日本共産党 仙台市議団ウェブサイト

日本共産党仙台市議団と各議員の政策・活動を紹介しています。

議員紹介


吉田ごう
吉田ごう
若林区
高村直也
高村直也
太白区
花木則彰
花木則彰
青葉区
高見のり子
高見のり子
宮城野区
すげの直子
すげの直子
青葉区

一般質問 高村直也議員(12月11日)


【概要】気候危機打開~木材の利活用





〇高村直也議員
日本共産党の高村直也です。障害者支援および気候危機への対策に関わって、一般質問します。

コロナ感染の第3波が広がる中、全国では、高齢者施設とともに障害者施設でクラスターが相次いでいます。障害者のみなさんは、ただでさえ支援がなければ平等な社会参加が保障されない方もいる中、高い感染のリスクとともに、2重3重の生きづらさと不自由を強いられています。
東日本大震災からまもなく10年が経ちますが、震災の時にも、障害者の避難や支援の在り方をめぐって、課題が浮き彫りになりました。ある障害者団体の方は「東日本大震災の時には、食料をはじめ生活に必要な物資が不足し、どこの店舗でも長蛇の列ができ、購入するのが困難だった。今回のコロナ禍でも、マスクや消毒用アルコールは情報を得て、お店にたどり着いたころには売り切れていることがしばしばだった」と言っていました。社会全体が危機のもとにあるからこそ、日ごろから支援を必要とする方たちへ、いっそう配慮した視点が必要になります。この点を、教訓に取り組みを進めるべきと考えますが、市長のご認識を伺います。

障害者の方たちの中には、基礎疾患を持つ方も多く、重症化するリスクが高くなっています。また自分でマスクをつけられない方や、触覚や嗅覚などの感覚過敏により、マスクをつけているのが困難な方もいるため、施設内に感染が広がるリスクもあります。感染者の早期発見と速やかな隔離などの対策が重要です。
厚労省は11月に「高齢者施設等への重点的な検査の徹底」を呼びかけましたが、この対象には障害者施設も含まれており、発熱等の症状がある場合、仮名ラス検査を実施することとされました。このことを徹底する必要があります。
また検査を通じて、感染者を発見できた際には、職員に感染が広がるなどして、必要な人員を確保できなくなることが懸念されますが、県は法人を超えて障碍者施設に応援職員を派遣するネットワーク作りの途上であり、十数件の法人から賛同を得ているところです。このネットワークが一刻も早く構築されるよう、本市としても、県と協議を進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。

感染者を発見した後に速やかに対応するためには、ゾーニングのあり方や、応援職員の業務内容を具体的に定めることなど、事前の準備が大切です。本市としても、3つの障害者施設を訪問してのゾーニングなどについての研修会を行いました。今後もこうした研修会の開催を継続するとともに、これまでの蓄積を生かして、長野県と長野市で行われているように、県と本市が協力をし、事前の感染症対策と感染発生時の具体的対応を定めた対策マニュアルを策定し、各施設に配布してはいかがでしょうか。

障害者とともに暮らす家族をめぐる課題もあります。自宅で障害をもつ子供を介護していた親がコロナに感染した場合には、子どもを残して入院や宿泊療養をすることも、自宅療養をしながら介護を続けることも困難になります。障碍者一人ひとりの特性も踏まえながらの生活・介護は、専門的な知識や、きめ細かな対応が必要です。
そこで、介護者が不在となった在宅の障害者への対応として、神戸市では、公益財団法人が管理する福祉施設を活用し、東京都杉並区では、閉園した保育園を活用することで、ケア付きの一時受け入れ専用施設を設置しています。本市では、既存の施設の中に、ケア付きの一時受け入れが今すぐ可能な2部屋と、必要な調整を行ったうえで使えるいくつかの部屋を用意しているということですが、十分な確保ができているとはいえません。
杉並区では、障害のある子どもを持つ両親らが、一時受け入れ施設の設置を求めて、約1500人分の署名を区に提出した経過があります。本市においても、8月に行われた「みやぎアピール大行動実行委員会」による市長との懇談の場で、同様の要望が出されています。
ケア付きの一時受け入れが可能な部屋の更なる確保や、専用施設の確保を早急に進めてはいかがでしょうか。

