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代表質疑 花木則彰議員 (2月18日)

【概要】復興事業局の廃止は撤回せよ

 (住まい再建未定者は多数、医療費免除措置打ち切り、

       震災復興基金、施設使用料・手数料の値上げ)

 

◯花木則彰議員

花木則彰です。日本共産党市議団を代表して、提案された議案と市政の重要課題について質疑します。

今議会には、来年度予算はもちろんですが、復興事業局の廃止、市民に2億円もの負担増を強いる市民利用施設の使用料、各種手数料値上げ、基本計画後期の実施計画、次期行財政改革計画、まち・ひと・しごと創生総合戦略、環境基本計画など大きな市の計画がめじろ押しで諮られています。安倍内閣の地方創生や、それに追随する奥山市政のもとで、我が仙台市がどんなまちに変えられようとしているのか、議会は明らかにし、市民の立場でチェックをしなければなりません。
示された予算案は、政策重点化方針、戦略プロジェクトに総額710億円余りも使う一方で、市民の暮らしを支える分野にはアリバイ的な増額が散見されるだけとなっています。政策重点化方針2020について、余りにもハードばかりが重点とされていると議会で指摘がなされました。市は、前向きな施策を上げたためで、福祉の分野は当たり前に行うと述べましたが、実際の予算は心配したとおりとなっています。東西線建設や復興公営住宅建設予算が減ったと思うと、今度は東西線沿線活性化に34億円、復興関係でも、蒲生北部土地区画整理事業などに64億円、東部復興道路に62億円などが目立ちます。なぜ市民の暮らしを支えることを重点にしないのか、率直にお答えください。

最も象徴的なのは、被災者医療費、介護利用料の免除打ち切りです。国が打ち切りを検討しているのは、免除に係る費用の8割を出すことではなく、被災地特例として特別調整交付金をさらに最高1割5分出すという部分です。その結論もことし12月に出すと言っているだけで、国の財源が打ち切りにされるから、もう来年度は免除をやめるというのもおかしな話です。継続をすることが、国に財源打ち切りさせないことにつながります。石巻市、気仙沼市、多賀城市、塩竈市が、新年度継続を決めています。市長は、復活の際には、被災自治体が歩調を合わせることが必要だと消極的でした。ところが、打ち切りでは歩調を合わせず、真っ先に決めるというのは論理破綻です。
2月15日には、復旧・復興支援みやぎ県民センターが、被災者の皆さんとともに、免除継続を強く求めました。ほかの自治体でできているのに、仙台でできない理由がわからない、自治体として最もやらなければならないことをなおざりにしている、市長は被災者の命を守るのか守らないのかと、涙ながらに訴えられました。市長、被災者の切実な願いに応えるべきです。いかがでしょうか。

仙台市の震災復興基金は、たとえ国の上乗せ分が来なくなっても、何年も制度を続けられる額があります。全国から寄せられた善意の寄附金や、市職員の手当削減分、国や県からの特別交付税や交付金で、今年度末までに積み立てられた基金総額は323億4000万円です。そのうちこの五年間で使われたのは138億1000万円で、半分にもなりません。被災者のためにと寄せられたのに、本当に善意を無にする行為です。残高は185億円もあります。
医療費、介護料の免除を継続すれば、年間2億9000万円もかかると市は言っています。5年間継続しても14億5000万円しかかからない。基金残高の8%ほどにしかならないじゃないですか。対象を低所得者の方に限定したことを改めて元の対象者に広げること、後期高齢者の医療費免除を市独自に行うことにも、基金を使って取り組むべきと考えます。被災者のために使わないでどうするのか、伺います。

