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代表質疑 高見のり子議員 (12月12日)

 

【概要】台風19号被災への支援。学校給食費の無償化

 

高見のり子議員

日本共産党仙台市議団の高見のり子です。会派を代表して提案されている諸議案並びに市政の重要課題について質疑します。

10月12日から13日に発生した台風19号によって東日本を中心に甚大な被害がもたらされました。本市でも今議会において、災害復旧にかかる第118号議案 令和元年度仙台市一般会計補正予算(第4号)土木費677万2000円、災害復旧費7億1540万円余が提案されています。仙台市においても床上・床下浸水、土砂崩れ、倒木などの被害があり、農林水産被害は14.5億円になっており、地域経済にも深刻な影響が及んでいます。市全体の被害額は60億円にものぼります。国から災害救助法の救助実施市として指定を受けて初めての災害対応です。被災者に必要な支援を直接行うことができるのですから、8年9ヵ月を経過した東日本大震災の教訓を生かし、被災者支援に全力をあげなければなりません。東日本大震災で実施した支援の水準から後退させないことは当然であり、さらなる拡充を図るべきです。市長の認識を伺います。

私ども日本共産党仙台市議団は被災力後に寄せられた要望をまとめて10月23日に「台風19号の被害に対する緊急要望」を市に提出しました。その中で罹災証明の判定は実態に合ったものにするように求めています。家を新築したばかりで床上浸水になった被災者は夫婦と子ども2人の4人暮らしです。キッチンの排水がだめになり、まともに調理もできない状況が続いています。自力で高圧洗浄機で床を洗うなどして何とか暮らしていましたが、断熱材なども破損し、ほこりも発生して、子どもたちは喘息発作がひどくなりました。お母さんは勤め先で過労と栄養失調で救急搬送されたそうです。ようやくリフォームが決まり1月中旬から始まることになり、費用は700万円もかかるそうです。これほどの被害があるのに判定は一部損壊(10%未満)です。生活再建支援金もなく、一部損壊(準半壊)であれば使える応急修理制度も使えず、みなし仮設の対象にはなりません。罹災証明の被害認定調査は国の基準で行われており、実態と合っていません。指定都市市長会も台風19号の被害に対する国への緊急要望には「浸水被害に対する被害認定基準の更なる緩和や解体を伴わない「半壊」や「一部損壊」まで支援対象を拡大するなど見直しを早急に行うことを求めています。市は被災者に寄り添って、被害の内容をしっかりつかんで実態に合った罹災判定にすべきではないでしょうか。また、床上浸水の被害にあわれた方がリフォームなどで一時的に住まいが必要な場合、民間借り上げのための家賃補助などの支援が必要です。目の前の被災者を救うために、市は独自に支援を創設してはいかがでしょうか。合わせて伺います。

岩手県では半壊世帯に最大20万円、床上浸水世帯に同5万円を独自に支給するセ策を打ち出しました。岩手県内の各自治体では半壊世帯に10万円、床上浸水世帯に最大25万円を上乗せして総額30万円(1人世帯25万円)の支給を見込んでいます。福島県でも床上1m未満で国の支援を受けられない被災者に1世帯あたり10万円を見舞金として支給する独自制度を打ち出しました。おとなり多賀城市では台風19号被害に独自支援として「災害見舞金」を創設しました。事務所や店舗の床上浸水被害を受けた事業者にも同様の支援を行います。事業者への支援は国の制度の対象となっていないので大変喜ばれています。仙台市内の一部損壊の被害に対しては仙台市災害見舞金制度がありますが、これでは不十分です。市は県に対して宮城県市長会として「県独自の支援制度創設すること」などを求めているのですから、必要性は十分に理解しているはずです。救助実施市になったのですから被災者を応援する意味でもこういった支援も積極的に創設すべきです。いかがでしょうか。

浸水被害のあった宮城野区白鳥地区で12月4日に行われた「白鳥の今後の水害対策を考えあう会」を傍聴させていただきました。50名以上の住民が参加して市の担当職員と「どうしたら水害をなくせるか」と白熱した意見交換が行われました。住民の皆さんはつぶさに被害状況を調査していて、町内会長は浸水状況をマップ化していました。宮城野区田子地域では18町内会の会長が連名で「仙台市東部地域水害対策協議会」として「水害対策要望書」を仙台市に提出していました。被害を実体験し状況をよくわかっているのはそこに住む住民です。その中で求めているように各地域で住民と水害対策を協議する場を早急に立ち上げ、計画を見直しながら水害対策に取り組むべきですがいかがでしょうか。伺います。

新聞報道によると台風19号で5戸以上の床上、床下浸水があった地区は、市内で少なくとも4ヵ所あり、29ヵ所は内水氾濫が原因とみられています。中には緊急ポンプが水没して稼働しなかった事例もありました。そもそもポンプの増設や雨水計画が終了していないことが問題です。1986年の「8・5豪雨」を教訓にたてられた計画は35.5%しか進んでいません。近年、気候変動がすすみ台風や大雨が頻発しています。市内の内水氾濫がおきたすべての地域の薄い計画をつくり、計画のあるポンプ場はもちろん、これから必要なポンプ場を作ったり、市街地の地下などに一時的に雨水を貯めることのできる調整池などの内水対策をすすめるべきです。伺います。また、普段からの河川管理と治水対策が重要です。七北田川、広瀬川、名取川など市内に流れる河川とその支流の特に、水位が高くなり越水や決壊が心配されるような場所の堤防の点検、立木の伐採や土砂の撤去、また、危険なため池の補強などを早急にすすめることをひきつづき国や県に求めるべきです。合わせて伺います。

