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一般質問 高村直也議員(9月13日)


※質問のみです。答弁は後ほどアップいたします。





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質問・答弁を動画で視聴できます。




【概要】
〇森林の土砂災害防止機能を評価し、水害対策に活かせ
〇森林を保全する自伐型林業を推進せよ
〇大規模な森林伐採を規制する、森林法等の厳格化を
〇市内2か所の木質バイオマス発電所の計画は中止し、小規模・熱利用で、地産地消の木質バイオマス利用を
〇地球温暖化による〝危険な暑さ〟に備えよ
〇クーラーの購入費、電気代に助成を





〇高村直也議員

日本共産党の高村直也です。森林の保全・整備、および熱中症対策に関わって一般質問いたします。

地球温暖化の防止をはじめ、多面的機能を持つ森林の保全と整備を進めるべきであることは論をまたないことですが、具体的な取り組みをめぐっては様々な課題があります。
一つは、メガソーラー建設に係る森林伐採です。県内の丸森町に加え、本市の茂庭字高田地区でも新たに約100haの広大なメガソーラー計画が明らかになり、住民から反対や懸念の声が出されています。茂庭地区では「沢の水が濁り、湧き水が出なくなり、田んぼに入れる水に影響しないか」「名取川にそそぐ岩の川(いわのがわ)は大雨の際に濁流になっている。増水してしまわないか」など、森林の水源涵養機能、山地災害防止機能、土壌保全機能に関わる懸念の声があります。こうした状況のもと住民が「茂庭のメガソーラーを考える会」準備会を作り、取り組んでいます。
水害や土砂災害と森林伐採はどのように関係しているのか、詳細に明らかにしたものとして、自伐型林業推進協会による「災害と林業 土石流被害と林業の関係性の調査報告」があります。この報告では、丸森町の山林の法面や路肩などの崩壊について衛星画像などを駆使して、実証的に明らかにしています。丸森町廻倉(まわりぐら)地区では、令和元年東日本台風による54の崩壊箇所のうち、森林の皆伐や作業道の建設など人の手が加えられたことによる崩壊が53カ所で全体の98%、手入れが行き届いていない未整備林や放置林の崩壊はたった1カ所でした。
崩壊の原因は、放置林や未整備林によるものと考えられてきましたが、実際には森林の伐採、施業のあり方に起因する可能性が高いことを明らかにしています。今年5月の国会では、当時の農水相も「粗雑な」作業道「周辺でリンチ崩壊が多く確認されている」と認めています。
山林で崩壊が起きれば土砂崩れの危険があり、森林と土壌の保水機能が失われるほか、土砂が河床を底上げし、河川の水位が上がります。
大規模化する水害への対策として、森林の適切な保全と整備が重要だと考えますが、いかがでしょうか。ご認識を伺います。

土砂災害などを防ぐうえで森林の施業をどのように行うのかが重要です。
本市の「森林整備計画書」には木を伐採する標準的な方法として、皆伐と択伐が紹介されています。
皆伐とは森林の一定のまとまりをすべて伐採する施業です。択伐とは一定の割合、例えば30%を帯状または群状に伐採する施業です。これに対し間伐とは、木を間引きする施業で隣り合う木を伐採し、木の成長を促し土壌を豊かにするものですが、「計画書」では「間伐に関する事項を除く」とされています。
皆伐や幅広い作業道の建設により、土壌が露出しすぎて光や風雨にさらされることなどにより、崩壊が起こっている可能性が高いことを自伐型林業推進協会の「報告」が明らかにしています。
これに対し、長期のサイクルで間伐だけを少しずつ行う施業、いわゆる自伐型林業では大規模な伐採を伴わず、作業道も2.5m以下で十分です。その全期間にわたって土壌を保全できます。
森林の保全には皆伐や択伐よりも自伐型林業のほうが優れていると考えますが、いかがでしょうか。

