日本共産党 仙台市議団ウェブサイト

日本共産党仙台市議団と各議員の政策・活動を紹介しています。

議員紹介


吉田ごう
吉田ごう
若林区
高村直也
高村直也
太白区
花木則彰
花木則彰
青葉区
高見のり子
高見のり子
宮城野区
すげの直子
すげの直子
青葉区

一般質問 庄司あかり議員 (12月15日)

【概要】「LGBTへの理解。

       性的マイノリティと人権」

 

庄司あかり議員

日本共産党仙台市議団の庄司あかりです。性的指向及び性自認により困難を抱えている方々の権利保障と支援の充実を求めて一般質問いたします。

LGBTは、レズビアン:女性の同性愛者、ゲイ:男性の同性愛者、バイセクシュアル:両方の性を好きになる人、トランスジェンダー:性同一性障害を含む、体の性と心の性が一致しない性別違和を持つ人の頭文字をとった言葉です。厳密に言えばLGBTだけでは表現し切れないほど性のあり方は多様ですが、今回の質問では総称してLGBTと表現させていただきます。
国際的には、好きになる性、つまり性的指向、英語で言うとセクシュアルオリエンテーション、性自認のジェンダーアイデンティティーの頭文字をとってSOGI、ソジとあらわし、LGBTだけでなく異性愛者や心と体の性が一致している人も含めた全ての人の性的指向、性自認に対する差別禁止を求める運動が大きく広がっています。
国連の動きを見ますと、2008年の国連総会で、「人権と性的指向、性自認に関する声明」が出されました。この声明は、「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利において平等である」と宣言する世界人権宣言が掲げる人権の普遍性を再確認した上で、次のことを訴えています。「私たちは、世界中の全ての国で、性的指向や性自認を理由に暴力、嫌がらせ、差別、排斥、非難、偏見が人々に向けられていること、そして、これらの行為が暴力の対象とされた人々の誠実さや尊厳を傷つけていることを憂慮する」この声明は、日本を含む66カ国が賛同しました。
 2011年には、国連人権理事会において、性的指向、性自認に関する国連初の人権決議がなされ、2014年には決議に基づく報告書の更新を今後も行うことを求める決議が、いずれも日本を含む賛成多数で採択されています。
このように性的指向や性自認に対する差別の禁止が国際的な潮流となる中で、国連の声明や決議に対して、仙台市としてどのように受けとめているでしょうか、伺います。

LGBTなど性的指向、性自認におけるマイノリティーの方々がどのくらいいるのかというと、日本では人口の5%程度、約600万人だと言われており、例えば日本人に多い名字の上位4つ、佐藤さん、鈴木さん、高橋さん、田中さんの合計がおおよそ日本の人口の5%に当たります。決して少なくない人数であるにもかかわらず、LGBTの当事者の方々は、見えない存在として生きることを強制されています。誰にも打ち明けることができず、人知れず悩み苦しんで孤立してしまった結果、自分の心を押し殺し、メンタルヘルスを悪化させてしまう方が多いと言われています。
 2015年、一橋大学の学生でゲイの男性が、思いを寄せる友人男性に告白し、ゲイであることもカミングアウトしたところ、打ち明けられた友人男性が、告白した男性がゲイであることを同級生にばらしてしまいました。本人が望んでいないのに自分のセクシュアリティーを知られてしまう、いわゆる「アウティング」です。ゲイの男性は精神的ショックから追い詰められ、大学の校舎から飛びおりて亡くなるという痛ましい事件がありました。
LGBTの当事者の皆さんが抱えている生きづらさを、市長はどのように感じていらっしゃるでしょうか。御認識を伺います。

仙台市においては、男女共同参画せんだいプラン2016に、初めて性的マイノリティーに関する文言が書き込まれました。全庁的に施策の推進を図り、差別の解消と合理的配慮を行うことが求められています。
トランスジェンダーなど性別を問われることに苦痛を感じる方への配慮として、市の各種書類やアンケートでは不要な性別欄を廃止することや、図書館で通称名での利用者カードが発行できることの周知、また、市立病院での同性パートナーへの病状の説明など、具体的にどのように取り組んでいるのか伺います。

