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一般質問 高見のり子議員 (12月14日)

 

  【概要】 防災・減災のまちづくり

 

◯高見のり子議員

日本共産党の高見のり子です。市民の命と安全を守るために災害に強い仙台を目指して、防災・減災対策について一問一答で伺います。
 今や日本列島は、地震や津波を初め、台風、豪雨、竜巻、火山噴火、豪雪、熱暑など、いつ、どこで、どんな災害が起こるかわからない状況です。最近でも北海道胆振東部地震、西日本豪雨、大阪府北部地震など、記憶に新しいところです。被災し犠牲になられた皆様に、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 地震、津波、原発と甚大な被害だった東日本大震災から、7年9カ月が過ぎました。防災の基本は、「国民の生命、身体及び財産を災害から保護する」ことです。仙台は、防災環境都市として世界に防災力をアピールしています。
 災害があれば必ずやっておかなければならないのが、災害の検証と、それに基づく改善です。何がうまくできて何がまずかったのか、次の災害に備えて検証し、計画の見直しを繰り返すことです。いかがでしょうか、伺います。
 

他の地域で起きたことでも、きちんと教訓とすることが必要です。本年7月に発生した西日本豪雨では、広島、岡山等で河川の氾濫や浸水被害、土砂災害が発生し、死者数200名を超える甚大な被害となりました。この豪雨、河川災害では、瀬戸内海側の広範囲にわたって、長時間、記録的な大雨が発生しました。24時間、48時間降水量は、多くの地点で過去最高を記録しました。
 被害が甚大となった理由として、自治体の避難指示に大きなおくれがあったことが指摘されています。さらに、堤防決壊に至る越水の原因は、大量の雨による水位上昇に加えて、川の中に生えている樹木を放置し、川底の掘削を実施してこなかったことで、川の容量が不足をしたことだと言われています。河川管理を怠ってきた国と自治体の責任は重大です。
 仙台市は西日本豪雨の経験を今後の防災にどう生かすべきと考えているのか伺います。
 

次に、原子力防災について伺います。
 福島第一原発事故は、想定外では済まされない、人災と言える大事故でした。今もなお、福島の被災者はふるさとに戻ることができず、耐えがたい苦しみを抱え、その深刻さは日を追うごとに深まるばかりです。
 宮城県の女川原発も、電源喪失寸前で間一髪であったことが明らかになっています。そうした経験を経て、女川原発の再稼働の是非について、県民の命や暮らしにかかわることはみんなで決めようと、住民投票の実現を目指す運動が広がっています。直接請求署名は、一昨日、丸森町を除いて11万3046筆提出されました。仙台市内だけでも4万4608筆となっています。
 私たちは、一番の備えは、原子力事故が起きないよう女川を初め全ての原発をとめ、廃炉に向かうことが何よりの防災だと考えます。しかし、それまでの間に原発事故が起こらないとは限りません。
 市は、地域防災計画の中に「原子力災害対策編」をつくっています。しかし、事故が起こった際、仙台も被害を受け、市民が直ちに避難せざるを得ない事態を想定した計画になっていません。そうした計画にすべきです。いかがでしょうか、伺います。
 

次に、地域の防災力向上について伺います。
 災害は、年月が経過すればその記憶も薄れ、何もしなければ忘れられてしまいます。仙台は、宮城県沖地震を教訓に、1980年から町内会を単位とした自主防災組織の結成促進を進めてきました。東日本大震災を経て、さらに位置づけが高まっています。しかし、その実態は地域によってさまざまです。
 市は、震災の翌年の2012年からは、仙台市独自の講習カリキュラムに基づき、仙台市地域防災リーダー(SBL)の養成を開始しました。地域では、町内会、自主防災組織・SBLを初め、婦人防火クラブ、消防団など関連団体もそれぞれ頑張っているわけですから、そういった団体や個人が連携していくためにも行政の支援が不可欠です。地域防災力を高めるために、市はどのような役割を果たそうと考えているのか伺います。
 以上、大きく4点伺って、その後は一問一答で質問を進めたいと思います。
 御清聴ありがとうございます。