自伐型林業の好事例は県内の気仙沼市にもあります。本市農林部の皆さんも昨年11月に同市のリアスの森バイオマスパワープラント事業を見学したとのことです。
このプラントは発電出力800kwのバイオマス火力発電施設で、廃熱がホテルの冷暖房等に使われています。特徴は運営主体の「気仙沼地域エネルギー開発株式会社」が燃料を間伐材に限定し、同市が発行する〝間伐〟証明書付きの木材を購入していることです。この制度や地域ぐるみの努力もあり、自伐型林業の担い手を増やしています。間伐によって手入れが行き届き、森の付加価値も高まっています。
森林アドバイザー養成講座に盛り込むなど事業者や担い手の育成に取り組んではいかがでしょうか。

また、次の「森林整備計画書」をたてる2026年を待たず、自伐型林業を「計画書」に記載すべきですが、いかがでしょうか。合わせて伺います。

森林の管理が困難な所有者から経営管理の委託を受け、林業経営者に再委託、または市で直接管理する森林経営管理制度が始まっています。委託の前提となる森林の地番等を明確にし、所有者を特定する作業が行われています。
しかし2019年から始まって、地番や所有者が特定されたのは未だ泉区の1件のみです。
土地所有者の高齢化も進む中、取り組みをスピードアップする必要があると考えますが、いかがでしょうか。

同制度では、林業事業者に再委託する際に本市が仲立ちし、土地所有者と事業者をマッチングすることになります。土地所有者としても自分の土地で土砂崩れなどを起こしてほしくありません。
再委託となる事業者が手掛けた林業の実績や現状などを災害リスクの観点から調査し把握すべきと考えますが、いかがでしょうか。

宮城の森林育成事業では、森林経営計画に基づいて行われる施業に対して補助金を出しています。中でも「一貫作業システムによる低密度植栽」へ再造林する場合には補助率を高くしています。
低密度植栽とは、1haあたり3000本程度の密度で植栽していたものを、その半分以下の密度にすることで間伐の手間を省き、木の成長を早め、皆伐に至ることを想定したものです。
皆伐は再造林に際しても行われます。
補助率を高くするのは低密度植栽ではなく、森林の保全に資する施業を対象とするよう、県に求めるべきですが、いかがでしょうか。





太陽光発電の乱開発を抑制するため、森林法の林地開発許可基準に関する検討会が林野庁で行われています。
第2回検討会では有識者の一人からドイツの制度について紹介がありました。〝ドイツでは、そもそも森林を固定価格買取制度、FITの対象としていない〟〝平らな場所にしかパネルを設置できない〟〝国の2030年、2050年目標と整合する形でゾーニングされており、立てていい場所と、そうでない場所が明確に決まっている〟〝トラブルはほとんどない〟とのことです。
ドイツの例を参考に森林法やFIT認定の厳格化を国に求めるべきですが、いかがでしょうか。

森林を保全しつつ、成長した木を伐採し利用するサイクルをつくることは地球温暖化対策に資するものです。しかし木質バイオマスは熱効率が低く、通常、エネルギーあたりのCO2排出量は石炭以上であり、注意が必要です。

木を燃やすのは一瞬ですが、木が成長して伐期を迎えるまでに数十年かかります。平均気温の上昇を1.5℃以下に抑えるために重要な2030年まであと8年と迫るときに、木の成長よりも早く木材を燃やすことは地球温暖化対策に逆行します。
本市内では、仙台港周辺に2つのバイオマス火力発電所があり、住友商事による出力11万2000キロワットの(仮称)仙台高松発電所が、2025年に稼働予定。レノバ社などによる出力7万4950キロワットの「杜の都バイオマス発電所」が来月11月に稼働予定です。
その燃料について、住友商事は主に北米産の木材ペレット、レノバ社などは主に北米産の木質ペレットとマレーシア産のパームヤシ殻を使うとしています。これらは大規模な森林伐採や熱帯雨林の破壊などが環境団体から批判をされているものです。
これらの大型バイオマス火力発電所の稼働は地球温暖化対策に逆行するものと考えますが、ご認識を伺います。
仮にこれらの発電所で、国産の木材を利用する、段階的に増やすにしても限界があります。
東京農業大学農山村支援センターが、林野庁の補助を受けて2014年に作成した「手引き」では、出力5000キロワットの発電所に20年間燃料を供するために必要な森林面積は、3万5000ヘクタールと見積もられています。この計算を利用すると、出力10万キロワットの発電所に必要な森林面積は70万ヘクタール、宮城とほぼ同じ面積です。
稼働予定の2つの発電所は、大規模すぎて燃料を地域でまかなうには無理があります。
本市は、エネルギー循環プロジェクトとして、これらの発電所で間伐材や剪定枝等を燃料として活用する考えを示してきました。しかし木質バイオマスで地産地消のエネルギー循環型社会を目指すなら、2つの発電所の計画はきっぱりやめて小規模な施設でまた廃熱利用も行う、別の方法を検討すべきではないでしょうか。伺います。

