【概要】被災した学校と子どもたちは、いま
(中野小、荒浜小の統廃合・廃止、被災校の学習支援、少人数学級)
◯高見のり子議員
日本共産党仙台市議団の高見のり子です。被災した学校と子供たちへの支援の充実を求めて一般質問いたします。
仙台市内で津波で被災した学校は、中野小学校、荒浜小学校、東六郷小学校があります。
そのうち中野小学校の校舎は、昨年春、惜しまれながら、いち早く解体されました。解体されるに当たって、4月7日、校舎や体育館のお別れ会が開かれ、私も参加しました。在校生や保護者、卒業生、地域住民など約千500人が集まり、別れを惜しみました。校舎への感謝を述べた中野小学校の卒業生は、楽しいとき、悲しいときにいつも一緒にいてくれたこと、震災のときに守ってくれたことをいつまでも忘れませんと挨拶しました。
ばらばらに仮設住宅に住む被災された住民の皆さんが、感動的な再会を果たしている様子があちこちで見られました。校舎の壁には、学校への感謝と思い出の言葉が書き込みされていました。学校がなくなることは、被災した子供たち、保護者、住民にとって、これまで培ってきたコミュニティーの中心を失い、心のよりどころが一つなくなることです。
被災当時、学校を移転して学校を中心に集団移転をさせてほしいという地元住民の要望がありました。学校があれば、学校を中心にコミュニティーを再構築できると住民は訴えました。それは、もともと学校建設の計画があった向田地区であり、高砂中央公園近辺でした。しかし、市はそういった住民の声を聞いて実現する立場には立ちませんでした。中野小学校が移転再建にならなかったのは、子供たちの教育環境と地域のコミュニティーを守ることよりも、市の都合を優先した結果でした。
災害危険区域とされた地区にある中野小学校、荒浜小学校は、2012年秋に、市から統合、廃止の方向性が出され、地元との話し合いが続いてきました。住まいや暮らしの再建の見通しも持てない中、学校だけは廃止が決まっていくことは、子供たちや保護者が望んだことではありません。もし、希望があったように、学校の移転再建を方針とするなら、学校を中心としたコミュニティーの復活が図られたはずです。住民の声に耳を傾け、移転再建をしっかり検討すべきでした。これまでの市の進め方について反省すべきです。いかがでしょうか、伺います。
中野小学校は、明治6年、1873年、高砂村誓渡寺というお寺で開校しました。140年の歴史があります。1971年に仙台新港ができるのに合わせ、現宮城野区港2丁目付近から蒲生に移転しました。
中野小学校に隣接していた蒲生干潟は、環境省の国設鳥獣保護区特別保護地区です。中野小学校は、この環境を生かしてすぐれた環境教育を実践し、野生生物保護活動実績発表環境大臣賞など、数々の賞を受賞してきました。また、24年前から始まった中野小ぶちあわせ太鼓は、毎年、下級生に引き継がれ、今では中野小の伝統となっています。学校行事や地域の催しなどでも発表し、宮城国体の開会式でも演奏を披露しました。
東日本大震災で、和太鼓は津波に流されましたが、地域の皆さんが瓦れきの中から見つけ出し修復してくれました。中野小太鼓は復興の象徴と言えます。こういった大切な文化や歴史をしっかり伝え残さなければなりません。
中野小学校は、今でもばらばらになった住民のコミュニティーのよりどころです。4町内が以前合同で行っていた学区民運動会を復活しよう、おやじの会をつくろうと、切れそうになるきずなを必死につなごうという努力が続けられています。2年後、学校が廃止ということになれば、これまで培ってきた歴史や文化、中野小太鼓、環境教育などの引き継ぐ先がなくなるということです。
保護者は廃止提案を受け入れたと市が判断した後の意見交換会でも、統合先は設けないのか、中野小の先生方がいるところに転校できないかなどの意見が出されています。今議会には廃止の議案が出されていますが、統合か廃止か議論が十分だったとは思えません。子供や保護者の意見をよく聞いて、統合についてもしっかり検討すべきではないでしょうか。お答えください。
荒浜小学校は、七郷小学校への統合の方針が出されています。当局は保護者から了解を得たとしていますが、何度か行われた教育局が開いた保護者との意見交換会では、自分の住むところが決まっている人が少ない状況では学校のあり方について聞かれても意見を言えない、荒浜小学校を卒業させたいから入学させた、希望すれば今の在校生が皆、荒浜小学校で卒業できる方向で検討してもらえるのかといった意見が出ていました。しかし、当局はそういった意見を聞こうとせず、自分たちの方針の説明を繰り返すことに終始しました。