2018年度一般会計決算が不認定になったため、今議会には報告大14号「措置に関する件」が出され、道路照明灯の全額を管理職が穴埋めする方針が示されました。これまでの市の考え方と方針を一転させたものです。第3回定例会では東北電力との和解という議案にも関わらず「市当局におかれましては・・・自らが責任を負うべき損失額について確実に補填することを強く求める」という付帯決議が出され賛成多数で採決されました。市はこれまで、損失となる3440万円の補填に対する考え方は、あくまで任意で、その半額の1720万円を部長級以上の職員に負担をお願いし、残りは退職職員や歴代の特別職に協力を求めるとしていました。20年以上にもわたって気付かなかったことを明らかにして誤りを正したという現職員の取り組みは、市民のための仕事として評価されるものと思います。しかし、電気料金は公金であり市民の税金だということから組織的な責任は問われています。今回の提案は残りの1720万円も職員で補填するとして職員互助会から一括して借入れ、親睦会の剰余金で長年にわたって返済するという内容です。10年15年後の管理職にまで責任を負わせることになることは理屈が通らないのではないでしょうか。伺います。

今後このような原因者が特定できないような問題が起きた時に職員の中で、原因を明らかにして正そうとすることに躊躇(ちゅうちょ)が生まれてしまうことが懸念されます。また職員間に分断、対立、軋轢(あつれき)を生んで、職員が市民のために働く志気を下げるものになるのではないかと危惧するものですが、いかがお考えでしょうか。

次に、第121号議案、職員の勤務時間、休暇等に関する条例の一部を改正する条例について伺います。この条例は、正規の勤務時間を超える勤務について、上限時間を決めるというものです。「原則の上限時間」を年360時間以下、月45時間以下としながらも、「特別な事情がある場合の上限時間」は一定の制限をかけてはいるものの、年720時間以下、月100時間未満を上限とし、いわゆる過労死ラインの設定です。「特例業務」については上限はなしという設定で、青天井の超過勤務を認めかねない内容です。今回の上限設定の考え方は国と同程度ということですが、上限を設定しない「特例業務」の分類には市独自で「選挙に関する業務等」を含めています。重要な業務であって特に緊急に処理することを要する業務に従事する場合に、例えば大規模災害への対処などが「特例業務」になるとのことですが、選挙に関する業務はあらかじめ分かっていることがあり、必要人員も明確な業務です。これを特例業務として超勤時間上限なしと取り扱うべきではないと考えますが、いかがでしょうか。

また、仙台市は現在でも超過勤務時間がさいたま市に次いでワースト2位と聞いています。超過勤務の常態化は直ちに改善されなければならない課題です。必要人員を配置することで超過勤務の改善に向かうべきですが、お考えを伺います。超過勤務については、あくまでも年360時間以下、月45時間以下の「原則の上限時間」が遵守(じゅんしゅ)されるように明確に表明するべきですが、合わせて伺います。

今月4日には、国会で公立学校に「1年単位変形労働時間制」を導入する「公立学校教職員給与等特別措置法改定案」が成立しました。変形労働時間制とは、「繁忙期」に一日10時間労働まで可能とし、「閑散期」と合わせて平均で一日当たり8時間におさめる制度です。しかし、教職員の場合、日常の業務量を減らすことができないのは当然、夏休みなどもその時にしかできない研修や業務があり、「閑散期」などありません。ですから、導入されれば現場が混乱するだけでなく、労働強化につながるとして、提案された当時かあら教職員から批判が上がっていました。国会審議の中でも、現場の声は無視できないことや、管理職にも新たな業務が生じることが議論され、付帯決議まで付けられました。こんな変形労働制が導入されれば、教職員の多忙化解消どころか、拍車がかかることは明らかです。福井県では2014年に、中学校の臨時教員を4年勤め、ようやくようやく正規教員として働きだした27歳の先生が、月169時間の時間外勤務で心も体もむしばまれ、10月に自殺するという痛ましい事件が起きました。「今、ほしいものはと問われれば、睡眠時間、寝ると不安だし、体は睡眠を求めている。どちらに進むも地獄だ」と5月に書いた日記が残されていました。仙台市でも状況は同じです。勤務時間内に授業準備や研究などできる時間はないというのが、今や現場の共通認識です。小さな子どもを持つある教員は、子どもと一緒に9時に寝て、夜中の1時には起きて、授業準備をして毎日出かけるという、4時間睡眠の生活を強いられているとのことです。こうした問題を根本解決する道は教職員を思い切って増やす以外にありません。国に教職員の定数増を引き続き求めるとともに、変形労働時間制を導入しないで、市独自の人員増をさらに進めて、教職員の超過勤務について、直ちに改善をすべきです。ご所見を伺います。

郡市長は今年に入って、突然、市ガス事業の民営化のために公募を再開すると表明しました。そして、先日、ガス事業民営化推進委員会が事業譲渡方式で2022度に民営化すべきとの答申を提出しました。市民の財産である仙台市ガス事業は明治42年から創立以来100年以上にわたり、仙台圏域に都市ガスを安定的に供給し、市民に愛されてきた公営企業です。東日本大震災の時には職員は不眠不休でガス復旧に尽力しました。されに、小中学校へのエアコン設置をめぐっては議会でも市ガスの仕事になるということで、応援の議論があり、結果的にほぼ9割が市ガスを使ったガスヒートポンプ式(エアコン)となりました。市ガスは約34万戸に供給し、普及率は2018年度末で62.1%です。仙台市ガス局の職員数は正職員314名、嘱託職員も含めれば445名です。職員の皆さんの長年培ってきた技術で安全、安心のガス事業が連綿と引き継がれてきたのです。その結果、平成26年度から5期連続で黒字を計上し、平成30年度の黒字額は約22億円です。このような全国一のガス事業を手放す必要はありません。答申のなかではガス料金について「事業継承後一定期間は、現行のガス料金の水準を上限とする」としていますが、一定期間を過ぎればどうなるかわからないということです。民間になれば、ガス料金について議会の関与もできなくなります。また、事業が円滑に継承されるよう一定期間仙台市が必要な対応を行い、事業譲渡後は原則として仙台市は経営への関与は行わないと事業者に至れり尽くせりのしせいです。何としても売りたいという前のめりの姿勢であることは問題です。民営化されて企業の利益が優先されればその負担は市民が負うものになります。市民にとっては何のメリットもありません。また、市ガス事業には120社ほどの中小企業、業者が関連の仕事をしています。地域経済への影響も心配されます。職員はこの間の民営化方針の中で何度も翻弄されて不安な気持ちで働いています。また、市民への十分な情報提供や説明がまったく行われていません。ガス事業の民営化は災害時の対応や技術の継承、料金の問題など課題が多くあります。ガス施設や運営など、これまで市民の税金で作り上げてきたライフラインは市民の財産であり、民営化はやめるべきです。いかがでしょうか。

