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一般質問 ふなやま由美議員(2月13日)

【概要】国保料の引き下げへ本腰を入れよ

(激変緩和措置の水準維持、市独自の所得控除、

              減免規定の拡大、国保法44活用)

 

ふなやま由美議員

日本共産党仙台市議団のふなやま由美です。社会保障の充実と国民健康保険制度について、一般質問いたします。
安倍内閣は、2014年骨太方針で、社会保障給付について自然増も含め聖域なく見直すと宣言し、70歳から74歳の医療費窓口負担の引き上げや、年金の引き下げを推し進めています。さらに、昨年6月には、多くの国民の反対を押し切って医療介護総合推進法を強行し、情け容赦なく国民の命を脅かす道を突き進んでいます。
社会保障制度改革推進法やプログラム法など、この間の一連の制度改悪で、自助、共助、家族や国民相互の助け合いを強調していますが、社会保障は自己責任や助け合いに矮小化されるものでは決してありません。
社会保障の原則は、憲法第二十五条や憲法第十三条の生存権や幸福追求権保障にうたわれ、国民の権利保障に責任を負うのは、個人や家族、住民相互ではなく、国にあることを明確にしています。病気や障害は誰でも起こり得るものです。だからこそ、国民一人一人が尊厳を持って生きることを国や自治体は保障しなければならないことを憲法は明記しているのです。
市長は、この立場に立って安倍内閣の進める医療、介護の連続改悪に反対の声を上げて、安心の社会保障の充実に責任を果たすよう強く求めるべきです。御所見を伺います。

後期高齢者医療保険制度で、低所得者や後期高齢者医療制度加入前に被用者保険の被扶養者であった方々の保険料を軽減するため、特例措置を実施しています。ところが、安倍内閣は、この特例措置を打ち切ろうとしています。打ち切りとなれば、本市で現在8割5分軽減となっている1万6千300人余の市民の保険料負担は2倍に、年収80万円以下で9割軽減の2万2400人余の保険料は3倍になります。低所得で低年金の高齢者を狙い撃ちしたかのような大負担増です。
宮城県後期高齢者医療広域連合議会では、特例措置の継続を求める意見書が全会一致で採択されています。県の後期高齢者医療広域連合の連合長を務める奥山市長は、政府に対して特例措置を継続するよう強く求めるべきです。いかがでしょうか。

市は、今年度から、国民健康保険料の所得割の算定方式を、それまでの住民税方式から旧ただし書き方式に変えました。昨年6月に保険料の納付通知書を受け取った市民は、余りにも高い保険料負担に驚き、市への抗議や苦情、問い合わせ件数は、わずか10日余りで1万件近くに上りました。所得がふえていないのに、支払える能力をはるかに超える保険料の請求に対して、62名の市民が不服審査請求に立ち上がっています。
年金で生活するある方は、妻と子供の三人暮らしです。年間の所得が110万円に対して、国保料は、年間6万6000円だったものが今年は16万円となり、10万円も上がりました。介護保険料、妻と子供の年金掛金を合わせると、年間57万円もの社会保険料がのしかかっています。難病を患い、さまざまな合併症も併発し、内科や眼科、整形外科など幾つもの病院を通院しなければなりません。妻と子供も持病があり、家族3人で年間40万円も医療費がかかります。この方は、年金破産という言葉が人ごとではない、こんなに高い保険料をとても納め切れない、家計を切り詰めるのは限界、病院に行くことを諦めなくてはならないと、苦しい胸の内を語られました。
市が引き上げた国保料で、多くの市民が暮らしていけないと命の危機に立たされていることに、奥山市長は心が痛まないのでしょうか、伺います。

市は、経過措置を実施するから大丈夫と言いますが、毎年保険料をふやすことに変わりはありません。今年は経過措置の2年目となり、今より25%も保険料が高くなります。さらに賦課限度額を81万円から85万円に引き上げようとしていますから、これに伴って多くの国保加入世帯が負担増となります。
仙台市は、この間、毎年国保会計に100億円を超える一般会計からの繰り入れを行ってきたから、これ以上の繰り入れはできない旨の答弁を繰り返しています。しかし、ほとんどは法定で定められた繰入金であり、それ以外の独自繰入金は、2012年度は48億円、2013年度は36億円で、2011年度は何と0円でした。経過措置の初年度水準を継続させるために必要な予算はわずか8億9000万円ですから、新年度の保険料の引き上げを見送る財源は十分にあります。引き上げの中止を求めます。お答えください。

