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一般質問 嵯峨サダ子議員(6月23日)

【概要】復興公営住宅の追加整備は急務

(応急仮設住宅入居者の現況調査、見守り支援体制、

    家賃軽減策、民間賃貸住宅への家賃補助)

 

〇嵯峨サダ子議員

日本共産党の嵯峨サダ子です。被災者の住まいを中心とした生活再建支援の充実、強化を求めて一般質問いたします。

東日本大震災から4年3カ月が過ぎました。復興公営住宅が徐々に完成し、入居が始まっていますが、6月1日現在、応急仮設住宅で入居している世帯は、いまだ6003です。ピーク時のまだ半分も残されています。そのうちの約八割は借り上げ民間賃貸住宅です。この人たちは個々ばらばらに避難し、支援の手も行き届かず孤立しています。震災から時が経過するほど、被災者の生活にさまざまな困難がのしかかり、被災者から希望を奪っていく事態が続いていることは重大です。
ことしの3月11日、地元紙の社説に「大震災4年 創造的復興」のタイトルで次のようなことが書いてありました。「被災者を置き去りにして、耳に心地いいかけ声だけがひとり歩きすることは戒めなければならない」「巨額予算を奇貨として、夢の未来都市を造ることだけが復興ではあるまい」、これはまさに、国のみならず、宮城県と仙台市のことを言い当てていると思います。被災者一人一人に寄り添った支援と、そのための万全な取り組みを行うことが本当の復興につながります。
震災で住まいを失った人たちが、次の住まいを見つけるのは容易ではありません。仮設住宅を出た後の行き先が決まらない世帯の住まいを確保する手だてを市が責任を持って行わなければなりません。ところが、市は、自力再建方針や復興公営住宅に入居が決まった世帯については、仮設住宅入居の延長を認めていますが、住まいの再建方針が決まらない世帯は、来年五月以降、仮設住宅から追い出す考えです。冷酷な対応です。被災者を放り出すのは人権侵害に当たります。次の住まいが決まるまで、仮設入居期間を延長すべきです。いかがでしょうか、伺います。

国民の住まいを守る全国連絡会が、衆参国土交通委員70名と各政党の国土交通住宅政策担当部門に対し、大震災と住宅政策の改革についてアンケート調査を実施しました。その中で、みなし仮設住宅期限後の家賃補助についての意見を聞いています。社民党は、現行制度のまま維持。日本共産党は、期限後も住み続けたい被災者が多数存在、家賃補助の継続が妥当。自民党、維新の党、公明党、民主党は、低所得者、高齢者、障害者、子育て世代等に継続と回答しました。何らかの手だてが必要という点では一致しています。
四月に市が行った応急仮設住宅入居者現況調査結果によると、現在の借り上げ賃貸住宅を御自身の名義で契約し住み続けるが922世帯、新たに賃貸住宅を探し転居するが584世帯あります。市は、民間賃貸住宅を希望する世帯を2000と見ていますが、こうした世帯が安心して住み続けられる施策の展開が求められています。
一般社団法人パーソナルサポートセンターが実施した、みなし仮設住宅入居世帯のアンケートでも、51%が入居期限後も住み続けたいと答えています。このうち92%が今後も家賃補助が必要と答え、67%は半額以上の家賃補助を希望しています。被災者にとって、震災後の社会経済状況が大きく反映されている結果でもあります。
今回の震災は、みなし仮設が主流になりました。民間賃貸住宅を被災者の安定的な居住環境の維持という観点で位置づけ、家賃補助を行う必要があります。被災地から、今後の住宅政策を提案することはとても重要です。国に対し、家賃補助制度創設を求めるとともに、仙台市でも家賃補助を実施すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

また、資材など建設費高騰が被災者の住宅再建の大きな障害となっています。この数年で建設費の坪単価が50万円から70万円になった、資金が足りないという切実な声が上がっています。円安と物価値上げ、公共事業のばらまき、消費税増税など、これら被災地での建設費高騰の原因をつくったのは、アベノミクスの経済政策にあることは明らかです。被災者生活再建支援金を300万円から500万円に引き上げ、対象を広げることを初め、国が住宅再建への支援を緊急に拡充すべきです。奥山市長は、本会議答弁で、被災された方の生活再建を何よりも最優先に取り組むと述べました。本心からそう思っているのであれば、宅地被災者を含めた住宅再建への支援を抜本的に拡充すべきです。いかがでしょうか、伺います。

