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第1回定例会 一般質問 吉田ごう議員(2月20日)

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質問・答弁を動画で視聴できます。

【概要】
〇長引く物価高騰に苦しむ保育現場の声を受け、さらなる支援策を
〇公立保育所の民営化はやめ、地域拠点保育所の維持発展を
〇市独日の保育士配置基準と処遇の改善を
〇会計年度任用職員ではなく、正職員採用増に踏み出せ
〇新たな特別支援保育の実践は保育現場の声に基づき進めるべき
〇第2子の保育料の完全無料化

〇吉田ごう議員

日本共産党仙台市議団の吉田ごうです。子どもたちが主役で保護者も保育者も安心できる保育施策の充実について一般質問いたします。

長引く物価やエネルギーの高騰による負担増で保育現場は苦境に追い込まれています。
宮城県保育団体連合会が県内13カ所の民間保育園を対象としておこなった物価高騰・水光熱費調査では、2021年4月から7月の4か月間にくらべ、2023年同月期は水光熱費が平均で約13万円増加し、最も負担が増えた保育園では約38万円もの大幅増になってしまったとのことです。
さらに、同じく給食の食材料費についても平均約10万円増、最も負担が増えた保育園では約51万円のものぼりました。
ある民間保育園の園長さんからは「3歳以上児の副食費として月4500円を保護者から徴収している。給食に不可欠な『主要3品目』の値上げ等、食材費高騰で経営が苦しいが、保護者負担を増やしたくはないし、子どもたちのために給食の品目を減らすなど、あってはならない。物価高騰対策として仙台市から食材料費や光熱費等への助成がおこなわれたのはありがたかったが、それでも足りない部分は保育園の持ち出しになっている。物価高騰が好転する兆しがなく、長いトンネルのゴールが見えない」との悲痛な声が寄せられています。
市として物価高騰対策はおこなったものの、それは今年度分の支援にすぎません。新年度においても水光熱費や食材料費への支援策を講じるべきと考えますが、いかがですが。伺います。

国の保育士配置基準はゼロ歳児3人に対し保育士1人、1歳児および2歳児は6対1、3歳児は20対1、4・5歳児は30対1と国際比較からもあまりに低く、抜本的な拡充が求められていたことから、保育所の職員配置基準が76年ぶりに見直されます。
3歳児では20人から15人に、4・5歳児では30人から25人に改めるとする一方、1歳児で5対1にすることを25年度以降の「早期に」「改善を進める」として先送りしたことや、ゼロ歳児・2歳児の改定を見送ったことは大きな問題です。
休憩時間や職員会議、休んだ職員をカバーできる体制など日々の保育を担う上で欠かせない体制にとどまらず、災害など緊急時に子どもの命を守るため対応できる体制の抜本的強化は急務であり、さらなる改善を国に求めるべきですが、いかがですか。伺います。

昨年の朝日新聞の調査では、約6割の自治体が独自の基準を設け、保育士の配置を手厚くしていることが明らかとなりました。政令市では横浜市の保育士配置基準は、1歳児が4対1、2歳児が5対1、3歳児が15対1、4・5歳児が24対1と配置を強化しています。
また新潟市では、1歳児6人に対して保育士1人という国の配置基準の2倍にあたる3対1保育を実現しています。
この国基準の2倍の手厚い職員配置による効果を検証すべく、新潟県私立保育園・認定こども園連盟が実験・調査をおこないました。この調査では、昼食時に1歳児を担当する保育士が子どもたち3人のテーブルと6人のテーブルでそれぞれ声をかけた言葉の数についての比較をおこないました。6人の時は平均31回でしたが、3人の時は平均64回へと増えました。
また声がけの量はもちろん、その質の面でも大きな違いがあることが明らかとなりました。子どもが6人の場合は声がけの内容も保育士が子どもに対して支持する言葉が多くなる一方、子どもが3人の場合は共感的な言葉や子どもの話を繰り返す言葉をよくかけていて、一人一人の思いや関心に寄り添うコミュニケーションを取りやすくなったということです。一日の中で長い時間を過ごす保育園で保育士から子どもに対する豊かな言葉がけを保障することが子どもの安心につながり、発達に大きな影響がもたらされるとして効果が実証されております。配置基準の拡充は保育士の負担軽減や子どもの安全のみならず、子どもの心身の発達を保障するために欠かせない施策ということです。
本市では独自に配置基準より多く保育士を配置した場合に補助をおこなう制度もありますが、全国の先進事例に学び、保育士配置基準そのものの改善と、それに伴う予算を拡充すべきと考えますが、いかがでしょうか。市長のご所見を伺います。