 

◯市長(郡和子)

ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 

まず、災害の検証と改善についての御質問にお答えをいたします。
 自然災害を初めとするさまざまな危機から市民の皆様方の安全・安心を確保して守っていくということは、行政として最も重要な責務の一つでございまして、そのためには過去の災害等の検証と計画の見直しが不可欠だと認識をしております。
 本市では、東日本大震災という未曽有の災害をさまざまな観点から分析、検証し、平成25年に、108万市民の総合力による防災を基本理念として、地域防災計画の全面修正を行いました。また、平成28年には、関東・東北豪雨で明らかとなりました課題を検証して、河川の氾濫による避難勧告などの発令範囲、これを見直すなど、適宜計画の修正を行っているところでございます。
 引き続き、地域防災計画を初めとする計画の不断の見直しを行いますとともに、訓練の実施など計画の実効性を高める取り組みも推進して、防災環境都市にふさわしい防災力の向上に努めてまいります。
 

そして、地域防災力の向上に関する御質問でございます。
 東日本大震災から7年余りが経過をいたしまして、風化も懸念される中、地域の防災力を持続的に向上させていく上では、町内会を中心とする自主防災組織を初めとし、婦人防火クラブや消防団など関係団体がそれぞれの地域特性や実情を踏まえて互いに連携し防災に取り組める環境を整備していくこと、このことが重要だと認識をしております。
 本市では、宮城県沖地震以降、自主防災組織の結成を促進するとともに、あの東日本大震災以降は地域防災リーダーを養成し、婦人防火クラブや消防団を含む多様な団体等の参加による防災訓練や地域版避難所運営マニュアルの作成などを通じまして、各活動主体の連携強化に努めてまいりました。
 今後は、多様な団体等の連携がさらに図られますように、地域の防災の取り組みへ若い世代や、また民間事業者の皆さんなど、さまざまな団体の参加の促進を図りますとともに、各団体等が抱える個別の課題の解決支援を行うなど、本市の取り組みを強化してまいります。
 そのほかの御質問につきましては、危機管理監から御答弁申し上げます。
 私からは以上でございます。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

初めに、西日本豪雨の経験を踏まえた今後の対応に関する御質問にお答えを申し上げます。
 近年、西日本豪雨を初め、日本各地で災害が多発しており、これらの災害の教訓を本市の災害対策に生かしていくことが大変重要と認識をしております。
 西日本豪雨では、ハザードマップとほぼ同じ浸水被害が発生し、ハザードマップに基づく避難行動の重要性が改めて確認されましたことから、本市といたしましても、発災翌月の8月からハザードマップの説明会を各区で実施するなど、市民の皆様への周知を強化したところでございます。また、ダムの緊急放流やため池の決壊時の対応など、新たな課題も明らかになっておりますことから、国の動きなども注視しつつ、来年の出水期に向け、早急に地域防災計画の見直しを行ってまいりたいと存じます。
 

次に、原子力災害対策に関する避難計画についての御質問にお答えを申し上げます。
 本市は、女川原子力発電所から30キロ圏外に位置しており、原子力災害対策特別措置法に基づく計画の策定を求められる地域ではございませんが、原子力災害が発生した場合には影響が広域に及ぶ可能性があるという認識に立ち、平成26年4月に地域防災計画原子力災害対策編を策定し、屋内退避や一時移転といった避難に関する事項も含め、本市の原子力災害対策の基本となる内容を定めたところでございます。また、ことしの四月には、屋内退避及び一時移転の方法等の詳細について、計画への記載を追加したところでございます。
 引き続き、計画の必要な見直しを行いますとともに、国や県とも連携しながら、原子力災害対策を進めてまいります。
 以上でございます。

 

