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代表質疑 すげの直子議員 (11月26日)


  





【概要】市職員の給与引き下げに反対。
    民間の賃下げを招く悪循環になる





〇すげの直子議員

日本共産党仙台市議団のすげの直子です。本臨時会に提案されている議案のうち、第124号議案 職員の給与に関する条例等の一部を改正する条例について質疑いたします。

今回の給与改定は、人事委員会の報告及び勧告に基づき、職員の年間給与を平均で2万6000円引き下げるというものです。率にすると、月例給で0.12%、期末・勤勉手当で0.05月分の減額となります。また、4月から11月までの本俸分についても12月の期末手当から差し引くという提案です。このこと自体、不利益はさかのぼって適用しないという原則に事実上反するものです。市は、条例改正の理由として、「人事委員会の報告書及び勧告並びに、国及び他の地方公共団体の職員の給与の改定措置等を考慮して、職員の給料の額や期末手当の支給割合を変える必要がある」としています。
しかし、国の人事院においても、今回期末手当の引き下げは必要としつつも、月例給の改定は行わないとしています。今回の条例改正を提案するにあたり、こうした国や県、あるいはほかの地方公共団体での改定措置のどこを考慮されたのでしょうか。まず伺います。

ご当局が把握している全国の人事委員会勧告で、月例給の引き下げが必要との勧告が出ている都道府県は一つもありませんでした。全国の政令市20市の状況を市議団で調査いたしました。18都市と大多数の政令市が月例給の引き下げは行わないとしています。本市と同じく引き下げる予定になっているのは名古屋市ですが、ここは、民間との較差が921円と本市の倍以上となっています。
今回、国では、民間との較差164円と極めて小さいこと、宮城県も較差が112円だったことから月例給の改定は行わないとしているようです。新潟県では246円の較差ですが、やはり月例給の改定はしないということです。
本市の公民較差は442円でした。市として、いったい、いくらから正す必要のある較差だと考えているのか伺いましたが、明確な基準はないようでした。164円なら問題はないけれど、442円は大変な較差であり正すべきだたお市民的にも指摘される事柄だと、人事委員会はお考えなのでしょうか。伺います。

私たち日本共産党は、給与の引き下げにあたっての理由とされる民間準拠について、民間の引き下げが公務員の給与を引き下げ、それがまた民間給与の引き下げを招き、結局、労働者全体の賃金引き下げにつながる負のスパイラルに陥るものだと指摘してきました。今回の改定は、今年の4月時点の民間との比較であり、まだコロナの影響が本格的になっていない時期であって、来年はさらに民間給与が下がることも想定されます。そうなればまた、「民間が下がっているから」という理由で、それに準じて更なる引き下げをおこなう事が、本当に本市職員や民間で働く労働者、地域経済にとってプラスになるとお考えでしょうか。
他政令市と比較して、今年の4月段階ですでに本市の民間給与が下がっているとすれば、どこに原因があるのか。そのことに目を向けて、民間で働く方々の所得を増やすためには何が必要か考え、国や自治体が必要な施策を打つことこそ求められています。昨年10月には、消費税の10%増税が実施されました。その後の3四半期は連続して国内総生産、GDPが下がり続け、とりわけ家計消費が大きく落ち込んでしまいました。商都仙台といわれる本市にとって、国民の購買力の低下は地域経済に大きな影を落とし、民間事業所にも影響を与えたことは間違いありません。
今、消費税の増税に加えて新型コロナの影響で地域経済の疲弊は大変深刻です。日本経済の立て直しのためには消費税の減税が必要との声は、野党のみならず自民党内にも広がり、コロナ禍の景気対策として、消費税率0%にする提言が自民党国会議員有志60人も賛同して政府に要望されています。すでにイギリスやドイツをはじめ、欧州諸国では、消費税にあたる間接税の減税を実施しています。
これまでのインバウンドに頼り切ってきた経済政策を見直し、国民の所得を増やし、懐を温め、内需を拡大することで地域経済を活性化することこそ必要との認識は、いまや世界的にも共通のものとなっています。
民間準拠は金科玉条の原則ではありません。公務員の給与引き下げは、民間の事業者や労働者にとってもプラスになるものでもありません。職員の給与や期末手当の引き下げをおこなう事での本市経済への影響については、市長はどのようにお考えなのでしょうか、伺います。