宮城県保育関係団体連絡会の調査では、社会福祉法人の保育士の初年度の給料は月額で低い場面で額面16万円、勤務10年目でようやく約3万円アップする程度で低い場合はまだ19万円ほどにしかなりません。以前保育士をされ、現在は離職された方からお聞きすると「30歳で月額手取り12万円。結婚し家庭を持つことは保育士を続けるもとではできないと痛感した」という声が寄せられています。
厚生労働省の保育白書でも、保育士の離職理由トップ3に「給料が安い」ことがあげられており、処遇改善は待ったなしです。本市としても、その必要性を認識し、市独自に経験年数3年未満の職員への月5000円アップ補助や保育士の宿舎を借り上げた事業者への家賃補助が2018年度からおこなわれています。
しかし、昨年本市がおこなった保育士離職状況調査によると、離職者のうち就労年数では5年未満が7割ちかくにのぼり、とりわけ3年未満が最も高く48.6%と半数を占めています。さらに年齢別では20代が55.9%と最も高く、若年層の離職率の高さが浮き彫りになりました。
残念ながら、月5000円、3年間の補助では保育士の離職に歯止めがをかける状況にはなっていません。市独自の制度を開始して6年が経ち、大変重要な支援だと思いますが、補助額の増額や対象年数の拡大等、さらなる拡充に踏み出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、保育士だけでなく調理員や事務員の方々によっても、保育現場は支えられています。しかし、本市がおこなっている宿舎借り上げ支援事業では対象外になっています。家賃支援の対象を保育現場で働くすべての方に広げるべきですが、いかがでしょうか。伺います。

ある民間保育園の園長さんからは「保育給付費でのやりくりで最終的にしわ寄せが向かうのは職員の一時金だ。物価高騰の影響を保護者に転嫁できず、基本給も減らせないため、泣く泣く一時金の減額をせざるを得ない」と悲痛な声もあがっています。
保育給付費が低すぎることが根底にあり、多くの民間保育園で人件費の捻出に苦慮されています。保育士の賃金等処遇を犠牲にして成り立っている現状を打開するためにも、保育給付費の抜本的引き上げを国に対して求めるべきですが、伺います。

市内32カ所の公立保育所における保育士の任用形態は、正職員が567名、再任用職員が19名、会計年度任用職員が218名とのことでした。
会計年度任用職員は3割近くを占め、クラス担任を受けもつなど、正規職員と同様の仕事をし、公立保育所の現場は、その皆さんによって支えられているのが実態です。保育士の会計年度任用職員の給与について政令市比較によると、地域手当込みで経験年数10年の場合、20市中18位、初任給の場合は17位という低い水準です。
非正規で不安定な立場におき、雇用の調整弁としている姿勢を改め、専門職である保育士の会計年度任用職員の処遇改善を進めるとともに、正規採用を増やすことが求められていますが、いかがでしょうか。伺います。

特別支援保育をめぐって、昨年地元紙でも大きく報道がされたとおり、預けられる環境がなく、育児と仕事の両立を諦めてきた重度障がい児保護者の皆さんから安心して預けられる環境の整備を求める切実な訴えが寄せられてきました。
こうした声にこたえ、新年度からは重度障がい児の受け入れが始まることとなり、現在は入所児童の利用調整がおこなわれています。受け入れにあたり、保育士の配置を従来の3対1に加え、2対1または1対1にするとのことで、新年度入所分では2対1保育は22人、1対1保育は10人の計32人が予定され、そのうち民間保育園等への入所予定は9人になったとのことです。公立保育所については新年度にAED設置や備品購入の予算がわずかながら付いていますが、民間保育園の受け入れについてはありません。
ご当局に伺ったところ、民間では現在の設備でも受け入れ可能である保育園でもスタートだと説明がありました。運営支援課の特別支援保育専門員「ウイさぽ」という担当者が保育園を巡回し受け入れのための相談に応じているとのことです。
保育園からの要望も聞き取って、バリアフリー改修等への支援をおこなう必要があるのではないでしょうか。今後、民間保育園の受け入れを増やしていくためには、早期に市としての支援メニューを創設し、周知すべきです。いかがでしょうか。
また、特別支援保育対象児童への加配のさらなる充実や、子どもたちにもう1人保育士を増やすためにフリー保育士の配置に支援をおこなうなど、民間保育園の体制拡充に市が役割を発揮すべきです。目玉政策にふさわしい積極的な取り組みを求めますが、いかがでしょうか。

