていくためにも、これまでの市の取り組みのどこに問題があったのかを明らかにし、一般廃棄物処理政策そのものについて評価する必要があります。
私たち日本共産党市議団は、これまで繰り返しごみ分別の徹底による減量政策を提案してきました。松森工場の建設の際には、その機能や規模を議論する中で、大規模な焼却場で大量焼却の枠組みをつくってその建設費用まで後世にツケを残すよりも、ごみ減量による循環型社会を目指すべきだと求めてきました。また、ごみ有料化導入の際にも、有料化自体は一時的にごみが減っても根本的な減量にはつながらないことを指摘し、分別によるごみ減量を求めてきました。ごみを減らすには徹底した分別を行うことが不可欠であることは、全国の経験から、もはや明白です。
市長は、10月18日に、ごみ集積所での排出状況調査を行っています。仙台市の分別の状況は、プラスチックは容器包装のみ、瓶、缶、ペットボトルは一まとめに、紙類は月2回というわかりにくい分別を行っているだけで、あとは緑のごみ袋には何を入れても焼却するという、分別の極めて初歩の段階と言わざるを得ません。市長は、実態をその目でごらんになって、ごみ減量を進めるには分別こそが必要だと感じなかったでしょうか。仙台市のこれまでのごみ減量施策に対する分析と課題について、市長の御所見を伺います。
現在、市内各所のごみ集積所に、ごみの少ない都市ランキング、仙台市は第10位というポスターが一斉に掲示されました。だから何、10位ぐらいだったら上できといった、さまざまな声が市民から届いています。10位では不十分、ごみ減量を進めましょうという当局の意図があるものだとは思いますが、残念ながら全く伝わっていません。
昨年度、政令市の中でごみ排出量が最も少ない広島市に、環境・エネルギー政策調査特別委員会で視察に伺いました。2015年3月に策定されたごみ処理基本計画の表紙には、ゼロエミッションシティ広島への挑戦と、強い意志が打ち出されています。細かくごみの組成分析を行い、広島市という地域特性にも合わせた、食品ロスの削減に焦点を当てた取り組みが展開されていました。また、家庭ごみの有料化については、廃棄物処理事業審議会に諮問し、2008年に有効との答申を受けながらも、まずは市民、事業者、行政が一体となった全市的な運動としてごみ減量を進めていくことが重要であると考え見送ったと、ごみ減量の決意とあわせて計画に明記しています。この点でも広島市の積極性を強く感じます。
つまり、ごみ減量を進める最も有効な手段は、有料化などの経済的負担を求めることではなく、市民と事業者と行政が力を合わせて、目標に向かって具体の取り組みを進めること以外にはないということです。なぜごみ減量が必要なのか、循環型社会を市民とともに形成する目的は何なのかをもっと明らかにして、前面に押し出して、市民に伝え、協働を呼びかけるべきではないでしょうか。いかがでしょうか、伺います。
かつて仙台市でも、松森清掃工場の建てかえ建設をめぐる住民の運動や、全国的にも関心が高まるダイオキシンなどの環境問題などをきっかけに、100万人のごみ減量大作戦を打ち出し、市民に協働を呼びかけ、プラスチック製容器包装の分別回収など新しい施策も取り入れながら、取り組みを推進してきた経緯があります。今こそ、さらなる努力が求められています。
自治体がごみ処理基本計画を作成するに当たっては、まず、環境基本法という上位法に基づき、循環型社会形成推進基本法で明記されている3R、すなわち、ごみを出さない、発生抑制のリデュース、繰り返し使う、再利用のリユース、再生利用、再資源化のリサイクルの基本原則を、順序も踏まえて作成すべきです。
ところが、今回の市のごみ処理基本計画では、広島市のようなごみ組成分析の記載はなく、減量とリサイクルをセットにした考え方で施策が打ち出されています。3Rの基本原則から逸脱しているだけでなく、これまでの施策をなぞっているだけの印象にとどまっています。ワケアップとかめざめよといった言葉も、ごみ減量と結びついて効果を発揮しているとは、残念ながら思えません。当局の皆さんも、あるいはそう感じていらっしゃるのではないでしょうか。
さらに問題なのは、計画改定に当たって行った中間評価の結果を受けて、市は目標値を大きく引き下げて今回の計画改定を行っていることです。2020年度までに達成すべきとした基本目標では、新たに一人当たりの家庭ごみの排出量を基本目標に加えたものの、ごみ総量は当初目標33万tを36万tに、燃やすごみの量は26万7000tを30万5000tに引き上げ、リサイクル率は40%から35%へと引き下げ、目標を大きく後退させてしまいました。これでは、市の本気度は全く市民に伝わりません。
