(2015年2月 予算等審査特別委員会 すげの直子議員の質問)
◯すげの直子委員 初めに、委員長、他局にもまたがりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
私はこれまで復興予算の使い道についてわかりやすく明らかにすることを繰り返し求めてまいりました。私たちは被災者の生活再建がまだ果たされていないことを考えれば、復興計画期間を延長し、被災者の生活再建にもっと力を尽くすべきだと考えますが、市長は今のところは延長するお考えはないようです。
しかし、復興事業自体は計画期間が過ぎても続くという認識はおありです。だとすれば、今後も通常分と震災分を分けて議会や市民に報告すること、復興事業費の推移や変動、復興基金の使い方などをその都度、議会などに報告することは当然必要なことだと考えますけれども、いかがでしょうか。
◯財政課長 復興計画期間後も継続する事業もございますことから、震災関連の予算、決算の状況や復興計画の概算事業費のほか、復興基金の活用状況につきましては、復興事業の進捗も踏まえながら、復興計画期間後も適時適切に議会の皆様、そして市民の皆様方に対しお示ししてまいりたいと考えております。
◯すげの直子委員 ぜひ、そうすべきだというふうに思います。
それで、新年度予算のうち震災分予算は718億円ということです。一般会計予算総額の13%というわずかな予算になっております。これで、市長が施政方針で述べられた暮らしの復興へのさらなる加速は可能なのでしょうか、お伺いしたいと思います。
◯復興事業局長 被災された方々の生活再建の加速に関するお尋ねにお答えいたします。
本市におきましては、防災集団移転に伴います移転先宅地の造成が間もなく完了いたしますほか、復興公営住宅に関しましても年度内には約2,000戸が完成する見込みでございまして、震災で失われた住宅の再建に係る大規模な事業はおおむね終盤を迎えようとしている状況でございます。
このため、新年度におきましては移転先等での住宅再建支援を引き続き進めてまいりますほか、改訂いたします被災者生活再建加速プログラムに基づきまして被災された皆様も早期の生活再建に向け、より一層個別の状況に寄り添った支援を強めてまいりたいと考えてございます。このために必要な事業費は新年度予算案に計上させていただいておりまして、このような取り組みを通じまして一日も早い被災された皆様の生活再建の後押しをしてまいりたいと考えてございます。
◯すげの直子委員 全ての被災者の方々の生活再建を果たし得るためには、到底足りないんではないかというふうに私は思います。
まず、市が創設をいたしました震災復興基金と復興計画事業費に焦点を当てて伺っていきたいと思うんですけれども、震災復興基金は2011年の創設以降、積立総額は新年度予算を含めまして約291億円とのことです。これまで使われた額はどのぐらいなのか、お伺いします。
◯財政課長 ただいまの委員の御指摘の数字は平成27年度当初予算見込み額を含めてのお尋ねかと思います。基金の実際の取り崩しをいたしましたのは、決算年度でいいますと平成25年度決算まで、この期間までで約61億円、平成26年度の見込み額、平成27年度の当初予算ベースでの見込み額を合わせますと約200億円の取り崩し見込みとなっております。
◯すげの直子委員 200億円になる見込み。充当事業をいただいているんですけれども、そこから減額補正も今回組まれていて、そこからも90億円ぐらいが充当事業として今年度当初にいただいているんですけれども、それで今回の議会で減額補正で被災宅地の再建支援などの減額なんかもあるんですけれども、だから、今年度70億円ぐらいになるのかなと私は思っていたんですけれども、かなり今年度使われたということで200億円ということになるんですか。
◯財政課長 失礼しました。正確に申し上げます。平成25年度までの取り崩し決算額が、こちら確定額ですが61億円、平成26年度の見込みでは67億円、平成27年度の当初予算ベースでは71億円、合わせまして約200億円ということでございます。
◯すげの直子委員 一応使った額がどのくらいなのかというふうにお聞きしたので、新年度のことはちょっと私はまだこれからなので、それもまた使われないで繰り越したり減額されたりということもあるんじゃないかというふうに思いますので、決算額でいうと61億円だと。今年度はおおよそ見通しで67億円ということですから、今年度末までで130億円近くしか使われていないということです。
今、御答弁もいただきましたけれども、新年度にも使う予定にはなっておりますので、市が復興計画終了としております新年度末に積立総額291億円の約3分の1の91億円も残すという予定になっています。復興計画の事業費の推移を見ますと、被災宅地の復旧支援などは当初計画から60億円も減っております。一人一人の生活復興プロジェクトはずっと少ないことを指摘してきましたが、また150億円に減額です。復興基金の趣旨を生かして、こういうところの増額に充てるべきではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。
◯財政課長 新年度予算におきましても津波被災地域の住宅再建や被災宅地再建に係る本市独自支援、あるいは見守りや引っ越し支援等の被災者生活再建支援事業など、被災された皆様の暮らしの再建に必要な事業のほか、被災中小事業者の皆様に対する利子補給などに基金を重点的に充当しておりまして、必要な事業費を確保していると考えております。
◯すげの直子委員 それにしても新年度末に91億円残すというのは余りにも多過ぎるんじゃないかと。復興計画期間を終了するというふうに言っておられるわけで、その年度末に約3分の1基金を残すというのは、本当に必要なところに使ってきていないんじゃないかと私は思うんですけれども、この91億円、計画期間終了後何に使うおつもりなのか。まさかとは思うんですけれども、音楽ホールの整備に使うおつもりなのか、お伺いしたいと思います。