育児・介護休業法では「育休は原則として子どもが1歳になるまで取得でき、例外的な措置として保育所等に入所できない場合、1歳6か月再延長で2歳まで延長できる」とあり、育児休業を延長する際の要件として保育所に申し込んだものの、入所が叶わなかったことを証明する、いわゆる「待機通知」を必要とされる状況があります。
仕事と家庭の両立を希望する方々の本音を探る「しゅふJOB総研」の調査によると、育休を取るとしたら2年までの園長を望む声が62.3%に、また「保育園に落選しなければ育休園長ができないルールが問題」と指摘する声が64.3%にものぼる結果となりました。
本市はこれまでも指定都市市長会などを通じて、延長制度を撤廃し、2歳になるまで取得可能とすることや「待機通知」発出にかかる自治体の事務負担軽減等を国に求めてきました。「育休制度自体を多様な働き方に対応した自由度の高い制度へ」との改善要望も提出しています。
ところが厚労省はこうした要望に応えるどころか、育休延長の認定を厳格化する方針を示し、今年中に省令を改定するとしています。今後は待機通知だけでなく、保護者からの申告書を必要とし、申告書には保育所の申し込み状況や結果について詳細な記載を求めるというものです。さらに記載内容の確認のために自治体に事実関係の照会などもおこなうとしており、保護者にとっても自治体にとっても、これまで以上に事務負担が増えることが懸念されます。
国がおこなうべきは育休延長認定の厳格化ではなく、待機通知がなくても育休期間を選択でき、2歳になるまで取得が可能となるよう、育児・介護休業法を見直すことです。世論に逆行するような国の姿勢に対して全国の自治体と一丸になって、さらに声をあげるよう求めますが、いかがですか。

2019年10月から始まった幼児教育・保育無償化にともない、それまで保育料に含まれていた給食のおかずや、おやつ代にあたる副食費が実費徴収となりました。仙台市内では3歳児以上児で月額4700円を目安として、施設がそれぞれ定める学が保護者負担となっています。
全国では副食費を無償化する取り組みがひろがっており、秋田県では半数以上、徳島県では4割以上、東京都でも4割近くなど、全国各地で少なくとも100を超える自治体が無償化に踏み出しています。
多くの自治体で「給食は保育の一環であり、子育て世帯の支援を図る」ことはもちろん「各保育施設での徴収事務の負担軽減」のために助成をおこなっています。これまでも会派として求めてきましたが、本市としても副食費の無償化に踏み出すべきです。いかがでしょうか。
合わせて幼保無償化というのであれば、国が副食費を無償化の対象から外したことも問題です。主食・副食費も含めて無料にし、文字通りの幼保無償化を実現できるよう国に求めるべきです。いかがでしょうか。

最後に多子世帯等の保育料について伺います。
本市では国の基準に基づき、保育利用(2・3号)の3歳未満児の保育料は保護者の所得に応じて第2子の保育料を原則半額に、第3子を無料とする軽減措置を実施しています。
しかし、その軽減措置の算定対象に含められるのは「保育施設等を利用している未就学児に限る」としています。このため、第1子が就学すると第2子が実質第1子扱い、第3子が実質第2子扱いとなり、保育料の半額や無料の措置の対象となる、いわゆる「きょうだいカウント」の問題に直面することになります。
共働き世帯が増加し「育休から復帰してすぐに再び産休を取りづらい」「不妊治療のすえ、第2子をようやく授かった」など、年の差のあるきょうだいの場合には支援を受けられないという状況です。そもそも少子化になっているもとで、多子世帯の経済的負担を軽減しようと制度が設けられているにも関わらず、家族にとっては他ならぬ第2子なのに「上の子が小学生なら第1子扱いなんですよ」という説明に子育て世帯の理解は得がたいと考えます。第2子なら第2子、第3子なら第3子として、まっすぐ支援することが必要ではないでしょうか。
全国では、保護者の所得やきょうだいの年齢制限を設けないという自治体や、国の制度に上乗せする形で第2子以上の保育料を無償化する自治体が次々に生まれています。川崎市では、この春から第1子の年齢制限を撤廃することに加え、保護者の所得等の制限をなくして保育料を減免する措置に踏み出しています。政令市では他に静岡市や福岡市、北九州市等で同様の制度がおこなわれています。
本市でも、きょうだいの年齢制限を撤廃し、第2子の保育料を無料化するなど、子育て支援を思い切って前に進めるべきですが、いかがでしょうか。
最後に市長に伺って私の第一問といたします。

