【概要】放射能廃棄物の焼却処分で
大量の放射能物質が埋め立てられる
(若者支援策、保育所待機児童ゼロ、公共交通の拡充)
◯花木則彰議員
日本共産党の花木則彰です。2期8年の任期満了に近づいている奥山市長の政治姿勢にかかわる問題について、一問一答で議論したいと思います。
前回の定例会において、奥山市長が昨年度一度も仮設住宅や復興公営住宅を訪ねることもなく、復興計画期間を終了させたことが明らかになりました。言うまでもなく、復興の第一の目的は、大震災で被災した方々の生活の再建です。5年間にわたる復興事業がその目的を達したのか確かめる、不足があれば追加策を打つ、こんな当たり前のことを奥山市長はなぜ行わなかったのか、大変大きな問題だと感じます。市長の説明を求めるとともに、今年度は復興公営住宅やいまだ住宅再建に至っていない方々のところへ、声をどのくらい聞きに行ったのかお聞きします。
2期目の市長選挙で、市長は、保育待機児童解消を目玉政策の一つに掲げました。待機児童の数え方を国がころころ変える中で、数字は少なくなっていますが、認可保育所を希望したが入れなかった児童の数は本年度も約1000人であり、事態は前進していません。私たちは認可保育所のニーズ予測が低過ぎること、公立保育所の計画的整備方針がなく、逆に公立保育所を廃止していることに解消が進まない原因があると考えます。市長はどうやって来年度当初の待機児童解消を実現しようとしているのか、あるいは数年おくれても待機児童解消を実現する方針を考えているのか、伺います。
地下鉄東西線の利用見込みが大きく外れたことが話題になっています。市民の足を充実させるための東西線ではなく、都市の発展のための東西線だという市長の位置づけが、そもそも問題だと指摘してきました。広い市域に暮らす市民にとって必要な公共交通は、地下鉄やバスに加え、行政による地域巡回型の交通が求められています。高齢になってもマイカーに依存しなければならない事態を解決するための仙台市の公共交通政策について、市長のお考えを伺います。
仙台市が未来に向かって健全に発展するためには、高齢者が住みやすい都市になるとともに、若者が学び暮らす、安心して子供を産み育てるまちになることが重要です。学都仙台と呼ばれてきた仙台市ですが、学生や若者を支援する施策は大変貧弱です。多くの学生が学び、東北の各地方に新しい人材を供給するとともに、仙台で力を発揮してもらえる都市にするために、積極的な施策を推進することを求めます。
若者の親の世代が既に仕送りを十分にはできない経済状況になり、若者自身も不安定な雇用のもとに置かれています。学ぶことも働くことも、結婚や子育てなど暮らしていくことも、大変生きづらさを感じている現状について、奥山市長はどう捉えているのか伺います。
市民の命と暮らしの安全を守るのが市長の仕事です。ところが、事故が起きた際、避難する計画も具体的に持てないのに、女川原発再稼働について容認する対応を市長はとり続けてきました。そして、今注目されているのは、福島第一原発事故で県内にまき散らされた放射性物質について、その大半を仙台市に持ち込み焼却し、富谷市にある仙台市の石積処分場に埋めることになる、村井県知事の計画に対する市長の対応です。
8000㏃を超える放射性指定廃棄物の最終処分場問題で行き詰まったのに、また同じことを、今度は8000㏃以下だからと繰り返す。それも一番人口の多い仙台市に集めてくるなどという県知事の提案は、即刻反対を表明すべき問題です。もとはと言えば、11月3日の市町村長会議直後に、市長が県に協力的なコメントをしたことが市民に不安を与え、仙台市の担当部局を困難に陥らせました。さらに、今議会の答弁で、自分の自治体だけでは処理し切れないところもあるとし、県内自治体が協力するのはよいことだとの認識を示しました。自治体で処理し切れないのに、8000㏃以下は自治体の責任だとした原子力災害対策特別措置法にこそ、問題があります。その上、8000㏃以下の廃棄物がない自治体にまで処理させることは、誤りに誤りを重ねる対応です。いかがでしょうか。
あれこれの部局でなく、市長がみずからの判断の理由を示し、正すべきことは正すということが大切です。伺います。
以上、第一問とし、市長の誠実な答弁を求めます。あとの議論は一問一答で行います。
◯市長(奥山恵美子)
ただいまの花木則彰議員の御質問にお答えを申し上げます。
