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2022.5.20 健康福祉委員会 (庄司あかり)

◯庄司あかり委員  私からも敬老乗車証制度について伺ってまいりたいと思います。
 まず資料6ページの事業費の推移なんですけれども、説明でも書いてあるとおり平成27年度、2015年度から全額負担ということになりまして、事業費が増加したということです。これは改めてなぜどのように変わったのかをお示しいただきたいと思います。
 また、ここで全額負担になったわけですので、平成26年以前とは単純には比較できないんだと思いますけれども、この以前の部分、出し方が変わる以前の部分を比較できるように補正するとどうなるんでしょうか。伺います。
◯高齢企画課長  平成26年度までは、敬老乗車証利用者の運賃相当額の一部を交通事業者が割引を行う形で負担しておりましたが、割引に伴う事業者の負担が重くなっていることや、国交省からこうした割引は好ましくない旨の教示を受けた、こうしたことを踏まえまして、平成27年度から市が100%負担する形に改めるものとなったところでございます。
 平成26年度以前も同様の負担率であった場合の数値の精査、こちらのほうにはちょっと時間を要することから、現在お示しすることは難しいといった状況でございます。

◯庄司あかり委員  その補正をしないと、事業費がどのように推移してきたのかというのがよく分からなくなってしまうんですよね。当時、その見直ししたときの資料を頂戴しましたけれども、見直しする前は運賃相当額の、バスだと57%、地下鉄だと61.75%を敬老乗車証で負担していたということになるので、27年度に変わる前は大体6割程度しか敬老乗車証から出していなかったということになるわけですので、平成15年で17.6億円が令和元年には29.3億円になりましたという事業費の推移、これはもう決算額では事実なんでしょうけれども、比較する対象にはならないんだと思いますね。その辺の補正は時間がかかるからできないということでは、どのようにこの事業費の推移を見たらいいのか、こちらとしても大変困るものです。ぜひ、6割程度で出しているということですから、試算はできると思いますので、それは出していただきたいなと思います。
 交付率については7割前後で推移をしているということなんですけれども、先ほどもありました利用率は50.1%ということなんですけれども、これについての推移はどうなっているのか伺います。

◯高齢企画課長  平成29年度からの推移でございますけれども、コロナ禍前の平成29年、平成30年が約59%、令和元年が約55%、令和2年が約50%となってございます。

◯庄司あかり委員  そうすると、約半数になっていてこれは問題だというお話が局長からもございましたけれども、50.1%になっているのは資料にもあるとおり令和2年10月から令和3年9月の利用分ですので、コロナの影響を大きく受けているというふうに言えると思いますけれども、その前は6割近くというところもありましたので、この要因についてはどのように分析されているのか伺います。

◯高齢企画課長  現時点において、利用実態に係る詳細なデータの分析までは至っておりませんけれども、地理的な要因ですとか身体的な要因で公共交通機関の利用が難しく、利用されていないといった方や、自動車などの他の交通手段、移動手段を用いられている方が一定数いらっしゃるものと推測しております。
 なお、令和2年度については、コロナ禍の影響により交付率が低下したものと考えてございます。
 詳細な要因の分析につきましては、今後の利用実態調査等の結果の分析と併せまして実施してまいりたいと存じます。

◯庄司あかり委員  そういう意味では、コロナの影響で交付率が落ちたときを殊さらにこのように強調されるというのはいかがなものかと思います。
 今、要因の推測ということでおっしゃった中では、自動車の保有をされていて、それで移動されている方もいらっしゃるだろうと。あと、地理的な要因もあるだろうということでしたけれども、自動車をまだ運転する方とかということでいうと、これは年代別にも利用率というのは異なってくるのではないか、70歳になったばかりの方と75歳以降、80代などでは利用率が違うのではないかなと思うんですけれども、年代別の分析はされているんでしょうか。伺います。

◯高齢企画課長  現時点におきましては、交付者や未利用者の年齢別の状況に係る詳細なデータ分析というのは行っておりませんけれども、今後の利用実態調査等においては、年齢も一つの視点として分析してまいりたいと存じます。