山元町は、震災復興基金の残額を活用して住宅再建支援制度の拡充を決め、9月定例会に追加支援策の関連議案を提出する予定です。移転を促す区域で現在も居住する世帯に、生活支援として100万円を支給するほか、巨大地震で全半壊した内陸の住宅の修繕、建築費も補助します。町の担当者は、町内に定住している被災者に幅広く支援が行き届くと思うと説明しています。仙台市においても、基金残額を活用すれば支援の拡充は幾らでもできます。
市の復興期間は今年度で終了するとしていますが、震災復興基金は91億円も残す計画になっています。市は代表質疑答弁で、今後の復興基金については、主には復興計画期間後も継続する東部復興道路整備や蒲生北部地区区画整理、震災メモリアル事業などへ、おおむねその全額を取り崩すものと見込んでおりますと述べました。財政課に、取り崩す具体の中身が欲しいと言ったところ持ってきました。東部復興道路の取りつけ道路整備に約50億円を見込んでいます。必要な道路整備であれば、国に要求し予算を確保すればいいのではないでしょうか。残額は、蒲生北部地区区画整理とメモリアル事業を合わせて約40億円も使う見込みです。何でこんなにもかけるのでしょうか。詳細も示さず、90億円にただ金額を合わせただけで、いいかげんなものです。そもそも基金の全額を取り崩してまで、これらの事業に充てるものではありません。復興基金は、被災者の生活再建を直接支援するものにこそ使うべきです。伺います。

パーソナルサポートセンターに相談に訪れる人の2割は、復興公営住宅に入れない、増設しないのかという相談だとお聞きしました。復旧・復興みやぎ県民センターが行った聞き取り調査でも、抽せんで何回も外れた、この先どうしたらいいかわからない、2Kの部屋が少なくて単身者が入れない、市営住宅を申し込んだがことごとく外れたという悲痛な訴えです。
市が行った応急仮設住宅入居者現況調査は、住まいの再建方針が決まっている世帯しか書けない内容のものです。復興公営住宅を希望する人が書く欄がなく、被災者を切り捨てているとしか思えません。その他のその他にしか書くことができなかった667世帯は、再建方針が決まっていないことを市長も認めました。そのほとんどは、復興公営住宅の抽せんに外れた世帯と想定されます。
優先順位、特別減免世帯の入居調整のための申し込みが10日に締め切られ、対象250世帯のうち150世帯が申し込みました。しかし、ここでもまた調整順位決定のための抽せんが行われます。高齢者、障害者、低所得者等を何度も振り落とし、希望を奪うやり方が奥山流の復興なのでしょうか。
四月九日、復旧・復興みやぎ県民センターが被災者の方々と市役所を訪れ、復興公営住宅の増設を求める要請を行いました。その中で、復興公営住宅に入居を希望しながら、かなわずにいる世帯に対して、改めてニーズ調査を行うことを求めましたが、調査を行ったのか伺います。

市は、復興公営住宅に入れない被災者は、民間賃貸住宅を探して移りなさいと言っています。パーソナルサポートセンターに委託して伴走型支援をすると言います。しかし、対象は高齢者世帯などで、住宅を一人で探すことが困難な人に限られています。パーソナルサポートセンターの職員が被災者に伴走して支援をしていますが、保証人を立てられない人も多く、保証会社もなかなか引き受けるところが少なく苦労されています。どんなに伴走しても、復興住宅がふえなければ根本的な解決にはなりません。復興公営住宅をふやさないという方針は撤回し、被災者が希望する場所と間取りに見合った戸数を急いで追加整備すべきです。伺います。
また、一部損壊の罹災判定であっても、借家やアパートが被災し、大家さんの都合で住まいを失った方や、他自治体で公費解体し、仮設住宅に入っている方々が3桁を超えているといいます。市は、こうした世帯は復興公営住宅の入居要件に当たらないとして、申し込みすら受け付けませんでした。しかし、復興庁の担当者が国交省住宅局に確認したところ、一部損壊の場合についても、仙台市の判断により災害公営住宅に入居可能とすることはできますとの回答がありました。被災者を放り出すようなことが決してあってはなりません。市の責任で、こうした世帯の住まいを早急に確保すべきです。いかがでしょうか、伺います。

