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一般質問 高見のり子議員 (9月15日)


【概要】 宮城県美術館の存続を。
     コロナ禍のもと、文化芸術を守り育てる






◯高見のり子議員

日本共産党仙台市議団の高見のり子です。長期化する新型コロナウイルス感染症拡大の中で多くの市民が苦しみ、疲弊しています。コロナ禍を希望をもって生き抜くために、未来につながる文化芸術の支援について一般質問いたします。
仙台は楽都と同時に劇都といわれ、長い文化芸術の歴史を持っています。
休館していた、せんだい演劇工房10BOXが7月から利用開始され、在仙の俳優 渡部ギュウさんと松崎太郎さんのコメディーを市民が楽しんだという報道がありました。感染対策を行い、座席は半分までという制約の中、関係者の努力があり、10BOXも徐々に利用者も復活しつつあることを伺っています。
その後、渡部ギュウさんは俳優たちが劇場を飛び出し、飲食店を舞台に食と文化と演劇をつなぐ「仙臺まちなかシアター」を主催し、歩みを止めてはならないと精力的に演劇活動を再開しています。
また、劇団四季出身の梶賀千鶴子さんが芸術監督を務める「SCSミュージカル研究所」のミュージカル「いづい らいふ」が9月19、20日の両日、市福祉プラザで上演され、動画配信もされるということです。「不自由な状況でも人それぞれ生きることに役割があるというメッセージを今こそ伝えたい」と意欲的に取り組んでいるそうです。
「魅知国定席 花座」は2010年に開業、落語、漫才やマジックショー、和太鼓、津軽三味線など園芸で「笑って幸せ」になれる場として市民に愛されてきました。
1979年に開業し、約40年間、今では東北で唯一のうたごえ喫茶となる「うたごえの店バラライカ」はサンプラザの一角でうたごえ文化を花咲かせています。
日常の苦痛を忘れさせてくれ、人生を豊かにしてくれるのが文化芸術です。
2006年に始まり14回目となる「仙台クラシックフェスティバル」「せんくら」がコロナの影響で中止になったことで「楽都仙台」の音楽文化を何とかつなげようと「音楽はきっと、チカラをくれる」とクラシックエール仙台と題する音楽イベントが10月に日立システムズホール(青年文化センター)で行われる予定です。昨年まで街中がクラシックの音楽に溢れた「せんくら」の灯を絶やさないために会場を限定しての開催です。
市はコロナ禍においても文化や芸術が大切だと、こういったことを積極的に取り組まれていると受け止めていますが、市長の認識を伺います。

クラシックといえば、仙台市にはプロのオーケストラ、公益財団法人仙台フィルハーモニー管弦楽団があります。大人も子供も身近にクラシックと触れる機会を与えてくれる、かけがえのない大切な文化財産ともいえます。
市は外郭団体としてこれまでも深く関わってきましたが、仙フィルの運営はコロナ以前から厳しい状況が続いていました。文化庁からの助成金も、2002年に1億円あったものが、2019年には4分の1の約2700万円に減っています。
団員の皆さんの給与も、生活を支え、演奏力を高める保障が必要なのに、2015年度からボーナスが減額されているそうです。団員のモチベーションにも大きく影響するのではないかと心配です。
2019年度仙台市外郭団体経営評価シートを見ると、仙フィル自らの総括では「オーケストラ演奏を通じて多くの方々に音楽のすばらしさを届けることができた、仙台市内にとどまらず震災で被災した東北各地に展開、復興支援を行った、また、ジュニアオーケストラの指導に当たるとともに、仙台市内の小中学校での演奏にも力を入れた、今後も楽都・仙台の推進に貢献していく」と市の音楽芸術の振興に大きな役割を果たしていることが分かります。
しかし、こんなに頑張っているのに、文化観光局のコメントは「効率的、効果的な事業運営体制の構築や、楽団員数の適正化を中心とした経営改善など、経営健全化に向けた新たな取り組み」を進めるとしています。
コロナ禍であるからこそ、これまで以上に役割が期待されているときに、市民に音楽を通して希望を与えるどころか、これでは団員そのものが希望を失ってしまうコメントです。
今、新型コロナウイルス感染症の影響が追い打ちをかけるように、定期演奏会等が中止を余儀なくされるなど、仙フィルは苦境に立たされています。何よりも「演奏するなということは呼吸するなということだ」という団員の言葉は、コロナ禍での苦悩を表しています。
市は団員を励まし、仙フィルの発展のために、今まで以上に具体的な支援策で支えることが大切だと思いますが、いかがでしょうか。