市は新総合計画を策定するにあたり、全市民のアンケートを行いました。回答者数は7368通、子どもから高齢者まで、幅広い年齢層であったことは特筆すべきです。「仙台の未来に向けて力を入れるべき取り組みの意見」については生き生きとした前向きな記述が多くありました。「子ども、子育て支援」についての記述が592件で最も多く、次いで公共交通、教育・学力、杜の都・緑・景観、高齢者・福祉介護、いじめ不登校という結果でした。アンケートでも「子ども子育て支援」への要望が大きいのに、仙台市は充実どころか、後退と言わざるを得ない給食費の値上げを提案しようとしています。仙台市学校給食運営審議会は、市立小中学校の給食費を2020年度から小学校は1食につき45円、中学校は同じく55円引き上げる答申を出しました。これまで宮城・秋保地区は他地区の学校と比べて違いがあったものを同一にするとしており、引き上げ額がその分上乗せされ、給食費単価が統一されることになります。その結果、小学校では245円だったものが290円、中学校が345円となります。値上げ幅は1989年の政令市移行以来、過去最大規模となります。他政令都市比較では小学校が第15位だったものが第2位、中学校は第16位から第3位と一気に上位となります。年間にすると小学校で8,055円、中学校で9,460円もの値上げです。宮城・秋保地区では小画工が9,129円、中学校では10,320円にもなります。学齢期の子どもが沢山いる家庭の負担はいかばかりでしょうか。想像するに余りありません。市はこれまで一人の子どもと保護者に給食費のあり方について聞いてきませんでした。保護者の意見を聞くべきであり、市長の意見判断で値上げは保留すべきです。いかがでしょうか。伺います。

私たちはこれまでも学校給食の無償化を求めてきました。学校給食は教育の一環であり、すこやかな成長を保障するための子どもの権利です。だからこそ全国的に無償化や一部助成をする自治体が広がっているのです。県内でも名取市が給食費の無償化を始めるとしています。市は給食の無償化にこそ舵をきるべきです。いかがでしょうか。伺います。

幼児教育・保育の無償化によってそれまで自治体が独自に負担していた部分に、国・都道府県の負担が入ることで、それまでかかっていた市町村の財政負担が軽くなることになります。市の場合、その金額は29億円と試算されています。国はこうした予算も使って子育て支援の充実に活用するよう方針を示しています。この財源を使えば保育所・幼稚園の副食費はもちろん、子ども医療費助成制度の拡充、認可保育所の増設や保育士の処遇改善の拡大など子育て支援のあらゆる施策を前にすすめることができます。先日の総務財政委員会で財政局長はこの29億円については、担当局で検討するものだと答えました。あとは子供未来局長の決意にかかっています。お答えください。

第126号議案 仙台市児童福祉施設条例の一部を改正する条例に関連して伺います。児童クラブは大規模化し、サテライトを増やすことで対応しているのが現状です。これまでも求めてきたように、独立した児童クラブとしてそれぞれ充実を図っていくことが大事です。職員の処遇改善もすすめなければなりません。職員は非常勤が約8割、年収の平均は約130万円弱との調査結果もあります。「指導員を募集しても集まらない」と事業者は悩みを抱えています。仙台で育つ子どもたちが安心して過ごせる児童クラブにするために、環境整備とそこで働く職員の処遇改善を求めます。いかがでしょうか。伺います。

第119号議案 仙台市国民健康保険事業特別会計補正予算(第一号)では、県への納付金が引きあがったとして補正予算が提案されています。国は国保料の値上げを抑えたり、引き下げたりするために一般会計から国保特別会計に独自に公費繰り入れを行う市町村に、国からの予算を減らすペナルティ措置を2020年度から導入する方針です。都道府県と市区町村独自の公費繰り入れ金を減らすように指導すれば、県の交付金を増やすことなどを盛り込んでおり、繰入金の削減による国保値上げを誘導しかねないことが問題になっています。いよいよ国保の県単位の狙いが明らかになってきました。一方、自治体が条例を通じて行う、被災者、子ども、生活困窮者などの国保料の独自減免にあてる繰入金はペナルティの対象外としていく方針です。市は国にペナルティの導入をやめるように求めるとともに、これまで行ってきた独自減免の拡充で、高すぎる国保料を引き下げるべきです。いかがでしょうか。伺います。

全市民アンケートでは障害者福祉の充実にも多くの意見が寄せられました。心身障害者医療費助成制度はいまだに償還払いになっています。償還払いは、経済的負担も大きい障害者世帯に立て替え払いをさせ、さらに還付金の過不足などへの対応を強いて、障害者世帯にも現場の職員にも多大な事務負担を負わせるものであり、何のメリットもありません。仙台市は、「現物給付が望ましい」とこれまでも答えていますが、県全体としての統一的な対応が必要だとして、一歩も前に進めようとしません。障害者差別解消条例の理念にのっとり、具体的に行動することが必要です。市独自で現物給付を実現させることを求めますが、いかがでしょうか。