◯高見のり子議員

今、市長からもお答えいただきまして、地域防災力を引き上げるために努力をされているということでございました。
 まず、豪雨災害について伺いたいと思います。
 河川管理、護岸改修、ダムの管理等は宮城県の仕事ですから、県との連携が不可欠です。上流域の間伐、森林の保全、貯水池の増設など、やるべき抜本的対策は多くあります。来るべき災害に備え、一つ一つを確実に進めていかなければなりません。
 冠水常襲地帯である七北田川、名取川などの下流域には津波が遡上しました。そのために、川底にたまった土砂の撤去と、流水を阻害する樹木や雑草の除去を求める声が地域から強く上がっています。豪雨に備えて早急にこうした河川対策を県にも国にも求めるべきですが、いかがでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

名取川及び七北田川の各流域につきましては、激甚化する災害に対して社会全体で洪水に備えることを目的に、流域自治体や河川管理者等で構成される大規模氾濫時の減災対策協議会が設立されておりまして、本市といたしましても、協議会の場などを通じ、国や県に対して堤防強化や土砂、樹木等の除去などのハード対策の実施を要望してまいったところでございます。また、地域からの個別の要望につきましては、本市の建設部局からも国や県に伝え、対応を求めております。
 今後もさまざまな機会を捉えまして、十分なハード対策を実施するよう、国や県に求めてまいります。

 

◯高見のり子議員

被害に遭うのは市民であるということを肝に銘じて、しっかり対応、市民の命を守る立場で取り組んでいただきたいと思います。
 内水対策でも、県との関係でただしておくべきことがあります。県の広域防災拠点計画に伴って岩切地区に移転するJR貨物駅工事予定地についてです。
 ここは現在、広大な水田地帯で、優良な遊水地です。24haの水田で貯水していた推定7万2000tの保水機能が、今回の工事で失われることになります。県の基準に沿って1万7000tの調整池をつくるとされていますが、住民からは不安の声が上がっています。
 この土地の南方に位置する田子、福住、仙石地域は、2015年の関東・東北豪雨の際にも、避難勧告が発令された深夜2時時点で1m以上冠水しました。幾度も水害の被害に遭っている住民からは、「この地域は内水被害に長年悩まされてきた地域だ、JR貨物がやってきて被害が大きくならないようしっかり対策をやってほしい」と要望が上がっています。県とJR貨物に対策を求めるべきですが、いかがでしょうか、お答えください。

 

◯建設局長(小高睦)

当該地域、田子、福住、仙石地域でございますが、内水被害が多い地域であるというふうに認識をしてございまして、本市といたしましては、これまで仙石排水ポンプ場の整備や田子排水機場における大雨時の運転管理業務を下水道部局に移管するなど、浸水対策に努めてまいったところでございます。
 今回のJR貨物駅の移転に際しましては、当該地域の被害状況に鑑みまして、本市から宮城県とJR貨物に対し、当該地域へ雨水を流入させない計画とすることや、雨水の流出抑制施設を設置することなどを要望してまいりました。その結果、現在の計画では、別ルートでの雨水排水や雨水防災調整池の設置など、本市の要望が反映されておりますことから、JR貨物駅の移転による当該地域への影響はないものというふうに考えてございます。

 

◯高見のり子議員

300mmを想定した対応なんですね。でも、今は本当に突発的な集中豪雨などの発生が増加しています。住民の声にしっかり耳を傾けて対応していただきたいと重ねて申し上げておきます。
 2015年の豪雨では、以前から水害を心配して地域から改修要望が出ていた七北田川にかかる馬橋に流木がひっかかって水があふれ、水害被害を引き起こしました。また、下流での越水もあり、七北田川周辺での被害は、床上浸水42棟、床下浸水120棟となりました。
 当時、床上浸水の被害を受けた住民から、「現場に役所が来るのが遅く、取り残されたような状況で、自力で復旧した。結局、市からの支援は1万円程度の見舞金のみだった。つけたかった止水板の補助制度も市街化調整区域のため使えなかった」との憤りの声を伺いました。
 床上浸水程度の被害では、仙台では小規模災害見舞金制度しかありません。これだけでは被害の復旧さえできません。国の災害救助法が適用されない場合であっても、実情に合わせた、例えば生活再建支援金や応急修理制度のような被災者への支援策が必要だと思いますけれども、いかがお考えでしょうか、伺います。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