◯財政課長 震災復興基金につきましては、震災復興計画期間後も継続いたします東部復興道路整備や蒲生北部地区の区画整理などへの活用により、おおむねその全額を取り崩すものと見込んでおりまして、活用する考えはございません。
◯すげの直子委員 音楽ホールの整備費には使わないということでよろしいんですよね。済みません、もう1回確認したいと思います。
◯財政課長 復興関連事業に全額を取り崩す見込みでございますので、活用する考えはございません。
◯すげの直子委員 新年度予算に計上されている音楽ホール整備のための調査費2000万円も基金は活用されていないということを事前にお伺いもしておりました。
復興基金の使い道というのは、やはり何よりも被災者に直接届くように、住まいや生活、なりわいの再建にこそ使うべきだというふうに考えます。これまで、基金は今年度末まで合わせて130億円、新年度も合わせると200億円ぐらいになるということですけれども、例えば被災宅地の独自支援に充てられたのは、今年度分も含めて1月末現在でお聞きをしたところ、たったの17億円ということです。新年度予算はこれも本当にわずかで、4億円ということでした。291億円のうち、余りにも少ないのではないかと思います。
赤の判定を受けた方で震災後に夫を亡くし、ひとり暮らしの年金だけの生活でとても復旧することができない、経済的な負担が重く手をつけることができないという切実な声を私もお聞きをしております。基金も残っているわけですから、こうした方々に独自支援制度の自己負担分の減免をして支援を強めるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯復興事業局長 被災宅地復旧に係ります助成金制度につきましては、今年度末で申請受け付けを終了いたすこととしてございまして、年度末までの申請分に係る交付決定等の手続が翌年度となることが想定されますことから、これに要する経費として新年度予算案におきまして約4億円を計上させていただいているものでございます。
被災宅地の復旧は、これまでも何度も申し上げてきてございますけれども、本来所有者の方々の責任で行っていただくことが大原則でございまして、比較的軽微な被害は自己負担で復旧していただくべきと考えてございますことから、制度の拡充は考えてございません。
◯すげの直子委員 だから基金が余るんです。きのうも嵯峨委員からも委員会で質問させていただきましたけれども、今年度末で受け付けを終了すること自体が私は大変問題だというふうに思います。これは延長もするし、支援制度も拡充をさせて、必要な方に必要な支援をすると、そのための復興基金です。ぜひそうすべきだというふうに思います。
では、今度は復興公営住宅です。復興基金からも大変わずかな額ですけれども、復興公営住宅建設のために充当をしております。もっとかけることは十分可能だと思います。都市整備局長、心配なさらずに復興公営住宅をふやす決断をぜひ私はすべきだというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長 ただいま委員のほうからも出ておりますけれども、わずかでございますけれども復興基金から充当してございます。この復興基金からの一部充当につきましては、基本的に復興交付金で建設をしていくということでございますが、国が交付金の対象にならないというふうに判断した部分について充当しているというところでございまして、御指摘の基金がまだ余っていると、だからふやせるんじゃないかという、いわゆる増設というふうにはつながらないと我々として思っておりまして、復興公営住宅の整備戸数等についてはこれまでも説明してございますけれども、これまでの希望されている方々への調査とか他市町の状況、特に住宅の確保に配慮が必要な世帯を考慮して3,200戸としたところでございまして、現時点では増設の必要があるというふうな判断にはまだ至っていないというところでございます。
◯すげの直子委員 復興公営住宅を希望しても入れない、何度も落選させる、そういう思いを被災者の方々にさせていいのかというふうに思います。自力再建をしたくてもできない、危険な宅地を自力では復旧できない、こうした声には全く応えないで、復興基金をあえて残してどうしようというのかと思います。
市長は、本会議で住まいの再建は生活再建の前堤になるものだというふうにおっしゃっておられました。その前堤すら取り戻せないでいる方がいるのに、なぜ基金を残してまでかたくなに支援を拒むのか、どうなんでしょうか、お答えください。
◯市長 ただいま担当局長のほうからもお答えを申し上げましたとおり、復興に関するさまざまな事業はそれぞれの事業の必要性、また市民の方の被災の現状等を踏まえまして、私ども調査の上でその必要量を定め、実施してきたものでございます。それにつきましては基金が残っているからという理由でこれを変えるということではないということにつきましても御答弁申し上げたとおりでございまして、私の考えもまた局長と同一のものでございます。
◯すげの直子委員 復興基金を計画期間が終わるところで3分の1も残すということはどういうことかと。やはり、必要な支援をしていないからだというふうに考えが至らないのかというふうに思います。被災者への直接支援が余りにも少ないからこうやって基金が残っているんです。
被災者の生活再建が何よりも重要だと復興計画では言っておりますけれども、この復興計画自体を私は変質させているんじゃないかと思います。被災者の生活再建に直接結びつくほうはあれこれ理由をつけてしない、減額をしている、それなのに、逆に国際センター駅周辺整備などはどんどん増額をしてきました。都合のいい解釈で理由をつけて、何でも復興事業に加えるというのは誤りです。大体国際センター駅周辺整備費を市は復興計画事業費に加えていますけれども、国には決算のときに震災分として報告をしているんでしょうか、お伺いしたいと思います。
◯財政課長 決算統計におきましては、国際センター駅周辺整備費は復興関連には含めておりません。