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第2回定例会 一般質問 花木則彰議員(2024年6月19日)


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【概要】 安心して介護が受けられる制度に
〇介護保険制度の問題点
〇保険料・利用料の負担増にストップを
〇家族の介護離職を防ぐには、在宅介護の充実がカギ
〇訪問介護事業者から寄せられた切実な声
〇介護職員確保への支援・処遇改善
〇市の介護予防・日常生活支援総合事業の充実を





〇花木則彰議員

日本共産党仙台市議団の花木則彰です。介護保険制度、とりわけ訪問介護の危機について一問一答にて質問いたします。

今から24年前、2000年4月から介護保険制度が始まりました。当時私は、1期目で民生衛生委員会に所属していました。「介護の社会化」を前に進められる制度となるようにと、議会での議論や介護保険運営委員会の設置条例の提案を行わせていただきました。
当初から、政府の唱えるお題目とは裏腹に公的責任を後退させる姿勢が問題とされていました。
それまでの介護事業への国の負担割合50%を介護保険制度では25%に半減させたのです。サービスにかかる経費から1割の利用料負担を除いた分について、国が25%、県と市がそれぞれ12.5%。残りの50%は65歳以上の第1号被保険者の保険料と40歳から64歳までの第2号被保険者の保険料で賄う枠組みになりました。
介護サービスの必要な総量が年を追って増えていくことが想定される中で、この枠組みでは保険料が高くなりすぎること、自治体の負担も増え続けることが問題とされました。
国の制度として整備するのだから、国の負担は50%にすべきでした。
介護保険制度は、この枠組みに縛られてサービス向上の努力、介護職員の処遇改善が阻まれ、利用の抑制、要支援者へのサービスの保険はずしまで進められるようになりました。
利用料の2割、3割負担の導入など、国の支出を抑えることばかり考えての対応が重ねられてきたと言えます。
市長は、介護保険制度の24年を振り返って解決すべき課題をどうお考えでしょうか。伺います。

介護保険制度がこのままでは破綻する、との認識は多くの方々が共通して持たれているのではないでしょうか。
2020年に読売新聞社がおこなった自治体当局へのアンケートでは、首長の約9割が今後10年間、制度を維持するのは難しいと回答していました。主には介護人材の不足をあげました。後期高齢医療費と介護保険での自治体負担の増加も懸念材料です。
仙台市も敬老乗車証の利用者負担引き上げの理由に「今後10年間で介護と後期高齢医療での市の負担分が年間約70億円増える」ことをあげています。市民に負担増を押し付ける時には「大変だ」と言うわりに、大元の理由への取り組みは、きわめて悠長なのではないでしょうか。政令市や全国市長会を通じて国に要望しているとのことですが、国の負担割合を50%に戻し、国民の保険料負担を引き下げるとともに、保険者である自治体負担の増加にストップをかけるよう、一大世論と運動を呼びかける先頭に立っていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。市長に伺って、第一問とし後は一問一答で伺ってまいります。





〇市長(郡和子)

ただいまの花木則彰議員のご質問にお答えを申し上げます。
介護保険制度における課題と国費の負担割合の引上げについてでございます。介護保険制度は、被保険者がお互いに保険料を負担する相互扶助の精神に基づく社会保険制度として、平成12年度に創設されて以降、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みとして定着してきたところでございます。
一方で、制度の国民への浸透や、少子高齢化の進展により介護需要が拡大をし、保険料や自治体負担の増加、介護の担い手不足など、構造的な課題が顕在化しているものと認識しております。
保険者として、中長期的な視点を持ちながら、介護予防や人材確保等の取組みを強化してまいりますとともに、国費負担割合の引上げといった制度に関わる事項については、国への要望を重ねながら、介護保険制度の安定的な運営に取り組んでまいります。





〇花木則彰議員

ありがとうございます。市民の保険料負担は、65歳以上の第1号被保険者の保険料基準額で、2000年の2863円から、2024年度で6079円へと2.12倍に上がりました。この間、国民年金と厚生年金は増えるどころか減っています。
年金が80万ちょっとで基準の第6段階の方では、月6万7000円弱の中から6079円ですから、収入の約1割が有無を言わさず年金から引かれることになります。市長、保険料が高すぎると思いませんでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

第9期介護保険料の設定に当たりましては、国の考え方を踏まえた所得段階の多段階化による低所得者の負担軽減に加え、介護保険事業財政調整基金の活用による保険料上昇の抑制を図ったところでございます。
今期の保険料基準額については、前期の基準額6,001円との比較では78円の増額にとどまり、全国平均6,225円と比較しても146円下回っているところでございます。





