(2019年10月1日 すげの直子議員の一般質問から)
先日、本市の定時制課程のある市立高校の、仙台工業高校、仙台大志高校にうかがってお話をお聞きしてきました。
定時制課程のこれらの学校は、いまや、勤労学生だけではなく、いろんな背景を抱えた子どもたちの成長の場としての役割を果たしています。
複雑な家庭環境やそれまでの育ちの中で傷を負った子、不登校など集団生活の中で自分の居場所が見つけられずにいた子、外国籍の子や、発達障害をもつ子どもたちも多く通っているとのことです。そういう子どもたちが、時間をかけても学校に通えるようになり、居場所を見つけて伸びていく姿を見るのは喜びであり、「伸びしろのある子はたくさんいるんです」という先生の言葉が印象的でした。
ものづくりを支える人材育成に力を注ぎ、本格的な実習の中で資格取得も可能な仙台工業高校、単位制で自分のペースで学ぶことができる仙台大志高校。それぞれの特性と、一人ひとりに向けられる先生方のまなざしと丁寧な指導が、生徒たちの中にある自己肯定感や誇りを取りもどす場所になっていること、ここでの学びや人とのかかわりの中で、自分に自信をつけて社会へと巣立っていく重要な場所になっていることを、感動をもってお聞きしてきました。
二つの市立高校が果たしている役割についてのご認識を、改めてうかがいたいと思います。
定時制高校を支援していこうと、本市には仙台市立高等学校定時制教育振興会があり、毎年、市への要望を行っていますが、大志高校の独自の要望として、調理室の施設改修が寄せられています。私も白いエプロンを着て、帽子やマスクをして中まで見せていただきましたが、施設が大変古く、ボイラーが何の囲いもなくむき出しになっていて、栄養士さんも技師さんも、こんな状態の学校は初めてですと口をそろえて言っていました。夏は暑く冬は寒く、古い施設ながら、職員の方々は、生徒たちに栄養のあるおいしい給食をと工夫しながら毎日提供しています。佐々木教育長もこの調理室については、直接足を運んで、やはりエプロンマスクもして、現場も見ていらっしゃると伺いました。改善が待たれています。先送りせず早急に改修することが必要だと思いますが、いかがでしょうか。おこたえください。
現場の先生方は「生徒の中にある能力を発掘して、成長につなげ社会へと送り出す」その日々の様子や、時にある苦労さえも何でもないことのように語っておられました。それでも、生徒や家庭が抱えてきた困難を考えると、より丁寧なかかわりが求められる場面も多いのだろうと感じてきました。
時には、修学支援の手続きをとるためにも時間をかけるなど、保護者との信頼関係の構築にも心を尽くしているとのことでした。
外国籍の生徒もいることから、保護者とのコミュニケーションなどを含めて、様々な場面で必要とされる要望に柔軟にこたえていくことが、生徒の学びや成長をより豊かにしていくことにつながります。通訳の派遣や就職支援員の継続など、必要な人的配置を含めて、その時々に求められる要望には、機敏に、しっかりとこたえていくことを最後に求めうかがって、第1問といたします。