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一般質問 すげの直子議員 (12月17日)

   

  【概要】 市営住宅は住まいのセーフティーネット

 

 

◯すげの直子議員

日本共産党仙台市議団のすげの直子です。住宅セーフティーネットの根幹である市営住宅が市民の安心の住まいとなることを求め、一般質問いたします。
 公営住宅法は第3条で、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するために必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」と、地方自治体に公営住宅の供給を義務づけています。
 今年度における本市の管理戸数は、市営住宅が8757戸、復興公営住宅が3206戸、合わせて75団地、1万1963戸となっています。
 今年度を含め過去三年間の応募状況を見ると、2016年度は募集戸数294戸に対して応募世帯数は4072世帯、昨年度は募集戸数512戸に対して5790世帯でした。今年度は、6月、7月、9月の3回分で、募集戸数は207戸、応募世帯は2757世帯となっていて、現在12月の定期募集中です。それぞれごとの倍率は、定期募集で10倍から20倍、子育て、ひとり親でも5倍、6倍の倍率です。安心できる住まいとして市営住宅を望む市民的要求は依然として高い状況にあることがわかります。本市の市営住宅が市民の住宅セーフティーネットとしての役割を果たすことが一層求められていると考えますが、市長の御認識を伺います。
 

第3回定例会の際、市営住宅の空き住戸が1200戸あることがわかりました。私もたびたび入居者や入居を希望する方から「あいた住戸を早く募集してほしい」「なぜあいたままなのか」との御意見をいただいてきました。1200戸の内訳をいただいたところ、火災などの事故物件が約200戸、鶴ケ谷第2市営住宅が約400戸、住みかえや他都市被災者受け入れ用として約100戸などとなっています。さらには、9月から来年3月までの募集のためのものとして約300戸あるということです。9月と12月の募集戸数は131戸でした。ということは、今後、1月と3月で160戸以上が募集に出されるということだと理解していますが、確認のため伺います。
 

また、1200戸の中には修繕待ちも200戸あるとのことです。入りたくても入れず、何度も応募しているなど、市民の切実性からすると、年間の修繕戸数をもっとふやして積極的に募集に出すべきではないでしょうか。なるべくあけている期間を短くして家賃収入を得るほうが、市にとっても歳入アップにつながるはずだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。
 

仙台市公共施設マネジメントプランの中で、学校施設に次いで大きな位置を占めているのが市営住宅です。当局自身も基本方針の中で述べているように、鶴ケ谷団地など過去の実績でも、建てかえを含めた再整備には基本構想から完了まで15年と長い年月を要します。小松島や太白団地など、既に築40年を超えている住宅もあります。計画保全年数が60年ですから、そうした住宅については、機を逸することなく計画的に進めていくことが求められていますが、いかがでしょうか。
 再整備計画とともに、エレベーターの設置やバリアフリー化など長寿命化の取り組みも急がれます。居住の安定性、快適性という観点からも大事な課題だと考えますが、あわせてお答えください。
 

国交省住宅局長が今年3月30日付で、「『公営住宅管理標準条例(案)について』の改正について」という通知を各都道府県知事、政令指定都市の長に送付しています。改正の理由は、民法の一部改正や、単身高齢者の増加など公営住宅を取り巻く最近の状況、これまでの公営住宅に係る制度改正の内容を反映するためとしています。こうしたもとで、当局でも市営住宅条例の改定に向けて作業を進めているとお聞きしています。
 国による主な改正内容としては、「入居手続での保証人の義務づけを行わない」ことや「高齢者、障害者などに限られていた単身世帯の入居が広がる」こと「入居条件に例示されていた国税、地方税を滞納していないものであることの記載を削除した」ことなどが挙げられています。市民にとって積極的なこうした改正内容は、本市の条例改正の際にも当然反映されていくものと捉えていますが、いかがでしょうか、伺います。
 