2050年にカーボンニュートラルを達成するためにはCO2を出さないこととともに、大気中からCO2を吸収、回収することが必要です。しかし、そのための有効な方法は、現段階で森林吸収を除いて技術的に確立していると言えるものはありません。森林はほかに代えがたい機能をもち、ひとたび生態系を破壊されれば回復しがたいものです。安易に伐採すべきではありません。ソーラーパネルを設置できる場所は他にもたくさんある中で〝森林を伐採してメガソーラーを設置すれば、地球温暖化対策の前進になる〟という考え方は間違いだと思いますが、市長のご認識を伺います。

本市では今年6月25日に最高気温が35.1度まで上がり、観測史上初の6月の猛暑日となりました。欧州では今年も熱波が襲い、森林火災、干ばつ、水不足、熱中症でたくさんの方たちが命を落とすなど、深刻な被害が生まれています。地球温暖化が進む中、前例のない暑さへの備えが求められています。
本市でも国の動きを受けて、昨年から熱中症の危険性が高い時に予防行動を促す「熱中症警戒アラート」を呼びかけています。このアラートは気温のほかに湿度と輻射熱(ふくしゃねつ)による影響を取り入れた〝暑さ指数、WBGT値が33以上〟と予測された場合に発表されます。
宮城県では今年度まだ一度もアラートが発表されていませんが、昨年度は8回発表されました。
今年度はますます前例のない「危険な暑さ」への備えが重要になっていくと考えますが、市長のご認識を伺います。

危険な暑さが市民の健康と命を脅かしています。
本市では、今年8月31日現在までに422名の方が熱中症疑いで救急搬送されました。そのうち屋内で搬送された方が58.3%。場所は居室が最も多い33.4%です。
東京都では、今年6月1日から8月20日までに熱中症で亡くなられた方が148名おり、うち屋内で亡くなった方が95%です。そのうちエアコンで持っていなかった方が65名、持っていたが使わなかった方が59名です。
熱中症対策として自宅でのエアコン設置、また我慢せずにエアコンをつけることが重要だと考えますが、いかがでしょうか。

宮城県生活と健康を守る会が実施する生活相談において、この間「電気代が高くなって生活が大変だ」「節約のため、エアコンはつけずに我慢している」「半導体不足の影響もあり、安いエアコンが出回らず、5万円の一時扶助費では足りまい」といった声があると聞いています。
総務省の「平成26年全国消費実態調査」によると、県内の世帯あたりの冷房普及率は69.3%にとどまっています。
生活保護の一時扶助費としてエアコン購入費助成がありますが、対象が新規に生活保護を申請する方に限られています。すでに生活保護を受けている方も助成が受けられるよう、国に求めてはいかがでしょうか。
また名古屋市では、65歳以上の高齢者で1台もエアコンがないなどの条件のもと、エアコンの購入、設置、修理などの費用を上限7万1000円で助成する制度を設けています。
本市でも、こうしたエアコン設置に関わる助成制度を独自に設けてはいかがでしょうか。