奥山市長は、施政方針の冒頭に、最優先課題であった住まいの再建に関する事業も、完了が見通せるところまでまいりましたと述べました。事業計画で決めた事業はやったということと、完了したということとは別物です。この間、政策重点化方針2020を策定する際にも議論しました。結局、住まいの再建という目的が達成されたわけではないと、文言の修正を当局は行いました。
2月1日時点で、仮設住宅から恒久的住まいへ移転できていない方は4206世帯です。そのうち移転方針がまだ決まらない世帯は323世帯もあります。さらに民間賃貸住宅を希望している世帯は2438世帯と一番多くなっていますが、その中には、復興公営住宅に落選して市営住宅を希望している世帯も含まれており、実際に移転先が見つかりめどがついた世帯がどれだけあるのか、めどが立たない世帯がどれだけあるのかわかりません。
そもそも市自身が、住まいの再建の実現性が低いと判断している世帯が約600世帯あると報告をしています。これまでは伴走型支援で努力すると言うばかりで、解決の見通しは語られませんでした。
市外被災者で被災元自治体が仮設入居の延長をしているプレハブ仮設の方を中心に、約20世帯については、仮設住宅を集約する方針が出されました。しかし、この20世帯以外にもたくさんの仮設入居者が、行く先が決まらないまま仮設住宅を追い出されようとしています。
今回の施政方針であるならば、これらの方々の住まいの再建が果たせる見通しが持てたということなのでしょうか。市政方針で見通しを市長が語ったわけですから、市長の責任ある説明を求めます。
2月12日と13日に県民センターが行った被災者の住まい電話相談には、病気や障害、介護で苦労を重ねている被災者からの相談が相次ぎました。多くが復興公営住宅に入居できなくて追い詰められている相談です。復興公営住宅の追加整備、復興公営住宅の家賃を被災者が暮らし続けられる額に引き下げることとともに、民間賃貸住宅に入居した被災者に、復興公営住宅並みの負担で済むように、恒常的な家賃補助制度を国に求めるべきです。国の制度ができるまで、市が独自の補助を行うことを求めます。いかがでしょうか。

市は、津波被災者に20万円の助成を行う追加施策を行います。事業費は約8億円です。しかし、これでも国から今回出された特別交付税約30億円には全く届かないレベルです。節目だと言うのなら、復興基金をため込むのではなく、早く被災者のために使うことが必要です。支給金の増額や宅地被害の被災者にも対象を広げるべきです。いかがでしょうか。
被災した公共施設などの復旧はおおむね完了したのであれば、だからこそ、これから住宅再建への最後の詰めを公共事業で行うとともに、コミュニティー再生に本格的に取り組む復興事業計画に改めていくべきです。
コミュニティーの再生には、仙台市の支援は全く不十分な到達です。仮設住宅の8割を占める借り上げ仮設住宅は、被災者同士の連絡もとれないまま、はや5年です。復興公営住宅には、抽選に次ぐ抽選で、被災者はあちこちから入居することになります。入居してきた住民同士が新しくコミュニティーをつくることは、大変な力を必要とします。仮設住宅の集会室に支援員が常駐したように、復興公営住宅に支援員を配置し、自治会の結成や運営の援助を行うことが急がれます。自治会の立ち上げだけしてあとはお任せでは済まない、息の長い取り組みです。各区に数名の地域担当支援員では足りないことは明らかです。伺います。

復興事業計画について審議した2011年11月の震災復興推進特別委員会では、日本共産党市議団は7本の修正提案を行いました。その第一が、被災者の暮らしを一日も早くもとの姿に戻し、一人一人が生きがいを持って暮らせるようにしていくことを何よりも大切にするという内容を、計画策定の目的として冒頭に掲げようというものです。残念ながら、理由もなく反対多数で修正は成りませんでしたが、中身的には、市長も繰り返し復興計画のかなめであると答弁をしてきたものです。
そこで改めて市長に伺いますが、復興事業計画の目的は何か、その目的は達成されたとお考えなのでしょうか、お答え願います。

第四十一号議案仙台市事務分掌条例の一部を改正する条例では、復興事業局を解体、廃止する内容が含まれています。
復興事業局が復興事業の進捗などをまとめて毎月発行してきた仙台復興リポートは、今月号ナンバー39をもって最終号だと説明されました。サンキューで語呂もよいからなどという話も聞こえてきます。しかし、住まいの再建を果たし得ない被災者がこんなにいる、見通しを持てない被災者もこれだけいると記載されたリポートが最終号なんて、誰が考えてもおかしいこと、ノーサンキューです。全ての被災者の住まいの再建が果たせたと書き込んでこそ、将来への真っ当な記録になるのです。発行を停止する理由はありません。継続すべきです。
生活再建できない被災者を見捨てた都市が、住み続けたい、訪れてみたい、魅力的な都市になるでしょうか。必要なことは、事態を解決するための新たな施策、追加施策を考え、実行することです。この責任を果たさずに、復興期間を終えることも、復興事業局を廃止することも許されないことです。いかがでしょうか。