復興公営住宅に入った人たちからも、家賃が高過ぎて払い続けられるか不安、家賃を安くできないかという相談が寄せられています。年金生活世帯は数千円の家賃ですが、勤労者世帯では、収入がふえる見込みがない中での多額の家賃負担は生活を圧迫しています。仙台市の復興公営住宅家賃は、県内でも高い水準になっています。通町復興公営住宅の最高家賃は13万2300円です。ほかの復興公営住宅でも、手取りの給料が20数万円の世帯の家賃は8万円です。これに加えて、共益費や駐車場代が別途かかります。とても復興住宅とは言えない高い家賃です。
女川町は、独自に災害公営住宅家賃の軽減を行っています。家賃は、管理開始から5年間は半額とし、6年目以降については段階的に引き上げ、11年目には本来の家賃になるようにしています。被災者の生活再建を後押しする意味でも大事な施策です。復興公営住宅に係る建設費や土地の取得費は、ほぼ国が負担しているわけですから、家賃収入が多少減っても何ら問題はありません。家賃を軽減することは十分可能です。被災者が安心して住み続けられるようにするために、家賃を軽減すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

復興公営住宅に入居することによって、それまでの被災者同士のきずな、コミュニティーが断ち切られ、孤立化することが懸念されます。復興公営住宅は、仮設住宅団地以上に被災者一人一人に寄り添った対応が必要です。誰がどこの部屋に住んでいるのか知るすべもないのでは、コミュニティーのつくりようがありません。まずは復興公営住宅の集会所を解放して、そこに支援員を置くことです。そうすれば、人も集まり、コミュニティーの再生の土台をつくることができます。急がば回れです。本会議で、復興公営住宅の支援員の配置は考えていない、町内会等に協力をお願いしていると市民局長が答えましたが、支援員の配置は復興事業局が担うべきものではないでしょうか、伺います。

集会所の机や椅子などの備品も設置して、人が集まる環境をつくることです。市は、自治会の準備会ができてから要望を聞き、備品を設置すると言っていますが、机や椅子は要望を聞くまでもありません。すぐに設置すべきです。伺います。
住宅の改善も入居者から要望が出されています。各住戸にポストがないため、集合ポストにわざわざ取りに行かなければならず、大変不便です。少なくとも、各戸の玄関前に新聞受けを設置すべきです。また、あすと長町の高層階の住宅の北側共有通路が、コンクリート壁でなく鉄柵でできているため、風が直接吹きつけて玄関ドアがあかないとの苦情が寄せられています。柵のすき間から物が落下する心配、恐怖を感じて歩けないという声も上がっています。早急にボード等を設置して、安全対策をとるべきです。あわせて伺います。

高齢者を中心とした見守り支援体制については、市営住宅も視野に入れて関係部局で協議を行い、見守り支援体制を構築すべきです。神戸市では、中学校区ごとにある地域包括支援センターに市が見守り推進員を配置して、高齢世帯の生活を援助しています。芦屋市では、シルバーハウジングに居住する高齢者に対し、生活援助員、LSA、を派遣して在宅支援を行い、夜間は芦屋市シルバー人材センターの会員が緊急時対応をして24時間見守り体制をとっています。こうした取り組みに学び、仙台市でも見守り支援体制構築に足を踏み出すべきです。このことを最後に伺って、私の第一問といたします。

御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

〇市長(奥山恵美子)

ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。

お住まいの再建についてのお尋ねでございます。 本市で被災された皆様への仮設住宅の供与期間につきましては、住宅の再建や充足の状況を踏まえまして、原則5年間としたところでございます。 現在、本市の仮設住宅には約6000世帯の方が住まわれており、そのうちおおむね一割程度の方について、住宅再建の場所や時期が定まっていない状況にあることは承知をいたしておりますが、昨年度来の生活再建支援の取り組みによりまして、その数は着実に減少をしております。 お住まいの再建は暮らしの再建の第一歩でございますが、本市復興の現在の状況に照らしましても、仮設住宅に入居されている皆様には、住宅再建を具体化していただくべき時期を迎えているものと考えております。 住まいの再建を加速させていくことは、今年度、本市が最も力を注ぐべき取り組みの一つでございますことから、被災された方々が、一日も早く安定した暮らしの再建を果たされますよう、しっかりと後押しをしてまいる所存でございます。 そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。 以上でございます。

 

〇復興事業局長(鈴木三津也) 