復興公営住宅にお住まいの収入超過者への対応について、私たちは繰り返し取り上げてきました。本市の市営住宅の入居収入基準は、障害者や高齢者世帯などの裁量階層で上限が21万4000円、本来階層は15万8000円となっています。東日本大震災の被災者の方々については、入居の際には収入が問われず、入居後3年間は裁量階層の家賃が適用されます。3年後からは15万8000円の本来階層として適用されるために、それ以上の収入のある世帯については、収入超過者として割増家賃が課されることになります。例えば、あすと長町復興公営住宅の間取り3Kの場合、政令月収15万8000円から18万5000円までの第五階層で見ると、家賃は4万5000円から10万2600円まで上がります。
 何らかの理由で自力再建を断念し、収入要件が問われないことで復興公営住宅に入居でき、3年といえば、ようやく生活が安定してきたころではないでしょうか。御当局は「新たな家やマンションを購入しているのだから」とむしろいいことのようにおっしゃいますが、私がお聞きした方は、復興住宅の家賃が高くなることに驚き、やむなく中古物件を探して退去せざるを得なかったということです。
 もちろん、復興住宅で力をつけて、新たな住まいを得て復興を果たすという道筋をたどる方もいるでしょう。しかし、問題なのは、それがみずからの選択ではなく、被災者が追い立てられ生じているということです。対象者が少ないからいいという問題でもありません。何らかの対応をとることが必要です。いかがでしょうか、伺います。
 

そもそも国が示している入居収入上限は、本来階層については15万8000円を参酌標準としていますが、25万9000円まで認めています。裁量階層も上限は25万9000円です。
 先日、東日本大震災復旧・復興支援みやぎ県民センターの方々が、「災害公営住宅における収入超過者問題にかかわる政策提言」を市長や当局に説明されました。被災者を4年目以降も裁量階層にし、裁量階層の収入上限を現在の21万4000円から25万9000円にすること、これは本市の市営住宅条例第六条の一部の改正のみで実現可能なこと、これで復興住宅の収入超過者の大半が救済されるという内容です。公営住宅法の範囲を何ら超えることもありません。さらに、この提案による効果として、コミュニティー形成・維持に貢献することや、裁量階層として応分の家賃負担をするので、家賃収入にも貢献することを挙げています。以前から申し上げていますが、収入超過者への対応については自治体での減免は可能だとの国からの通知もあり、来ているお金もあり、何も障害はありません。いかがでしょうか、伺います。
 

ことしの予算等審査特別委員会で、本市の市営住宅入居者の減免率がわずか一割と低くなっていることを指摘し、もっと周知を徹底すべきと求めました。現在は、既に減免を受けている方には減免申請用紙を送っていますが、それ以外の入居者の方々に特に積極的な働きかけをしているわけではありません。
 今回の国の通知では、「民生部局とも連携し、収入等の状況や事情を十分に把握した上で家賃減免等の適切な対応を行うことが必要である」ということが示されています。民生部局との連携をさらに強めることはもちろん、本来であれば家賃減免の対象になっていても知らずに申請していない方や、著しい収入減や病気などで支出が多くなり、家賃の支払いに困難を来している方などもいるのではないかと考えられます。家賃減免の活用をより積極的に周知する努力を改めて求めます。いかがでしょうか、お答えください。
 

「年金は減る一方なのに、これから家賃が幾ら上がるのだろうかと、そればかり心配する毎日がつらい。年をとってこんな思いをするとは思わなかった。」津波で自宅が流され、やっとの思いで復興住宅に入居できたという方が胸のうちを聞かせてくれました。復興公営住宅の特別家賃軽減の継続にほっとしながらも、11年目以降の家賃がどうなるのか、入居者の方々の心配は尽きません。市は、家賃軽減を10年目まで継続し、それ以降は市営住宅の家賃減免で対応すること、今後、市営住宅の減免についても必要な見直しを行っていくとしています。以前にも指摘しましたが、見直しを進めていくに当たって大事なことは、復興公営住宅の方々にとっても、市営住宅にお住まいの方々にとっても、一本化で不利益が生じないようにすることです。お考えを伺います。
 