またそのために課題となる人手不足を解消するためにも、いまこそ障害者施設職員や介護職員の処遇改善を市独自で進めるべきではないでしょうか。伺います。

コロナ禍による経済的な影響も深刻です。障害者団体の「きょうされん」が9月に発表した全国の実態調査によると、就労継続支援施設では、生活活動による収入が昨年と比べて3割の減収になっています。
ある施設の職員は「市のイベントへの出店など、販売の機会を増やしてくれてはいるが、お金の面の支援はない。3密にならない庭先での食事提供やテイクアウトも行って、一定の収入は回復させることができたが、今もひと月当たりの収入は半額程度のままだ。利用者への工賃は落ち込んだまま戻らない」と言っていました。
長期にわたって生活の質が回復しない、利用者の現状を鑑み、市独自で障害者就労支援施設の工賃を支援する施策がやはり必要だと考えますが、いかがでしょうか。

視覚障害者のみなさんは、感染症対策に必要な情報を得ることが困難です。ソーシャルディスタンスの確保をするのに必要な相手との距離や、レジに並ぶ際の床のライン、また感染者を隔離するためのゾーニングなどの情報をしっかり確認することができません。また、触覚で多くの情報を得るため、様々な物に触れることが必要ですが、建物の入り口に設置された消毒用アルコールを見つけること自体が困難です。
まわりにいる人たちも感染症のリスクから、これまでのように肩に手をかけて案内をすることがはばかられる現状もあります。
視覚障害者のみなさんには、音声で案内することが重要です。まずは、本庁舎や区役所、市民センターで感染症対策の基本となるアルコールがどこにあるかを、自動で音声案内するしくみを導入してはいかがでしょうか。

視覚障害者のある男性が線路に転落し、電車にはねられ死亡する痛ましい事故が11月29日に東京メトロ東陽町(とうようちょう)駅で起こりました。転落防止柵は設置されていたものの、稼働前で扉が開いていました。
柵のないプラットホームは「欄干(らんかん)のない橋を渡っているようで怖い」とある視覚障害者の方は言っていました。
JR東日本は「グループ安全計画2023」で「在来線ホームドアの整備を加速します」としていますが、仙台市内には、JRでホームドアが設置されている駅は一つもなく、東北の玄関口ともなる仙台駅にさえ設置されていません。地下鉄にはすべての駅に柵が設置されている中、JRでは整備が大変遅れていると言わざるを得ません。
関西エリアの主要駅を中心に設置が進んでいる、昇降ロープ式ホームドアは、車両扉の位置が異なる車種にも対応でき、設置のコストも削減できます。
市長からJR東日本に対し、まずは仙台駅から早急にホームドアを設置するよう、強く要請すべきです。いかがでしょうか。

続いて、気候危機への対策に関わって質問します。
杜の都環境プランの答申素案には、重点的な取り組みとして、建築物などに「地域の木材」を利用すること、また「エネルギーの地産地消や地域資源の循環の仕組みを構築」するための取り組みとして、森林の整備や、木材利用、「木質バイオマス燃料への利用など」「森林資源の有効利用を促進」することが掲げられています。
森林には、木材を供給する物質的生産機能だけでなく、二酸化炭素の吸収、生物多様性の保全、大気の浄化、土砂災害の防止、土壌の保全、リラクゼーション効果など、多面性かつ公益的な機能があります。
こうした公益的な便益は、市場で取引されていませんので、その値打ちを直接価格で表現することはできませんが、別のものに置き換えて考えることができます。例えば、三菱総合研究所は、森林による二酸化炭素の吸収効果を石炭火力発電所からの二酸化炭素回収コストで換算し、国内で年間1兆2491億円に相当すると試算しています。これを単純に仙台市の森林面積で換算すると、年間22億円となります。同様に洪水緩和機能をダムの維持費などで評価した値で計算すると、仙台市で年間117億円に相当する効果があると言えます。
内閣府が昨年11月に発表した「森林と生活に関する世論調査」では、森林に期待する役割について、「木材の生産」と答えたのが16.8%に対し、「山崩れや洪水などを防止する役割」と答えたのが52%、「地球温暖化防止」が49%となっています。
森林の公益的機能について、どのように認識しているのでしょうか。