◯庄司あかり委員  これを出す前の分析というのはほとんどなさっていないということなんだと思うんですね。
 先ほど地理的な要因もあるというお話がございましたけれども、市内、タケヤ交通ですとか愛子観光など、敬老乗車証が利用できない交通エリアがございます。それが地理的な要因の一つだと思いますけれども、こうしたエリアにお住まいの対象者数については把握されているんでしょうか。伺います。

◯高齢企画課長  敬老乗車証を利用することができない交通エリアを定め難いことから、現時点では対象者の把握までは至っておりません。
 今後、在り方の検討を進める中で、どのような形で把握することが可能かという部分も含め、探ってまいりたいと存じます。

◯庄司あかり委員  利用率一つ見ても、要因というのは様々あるわけですので、これをしっかり分析しないことには、ちょっと議論も難しいということを申し上げておきたいと思います。
 年間6万円を超える利用者の人数について、全体の1割以下だけれども、利用額では全体の4割を超えるというふうに書かれています。これは年間12万円が上限ですけれども、なぜ6万円で比較をされているのか伺います。

◯高齢企画課長  利用額の構成割合に係る全体の傾向をお示しするに当たって、利用上限額である12万円の半額である6万円が一定の区切りになると考えて、6万円での集計を行ったものでございます。

◯庄司あかり委員  半分を使ったからそれが何なのかなというのはあって、なぜ6万円なんですかとお聞きしたんですけれども、利用者の1割が6万円超の利用というふうにおっしゃっているわけですけれども、この6万円超の利用をされている方々、住んでいる場所は市内のどの辺なのか、そういった分析はできているんでしょうか。

◯高齢企画課長  現時点におきまして、6万円オーバーの利用者に係る居住地の分析までは進んでおりませんが、今後の利用実態調査等において分析することも含め、検討してまいりたいと存じます。

◯庄司あかり委員  住む場所によって、先ほどもありましたけれども運賃には違いがございますので、6万円を超える方の多くはやはり郊外にお住まいの方が多いんだというふうに思いますけれども、いかがお考えでしょうか。

◯高齢企画課長  6万円を超える利用者の方の全ての実態を把握してはございませんけれども、一部の方の状況を確認いたしますと、長距離のバス路線の沿線にお住まいの方がいらっしゃる一方で、地下鉄沿線で頻繁に利用されている方や、地下鉄とバスを乗り継いでいらっしゃる方も一定数いらっしゃることから、高額利用者の皆様が一律に郊外にお住まいというわけではないと考えているところでございます。

◯庄司あかり委員  地下鉄の運賃も高いので、利用すればその分利用額が増えるんだと思います。私も一律に郊外なのではないかとお聞きしたのではなくて、多くが郊外にお住まいなんじゃないでしょうかというふうにお聞きしたので、傾向についてはしっかりと捉える必要があると思うんですね。
 12万円の利用上限について、超えている人数はどれくらいいらっしゃるのか伺います。

◯高齢企画課長  前年にチャージした金額を使い切らなかった場合、こうした場合にはその上限額を超えた利用が可能となっております。
 令和2年10月から令和3年9月までの実績において、利用上限である12万円を超えて利用した方は1,346人となっておりまして、利用者全体の9万9785人の1.3%となっているところでございます。

◯庄司あかり委員  おっしゃるとおり、ICカードになって、12万円が利用の上限ということに一応なっていたんですけれども、繰越しもできるようになりましたので、年間の利用上限というのは事実上12万円を超えることが可能という状況になっています。そういう意味では、そうした利用実態というのは把握できる状況にあるということでよろしいんでしょうか。

◯高齢企画課長  上限を超えた方の利用についても、把握は可能な状況でございます。

◯庄司あかり委員  私も市民の方から利用上限を超えてしまったという御相談をいただくことがよくありますけれども、大体お住まいの場所をお聞きすると中心部から離れた、バスしか公共交通がないという地域の方からのお話がほとんどです。病院や仙台駅との往復で1,000円を超えてしまうという具体的なお話もよく伺っています。私は、そうした地域の方々の利用額が全体の4割を超えたからといって何か問題があるとは思わないんですけれども、御当局の認識はいかがでしょうか。

