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第2回定例会 一般質問 ふるくぼ和子議員(2024年6月18日)


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質問・答弁を動画で視聴できます。




【概要】(一問一答方式)仙台の図書行政をもっと充実させよう
〇市民の共有財産である図書館の増設を
〇地域で図書館とつながる「分室」をもっと増やそう
〇図書館職員と司書は正職員で増員を
〇赤ちゃんに絵本を開く楽しい体験と絵本をプレゼントする「ブックスタート」を仙台でも
〇文庫活動の充実と支援を





〇ふるくぼ和子議員

日本共産党仙台市議団のふるくぼ和子です。仙台市図書館行政充実を求めて、一問一答方式での一般質問をおこないます。

1994年の『ユネスコ公共図書館』では「社会と個人の自由、繁栄および発展は人間にとっての基本的価値である」との書き出しから始まります。そして、それは「十分に情報を得ている市民が、その民主的権利を行使し、社会において積極的な役割を果たす能力によって初めて達成される」が「建設的に参加して民主主義を発展させることは、十分な教育が受けられ、知識、思想、文化および情報に自由かつ無制限に接しうることにかかっている」として「地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する」として「地域において知識を得る窓口である公共図書館は、個人および社会集団の生涯学習、独自の意思決定および文化的発展のための基本的条件を提供する」と、冒頭からその理念、氏名についてうたっています。また「公共図書館は原則として無料とし、地方および国の行政機関が責任を持つものとする」ことや「地域社会のすべての人々がサービスを実際にりようできなければならない」など、運営の原則が論じられており、公共図書館のあり方を最も的確に示していると言われています。
2022年に改正された宣言でも、こうした理念は踏襲したまま、持続可能な開発目標(SDGs)の位置づけや、公共図書館のサービスの対象に「ジェンダー」「その他いかなる特性」「マイノリティ」という表現を用いて、文字通りすべての人を対象とする社会的包摂の重要性を強調するなどの発展をさせています。
宣言は最後に「国および地方自治体の政策決定者、ならびに全世界の図書館界が、この宣言に表明された諸原則を履行することを、ここに強く要請する」と結んでいますが、この呼びかけに市長はどのようにお答えになるでしょうか。仙台市の図書館行政においても、この宣言を根底に位置づけた取り組みが求められていると考えますが、図書館の役割と本市の図書館の位置づけについてのご所見も合わせ伺います。

図書館法においても、地方公共団体が設置する図書館を公立図書館とし、図書館奉仕としてその業務内容が示されています。
しかし一方で、図書館の設置等は条例で定めることとなっていますので、図書館行政の水準は自治体が直接問われることとなっていますので、図書館行絵師の水準は自治体が直接問われる関係になっています。
残念ながら、仙台市の図書館が7館という設置数は、政令指定都市図書館統計の直近のデータによると、20都市中下から3番目、市域面積における図書館数を割り出した施設密度では下から2番目という大変低い水準です。人口一人当たりの蔵書数は中位ですが、貸出数や予約件数は2年前と比べる順位を下げています。
仙台市の図書館が、政令市の中でも低い水準に位置し、順位を後退させているこうした現状を、どう捉えていらっしゃるのでしょうか。伺います。

図書館を支える職員の充実も重要な課題です。
とりわけ司書の役割が欠かせませんが、そもそも市は司書の役割をどのように評価をしていらっしゃるのでしょうか。司書の育成も大事な図書館の役割ですが、その取り組みについても伺います。

司書には、様々な場面での活躍が期待されています。その一つにブックスタート事業への参加があります。
ブックスタートとは、乳幼児健診などの機会に、赤ちゃんに読み聞かせをするなどして、絵本を開く楽しい体験と絵本をセットでプレゼントする活動です。全国の取り組み状況、政令市、県内での取り組み状況について把握していらっしゃるでしょうか、伺います。

市民が本に親しむ機会を広げるには、文庫活動などの市民活動も欠かすことができません。市民の支えで図書館事業が成り立っている側面は大変大きいものがあると思いますが、文庫活動や市民ボランティアが積み重ねてきた歴史や果たしてきた役割について伺います。
以上を総括質問とし、ご答弁を伺ったのちに一問一答にて質問を続けます。





◯市長(郡和子)

ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
図書館のユネスコ公共図書館宣言との関係や役割についてでございます。
宣言でうたわれているとおり、図書館は人々が知識を得る窓口であり、個人及び社会の意思決定や文化的発展に資する施設であると認識しております。
仙台市図書館振興計画2022に基づきまして、地域・市民に役立ち、共に成長を続ける図書館を目指し、図書館での本の貸出しにとどまらず、アウトリーチ型事業や電子図書館の充実などの取組を進めてきておりまして、このことは宣言に通底するものだと思っております。
お一人お一人の多様性を尊重しながら、誰もが生涯にわたって主体的に学ぶ権利を保障するとともに、本のある心豊かな暮らしを市民の皆様が楽しめるよう取組を進めてまいりたいと考えております。





◯こども若者局長(郷内俊一)

私からは、ブックスタートに関するこども若者局の所見についてお答えをいたします。
ブックスタートは、子供の誕生を祝福し、子育てを応援するとともに、子供の健全な発達を後押しするために有用な取組であるものと認識しております。
区役所等における乳幼児健診や3~4か月児育児教室など、乳幼児が集まる機会もございますことから、こうした場の活用も含め、子供たちが絵本に接する機会の効果的な在り方について、関係局と共に検討してまいります。





◯教育長(天野元)

私からは市長、関係局長がお答えした以外の教育局に係るお尋ねにお答えいたします。
 
本市図書館の現状認識についてでございます。
本市の図書館は、令和3年度では設置数では政令市中18位ということでございますが、市民一人当たりの蔵書数では12位、市民一人当たりの貸出数でも12位となっております。
政令市中での順位が後退している指標があるところでございますが、電子図書館を新たに開設するなど、今まで図書館を利用しなかった方々にも関心を持っていただけるような取組を進めておりまして、令和4年度は前年度比で貸出数が約30万件増加したところでございます。
 
次に、司書の役割と育成についてでございます。
司書や司書補の資格を持つ職員は、図書館におきまして、選書や資料情報を案内するレファレンスへの対応など、専門性を発揮して業務を担っており、図書館業務においてなくてはならない存在と認識しております。
図書館の業務に携わる職員におきましては、司書資格の有無を問わず、図書に関する専門知識はもとより、丁寧な接遇や絵本の読み聞かせなど、様々なスキルが求められますことから、今後も、地区館や分館も含め、市立図書館全体での研修やOJTを通じ、職員全体のスキルアップを図ってまいりたいと存じます。
 
次に、ブックスタートの取組状況と所見についてでございます。
ブックスタートは、赤ちゃんへの絵本の読み聞かせやプレゼントを通じて、乳児の頃から本に親しみ、親子の絆づくりに資する事業であると認識しております。
この取組は昨年3月に実施されたNPO法人の調査によりますと、全国で1106の自治体において、県内では19の自治体で行われているものと把握しており、政令指定都市では14市で実施しております。
実施につきましては、絵本を読み聞かせる読み手の確保などの課題もございますことから、関係局と共にその在り方を検討してまいりたいと存じます。
 
最後に、文庫や市民ボランティアの活動の歴史と果たしてきた役割へのお尋ねでございます。
本市では、図書館行政の黎明期に当たる昭和30年代頃から、自宅や地域の施設等を会場として、主に子供たちに本を貸し出す家庭文庫や地域文庫の活動が続けられ、対面朗読や読み聞かせ、本の修理など、多くの方々がボランティアとして関わり、市民の読書活動推進に大きな役割を担ってこられました。
こうした取組は本市の財産であり、今後とも、文庫活動に取り組む皆様と連携を図りながら、様々な市民の皆様が本に親しむ環境づくりに努めてまいりたいと思います。





◯ふるくぼ和子議員

ユニセフのこの宣言を踏まえて、図書館の役割と位置づけについて、市長から大事という御認識で御答弁をいただきました。
であれば、もっとこの図書館の充実を私は図るべきだと思います。
 
順次伺っていきますが、まずは図書館数についてです。
アウトリーチだとか電子図書館という方向性が示されて、それ自体は大事な取組だというふうに認識をしています。しかし、仙台市の図書館数というのは、人口数から見ても政令市の中で最低水準と、このままでいいと考えているのかどうかということについて伺いたいと思います。増設計画こそ検討すべきですが、いかがでしょうか。





◯教育長(天野元)

本市では、全ての区に比較的規模の大きい図書館を七館配置しております。あわせて、分室やサービススポット、移動図書館など、身近な場所での図書館サービスを行っております。
図書館の増設は考えておりませんが、分室やサービススポット、移動図書館の利用を促進するほか、電子図書館の取組を充実するなど、今後もより多くの市民が利用しやすい図書館サービスの提供に努めてまいります。