復興公営住宅の自治会の皆さんの頭を悩ませているものの一つに、住宅の共用廊下のLED電球の更新があります。一つ1万円以上するLED電球を、たとえ10年以上先だとしてもきちんと更新するために、今から入居者で積み立てをしなければならないが、その金額や自治会に参加していない方への働きかけ、さらには、交換するためにははしごも必要ではないかとか、高齢者の多い入居者が安全に交換できるだろうかなどのお声を聞いています。自治会に対して、共用廊下のLED電球の更新は入居者が行うという市の説明があったもとでの悩みです。こういうお話を聞いて、廊下の電球はそもそも入居者の負担とするのか伺ったところ、今後検討していくのだとの説明でした。
 国の公営住宅等長寿命化計画策定指針、「修繕周期表」には、「住戸内外の修繕の時期と対応工事」が示されています。例えば、浴室ユニットは25年で取りかえ、給湯・暖房機、換気扇は20年で取りかえなど、修繕の望ましい時期が示されているもので、公営住宅を管理する自治体は、これを指針にして修繕を計画的にすることになっています。ここには、当然ながら「共用廊下、エントランス等の照明器具等」も対象箇所として明記されています。御当局が把握していないはずはないと思いますが、これによれば、そもそも入居者負担などにならないはずです。今も自治会からの問い合わせに「検討中」と答えているとのことですが、即刻、自治会宛ての通知などで市の負担で更新することをお知らせして、自治会の皆さんの不安や悩みを払拭すべきです。お答えください。
 

国が示す指針では、お風呂のバランス釜については15年が修繕周期となっています。それ以上たっているものについては、当然市の責任で取りかえなければなりません。市営住宅の風呂釜は、20年ほど前までは入居者御自身で用意しなければなりませんでしたが、それ以降は市が設置しています。以前からお住まいの方の風呂釜の更新について、市は毎年抽せんで行っているというのです。昨年度までの3年間はわずか30戸ほどしか募集せず、ことしは100戸にふやしたとのことですが、そこに316戸の希望がありました。さらに話を聞いて驚いたのは、その抽せんに外れて古い風呂釜を使い続けていたところ、とうとう壊れてしまい、その修理代はどうなるのか聞いたら、それも入居者負担だというのです。抽せんで枠を狭めて更新を怠り、古いまま使わせておいて、何ということでしょうか。市が設置、修繕するのが当然となっているものについて、きちんと更新するのは大家の責任です。もっと予算をふやして、抽せんではなく、15年以上のものについては全て早急に対応すべきです。いかがでしょうか、伺います。
 

国が示している15年の修繕周期というのは、根拠があってのことだと思います。それを、15年以上、しかも、ついたりつかなかったりするような不具合がありながら使い続けるというのは、そもそも安全上いかがなものなのでしょうか。危なくないのか、ガス局の御意見をお聞かせください。
 

最後に、あすと長町復興公営住宅の日照問題についてです。
 復興住宅が建設された後、南側に24階建ての高層マンションが建てられ、今、東側にも同じ24階建てのマンション建設が着々と進められています。復興公営住宅も2つのマンションも、全て(株)ワールドアイシティによるものです。こういう計画があることを承知でこの地を選んだのではない住民の方々にとっては、まさに寝耳に水のことであり、お日様が当たらない住環境の改善をと署名に取り組んだり市に要望書を提出したり、当然、ワールドアイシティ側にも要求してきました。
 復興住宅の公募買い取りの提案に際してワールドアイシティは、「全住戸に良好な日照を確保します」と書き、「敷地南側の隣地は、事業者の自社所有地であるため、将来的に隣地での計画が生じた場合でも、計画建物への日照確保に十分配慮した計画を行うことが可能」だとまで言っていました。2つのマンションが、復興住宅の日照に十分配慮しているなどとは到底言えないのは誰の目にも明らかです。本来であれば、市は、被災者の皆さんと一緒に怒って、事業者に対して断固物を言わなければなりません。それなのに、「受忍の範囲」などと言って、被災者の方々をさらに落胆させてきたのです。
 先日、住民の皆さん方の声を改めて聞きました。「東側にもマンションが建ったことで、日が一時間しか当たらない。」「朝起きてすぐ電気をつける。電気代もかさむが、部屋が暖まらないので灯油代も2万円を超えた。」「市は住民の気持ちをどこまで考えているのか。行政ってこんなものかと思った。これが『受忍の範囲』と言えるのか、再検討してほしい。」切実さとともに怒りの声です。あの住宅は北側に窓一枚ないので、日中でも玄関を入って扉を閉めると真っ暗です。明かり取りのついた玄関ドアに交換してほしいというのはせめてもの願いです。しかし、先日、担当課が改めて住民の皆さんと向き合っても、できないの一点張りでした。
 「どうすればできるのか、考えるのが行政の仕事じゃないんですか。」この住民の言葉を真剣に受けとめ、再検討することを強く求め伺って、私の第一問といたします。