算定方式変更により引き上げとなった世帯に対して、今の軽減措置では不十分です。例えば、名古屋市では、多人数世帯には住民税の配偶者控除、扶養控除にかわるものとして、扶養家族一人につき33万円の控除や、障害者、寡婦世帯などには保険料が増加しないような独自の所得控除を行っています。期間は、当分の間としています。本市も名古屋市のように独自の所得控除を制度化し、期間を限定せずに実施すべきです。いかがでしょうか。

市は、保険料の均等割部分について、昨年9月に低所得者の軽減を実施しています。高過ぎる国保料を引き下げてほしいと切実に願う市民の運動と世論が、市の姿勢を変えさせました。市が軽減措置を決断したことは評価をします。新年度もこの制度を継続すると仙台市は明らかにしていますが、こうした低所得者の軽減措置をさらに継続し、拡充すべきです。いかがでしょうか。
また、本市の保険料減免制度は、失業や業績悪化で所得の減少や災害等の特別な事情によるときなどに限られ、いざ相談に行っても窓口で対象にならないと言われ、なかなか使うことができません。この規定をもっと拡充すべきです。例えば、大阪府四條畷市は、災害や所得減少以外にも、障害者、母子世帯、高齢者世帯減免や、世帯主や家族の病気、交通事故、借金返済、生活困窮など特別な理由がある場合など、細かく保険料を減額する条例を持ち、運用しています。本市でも、こうした先進的な取り組みを参考にし、市民がもっと減免制度を活用できるように改善すべきです。伺います。

被災者への医療、介護の免除制度は、被災者、市民の粘り強い運動によって、2013年度に一旦打ち切りが強行された後、2014年度に打ち切りを撤回し実施させるという前向きの変化をつくり出しました。しかし、仙台市は大規模半壊以上かつ非課税世帯に対象を限定したために、当初の制度を利用している方々のうち、利用できたのはわずか12%です。仮設住宅で暮らす被災者の方々からは、糖尿病の治療に月2万円から2万5000円かかる、医療費免除を打ち切られ、毎月病院には通えず、4カ月に1回にしているという相談が寄せられています。深刻な受診抑制が起きているのです。
被災者医療費免除は、国の特別調整交付金を活用し実施されています。この間の特別調整交付金は、2011年度から2013年度の3ヵ年で約198億円となりました。一方、単年度で使い切れず、2012年には19億円、2013年には31億円もの繰越財源を生じさせました。被災した市民への支援が不十分だったからです。打ち切りや、対象を限定しなくても、十分に実施できたことがはっきりしているのではないですか。市長、被災者への支援を渋らず、命を守るために、もとの制度に戻すべきです。伺います。

治療が必要なのに経済的理由で病院に行きたくても行けない市民を救済することが、切実に求められています。こうした方々に対する支援制度として、国保法第44条は、窓口負担の減免措置を規定しています。最近、この制度を活用できた方から、お金がなくて病院通いも諦めていたが、支援制度を受け、やっと持病の治療ができて安心したとの声を伺っています。しかし、3ヵ月のみの減免措置のために、打ち切り後の不安がのしかかっています。期間を見直すことが強く求められています。
また、この制度の活用は、2004年に要綱をつくってから、たったの3件のみで、ほとんどの市民には制度そのものを知らせていません。要件を災害や所得の減少に限り、恒常的に所得が低い方は対象としない運用を行っているために、せっかくの制度が使われていないのです。
全国的には、制度を大いに生かし、積極的に実施している自治体もあります。例えば、東大阪市では、災害や所得の減少以外にも、年金受給者で基準となる総所得が一人世帯で125万円、二人世帯で158万円以下の世帯などを対象にしています。利用できる期間は、最長24ヵ月まで入院も通院も認められています。2010年度の適用件数は8310件にも上り、市民の命を支えています。本市でも、東大阪市のように低所得者要件や期間の延長も加えて、窓口負担の減免制度を必要な市民が活用できるようにすべきです。伺います。