意見交換会に参加した保護者からは、学校をなくさないでほしいと何度言っても聞いてもらえない、もう意見を言っても仕方がないという気持ちにさせられてしまうとの声が上がっています。決して保護者が合意したということではありません。お友達と離れたくない、一緒に卒業したい、これらの思いを受けとめることが、被災した子供たちに寄り添うということです。荒浜小学校についても急がず、せめて今の子供たちが卒業するまで待ってほしい、こういった願いに応えていくべきですが、いかがでしょうか、伺います。
東六郷小学校地域は現地再建地区で、住民が戻って暮らし始めています。早く学校再建の方針を確認して、学校を中心にまちを再生する必要があります。ところが、当局は現地再建地区である東六郷小学校まで六郷小学校に統合する考えを示し、説明を繰り返しています。
意見交換会の中で、保護者が希望すれば、東六郷小学校は現地で再開はあるのかという質問に対し、教育局は、東六郷小学校周辺は災害危険区域ではありませんが、かさ上げ道路等の津波対策が十分に講じられない中での再開は現実的ではないと考えています、などという回答をしていることに驚きました。
東六郷地域は現地再建地区とされ、市は住民が戻って暮らせるようにと、盛り土、かさ上げや住宅再建の支援を打ち出してきました。農地の再生へ圃場整備事業も進めながら、まちを再生しようとしている最中です。教育局の説明は、このようなまちづくりの方針と矛盾します。
2011年12月に、文部科学省は農林水産省、国土交通省と連携し、学校の復興とまちづくりについて取りまとめをしています。学校とまちづくりは、切っても切り離せない関係だという立場で、まちづくりと一体になった学校の復興を支援するとしています。被災校の復興というとき、こういった考え方が基本です。東六郷地域は、まさにそういった地域のはずです。
東六郷小学校は、かさ上げして建てかえるなどして、地域のコミュニティー、防災の拠点と位置づけて再建すべきです。全市を挙げて生活再建、地域再生のモデルとなるように力を尽くすべきではないでしょうか、伺います。
学校の存続や廃止は、教育委員会で検討され決定されるものです。教育局は教育委員の皆さんに対して、それぞれの学校について議論の経過や地域から出されている声を丁寧に伝えるべきです。教育局にとって都合のよい報告をしないよう求めますが、いかがですか、伺います。
現在、荒浜小学校の子供たちは東宮城野小学校に、中野小学校の子供たちは中野栄小学校に間借りをする状態で学んでいます。ばらばらの仮設住宅から、市が準備したスクールバスで通学しています。どちらの学校も二コースを二台のバスで約一時間かけて通学しています。例えば、荒浜小学校では放課後帰宅するバスは、15時と16時の2便しかないので、子供たちは授業が終わると、校庭で遊ぶ間もなくバスに乗り込まなければなりません。学校は授業を受けるだけの場所ではありません。元気いっぱい友達と遊ぶことで、子供たちの心と体が育まれ、体力づくりにもつながります。
新年度、借り上げタクシーなどの利用も検討し、できるだけコースをふやして細やかに対応すべきですが、いかがでしょうか、伺います。
NPO団体などの支援団体が、津波被災地の若林区、宮城野区の仮設住宅集会所や市民センターなどを中心に、11カ所で約百名近い子供たちを対象に学習支援を行っています。子供たちにとっては大事な居場所になっています。教育局はこうした事業を把握はしていますが、何の支援もしていません。
実施主体のNPO団体などでは、民間企業や財団の補助金などを使って運営しています。しかし、新年度からの運営資金の見通しが立たないことで継続が危ぶまれる状況があります。実際、私が伺ったNPO団体から、補助金がなくなるので来年は学習支援を取りやめざるを得ないとお聞きしました。そうなれば、せっかくの子供たちの居場所がなくなってしまいます。仮設住宅で勉強する場所もない中で、受験を迎えている子供たちもいます。一人一人の子供たちの成長や学びを保障するために、市はこうした事業が継続できるよう財政支援をすべきです。いかがでしょうか、伺います。
本来、被災した子供たちの支援の基本は学校です。中野小学校では、教員は2名の正職員の加配が国の予算で行われ、スクールカウンセラーの拡充、精神科医の派遣もされています。ほかに精神科医や臨床心理士、指導主事から成る心のケア支援チームが派遣され、教職員に対する指導、助言などが行われているそうです。こういった被災校への支援は重要です。
仙台市内の学校には、福島などの市外からの転入を含めて、被災を理由に転校を余儀なくされた子供たちが、小学校834名、中学校249名、合わせて1813名になっています。子供たちと向き合い、豊かな教育を実現するためには、全ての学校の教職員の増員と少人数学級が必要であることが明らかです。