 

◯市長(郡和子)

ただいまのすげの直子議員の御質問に御答弁申し上げます。
 

市営住宅が担う住宅セーフティーネットとしての役割についてお答えをいたします。
 住宅セーフティーネットにつきましては、近年の民間住宅市場の成熟と、また総量として見た場合の住宅ストックの充足という状況を背景といたしまして、市営住宅やUR賃貸住宅などの公的住宅と民間賃貸住宅との役割分担によって、これら賃貸住宅全体で重層的なセーフティーネットの構築を図ることを、その基本的な考え方とするものであります。
 本市におきましては、全住宅に占める民間賃貸住宅の割合が政令市の中でも高いという状況にある中で、市営住宅は、そのセーフティーネットの中核として、住宅確保に特に配慮を要する方々の居住の安定を確保するという大きな役割を担っているものと、そのように認識をしております。真に住宅に困窮されている方がより入居しやすい環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
 

れから、市営住宅の再整備と長寿命化改善事業についてお答えをいたします。
 本市におきましては、昭和40年代以降、住宅需要の高まりを背景といたしまして、所得の低い方に対しても低廉な家賃で住宅を提供する役割のもと、多くの市営住宅を整備してきたところでございます。これらの住宅につきましては、更新時期を迎えたものから順次建てかえを進めておりまして、現在は鶴ケ谷第2市営住宅の建てかえ整備を検討しているところでございます。
 今後も、老朽化した住宅につきましては、長期的な需要と供給のバランスを的確に見きわめながら計画的に再整備を進めてまいります。
 また、長寿命化の観点から適切な維持管理に努めますとともに、バリアフリー化あるいはエレベーター設置を含めました改修工事を計画的に行うことで、安全・安心な市営住宅を持続的に供給していけるように取り組んでまいりたいと存じます。
 

そのほかの御質問につきましては、ガス事業管理者並びに都市整備局長から御答弁を申し上げます。
 私からは以上でございます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

私からは、市営住宅及び復興公営住宅に関する御質問のうち、市長がお答えした部分以外のお尋ねにお答えいたします。
 

初めに、市営住宅の募集などについてでございます。
 来年1月と3月の定期募集につきましては、現在、合わせて160戸程度となるよう、空き住戸の修繕を行うなど準備を進めているところでございます。また、市営住宅の空き住戸の修繕につきましては、経営上の観点からもその期間を極力短くすべきと考えておりますが、空き住戸の中には、火災などによる事故物件や、市営住宅の建てかえ事業による移転先として確保しているもののほか、床の全面張りかえなどの大規模修繕工事を行うために、一定期間空き住戸としなければならないものもございます。
 このような中で、これまでも可能な限り速やかに空き住戸の修繕等を行ってきたところでございますが、引き続き着実な住戸の改善や修繕等を進め、早期の募集につなげてまいりたいと存じます。

次に、公営住宅管理標準条例(案)の改正に伴う対応についてでございます。
 平成32年4月に施行予定の民法改正等に対応するため、国から示されました公営住宅管理標準条例(案)におきましては、入居条件や入居保証の取り扱いなどの見直しがなされました。このことを受け、本市の実情を考慮するとともに、他都市の対応も注視しながら、関係部局との調整を行い、市営住宅条例の改正に向けて検討を進めてまいりたいと存じます。
 