私からは、住宅再建に係ります三点のお尋ねにお答えいたします。

初めに、住宅ストックを活用いたしました家賃補助についてでございます。 市内で被災された方の仮設住宅供与期間を原則5年としたところでございますが、これは、本市復興の進捗などから、皆様に再建を果たしていただくことが可能となるような住宅ストックの充足が見込まれることによるものでございます。もとより、仮設住宅は被災された方の一時的な居住の安定を目的としたものであり、供与終了後におきまして、国への働きかけも含め、家賃補助を実施する考えはございません。 本市といたしましては、引き続き再建に向けた課題や御事情を丁寧にお伺いし、公営住宅の入居勧奨や福祉施策へのつなぎも含めまして、退去後も安心して暮らしていただけるよう、鋭意取り組んでまいりたいと考えてございます。

次に、住宅再建支援の拡充についてお答えいたします。 本市では、これまで、被災された方々の御要望や議会での御議論などを踏まえ、各種の住宅再建支援制度の創設や拡充、被災宅地復旧支援制度の創設などを行ってきたところであり、これらの制度を御活用いただいたお住まいの再建も進んできていることから、さらなる支援制度の拡大は考えてございません。今後も、これらの支援を活用いただき、個々の世帯の御事情に応じた一日も早い住宅再建を後押ししてまいりたいと考えてございます。

最後に、復興公営住宅への支援員の配置についてでございます。 復興公営住宅におけるコミュニティー形成は、入居された方々の安定した暮らしの再建を図る上で大変重要であるものと認識してございます。復興公営住宅の集会所に支援員を配置することは考えてございませんが、区役所を中心として、近隣町内会や社会福祉協議会など、さまざまな支援団体の御協力をいただきながら、茶話会などの交流イベントの開催や町内会の立ち上げ支援など、円滑なコミュニティー形成に向け、引き続き取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。

 

〇財政局長(西城正美)

震災復興基金の使途に関するお尋ねでございます。 東部復興道路、いわゆる県道かさ上げ事業につきましては、津波防災の骨格となる事業の一つでございますが、同時に日常的な利用の観点からは、かさ上げにあわせて接続する道路整備が必要でございます。このような要素を持つ事業につきましては、国の補助事業と市の単独事業を組み合わせまして、より実効性のある整備を行っていくことは従来の事業にもございます。このような市単独分につきましては、国との協議により極力その抑制を図りつつも、必要な単独予算につきましては震災復興基金を活用してまいります。 一方、こうしたハード面の費用のほか、津波被災地域住宅再建や復興公営住宅への引っ越しに係る本市独自の支援などにも活用しているところでございます。被災された方々の生活再建に必要な予算につきましては、引き続き、再建の状況等を見きわめながら措置してまいりたいと存じます。 以上でございます。




〇都市整備局長(小島博仁)

復興公営住宅に関する御質問のうち、都市整備局に係るものについてお答えいたします。 ニーズ調査につきましては、改めてアンケート調査を行うのではなく、生活再建加速プログラムに基づき、戸別訪問等も行いながら、生活状況や再建方針等を把握し、よりきめ細かな対応に努めているところでございます。その中で、特に支援が必要な方には個別に支援計画、いわゆる支援カルテを作成するなど、一人一人の状況に応じて丁寧に対応しております。 次に、本市の復興公営住宅は、住宅困窮度の高い被災者を対象として供給戸数を設定し整備を行ってきたところでございます。住宅困窮度が高い世帯でまだ決まっていない皆様には、市営住宅の活用を含め、対象の皆様が入居できるよう個別に調整しているところであり、新たな復興公営住宅の整備は考えておらないところでございます。

次に、一部損壊の方への対応でございます。 復興公営住宅の入居資格につきましては、半壊以上で住宅を滅失した方を基本とすることとされておりますが、各自治体が状況に応じて判断することも可能であることが、昨年末、改めて県から通知されたものでございます。 しかしながら、復興公営住宅の入居資格は、被災場所を問わないという制度の性質上、全国あるいは少なくとも都道府県内において統一すべきものと考えておりまして、県内他市町において、この通知を受けての資格要件の変更は行わないと伺っており、本市といたしましても変更すべきではないと判断したところでございます。 復興公営住宅に係る市独自の家賃減免制度についてでございますが、復興公営住宅の家賃は、国の基準に基づき、入居される方の収入と部屋の大きさなどにより決定されるものであり、同種の民間賃貸住宅と比較して低廉なものとなっております。さらに、一定の低所得世帯に対しましては、国の特別家賃低減制度を活用し、家賃負担の軽減を図ることとしておりますことから、市独自支援でのさらなる家賃の減免は考えておりません。 なお、女川町の件につきましては我々も承知しておりますが、これは、いわゆる定住促進など独自の観点から、家賃減免などの支援を設けているものと認識しております。