〇市長(郡和子)

ただいまの吉田ごう議員のご質問にお答え申し上げます。

特別支援保育の受入れ促進のための支援についてでございます。
私は、すべての子どもが障害の有無にかかわらず健やかに育つことができることはもとより、多様な個性のある他者との関わりを学びながら、思いやりの気持ちを育むことが重要と考えております。
こうした認識の下、これまで重い障害を理由に保育施設を利用できなかった児童をお預かりをして、集団生活を通じて心身の発達を促すことができるように、特別支援保育の対象を重度障害児まで拡充することといたしました。
令和6年度当初の受入れ開始にあたりましては、特別支援保育において主導的な役割を担ってまいりました公立保育所を中心に、その体制を整備したうえで受け入れることとしたところでございますが、今後更に受入れ拡充にあたっては、民間施設の協力が不可欠でありますことから、事業者の皆様のご意見等も伺いながら、環境整備に必要な支援について検討を進めてまいりたいと存じます。

〇総務局長(佐野直樹)

私からは、保育士の処遇等についてお答え申し上げます。
本市ではこれまで保育現場のニーズ等を踏まえ、必要な正職員の確保に取り組んでおり、新年度においても特別支援保育の拡充に向けた増員を予定しております。
あわせて業務の内容等に応じ、会計年度任用職員の活用も行ってきたところですが、その給与は正職員の給料表を基礎としつつ、保育士については国による処遇改善のための措置を踏まえて今年度から引上げを行うなど、この間も適時に処遇改善を図ってきており、引き続き職責に応じた適正な処遇と必要な人員体制の確保に努めてまいりたいと存じます。

〇子ども若者局長

私からは、市長が答弁された以外の保育施策の充実に係る一連のご質問についてお答えをいたします。

はじめに、物価高騰に対応した事業者支援についてでございます。
この間、本市におきましても物価高騰対策として、国の重点交付金を活用しまして事業者向けに支援を行ってまいりました。
新年度におきましても物価の状況や国の動向等を踏まえながら、必要な対応を検討いたしますとともに、引き続き国に対して事業運営に必要となる公定価格の見直しを適切に実施するよう要望してまいりたいと存じます。

次に、保育士の配置基準についてでございます。
保育の質や保育士の労働環境を向上させるためには、保育士の配置基準を見直し、一人の保育士が保育できる児童の数を引き下げることが有効であると考えておりまして、これまで指定都市市長会や仙台市独自要望など様々な機会を捉え、国に対し要望を行ってまいりました。
保育士の配置基準につきましては、国の責任において検討すべき事項と考えておりますことから、引き続き要望を行ってまいりたいと存じます。

次に、若手保育士等の処遇改善に向けた補助制度についてでございます。
保育所で働く若手職員の離職を防止するためには、賃金など待遇の改善が特に重要であり、昨年12月には、5.2パーセント程度の人件費を引き上げる公定価格の改定がなされたところでございます。
本市におきましては、独自に保育士等就労スタートアップ事業費補助金や保育士宿舎借り上げ支援事業を実施しているところでございますが、さらなる拡充につきましては、国における公定価格の改定や処遇改善加算の実施状況も見極めた上で検討すべきものと考えてございます。
また、宿舎借り上げ支援の対象職種につきましては、とりわけその人材確保が喫緊の課題となっております保育士への支援を重点的に行っているところでございまして、保育士の就労定着に向け当該事業を活用いただけるよう、より一層の制度の周知と利用促進に努めてまいります。

次に、給付費の引き上げについてでございます。
本市におきましては、保育の質・量の充実に向けた給付費を確保するため、これまで指定都市要望や市独自要望におきまして、給付費を引き上げるための要望を継続的に行ってきたところでございます。
昨年12月に策定されました「こども未来戦略」に基づきまして、人件費部分を中心に給付費が大幅に増額されておりますが、依然として保育士給与は他職種と比較して低い水準にあるため、引き続き国に要望してまいります。

