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花木則彰
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2023.9.26 健康福祉委員会 (花木則彰)

◯花木則彰委員  このアンケートの中でも出されているんですけれども、今の敬老乗車証制度を改めたほうがいいというところはどこなのかという設問に対して、チャージできる場所を増やしてほしいというのが43%と書かれておりました。実際、地域でもこの要望は大変大きいのです。敬老乗車証を利用されている方が今チャージできるのは、区役所と、青葉区でいえば宮城総合支所になります。そうすると、例えば私の地域、南吉成ですけれども、ここの人たちというのは、ふだんのバスとかを利用して動いている中には、この二つは入ってこないのです。わざわざどうやって宮城総合支所までバスで行けばいいのかというと、なかなか行けない。区役所についても同様の状況があります。これだけ多くの方が利用されている制度で、必ずチャージしないと乗れなくなるわけですから、もっとやはりチャージの場所を増やしてほしいというのは当然だと思います。
 ただ、こうした要望はこれまでも地域の町内会等からたくさん出されていると思うんですけれども、そのたびに、チャージをする機械を置いたり管理したりするのにお金がかかるということで断られてきております。
 実際、現在そのチャージのための機材というのは全体で幾つぐらいあって、どういう配置になっているのか、伺います。

◯高齢企画課長  敬老乗車証は、ICカードにチャージをすることで御利用いただける制度となっており、そのICカードの発行、登録やチャージを行うための機材が必要となります。
 現在、チャージのための機材については、各区役所、総合支所に合計で30台、それ以外の試験用等として2台の合計32台を配置しているところでございます。

◯花木則彰委員  区役所と総合支所等で30台ということですが、区役所が五つ、それから総合支所が二つあります。そうすると、例えば区役所に1台ではなく複数台置いているという形でしょうか。◯高齢企画課長  具体的に申し上げますと、青葉区では、敬老乗車証で2台、それからふれあい乗車証用で1台、それから予備機で2台となっております。同じように、宮城総合支所では敬老乗車証2台、ふれあい乗車証1台、それから宮城野区は敬老乗車証4台、ふれあい乗車証1台、若林区は敬老乗車証2台、ふれあい乗車証1台、予備機が1台、太白区が敬老乗車証が3台、ふれあい乗車証が1台、予備機が2台、秋保総合支所が敬老乗車証とふれあい乗車証を合わせた1台、泉区が敬老乗車証が2台、ふれあい乗車証が1台、予備が3台という状況になってございます。
◯花木則彰委員  結局、利用者の方がチャージに訪れる数が多いと、やはり当然何台かないと作業ができないということなんでしょうが、全部で32台あると言われています。これで、増やすとお金がかかるという話の関連ですけれども、この32台の機器をもっと増やすと、どういうお金がかかるのでしょうか。

◯高齢企画課長  1台増設する場合の費用でございますけれども、1台当たり500万円がかかるところでございます。

◯花木則彰委員  大層なお金ですね。例えば、青葉区でいうと敬老乗車証が2台、ふれあい乗車証が1台、予備が2台あるわけです。5台あります。そうすると500万円掛ける5台、2500万円もかけて置いているということになるんです。 あと、メンテナンスにはどのぐらいのお金がかかっていますでしょうか。

◯高齢企画課長  チャージ機材を含むICカードシステムの運用保守については、システムベンダーに委託をしておりまして、令和4年度の決算においては1847万6000円となっているところでございます。

◯花木則彰委員  このシステムについて、私はそんなに詳しく知っているわけではありませんが、高過ぎるのではないですか。こんなにかかりますか、チャージをする機械に。特に、メンテナンス、32台で1847万円ですから、1台当たり毎年60万円のお金をかけてメンテナンスをやる必要があると。1台買うと500万円かかるという話もありました。システム全体は大変複雑なものになるわけですけれども、しかしカードにチャージするというだけの機能でいうと、そんな難しい機械でもシステムでもないと思うんです。
 例えば、皆さんはSuicaだとか、いろいろカードを持っていますよね。自動販売機で、ぴっとやりますね。ジュースの自動販売機に、当然読み取りだとか、それを決済する機能がつけられる、そのぐらいの値段で本来できるはずだと思うのですが、こんなにかかっているというのは、これは健康福祉局で分かる人はいるのでしょうか、どうでしょうか。

