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敬老パスの負担増が利用抑制を強いている

(2014年10月議会 決算審査特別委員会 ふるくぼ和子議員の質問)

◯ふるくぼ和子委員 敬老乗車証交付事業について伺っていきたいと思います。決算年度の利用対象者数、そして利用者数、利用件数について、それぞれ1年間の合計数でまず最初にお伺いをいたします。

◯高齢企画課長 敬老乗車証の平成25年度の交付対象者数につきましては、16万5415人で、交付を受けた人数は10万2979人、利用件数は1180万5986件でございます。

◯ふるくぼ和子委員 同じく現行制度が始まる前年、丸1年間旧制度で実施をされていた2011年度の利用対象者数と利用者数、利用件数がどうだったのかについても伺いたいと思います。

◯高齢企画課長 2011年度、平成23年度でございますが、こちらの交付対象者数は15万4153人で、交付を受けた人数は10万6384人、利用件数は1334万7636件でございます。

◯高齢企画課長 2011年度、平成23年度でございますが、こちらの交付対象者数は15万4153人で、交付を受けた人数は10万6384人、利用件数は1334万7636件でございます。

◯ふるくぼ和子委員 利用対象者数、70歳以上の高齢者人口、これは当然ふえていて、それに合わせて利用者数もふえているけれども、利用件数は減っているということが今の数字からわかると思います。  あわせて利用額についても伺いたいと思いますが、決算年度の利用額、そして始まる前の2011年度の利用額もどのようになっているのか、伺いたいと思います。

◯高齢企画課長 運賃ベースの利用金額ということになりますけれども、こちらにつきましては平成25年度が26億7508万1000円、2011年度、平成23年度は31億3612万6000円となっております。

◯ふるくぼ和子委員 ここで、パネルでお示しをしたいと思います。数字だけ聞いていてもなかなかわかりづらいと思いますので、グラフにしてみました。この緑色の棒グラフは利用対象者の人数です。高齢者のほうが人口が当然ふえているので、ふえている。ところが、利用された件数も金額もずっと減っていると、こういう関係になっているということがわかります。  このことを踏まえまして次に伺っていきたいと思いますが、現在の制度、上限12万円の1割負担という制度設計を立てた際の事業費では決算年度で約17億7600万円という試算をしておられました。しかし、実際にかかった事業費をお伺いをしたら14億2534万円ということだそうです。17億と14億という関係。これは、大きな乖離が生じているわけですけれども、現行制度導入の際にはこの制度が持続可能な制度として維持するという目的で制度の改悪が行われたということになるかと思うんですが、そうすると、この決算に対する評価というのは事業費は減ってよかったという考え方になるんでしょうか。

◯高齢企画課長 歳出から歳入を差し引いた平成25年度の事業費につきましては、制度見直し前に試算をした事業費よりも少ない決算となってございます。これは、見直し前の第一種敬老乗車証、無制限でございましたが、こちらの無制限であったときの利用と異なりまして、今回、上限額の範囲内での利用を心がけるなど、利用に際して慎重になったという部分もあったのではないかというふうに考えております。  当時の試算におきましては、この制度を持続させていくためおおむね10年先でも見直し前と同程度の事業規模となるよう制度を見直したものでございまして、単年度ごとの評価を前堤としておりませんが、今回の事業費の減少につきましては制度見直しの目的に沿った結果というふうに考えてございます。

◯ふるくぼ和子委員 期待どおりだと、その前段には利用が慎重になったと、みずからで皆さんが利用しなかったことが結果としてよかったという関係を示されたわけですけれども、70歳以上の高齢者の人口は、何度も繰り返しますが当然増加しています。つまり交付対象者がふえている。ところが、決算年度の事業費というのは前年よりも少ない。利用件数も利用額も減っている。こういう関係ですから、これは明らかに敬老乗車証制度の役割が減退してきていることを示しています。  敬老乗車証条例の第1条、目的には敬老乗車証を交付することにより高齢者の社会参加を助長し、もって高齢者の福祉の増進を図ると書いてあるわけですけれども、高齢者がふえているのに利用者は減る。これは、社会参加を助長するというこの目的との関係で助長するものになっていると言えるでしょうか、伺います。