高齢者が増える中で医療や介護、高齢者施策の充実が求められます。「高齢になり、耳が聞こえづらくなった」という加齢性難聴は、補聴器を装用することで聞こえを改善することが可能です。難聴は日常生活を不便にし、生活の質を落とすだけでなく、欝(うつ)や認知症の原因にもなることが指摘されています。難聴は65歳から急激に増え始めます。一般社団法人日本補聴器工業会の調べでは日本の難聴者は推計で1430万人とされています。その中で、補聴器を所有している方は14.4%の210万人にすぎません。欧米では難聴を「医療」のカテゴリーでとらえ、補助制度がありますが、日本では「障害者」のカテゴリーでとらえて助成対象を絞り込んでいるため、補聴器所有率が圧倒的に低い状況です。補聴器は精密機械で一人ひとりの聞こえに合わせるため高額になります。低所得者や生活保護受給者には負担が大きく諦めるしかなくなってしまします。全国では20ほどの自治体が高齢者に対する補聴器購入補助や現物支給の制度を創設しています。目的は「生きがいと生活支援」「高齢者の社会参加」です。仙台市も補聴器への支援制度の創設を求めますが、いかがでしょうか。伺います。

介護の現場では、介護職員の不足が深刻です。介護労働者の平均賃金は全産業平均を月10万も下回っています。こうした異常な低賃金と長時間・過密労働のまん延で、深刻な人手不足に陥り、それが、制度の基盤を脅かす重大事態となっているのです。特養ホームなど施設介護の現場では、「ベッドは空いているのに、人手が足りないために、入所者を受け入れられない」という状況が深刻化しています。労働条件の抜本的改善、担い手の育成・確保が不可欠です。保育士の処遇改善の支援制度を介護職員にも広げるべきです。伺います。

消費税が10%に引き上げられてから2ヶ月が経過し、増税による物価上昇は国民の消費生活を冷え込ませ、日本経済を低迷させています。10月の景気動向指数は5.6ポイント低下しました。この数値は、東日本大震災があった2011年3月以来の低下です。小売業販売額も落ち込み、消費支出は11ヶ月ぶりにマイナスとなりました。複数税率やキャッシュレス払いへのポイント還元も混乱が生じました。「仙台の台所」である「仙台朝市商店街」では全体で70店舗のうち、キャッシュレスを導入しているのは約10店。その他の商店は「機器導入の負担で値上げすることを避けたい」と対応機器の導入を見送ったそうです。前回の議会で、郡市長は「地元中小企業は厳しさを増している。今回の税率改正は、消費者の購買意欲に影響を与えることが想定される。中小企業の生の声を把握していく」と答えましあた。この間、地元中小企業の皆さんの声をどのように聴き取り、どのような声が寄せられているのか、伺います。

第129号議案 和解に関する件は、福島第一原発事故による本市の被害について、2013年までの分が支払われるという和解内容です。それ以降の分については、まだゼロ回答ということです。
原発は一旦事故が起これば、何十年、何百年にわたって被害が及ぶことを私たちは体験しているのです。そんな中、原子力規制委員会は、11月27日、女川原発2号機の新規制基準適合を認める審査書案を発表しました。今月27日までのパブリックコメントを経て合格を出す手順です。
市長は、住民の安全が何よりも優先されるべきとの考えを繰り返し示してきました。女川原発二号機の再稼働をめぐって、市長のこの言葉の真意が問われる時期を迎えています。
国は、安全性を最優先とした上で進めると言っています。しかし、その意味は、新規制基準をクリアすることをもって安全性は確保されたとして、再稼働にゴーサインを出すということです。原子力規制委員会自身が、新規制基準に適合したからといって安全が確保されたとは言えないと繰り返し述べているのに、国はすりかえを行っているわけです。
実際、ヨーロッパの基準で標準装備とされるコアキャッチャーも、日本の基準では求めてもいません。また、格納容器が壊れる前に、ベントを行い圧力を下げる対策がとられます。放射性物質が大気中に放出され、住民が被曝する可能性はむしろ高くなりました。
女川原発は、大震災により設計で想定した以上の揺れを受けた被災原発です。張りめぐらされた配管のどこに損傷を受けているのかさえ、点検も交換もできていません。市長が、国と同様のすりかえに陥らず、本当に住民の安全を何よりも優先するためには、今回の審査書案の問題点をきちんと認識すべきです。市長のお考えをお聞きします。
宮城県は、上工下水道一体、みやぎ型管理運営方式、いわゆる水道民営化を導入するとしてパブリックコメントを行いました。これまでにない636件の意見が寄せられ、その9割以上が批判的な意見だということです。
一方、仙台市は、仙台市水道事業基本計画(中間案)に対するパブリックコメントを10月に行いました。仙台市の基本計画に対する意見公募であるにもかかわらず、85件のうち24件がみやぎ型管理運営方式に対する批判的な意見でした。それ以外の水道料金などの項目にも県の民営化を危惧する意見が多くあり、水道民営化は市民にとって重大な関心事だということがわかります。
今、県議会では、みやぎ型管理運営方式の実施方針に係る条例改正案が出され、議決しようとしています。仙台市初め受水市町で3回も出している質問状も、まともに答えられずここに至っています。災害時はどのようになるのかなど、市民にとって大切な問題が何一つ明らかになっていません。
市民の疑問に答えないばかりか、自治体にも納得できる説明ができないような民営化はやめるべきです。他の受水市町と声を上げるべきです。お答えください。