エアコンがあっても我慢して使わない方への対応も求められます。生活保護では冬季加算と同様に夏季加算を創設するよう国に要望するとともに、市独自でも夏季支援金を高齢者や低所得者などに支給してはいかがでしょうか。伺います。

生活保護の実施要領、局長通知には「家屋の畳、建具、水道設備、配電設備等の従属物の修理」または「家屋の補修その他維持のための経費」を住宅維持費として認めており、その「規模は、社会通念上最低限度の生活にふさわしい程度」とされています。いまやエアコンの設置が当たり前になる中で、その修理費を住宅維持費として支給すべきと考えますが、いかがでしょうか。

自宅のエアコンが使えないなどの場合は、涼しい場所に移動することも有効な熱中症対策です。
東京都目黒区では老人憩いの家を活用し、冷房を利かせて、麦茶も用意し、高齢者に「涼み処」を提供しています。目立つようにのぼり旗も立てて、気軽に立ち寄れるように工夫をしています。本市でも老人クラブなどと連携して、こうした涼み処を提供してはいかがでしょうか。

老人憩いの家には、まだエアコンがついていない施設が、西多賀、中田、泉ヶ丘、鶴ケ丘、小出と5カ所あります。ただちに設置すべきですが、いかがでしょうか。
最後に伺って第一問といたします。





◯市長(郡和子)

ただいまの高村直也議員の御質問にお答えを申し上げます。
森林伐採に伴うメガソーラーの設置に関する御質問にお答えを申し上げます。
2050年のカーボンニュートラルの実現に向けては、再生可能エネルギーの最大限の導入を図ることが重要であり、その中でも、地域による偏在性が小さい太陽光発電については、今後もより一層の普及が期待されるところでございます。
一方で、大規模な太陽光発電事業が森林伐採を伴って実施される場合、CO2の吸収や水源涵養、土砂災害の防止など、森林の持つ多面的な機能を阻害して、自然環境に著しい影響を与える懸念があるものと認識をしております。
このような認識の下で、本市におきましては、これまでも、森林地域で実施される太陽光発電事業について、森林伐採を極力抑えることとともに、可能な限り土地の掘削や造成を行わないよう事業者へ求めてきたところでございます。
引き続き、地域と共生した再生可能エネルギーの普及促進を図り、杜の都の豊かな自然環境の保全とゼロカーボンシティの実現の両立に向けて取組を進めてまいります。
そのほかの御質問につきましては、関係局長から御答弁申し上げます。





◯健康福祉局長(加藤邦治)

熱中症への備えに関する数点の御質問にお答えを申し上げます。
本市におきましては、今年6月下旬から最高気温が30度を超える日が連続し、救急搬送患者数が増加するなど、暑さへの警戒が必要な日が続きました。
国におきましても、令和3年度から、熱中症の危険性が極めて高くなると予測される際に、熱中症予防行動を取っていただくよう促す熱中症警戒アラートの本格運用を開始しておりまして、宮城県に発令された場合には本市のSNSでお知らせをしているところでございます。
熱中症は適切な予防対策を講じることにより防ぐことができるものであり、本市ホームページにおいて熱中症の予防方法などを掲載し、周知を図っております。
今後とも、様々な媒体や機会を通じて、熱中症の危険性や予防法の啓発に努めてまいりたいと存じます。
 
次に、熱中症対策としてのエアコンの利用等についての御質問にお答えいたします。
熱中症の予防のためには、小まめな水分、塩分の補給などが大切であるとともに、屋内では、エアコンや扇風機を利用しながら、適切な温度を保つようにすることが重要でございます。
特に、加齢に伴い、暑さや水分不足に対する感覚機能に加え、身体の調整機能も低下する場合も多く、また、エアコンの使用を控える傾向もありますことから、熱中症予防対策の一つとして、適切なエアコンの利用を促す等の啓発も行っているところでございます。
 