〇花木則彰議員

相対的にではなく、絶対的に高いんだと私は思います。
こんなに高い保険料を払ったうえに、実際のサービスを受けるとかかる利用者負担が全員1割だったものが、今2割、3割となる高齢者もつくられ経済的負担による利用控え、利用できない人がいます。
例えば特別養護老人ホームに入所した場合のモデルケース、在宅で訪問介護と通所介護を月1回のショートステイを組み合わせたケースでは利用料負担はどのぐらいになるのでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

本市が発行しておりますパンフレット「みんなで支える介護保険」に記載しておりますサービス利用モデルの条件を踏まえ積算致しますと、施設等により金額は異なりますが、特別養護老人ホームについては、多床室を30日間利用した場合、利用料、食費、居住費及び日常生活費等を合わせまして、月額10万円程度の利用者負担となります。
在宅サービスにつきましても、例示されている訪問介護、通所介護、短期入所生活介護を利用したモデルの場合、利用料、食費、滞在費及び日常生活費等を合わせて、月額2万円程度の利用者負担となります。





〇花木則彰議員

パンフにあるように、これにプラス日常生活費等、あるいは食費等がかかるという形になっております。
1割負担でこんなにかかるというわけですが、特別養護老人ホームに入れず、介護付き老人ホーム等に入るとさらに負担は膨らみます。
また課税年金額が343万4000円だと負担は3割ですから、特養で15万、在宅で3万円を超えるということになります。本当に利用できない高さになっていると。
政府は今後、原則1割負担から2割にしようとしています。これ以上市民の負担増を許さない立場で市は取り組むべきですが、いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

介護保険制度の利用者負担割合の引上げについては、介護サービスの利用控え等の影響が懸念されるとの、国の社会保障審議会における議論などを踏まえ、慎重に検討が進められており、今般の制度改正においても見送られることになったものと認識しております。
今後、国における検討状況を注視しながら、介護を必要とする方が、利用を控えることなく、引き続き適切なサービスを受けることができるよう、必要に応じて国に求めてまいりたいと存じます。





〇花木則彰議員

注視をするというだけではなく、そういう引き上げに反対だということを明確にすべきだと思います。
利用料負担が高くて十分なサービスを受けられない場合、家族が担う介護が増えてきます。
以前、仙台市でも「介護サービスを利用しない」世帯に対して、介護慰労金を出していました。まったく利用しない方ではなく、利用料負担に苦しんでいる全ての要介護・要支援者に市独自の支援をしてはいかがでしょうか。
在宅介護手当給付などの名称で、新潟県加茂市では要介護3から5で在宅介護している同居家族に月5000円、燕市では要介護3は月8000円、4は9200円、5は1万700円を支給しています。埼玉県越谷市では、要介護4、5の介護をしている家族に1人、月5000円、2人以上は月1万円、鹿児島県南さつま市でも、要介護3から5に年間10万円を出しています。
ぜひ実施の検討を前向きにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

本市では、介護保険制度の開始前に、在宅の寝たきり高齢者等を介護する方に対しまして、介護手当を支給しておりました。
介護保険制度の開始に伴い、家族介護から社会的介護への転換という流れの中でこの介護手当を廃止し、家族介護慰労金を導入したものでございます。その後、介護サービスが充実し、介護基盤整備が進んできたことから、令和元年度に慰労金を廃止したところでございます。
高齢化の進展によりまして、医療や介護など高齢者施策に係る事業費が増加する中で、新たな助成制度の導入は、安定的な財源確保といった課題があるものと考えております。





〇花木則彰議員

高齢者福祉のお金を、やはりこういう所に注ぎ込むべきだと私は思います。
市は、市民税非課税の要介護4・5の人に紙オムツの支給をおこなっています。(利用限度額年7万5000円、1割負担あり)
千葉市では、要介護度1、2、3の人にも必要な方には紙オムツ月4000円の支給をおこなっています。東京都板橋区では無料で現物支給するか、施設・病院などに入っておられる方で持ち込みができない方には月5000円の現金支給も選ぶことができます。
仙台市も対象を要介護度1、2、3にも広げて支援を強めてはいかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