国は、2010年から、自治体が国保法第44条減免を行った場合に、費用の半額負担を担うようになりました。しかし、国が示す基準を見ると、減免の対象者を一時的な収入減に限り、恒常的な低所得者は対象外とするなど、財源措置が不十分です。
国保法第44条には、保険者は特別の理由がある被保険者で医療機関等に一部負担金を支払うことが困難であると認められるものに対して、一部負担金の減額、免除を規定しています。この法の趣旨をしっかり生かした運用になるよう、国に対して、基準の拡大と、自治体判断で対象を拡大し支援したものについても半額の費用負担を行うよう、改善を求めるべきです。いかがでしょうか。
高過ぎる保険料を納め切れない市民に対して、保険証を取り上げ、一旦窓口での全額支払いを求める資格証明書が発行されている世帯は、2014年12月末で75件、短期証は1335件です。納め切れない実態をよくつかんで、支援制度に結びつける取り組みこそ必要で、制裁的な措置を行うべきではありません。市は短期証のうち3ヵ月証の発行は今年度末までになくす方向です。資格証明書の発行についても、この際ゼロにする方針を持つべきです。いかがでしょうか、伺います。

また、差し押さえ件数は180件で、その多くが預貯金の差し押さえです。この間、給与未払い問題で係争中の市民に差し押さえ予告通知が届きました。この方は国保料を全く納めていないわけでなく、分納納付を行っていました。しかし、納付期限よりわずか数日おくれただけで差し押さえ予告通知が届いたことに対して、仙台市は余りにも無慈悲だと、怒りの声が寄せられました。交渉した結果、差し押さえは行われませんでしたが、市民の生活実態を十分に把握せずに機械的にやっているからこういうことが起きるのです。
このケースを含め、そもそも給与や年金の生計費相当額、児童手当などは差し押さえ禁止財産となっています。銀行に振り込まれた瞬間から金融資産として扱い、差し押さえるようなことは、脱法行為であり、あってはならないことです。市民の生活状況を把握し、親身に寄り添って対応し、機械的な差し押さえや滞納処分を行わないことを強く求めますが、いかがでしょうか。

2013年度の一人当たりの課税標準額に占める国保料の負担割合は、実に18.9%になっています。他の被用者保険の被用者負担分が、国家公務員共済で3.85%、健保組合4.15%、協会けんぽ5.0%と比べても、余りに重い負担です。そのため、国保料を納め切れない世帯は、2万5000世帯に上っています。
かつて国保加入者は自営業者や農漁業者が中心でしたが、現在は年金生活者、非正規労働者が多くを占めています。国保に加入する一人当たりの平均所得は、2001年に102万円余だったものが、2013年には約72万円となり、この12年間で40万円も激減する深刻な状況です。
雇用破壊や年金削減、社会保障切り捨てなどの政策が、貧困と格差を拡大させ、市民を苦しみのふちに立たせているのです。さらに、歴代の自民党政権が国庫負担割合を引き下げ、国保の財政、運営に対する責任放棄をしてきたために、保険者は市民に高過ぎる保険料を賦課し続けるという悪循環になっています。実際に本市の国庫支出金の割合は、1979年度には57.8%を占めていたものが、2014年度には23.6%にまで下がっています。
国民皆保険制度の基盤をなす国保制度を維持し運営する責任は、第一義的に国が担っています。国庫支出金を抜本的にふやすことを強く求めるべきです。いかがでしょうか。

安倍政権は、国保を完全に都道府県単位化する法案を2015年の通常国会に提出し、2018年度にも実施を目指すとしています。都道府県単位化の事実上の第一段階とも言えるのが、新年度からの財政共同安定化事業の拡大です。これは、市町村国保で出し合った拠出金を、都道府県の国保連合会に財源をプールし、医療給付費を交付し合うものですが、これまで1件30万円以上の高額医療費について適用されていたものが、1件1円からの適用になります。これにより、全ての医療費が拠出金から給付されるようになり、給付事業は、それまでの市から県単位で行われることになります。
2018年度から予定されている都道府県単位化は、県が市町村に分賦金と呼ばれるお金を割り当て、国保料の賦課徴収を行わせ、現在、市町村ごとに行っている一般会計独自繰り入れや独自減免制度が実施できなくなってしまいます。そうなれば、市民は今以上に高い保険料負担に苦しみ、一層深刻な事態になることは明らかです。
国保運営に困難を抱えている自治体の寄せ集めでは、構造的問題は解決しません。こういう深刻な問題があるから、この間、全国知事会も都道府県単位化について総額一兆円の財源措置を要求すると同時に、国保の構造問題を解決しない限り保険者にならないと言っているのです。都道府県単位化は、命を守る制度としての改善を強く願う市民にとって、何一ついいことはありません。市長、都道府県単位化に反対の声を上げるべきです。いかがでしょうか、伺います。