市長が語った政策重点化方針2020は、基本計画後半の実施計画をつくる上での方針です。基本計画の大もとは、仙台市基本構想です。
基本構想と基本計画について審議をしていた2011年第一回定例会のさなかに、3月11日東日本大震災が起こりました。まだ被害の把握もできていなかった3月15日に、仙台市基本構想と仙台市基本計画は採決されました。震災による被害で、基本計画の前提となる市の現状が大きく変わっている。身の丈に合わない大型公共事業を優先する内容になっている。施策や事業の財政の裏づけがないと、共産党市議団は反対しましたが、賛成多数で可決されました。
その後、復興事業計画は基本計画のもとに位置づけられましたが、基本計画自体は見直しも変更も行われないまま、5年が過ぎようとしています。さらに、復興事業計画が被災者の生活再建という目的を果たし切っていないのに、その内容も入れたとごまかす政策重点化方針2020も議決を求めるものではなく、なし崩し的な改変となっています。大震災のさなかに審議された基本計画を見直しもせずにいるのは、議会での議決を取り直すことを奥山市長が避けているためではないでしょうか。
市長、基本計画の抜本的な見直しを、議決案件として議会に提案すべきだと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

基本構想で都市像のトップに掲げたのが、未来を育み創造する学びの都、未来につなぐ多様な価値や個性をつくり続ける輝く学都です。基本計画や実施計画で、その未来は感じられません。学びの場にあふれ、生涯にわたり楽しく学ぶことで市民力が広がり、一人一人の心の豊かさにつながるまち、こんなことを書きながら、出されてきたのは市民利用施設の使用料を一括して上げていく条例です。子供たちの学びを支える少人数学級の拡充も、学都仙台にふさわしい奨学金の創設もありません。
仙台市の教育の現場で最重要課題は、いじめ問題の解消です。ところが、仙台市が予算をつけたのは、いじめ対策支援員として教師OBとか、警察OBを派遣するというもので、児童生徒の非行問題対策のレベルです。一人一人の子供たちが大切にされていると受けとめることができるよう、少人数学級や教職員の大幅増員が切実に求められています。これを具体化することこそ必要なのではないでしょうか。
県内の自治体でも、栗原市、白石市、大河原町が独自の予算をつけて、少人数学級の学年拡大に取り組んでいます。中途半端な考えはやめて、市長が教職員の増員に責任を果たすべきです。伺います。

学都仙台として、学生応援の施策を大いに充実すべきです。その第一は、返還不要の給付制奨学金の創設です。また、学生向け民間賃貸住宅の家賃水準が高い仙台市ですから、学生への家賃助成制度や、学生寮の整備なども検討されるべきです。
学都フリーパスを交通局の乗客をふやす施策としてではなく、学び応援の施策にするべきです。バス、地下鉄どれでも月5000円に、バスは宮城交通や愛子観光、鉄路はJRへも対象拡大を目指すべきではないでしょうか。学生応援の施策の充実について、市長のお考えをお聞きします。