◯ふるくぼ和子議員

少ないのですからすぐに、大規模だからということでなくて、しっかりと増設を考えてほしいと思いますし、その方向を打ち出すべきだということを指摘させていただきます。
 
では、実際に市民にひとしく利用環境を提供されているのかといえば、決してそうではありません。図書館が少ないだけでなくて、市民センターなどに併設している分室は週に2日、南光台は3日という開館になっていますが、泉区では8か所、そのほかには太白区の1か所のみです。
図書資料の配架のない週3日開設のサービススポット、これが荒井と中田に設置されましたが、これで全市の配置というものが十分というふうにはなっていません。
移動図書館は大変好評でどの地域でも待たれていて、これでカバーし切れていないということは御当局も認識をされていると思います。
今後広い市域において高齢者人口が増えていく、こうしたことを考えれば、生活圏の中で図書館とつながることができる、こうした環境整備というのが求められていると思いますけれども、いかがお考えでしょうか。





◯教育長(天野元)

地域に身近な場所で本に触れる機会をつくることは重要と考えておりまして、昨年6月には荒井サービススポットを増設するとともに、電子図書館など非来館型サービスも併せて推進しているところでございます。
今後も、市民の皆様が生活の中で図書館とつながり、読書を楽しむ機会の充実に努めてまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

改めて伺いたいと思いますが、仙台市の今年度の図書館運営方針・事業計画の、4つ、方向性が出されていますが、このうち、方向性3のところには何と書いてあるでしょうか、ご紹介ください。





◯教育長(天野元)

令和6年度仙台市図書館運営方針・事業計画では、目指す図書館像の実現に向けた四つの方向性を掲げており、方向性3では、市民一人ひとりに利用しやすい図書館となるための、令和6年度の主な取組として、移動図書館車を活用したアウトリーチ事業の実施、障害のある方のニーズに沿ったサービスの広報、電子図書館の利用促進などを推進することとしております。





◯ふるくぼ和子議員

もっとちゃんと読んでいただきたいんですが、誰もが使いやすく、どこに住んでいても情報が身近に届く、市民一人ひとりに利用しやすい図書館をめざしますというのが方向性の3です。
それをどう実践していくかということですから、これをやらない理由を説明するのではなくて、どうやってやれるかということをぜひ考えていただきたいと思うんです。
例えば黒松分室、図書館職員の頑張りで利用者が増えて、利用者からは開館日が毎日楽しみだと、職員との会話で新しい世界がどんどん広がるのが楽しいと、こうした声が聞かれています。
地域で図書館とつながることができる貴重な場としてこうして利用されている分室、さらなる充実が求められていると考えますが、いかがでしょうか。
 
運営方針の方向性を実現するためにも、市民センターの建て替えの際には、例えば将監分室のようになくしてしまうということではなくて、ちゃんと位置づけて設置すべきですし、計画的に市民センターには分室を設置する取組を進めるべきだと思いますが、いかがでしょうか。





◯教育長(天野元)

図書館分室を市民センターに新規に設置する予定というのはございませんが、移動図書館車の巡回やインターネットによる貸出予約サービスの普及、電子図書館の充実、資料の受け取りや返却ができるサービススポットの活用を図るなど、図書館サービスを利用しやすい環境づくりを進めてまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

前向きに市の方針を具体化しようということで提案をしているんですけれども、答弁が前向きにならないことが非常に残念でなりません。
全ての市民センターで分室ができれば、開館の曜日をずらしてローテーションで職員を配置するということも可能となりますし、より効果的に地域と図書館がつながるということが実現できるはずです。
現在でも分室には図書館職員が、図書館が平常開館している中で勤務に当たっていますので、職員を増やして、本館も分室も利用者が不便を感じることなく利用できる環境にする必要があると考えますが、伺います。





◯教育長(天野元)

全ての市民センターへの図書館分室の整備につきましては、職員の増員はもとより、予約された本を各市民センターへ配送するための物流経費も必要となるなど、様々な課題があるものと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

現場の状況をきちんと把握して前へ進めていただきたいと求めておきたいと思います。
図書館には専門的事務に従事する専門職員として、司書及び司書補を置くということを図書館法で定めています。司書の役割につきましては、図書館業務に欠かせない専門職だという認識を今ほど答弁で示していただきました。
文部科学省が、図書館の設置及び運営上の望ましい基準というものを示しているんですけれども、職員の配置については具体的な数だとか算出の考え方というのは示されてはいません。設置主体となる自治体の考え方や図書館の位置づけというのが配置職員や司書数にも反映すると、こういう関係になっていると思うんですけれども、その上で、本市の図書館職員数と司書数、そしてその率はどの程度で、政令市の中ではどういった位置に位置しているのかということをお示しください。