今、市民が切実に求めているのは、安倍自公政権が進める社会保障切り捨てに歯どめをかけて、充実させる方向に大きくかじを切ることです。安倍政権は、消費税増税分は全額社会保障に使っていると言っていますが、社会保障費がふえたのは5千億円のみで、消費税8%での増収分約8兆円のわずか一割にすぎません。これまでの所得税収や法人税収などで賄ってきた社会保障の財源を置きかえただけのことです。こうやって浮かせた所得税収や法人税収などを大型公共事業や軍事費などに回し、大企業減税を進めていますから、消費税は社会保障のためという言い分は、完全に崩れ去っています。
日本共産党は、消費税に頼らない別の道があることを提案しています。所得1億円を超えると逆に負担率が下がる所得税のあり方を見直し、富裕層に応分の負担を求めることや、内部留保をため込む大企業への優遇を改めさせることが必要です。能力に応じた負担の原則を貫く税制改革で20兆円、国民の所得をふやす経済改革により20兆円、合わせて40兆円の財源を確保することができます。財源確保といえば消費税大増税しか思いつかない国の路線をただ追認するのではなく、市民生活を守る立場で行動し発言することを市長に求め、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

市長(奥山恵美子)

ただいまのふなやま由美議員の御質問にお答えを申し上げます。
社会保障制度改革と社会保障政策の充実についてお答えを申し上げます。
急速な少子高齢化に伴い、社会保障給付費の増大が見込まれる中、我が国の社会保障制度を将来世代に確実に引き継ぐためには、人口構造の変化に対応した世代間の公平が確保されるとともに、受益と負担の均衡がとれた、持続可能な制度の確立が不可欠であると考えております。とりわけ、団塊の世代が後期高齢者の仲間入りをいたします2015年問題や、将来の人口減少社会を見据え、医療、介護のあり方を見直すことが喫緊の課題でございます。
こうした社会保障制度改革は、今後の社会のありようを大きく左右するものであり、広く国民全体の理解を得ながら進められることが肝要であると認識をしております。本市といたしましては、国の動向を注視しつつも、住民の皆様に最も近い基礎的自治体として、他の自治体とも連携をいたしながら、国に意見を申し述べるなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
そのほかのお尋ねにつきましては、健康福祉局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

◯健康福祉局長(高橋宮人)

私からは、残余の御質問にお答えをいたします。 まず、後期高齢者医療制度の特例措置についてでございます。 この特例措置は、本来、保険料を七割または五割軽減するとされている低所得者などに対し、国が毎年予算を措置して軽減割合を上乗せしているものでございます。 今般の医療保険制度改革の中で、平成29年度から特例措置を段階的に縮小し、最終的には廃止することが検討されておりますが、後期高齢者医療制度の創設時より実施され、高齢者に定着していることから、当該措置の継続につきまして、全国47の広域連合の総意として、国に要望してきているところでございます。 今後とも、全国広域連合協議会を通じ、特例措置の継続を求めてまいることといたしております。

次に、国民健康保険料の算定方式の変更についてでございます。 国民健康保険は、高齢者が多く医療費水準が高い一方で、低所得世帯が多いという構造的な課題から、保険料負担が重いと実感される方がおられることは、これまで、さまざまな御要望を受けた中で承知しているところでございます。 算定方式の変更に伴い保険料が急激に上昇する世帯に対しましては、条例に基づき激変緩和の経過措置を実施しておりますが、他都市の多くが2年程度かけて実施しているのに対し、本市においては3年の経過措置としているところでございます。 また、この経過措置は、19歳未満の加入者がいる世帯には、人数に応じて所得を控除したり、障害者世帯や寡婦世帯には、一定額の保険料を減額するなどの配慮もしておりますことから、独自の所得控除の拡大及び経過措置の変更は考えていないところでございます。