◯高齢企画課長 敬老乗車証制度は高齢者の社会参加を促進する手段の一つとして実施しているものでございます。昨年度利用者を対象に実施したアンケートの結果からも敬老乗車証をお使いいただくことにより引き続き買い物であったり、趣味、サークルなど、社会参加に役立てているという回答結果が出てございますので、そういったことで目的に沿った形で役立てていただいているものというふうに考えております。

◯ふるくぼ和子委員 上限額をかけるということは役立てている額も減らしているということですから、何回か回数を減らすとかいうことになっているので、とてもではないけれどもそういう評価というのは本当に誤りだというふうに私は思います。  もう一つ、目的の中に敬老乗車証、高齢者の福祉の増進のためということも言われています。これどうやって見ても、目的と逆の方向で施策が進められているということがあらわれています。というのは、対象となる高齢者人口がふえれば元気な高齢者もふえます。元気な高齢者がいつまでも元気で健康に過ごすことができるようにと、それで社会参加を助長して引きこもりだとか身体機能の低下とか、こういうことも防ごうと、敬老乗車証で安心して外出をしてもらうと、こういうことが福祉の増進ということではないでしょうか。利用額に制限をかけて、1割負担をさせるというふうになった制度は市が目的としているものとかけ離れているというふうに思いますけれども、違いますか。

◯高齢企画課長 高齢化の一層の進展が見込まれる中、敬老乗車証につきましては高齢者の社会参加を促進する本市の高齢者福祉施策の重要な柱の一つでございます。この制度を将来にわたって活用していただくということを目的として、現行制度への見直しを行ったものでございます。

◯ふるくぼ和子委員 いろいろと言われますけれども、私はこれやはり市が事業費を減らすための制度にしかなっていないというふうに思うんです。それが証拠に敬老パス、これで乗り継ぎ割引はしないというんです。その理由を当局は、既に割引を受けている敬老乗車証だからというふうに言います。これは単なる乗車料の割引制度としてしか見ていないという、こういう本音がちゃんと出ているという証拠じゃないでしょうか。結局、どうやってお金を出さないようにするのかという方向の検討しかしていないということだと思います。  実際に伺いますが、高齢者1人当たりの敬老乗車証の経費について伺っていきたいと思うんですけれども、過去の5年間の敬老乗車証交付事業の事業費決算額をお示しをいただきたいと思います。

◯高齢企画課長 過去5年間の歳出から歳入を差し引いた事業費の推移でございます。まず、平成21年度は19億2848万3000円、平成22年度が18億4393万9000円、平成23年度は19億901万3000円、平成24年度は17億1052万円、平成25年度は14億2534万8000円というふうになってございます。

◯ふるくぼ和子委員 どんどんと減っているということが、数字を聞いてもわかります。グラフをまたここで示したいと思うんですけれども、これを対象人口、あと利用人口で割った数字です。1人当たりの敬老乗車証の費用となるわけですけれども、この上の青いほうのグラフが実際に利用していらっしゃる方の利用者数で今の事業費を割った数です。1人当たりの額。ごらんになって、もうどどんと下がっているわけですけれども、どんどん減ってきています。政令市で比べて、ただでさえ少ない仙台市の高齢福祉費ですけれども、この敬老乗車証という事業一つで見てみると2009年には1万9000円でした。5年間さかのぼって一番最初に紹介していただいた金額で割ると1人当たり1万9000円。ところが、制度導入の年にぐんと下がって、そして決算年度では1万3800円まで下がっています。これ対象高齢者、例えば高齢者全員の数で割るとたったの8,600円までその費用は下がってくるという関係です。  この制度を導入する際に市長部局の皆さんを初め、高額の利用者がいて困るというようなことまで言って利用上限額を設定をしてきましたけれども、市が市民に出している費用というのはこれで見てわかるようにほんのわずかです。市長はこの表を見てどうお感じになるのか、ぜひ伺いたいと思います。