比較的介護度が軽度な高齢者が紙おむつを使用することは、排せつ動作の自立を妨げることにもつながります。その結果、自分でできることが少なくなるといった懸念があることなどから、本市においては、寝たきりなどで常時紙おむつの使用を要する要介護度4又は5に該当する方に、紙おむつ等を支給いたしております。
対象範囲を広げることは現時点で考えておりませんが、引き続き介護保険制度の中で様々な事業者と連携し、高齢者の在宅生活を支えるサービスを安定的に供給してまいりたいと存じます。





〇花木則彰議員

実際に必要な人にぜひ支給をお願いしたいと思います。
介護サービスを十分利用できない、親の介護のために仕事を辞めざるを得ない「介護離職」が広がっています。
介護と仕事を両立させるには、日中仕事に出かけていても、在宅で要介護者を支えてくれる在宅介護を充実させることが大前提です。
住み慣れた自宅で過ごすことができるように支援をする在宅介護は、介護の柱の1つです。
介護が必要となった初期、例えば週1回の訪問介護・生活援助で掃除や洗濯などをお手伝いしてもらうことから、終末期、毎日数回 身体介護・生活援助で在宅での看取りまで訪問介護大切さを再確認すべきです。
訪問介護なしには在宅医療も機能しません。いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

訪問介護は身体介護や生活援助の提供を通じて、住み慣れたご自宅での生活を支える要となるサービスであると認識しております。
また、訪問介護においては、医師や訪問看護職員と連携し、在宅での看取り期の支援を担うこともございますことから、介護サービスの提供を通じて在宅医療を支える役割も果たしているものと考えております。





〇花木則彰議員

介護を受ける人達の、やはりもっと利便性と、そして負担軽減のために努力をしてもらいたいと思います。
介護事業者はコロナで陥った利用者減の危機から回復できていません。
実際、この間の介護報酬の引き下げでさらに危機に陥っています。
訪問介護は物価高騰が直撃し、倒産は過去最高となっています。この上に基本報酬が引き下げられ、市内の訪問介護事業者が撤退し介護ニーズに応えられない、在宅医療も成り立たない事態を招きかねません。訪問介護事業の危機について市長の認識を伺います。





〇市長(郡和子)

令和6年度の介護報酬改定における、訪問介護基本報酬の引き下げにより、全国的に訪問介護事業者の経営やサービス提供に与える影響が懸念されているということは承知をしております。
訪問介護は、要介護の状態になっても住み慣れたご自宅での生活、これを継続していくために欠かすことのできない重要なサービスであると認識をしております。
今後、介護報酬改定後の訪問介護事業者の状況も伺いながら、安定的に介護サービスを提供していただけるよう、適切な介護報酬の設定について、引き続き国に求めてまいります。





〇花木則彰議員

今回、日本共産党仙台市議団は市内254の訪問介護事業所にアンケート調査をおこないました。5月30日に発送し、18日現在35の事業所からの回答をいただきました。
報酬引き下げの影響があると答えたのは24事業所で7割にのぼりました。
「引き下げは納得できない」「思ってもみなかった」「国が在宅介護を進めていながら、訪問介護報酬の引き下げには矛盾を感じる」「制度への不信感がある」と訪問介護に従事している方々からの怨嗟(えんさ)の声が止まりません。
訪問介護の現場から見た、介護保険の24年は「国からの虐待に耐えてきた歴史だ」と言われます。介護保険前の委託費より介護報酬は低くなってこの介護保険制度スタートいたしました。その後様々な改悪がおこなわれ、自治体の総合事業に要支援1・2の訪問介護が移されるなど、さらに報酬も低くなっています。
先ほど市長からも言われましたが、現場の声を市は受け止めて、調査をして、誠実な努力をすべきですが、いかがでしょうか。









〇健康福祉局長(郷湖伸也)

基本報酬の引き下げによる影響が懸念される訪問介護事業者の経営面につきましては、今後、訪問介護事業者への運営指導の機会、あるいは処遇改善加算の取得等を支援するための個別相談会、こういった様々な機会を捉えまして、訪問介護事業者に対し、介護報酬改定後の実情などを聴取してまいる考えでございます。





〇花木則彰議員

254ですから、そんなに多いわけではないんです。ぜひ直接しっかり調査をお願いしたいと思います。
今、訪問介護事業所が抱えている困難は事業自体の利益が出ないこと、訪問介護の職員の成り手不足という高齢化ということも見えてきました。
アンケートでは主に在宅訪問をおこなっている事業者ほど赤字が膨らむと声があがっています。
訪問介護は山坂の多い地域、広い業務地域をもつ事業所では車を利用しての仕事となります。ガソリン代や駐車料の値上がりは持ち出しとなっています。
市として、こうした訪問介護事業所のガソリン代など物価高騰分の支援を緊急におこなって、広い地域での訪問介護を支えるべきです。いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