水の民営化は、人権を犠牲にするもので容認できないと発言をしているローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が11月に来日し、さまざまなメッセージを残しました。
広島と長崎を訪れスピーチを行い、核兵器の非人道性を強く非難し、核兵器や大量破壊兵器を持つことは平和や安定につながらず、むしろ妨げになると述べて、核兵器のない世界の実現に向けて一致団結して取り組むことを呼びかけました。また、安倍総理に対しても、広島と長崎に投下された原爆によってもたらされた破壊が二度と繰り返されないよう阻止するために、必要なあらゆる仲介を推し進めてくださいと訴えたそうです。
世界の流れは核兵器廃絶に向かって大きく前進しています。核兵器禁止条約に全ての国が加盟することを求めるヒバクシャ国際署名は、村井知事、郡市長初め宮城県内の首長が署名をしています。
国連では、核兵器禁止条約の署名が80か国に到達、批准国は34か国となりました。条約は50か国が批准すれば90日後に発効することになります。2020年には達成するだろうと言われています。
12月10日、宮城県原爆被害者の会の皆さんが、非核平和都市宣言を上げて具体的な支援を求める要請書を藤本副市長に手渡しました。被爆者の皆さんは、被爆の実相を後世に伝えようと65年間取り組んでこられました。後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きているうちに何としても核兵器のない世界を実現したいと必死の思いで活動しています。
郡市長は、核兵器廃絶の運動の盛り上がりを今どのようにお感じになっているのでしょうか。御認識を伺って、私の第一問といたします。

 

◯市長(郡和子)

ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。

まず、被災者への支援に関するお尋ねにお答えを申し上げます。
台風第19号により、本市におきましても、市内各所で床上浸水など大きな被害が発生いたしまして、住宅や家財などに被害を受けられた方々が今もなお御不便な生活を送っておられるものと存じます。
今回、本市といたしましては、救助実施市として災害救助法の適用を決定し、これに基づく住宅の応急修理のほか、お住まいや生活の再建に関する各種支援制度の周知に努めながら、被災された方々への支援を進めてきたところでございます。
今後とも、被災された方々に寄り添いながら、一日も早い暮らしの再建に向けて取り組んでまいる所存でございます。
次に、道路照明灯に関する御質問にお答えをいたします。
これまで、本件に関する不適切な事務処理によって、本市が実質的に負担することとなる額である三千四百四十万円の半額を補填することとしておりましたけれども、第三回定例会で和解に関する件に対する附帯決議及び決算が不認定となったことを受けまして、改めてこの間の議論の経過を精査するなどいたしまして、三千四百四十万円の全額の補填を判断したものでございます。
補填に当たりまして管理職職員に協力を求める判断をいたしましたのは、本事案が組織的な課題が大きかったことによるものでございまして、そのような経過を考えますと、二度とこのようなことを起こさないという強い決意とともに、一定の期間はかかりますものの、マネジメントにかかわる職員に協力を求めていくべきものと、こう考えております。
今回の事案を大きな教訓といたしまして、職員一人一人が高い倫理観を持って、市民の福祉の向上のために全力で職務に当たるよう改めて意識の浸透を図り、市民の皆様から信頼され得る適正な事務執行に全庁挙げて取り組んでまいる所存でございます。

ガスの民営化の必要性についてお答えをいたします。
本市のガス事業は、公営化以降70年以上にわたって、安全・安心を第一に都市ガスを安定的に供給し、地域社会の発展に貢献をしてまいりました。
しかしながら、電力、ガスの自由化を契機にして、ほかの地域ではエネルギー事業者間の競争が激しさを増しておりまして、近年のガス事業を取り巻く環境は大きく変化しております。また、本市におきましても、今後人口減少を迎えますと、家庭用の需要家数の減少が収益減につながるなど、経営環境は厳しくなるものと、そう認識しております。
こうした変化や公営ガス事業特有の制約を踏まえますと、中長期的には、現状のサービス水準を維持し事業を継続していくことは難しくなってくるものと考えているところでございます。
そのために、将来にわたりガス事業を永続的に発展をさせ、市民サービスを向上させるためには、まさにこの時期に民営化を推進していく必要があると、こう考えております。
今後、本市といたしまして民営化計画を策定し、来年度には事業継承者の公募、そして選定を行ってまいりますけれども、市民の皆様方の暮らしがよりよいものとなるようにガス事業の民営化に取り組んでまいります。
それから、核兵器廃絶に関する御質問にお答えをいたします。
先月来日をされましたローマ教皇は、被爆地である長崎市、広島市を訪問されて、改めて世界各国に対して核兵器のない世界の必要性を訴えるメッセージを発せられたものと承知しております。
被爆された方々の、次の世代の人々に同じような思いをさせたくないという強いお気持ちのもと、被爆の実相を世界に向けて訴え続けてこられたこれまでの粘り強い活動が、今日の国際社会の動きへとつながっているものと、このように受けとめております。
核兵器のない平和な国際社会の実現は、人々の共通する願いでございます。私といたしましても、そのような社会が早期に実現されることを願い、市政運営に当たるものでございます。
そのほかの御質問につきましては、水道事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

私からは、女川原子力発電所についての御質問にお答えいたします。

原子力発電所の取り扱いにつきましては、一義的に国において安全性の確保が図られた上で、経済効果やCO2削減などの観点も踏まえながら、国が責任を持って判断すべき問題であると認識しております。
本市といたしましては、女川原子力発電所の審査につきましても、国が責任を持って判断すべきものであると認識をしております。
以上でございます。

 

◯総務局長(芳賀洋一)

私からは、職員の超過勤務に関する御質問のうち、総務局にかかわる御質問にお答えをいたします。

初めに、選挙事務を特例業務とすることについてでございます。
選挙に関する業務につきましては、衆議院解散時等、時期があらかじめ想定できないこともあるほか、決まった特定の短期間に全庁で対応が必要となる重要な業務であることから、本市においては特例業務として位置づけることとしたところでございます。
特例業務とするものにつきましては、選挙に関する業務も含め、当該超過勤務に係る要因の分析及び検証を行い、可能な対策を実施することで、超過勤務の抑制に取り組んでいくこととしているところでございます。