本市におきましては、災害救助法が適用されない水害によりまして床上浸水などの被害を受けた世帯に対しまして、世帯人員に応じて小規模災害見舞金を支給しておりますほか、被害の内容に応じて住民税や国民健康保険料等の減免措置の対象となる場合もございます。
 現在、全国的に県レベルで自然災害による住家被害への独自の支援が講じられてきておりますことから、今後、宮城県に対し提案をしてまいりたいと考えております。

 

◯高見のり子議員

県への要望もいいんですが、やはり市独自でもきちんと考えたほうがいいと思うんですね。災害救助法がたとえ適用されても、一部損壊となるとほとんど、それこそ税の減免とかはありますけれども、支援がありません。被災した市民の思いに寄り添った支援策の創設、重ねて求めておきます。
 

次に、原子力防災について数点伺います。
 直ちに避難する計画となっていない理由ですね、直ちには避難しないという計画になっていますから、その理由が国や県の基準ということです。そもそも、そう言えば仙台はUPZ外で「原子力災害対策編」も必要がないということになってしまいます。女川から直線距離で約50キロには宮城野区、若林区が位置しています。福島原発事故では30キロから47キロにある飯舘村が、2017年春まで全村避難を続けました。
 放射性物質は風によって運ばれ、風向き、風速、雨、地形に大きく左右されます。市は仙台市民の避難計画は国や県の計画と整合を図るということで、それでいいんでしょうか。それで本当に市民の命や健康が守れると今でも思っているんでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

原子力災害対策は広域的な対応が必要となりますことなどから、本市単独で対応することは難しく、国や県との連携した対応が基本となるものと考えております。国の原子力災害対策指針や県の地域防災計画等との整合を図りながら、本市の原子力災害対策を進めているところでございます。一方で、本市の地域防災計画では、空間放射線量が基準値を超えた場合には、本市独自に一時移転等の判断を行うことも規定しております。
 引き続き、国や県と連携しつつ、市民の安全・安心の確保に向けて着実に対応してまいります。

 

◯高見のり子議員

やはり不十分だと思うんですね。福島第一原発事故の経験を生かすとすれば、やはりいち早く情報をつかむということが大事だと思うんです。放射性プルームが来て放射能が上がったから、それでそれからということでは遅いと思うんですね。すぐに避難を想定していないこと自体、問題です。
 女川原発で事故が起こった場合、いち早く情報をつかむことが必要です。仙台市では、東北電力と独自に情報提供の協定を結んでいます。事故が起きた場合、放射線量と風向きと風速のデータが市に直接届くよう、きちんとシステム化するべきです。モニターやアラームで危機管理室が把握できるようすべきではないでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

市内の空間放射線量につきましては、各区役所等に設置しておりますモニタリングポストで常時観測をしておりますほか、緊急時には、車両に搭載した測定機器により市内を広範囲に把握することといたしております。また、女川原子力発電所において事故等が発生した場合には、直ちに東北電力から通報があり、その後の状況についても連絡を受けることとなっております。
 市外の空間放射線量や風向き、風速のデータにつきましては、本市が独自でシステム化するよりも、国や県と連携し、素早く情報を得ることが重要であると考えておりますことから、原子力災害が発生した場合、直ちに本市職員を県の災害対策本部に派遣して情報を取得するなどの対応を検討してまいりたいと存じます。

 

◯高見のり子議員

本当に何が起こるかわからない。いろんな場合を想定することが重要だと思います。一旦事故が起きれば混乱も想像できます。市が瞬時に災害に対応するための情報をしっかりと把握できるようしておくことが大事だというふうに思います。
 原発事故が発生すると、放射性プルームには放射性ヨウ素が大量に含まれています。吸い込んで甲状腺に集まると、甲状腺がんの発症する確率が高くなります。ヨウ素剤を事前に服用して、甲状腺には安定ヨウ素でいっぱいにして放射性ヨウ素を入れないようにするのが有効な手だてです。そのためには、子供たちや妊婦さんなどが直ちに服用できるよう備えておくことも必要です。いかがでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