次に、低所得者の保険料減免措置についてでございます。 低所得者を対象とする本市独自の保険料減免制度は、被災自治体に対する国の特別調整交付金を財源に実施しており、新年度においても継続してまいる考えでございます。平成28年度以降につきましては、国民健康保険の財政状況及び国の軽減措置の動向などを踏まえまして、しかるべき時期に判断してまいりたいと考えております。

次に、保険料減免制度の見直しについてでございます。 保険料の減免は、災害により住居等に損害を受けた場合や、失業もしくは病気により収入が大幅に減少し、生活が困難である場合などに、その方の保険料の負担能力に着目して行っているものでございます。保険料は所得に応じて算定されるものであり、世帯の属性に応じて減免する考えはございません。

次に、被災者に対する医療費負担の免除についてでございます。 一部負担金の免除措置は、本来、国の全額財政支援により行われるべきと考えております。しかし、それが実現されなかったことから、免除措置の実施に当たっては、県内自治体の総意として、対象者を限定せざるを得なかったものであり、国の全額財政支援がない状況においては、対象者の拡大は困難でございます。

次に、窓口負担金の減免措置についてでございます。 国民健康保険法第四十四条に基づく窓口負担の減免制度の利用が少ないことにつきましては、周知不足が一つの要因と考えられております。そこで、今後は、失業等により一時的に所得が減少した世帯からの保険料減免の相談にあわせ、窓口負担の減免制度も説明するとともに、医療機関でのポスターの掲示などにより、制度が有効に活用されるよう、周知に努めてまいります。また、本制度は法の趣旨から一時的かつ特別な事情に基づく場合のみに行われるべきもので、恒常的に所得の低い方については、生活保護などの福祉施策につなぐことが必要と考えており、対象の拡大は考えていないところでございます。また、同様の理由から、国への働きかけも考えていないところでございます。

次に、滞納対策についてでございます。 保険料の納付が困難な方に対しては、生活状況の把握に努め、適宜、分割納付などの相談も行っております。 資格証明書は、納付資力があるにもかかわらず、保険料を納める意思がない場合に限って交付しているものでございます。この資格証明書を提示することにより、医療機関の窓口で十割負担となりますことから、相互扶助の保険制度を御理解いただくためにも必要なものと考えております。 また、差し押さえにつきましては、法令に基づき実施しており、御指摘の差し押さえ予告通知の件につきましては、分納の約束をしていた方で事前の連絡がなく期限までに納付がなかったため、納期限から一定期間経過後に通知をしたものでございます。また、本市では、差し押さえ禁止財産に対する差し押さえは行っていないところでございます。

次に、国庫負担割合の引き上げについてでございます。 現在の市町村国民健康保険は、被保険者一人当たりの医療費が高いことや低所得者が多いことなど構造的な問題を抱えております。こうしたことから、国民健康保険事業の安定的な運営を図るためには、国庫負担の拡充が不可欠であり、今後とも市長会等を通じ、国への働きかけを強めてまいる考えでございます。
最後に、国民健康保険の都道府県単位化についてでございます。 国民健康保険制度を持続可能なものとするためには、国を保険者とする医療保険の一本化が必要であり、都道府県単位化はそれに向けた必要な通過点であると考えております。

昨日、厚生労働省が地方3団体に示した国民健康保険の改革案によりますと、都道府県単位化に当たり、全国市町村における法定外繰入金の総額とほぼ同額の約3400億円の財政支援を実施するとされております。しかしながら、現行の市町村国民健康保険はもとより、国民健康保険の都道府県単位化においても、国庫負担の引き上げは不可欠と考えており、引き続き、他の自治体とも連携しながら、国の財政支援の拡充を強く要望してまいる考えでございます。 以上でございます。

 