◯高齢企画課長  敬老乗車証システムについては、単にICカードのチャージを管理するだけではなくて、そのデータを管理するためのサーバーやネットワーク機器が含まれているほか、これらはこのシステムのためのオーダーメードになってございまして、専用機器であることに加えて、例えばチャージした直後から各交通機関で利用可能とするために、交通局が所管するセンターシステムとの双方向通信をリアルタイムで行う必要がありますことから、一定の保守費用が必要となっているものでございます。

◯花木則彰委員  それは自動販売機についているものも同じですよね。ここの自動販売機で、Suicaで買いましたと。その分減りますよね。隣の自動販売機で別の飲物を買ったら、当然減った分からさらに引かれるということで、リアルタイムでのネットワークというのは当然そういうのでも入っているんです。高過ぎませんかというか、高過ぎるというふうに思ったことはないのかというのが不思議ですけれども。
 ICカード、それからデータを管理するサーバーがある、ネットワークがあるということですが、チャージということについて言えば、センターシステムにデータを送ればいいだけです。別に現金を送る必要ないわけですから、データが送られればいいだけです。それは簡単です。難しくない。ICカードからデータを読み取るのも、書き込むのも、全然難しくない。どこに発注しているか分からないけれども、ちゃんと増やそうと、それもチャージする機械だけ増やせばいいんだと、カード発行ではなくていいんです。カードを新たに発行する機能は要りません。チャージするだけの機器を増やしたいということをちゃんと伝えて、一体どれだけかかるのか、もっと下げられないのかと。真剣にこれをやらないと、こういう要望がたくさん出てきているのに、それが全然かなえられないといいますか、それを努力するのが担当局の役割だと思うのですが、いかがですか。

◯高齢企画課長  現在のチャージ機器は、先ほど御答弁申し上げた理由から、その保守に一定の費用を要するものでございますが、今後より簡便な形でのチャージ場所の増設などについても検討を進めてまいりたいと存じます。

◯花木則彰委員  ぜひ進めていただきたいと思います。
 アンケートを取って、いろんな声が出されて、その声を受けて、やっぱりいい制度にしてくということに使わないと、何のためにアンケートを取られたのか分からない。市民の側から見るとやっぱりそうなると思います。
 同様に、次に多かったのが、利用できる交通機関を増やしてほしいということで、42.4%、ほぼ同率です。JRやほかの民間バス、地域交通にという御要望がありました。私もずっと言っていますけれども、宮城交通と仙台市バスだけではなくて、例えば錦ケ丘等を走る愛子観光バスだとか、タケヤ交通だとか、そういったところでも使えるようにしてほしいというやっぱり要望は非常に強いです。
 この方々は、同じ市民で同じ税金を払っているのに、走っているバスが違うだけで、この敬老乗車証の制度を利用できないということで、非常に地域差別感があると思うんです。ですから、そういったところにどうしたら応えられるのかというのも真剣に取り組んでいただきたいと思うのですが、地域交通については、都市整備局の予算で、高齢者向けの割引制度だとかをつくられて、いろいろ努力されているのだと思うんですけれども、こういったそのほかの交通機関、昨日はタクシーにもというお話も出されておりましたけれども、こういった御要望にはどのように応える方向で検討されているのか、伺います。

◯高齢企画課長  敬老乗車証制度は、各交通事業者が導入したICカードシステムを活用して運用しているところでございますが、現在、敬老乗車証を利用できない交通機関においては、ICカードシステムを導入しておりません。
 一方で、昨年度実施いたしました市民意識アンケートにおいて、チャージ場所の増設に次いで多くの要望を寄せられた項目であったことも踏まえまして、鉄道事業者や民間バス事業者と取り得る方策とその課題について、意見交換をしているところでございます。
 また、地域交通につきましては、既に高齢者向けの割引が実施されているほか、タクシーについては新たな利用を喚起することによる事業費の増加が懸念されることを踏まえますと、実施は難しいものと考えてございます。