次に、復興公営住宅における収入超過者への対応などについてでございます。
 国からの通知におきまして、各自治体の状況により収入基準額の上限を引き上げることや独自に減免することが可能である旨が示されたことは承知しておりますが、本市におきましては、民間賃貸住宅における空き住戸が十分にあり、また、その家賃は幅広い金額設定がなされておりますことから、収入や生活状況など個々の実情に応じた選択が可能な状況にある、そのように考えております。
 このことから、収入超過者からはその収入に応じた御負担をいただくものとしたものでございまして、居住の継続につきましては最終的に入居者の判断によるものと考えております。
 

次に、市営住宅家賃の減免制度の周知についてでございます。
 本市では、これまでも、入居時の説明会や指定管理者の窓口におきまして、減免制度について周知しておりましたが、今年度から、家賃通知書や収入額認定等通知書のほか、入居者へのお知らせ文書などを送付する際に、よりわかりやすい表現で記載するなど、周知方法について改善を行ってきたところでございます。
 今度とも、本市からの通知のほか指定管理者からのお知らせ文書における記載方法を工夫するなど、より丁寧な周知に努めてまいります。
 

次に、一般の市営住宅と復興公営住宅の家賃減免制度の一本化についてでございます。
 この制度の一本化に向けましては、入居者の皆様の収入状況や世帯状況などを確認するとともに、改めて現行の減免制度につきまして、他都市の事例も含め、さまざまな観点から検証を行う必要があるものと考えております。これらの結果を踏まえまして、減免制度の内容について検討を進めてまいりたいと存じます。
 

次に、市営住宅の廊下の電球等の更新についてでございます。
 このことについては、町内会などからも更新時の負担軽減の御要望が寄せられていることもございまして、今後、国から示されました公営住宅管理標準条例案に対応するため、本市の条例改正を予定しておりまして、その中で、廊下の電球等の更新についても、LEDの特性や性能、その他価格などさまざまな要素を勘案し、適切な負担となるよう検討してまいりたいと存じます。
 

次に、風呂設備の更新についてでございます。
 この事業は、入居者がみずから設置した風呂設備を十五年以上使用している方を対象に、本市が風呂設備を交換するもので、平成27年度から事業を開始し、当初の三十戸から毎年度設置戸数をふやしてきておりまして、今年度は百戸での設置を予定しているところでございます。今後、応募状況などを踏まえ、設置戸数をさらにふやす方向で対応を検討してまいります。
 

最後に、あすと長町復興公営住宅についてでございます。
 この住宅は、土地の高度利用を前提とし、利便性の高い商業地域に位置しておりますので、住居系の地域と比べ、日影の影響についてはある程度やむを得ないものと考えております。明かり取りのついた玄関ドアへの取りかえにつきましては、当該住宅が建築後間もないことや現在の玄関が一般的な公営住宅の仕様であること、また、設置の際の費用対効果もあわせ考えますと、対応は困難と考えております。
 復興公営住宅を含め市営住宅の整備後における周辺環境の変化に伴うさまざまな影響につきましては、今後とも、入居者の皆様の御相談をお受けしながら、その状況に応じて本市として可能な対応を検討してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

 

◯ガス事業管理者(氏家道也)

ガス機器の安全性に関する御質問についてお答えいたします。
 ガス局におきましては、ガス事業法に基づき、4年に1回の周期でお客様宅を訪問し、ガス機器や給排水設備に不具合がないかなど点検を行っており、市営住宅の風呂釜につきましても同様でございます。
 ガス機器の劣化は、使用頻度や使用環境、日常的なお手入れの仕方などで異なりますので、点検の結果、不具合がある場合には年数によらず修繕をお願いいたしますとともに、必要に応じ機器の更新を御案内しているところでございます。
 以上でございます。

 

◯すげの直子議員

3点再質問をさせていただきます。
 

まず1点目なんですが、LED電球の交換についてなんですけれども、今後、条例改正に向けて適切な負担となるよう検討していくという御答弁だったんですけれども、私、先ほど申し上げましたが、そもそもこれは国が示す修繕周期表で自治体が負担をしてその更新を行うものだというふうに示されているものですから、これはもちろん市がやらなくてはいけないものでありますし、しかも、これは、今、条例改正しなくても改善できる中身のはずです。
 市が今後というふうにしていて、自治会にもそうお答えになっているということで、既に、心配をして積み立てをせざるを得ないということでしている自治会もあるわけです。そういう御苦労をさせなくてもいいというのは明確なはずですから、ここはもう少し踏み込んだ御答弁をぜひしていただきたいというふうに思います。
 