◯教育長(天野元)

指定管理者が運営しています図書館や移動図書館を含め、本市の図書館で従事している職員は206名でございます。そのうち、司書、司書補の資格を有している者は145名おり、約7割を占めているところでございます。
なお、令和5年4月1日時点でのほかの政令指定都市との比較では、直営で運営している正職員のみの比較となりますが、本市における司書等の有資格者は約3割で、政令指定都市中16番目となっております。





◯ふるくぼ和子議員

これも市の直営館としては本当に残念と言わざるを得ない実態だと思います。
設置主体として、市は図書館における職員数と、その中で司書数というのが何人以上必要だと考えているんでしょうか。図書館行政に責任を持つ市がこうした考えをきちんと示すことが必要だと思いますが、伺います。





◯教育長(天野元)

図書館における職員数は、業務量を勘案して適切に現在配置しているものと認識しております。
司書等の有資格者の配置の在り方につきましては、業務の実情や他都市の状況も踏まえながら考えてまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

私は、曖昧にする問題ではなくて、きちんと数字を定めてきちんと配置する、その責任を行政は負っているんだと思います。
子どもから高齢者まで幅広い市民が利用する公共図書館というのは知の泉です。様々な情報を得られる重要な教育施設であるとともに市民の共有財産でもあります。
司書は専門知識を学んで時間をかけて得る資格で、レファレンスなどの充実や利用者からのリクエスト、調査研究など、市の図書館振興計画の推進においても欠かすことができない大事な役割を担っていると私は思います。
具体の取組では、テーマや年代別に選んだ本を3冊ワンセットで貸し出す福袋を行ったり、若い世代に向けたコーナーを作るなど、利用者からは興味関心が広がったということで、こうした司書の活動に好評の声というのが寄せられていると思います。
こうした司書の役割を認識しているなら、必要配置数についてもっときちんと位置づけるのは当然だと思います。少なくとも、直営館では増員をして、正職員で司書率を直ちに最低でも半数の50%にまで引き上げる必要があると思いますが、やりませんか。





◯教育長(天野元)

本市の図書館におけます職員の司書等の資格保有率は、直営の図書館におきましては、正職員については、先ほど申しましたように約3割ということでございます。会計年度任用職員の方々の中では約8割ということになります。指定管理者が運営している図書館におきましては、約9割という状況でございます。
司書資格の有無にかかわらず、図書館行政の推進に資する職員の適切な配置や、職員の図書に関する知識や専門的なスキルを高める取組など、育成の在り方について検討してまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

図書館全体の質を上げるということはもちろん大事ですけれども、正職員の司書を配置する、このことによって充実をさせる、この方向性が今とても求められているんだということを訴えて、求めているわけですので、しっかりと受け止めていただきたいと思います。
図書館の発展充実を本気で目指す図書館行政であるならば、また図書館法にも、館長は図書館奉仕の機能の達成に努めなければならないと、このように記載されていますので、図書館長は専門職としての司書を配置する、こうした考え方も非常に大事だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか。





◯教育長(天野元)

図書館長は、図書館業務を総括し、職員の健康状態や業務の進捗状況を総合的に把握するなど、全体をマネジメントする能力も必要であると考えておりまして、司書資格の有無にかかわらず、適切な人材を配置してまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

かつて教育局には資格取得のための支援制度があったと伺いました。これはどういう内容でいつまで実施していたのか、そしてどうしてやめてしまったのか、このことについてお示しください。
また、司書の資格を取るためにはどれぐらいの費用と時間がかかるかについてもお示しください。





◯教育長(天野元)

本市では、図書館職員の司書等の資格取得につきまして、平成16年度まで、文部科学省が大学に委嘱し実施する司書講習や司書補講習を公費により受講させる研修制度を実施しておりましたが、申し訳ありませんが、終了した理由は確認できないところでございます。
司書講習や司書補講習の費用と時間は、今年度の受講案内によれば、司書講習の受講料は約16万円で、期間は約2か月、司書補法講習の受講料は約11万円で、期間は約1か月でございます。