震災復興についてのお尋ねにお答えをいたします。
震災からの復興に当たりましては、被災された方々のお住まいと暮らしの再建を最優先に、各般の復興事業を推進してまいりました。この間における被災された皆様の御努力と、生活再建加速プログラムに基づく個別の御事情に寄り添った支援により、恒久的なお住まいへと移転が進み、この秋にプレハブ仮設住宅が解消されるなど、一つの節目を迎えることができたものと考えております。
今年度、私自身は直接仮設住宅や復興公営住宅を訪問したということはございませんが、本市全体が一つのチームとして戸別訪問などにより皆様のお声を伺いながら、個々の御事情や課題に応じた支援を進めているところであり、関係機関の方々ともしっかりとタッグを組みながら、被災された皆様の生活の再建に向け、引き続き努めてまいる所存でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯花木則彰議員
本当、口先だけだという感じがします。市が全力、総力を挙げてと言いますが、その総力には市長は入っていないということなんでしょうか。被災者の医療費免除について、国が全額経費負担すべきだと、つまり八割の負担では二割を市が負担することになるからと、奥山市長自身の判断で打ち切られました。その市長の判断がどういう事態を招いているのか、これは確かめることが必要です。これまで市長は、お困りの方は御相談くださいと言ってきましたけれども、相談に来て、市が何らかの支援で解決された被災者はどのぐらいいたんでしょうか、伺います。
◯市長(奥山恵美子)
個別の御相談につきましては、さまざまな窓口への御相談がありますので、具体的な件数としてお答えを申し上げることは難しゅうございますけれども、この間、減免の制度の適用になった方、また生活保護などの福祉の制度につながれた方、そういった方がおいでになられたというふうに報告を受けてございます。
◯花木則彰議員
問題は、支援がなくて解決されなかった人がどのくらいいたのかということについて着目すべきです。例えば、この前の代表質疑では、特別家賃低減制度の問題が議論になりました。6年目から家賃が上がることについて伝えていなかった問題について、市長は申しわけないという思いはないんでしょうか。復興公営住宅の入居者約3000世帯の8割、2400世帯の問題です。これは個別に相談をして済む問題ではありません。国に10年までの費用負担を求めるとともに、市独自での低減策の上乗せで水準を維持すべきです。いかがでしょうか。
◯市長(奥山恵美子)
特別家賃低減制度につきまして、そのお知らせをしました資料の中に、適切な理解に至らない表現の部分があったということにつきましては、まことに申しわけなく思っているところでございます。
私どもの中で十分な御説明を尽くし切れていなかったということについては、今後への糧として十分反省いたしますとともに、まずはそうした現在お住まいの皆様に対して、この間の経過も含めまして制度の正しい今後の運用のあり方について丁寧に御説明をさせていただき、今後そうしたことを前提に生活設計に入っていただけるよう、今年度早々より説明を開始してまいりたいと、このように考えているところでございます。
◯花木則彰議員
もう既に生活設計に悩みに悩んで選択して入居をされている方々です。その大半の方々が、今の低減制度、どんどん上がるということになったのでは生活設計が崩れるわけですから、今から考えろというのはまことに無責任な対応だと思います。そもそも市長が言われるように、トップランナーみたいに仙台市の復興が進んできたんでしょうか。仙台市の被災者支援の到達は、大変薄いと私は思います。
災害公営住宅と防災集団移転宅地、そして土地区画整理宅地の数が占める住家全壊数に対する割合の資料が、復興庁から出されています。県内の自治体ごとの数字で見ると、津波被害の沿岸部自治体は50%前後になっていますが、石巻市も困難だと言われていますが、ここでも36%、さらにこれでは足りないと石巻市は200戸の追加整備を市長が発表しています。それに対して仙台市、何と10%台です。こんな少ない自治体というのはほかにありません。市長が言う今の到達、大変薄い支援のために、困難を打開できない被災者がまだたくさん残っているということにこそ、市長は責任を感じて手だてを尽くすべきです。