次に、生活保護受給世帯へのエアコン等冷房器具の一時扶助についてお答えをいたします。
生活保護の制度上、扶助の対象が、保護開始後初めて到来する熱中症予防が必要となる時期に限られております。
このようなことなどを踏まえ、今年6月に開催された全国市長会議において、全ての被保護世帯が支給対象となるよう、国への提言を行っているところでございます。
引き続き、他都市とも情報交換しながら、国の制度運用に係る動向等を注視してまいりたいと存じます。
他都市の取組事例等を踏まえた高齢者の熱中症対策についての御質問でございます。
名古屋市においては、昨年度に限りエアコン設置等助成が実施されましたが、その前提となったコロナ禍における外出自粛要請の取扱いや、気候条件の相違等を勘案すると、本市として実施することは考えておりません。
一方、本市におきましては、今年度から各老人福祉センターの一部を涼みサロンとして開放し、多くの方に御利用いただいております。
今後とも、こうした取組や熱中症予防の啓発等を通じ、高齢者の熱中症対策に努めてまいります。
 
次に、夏季加算の創設及び夏季支援金の支給についてでございます。
生活保護における夏季加算の創設につきましては、今年六月に開催された全国市長会議において国への提言がなされたところでございます。
また、本市独自の夏季支援金につきましては、電力会社における燃料費調整制度により、燃料価格の電気料金への転嫁に一定の制限があることなどに鑑み、実施する予定はございませんが、引き続き物価の動向等を注視してまいります。
 
次に、エアコンの修理に係る住宅維持費の認定についてでございます。
生活保護における住宅維持費は、被保護者が現に居住する家屋の畳、建具、水道設備、配電設備等の従属物の修理または現に居住する家屋の補修その他維持のために経費を要する場合に認定することと、国からの通知に示されているところでございます。
エアコンの修理に対する住宅維持費の適用については、国に照会をしているところであり、国からの回答に沿って適切に対応してまいりたいと存じます。
 
最後に、老人憩の家へのエアコンの設置についてでございます。
老人憩の家につきましては、希望に応じて、平成27年度に、廃止となる仮設住宅で使用していたエアコンを移設するなどの対応も行ってきたところでございますが、各管理運営委員会が委託料等の範囲内で御対応いただくことを基本としています。
今後、エアコンが未設置となっている5か所の老人憩の家について、御相談があった場合などには、具体的な対応策について御説明するなど適切に対応してまいりたいと存じます。





◯環境局長(細井崇久)

私からは、木質バイオマス発電についてお答えいたします。
市内で稼働予定の2つの木質バイオマス発電所は、国際的な認証機関から、伐採量の制限や伐採後の再植林など様々な観点で評価を受け、認証を得た持続可能な森林から燃料を調達することとしており、地球温暖化対策に資する事業であると認識をしております。
また、本市が杜の都環境プランに掲げるエネルギー循環プロジェクトにおきましては、稼働予定の二つの発電所に地域の未利用材が供給される仕組みを構築することとしております。そのほか、発電時に発生する熱を含め、温浴施設や農業用ハウスなど、比較的小規模な施設で木質バイオマス発電を有効活用することも目指しているところでございます。
今後、関係機関との意見交換を行うとともに、本市独自の助成制度なども紹介しながら、木質バイオマスの利用促進を図るなど、脱炭素都市づくりを着実に進めてまいりたいと存じます。





◯経済局長(村上薫)

森林の保全と整備について、数点の御質問にお答え申し上げます。
初めに、水害対策としての森林整備、保全についてでございます。
河川上流部での森林の適切な管理は、土壌保全や流出する水量の調節による洪水緩和といった効果が期待され、河川の氾濫や都市部の内水災害を防ぐためのインフラ整備等とともに、下流域での水害防止に必要な取組であると認識しております。
本市としては、森林の持つ災害防止機能が持続的に発揮されるよう、引き続き適切な森林管理に努めてまいります。
 