安定ヨウ素剤の服用につきましては、その効果が服用の時期に大きく左右をされ、また副作用の可能性もあるため、原子力災害対策指針において、原子力規制委員会が必要性を判断し、国や県の指示に従うこととされております。
 30キロ圏外の自治体につきましては、国が一括して現在備蓄を進めておりますことから、今後は配付方法等の具体の運用について、これを明らかにするよう、国等に求めてまいりたいと存じます。

 

◯高見のり子議員

国の対応では遅いです。自治体によっては、安定ヨウ素剤を希望者に配付しているところもあります。
 福井県篠山市では、最も近い高浜原発から45キロ離れていますが、原発の地元自治体とみずから位置づけて、原子力防災を進めるために「原発災害にたくましく備えよう」というハンドブックを作成しています。原発事故に備えて可能な事故対策の検討をし、安定ヨウ素剤の事前配付はもちろん、全自治会での学習会や消防団員への原子力災害の研修を行っています。こういった原子力防災の取り組みを学び、本市の原子力防災の計画に取り込んではいかがでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

原子力災害対策について市民の皆様に御理解をいただくことは大変重要と認識をしておりまして、地域防災計画においても、市民の皆様に対する啓発や原子力災害対策の周知の徹底に努めることを定め、これまで取り組みを進めてまいりました。今年度は、計画の見直しを踏まえ、市政だより6月号で屋内退避、一時移転の内容についてお知らせをしましたほか、今年の9月には、全戸配布した防災タウンページに、原子力災害の備えについて掲載をしたところでございます。
 引き続き、さまざまな機会を捉えて市民啓発に努めるとともに、県に対して30キロ圏外の住民にも啓発を行うよう求めるなど、関係機関と連携しながら、さらなる啓発の取り組みを検討してまいります。

 

◯高見のり子議員

福島第一原発事故、原発を廃炉にするのが一番の防災だと思いますが、しっかりやらなければなりません。
 

次に、地域防災力の向上について伺います。
 まず初めに、地域防災のかなめになる自主防災組織への支援についてです。自主防災組織が結成されると防災用品の助成が行われます。内容について伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

防災用品の助成につきましては、町内会における自主防災活動を促進するため、結成時に町内会の世帯数に応じて助成対象品目の中から町内会が要望した防災用品を支給するもので、救助用の担架やバール、大型ハンマー、トランジスターメガホン、救急バッグ等、9品目を助成対象としております。

 

◯高見のり子議員

ある町内会で、震災後、機運が高まって改めて防災用品をそろえようと消防署に相談したところ、自主防災組織が30年前にできたときに既に支給を行っているということで、防災用品をもらうことができませんでした。高まった住民の防災意識に水を差すような対応です。自主防災組織への助成のあり方をもう一度見直して、定期更新も含めて、実態に合った必要な助成を行うべきですが、いかがでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

自主防災組織への防災用品助成事業は、昭和53年の宮城県沖地震を踏まえ開始したものでありまして、阪神・淡路大震災の発生を機に一部の防災用品を見直したものの、事業開始から30年以上が経過をしております。
 現在、さまざまな防災用品が開発されている状況にもありますことから、市民の皆様の御意見なども踏まえつつ、防災用品の品目の見直しも含め、自主防災活動の実態に即した助成のあり方について検討してまいりたいと存じます。

 

◯高見のり子議員

次に、震災以降、養成が進んでいる仙台市地域防災リーダー、SBLについて伺います。概要と養成状況、その役割を伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

地域防災リーダーの概要でございますが、本市の地域防災計画の中で、平時から町内会長等を補佐しながら地域に根差した自主防災活動の中心的な役割を担う人材と位置づけております。
 これまでの養成状況でございますが、平成24年度からの累計で793名を養成し、現在680名が地域で活動を行っております。
 主な役割は、平常時には、地域の特性や実情に応じた防災マニュアルの作成や防災訓練の企画等を行っていただき、災害発生時には、避難所運営等に主体的に取り組んでいただくことでございます。