どこがトップランナーなのかと。現状に向き合っていただきたいと思います。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
復興公営住宅の整備戸数についてお答えをいたします。
本市といたしましては、まず発災直後より被災された方々に対しましてさまざまな状況を確認させていただきながら、住宅再建の方法につきまして、集団移転でありますとか、復興公営でありますとか、さまざまなメニューをお示ししながら、そして同時におのおのの方々の意向を丁寧に確認をさせていただきながら、これまで復興公営住宅の整備戸数3206戸を定めてきたところでございまして、その数字は適切なものと考えてございます。
◯花木則彰議員
結果が薄いということを言ってるんですよ。
保育についても同じです。一生懸命頑張ってきたと言うけれども、保育の待機児童の解消のめどがつかないじゃないですか。この間、毎年2ヵ所以上のペースで公立保育所を廃止してきたと。保育定数でこれは約1000人分に当たります。もし廃止していなくて、民間の新規整備を行っていれば、十分待機児童解消のレベルに達していました。公立保育所の廃止方針の理由を、同じ税金でより多くの子供たちを保育するためにと、仙台市はしています。これは市の保育士よりも安い給料で働く民間保育士の待遇を前提とした考え方です。
保育士不足が問題で、民間事業者は新規開設に踏み出せないと言われています。保育士の待遇改善が社会的要請となっているのに、奥山市長の考えは、専門職である保育士を安く働かせるのをよしとするもので、逆行していると、市長自身はお気づきにならないんでしょうか。
◯市長(奥山恵美子)
保育士等の皆様の処遇改善につきましては、既に御承知のとおり、国の義務的経費の中におきまして、これまで3%、1.9%といった処遇の改善が段階的に図られてきているというものでございます。これにつきまして、現時点で十分だというふうには私も考えてございませんで、さらなる処遇の改善に向けて、各自治体と連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに思っているところでございます。
また、老朽化いたしました公立保育所の建てかえにつきましては、これを子供たちの環境をよりよいものにするという視点から、民間のお力をおかりをしながら進めている、計画的に進めているということでございまして、これについては今後とも進めてまいるという考えでございます。
◯花木則彰議員
何でも後追い、後追いになってしまうという、そういった仙台市の残念さだと思います。
公共交通について伺います。高齢者の運転による事故の問題、さまざま取り上げられています。これはやはり公共交通が使えない地域が、全国で広がっているあらわれだと思います。国が公共交通政策として、公営、民間を含めた交通事業者任せになってきた結果だと、私は思います。多くの自治体で何とか住民の足を守ろうと、コミュニティバスなどの努力が行われていますが、大事なのは自治体の責任で走らせることなんです。
先ほどから都市整備局長は言われていますが、ここが大事な点です。交通事業者に任せているんじゃなくて、自治体が自分たちの責任として行うということが大事なんじゃないでしょうか、伺います。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
路線バスにつきましては、市民の方々の日常生活などを支えるものでございまして、交通事業の持続的な運営は大変重要な課題であると、そのような認識のもと、市バス事業に対し路線維持などのために平成27年度におきまして、一般会計から約28億円を支出しているところでございます。
しかしながら、今後、財政制約が強まる中で、現在と同様の対応は困難になるものと想定されることから、今後のバス事業につきましては事業の効率性を高めることが一層重要になると考えてございます。
また、市民の方々の地域交通の確保につきましては、先ほど来御答弁申し上げてございますけれども、新しい発想に基づき、地域の方々が主役となってさまざまな取り組みをしていただくと、そのようなことからスタートするものと考えてございます。
◯花木則彰議員