石巻市で被災し、今は市内のある小学校に通う子供さんは、目の前で大好きなおじさんを津波で失い、ショックで学校に行けなくなったそうです。しかし、同じく津波の被災体験を持つ先生が子供に寄り添った支援を行った結果、今では元気に学校に通えるようになったというお話を伺いました。このように被災した子供たちの支援で大切なことは、周りにいる大人が子供の思いを受けとめて寄り添い、痛みに共感しながら成長を支えることです。
ところが、学校現場は多忙を極めていて、必ずしもそうはできないのが実態です。仙台市の教職員の時間外勤務は、2012年には小学校で最高123時間、中学校では最高179時間です。最高値は、厚生労働省の示す過労死ラインの月80時間を大きく超過しています。昨年度までの10年の間で死亡退職された教員は25名です。うち年齢構成を見ると、40代から50代がほとんどで、まさに中堅であり働き盛りの方々でした。さらに今年度もこれまでに3人の方が亡くなっています。原因はさまざまですが、現職の教頭先生など教育現場で重い責任を持ちながら部活動の指導に当たるなど、過重な労働が背景にあったことが想像されます。私がこの間お話を伺ってきたある先生は、常々、教員の過重労働の実態や健康の問題について指摘し、警鐘を鳴らしていました。その先生御自身が突然死をされてしまい、私は無念でなりません。取り返しのつかない、つらい出来事を繰り返さないために、早急に対策を打つべきです。
命を育む学校現場で、過労死や過労自死は絶対になくさなければなりません。教師もこんな働き方では、子供と丁寧に向き合うこともかないません。震災後、不登校を初め、さまざまな問題を抱える子供たちが多くなっています。このことを解決するためにも、求められるのは教員の増員です。
2018年から県費負担教職員給与負担等が、都道府県から指定都市へ移譲されます。この際、市は計画を持って直ちに教員をふやすべきです。お考えを伺います。
お隣、山形県では2002年から、わかる授業、楽しい学校を目指す山形さんさんプランに取り組み、年々少人数学級を拡大し、現在、小学校は全学年で実施しています。さらに中学校は少人数授業を行っています。勉強がよくわかるようになって、授業が楽しい、先生と話す時間がふえ、困ったことも相談できると子供たちの声が上がっているそうです。山形県では子供たちの学力が実施前より向上し、不登校の減少、欠席率も低下しているそうです。効果が生まれた原因について、教員と子供にゆとりができ、特に教員の意識が、耳を傾けよう、声をかけよう、手をかけようと変化したからだと報告されています。
仙台市では、現在、小学校1、2年生、中学校1年生が35人学級となっています。これを年次計画を持って順次拡大すべきです。震災を経験した今だからこそ、思い切って実施に踏み切るべきです。国に少人数学級の拡充を強く求めることとあわせて、このことを伺って、私の第一問といたします。
◯市長(奥山恵美子)
ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。
被災した学校と子供たちへの支援の充実に関するお尋ねにお答えをいたします。
津波で被災した三つの小学校は、いずれも長い歴史と伝統を持ち、これまで教育の場としてだけではなく、地域コミュニティーの拠点としても大きな役割を果たしてまいりました。また、地域の皆様の御協力をいただきながら、学校の運営がなされており、こうした地域と学校のつながりについて、私も十分に承知をしているところでございます。
三つの小学校については、学区内の多くの区域が津波で被災をし、住民の皆様の移転が進み、児童数が減少している中、将来的に学校を存続することは困難であり、子供たちにとって適切な教育環境を確保していくために、学校を閉じることはやむを得ないものと考えております。地域と一体となった学校を閉じるということは、保護者や地域の皆様にとって大変つらく厳しいことでありまして、教育委員会がお示しをし、意見の交換を行ってきた案について御理解をいただくに当たりましては、丁寧な説明と十分な意見の交換が欠かせないと認識をしてございます。
今後とも、地域の皆様の思いを受けとめながら、しっかりと御意見を伺い、理解を深めながら進めていくことが重要であると考えております。
このほかの御質問につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯教育長(上田昌孝)
私からは、市長が御答弁申し上げました以外の御質問にお答えを申し上げます。
初めに、災害危険区域とされた中野小学校、荒浜小学校の移転再建についてでございます。
この二校につきましては、学区内の多くの区域が災害危険区域の指定を受け、地域住民の区域外移転が予定されており、将来にわたり学校を存続することは困難でありますことから、学校を閉じるという教育局の案について、平成24年9月以降、地域や保護者の皆様と意見交換を行ってまいりました。