先日の総務財政委員会で私は、パートタイム・有期雇用労働法の改定に伴う、本市の外郭団体で働く非正規職員の労働条件の見直し状況について質問をさせていただきました。正規・非正規に不合理な較差があってはならず同一労働には同一賃金を、との法の趣旨がしっかり活きる対応をすべきと求めました。
この質問をするにあたり、市政の一端を担い、市民に向き合い日々市民サービス向上に努めていただいている外郭団体の職員の中に、常勤、非常勤嘱託職員、臨時職員など、様々な名称のもとで非正規で働く方々がたくさんいることを改めて実感しました。
公的分野にも非正規労働が広がり、官製ワーキングプアという言葉がうまれ、こうした流れが民間を含めて全体に及び、国民の所得が減り続けてきました。貧困と格差が拡大していることが、コロナ禍の下で、一層顕著に私たちの前に立ち現れています。本市職員の給与の引き下げは、正職員だけにとどまりません。会計年度任用職員については、期末手当はまだ国が方向性を示していない段階ですが、給料については、来年度から反映させるとのことです。外郭団体の引き下げによって、市の給料表に準じて人件費を計算しているところも多くあり、今回の引き下げによって、再度それに準じて改めて計算しなおし額を決めるとのことです。影響は本市の正職員だけにとどまらず、ただでさえ低い処遇で働く公的分野の幅広い方々に及びます。
こうした負の連鎖は、けっして市民サービスの向上には結び付きません。いかがお考えでしょうか。お答えください。

今回の人事委員会の報告及び勧告の「おわりに」には、「職員は、公務員としての使命感を持って職務に精励しているところであるが、改めて市民の市政への期待を深く自覚し、また、公務員給与に対する市民の信頼を損なう事のないよう、高い士気をもって公務の公正かつ能率的な運営に全力を尽くされることを期待する」と示されています。
また、人事管理、その他勤務条件の項には、昨年度も選挙事務や令和元年東日本台風への対応で超過勤務が増加したことに加え、「本年3月以降は新型コロナウイルス感染症への対応等のため、超過勤務が大幅に増えている部署が見受けられ、とりわけ、3月から5月にかけては1ヶ月の超過勤務が200時間を超えた職員もおり、憂慮すべき事態となっている」ことが記されています。
さらには、教職員の分野でも新型コロナの影響による授業の遅れや児童・生徒への日々の感染症防止対策等により教職員の負担が増加していることを指摘し、「心身に過度な負担がかからないよう一層の配慮を行う必要がある」としています。加えて、「職員の健康管理」の項では、「現在、多くの職員が通常業務に加えて新型コロナウイルス感染症への対応等に精励しているところであり、今後も業務量の大幅な増加による疲労の蓄積、ストレスによるメンタルヘルス不調など、様々な影響が懸念される」と指摘しています。この内容に照らせば、職員給与の引き下げが必要との勧告にはならないはずです。
公務員は労働基本権が制約されているため、その代償措置として人事委員会制度があります。人事委員会は、公務員の生活と権利を守り、労働の対価としてふさわしい給与となるよう、本来的な役割を発揮することこそ求められています。いかがでしょうか。人事委員会委員長のお考えを伺います。

