(2012年6月議会 嵯峨サダ子議員)
◯五十五番(嵯峨サダ子)日本共産党仙台市議団の嵯峨サダ子です。 ただいま議題となりました議第四号仙台市敬老乗車証条例の一部を改正する条例を廃止する条例について、提案の趣旨説明を行います。 この条例は、敬老乗車証の交付により高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の増進を図るという仙台市敬老乗車証条例の本来の目的を今後も変わらず維持し、着実に達成するため、負担増と利用制限につながる二〇一〇年十月七日改正の条例を廃止するものです。 東日本大震災発生後、バスが通常運行してから高齢者の乗車がふえました。バスの中で談笑する様子や街で買い物をする姿を多く見かけました。未曾有の大震災にも負けず、元気に暮らす高齢者の移動の足を支えているのが敬老乗車証です。社会参加や福祉の増進とともに、その人らしく生きたいという生きがいをも大きく応援しています。 敬老乗車証の負担増と利用制限は、条例本来の目的を著しく阻害するものです。中でも、居住地によって負担が大幅にふえる上に、利用が制限され、地域間格差を生み出すことに高齢者から大きな疑問と反対の声が上がっています。 この間、市が開いた説明会には、泉区役所四百名以上、太白区役所六百名以上など、会場に入り切れないほどの高齢者が押しかけています。市の説明を聞いても、質問をしても、なぜこんな面倒な制度にするのか納得できないとの声が出されています。 震災によって、仮設住宅で暮らす高齢者が多くいらっしゃいます。震災前に住んでいた場所への移動や通院など、これまで以上に移動する範囲が広くなっています。日常生活に必要な移動の自由を奪うことがあってはなりません。 市は、敬老乗車証制度を今後も維持するために負担をお願いしたいと説明していますが、高齢福祉予算を減らしておいて、言うことではありません。政令市の中でも、とりわけ低い福祉予算を大幅にふやすことこそ必要です。 長年、社会のために貢献されてきた高齢者に感謝と敬老の意を表し、敬老乗車証条例の目的を今後も維持し、着実に達成するため、本条例への御賛同を心からお願いし、趣旨説明といたします。