(2014年2月議会 ふなやま由美議員の一般質問)
◯ふなやま由美議員 経済の地域内循環を行うためには、市民の購買力や担税力を高めるために、安定した雇用と賃金の保障を行い、地域を支える中小零細企業が元気になることが欠かせません。仙台経済デザインに係る新年度予算百六十四億円余のうち、チャレンジ中小企業には三十四億円を計上していますが、そのうち約三十一億円は緊急雇用制度によるものです。実質的な中小企業支援への予算は余りにも少な過ぎます。予算を抜本的にふやすべきです。いかがでしょうか。 この間、日本共産党仙台市議団は、大阪府吹田市を訪れ、産業振興条例制定の取り組みについて調査してきました。吹田市の当初案は、事業者の自主努力を強調する理念条例にとどまっていました。しかし、幅広い団体や事業者が積極的な提言や意見を出し、活発な討論を経て、産業の振興は中小企業者の発展をもとに推進されることや、小規模企業者の経営の状況に応じた支援を明確にするとともに、大企業や大型店の役割が明記されました。策定までの過程で、多くの事業者が主体的にかかわり、そのことが地域に元気を生み出しています。吹田市は全事業者実態調査を行い、政策に反映させています。 仙台市は、現在、中小企業振興条例の策定を進めています。条例策定に当たっては、一部の団体の代表の意見を聞いて終わりとするやり方ではなく、幅広く、さまざまな事業者参加による協議会や分科会を立ち上げ、提案や発想がしっかりと反映されるようにすること、また、市が市内事業者の悉皆調査を行って、実態把握と分析を行い、施策に反映すべきです。いかがでしょうか、伺います。
◯経済局長 中小企業支援予算の拡充についてでございますが、人口減少社会におきましては、域内での需要のみに依存した場合には、将来的に企業が立ち行かなくなることが避けられないという厳しい認識のもと、今後の本市の成長や東北の発展のためにも、域外からの投資促進や東北各地にも配慮した交流人口の拡大に取り組むことといたしております。 また、御指摘のチャレンジ中小企業戦略の予算につきましては、基礎的な体力強化に限定して取り組みを掲げたもので、仙台経済全体の成長のためには、意欲ある中小企業のイノベーションの取り組みが重要と考えており、技術革新を推進するテクノロジー都市仙台を初め、デザイン活用によるブランド力の向上、新分野進出による第二創業の支援など、各種の戦略プロジェクトにおいても中小企業支援を手厚く行っており、これら主な四つの戦略を合計しただけでも、さらに約二十億円の予算を確保しているところでございます。 最後に、(仮称)中小企業支援条例の策定に当たっての意見聴取と事業者実態把握についてでございます。 条例の大きな方向性としまして、中小企業の振興のみならず、まちづくりにおける中小企業を初めとした企業の活躍を促進することを大きなテーマとしたいと考えておりまして、策定過程におきましても、事業者や産業支援関係者のみならず、まちづくり関係者など幅広い視点の御意見を反映できるよう工夫してまいります。 事業者の実態把握につきましては、職員による企業ヒアリングに加えまして、平成十一年度から市内千社に対するアンケート調査を年四回実施しており、経済情勢に応じて変化するニーズを細かく収集するとともに、東北経済産業局を初めとした他機関が行う各種の調査も検証しながら、実態を十分に把握し、経済施策を実施しているところでございます。
- 雇用の7割を占める中小企業 支援の強化を
- 2019年11月11日中小企業活性化基金の活用を