新型コロナウイルスという新しい感染症への対応が、一人ひとりの市民に問われる中で、民間でできることは民間でと公的分野をどんどん縮小・後退させてきた、これまでのあり方そのものを転換しなければならないという価値観が広がっています。
本市でも、保健所の統合など、国の号令につきしたがって、人減らしの行革を長年にわたって続けてきました。あの東日本大震災の際、「圧倒的にマンパワーが不足していた」と当時の復興事業局長が区長時代を振り返り、議会で答弁され、人減らしの行革は、いざという時に住民に寄り添い、命を守ることに困難をきたすことを、私たちは身をもって痛感しました。
昨今は機械的な職員削減はしないまでも、今の職員体制に余裕があるわけではありません。そこにコロナへの対応が現場で日々求められています。保健所の職員は、少ない人員体制でも24時間携帯を手放すことをせず、陽性者やクラスターの発生に際しては、早急な抑え込みと感染を広げないためにと異常なまでの超過勤務を強いられても業務に従事しました。感染症から住民の命と健康を守らなければならないという行政の責務に対する強い使命感によるものです。
毎日私たちが当たり前のように見ている感染状況を知らせる保健所の記者会見のライブ中継は、政令市でも実施しているのは本市だけだと伺っています。
「あの人たちはいつ休んでいるのでしょうか」と、市職員の働きぶりへの感謝や敬意、心配する市民からのお声もたびたび寄せられています。日々の状況を直接伝え、疑問にも答える保健所の姿を市民はこんなに身近に目にすることはこれまでありませんでした。
景気を回復させ、民間で働く方々の給与を引き上げるためにも、コロナの感染拡大防止が欠かせません。コロナの収束のために最前線で業務にあたっているのは行政の職員であり、住民の命や健康、雇用と営業をまもるために、一層役割と力を発揮してほしい、そのためなら必要な人員も財政も投入してほしいというのが市民の願いです。郡市長は、公務労働に対する市民の期待やこれまでの価値観との変容を、実感しておられるのではないでしょうか。お答えください。

保健所・支所はもとより、年度当初からずっと緊張状態を持続させながらコロナ患者を受け入れ、役割を果たしている自治体病院で働く医療従事者の皆さん。様々な支援金や給付金の周知や受付、支給に至るまでの業務、各種の手続きに訪れる市民や、生活に困難を抱えた方が殺到した区役所の窓口対応、現場の声を聞きながら市民にとって必要な施策を打つなど、新型コロナという未知のウイルスから、市民の命と健康を守り、暮らしや疲弊している地域経済を支えようと、職員の皆さんには、日々懸命に業務にあたっていただいています。当然ながら、通常の業務に加えての今年です。
医療従事者や保育士、教員等、社会活動にとって欠かせないエッセンシャルワーカーとして働いている方々が、その労働に見合った処遇となるようにしようというのは国民的な世論です。
公務労働に従事する職員の皆さんに使命感と誇りをもち、働き甲斐を感じながら日々の業務にあたっていただくためにも、また、現在の労働実態からみても、本市職員の給料や期末手当を引き下げなければならないとする理由はどこにも見当たらないと考えます。市長いかがでしょうか。最後に伺って、私の第一問といたします。





◯市長(郡和子)

ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えいたします。
職員給与の引下げに関する数点のお尋ねにお答え申し上げます。
 
まず、公務労働に対する市民の期待などに対するお尋ねにお答えいたします。
市民の生活の安心・安全に直結する業務というのは、基礎自治体にとりまして最優先で取り組むべき重要なものであると、このように考えております。今般の感染症対応に当たりましても、市民の皆様の命と健康を第一に考えて、各現場において、職員一人一人が強い自覚と意識を持ってそれぞれの職務に当たっているところでございます。
いまだ先が見えない厳しい状況が続いているところではございますが、市民生活を守っていく、このことを全庁一丸となって各般の施策を進めまして、この難局を乗り切ってまいりたいと考えているところでございます。
一方で、職員の給与の引下げについてでございますが、地域経済に影響がないとまでは言えないものであると、このように認識をいたしておりますが、本市の人事委員会が、民間との較差があるという調査結果でございましたものですから、私といたしましてはその解消を図るということを判断いたしまして、条例改正について御提案をさせていただいているものでございます。
 