◯市長 高齢者の敬老乗車証の制度の見直しに当たりましては、私どもこれは高齢の皆様の社会参加促進のための一つの重要な事業であると。しかしながら、対象となる高齢者の方が年々増加をしていく中で今後ともその制度を持続的に運用していくためには一定の制度の改正が必要であろうと、このようなことで御提案を申し上げ、議会でもさまざまな御議論を経てそれをお認めをいただいたというふうに考えているところでございます。  ただいまお示しいただきました数字につきましては、そうした制度の今後の持続的な可能性についての私どもの予想するところとおおむね一致する方向が示されているものと考えております。

◯ふるくぼ和子委員 人口がふえるけれども決まった額の中で分け合いなさいと、1人当たり少なくなっても仕方がないですと、それが市長が考えてつくった制度ですよということですから、やはり高齢者に我慢を強いているというものにしかなっていないと思います。  敬老乗車証はかつて70歳になると無料で無制限で交付を受けられました。その後、最高で年間5,000円の一部自己負担の制度が導入をされて、今回の改悪で原則利用した金額の1割負担、利用上限は12万円という厳しい縛りをかけてしまいました。  全国でもこれ同じ流れかというと、違うんです。名古屋市では、仙台市と同様に高齢化社会に向けてこの事業の見直しが必要だという検討を始められて、民間のシンクタンクの会社に調査を依頼いたしました。その報告を見ますと、その中には敬老パスの効果ということでまとめられていまして、社会参加効果、健康効果、経済効果、環境効果、こういうふうにさまざまな効果をこの制度がもたらしているというふうにまとめています。  さらに、経済効果についていえば、具体的に高齢者の皆さんが外出をした際の消費額であるとか、この制度を利用することによって誘発されるという外出誘発率というものまで割り出して計算をして、この名古屋市では事業に130億円かけているということですが、316億円もの直接経済効果があるんだと、波及効果まで含めると500億円にもなるというふうに分析をして調査会社はまとめています。  仙台市でこうした効果についての分析調査というものは行ってきたのか、伺いたいと思います。

◯高齢企画課長 本市の敬老乗車証につきましては、経済への波及効果などの投資効果が数値としてどれくらいあるかという観点ではなく、高齢者の社会参加を助長する施策の一つとして実施し、御活用いただいておりますことから、御質問の効果についての分析や検討の実施については考えていないところでございます。

◯ふるくぼ和子委員 今後もやる気がないということが、今、示されましたけれども、市長、仙台市でこういう調査、分析、検討こそ必要だったんじゃないでしょうか。事実この名古屋市では、この報告を受けた社会福祉審議会の専門分科会というところで、この敬老パスが社会参加を支援する目的の生きがい施策であるんだと、まずこのことを明確にした上で、社会参加意欲を低下させる可能性があるので65歳以上という現在の対象年齢は維持をする、利用限度額や上限額を設定すること、あるいは乗車ごとの負担というのは設定すべきではないというふうにはっきりと報告をまとめているんです。そして、この審議会の報告を受けた名古屋市では現行制度のまま、65歳以上ですから、この制度のままこの敬老パス制度というものを維持していると伺っています。  こうやって社会的な効果を定量化して可視化をして、そして市民的議論で決めていくということをしている自治体というものが現にあるわけですから、仙台市でもできないはずはないんです。仙台市の敬老乗車証制度の改悪が、高齢者の社会参加意欲を低下させているということはもう明らかです。市長は、この名古屋市の取り組みと比べて恥ずかしいとは思わないのか、これぜひ伺っておきたいと思います。

◯市長 高齢の皆様への交通費の助成を実施しているという政令指定都市は、20市の中でも9都市でございます。そうした中で、対象となる方でありますとか、また利用できる交通機関の範囲など、その制度の内容はその都市都市によりましてさまざまでございます。  名古屋市の件におきましては、対象者の所得や世帯の総所得に応じて1,000円、3,000円、5,000円と三つの区分の負担となっていると承知をしております。しかしながら、大手の民間バス事業者はその対象となっておらないということと承っております。そういうことで、都市それぞれの状況があるものというふうに私は受けとめてございます。  本市の敬老乗車証制度でございますけれども、先ほども私もお答え申し上げましたとおり、民間のバスも含めました中で高齢の皆様の社会参加を支援する一つの手段という位置づけであり、これを将来にわたって御利用いただくために制度の見直しを行って現在に至っていると私自身はそのように考え、この考え方にのっとって運用を努めているところでございます。