ごみ処理基本計画を策定する本来の意義に立ち返って、ごみ減量施策推進の目的を明らかにし、市民とともに取り組む目標を高く掲げて、3Rを軸にした施策展開をすべきですが、いかがでしょうか。
ごみ減量推進施策でもはや避けて通れないのが、生ごみ、食品廃棄物への対応です。今、フードロス、食品廃棄物問題が、大きな問題となっています。2015年の農水省の調査では、事業系の規格外品、売れ残り、食べ残しなどが331万t、家庭から出る食べ残しや買い過ぎによる廃棄などで312万t、合計642万tもの食べられる食品が大量に捨てられていることが判明しました。可食残渣が多量に出ていることは社会的損失であり、大問題です。仙台市域から排出される生ごみ、食品廃棄物をどうやって処理していくかについて、施策を直ちに打ち出す必要があります。
家庭ごみについては、仙台市で焼却されるごみのうち、厨芥類、いわゆる食品廃棄物、生ごみは、2015年度で全体の35%にも上ります。絞って出してと市が呼びかけるように、その7割から8割は水分だと言われています。食べ切る、使い切ることももちろん大事ですが、減量を進めるには、生ごみの回収に踏み出す必要があります。
先日視察に伺った福岡県大木町では、2008年に大木町もったいない宣言を行い、出たごみをどう処理するのかではなく、そもそもごみを出さないゼロウエイストの考え方で廃棄物政策を推進しています。各家庭に生ごみバケツを配布し、ごみ集積所に回収バケツを設置して、週2回の生ごみ回収を行って、バイオガスと液肥を生産し、循環しています。人口1万4500人の町だからできるということではなく、100万都市仙台でも、事業エリアを細かく区切ってエリア内で回収、処理する考え方に切りかえれば、十分実施は可能です。
これまで大都市では生ごみ回収の実現性は低いと考えられてきた傾向がありますが、今こそ発想の転換で、生ごみ、食品廃棄物の処理ルートをつくるなど、実施に向けた検討を行うべきではないでしょうか、伺います。
また、事業系生ごみ、食品廃棄物についても、廃棄物処理法によって自治体が処理することとされていますので、これに対する施策も必要です。
国においても、2000年に、生ごみに関する個別法である食品リサイクル法を制定し、生ごみの減量化に取り組むこととしています。その後、年間100t以上の大量排出を行う食品関連事業者への対策の強化や、食品産業の再生循環資源の再生利用目標値の引き上げ、発生抑制対象業種の拡大などが行われてきています。
食品廃棄物を排出する事業者に対しては、生ごみを出さない対策をとらせるよう求め、みずからの責任で、再生利用、再資源化の生ごみ減量対策を早急にとらせる必要があります。その点で、市は、まず実態をしっかり把握しなければなりません。
仙台市では、現在、事業系のごみについて、どれだけの生ごみ、食品廃棄物が焼却されているか、5年に一回、計画策定の際に調査するだけで、その実態を把握していません。実態調査を行うべきですが、いかがでしょうか。
自治体の工夫と努力で、事業者を支援しながら協働の取り組みを進めていくことも重要です。
東京都では、事業者と住民が協力して食品ロスをなくす工夫の一つとして、昨年度から、スーパーなどの売り場で、消費期限が迫った惣菜や肉製品、豆腐などの値引き食品に、つれてって!それ、フードレスキューというシールを張るというモデル事業を始めています。買い手にとっては、これまでのお得に買うという行為を賢くスマートな社会貢献にもなるポジティブアクションに、売り手には、廃棄物を減らすポジティブアクションにしたいという考えだそうです。
大木町では、食堂や居酒屋、コンビニなどの事業系の生ごみ、食品残渣も、全て事業所と個別契約して回収バケツを貸し出し、10キロ当たり50円で持ち込み引き取りを行い、家庭から出される生ごみと一緒にバイオマスセンターで循環処理されています。
仙台市でも、個人営業の飲食店などの小規模事業者がたくさんあります。大量の食品廃棄物を排出する事業所には、ごみを出さない企業努力を行うとともに、フードバンクや子供食堂への支援などに積極的に参加してもらいながら、生ごみ回収の対象にして、大量焼却から脱却する仕組みをつくることが大切です。事業系の食品廃棄物も回収し、再生利用に参加させていくことが、食品廃棄物を焼却しないための大事な取り組みとなると考えますが、いかがでしょうか。
食品廃棄物以外にも、家庭ごみの分別を進めることが、先ほど述べたように、ごみ減量を進める上では決定的に大事です。