オーケストラの高い演奏レベルを追求するには、よき指導者が必要だと言われています。かつて仙フィルには、常任指揮者だけでなく、音楽総監督として芥川也寸志さん、音楽監督として外山雄三さんなどが活躍をされていたこともありました。アフターコロナを見据えて、思い切って世界で活躍している若い音楽家も視野に入れて、音楽監督を迎えられるよう、市は具体的な支援をしてはいかがでしょうか。
 
国はコロナ支援として、「文化芸術活動の継続支援事業」という、活動の再開・継続に向けた積極的な取組に対して補助を出しています。
この事業予算は全体で509億円ですが、9月4日時点で申請件数は2万2250件、交付決定は4981件、金額はわずか13億8000万円にとどまっています。インターネット上で配信する公演は補償しますが、CD作成には補助しないなど、大変分かりづらいという問題点も指摘されています。文化芸術に携わる皆さんが使いやすい支援になるよう、国に対して強く求めるべきです。伺います。

ドイツ政府は、新型コロナウイルス感染拡大に際し、「一度失われたものは早急には再建できない」として、補償を含む数十億ユーロ(数千億円)規模の文化芸術への支援策を決めました。グリュッテルス文化大臣が「芸術は人間の生命維持装置」と言ったそうです。
「泣き、笑い、憎み、怒る」というような人間の自由な表現活動が、生きることの喜びにつながるとも言われています。ところが、日本の文化芸術への支援はもともと乏しくて、国家予算に占める割合はフランスの9分の1、韓国の10分の1です。国に対して芸術文化で働く人たちへの支援の増額を求めるべきですが、いかがでしょうか。伺います。

音楽や演劇などをなりわいとしている皆さんの生活も大変です。
8月にピアノリサイタルを行った方は、仙台市のガイドラインにのっとり感染対策を行い、観客も300名定員のホールに50名とし、検温、アルコール消毒を徹底し、実施しました。「音楽家として自分ができることは何かと考え、コロナ禍でも自分の演奏を楽しみにしてくれている人たちに、2次、3次の感染が心配される冬を迎える前に届けようと考えた」と開催を決意した思いを語ってくださいました。
客席数を半分以下にすれば、演劇などは上演すれば確実に赤字だといいます。照明、音響プラン料、移動交通費、運搬料、宿泊費、舞台設営アルバイト代、受付スタッフアルバイト代などの費用もかかります。
ホール使用料は市のガイドラインに沿って開催される催しには減免がありますが、照明、音響などホールを使用するのに欠かせない附帯設備には減免がありません。
これらも減免対象にすべきです。いかがでしょうか、伺います。

6月に、宮城県内の文化芸術に関わる有志一同による、新型コロナウイルスの影響に関する実態調査が行われました。
実演家、創作者、制作者、技術者等個人と団体、事業所が対象で、合わせて407件が回答し、その不安や窮状を訴えました。
回答者の約92%が新型コロナウイルスの影響で企画が延期または中止となり、個人の5月までの収入損失額の平均が25万円、また回答の中では最高損失額は500万円だったそうです。
約4割が個人事業主やフリーランスということで、不安定だった生活に新型コロナウイルスが拍車をかけて深刻な事態です。
演劇関係者からは「生活のため2つも3つも掛け持ちでアルバイトをしている。稽古や練習、演技を磨く時間が取れない」「現場が《技を磨く場》、《後進が育つ場》です。現場を失って、有能なスタッフの離職が進んだ先の文化芸術の質や機会そのものがどれだけ失われるか心配」と切実な声が届いています。
8月26日には、宮城県舞台技術者協会もイベント再開の支援を求める要望書を県と市に提出しました。コロナ禍で会社を存続するのもぎりぎりの状態、このままでは舞台を支える技術が衰退し、文化が消滅してしまうと訴えたそうです。
今必要なのは、期間限定の一時的な補助金だけでなく、関係者の生活を守り、2021年度以降の活動にも継続的に使えるような、仙台版文化事業補助金システムの新設です。いかがでしょうか、伺います。