◯高齢企画課長  そうしたところが問題とかそういうことではなくて、まずはそうした実態がありますというところを我々としては把握していますというところでございまして、今後そうした利用の詳細な実態等をさらに踏み込んで調べまして、在り方検討のほうで考えていきたいと思います。

◯庄司あかり委員  御当局としては、問題があるから書いているわけではないということなんですけれども、11ページの評価のところでは、まず対象者の約半数が制度を活用していないという評価、これはなぜ活用できていないのかという分析は行われていませんよね。先ほど伺いましたけれども。
 また、利用している方の居住地ですとか、移動に係る運賃額についても把握、分析もなさっていない中で、利用している方の中でも利用状況に偏りが見られるというふうに評価されています。
 これは問題視はしていないとおっしゃいますけれども、この評価はいかがなものでしょうかね。在り方を検討する上で、やはりそうした分析は欠かせないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

◯高齢企画課長  こちらのほうは、利用状況に問題があるということではなくて、あくまでも現状としてはこういったことが見受けられますよというところで、検討の視点となるべきものだというふうな認識はございます。

◯庄司あかり委員  この文章だけ読むと、偏りが見られることを問題視されているのかなというふうに思いましたけれども、利用状況ではなくて、お住まいに偏りがあるから多分利用状況に影響があるんじゃないかということを申し上げておりますので、利用意識、利用実態調査を行うということですけれども、今回の報告の中では本当に利用している方の行動とかお住まいの場所とか公共交通の使い方、そういうものが本当にイメージできないような報告になっているなというふうに思います。この利用意識、利用実態の調査方法、どのようなもので行う御予定なのか伺います。

◯高齢企画課長  利用意識調査につきましては、アンケート調査を予定しておりまして、敬老乗車証の交付を受けていない方も含めた約4,000人の方々を対象に行うことを予定しております。
 主な設問といたしまして、利用目的、それから日常生活における移動手段、自動車免許の所有状況等をお尋ねする予定でございます。
 利用実態調査につきましては、バス停や地下鉄の発着データを業者へ提供して集計、分析を行うことを予定しておりまして、集計の視点といたしましては、地域や年齢、所得の状況が利用にどのような影響を与えているのかなどでございます。

◯庄司あかり委員  やはり利用している市民の姿が浮かぶような調査がなければ、在り方の検討ということは本当に難しい、できないんだというふうに思いますので、市民の姿が見える、実態が分かる調査を行っていただきたいと思います。
 次に、事業費についてなんですけれども、事業費の令和2年度、2020年度の実績及び令和3年度、2021年度の見込みについてお示しください。

◯高齢企画課長  令和2年度の決算額は、負担金が約19億4000万円、これに事務費約1億3000万円を加えた約20億7000万円となっております。
 令和3年度の決算見込額といたしましては、負担金が約20億9000万円、これに事務費約3000万円を加えた21億2000万円となってございます。

◯庄司あかり委員  やはり足元の実績、そして決算見込みでいうと、コロナの影響を著しく受けていて減少しているという状況なんだと思います。
 そういう中で、今後の見通しを10ページでお示しいただいていますけれども、これはコロナの影響は考慮していないというふうにあるんですが、来年度、令和5年度にはコロナ前の利用状況で試算をされているということで、これは保健所も抱える健康福祉局として、来年度にはコロナ前の利用状況に戻るという見通しをお持ちということなんでしょうか。伺います。

◯高齢企画課長  あくまでも今現在の状況の中での判断、見通しというところになると思います。決してうちのほうでコロナの影響が終息するとかそういったところまではまだ言えないところもございます。