また、本市の林業費は、森林環境譲与税を含まない平成30年度で1億617万円ですが、森林面積が約1.4倍の私有林をもつ盛岡市では、平成30年度で2億5509万円と仙台市の2倍以上の林業費となっています。市場では測ることのできない値打ちをもつ林業の振興を事業者まかせにせず、取り組むことと共に、森林の整備と管理を、市として積極的に推進するべきと考えます。いかがでしょうか。伺います。

森林のもつ多面的な機能を積極的に活かすことは、暮らしに豊かさをもたらすことにもつながります。
宮城県造園芸協同組合は、植物廃材のリサイクルを仙台市と共同で取り組んでいます。これまで市の街路樹剪定枝は、チップ加工され、石積たい肥化センターで乾燥調整剤として活用される以外は、すべて焼却処理となっています。そこで剪定枝をチップ加工し、個人や企業の緑地に雑草繁茂(はんも)を抑制するマルチング材として活用する社会実験が行われています。市内のある会社では、焼却処理と同額の1tあたり1万5000円でチップ加工し、1㎥あたり1000円という安価で売り渡しています。
木材チップが敷かれた緑地は、木の香りとぬくもりがあり、地面は柔らかく、子どもが遊んでも泥汚れがつきません。
仙台市公園愛護協力会による公園の除草作業は高齢化により、担い手が不足しています。除草作業に参加するある町内会の方は「草刈り機6台を用意して除草しているが、公園が広く、年3回の草取りのたびに、20リットルのごみ袋130袋分の雑草が出る。大変な重労働だ」と言っていました。
現在、チップの活用は造園芸組合員が個人や企業のマルチング材として活用するだけとなっています。本市として除草の要望がある公園に、マルチングを先取りして実施するなど、積極的な取り組みを進めてはいかがでしょうか。
また、社会実験が成功した際には、木材チップの活用を大いに広げてはいかがでしょうか。伺います。

私が聞き取りをしたある林業を営む事業者は、この間に木材の価格が低下し続けているうえに、コロナ禍で神谷合板の需要が冷え込み、さらに価格が低下したと語っていました。また、売りに出しても、ガソリン代くらいにしかならない木材は、運び出されずに、森の中に積み残されるケースもあるとのことでした。濃くあsン木材の利活用を推進するうえでは、ニーズを掘り起こす取り組みも求められます。
そこで、ペレットストーブの利活用を促進することが考えられます。
宮城県は、一世帯あたりの二酸化炭素排出量のうち、暖房が占める割合が多く、「2019年度うちエコ診断結果」によると、19.1%となっています。カーボンニュートラルで、二酸化た安曽排出量がゼロとなる、ペレットストーブは、脱炭素社会にふさわしい、新しい産業構造と資源循環をつくることにもつながります。
また近年は、スローライフを送りたいと地方に移住する若年層も増えており、そうした方たちの中で、炎のゆらぎを眺めながら、ゆったりと時間を過ごせるペレットストーブは、人気があるともいわれています。
県内でも、登米市、栗原市、加美町、南三陸町が、薪ストーブやペレットストーブへの補助金を実施しています。県庁所在地の山形市、秋田市でも実施されており、山形市ではストーブや煙突の設置に要する経費を上限10万円で年間20件支給する制度になっています。
ペレットストーブへの補助金を本市でも導入してはいかがでしょうか。伺います。