次に、備品の設置等に関するお尋ねについてでございます。 集会所の備品につきましては、自治会活動を行う上で必要とされるものを住民の皆様が整備するものであり、その整備に当たりまして、本市から助成金を交付することとしております。 自治会発足前でも、準備会などに対する助成金の交付は可能でございまして、御要望に応じて柔軟に対応しているところでございます。また、新聞受けの設置や防風対策など、入居した後の住宅に係る改善の御要望につきましては、それぞれの内容や状況について精査をした上で、必要に応じて対応してまいりたいと存じます。

最後に、市営住宅も視野に入れた高齢者世帯の見守り支援体制についての御質問でございます。 現在、復興公営住宅におきましては、生活再建支援員が戸別訪問により生活状況を確認し、見守り支援などが必要な世帯については、社会福祉協議会の支え合いセンターによる定期訪問につなぐなど、関係機関等と情報共有しながら支援を行っております。 一方、既存の市営住宅では、一部団地においてシルバーハウジング事業やNPОに委託した高齢者見守り活動を行っているところでございます。将来的な見守り支援のあり方につきましては、これらの取り組みを踏まえ、先進都市の事例も参考にし、関係局と連携しながら検討を進めてまいりたいと存じます。 以上でございます。

 

 再質問

〇嵯峨サダ子議員

再質問させていただきます。

全体的な答弁を通じて、被災者の本当に切実な声に全く応えようとしないという、この今の御答弁を被災者の方々が聞いたらどれだけ悲しむことでしょう。 先ほど市長が、まだ一割の人たちが住まいの再建方針が決まっていないというお答えでした。それを実際認めているのであれば、なぜこういう方々を仮設住宅から追い出すのかと、こういうことになるわけです。 民間の住宅ストックがあるとかなんとかということもこれまで言っておりますけれども、どんなに民間賃貸住宅の数があったとしても、だからといって、被災者の方々が生活再建できるという話ではないわけです。被災者が置かれている実態を全く見ようとせずに、切り捨てるやり方は本当に許せません。住まいは人間の生きる土台です。その土台を奪う、これは人権侵害に当たります。憲法に基づいて地方自治を守る立場の市長が、このような行為を行っていいのでしょうか、奥山市長に再度伺います。

それから、二点目、復興公営住宅の追加整備の問題です。 現況調査によって、667世帯もの人たちが再建方針が決まっていない、先ほども申し上げました。そのほとんどが、復興公営住宅を希望しながら入れない方々です。まさに、これは市長の責任問題です。民間賃貸住宅に誘導して伴走型支援をするとしておりますけれども、市が直接伴走して支援するものではありません。奥山市長みずから一人一人に付き添って保証人になるくらいのことをすべきです。どんなに伴走したとしても、600世帯を超える人たちの住まいを確保することは到底できません。被災者を置き去りにせず、復興住宅を追加整備すべきです。市長に伺います。

三点目ですけれども、震災復興基金残額の使い方の問題です。 震災復興基金は、御存じのように、被災者を含めた国民の増税分と市職員等の賃金カット分、全国から寄せられた寄附金で構成されたお金であります。ですから、当然このお金は被災者を直接支援するために使わなければなりません。そうでなければ、寄附をした人たちの意思に反します。職員の皆さんも同様だと思います。東部復興道路の取りつけ道路など、必要なものであれば国に求めるべきなんです。90億円を被災者の生活再建にこそ、直接役立つものに使うべきです。再度伺います。

 

〇市長(奥山恵美子)

嵯峨議員の再度のお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、生活再建の方針がいまだ決定しておらない世帯が、現在、仮設住宅に入居中の約6000の世帯の皆様の一割ほどになるというふうに私ども承知をしているということを申し上げました。これらの皆様につきまして、私どもは、再三議会におきましても御答弁を申し上げておりますけれども、仮設から追い出すというような趣旨で考えているわけでは全くございませんで、御一緒に生活の再建に向けて、それら約一割、600世帯の方々はさまざまな御事情があるわけでございます。健康上の課題であったり御家族の関係であったり、また、さまざまな働き場所の問題であったりするようなこともあろうかと思います。それらの個別の抱えていらっしゃる課題について、専門家の力もいただきながら、また我々も、またNPОの皆様も力を合わせて、その皆様のさまざまな課題の糸を解きほぐしながら、新しい暮らしの再建に向かっていただくということに、この一年間全力を傾けたいということでございますので、先ほども申し上げましたとおり、民間賃貸住宅への御紹介、また市営住宅への御入居、いろいろな形で生活の再建、特にその基盤であります住まいの確保に向けて、ことし一年間力を尽くしてまいりたいと、そのような趣旨でございます。