次に、民間保育施設の人員体制の拡充についてでございます。
本市におきましては国の配置基準以上に保育士を配置した場合、あるいは特別支援保育対象児童の受入れのために保育士を増員する場合など、民間保育施設での人員体制の充実に向けて独自の助成を行ってきたところでございます。
今般の特別支援保育における重度障害児の受入れ拡充にあたりましても受入れに必要な保育士数に応じて助成を行うこととしているところでございまして、今後とも、安心安全な保育の提供に必要な人員体制が確保できるよう対応してまいります。

次に、育児休業の見直しについてでございます。
育児休業につきましては、育児・介護休業法におきまして、保育施設等に入所できないことを理由とした離職の防止等を目的に最長2歳までの延長が可能となってございます。
一方で、育児休業の延長には待機通知の提出が必要なことから、真に保育が必要な方の利用調整に支障が出る等の課題も生じてございまして、指定都市市長会などを通じて国に改善を求めてまいりました。
国からは今年度中に見直し方針を示すとの回答がなされておりますことから、国の見直しによる利用調整に係る事務負担、この影響等について注視してまいりたいと存じます。

次に、副食費の無償化と国への要望についてでございます。
副食費につきましては、在宅で子育てをする場合にも生じている費用ということで、幼児教育・保育の無償化の実施の以前から保護者負担とされてきた経緯がございますことから、国の制度では無償化の対象から除かれているところでございます。
一方で、所得が低い世帯や第3子の副食費の免除など、配慮が必要な世帯に対しまして、負担軽減が図られる制度となってございますので、本市といたしましては、引き続き、国の制度に沿って、主食費の取扱いも含め、適切に実施してまいります。

最後に、多子世帯の保育料についてでございます。
少子化と人口減少が進展する中にあって、経済的にも身体的にも様々なご負担がある子育て世帯に寄り添った支援が必要であるというふうには認識してございます。
本市におきましては、国の基準同様、第2子について半額減免、第3子以降は無償化するとともに、第2子の保育料につきましては、一定の所得以下の世帯について、市独自でさらに軽減を行っているところでございます。
本市といたしましては、国に対し統一的な拡充に取り組むよう、これまで指定都市市長会等を通じて要望しているところでございまして、引き続き国に要望してまいります。

〇吉田ごう議員

ご答弁、どうもありがとうございました。3点ほど再質問させていただきたいと思うんですけれども、まずは職員の配置基準ですが、市独自で拡充をやらなければいけないと、これ待ったなしで是非やるべきだと求めてきたんですけれども、国の責任でやってもらうということで、その要望をしていくという話にとどまっていました。
ひとつ、ちょっと実際の現場の声を紹介しようと思うんですけれども、宮城県民間保育園経営勉強会というのがありまして、その皆さんがおこなった、コロナ禍における保育、この実態がどうだったかと。その実態把握調査をして、その報告会があって、それに参加をしました。その中である保育士さんから「普段は、いわゆる手のかかるこどもに、どう声がけをしようかとみんなで話し合い取り組んでみたと。図らずもコロナで出席の子どもが少なくなってみると、いわゆる手のかかる子だけではなくて、一人一人の子どもみんなに声がけができるようになりました。子どもたちにとっては、こうした保育こそ必要だと実感した」というお話がありました。ゆとりのある保育は日常的に、当たり前になるように配置基準の見直しはこれ絶対に必要だと考えます。
政令市の半数以上がもうすでに独自に配置基準を拡充してますし、そのうち9つの都市では1歳および2歳児の基準についても拡充をしております。第1問でも指摘をさせていただいたとおり、今回の国による基準の改正は、3歳児および4~5歳児のみ対象とする極めて限定的なものであって、現場の声にこたえ、子どもたちの発達を保障する、あるべき保育の姿からは程遠いものと言わざるを得ません。
我々大人と違う点として、この乳児期の子どもたちにとっての1年はとても長いものです。言うまでもなく。「国待ち」の姿勢ではもうだめだと、今すぐ市独自で配置基準拡充へと舵を切るべきだと考えますけれども、再度伺いたいと思います。