再質問

ふなやま由美議員

再質問させていただきます。
市長から御答弁いただいたのは、社会保障制度に関する部分についてのみでしたので、保険料についての認識についてもお伺いをしていきたいと思うんですが、今、市民は、高い保険料の負担に苦しみ、さらに病院の窓口では医療費の窓口負担に苦しみ、本当に二重三重に苦しんで、暮らしていけないような状況にまで追い詰められています。
国保料の引き下げについて、種々いろいろな提案を行いました。算定方式変更による世帯に対する軽減措置についても具体的に行いました。しかし、市は行わないという冷たい答弁です。所得に占める保険料負担が、ほかの被用者保険に比べても3倍から5倍にもなる、こうした保険料を市民の皆さんに賦課していると。このことについて、もっと深刻に真剣に受けとめる必要があるんだというふうに思うんです。これをもっと引き下げることが求められています。ましてや経過措置だからいいといって、2年目、新年度に値上げ、引き上げとなるようなこと、これは中止すべきだと思います。

それから、二点目です。被災者の医療介護の免除制度の復活、以前のように対象を拡大するという問題です。
これは、大震災が発生して、国から特別調整交付金が来ました。第一問でも指摘したように、多額の繰越金や償還金を生じさせています。これは、結局、必要な支援を十分に行わなかったために多額の繰越金を生じさせているという結果です。これを恥ずべき運営だと奥山市長は思わないんでしょうか。対象を限定せずに、新年度さらにもとの制度に戻して実施すべきです。市長にお答えいただきたいと思います。

三点目です。都道府県単位化についてです。
一般会計の繰り入れも現在行っている減免制度もなくなれば、今でさえ高過ぎる国保料、これはさらに高くなるというのははっきりしていると思います。都道府県単位化が市民にとって何一ついいことはないと思います。先ほど局長が、医療保険制度一元化への通過点だというような御答弁ありましたけれども、それでごまかしてはならないと思います。
都道府県単位化で高過ぎる国保料の改善にはならないし、市民にさらに一層深刻な事態を招くという点について、奥山市長は都道府県単位化に反対の声を上げるべきだと、このことを強く求めます。
以上の三点、市長から御答弁いただきたいと思います。

 

市長(奥山恵美子)

重ねてのお尋ねでございます。
私から、被災者への免除措置の全面復活というお話についてお答えを申し上げたいと存じます。
被災された方々への、この免除措置と申しますのは、そもそも被災地自治体の総意として、これは国が全額負担で行うべきものであるというふうに考えて、この間、そのような要望活動を重ねて繰り広げてまいりました。
しかしながら、国は全額の措置ということにつきましては、これを復活しないという経過がございまして、私ども関係する自治体におきましては、しかしながら、そういう中におきまして大変厳しい運営状況ではありますけれども、一部、この大変困難をお持ちの方々に限定ということにはなりましたが、再開をするということの決断をしたということでございまして、そのことにつきましては、私といたしましては、これ以上の拡大、もとに戻すということは、国における措置が再開されない以上、困難であると考えているものでございます。
残りのお尋ねにつきましては、局長より御答弁を申し上げます。

 

◯健康福祉局長(高橋宮人)

保険料の点でございます。確かに、保険料が納められないという方々の状況は私も伺っておりまして、かなり切実な状況であるということは承知しているわけでございますが、御指摘の我々が算定方式の見直しを行った際に、保険料が急激に上がらないように経過措置を設けたところでございますが、この経過措置というのは、緩和措置を行って、その保険料の減額分というのは、ほかの被保険者、つまり本来保険料が下がるべき人が、その下がり幅を抑えて負担をしているということで、保険料の中で行っているところでございます。保険料は相互扶助の観点から負担の公平性ということが求められておりますので、現行の制度の中で御負担をいただくということが一つの考えであろうというふうに考えております。 それから、都道府県化についてでございますが、小さい医療保険者の場合は、医療給付費の変化によって運営がなかなか厳しくなる、それが複数の保険者が集まることによって、そういうものの緩和ができると。それが一つの都道府県化でございますが、最も有効だと考えておりますのは、これまで市町村は国に対してさまざまな国庫負担の要求をしてまいりましたが、なかなか聞き入れてもらえない。ところが、今、市町村と都道府県が一つになって国に働きかけることによりまして、先ほど申し上げましたような、財政支援の約束のようなものが出てきておりますので、やっぱり一つにまとまって事業を運営していくことのメリットというのは、実際の運営に限らず、財政基盤の確立にとっても必要なものであるというふうに考えております。