新聞紙や雑誌、雑紙など資源化できる紙類は、2015年度では27.3%が家庭ごみに入り焼却されています。現在、紙類の定期回収も実施をしていますが、月2回の回収です。生活の中で出てくるごみを定期的に出す市民にとって、ごみ出しの日は曜日で認識します。カレンダーでその都度確認しなければならない、ほぼ隔週となる回収は、出しにくさを増大させます。まして、2週間分の新聞紙となると、高齢者には相当重く、ごみ集積所まで行くことの障害にもなります。子供会や町内会などの集団資源回収への支援の強化はもちろん、家庭ごみから紙ごみをなくすためにも、わかりやすく毎週の定期回収にすべきですが、いかがでしょうか、伺います。
プラスチック製容器包装の分別回収についても、2015年度、9.3%が家庭ごみに入っていたことを考えると、わかりやすい分別にし、焼却しないようにすることが必要です。しかし、現状は、肉や魚を買ったときにパックされているラップは分別対象でも、自宅で冷蔵庫保存するためにかけたラップはそうではありません。クリーニングでかけてくれる袋は、商品を入れる袋ではないので対象ではないなど、生活の中で排出される同じ素材のものが、定義が極めて曖昧な容器包装であるかどうかで、出せるごみと出せないごみに分けられ、混乱を生んでいます。面倒くさいから全て緑のごみ袋へとさせない取り組みが必要です。プラスチックの分別については、容器包装以外の処理費用については市が負担してでも、その全量を分別回収すべきです。伺います。
瓶、缶、ペットボトル、乾電池などは、分別とはいいますが、週1回、コンテナに一括回収になっています。市民がコンテナに瓶は瓶、缶は缶と分別して入れても、全て一緒くたにして回収されていきます。これで市民の分別意識が向上するはずもありません。市民の手で品目ごとに分別し、品目ごとに回収する仕組みに変える工夫が必要です。また、分別されたごみが資源としてどのようにリサイクルされ循環しているかが、もっとわかるようにすべきです。
市は、資源化センターで分別しているからとか、集積所のスペースの問題や費用の効率化などと言いますが、そもそもごみ減量やリサイクルは、ごみ処理費用の削減のために行うものではありません。循環型社会の実現のために、市民とともに取り組む課題です。費用がかかっても、必要なら実施する必要があります。集積所の問題は、回収日を現在の週一回を週二回にするなどすれば可能ですし、そうした発想の切りかえや工夫こそが大事です。いかがでしょうか、お答えください。
紙おむつの分別についても、実施する自治体は拡大しています。子供用の紙おむつはもちろん、高齢者の方の紙パンツや紙おむつなども広く普及しています。これまで排泄物が付着する紙おむつ類の処理は焼却するものと考えられてきました。しかし、使用済みの紙おむつを分別回収し、処理し、再生パルプやプラスチックなどを取り出し、再生紙おむつに循環させるなどのリサイクルシステムが既に確立しています。子育て応援、子育てに優しい仙台市、高齢者も安心して暮らせる仙台市というなら、紙おむつの分別回収に率先して取り組むべきではないでしょうか。いかがでしょうか、伺います。
事業系の紙ごみをどう分別するか、これも循環型社会実現に向けた大きな課題です。製造者責任、排出者責任を明確にすることはもちろん大事ですが、事業所に指導を強めるとか、展開検査の強化をするだけではなく、仙台市が一緒に知恵を出すことが大切です。
例えば、事業ごみの回収方法について、紙ごみだけを回収する曜日を設けて古紙回収会社に回収してもらうよう市が調整するとか、環境事業所まで持っていかなくてももっと身近な場所で出せるように、事業所専用の紙類回収の集積所を細かく設置するなど、工夫し、提案していくことが大事だと思いますが、いかがでしょうか、伺います。
こうした取り組みを市が本気で打ち出し、市民と事業者に協働を呼びかけ、実践するなら、焼却場に持ち込まれるごみは限りなくゼロに近づけていくことは可能です。
徳島県上勝町や福岡県大木町が行っているゼロ・ウエイスト宣言は、まさしくこうした取り組みを行う決意をして、住民とともに宣言をしています。大木町の担当者は目標を打ち上げたことで柱が建って効果につながった、ゼロへの挑戦というプレッシャーが取り組みを成熟させたと、生き生きと語っていらっしゃったことがとても印象的でした。
仙台市でもゼロウエイスト宣言を行って、市民とともに取り組むごみゼロの持続可能な循環型社会を目指そうではありませんか。このことを強く市長に呼びかけ、市長の決意を伺って、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