◯ふるくぼ和子議員

やめてしまったという、ここにも図書館運営の姿勢と司書に対する評価が現れているんだと言わざるを得ません。図書館の質的な強化と市の図書館行政が看板倒れにならないようにするためにも、資格取得のための支援制度をもう一度復活させて、司書の増員と育成にもっと努力をすべきだと思いますがいかがでしょうか。





◯教育長(天野元)

司書講習受講の支援につきましては、受講期間中の代替職員の確保など検討すべき課題もあることから、直ちに再開することは難しいものと考えております。
職員の専門性の向上を図るため、引き続き、スキル向上に資する研修の実施、外部研修への派遣、職務上の派遣ですけども、派遣などを行ってまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

ですから、そういう姿勢が問われているんだということなんだと思います。図書館職員の専門性がどんどん低下していく、本当に残念でならないというふうに思います。
全国の図書館職員の4分の3が非正規雇用だと言われていまして、司書の非正規雇用というのも大変大きな社会問題となっています。
先ほど来、示していただいている数字の中からもそれが読み取れます。先ほどは職員数や司書数についてお伺いしましたが、その雇用状況について改めてお示しをいただきます。





◯教育長(天野元)

本市が直営で運営している図書館では、正職員が約4割、会計年度任用職員が約6割となっております。
また、司書資格を有する職員の内訳は、正職員が約2割、会計年度任用職員が約8割となっております。





◯ふるくぼ和子議員

全体ではそういう数字ですが、司書だけで見ると84%が非正規という状況になっています。
現在、若林、榴岡、広瀬の3つの図書館で指定管理が導入され、運営が行われていますが、広瀬図書館の職員の司書の1名以外、55人全員が非正規なんです。今後、宮城野図書館に指定管理制度を導入することも検討されていますけれども、非正規雇用を生み出す仕組みから逃れられない指定管理、より安上がりにやれといってこれ以上増やすことをどうお考えになっているんでしょうか。指定管理だとしても市の公共図書館です。費用が抑えられるということは、働く人の賃金を低くしてより労働強化を図るということだとは考えませんか。





◯教育長(天野元)

指定管理者制度につきましては、コストの削減のみならず、民間のノウハウを活用したユニークな事業の実施など、図書館の活性化を図ることを目的としているものと認識しております。
指定管理者の募集に当たりましては、予算の上限を示した上で事業者に応募をいただいており、賃金や労働条件に関しましては、関係法令を遵守した上で、事業者の判断により定められているものと理解しております。





◯ふるくぼ和子議員

公共図書館がそういう位置づけでいいのかと、このことが問われている問題として受け止めていただきたいと思います。
公益社団法人日本図書館協会の事務局長は、図書館は市民が求める情報を提供し、市民の知る権利を保障している。職員の待遇を改善することは、市民へのサービス向上につながると、このように語っていらっしゃいます。改めて、司書は正規雇用を原則とすべきですけれども、伺います。





◯教育長(天野元)

司書等の資格を持つ職員には、正職員と会計年度任用職員がおりますが、正職員はリーダーとして会計年度任用職員を束ね、選書や図書館事業の企画立案、予算の管理などを担っているところでございます。
今後も、職責に見合った適切な職員の配置や処遇を行ってまいりたいと思います。





◯ふるくぼ和子議員

大事なそういう仕事をしている方をきちんと正規の職員で雇用していくというのは当たり前のことだと思います。
無料が原則の公共図書館です。今、図書館行政で求められているのは指定管理の拡大ではなくて、増設、充実であって、なぜ無料を原則としているのか、直営で運営する大事さを図書館宣言に立ち返って真剣に考えていただきたいと思います。
 
次に、ブックスタートについて伺います。
教育局とこども若者局からそれぞれ御答弁をいただきました。これに対する評価は大変有用だということで高いものだという御答弁をいただいたと思いますが、この事業で大事な点は、子供と保護者に絵本を読む、読んでもらう楽しさを知る機会を提供するということだと思うんです。御紹介いただいたように、全国で広く行われていて、どこでも喜ばれているということです。
具体的には、各区役所、総合支所で行われている保健師が関わって行われている各種健診、このときに司書が何冊か絵本を持って参加して、読み聞かせをしたり、保護者が手に取ってみることや、司書が相談に乗ったりする機会をつくって、気に入った絵本を子供にプレゼントしましょうという、こういう提案です。
仙台市で誕生する全ての子供に一冊ずつ絵本をプレゼントする費用と、保健師と司書の連携ですぐにもできる取組だと思います。
市長も、くまのがっこうのジャッキーちゃんが子育て応援団長になったときに、絵本への思いを語っていらっしゃいました。市が実施している杜っ子のびすくプレゼントのセレクト商品の中に絵本を入れているということにとどまらないで、もっと絵本の楽しさを子供たちに伝えるためにブックスタートをやりませんか。これはぜひ市長にお伺いをしたいと思います。