最後になりますが、人員配置による改善と原則の上限時間の遵守についてのお尋ねにお答えをいたします。
超過勤務の縮減に向けましては、これまでも職場の状況に応じて業務の見直しや適時適切な人員配置などに努めてきており、一定の効果があらわれているところでございます。
本市の上限時間につきましても、国家公務員や労働基準法と同様に、原則の上限時間を基本としながら、時期的な繁忙、突発的業務増等、特別な事情がある場合の上限時間等を別に定めるものでございます。
特別な事情がある場合につきましても、職員一人一人の意識づけなどの取り組みを継続することに加え、今後各職場における事例を紹介することなどにより、職場全体としての取り組みも推し進め、超過勤務の縮減に努めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

 

◯財政局長(館圭輔)

私からは、被害認定調査についてお答えいたします。

今般の台風第19号による建物被害の調査につきましては、被災者の方の立ち会いもいただきながら、内閣府の運用指針や通知に基づき適切に対応してきたものと認識しております。
一方で、被災者の生活再建支援の観点も含め、指定都市市長会として認定基準等のさまざまな見直しについて国に要望を行ったところでございます。
今後とも、被災者の方々の視点も踏まえながら、引き続き適切な対応をしてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

私からは、健康福祉局にかかわる数点のお尋ねにお答えをいたします。
まず、台風第19号にかかわる本市独自の支援についてでございます。
台風第19号を初めとする大雨による住宅の被害については、災害救助法に基づく応急修理の対象が一部損壊にも拡大されたところでございます。
本市においても、国保料を初めとする各種の減免に加え、本市独自の災害見舞金について、被災者生活再建支援法の対象とならない床上浸水以上の被害を受けた世帯に対し、世帯人数に応じ最大5万円を支給することといたしました。
住まいの確保を初め、被災をされた方々の生活再建は大変重要であると認識をしており、引き続き、市長会等を通じ国や県に対し被災者の生活再建支援の充実を求めてまいります。
次に、国民健康保険料についてのお尋ねでございます。
国民健康保険に係る保険者努力支援制度につきましては、保険者としての取り組み状況に応じて交付金が交付される制度です。次年度に向けて、決算補填等を目的とした一般会計繰入金の解消などについても評価指標がつけられるものでございます。
本市といたしましても、県の国保運営方針に基づき、決算補填等を目的とした一般会計繰入金の解消に努めており、その指標が達成できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
また、保険料につきましては、公費の拡充を踏まえ、本市独自の減免措置を講じるなど負担軽減に努めているところですが、国保料の水準の高さは、国保財政が抱える構造的課題の解決が不可欠であると認識しており、さらなる国の財政支援の拡充について、引き続き他都市と連携して国に求めてまいりたいと存じます。
次に、心身障害者医療費助成制度の現物給付化についてでございます。
心身障害者医療費助成制度は、県の補助事業として県内全ての市町村で実施をしております。
医療機関の受診に当たっては、市域を越えた受診も多く、受給者や医療機関の混乱を避けるためにも広域的な対応が不可欠であり、県全体としての統一的な対応が必要と考えております。
引き続き、県全体での統一的な実現を求め、宮城県市長会を通じまして、県に対して本制度の現物給付化を強く要望してまいりたいと考えております。
次に、補聴器への支援制度についてでございます。
耳が聞こえづらくなる、いわゆる加齢性難聴により、高齢者の方の日常生活に影響を生じる場合があることは承知をいたしております。
しかしながら、加齢性難聴の方の補聴器購入への本市による支援につきましては、財源の確保を初め対象者の範囲や効果の検証など課題もございますことから、国や各都市の動向等も踏まえつつ引き続き研究してまいりたいと存じます。
最後に、介護職員の処遇改善についてでございます。
介護職員の処遇も含め、適切な介護報酬の設定については、本来国の責任においてなされるものでございます。
介護報酬は、平成29年度、平成30年度とプラス改定され、また、この10月からは経験のある介護職員への処遇改善などプラス2,13%の改定がなされ、各事業所においては加算の取得等に向けた処遇改善の取り組みが行われており、このような状況も注視をしながら、介護職員の定着、確保につながるよう、引き続き国に対し適切な介護報酬の設定を求めてまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

私からは、子供未来局に係る二点の御質問にお答えをいたします。
最初に、子育て支援の充実についてでございます。
本市におきましては、現在、次期すこやか子育てプランを策定しているところであり、昨今、多様化する子育てに関するさまざまなニーズを踏まえ、今後の子育て支援策の検討を深めているところでございます。
これまでも、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援や、待機児童解消に向けた保育基盤の整備、保育士等の人材確保などに取り組んでまいりましたが、引き続き、子育て世代が必要とする支援策を捉え、施策の充実に努めてまいります。
次に、児童クラブの環境整備と職員の処遇改善についてでございます。
本市の児童クラブにつきましては、児童館本館だけで受け皿が不足する場合に、学校施設や民間物件を活用したサテライト室を整備し、児童館本館と組み合わせて受け入れを行っております。
新たなサテライト室の整備に当たりましては、運営団体や小学校と協議を行い、場所や運営方法等の検討を進めるとともに、既に運用している児童館やサテライト室につきましても、それぞれの状況を踏まえ、スペースの拡充や設備の改善など必要な対策を講じてきたところでございます。
また、職員の処遇改善に関しましては、経験年数等に応じた指定管理料の加算を行うとともに、非常勤職員の一部を常勤職員に切りかえるなど、職員体制の充実を図るための加算を行う取り組みも進めてまいりました。
児童クラブの登録児童数は引き続き一定の水準が見込まれますことから、運営団体の方々と意見交換を重ねながら課題への対応を図り、子供たちが安心して過ごせる環境づくりに取り組んでまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。

 

◯経済局長(遠藤和夫)

私からは、消費税率改正に伴う地元中小企業への影響の把握についてお答えいたします。

本市では、産業振興事業団の相談窓口や地元企業経営者が集まるさまざまな機会を捉え、経営状況の把握に努めており、消費税の影響につきましては、一部の事業者から、税率引き上げ前の駆け込み需要の反動に伴う売り上げの減少や、複数税率に伴う経理処理の煩雑さなどの声を伺っているところでございます。
今後、本市が定期的に実施しております地域経済動向調査におきまして、消費税率改正の影響に関するさらなる実態把握を行い、引き続き地元中小企業の支援に取り組んでまいります。
以上でございます。