 

〇財政局長(西城正美)

震災復興基金につきましては、原資としてはさまざまございますが、設置の意義といたしましては、被災者生活支援などについて本市独自の施策を講じていく、そして、防災まちづくりの推進に当たって必要な単独事業に充て、復興自体を強力に推し進めていきたいということで活用していく方針でございまして、防災まちづくり関係の事業につきましても必要な単独分に充当し、復興を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

 

〇都市整備局長(鈴木三津也)

追加整備についての再質問にお答えいたします。 復興公営住宅は、入居資格として収入検討は問わないにしても、本市といたしましては、その供給対象は生活再建に当たって自力で再建できない、主に住宅に困窮している世帯を基本とするというこれまでの考えは変わらないところでございます。 そういったことから、整備戸数については3200戸を整備しまして、防災集団移転対象事業世帯の方々、さらには高齢世帯と優先順位世帯の方々、さらには最大限配慮すべきとの判断から特別減免世帯の方々、こういった方々につきまして、現在、個別調整を行っているというところでございます。 したがいまして、現在、入居調整の対象になっていない皆様につきましては、先ほども御答弁申し上げましたけれども、生活再建加速プログラムによりまして、生活状況や御意向等を丁寧に伺いながら対応してまいりたいと考えております。

 

〇嵯峨サダ子議員

どんなに御答弁を聞いても相変わらずな答弁でありまして、特に復興公営住宅の追加整備については、かたくなに追加整備はしないという御答弁を重ねております。そもそも、住まいの再建を困難にしているのは市自身ではないですか。復興住宅を本当に希望しているのに追加しないという、ここにこそ問題があるわけです。復興住宅に入りたいと希望されている方々一人一人について、再度ニーズ調査をすべきです。 戸別に訪問するといいますけれども、市がみずから訪問するわけではないわけです。実際的には。ですから、本当に被災者の方々、先ほど奥山市長が、一割ほど再建方針の決まっていない方々がおると。でも、この人たちを仮設から追い出すわけではないなどという何かわけのわからない話をしましたけれども、本当にそう思っているのであれば、この667世帯のほとんどは復興住宅を希望しても入れない世帯なわけですから、そこの人たちにきちんとニーズ調査をして追加整備をすると、それこそが本当に住まいの再建につながるのではないかと思いますが、この点について再度お伺いをいたします。

それから、震災復興基金の使い方ですけれども、いろいろ言いわけめいたことを財政局長おっしゃりますけれども、これ全然、被災者の方が望んでいるような使い方ではないわけです。もっともっと被災者に寄り添って、被災者の方々が住宅再建できる、生活再建できるという、そういう視点で私はこの基金の使い方についても再度考えるべきだと思います。 被災地の中で唯一の政令市仙台が、こんな復興のあり方でいいのかという問題が今突きつけられております。私は、奥山市長の考え方を、ここに市民の皆さんに示していただきたいと思います。奥山市長に答弁を求めます。

 

〇市長(奥山恵美子)

重ねてのお尋ねにお答えを申し上げます。 まず、復興公営住宅の追加の整備ということでございますが、復興公営住宅の必要な戸数ということにつきましては、私どもさまざまな数字の中から、先ほど局長からも御答弁申し上げましたが、真に住宅に困窮しておられる方々ということを基本に整備戸数を考えたものでございます。しかしながら、その後、一度追加をいたし現在の戸数になっているというところでございます。現在、さまざまな課題を抱えておられる方々の生活再建に向けてお話を伺っている段階でございますけれども、それらのお話をお伺いする中で、私といたしましては、現時点において復興公営住宅のさらなる追加の整備というものは必要ないものというふうに考えているところでございます。 また、基金の残高の使い道ということでございますけれども、この基金は、もちろん被災された方々の直接的な支援という形でもこの間使ってきたものでございます。また、一方で、被災された方々の暮らしにとりましては、今後、被災した地域自体がどのように再建を果たしていくかということも大変重要なことでございまして、その地域再建に向けて、どうしても市の単独でやっていかなければならない事業も多々あるわけでございまして、それらにも使っていくということは、決して被災者の生活再建をないがしろにしたものではないということで御理解をいただきたいと存じます。





 
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