◯市長(奥山恵美子)
ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
ごみ減量施策に関するお尋ねでございます。 本市は、平成22年度に一般廃棄物処理基本計画を策定いたしましたが、その直後に大震災が発生し、ごみ総量の高どまりが続いたところでございます。昨年の中間振り返りでは、実態調査の結果などを踏まえ、集合住宅にお住まいの方々や若い世代の皆さんなど、ターゲットを絞っての広報、啓発活動が必要と考え、これらの取り組みを位置づけた上で、基本計画を改定したところでございます。 ごみ総量36万t、あるいはリサイクル率35%以上といった計画目標の達成はもとより、これを土台として、さらなる減量や3Rの推進を図るためには、市民の皆様や事業者の方々との協働による取り組みが欠かせないと考えております。 さきに実施いたしました全市的な実態調査では、特に紙類を中心とした分別行動の徹底が重要と私自身も実感をしたところでございますが、資源循環都市づくりに向けて大切なことは、こうした取り組みを一過性のものとせず、継続的に評価、改善をし、次のステップへとつなげていける、いわば市民協働によるPDCAのサイクルを構築することと考えております。 この秋に開始しました、ワケアップ!仙台・ごみ減量キャラバンを皮切りに、市民の皆様とともに資源循環都市への歩みを力強く再開し、杜の都の環境と108万都市の経済活動とが融合した持続可能な都市づくりを鋭意進めてまいる考えでございます。 そのほかの御質問につきましては、環境局長から御答弁を申し上げます。 以上でございます。
◯環境局長(小林仁)
ごみ減量推進施策に係る残余の御質問にお答えいたします。
まず、家庭から出る生ごみのリサイクルについてでございます。
生ごみの分別回収、リサイクルは、一部の政令市において、地域限定のモデル事業として実施しておりますが、回収場所の衛生環境の確保や割り箸等の異物の混入、収集運搬経費の増加等の課題があるものと考えております。
本市においては、生ごみ減量・リサイクル実践講座や生ごみ処理機等購入費補助事業などの取り組みを実施してきたところであり、これらにより、引き続き生ごみの減量・リサイクルを進めてまいりたいと考えております。
次に、事業所から排出される生ごみの実態調査についてでございます。
5年に一度実施している組成分析調査は、業種ごとに抽出した事業所のごみを個別に回収し、内容を細かく分類した上で重量を測定するものであり、相応のコストとマンパワーを要するところでございます。この調査のほか、焼却工場に搬入される事業ごみを対象に、ごみ内容物の展開検査を毎年数回実施することで、事業ごみの排出傾向を把握しており、事業者への訪問指導につなげているところであります。
今後は、この展開検査をさらに充実させてまいりたいと考えており、その取り組みを通じ、より詳細な実態把握に努めてまいります。
次に、事業系食品廃棄物のリサイクルに関するお尋ねでございます。
市内で食品を販売している事業者や飲食店の中には、分別、水切りの徹底や食事の量を選べるメニューの採用により生ごみを減らしたり、また、食品廃棄物を資源として再利用するため、民間リサイクル施設へ搬入している事業者もございます。
今後、事業者の皆様とともに、生ごみの減量・リサイクルに取り組むことが必要と考えており、これら優良事例の御紹介や事業所を訪問しての排出状況の確認、指導などについて、検討を進めてまいりたいと考えております。
次に、紙類の定期回収についてでございます。
家庭から出る紙類は、集積所での月2回の定期回収のほか、地域の子供会などによる集団資源回収により、全体としてバランスも考慮し、収集を行ってきたところでございます。そのほかに、市民センター、スーパーなど市内143ヵ所カ所に、土曜日や日曜日でも持ち込みのできる資源回収庫などを設置し、市民の皆様のライフスタイルに応じた多様な排出機会を設けてきたところでございます。
これらについて、より一層の周知を図りながら、紙類の分別、リサイクルを進めてまいりたいと考えております。
続いて、プラスチック製品の分別回収に関するお尋ねでございます。
本市では、容器包装リサイクル法に基づいて、プラスチック製容器包装のみを分別収集しているところですが、市民の皆様に、よりわかりやすく取り組んでいただくためには、プラスチック製品全般を対象としたリサイクルが望ましいと考えております。このため、関係団体から成る全国組織や他の政令市とも連携をし、国に対して法改正等の要望を行っているところであり、引き続きこうした働きかけを行ってまいります。
