(2007年2月議会 福島かずえ議員)
◯三十六番(福島かずえ)福島かずえです。日本共産党仙台市議団を代表して、議第一号仙台市政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について、提案趣旨を説明いたします。 本件は、現行の政務調査費の収支状況報告書の提出に際して、支出を裏づけるものとして、出納簿の写しと領収書その他の支出を証すべき書面の添付を義務づける内容に改正するものです。 同様の条例改正案を昨年六月に提案した際、多くの議員の同意を得られませんでした。今回の提案は、領収書その他の証拠書類を添付できない場合があるという意見もありましたので、議長が定める場合においては添付を要しないという例外規定を設けました。 政務調査費は、地方自治法の改正に伴って条例化され、行政調査費から名称が変わっただけでなく、その支出内容の厳格化、透明性の確保が強く求められてきています。政務調査費の支出基準は、条例、規則、要綱で定められていますので、それに基づいて支出されていれば、その支出先を示す領収書と現金出納簿は必ず存在します。それを証拠書類として収支報告書に添付することは、極めて容易なことです。税金を使って市政調査を行っている以上、これは当然のことであり、最低限の義務と考えるべきです。 私は、税金を使って政務調査をしている以上、市民に説明できるように、すべての支出にかかわる領収書初め支出関係証拠書類を用意できると思っていますが、領収書を添付できない場合があるとすれば、その具体例を示して議論を深めるべきです。 政治と金をめぐる問題が、今また国民の間で大きな関心を呼んでいます。相次ぐ首長の談合にかかわる汚職事件を初めとして、国会議員の事務所費問題、そして地方議員においては政務調査費問題です。 昨年十一月末に、東京都目黒区では、その使い方が不適切だったとして、公明党議員六名が全員辞職しました。また、品川区では、自民党品川区議団が飲食費を政務調査費から支出したのは違法だとして、区に返還するよう求めた住民訴訟の控訴審判決の直前に、原告の請求額の全額である千百万円を区に返還しています。これらは、マスコミにも大きく取り上げられ、連日のように報道されましたので、全国的に大きな話題となりました。 庶民に対する大増税が押しつけられている中で、これまで以上に税金の使い道に対する関心や要求が、国民の中に広がり、高まっています。 宮城県内で政務調査費を出している議会のうち、領収書添付の義務づけがない議会は、仙台市だけとなっています。議員一人当たり月三十八万円、年額四百五十六万円、総額で年間二億七千万円もの税金をどういう調査活動に使っているのか、明らかにする責任が当議会に求められています。 当議会の政務調査費の支出にかかわって、事務所が存在せず、自宅が事務所だといって政務調査費が支出されている事例が、マスコミ報道されました。実態のない支出は、不適正支出そのものです。これを是正することも必要です。当議会でも、支出の透明性を確保するために議論を積み重ねてきましたが、四年たってもいまだに結論を得ていません。領収書等の証拠書類の添付だけが市民への説明の唯一の方法ではないといって、領収書添付に根強く抵抗する意見もありますが、具体的には何ら市民への説明責任を果たさないまま、時間だけが経過しています。私たちの今任期中に、政務調査費の支出の実態を市民にきちんと示す方向を定めることが重要です。 私は、今議会に、市民の前で、公開して議論を深めることで、よりよい一致点がつくられていくものと考えます。本条例改正案を審議、可決することが、政務調査費の支出について、その透明性を確保し、市民への説明責任にこたえるものであることに確信を持ち、本提案に及んでいることを述べて、説明といたします。 御清聴ありがとうございました。