◯ふるくぼ和子委員 都市の事情は、さまざまあるというのは当然です。それにしても、名古屋市では130億円の事業費です。人口は、227万人ですから仙台市の約2倍ちょっとです。それで130億円。仙台市は14億円ですから。名古屋市は130億、仙台の9倍にもなる額をこの事業に出しているんです。仙台市が20億円を超えるとか超えないとか、そのうち幾ら削るかなんて、そんなみみっちい小さな話じゃないんです。それどころか、それは減らしてはいけないんだと、今後のふえる事業費についても必要だと判断をしたということなんですから、仙台市の話というのは本当に私は情けない話だと思います。  仙台市は、市が自分で決めた条例で定めている社会参加の助長だとか、あるいは福祉の増進とか、そういうことにも責任を持ち切らないという、本当に残念な限りだと思います。条例の目的に沿って高齢者の社会参加が進むことを社会全体として好ましいことだと考えるのであれば、それを促す制度として、また高齢者が安心して移動できる福祉の制度として敬老乗車証を維持していくという考え方にはっきり立つべきだと思いますし、そうだということであれば最低でも上限額の設定は直ちにやめることができるわけですから、やめるべきだと思います。市長、最後にそうではないかということをきちんとお伺いしたいと思います。

◯健康福祉局長 ただいま委員が敬老乗車証制度の目的として社会参加の助長というお話をされましたが、この助長という言葉の意味を考えますと、これは助けを長ずるということで、力を添えて物事の発展とか、それから成長を助けること、いわゆるサポートすることでございまして、全てを丸抱えするといったものではございません。  本市の敬老乗車証制度は、高齢者の日常生活における交通費を全て賄うというものではなく、社会参加を助ける一つの手段として実施しているものでございます。先ほどありましたように、今後本格的な高齢社会を迎え、高齢者の方々が社会参加や健康づくりに取り組むというのは大変重要なことでございます。敬老乗車証制度は、こうした高齢者の活動を支援する仙台市の本当に重要な高齢者施策の一つでございます。今後、人口減少社会において高齢化が一層進行する中でこの敬老乗車証制度を将来にわたって維持するために、見直しとして受益者負担とともに年間利用上限額を設定したものでございまして、現状においてこの利用上限額を撤廃する考えは全くございません。

◯ふるくぼ和子委員 局長はややこしい話にしないで、しっかりと市長、正面から答えていただきたいと思います。  必要な高齢者施策の一つだと言うのであれば、今の高齢者の皆さんの健康増進、社会参加、それがどのようになっているのか、このこともしっかり調査や検討をする必要がありますよね。どれぐらいのこれまでのサークル活動や社会参加活動をしていて、この制度がどんな役割を果たしてきていたのか、それが制度が改悪されたことによってどれだけ外出控えが出てきているのか、必要な制度だと言うんだったらこういうこともしっかり責任持ってやるべきです。そういうことも検討を入れないで、この制度が必要だと言いながらどんどん後退させていくということは本当に許せないと思います。  持続可能とか制度を維持とか、聞こえは大変いいですけれども、何のことはない、目の前にいる高齢者の社会参加も福祉もないがしろにすると、それを将来にわたって続けるという意味ですから、本当に問題です。上限額の設定は高齢者に敬老乗車証を安心して使うことを許さないものにしていること、これはもうはっきりしているわけです。財源がないんではないんです。この分野で使う必要性を認めていないから使わないような制度設計にしていると、こういう関係であることは明白です。無料だった制度に戻すのが本来の高齢者の社会参加と福祉の増進だと、このことを重ねて強調して終わりにしたいと思います。
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