次に、缶、瓶、ペットボトル、乾電池の定期収集についてでございます。
このことにつきましては、リサイクルできるものをまとめて排出できるという、市民の皆様にとっての取り組みやすさや、回収容器でできるだけ多くの資源物を集めるという収集効率を勘案し、現行の収集体制としたものでございます。選別施設はこれに対応できるよう整備、運営されており、現在は16品目に区分してリサイクルをしております。
この仕組みは市民の皆様にも定着しているものと考えており、現行の体制のもとで、リサイクルの目的や意義を御理解いただけるよう、効果的な広報や啓発に努めてまいります。
続いて、紙おむつのリサイクルについてでございます。
一部の地域では、紙おむつを再生パルプや燃料としてリサイクルする事業が実施されていることを承知しておりますが、紙おむつの分別回収費用や衛生面に配慮した保管場所、リサイクル業者の確保など、課題が多いものと認識しております。
最後に、事業系紙類の回収についてでございます。
事業ごみのうち、約2割はリサイクル可能な紙類であることから、事業ごみの減量には紙類の分別が重要であり、現在、4カ所の環境事業所に無料で持ち込める事業系紙類回収庫を設置しております。こうした無料回収拠点をさらにふやしていくことが、排出事業者の利便性向上につながりますことから、回収庫の市内各所への設置について民間事業者に働きかけを行っているところであり、引き続き事業者が紙類を分別しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
──再質問──
◯ふるくぼ和子議員
全体として、ごみ減量、循環型社会というテーマですので、前に向けて進めていきたいという、そういう印象での答弁だったというふうには受けとめますが、やはり個別の課題になると、現状の課題、問題、あるいは取り組みの全国的な状況等を出して、後ろ向きと受け取れるような内容が含まれているということに、少しやはり問題を感じざるを得ませんでした。 というのは、できないことを理由をつけて説明をされるということを頑張られれば、市の本気度が問われて、むしろそこに本気度がないんじゃないかということが証明されていくという、こういう関係になっていくということなんですね。ですから、私はそれではだめだと思いますので、改めてそういうことでいいのかという点について、まず確認も含めて、これは再答弁を求めたいと思います。
さらに、その上で三点について伺いたいと思うんですけれども、一つは、ごみ減量には分別、3Rの徹底なんだと。このことを私も申し上げましたし、その認識をしっかり示していただきたいと思うんですね。ここを明確にした答弁というのが、やはりこうした施策を進めていく上では非常に大事だと思いますので、その点、再度答弁をいただきたいと思います。
二点目は、食品廃棄物、生ごみの取り組みについてです。新しく取り組もうという提起でもありますから、検証や検討が行われていくと。こういうことは大事だというふうに思いますし、それ自身を否定をする、検証や検討を否定するというものではありませんが、問題は、この分野での減量を進めるには、その向かうべき方向性として生ごみ回収処理を取り組むべき課題だというふうに位置づけているのかどうか。これを位置づけて認識をしっかりしなければならないと思いますけれども、それについてどうかという問題です。ですから、このことについても、もう少し認識、位置づけを明確にしていただきたいと思います。
三つ目は、これはぜひ市長のほうにもお伺いしたいんですが、ゼロウエイスト宣言の関係なんですね。現実的にどうかといった本質論を曖昧にするような議論にしてはいけないというふうに思います。広島ではゼロエミッションという言葉でごみ減量を掲げた。仙台市でもぜひ高い目標を定めて思い切って取り組みを進めましょうと、こういう提案を申し上げたわけで、これ自身、市長も否定するものではないという旨の答弁だったとは思いますけれども、やはりゼロウエイストを目指したいという市長の決意として、もう少し明確にお示しをいただきたいというふうに思います。
◯市長(奥山恵美子)
ごみ減量に係る数点のお尋ねに私のほうからお答えを申し上げたいと思います。