未来を担う子供たちへの文化芸術の継承も課題です。市がこれまで行ってきた児童生徒の芸術鑑賞に要する経費が、6月の補正で新型コロナウイルス感染症の影響で中止になった企画の分として4000万円から2000万円減額されました。青少年のためのオーケストラ鑑賞会、小中学校122校が対象の分です。劇団四季の御厚意で行われたミュージカル、こころの劇場仙台公演もなくなり、子供たちは、こういった芸術に学校で触れる機会がなくなりました。
子供たちにとって文化芸術に触れることは、創造性を育み、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互理解を深め、多様性を受け入れることができる豊かな心を形成するために必要なものと、教育でも位置づけられています。今年は新型コロナウイルスでやむを得ないとしても、子供たちにとって大切な芸術鑑賞です。今後新型コロナウイルス感染症の状況も見ながら、最大限事業が継続できるよう努力すべきと思いますが、いかがでしょうか。伺います。
 
市内には、各種学校や公的施設、保育園、介護施設へのアウトリーチ活動の実績を積んできた実力ある俳優や制作者、スタッフがたくさんいます。福祉、教育、子育て世代にも芸術、演劇、アートを届けることも可能です。
芸術家の皆さんを応援する意味でも、文化庁からの委託事業である「芸術家の派遣制度」や、10月から始まる「子供のための文化芸術体験機会の創出事業」なども活用して取り組むことを求めますが、いかがでしょうか。
 
次に、音楽ホールについて伺います。
音楽ホールについては、関係者、専門家の方々で音楽ホール検討懇話会がつくられ、現状や課題について整理され、設置目的やどのような施設像を目指すのか、場所の立地についても具体的な検討が進められてきました。
楽都仙台として、市民音楽活動を支える施設として使いやすい施設であること。そして、2000席規模の生の音源に対する音響重視の高機能多機能ホールとしています。
一方、県も県民会館の建て替え構想の具体化が進み、宮城野区の国立病院機構仙台医療センター跡地に、これまで県民会館が果たしてきた役割を受け継ぐとともに、多様なジャンルに対応できる2000から2300席程度の電子音響重視のテクノロジー進化に対応した多目的ホールという、どちらも同規模のものを示しています。
市の音楽ホール構想は2019年3月で検討懇話会は報告を出して終了、県の方針が出ていなかった時点での検討にとどまっていました。これまでも複数の議員が取り上げています。昨日の議論では、需要調査を改めて行うことが明らかにされました。新型コロナウイルス感染症も発生し、社会経済状況が一変した中での改めての需要調査です。市内全ホール施設の体系整理にも大きく影響を与えることになると思います。それらの結果を踏まえて、音楽ホールの建設を決めるということで理解していいのか、伺います。
 
最後に、宮城県美術館の移転について伺います。
宮城県美術館は、仙台市の西部に位置し、近隣には仙台市博物館や仙台国際センター、東北大学川内キャンパス、宮城県仙台第二高等学校など、教育学術、文化・交流機関が集積する文教地区に立地し、観光スポットとしてだけでなく、多くの市民の憩いの場として愛されている仙台の文化交流の場です。
また、広瀬川や青葉山など美しく豊かな自然に囲まれ、まさに「杜の都仙台」を象徴するようなすばらしい環境に包まれており、自然と建物が一体となりつくり出す空間そのものが、その文化的価値を高めているとも評されています。それもそのはずで、1981年に開館した本館は、国立西洋美術館を設計した建築家ル・コルビュジェに師事し、日本を代表する建築家の一人である故前川國男氏の設計によるものであり、国の公共建築百選にも選ばれ、高い評価を得ているものです。さらに、1990年に増築された佐藤忠良記念館は、前川國男設計事務所の出身者である大宇根弘司(ひろし)氏が手がけ、増築時に本館との間に彫刻庭園であるアリスの庭も生まれました。市の県立美術館の評価を伺います。