◯庄司あかり委員  今現在の見通しとおっしゃいましたけれども、今現在のところでいうとコロナの影響で大きく利用が減少しているというのが足元ですので、もちろんこのようになるという見通しを持っているわけではないというお話でした。
 この将来推計も、70歳以上人口のピークということで、令和37年度、2055年までということで、事業費は47億円になるという将来推計です。令和37年度って33年後なんですけれども、実は私が70歳になる年でございまして、そこまで制度を持続可能なものにしようということで推計していただいてるんだとすればありがたいんですけれども、ただ、33年後というと自動運転の技術なんかも発展もしてくるでしょうし、交通の概念自体も大きく変わりそうだなというふうに思うわけですが、令和37年度には一般財源負担額の見込みは43億円だと。ただし、注釈で公共交通網や料金体系の変化、移動手段の変化、新型コロナウイルス感染症の影響は考慮していないということで、こんなに考慮しない推計というのもあんまり見たことがないんですけれども、これはつまり全然違う数字になるかもしれませんと言っているのと同義だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

◯高齢企画課長  今後の在り方の検討を進めるに当たりましては、利用実態等も踏まえて、新型コロナウイルス感染症や移動手段の多様化による影響なども考慮しながら、推計の精度を高めてまいりたいというふうに考えてございます。

◯庄司あかり委員  精度は高められそうだけれども、高められない状態のものを今回出していらっしゃるということですよね。そんな不確定要素がたくさんの将来推計をこのように資料として示されても、どのように受け止めたらいいんでしょうか。審査に耐えられない推計ではないかと思うんです。このような資料を当委員会の報告でお出しになっているわけですけれども、これは社会福祉審議会には出すべきではないと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯高齢企画課長  今年度行う実態調査や意識調査など、そうしたデータも踏まえた上で、来年以降、社会福祉審議会のほうにはデータを示していきたいというふうに考えてございます。

◯庄司あかり委員  このような事業費の推計による評価を基にして、在り方の検討が必要だというふうに結論づけていらっしゃるわけですよね。高齢者人口の増加とそれに伴う事業費の増加が見込まれる中、この制度が将来的に持続可能な制度であるのか、どのように運用すれば制度の持続性を確保していくことができるのか、検証が必要ということになさっているわけですけれども、その根拠となる事業費推計自体、非常にぐらぐらしているものではないかなということを申し上げています。
 12ページ、在り方検討において考慮すべき事項として四つ挙げられていて、高齢者の移動手段の変化、公共交通政策の影響、敬老乗車証の利用状況、新型コロナウイルス感染症による新たな生活様式の影響などです。この公共交通政策の影響のところに、地域交通の展開等というふうにあるんですけれども、これはどういう意味なんでしょうか。伺います。

◯高齢企画課長  敬老乗車証制度の在り方を検討するに当たりましては、制度を取り巻く様々な環境の変化についても考慮した上で検討していく必要があると考えてございます。その中には、現在地域で広がりつつある地域交通の展開による影響、あるいはその地域交通との関わりについても考慮してまいる必要があるということで、そういった考えを例示したものでございます。

◯庄司あかり委員  在り方の検討において考慮すべき事項に地域交通の展開等というふうにあるので、地域交通の担当部署にお話をしたところ、健康福祉委員会で報告の中にこういう文言があるということは認識をされていなかったということで、資料を改めて確認をしていただきました。
 地域交通が展開していけば、いずれデジタル化の波とともにICカード対応に地域交通でもしていくということが十分に考えられると思います。その際、敬老パスが地域交通でも活用できれば利用者の利便性が増すと思いますけれども、そうした改善も考えていくということがこの考慮すべき事項の意味なんでしょうか。伺います。

◯高齢企画課長  将来そういった形になるのかどうかというところまではまだ私どものほうでも把握してございませんけれども、あくまでもやっぱり地域交通のそういった今後の発展とか、あるいは関わり方の中で、この敬老乗車証制度としても全く関係のないものではございませんので、やはりそういった関わりの中で考慮していく必要があるということで、記載しているものでございます。