また、市営住宅の入居要件において、同性カップルも異性間の事実婚に準ずる取り扱いを行うなど、柔軟な施策の推進が求められますが、いかがでしょうか、あわせて伺います。
 11月16日、仙台市として初めて、市職員向けのLGBTに関する研修が行われました。224名が参加し、感想のアンケートの回収率は87%で、「当事者のお話を聞いて、世の中の当たり前や普通で通っていることが人を苦しめていることがあるということに気づいた」「当たり前の個人としてかかわっていけるように自分の意識を変えなくてはいけないと思った」「どの業務を行うにも必要な知識と思う」などの感想が多数出されました。こうした研修が求められていたことを示しています。
研修の内容は、大阪府立大学の東優子教授の講義と、当事者3名からの報告でした。体の性が女性で心の性が男性のトランスジェンダーの方の経験から、「婦人科疾患が見つかったときに男性の服装をしながら婦人科に通うのは周囲の目が気になって苦痛だった」など、具体的に生活上困難なケースが語られました。
LGBT当事者の市民が窓口を訪れたときの配慮など、職員の理解を深め、適切な対応を行うためにも、研修は欠かせません。今後も折々の研修に取り入れていくべきですが、いかがでしょうか、お答えください。

今回行われた研修を初め、LGBTの担当部署は男女共同参画課が担っています。しかし、「男女」の区分けに苦痛を感じる方々にとって、課の名前が「男女」となっていることから、そこに相談すべきものなのかがわかりづらいという問題があります。全庁的な取り組みの推進を図るためにも、LGBTを支援する部署を立ち上げるべきです。それまでの間は、例えば男女共同参画・多様性推進課など、担当課がわかりやすくなる工夫を求めます。いかがでしょうか。

トランスジェンダーの方からお話を伺いました。体は男性、心は女性で、性同一性障害と診断されホルモン注射治療を始めた方で、ふだんは女性の服装をしています。御苦労を伺ったところ、仙台で温泉を楽しもうにも、どちらにも入れないので、家族風呂などがあるところを選ぶと、「一人での利用はできない」と言われたり、利用できても追加料金がかかってしまったりする、また、トイレはどちらに入るべきかで悩んでしまうなど、生活する上でさまざまな困難があるとのお話でした。
トランスジェンダーの方なども利用しやすいのが多目的トイレです。最近では、「みんなのトイレ」や「だれでもトイレ」など、車椅子利用や赤ちゃんのおむつがえ以外にも、オールジェンダーで誰でも使いやすい名前をつけて配慮しているトイレをよく見かけます。仙台市は現在、庁舎建てかえの議論の真っ最中ですが、建てかえに当たっては、市民誰もが気兼ねなく利用できる「だれでもトイレ」を中心に設置すべきです。今から建てる庁舎ですから、ユニバーサルデザインの誰にでも優しい庁舎になるよう努力すべきです。いかがでしょうか、伺います。

LGBT当事者への支援として、教育現場での理解を促進し、配慮を行っていくことは欠かせません。「いのちリスペクト。ホワイトリボン・キャンペーン」が行ったLGBTの学校生活調査では、自分がLGBTかもしれないと気がついた学年については、ゲイ、レズビアン、体が女性で性別違和がある人の場合は中学一年生から中学二年生が最多で、小学校六年生から高校一年生の期間に自覚したとの回答が半数を占めたそうです。一方、体が男性で性別違和がある人の場合は、25%は小学校入学前に自覚があり、約半数が小学校卒業までに自覚したと回答しています。いわゆる思春期に性的指向、性自認の自覚がなされていること、性別違和に対する支援は小学校の時点から必要であることが推測されます。
小学校から高校の間に自分がLGBTであることを「誰にも言えなかった」と回答したのは全体の約4割、言えなかった理由は、「理解されるか不安だった」「話したらいじめや差別を受けそうだった」が上位となっています。家族にすら打ち明けることができない子供にとって、学校で先生や友人などに一人でも自分の胸の内を話せる人がいるのか、いないのかでは、その後の人生をも左右する分かれ道となることは間違いありません。市は、市内小中学校におけるLGBTの子供たちの実態をどのように認識しているのでしょうか、お答えください。

性別違和をめぐっては、2015年に文部科学省から、「性同一性障害に係る児童生徒に対するきめ細かな対応の実施等について」という通達が出されました。通達では、自認する性別の制服、衣服や体操着の着用を認めることや、トイレは職員トイレ、多目的トイレの利用を認めることなど、さまざまな場面で学校現場に適切な対応を求めています。性同一性障害の診断を受けた子供だけでなく、まだ診断を受けていない、また診断を望まない性自認に困難を抱える子供にも同様の配慮を行うべきです。いかがでしょうか。