本市では、訪問介護事業所が安定的に介護サービスを提供していただけるよう、これまで国の制度を活用しながら、ガソリン代等の独自支援を行ってきたところでございます。
現時点においてはガソリン代等の支援は考えておりませんが、引き続き、国の対策の動向等を注視しつつ、まずは報酬改定後の訪問介護事業者の事業の実態把握に努めてまいりたいと存じます。





〇花木則彰議員

国の状況を見ているんじゃなくて、市としてぜひ急いて緊急に支給していただきたいと思います。
処遇改善の加算は、訪問介護事業者の経営改善につながらないどころか、全くの逆効果だと不満が相次いでいます。
加算は職員の給与に全額まわすものであり、利益にはできません。むしろ、雇用主の社会保険料負担は増えることになると悲鳴もあがっています。
また、加算を受けると利用料のアップにつながり、利用者数、利用の量も減って収入が減る効果を心配する声がありました。
「同じケアをおこなっているのに加算を受けると利用者の負担が増えるのはおかしい」との意見も、その通りだと感じました。
介護職員の待遇改善は、これまで通り「介護保険外」に戻すように、また生活援助を身体介護と比べて不当に低く見るのをやめ、同じ報酬にするよう国に求めるべきです。いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

国の総合経済対策の一環として、本年6月からの介護報酬改定前に介護職員の収入を引き上げることができるよう、2月から5月分は全額国費による補助金で助成しておりましたが、6月分以降は処遇改善加算として介護報酬に含まれたところであり、助成方式に戻すことは難しいものと考えております。
この処遇改善加算は本来、介護職員の収入アップにつながるものですが、利用者や自治体の負担が過大となるような場合には、必要に応じ、国に改善を求めてまいります。
また、家事等を提供する生活援助と、利用者の身体に接するサービスを提供する身体介護では、その困難性や身体的負担、求められる介護技術等が異なり、それに応じた報酬が設定されているものと認識をいたしております。





〇花木則彰議員

生活援助が不当に低くみられていると私は思います。ぜひその実態も介護事業者等からよく聞き取っていただきたいと思います。
倒産、撤退した事業所の実際の理由は、職員の確保ができない、正職員の賃金保障ができないためとのことです。
ある事業所では介護職員全体の数が10年余りで半分に減った、65歳までだったのを75歳まで延ばして対応してきたが、今や65歳以上が26%を超え、20~30代は10%しかいないとのことでした。
アンケートで、サービス申し込みを職員不足から断ったことがあると答えた事業所は79.4%にものぼっています。「土日や朝夕はすでにいっぱいで対処できない」など、市民の介護ニーズにすでに応えられなくなっています。
「介護職の養成校も減って、卒業生の4割は介護以外の仕事に」「人材派遣会社に高い紹介料を払ってきてもらっても定着が難しい」と話されていました。
仙台市も、〝Date care in仙台〟と銘打って、介護人材の確保促進の取り組みをおこなっています。現状と、今後の方向性について伺います。









〇健康福祉局長(郷湖伸也)

Date care in仙台の取組みとして、人材不足への対応を喫緊の課題と位置づけ、介護事業者等と認識を共有し、相互に連携しながら介護職員向けの悩み相談窓口の開設など、介護職の定着促進に取り組んでまいりました。
今年度、有望な若手人材確保への支援のため、将来の進路決定の意識が高い高校3年生とその保護者に向けた介護業界への就職に対する動機付けや、キャリアアップに関する情報発信の機会を新たに設けたところでございます。
今後とも、事業者等とともに介護職の魅力発信や働きやすい環境づくりに向けた取組みを進め、事業者における人材確保を後押ししてまいりたいと考えております。





〇花木則彰議員

とても現状打開をできる取り組みにはなっていないと思います。
人材派遣会社に払う紹介料の補助はできないでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

人材確保に係る支援策を検討する中で事業者から意見を伺った際に、人材派遣会社に高額の紹介料を支払ったものの、半年程で離職されてしまったという事例を複数お聞きしているところでございます。
こうした意見聴取の結果などを踏まえ、今年度、求職者と事業者との円滑なマッチングを促進するべく、合同企業説明会への出展費用や外国人材受入れ費用に対する補助金を創設したところでございます。
本制度の活用を促し、その効果を検証してまいりますとともに、引き続き事業者の実情も伺いながら、実効性のある支援策へとつなげたいと存じます。