◯庄司あかり委員  担当課とやり取りしなければ、どういうふうになっていくのかというのを相互に考えることはできないんだと思いますので、そういう点でもどうなっているのかなというふうに思いました。
 公共交通政策への影響としては、本市の交通局ですとか他の交通事業者の経営にも大きな影響がございます。交通局から頂いたんですけれども、市バスの乗車料収入のうち敬老乗車証の割合は令和元年度で19.4%、令和2年度では18.4%ということで、コロナの下でもバスの収入の2割近くを敬老乗車証の利用が支えています。市バスの経営上も重要な役割を果たしているとのことです。敬老乗車証の在り方の検討が行われれば、交通の経営計画にも影響を及ぼすことになることは容易に想像できますし、今以上に路線の廃止や減便が進むと、市全体としての市民サービスの水準に影響を及ぼしかねないというふうに思います。在り方の検討の際には、そうした全体的な視点もそうですし、本市の中のほかの局とか民間交通事業者とも意見交換が必要になると思いますけれども、いかがでしょうか。

◯高齢企画課長  敬老乗車証制度は、高齢者の生きがいづくりや社会参加の促進を図るために、高齢者福祉の制度として実施してきたものでございまして、交通事業者の経営支援のための制度ではないといったところから、例えば減収分について一般会計から直接補填するという関係性にはないというふうに認識しているんですけれども、仮に見直しを行うとなった場合には、交通事業者の経営のほうにも一定の影響を及ぼす可能性というのはございますことから、制度の在り方の検討を進める上では、これまで同様に交通事業者の御理解の下、制度の運用に御協力を得ることができるよう、適宜情報交換、情報共有を行いながら進めてまいる必要があるというふうに認識してございます。

◯庄司あかり委員  敬老乗車証は、減収分の補填ではなくて、利用実績に応じて運賃としての収入になるわけですので、決して交通局の減収補填ではない制度ですので、そこはしっかりと理解をしていただく必要があると思います。経営を支えるための補助じゃないというのはもちろんそのとおり、運賃としての支払いであって、それを健康福祉局がするものではありませんから、ただ、その運賃収入が落ちた場合に、市の交通局ですし、市全体の交通政策にも関わってくると思いますけれども、市民サービスに影響するということになれば、健康福祉局としては関係ないと思っていらっしゃるかもしれないけれども、私たち議員にとっては市全体、市民サービスの水準がどうなるかということは大きな問題ですので、そうした視点が必要なのではないかというふうに申し上げております。
 ほかの部局ですとか民間交通事業者との意見交換については、どのようにお考えなんでしょうか。

◯高齢企画課長  民間事業者等につきましても、交通局と同じように情報の提供をしながら進めてまいりたいというふうに考えております。

◯庄司あかり委員  情報提供ではね、意見交換とは違うと思うんですけれども、もう一つ、考慮すべき事項に新型コロナウイルス感染症による新たな生活様式の影響というのがあります。これも今後考慮できるだけの材料って一体どれくらいあるんでしょうか。感染が続いている現在と、コロナ後にどれくらい新たな生活様式が定着していくか、これは予測困難だというふうに思います。社会福祉審議会も議論に困ってしまうんじゃないかと思うんですね。現状、敬老乗車証の利用というのは、先ほど実績見込みをお示しいただいたとおり著しく減少している状況で、今後の事業費の見込みというのもそういう点で不確かです。足元がはっきりしない状況において、一体何を考慮して見直しすることができるとおっしゃるんでしょうか。伺います。

◯保険高齢部長  コロナ禍で今後の見通しが不透明な状況ではございますが、前回の制度改正から既に10年が経過し、制度を取り巻く環境や高齢者の意識、それから行動形態も変化していること、今後も高齢者の人口増加などにより一定の財政負担が見込まれること等を考慮すると、感染状況の推移なども見据えながら、制度の在り方について議論を進める時期に来ていると考え、今般の在り方の検討を進めることとしたものでございます。
 今後の利用見通しを推計するに当たりましては、現状のコロナ禍による利用の落ち込みは考慮すべき事項の一つであると考えておりまして、過去の利用状況の推移や将来推計人口を用いることはもとより、直近の乗車率の状況、それから利用実態調査における分析などを踏まえた一定の前提の下、将来の見通しの推計の精度を高めることは可能であるというふうに考えてございます。
 今後、そうした推計なども踏まえながら、持続可能な制度として運用できるよう、在り方の検討を進めてまいりたいというふうに考えてございます。