◯市長(郡和子)

赤ちゃんに絵本をプレゼントして読み聞かせをして、おうちでもお父さんやお母さんなどが絵本を読んであげるきっかけになるブックスタート事業について、赤ちゃんが絵本の楽しさに触れ、親子の触れ合いを深める機会にもなるものと考えております。
ブックスタート事業については、絵本の読み手の確保など様々な課題がございますが、赤ちゃんが絵本に触れる機会の充実について、他都市の事例も踏まえながら検討してまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

今月9日の地元新聞に、赤ちゃんに絵本広げたいという読者の声が掲載されていました。
ブックスタートという取組があることを知って、何とすてきな活動かとさらに調べて、仙台市ではないということを知ってとても残念だと、こういう内容で、この活動は立派な子育て支援です。親子を優しく見守る人を増やし、住みやすい町をつくる役割も果たしていますと期待を寄せていらっしゃいました。
市の出生率のさらなる低下も報じられましたけれども、子育てしやすい選ばれる町にとおっしゃられる市長の気持ち一つに関わる問題だと思います。そういう点で、私、市長の思いだけは確認したいと思うんですけれども、やりたい事業だというふうに思いませんか。市長、いかがでしょうか。





◯市長(郡和子)

今し方答弁いたしましたけれども、この事業の意義について受け止めているところでございますが、絵本の読み手の確保など様々課題もございます。そういう意味で、他都市の事例も踏まえながら検討してまいりたいと存じます。





◯ふるくぼ和子議員

ぜひやりたいんだという思いとして受け止めたいと思いますが、直接そういう思いを伝えてこそ前に進む、そういう施策だと思います。
この後、ボランティア活動のことも伺いますが、読み手の問題、全然問題ありません。大丈夫です。
図書館運営では、読み聞かせ文庫活動など市民活動の活躍が大きな支えとなっています。現在行われている文庫活動について、市内に何か所あってどのような支援が行われているのかお示しをいただきたいと思います。





◯教育長(天野元)

現在把握しているところでは、市内には2つの文庫の会がありまして、それらに所属する16の文庫が活動しているところでございます。
本市では、文庫専用の資料の貸出しやスキルアップの機会の提供、除籍した資料の無償譲渡のほか、2つの文庫の会に対する活動経費の支援を行っているところでございます。





◯ふるくぼ和子議員

地域の文庫は、子供たちの大事な居場所ともなっています。ぜひ、この活動は継続してほしいと願っていますが、昨年の泉区の利用者懇談会では、かつて15文庫が活動していたが、世話人の高齢化などもありだんだん減り、活動しているのは五文庫、現在活動中の文庫もどこまで続くかと不安の中で活動していると、こうした意見が出されていました。
既に、泉区では4か所になったということで、やはり、場所と後継者問題というのは切実で大きな課題になっています。
乳幼児健診や児童館、子ども食堂など、さらにあらゆる機会を捉えて、この文庫活動を知らせる取組を行ってはいかがでしょうか。
また、後継者問題の対応では、コミュニティ・センターへの移行など新たな模索も始まっているようですけれども、文庫活動に携われる人の育成や補助金の増額をはじめ、市民センターでの図書室の活用や分室の設置で連携を進めるなど、地域のネットワークの中で継続できるような支援というものも検討すべきと思いますけれども、いかがでしょうか。





◯教育長(天野元)

地域における文庫の取組は、子供たちにも利用しやすく、子供の読書環境を支える役割を担っておりますことから、図書館では、赤ちゃんと絵本のふれあい事業の中で文庫活動を紹介するなど、活動の周知を図っているところでございます。
今後も様々な機会を捉えて、文庫活動を広くお知らせし、地域の中での活動を支援してまいりたいと考えております。





◯ふるくぼ和子議員

図書館は市民全体の知的財産で、そして、そこで働く人は社会教育を担い、市民の権利の守り手として大事な公務労働を行っている人であって、それを支える様々な市民の活動もある、これが図書館だと思います。その図書館行政が求められる使命を果たせるものとなるように、最後に強く改めて求めて終わりとします。


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