先ほどのLGBTの学校生活調査では、いじめや暴力について、7割が身体的暴力、言葉による暴力、性的な暴力、無視、仲間外れのいずれかを経験しており、そのうち3割が自殺を考えたという深刻な状況になっています。また、いじめや暴力を受けた時期は小学校低学年から次第に増加し、中学2年生のときにピークを迎えているという結果が示されています。
LGBT法連合会がまとめた困難リストでは、「『女っぽいところが気持ち悪い』と学級会の議題になったが、担任の先生からも、『こいつも男らしくしようと頑張っているんだ』と言われてしまい、ひどく自尊心が傷ついた」「外見やしぐさから性的マイノリティーであると推測され、学校で奇異の目にさらされ不登校になった」などの事例が挙げられています。LGBTの子供たちはいじめや不登校のリスクが大きくなるということは、今や明らかです。
「みんな平等で一人一人が個性を発揮しよう」ということを教育の中で子供たちに伝えることが求められています。学校には、病気や障害を抱える子、家庭や経済状況に困難を抱えている子など、いろいろな子供たちがいます。教育の中に性の多様性への認識を入れていくことは、LGBTだけの問題ではなく、全ての子供の多様性を保障することにつながると考えますが、いかがでしょうか。

学校での対応については、性的指向、性自認に関して、広く相談、支援に応じることのできる体制を整備することが必要です。ただし、相談を受ける際には、性的指向、性自認で困難を抱える子供がみずからの性のあり方を秘密にしたい場合に十分に配慮し、保護者や教員に対する情報提供であっても原則相談した子供の同意を前提とするなど、アウティングにならないよう配慮することが求められます。相談にはスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、養護教諭などを中心に対応を進めることはもちろん、全ての教職員を対象とした研修を実施すべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

教育だけでなく、就労時の困難を取り除くことが必要です。行政はもちろん、民間事業者も含めて、職場での理解促進に取り組むべきです。
 2015年の文部科学省の調査によれば、40代男性の管理職では約7割が、同性愛者が職場の同僚であったら「嫌だ」と回答し、性別を変えた人については約6割が「嫌だ」、「どちらかといえば嫌」だと回答しており、職場における差別や偏見の強さを示しています。
LGBT法連合会の困難リストには、就労時の苦労についても詳細に記載されています。「性別違和があるにもかかわらず戸籍性の姿を強制され苦痛を感じた」という、学校と同様にトイレや更衣室、制服などについて柔軟な対応が求められるもの、「パートナーやパートナーの親族との死別に際して慶弔休暇、忌引を申し込もうとしたが、配偶者ではないことを理由に拒否された」など、制度として異性間の事実婚に準ずる対応が必要なものがあります。
まずは市役所内で、同性パートナーの権利保障について家族手当や慶弔休暇などの労働条件、あるいは性自認で困難を抱える人についての人事管理や戸籍変更などに関して、課題を把握し前進を図るべきですが、いかがでしょうか。また、民間事業者に対し、LGBTの方々への配慮事例など、全国の進んだ取り組みを紹介する等の啓発を行うべきですが、いかがでしょうか、あわせて伺います。

同性カップルが日常生活を送る上で直面しているさまざまな困難を解消するために今全国の自治体が取り組んでいるのが、同性パートナーシップ制度です。自治体が同性カップルをパートナーであると認め、証明書を発行するもので、法的拘束力はありませんが、企業等に対して理解促進やサービスの向上を求める効果を持っています。2015年に渋谷区が条例をつくったのを皮切りに、世田谷区ではパートナーシップ宣誓書受領証発行制度、その後、各自治体に広がって、政令市では札幌市でつくられ、福岡市でも支援策の検討が進んでいるとのことです。
郡市長は、選挙中の地元紙のアンケートで、「同性パートナーシップ制度」に賛成とお答えになっていました。全国の自治体の制度はそれぞれ利点がありますが、私は制度そのものをつくることが目的ではなく、LGBT当事者の声を行政がしっかり聞いていくというプロセスが非常に重要であると感じました。
郡市長、仙台市としてどのような取り組みが必要か、ぜひ当事者の皆さんと意見交換を行い、当事者の声に沿った施策を一緒に考えていくべきと考えますが、いかがでしょうか。最後に伺って、私の第一問といたします。
御清聴まことにありがとうございました。

 

◯市長(郡和子)

