(2019年9月27日 ふるくぼ和子議員の代表質疑から)
この10月からは、保育、幼児教育を巡って、また大きな変更が行われます。
幼稚園や保育所の無償化自体は歓迎するものですが、財源を消費税増税に求めていることから、もともと保育料が無料だった低所得の世帯や、所得の低い世帯ほど恩恵はなく、消費増税だけが家計に重くのしかかることになります。
また、保育所の場合、これまで保育料に含まれていた副食費が実費徴収となります。年収360万円未満相当の世帯や同時入所の第3子のみ国は免除するとはいうものの、内閣府は目安として、副食費に4500円と見込み額を示しています。仙台市では市立保育所の主食代は1000円ですから5500円の保護者負担を求めることになります。主食代3000円を徴収しているところでは月7500円もの負担となります。
現在、全国では100を超える自治体が、保護者負担に対する支援策として、副食費の無償化を打ち出しています。東京都内の自治体では、「保護者の負担軽減」「無償化の効果減少の影響が大きくなる」「保育所の事務負担を考慮」「児童福祉の向上と食育の推進」などの理由を挙げて実施に踏み切っています。また、共同通信社が県庁所在地など103自治体に行った調査でも、6割もの自治体が独自財源で何らかの支援を実施または検討していると答えています。
仙台市でも、補正予算を組んででも、対応すべきであったのではないでしょうか。市が独自に保育所等の副食費を免除するのにかかる経費は約4億円とのことです。市がこれまで行ってきた独自軽減策には約29億円を投じてきましたが、国の無償化によってその必要がなくなります。新たに4分の1の自治体負担分などを差し引いたとしても7億円程度は浮くことになります。
5月に行われた都道府県に対する国の説明会においても、「今般の無償化により自治体独自の取り組みの財源を子育て支援の充実などに活用することが重要」という関係閣僚の合意方針を上げて「対応にご配慮いただきたい」とさらなる充実を求めています。
今からでも、ただちに保育の無償化によって新たな保護者負担が生じることのないよう、手立てをとるべきですが、伺います。
また、こうして給食費の実費負担を導入しながら、内閣府は5月の自治体向け説明会で、給食費など児童手当からの徴収が可能との見解を示しました。これを受けて仙台市では、市立幼稚園で滞納世帯に対する徴収を検討しているとのことですが、児童手当の理解があまりにも不十分だと言わざるを得ません。
児童手当は児童の健やかな成長に資することを目的に支給されている制度です。その目的に反する天引きをするなど、あってはなりません。個々の事情を見ない徴収が広がれば子どもの貧困問題を一層深刻にしかねません。児童手当からの徴収は行うべきではありません。ご所見を伺います。
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