次に、自伐型林業についてでございます。
自伐型林業は、皆伐、択伐などを集約的に行う効率性を重視した従来の手法と比較して、幅の狭い小規模な作業道を高い密度で造り、皆伐をせず、木の成長に合わせた間伐を100年スパン等、長く繰り返すものでございます。
間伐を長期間継続するために一定以上の木の密度が必要なことや、間伐する木の選定等、山林の知識、経験が必要であること、高密度な作業道はきめ細かな管理が必要となるといった面もございますが、参入に当たっての初期投資が比較的少なく済むことや、土壌保全や砂防など防災面で優れていると認識しております。
 
次に、自伐型林業の担い手育成及び森林整備計画への記載についてでございます。
自伐型林業は、小規模な機械を用いて自ら木材生産を行う林業であり、初期投資を抑えられることから参入のハードルが比較的低く、UIJターンの促進による地域活性化といった点からも関心が高まっております。
 従来の効率性を中止した集約的な林業形態に加え、自伐型林業の普及により、新たな担い手確保や適切な森林管理の推進が期待されることから、森林アドバイザー養成講座での自伐型林業の取組の紹介や、仙台市森林整備計画への記載について検討してまいります。
 
次に、森林経営管理制度の取組の進捗についてでございます。
本市においては、これまで泉区西部地区において本市への経営管理の委託が一件行われ、現在、太白区生出地区で森林所有者への意向調査を実施しているところです。
事業の推進に当たり、特に森林所有者の特定や対象用地の境界の明確化に時間を要することが課題となっておりますが、令和二年度以降行ってまいりました森林航空レーザー計測の成果を活用するとともに、県や関係機関とも情報を共有し、事業の円滑な進捗に努めてまいります。
 
次に、森林経営管理制度の再委託事業者についてでございます。
現在、仙台市内でこの制度による経営管理の受託を希望する事業者は四者ございますが、いずれも、木材生産や造林、保育の十分な実績があり、間伐など森林整備を適切に実施することが可能な事業者であると考えております。
本市による民間事業者への再委託に当たりましては、土砂災害の防止といった観点も含め、森林管理に係る事業者の実績を改めて確認するとともに、事業者からの企画提案の内容を精査し、その履行状況を適宜把握するなど、適切な森林管理が行われるよう努めてまいります。
 
次に、宮城県の森林育成事業への補助についてです。
宮城県では、皆伐後の再造林を促進する目的で、低密度植栽の補助率かさ上げを実施しているものでございますが、森林保全の面で優れた点を有する自伐型林業につきましても、地域の関係者や自伐型林業者等で構成する協議会を通じ、チェーンソーの購入費用や小型機械の共同利用、技術講習会等の経費を支援するモデル事業を今年度より開始しております。
本市としては、自伐型林業の実施状況も確認しながら、森林の適切な保全や持続可能な林業の推進といった視点から県と意見交換してまいります。
 
最後に、太陽光発電施設の設置に係る法制度についてでございます。
国におきましては、太陽光発電施設の設置を目的とした開発を懸念する全国各地での動きの広がりなどを踏まえまして、令和元年度に、太陽光発電に係る林地開発許可基準の運用細則を定め、より詳細な防災措置の実施内容を規定するなど、対応を強化したところです。さらに、本年一月からは、有識者検討会においてこの運用細則について検証が進められている状況でございます。
また、FIT認定など再生可能エネルギー事業実施の各段階において、森林法等、関係法令による許認可等の取得を申請要件とする手続の厳格化に関する議論も進められていることから、本市としては、国の検討状況を注視しながら適切に対応してまいりたいと考えております。





◯高村直也議員

御答弁ありがとうございます。それでは、三点にわたって再質問させていただきます。
 
まず、一点目ですけれども、林業事業者の実績などを災害リスクの観点から調査し、把握することについて私のほうで質問しましたけれども、御答弁のほうは、既に受託した4者はいずれも実績のある事業者だと。そしてまた、今後、新たな事業についても局で中身等を確認するといった御答弁だったんですけれども、災害リスクの観点から必要な調査を行っていただけるのかどうかという点については明確な御答弁がなかったように思います。
皆伐が山林で行われれば、それが土砂災害などにつながる可能性が高いわけです。光や風雨にさらされて木の根が根腐れし、また地盤が弱くなるということが懸念されますし、当面問題がないように見えても、大雨が降ればどうなるかということも長いスパンで懸念をされるわけですけれども、そしてまた多くの計画が皆伐の施業を伴う計画も恐らく多くあるのではないかと思います。そうしたことについて、災害リスクの観点から、とりわけ皆伐の影響などの観点からしっかりとした調査が必要だと考えますけれども、いかがでしょうか。
 