まず、ごみ減量と3Rということでございますけれども、これは大変重要なことだと思っておりまして、ごみ減量を進めるためには3R、すなわち、お話にもございましたようなリデュース、リユース、リサイクル、この三つの観点に従って取り組みを進めていくということは、本市の環境行政におきましても、これまでもその認識でございましたし、また、今後もその観点に立って施策を進めていくということでございます。
しかしながら、今回のワケアップのキャンペーンにつきましては、そのリサイクルの中でも、とりわけそのリサイクルを実践する主体ということでの市民の皆様への呼びかけに際して、特に高層住宅にお住まいの皆様や、また若年世代の方々についてさらに呼びかけが必要ではないかと。これは私どもの実態調査であると同時に、地域で御活動いただいているクリーン仙台推進員の皆様からも強くその点についての御要望や御意見をいただいた中から、キャンペーンの対象を若い世代に重点的に取り組みたいということで考えているというものでございます。
それから、また、最終的な目標としてのゼロウエイスト宣言、またゼロエミッションということについてでございますけれども、もちろんごみをですね、ごみといいますか、私どもが使いましたさまざまな資源を全てリサイクルなりリユースなりに回しつつ使い切るというのは、大変重要な思想というか考え方だというふうに思ってございます。しかしながら、このたびは震災で一定程度高どまりをしております現状に対してキャンペーンとして第一弾でございますので、いきなりそこまでいくのはいかがなものかという判断は私にもございまして、私としては、やはりまず一度、この震災の中で私どももごみに関する意識についてキャンペーンを行うことができなかった5年間という時間がございましたので、もう一度ごみを考える杜の都の仙台市民になってほしいという点も踏まえて、今取り組みの第一段階に入ったということでございます。今後こうした取り組みが徐々に成果を上げていく中で、いずれはゼロウエイスト宣言ができるような仙台市になることを、私としても目指してまいりたいと思うものでございます。
生ごみの減量ほか具体の課題に関しましては、環境局長から御答弁を申し上げます。
◯環境局長(小林仁)
残余の御質問にお答えを申し上げます。
まず、3Rの位置づけということでございますが、現行計画を改定する際に中間振り返りを行いました。その中で、3Rの取り組みを加速することが重要ということをまず基本に置いた上で、資源循環型都市づくりの基本的な方向性にも明確に位置づけを行っているところでございます。
それから、事業系の生ごみの回収につきましては、御答弁の中でも申し上げましたが、今後、事業者の皆様とともにこれは取り組むべき課題というのは私どもも認識してございまして、その具体の取り組みとしては、優良事例の御紹介ですとか、あるいは排出状況を踏まえての事業所訪問の指導といったことを現状は考えてございます。
それから、本気度ということでもお尋ねを頂戴したかと思いますが、今回、秋のキャンペーンも全庁挙げて、他局の応援もいただきながら、実態調査を行いました。今、全体の総括をしてございますけれども、クリーン仙台推進員さんの皆様方も総じて市のこうした姿勢については御評価を頂戴しているのかなと思っており、御答弁の中でも市長から申し上げましたけれども、これを一過性のものに終わらせないということで、次年度以降にしっかりとつなげていくということを心がけてまいりたいと、このように思っております。
◯ふるくぼ和子議員
市長の答弁で、目標の設定の考え方ですが、一遍にいくのはいかがなものかというような表現もされました。しかし、私は、きちんとやはり目指すべき目標を定めて、それに向かって進んでいくということが非常に大事だと思いますし、さらなる積極性が求められている課題ですから、広島市や上勝町、あるいは大木町などで同様に高い目標を掲げて打ち出してきた、よその取り組みとして進めているという、こういうところにも学んで、市民に仙台市でも訴えていくということが私は大事になるんだというふうに思っています。そういう意味で、目標の設定については、計画期間中でも途中の変更というものも十分可能なわけですから、見直す、そうした展望も、この場で一定明言もしながら、さらにそのごみ減量の取り組みを行いましょうという、市民に対しての呼びかけをぜひこの場で市長にしませんかと、再度のお尋ねをしたいと思います。
◯市長(奥山恵美子)
私は元来が小心でありますせいか、また、市の職員として堅実な気風が身につき過ぎているのかというふうには思うのですが、議員の大変大きな目標には心から賛同するものでございますが、具体の目標としては、ただいま計画に記載されておりますものをしっかりと着実に進めてまいりたいと、このように思っております。