建築物への木材利用にも、多面的な効果が期待できます。また、セメントや鉄鋼は、その製造過程で大量の二酸化炭素を排出しますので、その分の二酸化炭素を削減することにもつながります。
名取市の尚絅学院大学の第2体育館は、今年県内産木材で木造建築されました。木材の断熱効果により、冬は暖かく、夏は涼しく、結露もありません。木造の建築物は強度が課題ですが、三角形の構造を特徴とするトラス工法により、組み立てのコストを下げるとともに、強度を確保しています。
市内では、純木造としては国内最高層の7階建てのビルも、来年2月末に完成する予定です。石膏ボードを重ねることで耐火基準を満たし、複数の角材を特殊な金具で接合することで耐震性を高めています。
こうした技術や経験を活かして、市内の公共施設に木材利用を進めるとともに、建築物の木材利用に対する補助金も創設してはいかがでしょうか。

菅首相が2050年に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると宣言しました。世界で122番目と出遅れた対応ではありますが、国として宣言されたことは、気候危機への対策にとって追い風となります。
地球の平均気温の上昇を1.5℃以内に抑えることを目指し、環境都市を標榜する本市として、2030年までの目標を大幅に引き上げるべきではないでしょうか。
最後に伺って、私の第一問とさせていただきます。





◯市長(郡和子)

ただいまの高村直也議員の御質問にお答えを申し上げます。
障害のある方に対する配慮についてのお尋ねにお答えをいたします。
本市では、これまでも、障害のある方もない方も誰もが共に支え合い、安心して生活できる共生の都・仙台の実現を目指して、差別解消条例に基づいて、合理的配慮の提供の必要性について周知啓発に努めてまいりました。
今般のコロナ禍でも、視覚障害者や聴覚障害者の方からは、生活に必要な情報の入手の困難さ、行動に制約のある方からは、必要な物資などの入手の難しさなどについてお話を聞かせていただきました。災害など非常時においては障害者への配慮の重要性というのを今回も改めて痛感したところでございます。
こうしたことから、特別定額給付金の申請案内を視覚障害者向けに点字版、音声版、知的障害者向けにやさしい日本語版でも作成をし、障害種別に応じた情報提供を実施したほか、継続的なサービス提供のため、障害福祉サービス事業所に衛生用品を優先的に調達するなど、障害のある方への支援に注力してまいりました。
非常時においても障害のある方が安心した生活を送るためには、日頃からのお一人お一人に寄り添った配慮が求められます。引き続き、情報保障をはじめとした取組を進めてまいる所存でございます。
私からは以上でございまして、そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。





◯財政局長(福田洋之)

私からは、本庁舎、区役所、市民センターにおけます視覚障害者への消毒用アルコールの音声案内についての御質問にお答えをいたします。
本庁舎や区役所、総合支所におきましては、来庁される方が主にお使いになります玄関などそれぞれに、それから、各市民センターにおきましても、正面入り口に消毒用のアルコールを配置しているところでございます。
これまでも障害者の方やお困りの方が来庁された際には、案内窓口の職員や警備員などが必要に応じたサポートを行うこととしております。こうした御案内につきまして、改めて周知を徹底して対応を図ってまいりたいというふうに考えております。





◯健康福祉局長(舩山明夫)

私からは、まず、障害者施設へ応援職員を派遣するネットワークづくりについての御質問にお答えをいたします。
施設で感染者が発生した場合の応援職員の派遣ネットワークづくりにつきましては、宮城県と協議をしながら関係法人へ呼びかけを行い、本市としても市内施設の運営法人との意見交換を行うなどして、現在、十三法人の参加を得ているところでございます。今後も、宮城県と連携しながら、参加法人のさらなる拡大に向け取り組んでまいります。
 