このような価値のある宮城、仙台の財産である宮城県美術館の移転構想が持ち上がっています。県では、2015年から懇話会がスタートし、2017年3月には現地でのリニューアル基本構想、2018年3月にはそのための基本方針を策定、公表していたのに、2019年11月に突然それまでの方針を覆して、「県民会館と宮城県美術館、NPOプラザを集約して、宮城野区の仙台医療センター跡地に移転、新築」という方針が発表されました。
それに対して、多くの県民から反対や懸念の声が上がりました。パブコメでは大多数が反対、移転反対署名は短期間で1万7000筆も集まり、県議会でも議員から多数の反対意見が出され、マスコミも大きく報じました。しかし、県は移転方針を変えず、「県有施設等の再編に関する基本方針(最終案)」を策定しました。
宮城県美術館移転は県の事業ではありますが、仙台市民にとっても大きな関心事であり、観光やまちづくりに影響のある重大案件です。この7月には、宮城県美術館の現地存続を求める県民ネットワークが設立し、「市民、学術関係者、芸術関係者」の著名な皆さんが名を連ねています。
集約移転案をきっかけに始まったこれらの取組は、改めて美術館の歴史を振り返り、その価値を問い直すすばらしい文化運動であると、発起人である早坂貞彦東北生活文化大学教授、元宮城県芸術協会理事長が話されています。
 地元紙には、移転問題が報道されて以降、連日のように宮城県美術館への思いをつづった投書が掲載されています。市長はこういった市民の声を、どのように受け止めていられるのでしょうか。伺います。
 
私自身も、9月に入ってから改めて美術館を調査しました。折しもリヒテンシュタイン侯爵家の至宝展が9月6日まで開催されていて、コロナ禍ではありますが、多くの方が訪れていました。佐藤忠良記念館の窓越しに、緑の中にたたずむ彫刻を眺め、広瀬川と青葉山周辺の環境と建物がつくり出す落ち着いた空間に身を委ねる心地よさを感じました。
高校の美術教師をしている若い友人が、教え子たちとともに美術館の周辺の自然を描く展覧会に向けて制作中だということでした。「貴重な建物を壊してほしくない、残してほしい」と訴えておられました。
宮城県美術館初代学芸部長、酒井哲朗さんが、移転の話を受けて、40年前の建設当時のエピソードを披露しています。地元企業や県内の自治体が寄附をされたこと、東北で初めての本格的な美術館をつくろうと、単に鑑賞するのではなく、「観る」「創る」ことが常時できる体験型の美術館を目指したこと、当時珍しいバリアフリーがここでは実現したことなど、大変貴重な美術館の歴史のお話です。
この美術館で多くの作品に触れて思い出をつくった人たちが数多くいるでしょう。こういった市民の声を聞いて、仙台市は県に対して移転をしないで存続するよう伝えるべきだと思いますが、いかがでしょうか。最後に伺って、私の第一問といたします。





◯市長(郡和子)

ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えをいたします。
 
コロナ禍における文化芸術に対する認識について、まずお答えをいたします。
本市ではこれまで、音楽の都・楽都、そして演劇の都・劇都を掲げまして、市民の皆様方の創造的活動を推進してきたところでございまして、東日本大震災からの復興においては文化芸術の力が大いに発揮され、多くの被災された方々の癒し、また活力、これをもたらしたものと、こう認識をしております。
仙台の町が今般のコロナ禍を乗り越えていく過程においても、文化芸術の力というのは必要不可欠であろうと、この考えから、文化芸術活動を支えていくために活動の継続を後押しする助成や、公演会場費の支援などに力を入れてまいりました。
さらに、クラシックエール仙台をはじめとする、感染拡大防止にも配慮したイベントの開催にも取り組んでまいります。今後も地域の文化芸術が一日も早く以前の活力を取り戻せるように、力を尽くしてまいりたいと存じます。
 