二点目に、市独自のエアコン設置等の助成について、名古屋市とは気候が違うですとか、コロナ禍の下でつくられた制度だというふうな御答弁がありましたけれども、私から御指摘させていただいたように、本市でも多くの救急搬送の患者さんが自宅からの救急搬送となっていると。自宅にエアコンがない低所得者や高齢者に対してエアコン設置助成をするというのは、健康増進のために有効な対策となると思います。半導体不足の影響もあってエアコンの値段も上がる中で、市独自の助成、するべきですけれども、もう一度伺います。
 
三点目に、老人憩の家へのエアコン設置についてです。相談があれば対応するというふうな御答弁もありましたけれども、老人憩の家は市の公共施設ですから、市が責任を持って積極的に設置すべきだというふうに思うわけです。あと五か所ですから、各地域に涼みどころを提供するということも御提案させていただきましたけれども、直ちにこの五か所にエアコンを設置すべきだと考えますけれども、もう一度伺います。





◯健康福祉局長(加藤邦治)

熱中症に関わる二点の再質問にお答え申し上げます。

初めに、市独自のエアコン設置助成ということに対するお尋ねでございますけれども、確かに本市においても熱中症の搬送者が今年の夏も含めて出たということについては、私どもも数字として受け止めているところでございます。
熱中症につきましては、先ほど申し上げた部分もございますが、知識等があれば予防ができるというようなものでもございますので、熱中症の予防に関する周知というものをいろいろな媒体を通じながら広めてまいりたいと思ってございます。
 
それから、もう一点の老人憩の家に関するエアコン設置でございますけれども、これにつきましては、各館の状況に応じまして、委託料等の範囲内で御対応いただくということを基本としておりまして、過去に仮設住宅から移設する際にも、委員会のほうに費用を御負担いただいたということがございます。
今後、相談いただいた場合につきましては、今の利用実態をはじめとする実情等も丁寧にお伺いしながら、具体の対応策に係る協議をしてまいりたいと考えてございます。





◯経済局長(村上薫)

林業経営管理制度の再委託事業者に対する再度の御質問にお答えいたしたいと思います。
仙台市内で受託を希望している事業者は四者ございますが、この四者はいずれもそれぞれ実績がございまして、間伐など森林整備を適切に実施することが可能であるというふうに考えております。ただ、もとより災害が起こる可能性があるような対応については、私どもとしてもそれは懸念されるところがございますので、企画提案内容を精査させていただきながら適切に対応していきたいと、このように考えております。





◯高村直也議員

一点だけ再々質問させていただきます。
老人憩の家へのエアコン設置についてですけれども、先ほど申し上げましたけれども、エアコンを設置されていないのは、西多賀、中田、泉ケ丘、鶴が丘、生出のたった五か所なわけです。ほかの憩の家は、エアコンが例えば壊れたり修理したりというふうな時期を迎えたら、更新の作業なども行われるということになると思うんですね、この五か所だけ何もしないということでよいのかというふうなことが問われますので、もう一度この点について伺います。





◯健康福祉局長(加藤邦治)

老人憩の家のエアコン設置に係る再度のお尋ねにお答えを申し上げます。
老人憩の家のエアコンにつきましては、設置というお話もございましたが、設置、その後の維持管理につきましても、管理運営委員会で対応していただくということを基本としてございます。そういったことも踏まえて、管理運営委員会のほうと御相談があればしっかりとお話をしてまいりたいと思ってございます。


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