次に、障害者施設への感染症対策の周知についてでございます。
本市では、事業所での日頃の感染防止対策や、感染の疑われる職員または利用者が生じた際の具体的対応について、リーフレットなどにまとめて各事業所へメールでお送りをし、ホームページにも掲載してきております。さらに、入所施設やグループホームを対象とした研修会、また施設の構造などを専門家に現場で確認いただきながらの実地指導を行ってきたところであり、今後もこうした取組を継続してまいります。
 
次に、介護者が不在となった在宅の障害者への対応としてのケア付施設の確保及び障害者施設職員等の処遇改善についてでございます。
障害者御本人が陽性であった場合は、障害特性や疾患等の状態を踏まえ、県の調整本部が保健所や感染症指定医療機関と共に、入院中の対応などを検討の上、入院先を決定しております。
濃厚接触者である障害者御本人が陰性と確認された場合には、短期入所施設での受入れを想定しており、健康観察期間を過ごすための個室を確保しているところでございます。個室を有している施設が限られるなどの課題もありますことから、引き続き、事業者の方々と御相談をしながら、受入れ体制の確保に努めてまいります。
障害者施設職員等の処遇改善につきましては、全国的な課題であり、給付費の中に職員の給与向上のための処遇改善加算の制度がございますので、その充実に向けて引き続き国へ要望してまいります。
 
最後に、就労継続支援事業所における利用者の工賃に係る支援についてでございます。
障害のある方にとっての就労は、社会参加や生きがいにつながるものと認識をしております。
このたびのコロナ禍により、これまでの事業環境は変化せざるを得ないものと考えておりますが、そうした中で引き続き就労していくためには、新たな販売機会の拡大や製品づくりを進めていく必要がございます。本市といたしましては、こうした事業者の活動の支援を通じ、障害のある方の就労を支援していきたいと考えております。
今年度、新たな生産活動に取り組むための補助金や、カタログで製品を紹介するふれあい製品デリバリーなど、新しい生活様式に沿った事業を行ってまいりましたほか、新たに地下鉄仙台駅通路での販売会を始めるなど、受注機会や販路の拡大を図ってまいりました。今後も、このような取組を通じて、工賃の確保とさらなる向上に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。





◯環境局長(佐藤和美)

私からは、2030年度の温室効果ガスの削減目標についてお答えいたします。
次期杜の都環境プランにおける2030年度の削減目標につきましては、環境審議会での御議論等を踏まえ、2050年の温室効果ガス排出量実質ゼロに向けまして、国が進める施策に加え、本市独自の施策による削減量を上積みしたものであり、国の目標を9ポイント上回るものとなっております。
本市といたしましては、次期環境プランに掲げる脱炭素都市づくりを目指し、まずはこの中期目標の達成に向け、着実に取り組んでまいりたいと考えております。
以上でございます。





◯経済局長(遠藤和夫)

私からは、気候危機への対策に関して、経済局に係る御質問にお答え申し上げます。
まず、森林の公益的機能の認識及び林業の振興と森林整備の推進についてでございます。
森林は、木材の供給源であると同時に、水源の涵養、二酸化炭素の吸収、生物多様性や土壌の保全、さらにはリラクゼーション効果など、多くの役割を果たしており、私たちが生活を営む上で欠くことのできない機能を有しているものと認識しております。
林業振興の取組としましては、従来より公益財団法人みやぎ林業活性化基金に参画し、県などの関係機関と連携を図りながら、林業事業者の支援や従事者の労働環境改善などに取り組んでいるところでございます。
また、森林の整備につきましては、仙台市森林整備計画に基づき、間伐や病害虫の駆除など、健全な森林環境の維持増進に取り組んできたところでございますが、昨年施行されました森林経営管理法におきまして、森林の経営管理に市町村が主導的な役割を果たすよう位置づけられたことも踏まえ、森林環境譲与税等も活用しながら、適切な森林整備を進めてまいりたいと考えております。
 