それから、宮城県美術館に関するお尋ねにお答えを申し上げます。
宮城県美術館は、収蔵作品はもとより、建築物としての価値の高さや豊かな自然に囲まれた環境を生かして、訪れた方々の感性を育み、また創作する喜びを与えてきた施設であると、このように認識をしております。また、この周辺のエリアは、東北大学、仙台市博物館や国際センターが立地するなど、関係機関が連携し、国際学術文化交流拠点を形づくってきた経過がございます。
このような背景もあって、美術館の移転案に対しましては、私のところにも様々な多くの御意見が届いておりまして、市民や県民の皆様の美術館に寄せる思いを改めて感じております。
こうした市民の皆様のお声も踏まえまして、今年1月に開催をいたしました仙台市・宮城県調整会議では、私から知事に対しまして、市民、県民の皆様への丁寧な説明を求めるとともに、多様な意見を踏まえながら検討していただきたい旨、お伝えをしたところでございます。
その後、3月に策定をされた県の基本方針におきまして、中間案の移転する、から、さらに検討を進める、と表現が改められまして、今年度県において関係団体の皆様との意見交換を実施しながら、検討が進められているところでございます。
引き続き、現美術館の周辺エリアのまちづくりという観点から、その状況を注視してまいります。
 
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。





◯文化観光局長(高野一樹)

文化観光局に係る数点の御質問にお答えいたします。
 
まず、仙台フィルハーモニー管弦楽団への支援についてでございます。
仙台フィルは、仙台国際音楽コンクールのホストオーケストラを担うとともに、若い世代や被災者の方々に音楽を届ける取組に積極的に取り組むなど、楽都を掲げる本市にとってシンボル的な存在でございまして、今般のコロナ禍においても、音楽を通して市民の皆様に希望をもたらす、大切な役割を担っているものと認識してございます。
仙台フィルは、以前から経営健全化のための取組を進めておりまして、順調に推移してまいりました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症により想定外の苦しい状況に直面しておりますことから、本市といたしましても、仙台フィルの状況について十分に聞き取りを行い、活動をしっかりと支えてまいりたいと存じます。
 
次に、仙台フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督についてでございます。
仙台フィルにおいては、現在、音楽監督は置かず、常任指揮者を中心とする体制の下、演奏活動を行っているところでございます。音楽監督を置くか否かも含めまして、楽団の芸術性を高めるための望ましい体制につきましては、楽団の歴史や音楽性、将来的なビジョンなどに基づいて、楽団自らが検討すべきものであると認識しております。
本市といたしましては、今後、仙台フィルから音楽監督の招聘等に関する相談があった際には、可能な支援を行ってまいりたいというふうに存じます。
 
次に、文化芸術関係者への国の支援についてでございます。
国の文化芸術活動の継続支援事業につきましては、本市といたしましても関係する皆様の声をお聞きしながら、課題等があれば国に適宜お伝えをしてまいりたいと考えております。
国の文化芸術支援予算の増額に関しましては、既に指定都市市長会として、令和三年度国の施策及び予算に関する提案の中で、文化芸術に対する支援の重要性について国民的理解を深めるとともに、活動の維持、継続に有効な支援策を講ずることを求めているところでございますが、今後とも国に対して必要な働きかけを行ってまいりたいと存じます。
 
次に、市の施設の附帯設備使用料の減免についてでございます。
収容率50%以内という屋内イベントの開催制限を踏まえまして、イベントで使用されるホール系施設等の会場使用料を50%減免しておりますが、附帯設備につきましては、設備の購入や稼働に要する費用を利用者に御負担いただくという受益者負担の観点から、減免の対象外としております。
現在、国において、イベント開催制限の緩和の方針が打ち出されたところでもございますので、今後の動きを注視してまいりたいと存じます。
 
