(2014年6月議会 庄司あかり議員の代表質疑)
◯庄司あかり議員 消費税を五%から八%に十七年ぶりに引き上げてから、二カ月半が過ぎました。八%になり買い物を週一回にした、一〇%になったら十日に一回にせざるを得ない、年金だけの生活、生きていることが苦痛になります、これから住宅再建するのに増税は被災者泣かせですなど、私たち日本共産党市議団が行っている市民アンケートでは、消費税増税による暮らしへの影響について、連日、切実な声が届いています。食料品などの生活必需品も含め、あらゆる商品やサービスに課税される消費税が、低所得者や被災者にとって重い負担になっていることがわかります。
厚労省が発表した四月の毎月勤労統計調査によると、基本賃金を示す所定内給与は〇・二%減少し、二十五カ月連続でマイナスになりました。消費税増税の影響で、四月の消費者物価指数は、前年同月比三・二%も急上昇しました。基本賃金が下落する中で、家計は圧迫されるばかりです。市が行っている税務統計調査を見ると、個人市民税の一人当たり負担額は、二〇〇八年の十二万六千円から二〇一二年には十万二千五百円と、右肩下がりになっています。市民の暮らしがこれほど疲弊する中で、まさか消費税一〇%への増税を黙って見ているはずはないと考えますが、奥山市長の御見解を伺います。
四月一日、エイプリルフールにつかれたうその中で最もひどいうそが、消費税の増収分は全て社会保障の充実と安定のために使われますだと、やゆされたほど、社会保障はよくなるどころか、年金は削られ、介護や医療の国民負担はふえ続けています。
政府与党が衆議院で強行した医療・介護総合法案では、介護保険で要支援と認定された約百六十万人もの方々が、介護保険の適用外とされてしまいます。また、特別養護老人ホームの入所者を要介護三以上に限定することや、これまで一割負担だった介護保険利用料を二割負担に引き上げることも盛り込まれています。医療においても、都道府県に病床再編計画をつくらせ、従わない場合はペナルティーも科して在宅に押し戻し、高齢化のピークとされる二〇二五年までに四十三万床も減らす計画です。
奥山市長は、社会保障のためなので、やむを得ないなどと言って増税を容認してきましたが、社会保障が次々と改悪される中でも、そんなのんきなことを考えているのでしょうか。
そもそも社会保障には、所得の再分配という機能があります。累進課税など応能負担の原則のもと集めた税金を、公的年金や医療、介護などの社会保障給付によって再分配するというものです。その点で、消費税は低所得者に負担が重く逆進性が強いため、社会保障の財源には最もふさわしくない税金の集め方です。それにもかかわらず、奥山市長が社会保障のための消費税増税という言葉の持つ矛盾に気づかないで、政府の宣伝文句を無批判に受け入れているのであれば、社会保障のそもそも論から出直すべきだと考えます。政府のごまかしを正面から批判し、応能負担の原則に立った社会保障の充実こそ求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。
◯市長 消費税率に関するお尋ねでございます。
社会保障・税一体改革による消費税率の引上げは、医療や子育て支援などの社会保障制度の運営のための安定的な税源の確保を目的としたものと承知しております。
社会保障の維持・充実のために今後更なる経費の増加が見込まれます中で、景気の変動に左右されにくい消費税により、広く国民全体にご負担いただくことは、国民健康保険事業や子育て支援などを直接所管いたします基礎自治体の立場からは、やむを得ないものと認識しております。
他方、本市を含む被災地、東北は、復興のみち半ばであり、また、地域経済につきまても、その回復を実感するまでには至っていないのが現状でございます。
私といたしましては、そうした被災地における様々な状況をしっかりと把握しつつ、必要な場合は、その現状を国に伝え、被災地の復興、経済の回復に支障の生ずることのないよう、柔軟な対応も求めてまいる考えでございます。