◯花木則彰委員  実際、来年度から導入するということになった学生向けのバスのフリーパス。宮城交通でも使えるようにすると、利用機関を増やすと、当然だけれどもやっぱり市の側が出さなければいけないお金も出るわけで、やはりそこについて、ほかの交通機関を利用できるようにしたときには、経費は上がるのは当たり前だと思うのです。タクシーだけではなくて、ほかのところでも。そういった点では、希望としては、もっと使いやすい制度にしてほしい、ほかの交通機関でも使えるようにしてほしいといった希望にどう応えられるのかということが、大きな課題になるのだと思います。
 そこで、最初に局長からもありましたが、在り方の検討の目的ですけれども、今後も持続可能な制度としていくため在り方を検討するというお話です。逆に言うと、このままいくと持続可能でないのだと、制度自体なくさざるを得ないのだということを意味しているように思うのですが、そういうふうに捉えていいんですか。

◯高齢企画課長  敬老乗車証制度の対象である70歳以上人口は、今後も継続的な増加が見込まれており、このたびの事業費推計においても令和8年度に過去最大額を上回る見込みとなっておりまして、その後も高止まりする見通しとなってございます。
 さらなる高齢化の進展に伴って、医療や介護といった高齢者施策全体に係る事業費が確実に増加していくことが見込まれる中、現状のままでは、敬老乗車証事業費はもとより、他の高齢者施策に係る事業費についても確保することが困難な状況になることが考えられたところでございます。

◯花木則彰委員  よく言われるんです、これね。持続可能な制度にするために見直すと。それで、見直すときには利用者の負担を上げる、市の負担を減らす。こういう方向で在り方を見直すのだという話です。だけれども、よくよく考えてみると、持続可能ではない、持続が不能になるというのが、どういう状況になったらそうなるのかということについて、全く示していないんです。この在り方検討の専門分科会に対しても、どうなったら持続できませんよと、だからそうならないように皆さん考えてくださいという話は、全くないですよね。そこについては示さないのですかというか、そもそも今お答えにあったように、これからどんどん経費が増えていくと確保できなくなるといいますか、お金が限られているというのは、それは確かですけれども。しかし仙台市全体の財政の中で、一体どこにどうやって予算を振り分けていくのかという当然政策判断が関わるわけで、出していただいた各政令市の比較表を見ても、それぞれいろんな制度になっていますけれども、かかっているお金も相当違います。名古屋市は95億9000万円、横浜市は126億円かかっています。仙台市は20億9000万円という、この表です。
 それで、この経費の見通しのグラフを見ても、10年たって20億円が三十数億円になるという見通しですよね。だから、いや三十数億円だったらほかのところも出しているよと、十分出していますということになると思うのですけれども、このままだとこのぐらい負担が上がるから持続できないのだという課題提起自体がおかしいのではないでしょうか。これは持続するんだと。それは、利用されて実際に喜ばれているし、効果もある大事な施策として、仙台市としてこれは持続すると腹を固めればいい話ではないかと思うのですけれども、その持続可能性、あるいは不能になる問題について伺います。

◯保険高齢部長  現在、敬老乗車証につきましては、財源の大半を一般財源で賄っておりますことから、一般的には市税をはじめとする歳入一般財源により事業費を賄うことができない状況となれば、制度として持続していくことは難しくなるものと考えております。
 さらなる少子高齢化の進展等により、歳入一般財源の大幅な増加を見込むことが難しくなると想定される一方で、増加が見込まれる介護給付等を含む高齢者施策全般に係る財源を確保していくことが大きな課題となってまいります。
 こうした状況下におきまして、敬老乗車証を将来にわたり御利用いただけるようにするためには、受益と負担の適正化の観点から、制度を見直す必要があるものと考えたところでございます。
 また、御紹介がありました他都市の状況でございますけれども、他都市におきましても、さらなる高齢化の進展を踏まえて対象年齢や利用者を見直したり、あるいは制度を廃止するなどの見直しが進められている状況でございます。本市としても、過去2回の見直しを行いつつ、制度を御活用いただけるよう持続させてきておるところでございまして、そうした観点を踏まえましても、制度を見直す時期に来ているものというふうに考えてございます。