 

再々質問

ふなやま由美議員

奥山市長、被災者の医療介護の免除制度についてのみの御答弁だったんですけれども、国に費用についての財源を求めるというのは、それは当然必要なことだと思うんです。その中で、国から全額措置が来ないという場合に、拡大をしようという検討をするわけですけれども、奥山市長が行った県内の市町村へのまとめ方というのは、対象を限定して、非課税世帯、大規模半壊というところで、下げた水準で取りまとめてしまったわけですね。それで、結局、国からの特別調整交付金がこれほど余っているといいますか、繰越財源を生じさせるような事態になっているわけですから、本当であれば、県内全ての市町村がそういう医療費、被災者の方々への医療介護の免除制度を実施できるように前向きにもっと拡大をする、その役割を、この大仙台の市長は行うべきだったというふうに思います。その上でも、財源がきちんとあるわけですから、国に返さないで、これは医療費の免除拡大のために使うべきだというふうに思います。

それから、二点目なんですが、さっき、局長が、高過ぎる国保料金について、市民の皆さんからも実態はお聞きしているというお答えがありました。結局は、算定方式の見直しのときに、引き上げになる方の分について、賦課総額全体の中に加えて調整していますから、本来であれば、上がる人の分について下げるための独自繰り入れを、仙台市はきちんと考えなければいけない問題なんです。そこをやらないで、加入者同士の相互扶助だと、助け合いだと言って、今のような仕組みにしていますから、これでは根本解決にはならないというふうに思います。
国保は、国民健康保険法第一条に、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とすると、結局、これははっきりと社会保障制度だとうたっているわけです。相互扶助だとか住民相互の助け合いだとか、そういうことでごまかすべきではないと思います。支払い能力をはるかに超える国保料を引き下げるために、仙台市は力を尽くすべきだと思います。再度お答えいただきたい。

それから、都道府県単位化の問題なんですけれども、国庫負担について根本的に問題解決するためには、国の負担割合をしっかりふやしていくと。これが、全国の各市町村にとって、国保運営を解決する道筋なんですね。それを諦めてしまって、あたかも都道府県単位化になれば、市町村がまとまれば、何かいい方向が出てくるかのような、そういう御答弁でしたけれども、今でも困難を来す自治体が幾ら寄り集まっても、問題解決にはならないんですね。顔の見える自治体が、住民の現場でもって運営していくというのが国保の原則ですから、ここからも踏み外してしまう、こんな都道府県単位化はやめるべきだと、はっきりと言うべきだと思います。市長にお伺いをしたいと思います。

 

市長(奥山恵美子)

まず、都道府県単位化について、初めにお答えをさせていただきたいと思います。
都道府県単位化と申しますのは、先ほど局長の答弁でも申し上げましたとおり、国保が構造的な課題を抱えている中で、それぞれの単一の自治体における現在の運営状況の中では、当然のことながら高齢者比率の高い自治体でありますとか、人口減少局面の大きな自治体、さまざまな自治体がございますけれども、独自の運営は極めて厳しい状況にあるというふうに私も認識をしております。それをまずは一度、都道府県という一つの単位において広域的な運営の基礎を固めるという段階を経た後に、最終的には、やはりこれは構造的な問題でございますので、国として一元化をする中で、我々が過去長らく求めております国費の十分な充当ということがない限り、現在のままでの長期的な制度としての運営の担保はできないというふうに思うところでございます。そういうことでありますので、私といたしましては、現状の各自治体の制度の中でという御意見には賛同しかねるというところでございます。
そういう都道府県の単位化という問題の中で、今回の算定方式の見直しということが出てきたわけでございまして、確かに、従前の仙台市の賦課方式と違いますので、個々の世帯の皆様によっては御指摘のような事例があるということも、私も十分承知をいたしております。したがいまして、その緩和に向けましては、これも局長が御答弁申し上げましたような手だてを講じながら、しかし、この制度の算定方式の統一というのは、やはり県としての単位化を進める上では、算定方式が違ったままでは各自治体を一元化することはできませんので、必要な段階であると踏まえまして、私としてはこれに踏み切り、かつ、また激変緩和についてもいろいろな対策を講じているということでございます。
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