ただいまの庄司あかり議員の御質問にお答えを申し上げます。
 

性的指向や性自認に関する御質問であります。
国際的な潮流、そして当事者の方々が抱える生きづらさの認識についてですけれども、国連での声明などをきっかけとして、国際社会において性的指向や性自認による差別解消に向けた取り組みが進められておりまして、日本においては、企業が同性カップルを対象にしたサービスを実施し、また、当事者の方々がパレードを行うなど、徐々にではありますけれども、多様性への理解が広がってきているように感じているところです。しかしながら、いまだ誤解や無理解から来る偏見や差別があって、当事者の方が傷ついていらっしゃる、そうしたお話をお聞きし、大変心を痛めております。
本市では、御指摘のあったように、男女共同参画せんだいプラン2016で初めて多様な性のあり方の理解促進などを明記するなど、取り組みを始めたところであって、当事者の皆様方に寄り添った支援を行ってまいりたいと存じます。
それから、当事者の声を生かした施策の検討についてのお尋ねがございました。
性的指向や性自認などのあり方、生きづらさ、これは一様ではないものと受けとめておりまして、私といたしましても、当事者の方々の声をお聞きし、どのような支援が必要かを御一緒に考えていく姿勢が大切であるというふうに考えております。
先日の職員を対象とした研修では、御指摘もございましたけれども、本市にお住まいの3人の方に御苦労やまた行政に望むことなどをお話しいただきまして、多くの職員が共有をいたしました。今後も私もお話をお聞きする機会を設けるなど、当事者の皆様方とともに、多様性を認め合えるような、そんな社会づくりにしてまいりたいというふうに思います。
そのほかの質問につきましては、関係の局長から御答弁申し上げます。
私からは以上でございます。

 

 

◯総務局長(加藤俊憲)

本市職員に対する研修及び人事管理等における対応についてのお尋ねにお答えいたします。
職員への研修につきましては、これまでも、御紹介のありました研修のほかに、新規採用職員研修の機会を通じ、性自認や性的指向を理由とする偏見や差別をなくすよう周知してきております。今後も、管理職員研修など階層別に行われる研修も活用し、正しい知識と理解を広められるよう取り組んでまいります。
また、人事管理面におきましても、性的少数者に関するハラスメント防止の必要性の周知を図るとともに、民間企業等の労働条件に関する事例も参考にしながら、諸課題の把握に努め、誰もが働きやすい職場となるよう取り組んでまいります。
以上でございます。

 

 

◯財政局長(板橋秀樹)

私からは、建てかえ後の本庁舎への誰でも利用できるトイレの設置についてお答えを申し上げます。
新たな本庁舎のあり方を考える際に、年齢や性別、障害の有無、国籍等にかかわらず、性的少数者なども含めた全ての人に対する使いやすさを求めたユニバーサルデザインの視点を持つことは、大変重要であると認識をいたしております。このユニバーサルデザインの導入につきましては、今後策定する基本構想の中において、いわゆる高い利便性を実現する整備方針の一つとして検討する予定としております。
御指摘のありました誰でも利用できるトイレの整備につきましては、ユニバーサルデザインを基本として、各種の設備や諸室の仕様など、設計のための諸条件を取りまとめる基本計画の策定作業を進めていく中で、具体的に検討をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯市民局長(村山光彦)

LGBTに関する数点の御質問にお答えをいたします。

初めに、性的少数者の方々に配慮した取り組みについてでございます。
本市の各種書類については、印鑑登録に関するものなど約100件で既に性別欄を廃止しており、アンケートなどでも、多様な性のあり方に配慮した性別欄の設け方などを職員に周知しております。
図書館の利用者カードは通称名での発行が可能でございますが、さらに、利用申込書にその旨を明記し、利用者に周知することを検討している状況にございます。
また、市立病院におきましては、同性パートナーとの関係を確認し、妥当と判断した場合に診療情報の提供を行うこととしております。
同性パートナーの市営住宅の入居要件などにつきましては、既に実施している事例を参考にするなど、関係部局と緊密に連携し、人権や多様性に配慮した取り組みを進めてまいる所存でございます。
 

次に、全庁的な取り組みの推進に向けた担当部署についてでございます。
本市では、昨年度スタートしたプランに基づき、性的少数者への支援のあり方の検討を行っておりまして、全庁での理解促進と施策検討を進めるべく、まずは男女共同参画課が主催し、職員研修等を実施したところでございます。
今後は、市長をトップとする仙台市男女共同参画推進本部等も活用しながら、庁内横断的な取り組みの推進を図るとともに、ホームページを活用し周知に努めるなど、よりわかりやすくなるような工夫を重ねてまいりたいと存じます。

次に、民間事業者の啓発についてでございます。
性的少数者の方々は、就職活動や就業中にカミングアウトを事実上強要された上、本人の意に沿わない扱いを受けたり、同性パートナーに関する福利厚生について、異性間のパートナーと同様の扱いを受けられなかったりするなど、さまざまな面で困難な状況があるものと認識をしております。
こうした状況の改善に向け、性の多様性を前提とした職場環境づくりに取り組んでいただけるよう、先進的な取り組み事例を紹介するなど、民間事業者の方々への啓発の方法について具体に検討してまいります。
以上でございます。