〇花木則彰議員

介護職の魅力を発信するとは言っても、他の分野に比べて月に10万円も低いと言われる給与水準を引き上げなければ、若い人材確保は困難です。
保育士の処遇改善に市が月5000円の補助を出しています。市独自の介護職員の待遇改善のための制度もつくって応援すべきですが、いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

介護人材を確保し、安定的に介護サービスを提供していただくためには、安心して働き続ける環境づくりを進めることが重要と認識しております。
一方で、介護職員の処遇改善につながる介護報酬の設定は国の責任で行われるべきでありまして、これまで本市でも、処遇改善に係る国への要望を重ね、数次のプラス改定や加算の創設がなされてきたところです。
こうした処遇改善策を活用いただけるよう、事業者に対し加算の取得促進に向けた支援を行いますとともに、引き続き国に対し適切な介護報酬の設定を求めてまいります。





〇花木則彰議員

処遇改善の加算では、事業者の経営のプラスにならないということと、それから加算を受ければ受けるほど、今度は利用者の負担も増えるという問題があるんです。ですから、それとは別枠で市としての独自の支援策を求めています。
介護予防・日常生活支援総合事業は介護保険から切り離し、国の負担を減らそうという無責任なものです。
しかし、サービスの内容は市町村が決める、報酬算定の構造や単位数も市町村で決めることができるという側面もあります。
政令指定都市であっても、仙台のように広い市域を持つ、こういった地域では実情にあった総合事業費の報酬にすることで訪問介護事業を支えることができるのではないでしょうか。
例えば提案したいのですが「ちょい足しゆとりサービス」を総合事業または、高齢者福祉施策として実現できないでしょうか。訪問、生活援助に、もれなく別枠で10分間の「ちょい足しゆとりサービス」を不可するものです。時間内にやりきれなかったことを仕上げたり、一回最低5分程度の利用者と介護者が雑談してもらうという内容です。自己負担なしで、市が生活援助の25%の報酬を支払います。
利用者にも介護者にもゆとりをもってもらえ、訪問介護事業者にも介護報酬引き下げをカバーするものになると考えます。
訪問介護にかかわる新しいサービスを総合事業または高齢者福祉施策に加え、利用者負担にならないように報酬をアップするよう求めますが、いかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

介護予防・日常生活支援総合事業、いわゆる総合事業では、支援者等の様々な支援ニーズに対応していくため、市町村が、訪問介護等に係るサービス内容を柔軟に決定することができることとなっております。
一方で本市のような広域における訪問介護の負担増への対応としましては、基本報酬に加えて、訪問に時間のかかる中山間地域等に赴く際の加算の仕組みがございます。
また、利用者負担の引上げを伴わず、新たなサービスの設定により事業者の報酬を増額するとのご提案ですが、総合事業の制度上ではできないことでございます。
今後とも、事業者のご意見等も伺いながら、他都市の動向も参考にしつつ、総合事業における訪問介護サービスの報酬水準の妥当性について検証してまいりたいと考えております。





〇花木則彰議員

総合事業でできない、ということであれば、高齢者福祉施策としてやるということができると思うのですが、それはいかがでしょうか。





〇健康福祉局長(郷湖伸也)

ご提案のサービスを高齢者施策として実施する場合、従事者の拘束時間を延ばすことや、委託費の請求事務など、訪問介護事業者の負担を増やすといったことにもつながり、必ずしも経営状況の改善に寄与する効果があるとは言い難い面もございます。
他都市の状況も参考にしつつ、事業者等のご意見も伺いながら、まずはサービス提供に応じた適切な総合事業の報酬設定のあり方について探ってまいりたいと存じます。





〇花木則彰議員

今の危機の状況は非常に切迫していると思います。今年度中にもいろんな事業者の撤退が起こる、特に仙台のように中心部だけでなく周辺部での訪問介護が必要なニーズに対して応えられない事態が目の前に迫っていると私は感じます。
訪問介護事業者の撤退、周辺地域でのサービス提供がストップしてしまう事態を、保険者としての仙台市、そして市長は手をこまねいて見過ごすことなく、知恵もお金も使って緊急に対処するよう強く求めて、質問を終わります。


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