 

◯建設局長(小高睦)

私からは、台風第十九号に関するお尋ねのうち、建設局に係る二点についてお答えいたします。
初めに、本市の浸水対策の推進についてでございます。
本市におきましては、これまで中長期的な視点に立った整備計画である仙台市下水道マスタープランに基づき、ポンプ場や雨水幹線などの雨水排水施設の整備等を進めてまいりましたが、事業の推進には多額の費用と長い期間を要することから、いまだ整備途上にあるのが現状でございます。
しかしながら、今般の台風第19号の被害を踏まえますとより一層の取り組みが必要であるものと考えており、その際には、被害に遭われた方々の声を丁寧に伺い、いただいた情報も考慮しながら、事業の前倒しも含め、浸水対策に資するポンプ場等の施設整備を鋭意進めてまいりたいと考えてございます。
次に、河川管理と治水対策についてでございます。
七北田川や広瀬川などの維持管理につきましては、河川管理者である国や県が、堤防や護岸、水門などの河川管理施設について職員や業者による点検を行い、異常が確認された箇所については補修などの対応を実施しているところでございます。
また、河道の掘削等につきましては、国の防災・減災、国土強靭化のための三か年緊急対策により、重点的に実施をされているところでございます。
本市といたしましては、今後とも、仙台都市圏広域行政推進協議会などさまざまな機会を捉え、国や県に対し適切な河川管理と治水対策の実施について要望してまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

 

◯教育長(佐々木洋)

私からは、教育局に係る数点の御質問にお答えします。
初めに、教育職員の給与等に関する法改正についてでございます。
今般の法改正の趣旨は、一定期間の勤務日や勤務時間を定めることにより、児童生徒の長期の休業期間に休日のまとめどりを可能とするものでございます。
この制度を導入する場合においても、勤務日数や勤務時間の上限を遵守する必要があり、まずは業務の改善や時間外在校時間の縮減を行わなければならないものと認識しております。
これまでも本市では、教員の加配増や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの増員、部活動指導員の導入といった人員体制の強化を図るとともに、それに対する国の財政措置も求めてきております。
今後とも、教員の負担軽減に向けた実効性のある取り組みを進め、学校における働き方改革を一層推進してまいりたいと存じます。
次に、給食費の改定についてでございます。
近年の食材価格上昇の影響により、本市の学校給食の栄養量が低下している状況から、仙台市学校給食運営審議会において適正な給食費について審議され、答申をいただいたところでございます。
審議会には小中学校の保護者の方5名が委員として参画され、その立場から保護者負担への配慮も含め御意見が出され、議論を重ねていただきました。
今回の答申にはこうした御意見も反映されているものと認識しており、今後は、保護者の皆様に栄養量の確保等、答申内容について丁寧な説明を行ってまいります。
次に、給食費の無償化についてでございます。
学校給食法及び同法施行令では、施設設備の整備費と修繕費、人件費を公費負担とし、それ以外の経費は保護者負担とされております。
本市では、保護者負担とされる光熱水費や備品、消耗品費等に係る経費につきましても公費で負担し、保護者の皆様には食材費のみを給食費として御負担いただいているところでございます。
今後もこうした負担の枠組みを継続して給食運営を行うこととし、保護者の皆様には引き続き食材費の御負担をお願いしたいと考えております。
以上でございます。

 

◯水道事業管理者(板橋秀樹)

私からは、みやぎ型管理運営方式に対する本市の対応についてお答えをいたします。
県が検討を進めているこの方式は、改正水道法により新たに導入可能となった民間事業者の提案を受けて詳細を確定するという事業手法でございます。
現在開会中の県議会におきまして、実施方針に関する条例改正案が提案をされ、事業の大枠が示されたところであり、制度の運用面や詳細についてさまざまな議論が行われているものと認識をいたしております。
本方式は国内水道事業では初の事例であることから、市民の皆様からのさまざまな意見に対して県が丁寧な説明を行った上で進めることが必要であると考えております。
本市では、これまでも水道事業の安定的な運営への影響について、十七受水市町合同で数次にわたり県に確認を求めており、一例を挙げれば、災害時の対応では、要求水準書の案やモニタリングの基本的な考え方について一部回答がありましたが、詳細は今後示されることとなっております。
今後も引き続き、受水市町が確認を求めている事項に対しできるだけ早期の情報提供を行うとともに、市民の皆様の疑問や不安に対する丁寧な説明を行うよう、繰り返し県に求めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯高見のり子議員

再質問させていただきます。
まず初めに、台風による被災者への支援についてなんですけれども、国とか県に被災者支援をさらに求めていくというふうに言っていますけれども、今問題なのはやっぱり目の前にいる被災者をどう救うかということなんだというふうに思うんです。
今回の被害は、床上、床下浸水によって罹災証明は一部損壊が多くなっています。市内では大多数を占める1800件余りの一部損壊(10%未満)については、支援がほとんどありません。市はそのことを認識しているので、指定都市市長会の国への緊急要望には、被害認定基準の緩和や支援の拡充、国に求めているんだと思うんですね。
今、担当局の職員が、特に浸水常襲地区へ出向いて住民の皆さんの聞き取りをしております。私も何件か同席をさせていただきましたけれども、いずれもたくさんの方が集まっていて、事態の深刻さを感じています。
住民の皆さんからは、床上浸水の一部損壊でも修繕に何百万円もかかった、かかるなど、どんなに大変な被害を受けているのかが口々に語られています。若林区では、一部損壊なんですけれども住めなくなって、家そのものを解体せざるを得なくなったという、こういった事例もあります。
市は、こういった実態をつかんでいるはずなんです。市は、救助実施市になりました。これは、やはりもう救える、そういう立場だと思うんですね。独自支援、これをですね、今足を踏み出すべきだというふうに思いますので、もう一度伺いたいと思います。