2点目、復興公営住宅の収入超過者への対応についてです。
 どうしてかたくなに対応できないというふうにするのか、非常に納得ができないところです。住宅の皆さんの選択の幅はあるしというようなお話ですとか、居住の継続というのは最終的に住む人の判断だというお答えありましたけれども、復興公営住宅を選択をしたいと思っても、もう収入超過者となって家賃がぼんとはね上がることで、そこに住み続けたくても住めないという事態が起きていることを、こうやって改善しましょうということを私たちは提案をさせていただいているんです。
 今回、条例の一部をこういうふうに変えれば対応は可能だということを具体的にお示しもさせていただきました。国の示す、しかも、入居収入基準の範囲内で収入超過者の大部分の方々を救済できるんだというものですから、これはぜひ対応をすべきだというふうに思います。もう一度伺います。
 

3点目、あすと長町復興公営住宅の日照問題です。
 住民の方々、市長にぜひ直接現場に来て話を聞いてほしいとずっと願っておりますが、それもいまだに実現をしておりません。先日、建築の専門家の方々にも現地に行って見ていただきましたが、明かり取りのために型ガラスなどを入れた玄関ドアに取りかえることは十分可能だということです。
 こういうことに、私、費用対効果という言葉を使うというのは本当にふさわしくないのではないかというふうにも思います。日の光を奪われてしまった被災者の方々に、市ができることで希望の光を示すということが必要だというふうに思います。
 以上3点、お願いします。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

市営住宅及び復興公営住宅に関する再度の御質問にお答えいたします。
 

初めに、市営住宅の廊下の電球等の更新についてでございます。
 このことにつきましては、町内会などからもさまざまな御要望が寄せられていることは私も承知しておりまして、そのための対応についてさまざまな、LEDの特性、性能、その他価格などについて、また、それ以外の共用部分のさまざまな御負担について、どのようにしたらあり方がよろしいのかということにつきまして検討を進めているところでございまして、その中で、現在は、条例改正に合わせて適切な負担となるようにというところで今検討を進めているというところでございます。
 

次に、復興公営住宅における収入超過者への対応に対する御質問でございます。
 復興公営住宅の家賃等に関する国からの通知におきましては、各自治体の実情に応じて独自に減免を行うことができるとされているところでございまして、これに対しまして、本市といたしましては、収入の低い方に対して特別の減免を行う国の特別家賃低減事業、これにつきまして、復興公営住宅に入居している方々の収入や世帯の状況などをもとに、当面の間、減免を継続することが必要と判断しまして、本市独自にさらに五年間の制度継続、これを図ったところでございます。
 これに対しまして、収入超過者につきましては、先ほど申し上げましたような本市のさまざまな状況を考慮いたしますれば、減免等の措置を講ずる必要性が低く、その収入に応じた御負担をいただくことが適当であると、そのように判断したところでございます。
 

次に、あすと長町復興公営住宅に関する再度の御質問でございます。
 あすと長町復興公営住宅の日照問題につきましては、入居者の皆様から整備後の周辺環境の変化に戸惑う声があるということは承知しておりますけれども、復興公営住宅が立地しておりますあすと長町地区につきましては、地下鉄やJR駅に近接しておりますし、商業施設や生活利便施設が身近にあるという大変利便性の高い地域でございまして、都市計画上も、高度利用、有効利用を図ることを前提とした商業地域に指定されております。
 この商業地域におきましては、住居系の地域のような日影の制限というのはございませんので、この地域で居住するに当たりましては、高い利便性を享受する一方で、ある程度日影の影響を受けることについてはやむを得ないということ、これがこの地域における基本的な考え方にならざるを得ないものと、そのように考えております。
 以上でございます。

 