2つめなんですけれども、処遇改善についてです。
まあ一言でいって、更なる拡充はおこなわないという答弁だったと思います。
離職防止、スタートアップ家賃補助はやってきたと。あと加算もあったということなんですけれども、それが実際に今、どんな状況で表れているのかというのを見たいと思うんですね。ご当局に、市内の保育士養成校の実入学者数について調査をしてもらいました。そうしますと令和5年で定員割れの76.8%となりました。保育士を目指す学生さんの減少が進んでいることが明らかとなり、保育職を選ばずに一般職に、養成校を出ても選んでいる学生さんが多くなっていると聞いています。
新年度予算案では、人材確保のため、求人サイトへの掲載、また就職説明会の取り組みを強化する「市立保育所等魅力発信事業」が計画をされております。魅力発信はもちろん大事なんですけれども、いくら保育士の仕事の魅力を紹介したとしても処遇が低すぎるという根本的な問題、ここが改善されない限り、離職者も減らないし、この保育士を目指そうという学生さん、若者も増えないのではないでしょうか。今までいろいろやってきても、今こういう状況だと定員割れもしてるし、離職も若い方で増えてるし。やっぱり市独自の処遇改善の拡充、家賃支援の対象拡大、やっぱりこれ早急に必要だと考えますので、再度ご答弁ください。
保育士さんからやっぱり夢を語れないと、仕事はこの素晴らしく魅力があるんだけど、実際働いてみると処遇が低すぎる、あまりにきつすぎる、こういう声が出てるんで、是非受け止めていただければと思います。

あと3点目が多子世帯への保育料の無料化ですけれども、これもまた国に拡充を求めていくよう要望していくというお答えのみでした。言うまでもなくですね、多子世帯の場合は、これまで未就学児だった第1子が小学校に入学したとして、もちろん就学に伴う出費も新たに発生するわけですから、経済的負担が軽くなるわけではありません。きょうだいの年が近い場合と一定年齢が離れた場合に、なにか違いがあるんでしょうか。子どもが自立するまでにかかる経済的負担はまったく同じです。多子世帯への支援の目的は、子どもが2人、3人いる場合に2倍、3倍とお金がかかってしまうことのないように、負担を軽減することではないでしょうか。このもともとの本質にぜひとも戻ってもらうというか、その通りにやってもらいたいと。そうであれば年齢制限を設けるのではなくて、まっすぐ第2子、第3子として子育て世帯に支援をすること。これを求めているのですから、直ちに決断すべきだと考えます。再度伺います。

〇こども若者局長(白山幸喜)

3点のご質問にお答えさせていただきます。

まず、はじめに、保育士の配置基準、独自にという部分で仙台市独自に踏み出さないのかという点についてでございます。
議員のご質問の中にございましたけども、配置基準の見直しということは、たしかに保育士の労働環境だけではなくて、子どもとのかかわり、そういう意味では保育の質にもかかわるものであるという認識は我々も同じでございます。 
ただ、そういう意味で昨年の6月にはですね、市長から直接内閣府の少子化対策担当大臣にも、要望をいただいているところでございまして。我々としてはまずは引き続き、そうした機会を捉えて、国の要望を重ねてですね、基準を見直しされるように努めてまいりたいというふうに思います。

次に処遇改善、スタートアップ、家賃補助等でございますけども、こちらにつきましても、やはり保育士の処遇改善、今の状況は我々としても満足いくものではない、そういった待遇を改善していくことが、保育士の早期の離職の防止のみならず、これから保育士になっていただこうという若い方々にとっても大事なことであると、その認識は我々も同じでございますが、まずは、国の方で統一的な基準をさらに上げていただくということが、我々としては基本と考えておりまして、引き続き、こちらについても国に要望を重ねてまいりたいというふうに思います。

最後に多子世帯の保育料の無償化の部分でございます。
多子世帯の保育料の無償化の部分は、議員の質問の中にございましたけれども、少子化が進む中にあっても、2人目、3人目と産んでいただくという意味でも、そういった経済的な負担、これを軽減していく上でも有用な施策の一つであるとは考えてございますが、きょうだいの年齢制限の撤廃、例えば第2子保育料の無償化を実施するだけでも、相当の財源を仙台市としても生み出さないと実施ができないという課題もございます。そうした点も含めると、やはりこれもまずは国において統一的に制度を構築していただくのが第一と考えておりまして、引き続き指定都市市長会を通じて国に要望してまいりたいと存じます。


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