次に、継続的に使える文化事業補助金の新設についてでございます。
本市では、市民の皆様が主体となった文化芸術活動の振興を図るため、従前より市民文化事業団による助成事業を行ってまいりました。
さらに、今般のコロナ禍においては、深刻な影響を受けた文化芸術関係者を支援するため、新たに多様なメディアを活用した文化芸術活動に対する助成に取り組んだところでございます。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、市としての支援の在り方を検討してまいりたいと存じます。
 
次に、福祉、教育、子育て世代に対する文化芸術の取組についてでございます。
本市では、東日本大震災以降、地域で活動する音楽、芸術等の関係者の皆様と共に実行委員会を組織しまして、国の文化芸術による子供育成総合事業を受託しまして、学校、幼稚園等に芸術家を派遣する事業に取り組んでいるところでございます。
10月開始の子供のための文化芸術体験機会の創出事業につきましては、仙台市内の学校から数校が申請中というふうに伺ってございます。
今後とも、国の各種制度も活用しながら、福祉、教育、子育て等に文化芸術の力を役立てる取組を、地域の担い手の皆様との協働により進めてまいりたいと存じます。
 
最後に、音楽ホールに関するお尋ねでございます。
音楽ホールの整備に当たりましては、中長期的な視点に立ち、市内ホール施設の体系的な整理を行った上で、検討を進めることが重要であると認識をしてございます。
こうしたことから、各ホール施設の現状や利用状況の分析、関係者からのヒアリングなどを通して、将来的な施設の役割分担や相互の関係性について検討を進めているところでありまして、音楽ホールの需要調査も実施することとしてございます。
今後、これらの結果を踏まえるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を見極めながら、音楽ホールの基本構想へとつなげてまいりたいと存じます。
私からは以上でございます。





◯教育長(佐々木洋)

私からは、児童生徒の芸術鑑賞についてお答えいたします。
児童生徒が本格的な音楽や舞台芸術を鑑賞することは、豊かな心や創造性を育む上で大切な機会であると認識しております。
今年度の実施に当たっては、慎重に検討を行ってまいりましたが、コロナ禍における児童生徒の安全を最優先させ、中止せざるを得ない状況となってございます。
引き続き、感染の動向を注視するとともに、関係団体等と協議を重ねながら、本事業の次年度以降の実施に向けて検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。





◯高見のり子議員

御答弁ありがとうございました。一点だけ確認、そして再質問させていただきます。

市長の文化芸術への思い、人間にとって必要不可欠なものだということ、伺いました。たゆみない研さんを積み上げることで、文化芸術を育むということになると思います。私は継続した支援として、仙台版文化事業補助金の新設を求めました。先ほども局長のほうから、今後の市の在り方も検討していくというお話あったんですけれども、今コロナ禍で、文化芸術をなりわいとしている皆さんが苦境に立たされているわけです。ミュージシャンやアーティストの個人事業主、フリーランスの方たちが持続化給付金の対象になったことは、もう大変喜ばれました。しかし、今何とかしのいでいるんだけれども、来年度以降の、来年の見通しが立たないということで苦しんでいらっしゃいます。
既に、食べていくために別な仕事、アルバイトをしたりとか、そういった中で稽古や演技を磨く時間がないとか、さらにスタッフの離職を心配されて、やはり今後の文化芸術の機会やそのものが、質が奪われるのではないかというふうに心配をされる声もあるわけです。
私は、継続した仙台版の支援事業ということで求めたんですけれども、こういった継続的な支援、これをぜひ御検討されているのかどうか、それも含めて検討していただけるということでよろしいんでしょうか、伺います。





◯市長(郡和子)

それでは、私からお答え申し上げます。
文化芸術の灯というのは、消してはならないというふうに思っております。
この間も本当に大きな影響、深刻な影響を受けた皆様方に対して、御支援をするということで、いろいろと事業に取り組んできたところでもございます。
今後につきましては、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえながら、市としての支援の在り方について考えてまいりたいと存じます。


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