◯すげの直子議員

本当に、あすとの住民の方々がお聞きになったらどんな思いだろうというふうに思います。
 

再々質問ですが、まず収入超過者の問題なんですけれども、その通知なんですけれども、仙台は民間の住宅があるからというのは、それは市の側の解釈にすぎないわけであって、国は、仙台は収入超過者に対応することをしちゃだめだとか、そういうことは言っていないわけですよね。することもできるわけです。
 収入超過者というふうに言っていますが、対象300人弱ですけれども、その大半は政令月収25万9000円以下の方々です。年間に換算すれば約300万円ぐらいです。そういう方々が、住まいの復興を果たす場所として復興公営住宅を選んで入居したと。その方々が安心して安定した生活ができるようにするというのは、私はこれは当たり前のことだと思います。それが、3年を過ぎると本来階層になることでもう家賃がぼんと上がって、そしていられなくなるという事態になっているわけですね。
 これを、でき得る手段があるわけですから、それをとることを求めています。できる手段をとらないで、被災者の方々を、せっかく得た復興公営住宅という住まいから、市がとり得る手段をとらないでいることで追い立てるようなこと、これはやはり復興のあり方として私はあってはならないんじゃないかというふうに思います。これが1点目。
 

それから、あすと長町です。
 大変利便性が高いところだとかいろいろおっしゃいますけれども、住民の方々も言っていますけれども、ああいう状況になるということを承知してここに住んだのであれば、それはいたし方ないこともあるかもしれないけれども、こういうふうにまさかなるとは思わなかったと、何の説明も市からもなかったというお話なんですね。本当に復興住宅にお住まいの方々がそういう中で非常に生活環境に不都合なことになってくれば、それはそれで市ができることをやるというのは私は当然のことだと思います。
 これまでも、荒井東のエレベーター前に雨が吹き込まないようにする対策をするとか、あすと長町でも転落防止のための網入りガラスを設置したりということもしてきたわけですね。復興住宅の設置者として、住民の安全・安心ですとか快適な住環境を保障するということは当然求められているわけなんです。お日様を奪われてあすと長町では心身の健康にも影響が出ているという声も、御当局もお聞きになっています。この間も一緒にお聞きしました。そういうことに対してやはり対応する責任が市にはあると思いますし、玄関ドアの取りかえも8000万円弱でできると、国から来ているお金も活用できるということも申し上げておりますので、決断をぜひすべきだというふうに思います。
 以上、2点です。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

復興公営住宅に対する重ねての御質問にお答えいたします。
 初めに、復興公営住宅の収入超過者の対応に対する御質問でございます。
 収入超過者の基準となります所得月額につきましては、その世帯の総収入からさまざまな控除をした金額により算定するというものでございますけれども、これを一般的な世帯の年収に置きかえてみますと、例えば夫婦と子供二人の世帯であれば年収にして440万円を超える世帯、また、年金のみの高齢者夫婦世帯であれば年収にして430万円を超えるような、一定程度以上の収入を得ている世帯が該当するものでございます。
 また、本市におきましては、収入超過者への減免措置を講じることとしました他の被災自治体とは異なりまして、民間住宅に十分な空き住戸がありまして、その家賃も幅広い金額設定がなされていると、そういう状況にありますので、収入や生活状況などに応じた選択が可能な状況にあると、そのように考えております。このようなことから、収入超過者につきましては、その収入に応じた御負担をいただくこととしたものでございます。
 

それから、あすと長町復興公営住宅に関する御質問でございます。
 あすと長町の復興公営住宅の北側の玄関ドアの交換につきましては、先ほど御答弁申し上げましたように、さまざまな条件を考慮しますと、やはり対応は困難というふうに考えておりますけれども、市営住宅あるいは復興公営住宅につきましては、あすと長町に限らず、整備後は周辺環境にさまざまな変化が生じるということも当然ながら想定されますので、そのことに対しまして、入居者の皆様に与える影響等に対しましては、随時御相談を仙台市としてお受けしながら、入居されている方々の実情に応じまして、関係する局、区と連携しながら本市として可能な対応を行ってまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

 

 
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