 

◯高見のり子議員

現在、680名のSBLが養成され活動しています。そのSBLの養成では、今年は100名程度の募集で、70名を各連合町内会枠とし、30名が個人の募集枠とされました。個人で希望された方のうち、25名が受けることができませんでした。防災を学びたい方には大いに受講していただいて、地域防災力の向上に力を発揮してもらうことが大事です。学生や事業者などにも枠を広げ、募集人数もふやすべきですが、いかがでしょうか。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

地域防災リーダーの養成講習に学生や事業所にお勤めの方などにも御応募をいただき、地域で防災活動を実践していただくことは、地域防災力の向上につながるものと認識をしているところでございます。
 昨年度までは、各区の連合町内会長協議会からの推薦のほか、町内会に所属していることを条件として公募をしておりましたが、今年度から公募の条件を改めまして、町内会への所属の有無にかかわらず、幅広く市民の皆様に御応募いただけるように見直しを行ったところでございます。
 今後も、多様な人材からの応募があるように呼びかけに努めてまいりますとともに、地域防災リーダーが効果的に配置されるよう、募集人数についても検討を行ってまいります。

 

◯高見のり子議員

講習終了後は、毎年、バックアップ研修が行われます。もっと学びたいという気持ちに応える応援であり、大変重要です。
 2016年度に生涯学習支援センターが行った地域づくり支援講座を受講したSBLが中心となって企画、準備、運営を行った、仙台防災減災講座2018が好評です。この講座の企画の中で、先進的な町内会の防災訓練の見学会なども行われています。SBLの皆さんが豊かな活動をしていくために、集団で学び合い、情報を交流し、学んだことを地域に還元していくことが地域防災力を高めるために必要だと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

 

◯市長(郡和子)

地域防災リーダーの皆様方がさまざまな機会を通じて学んだことを交流しながら互いに共有していく、そしてまた、各地域にそれを還元していくというのは、大変重要なことだと考えております。
 本市では、地域防災リーダーの皆さんのスキルアップのほか、交流を通じたネットワーク化も念頭に講習会の開催等を行っておりますけれども、年々交流が深まって、ネットワーク化や相互協力による活動の機運も高まっているところでございます。
 今後は、先進的な事例を紹介するモデル事業の実施など、さまざまな工夫を加えながら、こうした支援に努めてまいりたいと存じます。

 

◯高見のり子議員

市民センターは、地域の防災の拠点にもなります。防災塾などを企画しているところもあり、親子で楽しむサバメシなども、親子で防災を学ぶテーマとして好評です。身近な市民センターでの防災講座の開催など大変有効と思いますが、認識を伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

市民センターは地域の皆様にとって身近な施設であり、地域防災力の向上を図る上でも重要な拠点であると考えております。
 本市では、仙台市総合防災訓練基本方針に、市民センター等における防災・減災啓発の推進を掲げ、さまざまな防災関連講座やイベントでの防災講話等を通じ、防災に関する普及啓発活動に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、防災・減災アドバイザーの派遣など、市民センターとの連携を深めながら、地域防災の支援に取り組んでまいります。

 

◯高見のり子議員

地域防災力を高めるためには、市民一人一人の意識を高めると同時に、地域全体で継続した繰り返しの取り組みが必要です。子供からお年寄りまでみんなで防災に取り組むこと、自主防災組織はもちろん、市民センターや学校、SBL、防災士、地域の町内会や関連団体など、それぞれの取り組みも大事です。区役所に地域の防災活動を支援する防災コーディネーターの役割を担える担当職員を配置すべきですが、いかがでしょうか、伺います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

本市では各区の区民生活課が地域防災活動の支援を所管しておりまして、同課には地域防災活動の指導に精通した元消防職員を配置しまして、支援を行っております。また、各地区総合防災訓練などの実施に当たりましては、危機管理室とも連携を図りながら、地域への支援に努めているところでございます。
 今後とも、必要な体制を確保しながら、各区との連携を密にし、地域の防災活動の支援に努めてまいりたいと存じます。

 

 

 
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