当初は、学校を移転し再建してほしいといった御意見もいただいてきたところですが、住民の皆様の移転先は複数の地区に分かれており、それぞれ既存の学校の学区が設定されておりますこと、また、児童は住まいの近くの学校に通学することが教育環境上望ましいことから、学校の移転再建は困難であることを御説明してきたものでございます。
次に、中野小学校の検討についてでございます。
中野小学校につきましても、他校と同様に閉校と統合の二つの方法について検討を行いましたが、同校につきましては、住民の移転先が多くの学区に分かれることなどから、特定の統合先は設けないことといたしたものでございます。学校を閉じるに当たり、学校の歴史や伝統、貴重な資料などを残していくことは大変重要であると認識いたしております。今後、地域や保護者の代表者などで構成する閉校準備委員会を設置し、皆様の御意見を伺いながら、閉校に向けたさまざまな課題を整理してまいります。
続きまして、荒浜小学校に関するお尋ねについてでございます。
昨年7月の意見交換会におきまして、在校生が卒業するまで学校を存続してほしいといった御意見もいただきました。こうしたことから、改めて検討を行いましたが、児童数が現在の37名から数年後には3分の1程度まで減少し、教育活動や学校運営の面で課題が一層ふえますこと、また、昨年12月に全保護者を対象に実施したアンケートでは、7割以上の保護者の方から、平成28年4月統合という教育局の案でやむを得ないとの回答をいただきましたことから、1月の意見交換会において、改めて統合の御提案を行ったところでございます。
意見交換会では、児童の心のケアの継続や通学先の学校の選択について十分配慮することなど、さまざまな御質問や御意見に丁寧にお答えし、平成28年4月統合について手続を進めることについて、御了解をいただいたものでございます。
続きまして、東六郷小学校に関するお尋ねについてでございます。
東六郷小学校の学区につきましては、現地再建可能な地区も含まれてございます。しかしながら、現在の児童数は26名で震災前と比べ半減しており、3年後には10名程度になることが見込まれてございます。こうしたことから、よりよい教育環境を確保するため、将来統合したいという提案を行い、現在、統合時期について保護者の皆様と話し合いを行っているところでございます。
また、東六郷地区におけるコミュニティー機能や防災機能の確保につきましては、現在、関係部局による全庁的な検討を行っているところでございます。
続きまして、教育委員会での検討に関するお尋ねでございます。
今回の中野小学校に関する方針の決定に当たりましては、保護者や地域の皆様との話し合いの状況につきまして、随時、教育委員に情報提供し、御意見を伺いながら手続を行ってきたところであり、荒浜小学校、東六郷小学校につきましても、引き続き、同様に進めてまいります。
続きまして、スクールバスのコースをふやすことについてのお尋ねでございます。
荒浜小学校及び中野小学校のスクールバスの運行に関しましては、児童の下校時間が高学年と低学年で異なることを考慮した運行を行っております。運行に当たりましては、児童の転居に合わせて、ルートやバス停について、きめ細かな見直しなども行っているところでございます。今後も保護者の皆様の意見を伺いながら、適切に対応してまいります。
次に、被災児童生徒の学習支援についてでございます。
被災校に対しましては、加配教員や非常勤講師を重点的に配置いたしますとともに、教育局内において、学力や生活、学習状況に関する情報を共有するなど児童生徒の実態把握に努め、一人一人への、よりきめ細かな指導のために必要な支援を行っているところでございます。
これに加えて、震災等により困難を抱えている子供たちへの学習支援として、NPO団体などが独自に取り組んでいる状況もございます。
教育局といたしまして、当該団体への財政支援は特に考えてございませんが、これまでも相談を受けて、各学校への募集案内の配付、会場の確保、学生ボランティアとの連携などについて協力を行ってきており、今後とも、こうした協力に努めてまいりたいと存じます。
次に、教員の多忙化解消と増員について、お答えを申し上げます。
教員が子供と向き合う時間を確保できるよう、学校現場での多忙化の解消は喫緊の課題であると認識いたしております。その解消に向け、教育局から学校への照会文書や調査の精選、一部授業を教頭や教務主任が分担するなどの取り組みを進めているところでございます。
また、本市においては、教職員定数による配置のほか、少人数学習指導や指導困難学級対策等の実施のために、市独自で非常勤講師を配置し、きめ細かな指導の支援も行っているところでございます。