◯庄司あかり委員  そういう意味では、今年度行う利用実態調査、結局コロナ禍の下で行うものですので、その実態調査自体も今後もそうなっていくというふうに見れるものなのかというのはあると思うんです。コロナ前の利用状況、あるいは終息後はどのように利用したいか、そういうことも把握していくことが求められるのではないかなというふうに思っています。
 コロナ禍で、フレイルの悪化などが懸念される大きな理由が外出自粛による影響です。敬老乗車証が高齢者の社会参加の促進、健康増進という役割を果たしているということは何度も強調されているわけですので、本来、敬老乗車証の今もう目前の課題ということでは、コロナの影響で利用が減少していることをどうするかということなんじゃないでしょうかね。利用を促進して、社会参加や健康増進を図ることこそ、今コロナ禍において必要だと思います。例えばタクシーにも拡大するとか、タケヤ交通のほか、都市整備局が頑張って取組を進めている地域交通にも補助を出すとか、そういった見直しでしたら大歓迎なんですけれども、いかがでしょうか。

◯保険高齢部長  今般の検討を進める上では、利用状況や利用実態調査等も踏まえて、高齢者福祉の増進といった趣旨に沿って活用していただくために、どのような制度として運用していくのが適切なのかという視点も持ち合わせながら、在り方を考えてまいりたいと存じます。
 一方で、本市の財政の硬直化については進行していることに加えまして、高齢者人口の増加が見込まれる中において新たな負担を伴う拡充を進めるのは、制度の持続性の観点から課題があるものと認識しており、制度の在り方を考える中においても、拡充と持続性の両立が可能なのか、その部分につきまして慎重に検討してまいる必要があるものと認識してございます。

◯庄司あかり委員  先ほど見直しや改悪ありきではないんだというような御答弁もあったわけですけれども、結局お聞きすれば拡充と維持が両立できるのかというお話になって、結局拡充させるための、今利用できていない方が利用できるようにとか、対象を拡大する、そういう課題認識については全く示されていないわけですよね。これで見直し、改悪ありきじゃないんだというふうに言われても、本当に心配になってしまいます。
 他都市では、敬老乗車証による経済波及効果も検証する取組を行っていまして、敬老乗車証の事業費の推計だけでなく、波及効果を含め果たしている役割の検証というのが必要だし、その見える化が求められていると思います。介護予防ですとか医療費抑制など、健康福祉費に関わる支出の抑制にももちろん役立っているはずと思いますので、そのような大きな視点での検証が欠かせないと思いますし、市民にも議会にも社会福祉審議会にもそういった視点での検証と併せて示していかれるべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

◯保険高齢部長  在り方の検討を進めるに当たりましては、様々な視点からの分析、検証が必要と考えております。他都市における事例も参考としながら、どのような分析や効果検証が必要であるのかという視点を持ち合わせながら、幅広なデータが収集できるよう、今年度実施する実態調査や意識調査等を進め、議会、それから社会福祉審議会、市民の皆様にそうしたデータもお示しできるように進めていきたいというふうに考えてございます。

◯庄司あかり委員  そういう意味では、私が伺ったような分析はまだこれから実態調査をしながらということで、本当に今日の御報告の中の資料、データを出せばいいということではなくて、本当に精度を高めていくというふうにおっしゃいましたけれども、審査に耐えられるような資料を出していただかないと、本当に実態もつかめないですし、将来推計については本当にこれはどのように議論したらいいか、私も大変悩みました。そういう点については、しっかりと受け止めていただいて、今後その利用実態調査の報告も含めて、きちんと将来推計、考慮していない部分が多過ぎて、本当にこうなるんですかというのに一体誰が責任を負える資料なんですかね。そういうところについては、改善を求めておきたいと思います。

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