事業者任せから、今度は地域任せになろうとしているだけじゃないですか。自治体の責任を果たすべきだと思います。 昨年度、日本共産党市議団が行ったアンケート調査では、ふだん地下鉄東西線を利用する人は16.7%でした。東西線には毎年40億円の基金積み立てを行い、支えていくことになります。一方で、市バスと宮交を合わせたバス利用者は96.4%と圧倒的です。ところが、市バスに出しているお金、先ほど去年はと言いましたが、今年は幾らですか。大きく減らしたじゃないですか。 公共交通に市民の生活の足の確保にお金をかけることを惜しんでいては、市民の生活が壊れる、地域が壊れるとお考えにはならないでしょうか、伺います。
◯都市整備局長(鈴木三津也)
今後、将来に向けまして、各おのおのの地域でもさまざまな特徴といいましょうか、特性があろうかと思います。そのような中で、当然ながら各地域におきまして、交通の確保をしていくというのは大切な課題であると。その認識は当然ながら私ども持っておるわけでございまして、だからこそこれからはまさに地域の方々が地域として考えていただき、地域の方々がさまざまな担い手も含めて役割を担うんだと、そのようなことが今後の持続的な地域交通を支える柱だと思ってございます。
◯花木則彰議員
一貫して自治体の責任主体性はどこなんだということを問うています。代表質疑でも、市民の声、地域のニーズを把握することが大事だと、バス路線の見直しなどを行うときにもそれが大事だというふうに言いましたが、聞くこともしないじゃないですか。交通局、民間バス事業者はもちろんですが、公共交通政策部門がしっかり聞く。向山地域や若林、さらに宮城交通の路線地域でも、具体的な要望や運動が次々と巻き起こっています。市長は真っすぐ向き合って、事業者とともに要望を聞き、解決策を検討し実施する、その責任を果たすべきですが、いかがでしょうか。
◯市長(奥山恵美子)
地下鉄東西線の開業に伴いますバスの再編に関連してのさまざまな地域の御要望、また御意見等につきましては、私が直接お聞きしたもの、頂戴したものも含め、承知をしているところでございます。それらにつきましては、私として地下鉄東西線を開業いたしました地域交通のあり方に対する基本的な考え方、すなわち鉄軌道を中心として、そこに適切なバス路線をつないでいく。また、それを補完するものとして、どういうものが必要かを地域のお声を伺いながら考えていく。それらと交通事業としてのバス事業の採算性の問題。これら複数の課題を検討する中で、バス事業管理者とともに、よりよい答えを見つけ出していきたいと、このように考えているところでございます。
◯花木則彰議員
市民の声、地域のニーズを把握して、その解決のために責任を果たすべきだと思います。
放射性汚染廃棄物の一斉焼却について、環境局長の答弁は大変問題だと思います。特措法の枠組みでは、国と東電の責任が曖昧にされると。市民の命と安全は守れないと指摘しているんです。いかがでしょうか。
◯環境局長(小林仁)
国の特別措置法におきましては、一義的な責任は東京電力にあり、国はその社会的責任を負い、必要な対策を講ずると明確に位置づけられているところでございます。
◯花木則彰議員
では、一般廃棄物の処分については、どうなんですか。
◯環境局長(小林仁)
これは国の制限のほうで8000㏃以下のものについては、一般廃棄物として処理をするということを定めているものでございます。
◯花木則彰議員
それがおかしいと言っているんです。どうですか。
◯環境局長(小林仁)
本市におきましては、昨年度試験焼却を行い、安全性を確認した上で、市内に存する牧草、ほだ木等の焼却を安全に処理したところでございます。
◯花木則彰議員
この問題は、二つの論点があります。一つは、安全に焼却し埋めることができるのかという問題。もう一つは、県内の放射性物質を仙台市に集めてくることをよしとするのかどうか。この二つです。 仙台市は、先ほど言われたように、去年520トンの放射性汚染廃棄物を3つの清掃工場で焼却をし、富谷市内の石積最終処分場に埋めてしまいました。大気中への拡散、運搬時の問題、埋めてしまってからでは放流水に出ても対処のしようがないことなど、具体的な市民の指摘に対して、市は国の言うとおりだから安全だと言うばかりだったじゃないですか。お伺いします。
◯環境局長(小林仁)
一般廃棄物の処理に際しましては、国におきまして有識者の知見も集めた中でのガイドラインというのが厳格に定められております。私どもは、そのガイドラインにのっとり処理を行い、安全性についてもこれを確認しているところでございます。
◯花木則彰議員