そのほかの御質問につきましては、人事委員会に対するものを除きまして、総務局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。





◯総務局長(吉野博明)

私からは、職員の給与改定に関する2点の御質問にお答え申し上げます。
 
まず、今回の改定において考慮した点についてでございます。
職員の給与については、地方公務員法において、国及び他の地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与などを考慮して定めることとされております。今般、人事委員会より民間との較差があるとの勧告を受け、本市として給与改定が必要と判断をし、今回の条例改正を提案したものでございます。
 
次に、本市の正職員以外の職員の処遇等と市民サービスの向上に関するお尋ねでございます。
本市及び外郭団体においては、住民の健康と福祉の増進のため、それぞれ連携しながらその役割を果たしてきているものと認識をしております。
そうした中で、本市の会計年度任用職員の給与については、正職員の給与を基礎としつつ、職務の内容や責任の程度、地域の民間企業における水準等を踏まえることとしております。
また、外郭団体の職員の給与については、それぞれの団体において、経営状況等も勘案しつつ、関係法令にのっとって適切に決定されているものと認識をしているところでございます。
以上でございます。





◯人事委員会委員長(中塚正志)

私からは、まず、公民較差への対応についてお答えをいたします。
公民較差が生じた場合に、勧告を行うか否かの具体的な基準はございませんが、昨年度も0.09%、343円、民間の給与が職員の給与を上回っていたことを受けまして、給料表の一部引上げを勧告したところでございます。
今回は、0.12%、442円、職員の給与が民間の給与を上回っていたことから、給与の基本となります給料表の見直しを行うことが適当と判断したものでございます。
 
続きまして、人事委員会の役割についてでございます。
人事委員会の給与勧告制度は、職員が労働基本権の制約を受けていることの代償措置であり、職員に対し、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有しているものでございます。
勧告に際しましては、地方公務員法に定める給与決定の原則に従い、民間準拠を基本としておるところでございまして、本年におきましても、地域の民間給与水準を反映し、適切に勧告を行ったものでございます。
以上でございます。





◯すげの直子議員

この後、委員会もございますので、そちらでも議論をさせていただくこともできるということはあるんですが、やはり市長にお聞きできるのはこの場でなので、再度お伺いをしたいというふうに思うんです。
 
皆さん、御答弁の中でおっしゃるのは、民間との較差があったから、民間準拠が基本だからということだけになっているのではないかというふうに思うんですよね。だから、それだけでいいのかと、それではよくないのではないでしょうかということを私は指摘をさせていただいたつもりです。
民間で働く方々の給与が、低いままでいいというふうには決して思いません。だからこそ、新型コロナの影響で厳しくなっている民間労働者の方々の所得、賃金を引き上げるためにも、今、新型コロナの感染拡大防止に行政がさらに力を発揮していくと、このことこそ求められていることだと思います。
先ほど市長は、職員の方々、この感染症対応でも、一人一人が自覚と意識を持って職務に当たっていただいているという旨の答弁ありました。そうであるならば、そうやってコロナ禍の中でこの対策に今全力で業務に当たっている、その職員の頑張りに報いる判断こそが私は必要だというふうに思うんです。職員の給料、期末手当、今の職員の皆さんの頑張りから見て、働きから見て、そのふさわしい労働の対価として考えたときに、給料、期末手当を下げるという判断にはならないと思うんですけれども、もう一度伺います。





◯総務局長(吉野博明)

再度の御質問にお答えいたします。
職員の給与につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、地方公務員法に定められております四つの原則と言われるものに従って、これまで条例等の改正を行っております。
いわゆる情勢適応の原則、均衡の原則、職務給の原則、条例主義の原則というものでございますけれども、その中で特に均衡の原則におきまして、職員の給与は、生計、国家公務員等の給与、他の地方公共団体の職員の給与、民間企業従事者の給与、その他の事情等を考慮して、最終的にそれぞれの自治体において決定するということになっておりますので、今回の場合はそれらを踏まえた上で判断したものでございます。



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