二つ目に、学校給食の値上げについてなんですけれども、先ほど教育長からお話ありました。
しかし、最終的にはこれ、市長がやはりきちんと決定をしていくものだというふうに思いますけれども、決まったことを説明していくというふうなことをおっしゃっていますけれども、これではだめなんだと思うんですね。
私は、11月5日の審議会、傍聴もさせていただきましたけれども、さまざま意見もあったはずなんです。保護者に対しても、その審議会だけじゃなくてですね、保護者などにもまだまだ意見は聞いていない状況だというふうに思うんですね。ですから、審議会でもほかにもたくさん、全面的に賛成という意見だけではなかったと思いますので、ここら辺はどうなんでしょうか、お伺いしたいと思います。
それから、最後にガス民営化についてです。
先ほど市長にお答えをいただきました。今、この時期に民営化を進める必要があるんだというお話だったわけなんですけれども、それは誰にとって今の時期なのかということだと思うんですね。
安定したガス供給をやっていただくのが市民にとっては一番大事なことなんですよ。市民のライフラインであるガスは、災害時どうなるのか、料金はどうなるのかも明らかになってなくて、市民にとっては、いいことなのかどうなのかさっぱりわかりません。これで進めることは市民の理解を得られないと思いますけれども、いかがでしょうか、もう一度伺いたいと思います。

 

◯危機管理監(佐々木淳一)

本市の独自の支援策についての再度のお尋ねにお答えを申し上げます。

被災されました皆様への支援に関しましては、各局において地域防災計画に基づき、災害救助法に係る措置や所管事業に係る本市独自の支援策について検討を行い、ごみ処理手数料など各種手数料の免除や市税の減免などを順次実施をしてきたところでございます。
さらに、今回は、本市独自の見舞金の支給対象の拡大を行い、床上浸水被害があった方にも支給することとしたところでございます。
なお、災害義援金につきましても、宮城県の配分委員会において一部損壊の方も支給対象としたところでございます。
本市といたしましては、これらの支援制度の活用により、被災された皆様が一日も早く住まいと暮らしの再建ができるよう取り組んでまいります。
以上でございます。

 

◯教育長(佐々木洋)

給食費の改定に関する再度の御質問にお答えいたします。
仙台市学校給食運営審議会には、学識経験者など幅広い分野の方々に委員をお願いしており、給食費改定により必要な栄養量が確保されることを基本に、さまざまな立場から御意見をいただいております。
小中学校の保護者の委員からは、保護者の声として、子供たちの成長に必要な栄養確保のためには給食費改定もやむを得ないが保護者への丁寧な説明が必要、あるいは、栄養だけでなく食べる喜びや食育にも配慮すべきといった意見がございました。審議会では、昨年度から慎重に議論が行われ、今回の答申にはこうしたさまざまな立場からの御意見が反映されているものと認識しております。
今後につきましては、いただいた答申の趣旨が伝わるよう、保護者の皆様への周知を丁寧に行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯ガス事業管理者(氏家道也)

ガスの民営化につきまして再度の御質問にお答えいたします。

御指摘のとおり、現在につきましてはガス事業の財政状況は安定しておるところでございますけれども、市長からも答弁いたしましたとおり、関東圏や関西圏におきましては熾烈なエネルギー間の競争が起きており、これがいつこの仙台圏に来るかもわからないという状況でございます。
我々公営事業者といたしましては、ガス事業しかできないというような非常な制約がございますので、これが一旦競争にさらされて経営が非常に傾いてからということでは、民営化の道が非常に難しくなると。結果的に市民の方々に迷惑をかけるということになると考えておりまして、民営化の検討を進めるのは今だというふうに考えておるところでございます。

 

◯高見のり子議員

まずは今のガスの民営化についてなんですけれども、誰にとっていいのかというところがよくわかりません。市民は、今、安定してガス供給やっていただいて満足しておりますし、頑張っていただいているというふうに思っているわけなので、そこのところをもう一度お願いしたいと思います。
それから、先ほど危機管理監に御答弁をいただいたんですが、私が求めましたのは被災者の支援ということで、水害や台風が毎年毎年こうやって繰り返し来て、一部損壊、床下、床上浸水、こういった被災が多くなってくる中で、やっぱりそういうものに対応する新しい支援を考えなければならないんじゃないかということを言ったので、多分そこは危機管理監ではないところでお答えすることになる、市長ですね。市長、やはりそういった被災者、目の前にいる被災者をどのように助けるのか、助けるために新しい制度を創設する、そこにぜひ一歩足を踏み出していただきたいということを訴えているので、お答えいただきたいと思います。

 

◯市長(郡和子)

お答えを申し上げます。
まず、ガスの民営化の件でございますけれども、市民の皆様方にさまざまなサービスが上乗せできる、そういう機会がふえてくるということでございます。もう既に首都圏や関西圏でさまざまなサービスが提供されております。例えば電気とガスのセット販売、あるいはまた家庭の生活関連サービス、通信とのかけ合わせでさまざまなことが行われている。こういうことを鑑みて、まずは市民の皆様方のサービスの拡充ということが図られるというふうに考えているところでございます。
こういう利便性が高まることを重視した上で、市民の皆様方に御理解いただけるように丁寧に説明をしながら、メリットが実感できるような取り組みを進めてまいりたいと存じます。
それから、台風第19号での被災者に対する支援でございます。
先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、現行の枠組みとあわせて、本市独自にも判断をさせていただいた上で支援をさせていただいております。また、十分と言えないのは理解をしておりますけれども、そういった意味では、県、国に対してもさらなる拡充についていろいろと要請してまいりたいと思います。
以上でございます。
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