市として自信を持って安全の根拠を述べることができないんですよ。今思ってみると、市長は国の言うとおりにやっていれば、もし何らかの被害が出ても、それは国の責任だと、自分の責任にならない。自分は安全だということだったのかと感じるんですが、いかがですか。
◯市長(奥山恵美子)
この間の昨年の焼却につきましては、ただいま環境局長から御答弁を申し上げましたとおり、ガイドライン等に沿いつつ、私どもとしてもモニタリング等、空気中、そしてまた施設の境界領域における空中放射線量の調査等、各種の数字をみずからの手で確認をしつつ、これを行ってきたものでございます。
私自身が安全か安全でないかということではなく、あくまでも108万仙台市民の皆様にとって安全な焼却であるようにという旨を第一に、これを実施したものでございます。
◯花木則彰議員
それは国の言うとおりのガイドラインでは、全く安全性は確認できないということを、市民の人たちも、また私も繰り返し主張しています。バグフィルターでは、放射性セシウム、とりわけ塩化セシウムとして気体化しているものや、とても小さな微粒子を取り除くことはできません。排気の中に漏れ出た放射性物質を測定するためのろ紙や、排気ガスをくぐらせた水にも捉えられないので、このガイドラインでは検出することができないんです。
国の言うとおりの方法で試験焼却などやっても、何の役にも立たないことは明らかです。県や国にこういった疑問点について責任ある説明を求めたのか、伺います。
◯環境局長(小林仁)
試験焼却につきましては、私どもは本市における昨年の実績も踏まえて検討していくと、このようなお答えを差し上げたところでございます。昨年の本市における実績では、ばい煙の濃度の結果も含めまして安全を確認し、実績といたしまして汚染廃棄物を焼却する前後と比べまして同程度であったことを、これは数値で確認してございます。したがいまして、説明を求める状況にはないものと、このように認識しております。
◯花木則彰議員
先ほどから指摘している疑問点について、国や県に説明を求めたのかと言っているんです。
◯環境局長(小林仁)
私どもにおきましては、そのような疑問を抱いてございませんので、お尋ねはしてございません。
◯花木則彰議員
みずから説明することもしないし、県や国に求めることもしない。これでは市民の不安は大きくなるばかりです。
二つ目の論点です。放射性セシウムは焼却しても化学変化でもなくならない、減らないということは御理解いただいているでしょうか。市長、伺います。
◯市長(奥山恵美子)
承知をいたしております。
◯花木則彰議員
だったら、何のために焼却で大気中に拡散するリスクを冒すのかわからないということなんです。もし、安全に焼却できたとしても、廃棄物に含まれていた放射性物質は、焼却灰の中に全て残ることになります。一般のごみとまぜて燃やすわけですから、まぜるための一般のごみが圧倒的に多い仙台市に処理が集中することもおわかりと思います。 市長は、8000㏃以下の廃棄物、3万6000tのうち仙台市にはどのくらい集まってくると想定されているでしょうか。
◯市長(奥山恵美子)
現在、本市において検討を進めておりますのは、本格焼却ではなく、あくまでも県内市町村が全市こぞって参加をするという前提での、試験焼却についての実施の有無と可否ということでございます。したがいまして、今県内に総量としてありますものの幾らがというようなことは、検討していない段階ということでございます。
◯花木則彰議員
環境局長も検討してませんか。
◯環境局長(小林仁)
前回の市町村長会議の場では、焼却以外のすき込みや堆肥化などの手法についても、それぞれ減量に向けた努力をするという発言が各首長さんからございました。本件につきましては、そうしたプロセスも考慮いたすべきと考えており、現在、その本格焼却に向けての広域処理の総量といったものが、まだ議論の俎上にはのっておらないというのが私の認識でございます。
◯花木則彰議員
大変無責任だと思います。3万6000tの中に含まれている放射性セシウムの量は、県内の8000㏃以上の指定廃棄物に含まれている量よりも多いという事実を、市長は御存じでしょうか。知ってるか、知ってないかです。
◯市長(奥山恵美子)
今のお話について詳しく勉強はしたことはないので、ここではちょっとお答えできません。
◯環境局長(小林仁)