 

◯教育長(大越裕光)

教育現場における性同一性障害等に関する数点の御質問にお答えいたします。

現在、各学校においては、児童生徒自身、保護者からの相談、要望を受け、個別の事情に応じて、自認する性別での服装やトイレの使用に配慮するなど、状況に応じた対応を行っておるところでございます。子供たち自身が自分の状況を隠したい、また、診断を望まないなどの場合についても、十分に話し合いを持ちながら対応しているところでございます。
学校現場で相談を受け、対応していくためには、日ごろから教職員はこうしたことを理解し、子供たちが心を開いて話せるような信頼関係を構築することが肝要であります。教育委員会といたしましても、来年度、相談の窓口となることの多い養護教諭を中心に、改めて研修を実施することとしており、学校における教職員への伝達講習等も進めながら、LGBT等への理解を深め、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

もとより学校教育には、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、さまざまな人々と共同し、社会のつくり手となる児童生徒を育てることが求められております。引き続き、本市独自の人権教育資料「みとめあう心」も活用するなど、性的指向や性自認への配慮も含め、子供たち自身が個々の多様性を尊重できる態度の育成に取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

 

 

◯庄司あかり議員

二点について再質問をさせていただきます。

まず、第一問でお答えいただいた中で、市長が直接市長自身も当事者の方のお話を聞きたいというふうに発言をしていただきまして、ぜひ実現をしてほしいと思っております。その際には、市内でLGBTのサークルなどで活動していろいろつながりを持っていらっしゃるという方、いらっしゃいますので、そういう方はもちろんですけれども、カミングアウトしていない当事者の方で、行政にならば話を聞いてほしいという方もいらっしゃるかもしれないと思うんですね。市が公募するなど、いろいろと工夫して意見交換していただきたいということ、これは要望しておきたいと思います。
 

それで、再質問は、教職員の研修と担当部署の立ち上げの件ですけれども、まず、研修について、今、御答弁の中では、来年度養護教諭の方を中心に研修を行っていくというお答えでございました。それは一定の進展だというふうに思うんですけれども、厚生労働省の調査では、教員の中で同性愛や性同一性障害について研修で学んだことがあるかという問いに、学んだと答えたのは2割台の方です。一方で、性の多様性に関する研修があれば参加したいという回答が6割を超えています。こうした教員の皆さんの意欲があるわけですので、伝達研修という形だけではなくて、やはり全ての教職員への研修、これは実施していくべきだというふうに思うんですけれども、改めて伺います。
 

そして、担当部署についてですけれども、第一問で私、明らかにしたかったのは、LGBTの方々が直面する困難というのは、生活のあらゆる場面で起こるということなんです。理解促進と差別解消を図るためには、相談支援を行う担当の部署が必要だというふうに思っています。お答えの中では、今後は男女共同参画推進本部を中心にということだったんですけれども、そこもまた男女の区分けになっているので、やはり当事者の方の中では、男女共同参画計画に盛り込まれたということは評価しつつも、でも、本当はもっと多様性推進計画とか、そういう名前であってもいいんじゃないかというお声もありますので、やっぱりそういうところに配慮をしているんだったら、なおさらそれは見てわかりやすい名前をつけていくというのは大事なことだというふうに思いますので、再度お伺いしたいと思います。

 

◯市民局長(村山光彦)

推進する上での担当部署、名称、ネーミングについての御質問でございます。
まず、プランに昨年度位置づけて取り組みを開始したばかりでございますので、私どもとしましては、このプランに基づいて全庁的な役割分担のもとにしっかりとやってまいりたいと思います。
ただ、その中でも、やはりいろんな催し物であるとか当事者の方に御案内するとか、さまざまな場面がございますので、そのときには、やはり今御指摘のようなふさわしい、より適切なネーミングで御案内をするなどの工夫はしてまいりたいと思います。
それから、当然ながら、このプラン、期限がございます。次期プランの改定に向けた作業も当然やってまいります。その中で、このLGBTの施策の取り組み、当然ながら拡充の方向で検討してまいりますが、その施策の検討にあわせて、それを進めるための体制、ネーミングも含めて推進体制どうあるべきか、これは並行して議論をやってまいりたいと思っております。
以上でございます。

 

◯教育長(大越裕光)

教員研修についての再度の御質問でございます。
教職員は児童生徒と接するということが基本的に仕事として当然あるわけでございますから、LGBTに関する基本的な知識また考え方を当然把握しておく必要がございます。今後、いろいろな研修の機会を捉えて工夫してまいりたいと存じます。

 

 

 

 
Return Top