次に、建築物の木材利用やペレットストーブ購入に対する補助金の創設、導入についてでございます。
木材の利活用を促進することは、林業の活性化に資するとともに、植える、育てる、伐採する、利用するという森林のサイクルを健全に機能させる意味でも重要なことであると認識しております。
木造建築物につきましては、もともと断熱性の高さなどの優位性は認識されておりましたが、これに加えまして、CLT材などの最新技術により高層建築が可能となるなど、用途が広がっておりますことから、林業関係団体や建築業界の方々などの御意見等も把握しながら、林業の利活用の促進を図ってまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。





◯都市整備局長(八木裕一)

私からは、都市整備局に関わる2点の御質問にお答えをいたします。
初めに、JR駅へのホームドアの設置要望についてでございます。
これまで、本市も参加いたします宮城県鉄道整備促進期成同盟会を通じ、ホームドア設置をJR東日本に要望してまいりましたが、JR東日本からは、国の方針を受け、一日の利用者数などから優先順位を定め、首都圏の主要路線から順次整備しているとの回答をいただいております。
本市といたしましては、障害者の方などの転落防止策として効果が非常に高いものと認識をしておりますことから、市民の皆様が安心して鉄道が利用できますよう、引き続きJR東日本への設置を強く働きかけてまいりたいと存じます。
 
次に、市有建築物における木材の利用促進についてでございます。
本市では、仙台市公共建築物等における木材利用の促進に関する方針に基づき、施設用途などに応じて構造材や内装材などで木材を活用しており、現在、青葉山公園内で工事を進めている(仮称)公園センターでは、壁に直交集成材、CLTを採用するなど、新たな工法も導入をしているところでございます。
木材の利用促進につきましては、循環型社会の形成及び地球温暖化の防止に貢献することが期待されておりますことから、今後とも、木材の積極的な活用に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。





◯建設局長(千葉幸喜)

私からは、街路樹などの剪定枝のマルチング材への活用についてお答えいたします。
本市では、環境対策の一環といたしまして、昨年度より宮城県造園芸協同組合と共同で、市内の街路樹や公園樹から発生した剪定枝などの一部をチップ加工いたしまして、民有地などにマルチングして、雑草抑制効果を検証する社会実験を実施しております。
この実験などによりまして、雑草抑制への一定の効果は確認してございますけれども、今後、効果の持続性と運搬や処理に要する費用などの経済性も検証した上で、市内公園での実用化を検討してまいります。
以上でございます。





◯高村直也議員

御答弁ありがとうございます。1点再質問いたします。
街路樹の剪定枝を木材チップに加工し、マルチング材として利用する社会実験が成功した際の対応として、実用化について検討するというふうな御答弁がありましたけれども、しかし、公園へのマルチングについては明確な答弁がなかったように思います。
市内の公園に木材チップによるマルチングを施すことは、公園を除草する担い手の問題を解決するとともに、木の香りとぬくもりで公園の魅力を高め、二酸化炭素を削減することにもつながる一石三鳥の施策です。市内の公園では、高齢化、重労働などのために除草が困難になり、切実な課題となっております。社会実験が成功した際には、木材チップによるマルチングを市内の公園に対して積極的に推進すべきと考えますが、いかがでしょうか。





◯建設局長(千葉幸喜)

街路樹等剪定枝のマルチング材の活用についての再度のお尋ねにお答えいたします。
街路樹のマルチング材については、除草の抑止効果というのは一定程度確認できている中で、公園で使う際のやはり持続性、どれぐらいの方々が利用する場所であるとか、あと湿度ですとか、そういった部分に対する対抗力、また、あと一番は経済性ということで、やはり剪定枝を加工して運搬して敷設するという費用がかかってまいります。そういった中で、こういった経済性も満たした上で、公園で活用できるかという検証を進めております。この検証の中で可能であるということになれば、積極的に公園のほうに活用していきたいと考えてございます。
以上でございます。


Return Top