いわゆる放射性物質の総量としては多いと、これは絶対量が8000㏃以下の汚染廃棄物の絶対量が多いということに由来し、放射性物質の総量としては多いということは承知をいたしております。
◯花木則彰議員
8000㏃以上の指定廃棄物の最終処分方針は、国が集めて管理するということでも安心できないということで、加美町や栗原市などの首長が先頭に立って反対運動をして頓挫いたしました。それよりも多い放射性物質の大半を、県内人口の半分を占める仙台市に集めてきて、住宅地の中で焼却する。焼却灰は富谷市にある仙台市の最終処分場に、一般廃棄物の焼却灰の管理レベルで埋めてしまうということです。
現在の市民も、100年、200年後の市民にも影響を与える重い決断のはずです。奥山市長は、それをこんなにも軽々しく行おうとしているのか、伺います。
◯市長(奥山恵美子)
議員のお尋ねの前提としておられます、まず焼却物の全量を仙台市に持ってきて、仙台市で焼くのだということについては、全くの議員のお考えでございまして、私どもそれについては、まだ全く検討の俎上に上っていないということでございます。
私といたしましては、このたびの東京電力福島第一原子力発電所の事故によります、こうした汚染物質、それらが県内の各市町村におきまして、それぞれに極めて適切ではない、残念ながら民間の土地その他を利用しての仮設の状況の中で長年保管せざるを得ないでいる状況、その状況自体の中にも危険度というのはあるわけでございまして、そうした状況に対して仙台市としてできる範囲の中での除去に向けての検討すべきステップ、それとして今回の試験焼却に向き合っているというふうに考えております。
◯花木則彰議員
総量について検討の俎上に上っていないと言いますが、520tですよ、仙台がやったのは。今度は3万6000tのうちどれだけが来るかという話なんです。きちんと検討すべきだと思います。 廃炉などに伴う高レベルの放射性廃棄物とは違い、放射性セシウムによる汚染廃棄物は、8000㏃を超えるものであっても、放射線が出てこないようにコンクリートなどで遮蔽することは比較的簡単です。あとは水が入り込み、流れ出ないように、50年、100年と管理することが放射線防護管理の基本です。全県の廃棄物を集めたりせず、燃やしたりもせずに、自治体ごとに管理施設を人が日常見えるところに国の責任でつくり、そのための人の配置も行わせることが現実的だと私は考えます。市長はそう考えませんか。
◯市長(奥山恵美子)
御指摘の手法についても有効であるならば、当然それについて取り組むことも一方法であろうと思います。私は、先ほど環境局長も申し上げましたけれども、今各自治体で行われておりますすき込みであるとか、さまざまな焼却以外の方法、これを決して否定しているものではございませんで、それは宮城県も同じだというふうに思います。時間の中で、新たな画期的な手法等が知見が得られるのであれば、それに取り組むべきであるというふうに思います。
◯花木則彰議員
問題は、国の責任でちゃんと市町村ごとにやらせるということだと思います。この問題を含めて、奥山市長は被災者や市民に直接向き合うことを避けて、国や県の言いなりの改悪を市民に押しつけることを自分の役割だとされているように思います。 100市民の命と暮らしを守るためには、市民の立場にしっかり立って、国にも立ち向かうことが市長であるべきです。奥山市長が任期最後の半年余りを、これまでの政治姿勢を猛省をして、提案したような市民のための施策へ方向転換を行い、実行されることを再度求めますが、いかがでしょうか。
◯市長(奥山恵美子)
ただいまこれまでの施策についての猛省のもとにということでございますが、日々私も市長として万全ではなかろうという反省のもとに、自分の施策を検証することに努めておりますが、ただいま御答弁申し上げましたとおり、その全てについて反省するということではございませんで、私として十分な検討、そしてまた判断を市民の皆様にお示しをしながら、御理解をいただいて今後の市政も運営をしてまいりたいと考えております。
◯花木則彰議員
みずからそのことを語る、あるいは聞くということもしにいかないという今の状況です。これがだめだと思っています。これでは市長が3期目挑戦の意思を固めたとしても、これ以上市政を担っていただくことはできないと私は感じます。市民の皆さんとこのような市政を転換するために、私たちも奮闘することを決意して、質問を終わります。
以上です。(拍手)