◯花木則彰委員  財源の大半を一般財源に頼らざるを得ない、国からの補助とかはない事業ですから、当然そうなるわけです。先ほどの御説明の中に、高齢保健福祉費の中で、その占める割合が大きいのだと。そのほかの事業というのが少ないということを意味していると思うんですけれども、仙台市としては、この敬老乗車証制度を大事にして、それを高齢福祉施策の中心に据えてこれまで頑張ってきたということだと思うのです。
 それで、一般財源からの充当額をほかの市と比べてみました。それによると、名古屋市は民生費の一般財源充当額のうち、この敬老乗車証に4.2%を充てています。横浜市は3.6%、京都市は3.8%、仙台市は2.3%、そのほか下には神戸市が1.9%、札幌市が1.8%とありますが、とりわけ民生費に充てている一般財源の中で、そんなに大きな割合を仙台市がほかの都市に比べて持っているということでもない。
 さらに言うと、いわゆる民生費全体、福祉予算全体で見ますと、仙台市は歳出合計の33.12%、令和3年の決算カードで調べますとそういうふうになります。これは、この比較表が出されている15の実施している都市の中で下から2番目です。一番多いところは堺市で、民生費が45.86%を占めていますし、この15の自治体の平均は37.24%ですから、そもそも民生費、福祉の予算がそれよりずっと少ないんです。総額に対して、仙台市の財政力に対して、福祉の予算が少ない。
 もしここで、先ほど言った10年後に35億円ぐらいまでこの敬老乗車証の費用が大きくなって、その分が丸々民生費が増えたとして、パーセントがどうなるかというと、33.12%が33.36%になる。10年先まで含めて、仙台市の民生費の割合の低さというのは、これを入れたって全然順位も変わらない。びくとも変わらないぐらいの額なんですよ、十数億円というのは。
 そういう観点で、今まで守ってきた仙台市の敬老パスのこの事業を、どうやってより利用しやすいように、皆さんが活用できるように変えていくのかということにこそ、健康福祉局は胸を張って財政当局と闘ってもらわないと、減らせ減らせと言われて、いや困りましたという話をあり方検討会で皆さんにしていただいたのでは、これは福祉の増進のためにやっているのか、あるいはそうではなくて後退のためにやっているのか分からない検討になってしまうと思うのですが、局長、いかがでしょうか。

◯健康福祉局長  15都市の比較等も含めてお話しいただきましたけれども、民生費の多寡ということにつきましては、これはかつても御答弁した部分でもございますが、その都市の成り立ちであるとか、地域経済の状況などなど、都市を取り巻く環境にそれぞれ違いがあるという状況の中で、一概に仙台市と他の政令市の率が高い低いという比較というのは大変難しいものと考えております。
 本市のことで申し上げますと、先ほど来、御答弁を課長、部長から申し上げておりますが、高齢化の進展ということは、これはもう必至であるということは間違いございません。そういう中で、介護給付による事業費が増大するということも、これは見込まなければならないということもございます。そういった中で、高齢者保健福祉全体の経費というのは、これはますます多くなるであろうと。これは必要な経費の部分も当然出てまいるというふうなことがある中で、敬老乗車制度はもとより、高齢者の方々の在宅生活、住み慣れた地域で元気で送らせていただくということについての施策につきましては、我々はこれから様々打っていかなければならない。最近のコロナの動きなどを踏まえますと、フレイル予防というか、そういう在宅を支えるということについて、さらなる努力が必要であろうと考えてございます。
 そういう必要な予算をこれから確保していくに当たって、どのようにそれをやっていくかということは、これは財政当局との折衝ということになろうかと思っておりますけれども、我々としては、これまでもそういった経費については、事業費の規模を維持してきたという自負がございます。
 これからにつきましても、必要な事業費を確保していきたいという思いは、これからも持ってまいりたいと思ってございます。

◯花木則彰委員  これ以上ここでやり取りはしませんけれども、ほかのいろんな在り方の見直しなどもそうだと思うんですけれども、やはり仙台市の予算、財政力をどこに振り分けていくのかということを、この構造自体、変えなければいけない課題があるのだと思うんです。それを変えないで、今のままの割合で固定して物を考えるからおかしくなるのではないかと私は思っています。
 引き続き、敬老乗車証制度がよりよいものになるように議論していきたいと思います。

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