こうした状況を踏まえながら、県費負担教職員の給与費負担等の移譲時におきましては、本市としての教職員定数を適正に定めてまいりたいと考えております。
最後に、35人学級の拡大、少人数学級の拡充についてでございます。
その拡大、拡充のための教職員の配置につきましては、国の教職員定数の改善による県費負担教職員の配置が基本でございますことから、これまでも他の政令市と連携して、国に対して繰り返し要望しているところであり、今後とも、引き続き求めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
再質問
◯高見のり子議員
まず、市長の答弁なんですけれども、三つの被災校を一くくりにしてお答えされましたけれども、三つの学校が閉校がもう決まったような答弁だったんですけれども、これ大問題だと思うんですね。教育長の答弁とも違うと思います。特に、東六郷小学校については、話し合いの最中でありますし、議会でも、まだこれは通っていません。教育局は、これまで住民の意向を踏まえて方向性を決めていくということで、住民と話し合いをしてきたはずでありますから、住民の意向を尊重する、これがもう大前提なんだと思うんですね。ところが、この間の市の進めてきたやり方というのは、結論を持って納得をさせる、諦めるまで話し合いを続けてきたと、そして、結論を出すと。こういったひどいやり方をしているということを、私は指摘をさせていただきました。この3校の再建の問題での市長の再答弁をお願いしたいと思います。
それからもう一点、教員の増員の問題なんですけれども、4年後に県費負担教職員の給与、人が移譲されるということになるわけなんですけれども、私がきょう質問でただしましたのは、もう被災して3年、今こそ、やらなければならないこと、もう4年後では遅過ぎるんですね。今だからこそ手当てをしなければならない。非正規ですとか、そういった本当にたくさんの種類の先生方が確かにふえてはおりますけれども、やはり大事なのは正職員をきちんと定数をふやすということなんだと思います。直ちに、ぜひとも行うべきだと思いますので、もう一度、お答えをお願いします。
◯市長(奥山恵美子)
被災した学校の今後についての私のお答えに関しての、再度のお尋ねということでございます。
三つの小学校につきまして私が申し上げましたのは、学区内の多くの区域が津波で被災している中で、今後の住民の皆様の移転が進んでいくこと等を考えると、児童数がそれに伴って減少していくという状況にあるわけでございまして、そうした中で、将来的に学校を存続するということは、極めて困難な状況にあるという認識が私にもあるということでございまして、この認識に基づきまして教育委員会といたしましても、地域の皆様、また保護者の皆様に学校の統合もしくは学校を閉じるということについて、お話を申し上げるということになっているわけでございまして、認識において教育委員会と私が違う様相があるということではございません。
もとより学校の統廃合と申しますのは、先ほどの答弁で申し上げましたとおり、その地域の皆様、コミュニティーのありようにとりましても、大変大きな課題でございますので、住民の皆様、保護者の皆様と十分なお話し合いのもとにこれを進めていくことが必要ということについては議論をまたないところでございます。
以上でございます。
◯教育長(上田昌孝)
被災校に対しましては、本務の教員でございます加配教員や非常勤講師など重点的に配置いたします。そのほかにもスクールカウンセラーとか精神科医のチームを派遣したりして、学習面、それから日ごろの生活面でも十分な配慮をしてサポートをしているところでございます。
県費負担教職員が政令市へ権限が移譲された際には、これがどのような形になるか、いまだ法案の形も明らかになってございませんので、そういうふうな具体的な法案の中身、それから仙台市に移譲される権限の中身、定数の配分の仕方を見ないと、仙台市として、今どうだこうだということは申し上げられる状況にはないということでございます。
再々質問
◯高見のり子議員
震災から丸3年になるまで、国も学校の復興とまちづくりの観点で提案をしてきた、復興を進めてきたにもかかわらず、統廃合しか提案してこなかったという市の姿勢に問題があったというふうに思っています。市長は、自分の考えを述べられましたけれども、やはり基本は住民の合意、住民の意思ということが大事であるという点、この点を確認したいと思います。
◯市長(奥山恵美子)
本市は、教育委員会がただいま御答弁申し上げましたとおり、その学校が存在する周辺地域の現在における状況、また将来の見通し等を踏まえつつ、お話をさせていただいているということでございまして、そのお話の相手としての住民の皆様方の御意思も十分に尊重しつつ、この間の話し合いを進めているものでございますし、将来もそのようなことでございます。