(2017年9月議会 嵯峨サダ子議員の代表質疑から)
〇嵯峨サダ子議員 仙台市は、復興公営住宅を少なくし、民間賃貸住宅への入居を誘導したのですから、家賃補助に足を踏み出すべきです。いかがでしょうか、伺います。
ついの住みかと思い入居した復興公営住宅の家賃が上がるという問題が入居者に不安を与えています。市は、国が新たに創設した東日本大震災特別家賃低減事業を活用し、政令月収八万円以下の世帯の家賃を軽減しています。この制度は、入居後六年目以降、段階的に家賃が引き上げられ、十一年目以降、本来の家賃を支払うことになるというものです。
ところが、市は、入居募集の際に、入居開始後十年間は家賃が軽減されますとだけ書面で通知していました。それを、ことし三月になって、実は六年目から家賃が上がりますと文書を配付しました。まさに寝耳に水であり、値上げとは何だという怒りの声があちこちから上がっています。
特別家賃低減世帯は二〇一六年十月末現在で入居世帯全体の約七八%です。一番低い家賃で五千六百円の世帯は、十一年目に三倍以上に上がります。市は、配慮が足りなかったと説明不足は認めています。党市議団はこれまで、市に瑕疵があるのだから、六年目以降の引き上げ分は市が負担すべきと求めてきました。十年間据え置くのにかかる費用は総額で約九億円です。復興公営住宅の家賃を安くするために国が出している毎年約二十億円の交付金を使えば、家賃の引き下げは十分にできると論戦をしてきました。
この間、復興公営住宅入居者が主体になって、復興公営住宅家賃軽減等にかかわる緊急署名に取り組んできました。要望内容は、国に対し特別家賃低減事業の交付期間十年の撤廃を働きかけること、仙台市として六年目からの家賃の段階的引き上げを行わないことなど四項目です。九月十二日に第二次分の署名七百二十三筆を郡市長宛てに届けました。第一次分と合わせると、三十一の復興公営住宅から合計で二千七百一筆です。
署名を提出した自治会長さんは、ほとんどが年金暮らしで、年金は上がらないのに家賃は上がるなんてと訴えました。また、家賃が上がることを知らない人も大勢いる、郡市長に直接復興公営住宅に来てもらって、住民の話を聞いてほしいとの要望も出されました。署名を受け取った市当局は、郡市長の指示を仰ぎたいと述べました。
まずは復興公営住宅に出向いて直接住民の声を聞くことを市長に求めますが、いかがでしょうか、伺います。
〇郡和子市長 復興公営住宅の入居者の皆様の御要望につきましては、これまで担当部局においてお話を伺わせていただく機会をつくってきたものと、そのように承知をしております。
復興公営住宅の家賃については、御要望の御趣旨も受けとめて、引き続き国に対して特別家賃低減制度の延長、これを要望してまいりたいと考えているところでございます。