第三十七号議案各種使用料及び手数料の改定等に関する条例は、合計210施設の使用料と24件の手数料を一気に値上げしようとするものです。公の施設は、それぞれの設置目的を持って設置され、運用されてきたものです。これらに係る条例は、施設関係で25本、手数料も合わせると43本にも及びます。多くの施設が、市民の学びの場であったり、文化風土にかかわるものであり、多くの市民に愛され利用されてこそ、その目的を達成できるものばかりです。
それを財政局からの提案で乱暴に値上げを図ることに、宮城県芸術協会を初め文化団体、スポーツ団体、さまざまな市民団体、個人から反対の意見が寄せられています。パブリックコメントには213件の意見が寄せられ、そのうち8割が値上げに反対の意見でした。意見の内容は、文化活動に実際に取り組んでいる方々の、今だって高いという切実な声であり、文化芸術の大切さを訴え、仙台市の文化活動への姿勢を問うものです。
ひどいのは、その意見への市の回答です。文化芸術の大切さなどには一言の言及もなく、財政からの理由を繰り返し、全ての意見への回答としてコピペしてあります。思いを込め、心を削り出すように書かれた市民に対して、いかにも無機質な、そして心ない回答だと私は感じました。市長は、このパブリックコメントと、それに対する市の回答をごらんになりましたか。意見を寄せた市民に、市長ならどう回答するのかお聞かせください。
文化芸術に関する真剣な意見や問いかけに、こんな答えしか行えない仙台市が、文化観光局をつくるってどういうことなのでしょう。多くの方が指摘をされていますが、少なくとも各市民センターや値上げ対象施設で、市が市民説明会を行い、意見を聞き、誠実に答える中で決められるべき問題です。
このような大規模な値上げ案件を、市議会に短期間の審議で認めろというのは、議会に対しても横暴です。本来は43本もの条例改正にかかわるもので、一つ一つ施設の設置目的に沿って検討し判断すべきものだと考えます。議会もパブリックコメントと同様に、単なる通過儀礼と市長はお考えなのでしょうか。本議案は撤回すべきだと考えますが、市長にお聞きします。

例えば、市民センターは、社会教育法第二十一条に基づき仙台市が設置をした、社会教育施設としての公民館です。その目的は、第二十条に、公民館は住民のために、実際生活に即する教育、学術及び文化に関する各種の事業を行い、もって住民の教養の向上、健康の増進、情操の純化を図り、生活文化の振興、社会福祉の増進に寄与することを目的とする、と書かれています。
一般に、公の施設の運用に関しては、地方自治法第二百四十四条で、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取り扱いをしてはならないと規定されており、経済的差別も当然その中に含まれるものとされています。仙台市が社会教育を推進し、市民の利用を推奨するという立場から、使用料問題を慎重に検討すべきです。社会教育施設であり公民館であるという角度からの、使用料問題の検討はどう行ったのか、伺います。

戦後、公民館の生みの親とも呼ばれる寺中作雄氏は、民主主義、文化、教養を身につけ、郷土の産業、政治、生活を豊かにしようと学ぶ人、そういう人たちの学びからお金は取れないのです、と主張しています。市民センターなどで市民が多様に学ぶことを保障するべきなのに、公共性があるか、趣味的、私的なものかと行政が学びの峻別をすることは、全ての住民に開かれた学習保障の場のあり方として、あってはならないことです。公民館の運営には、仙台市公民館運営審議会も設置されていますが、今回の値上げ案は審議会から出されたものではなく、市の財政からの方針として伝えられているだけというのはいかがなものでしょうか。
奥山市長が市民協働を掲げ、学都仙台も標榜しているこの仙台市で、財政の論理が優先してしまうのは余りにも残念でなりません。有名な政治学者マイケル・サンデル氏は、著書「それをお金で買いますか」の中で、次のように述べています。健康、育児、環境、芸術、市民の義務などの価値は、道徳的、政治的な問題であり、それらを単なる経済問題として商品化すれば社会に不平等が広がる。実はそれ以上に重大な問題は、それらの価値が本来よりも低級な規範によって扱われることで、腐敗したり、堕落したりすることである。
市長、文化の薫り高い仙台市を目指すのであれば、このような乱暴な値上げ提案はさっさと撤回し、民主主義や文化、スポーツについて市民と広く語り合うべきではないでしょうか。仙台市民は、とっくにその準備はできていると私は感じます。市長、お答えください。

目指すべき都市像の二つ目の柱は、支え合う健やかな共生の都、安らぎに満ち心豊かな暮らしを支える安心健康都市です。基本計画、実施計画は、ここでもすりかえや不十分なものになっています。
まず、地方自治体の本旨である住民福祉の増進を、地域での支え合いにすりかえて、仕事と責任を放棄する内容になっていることです。財政の不足を主張し、ボランティア頼みの施策へとシフトさせる中身です。当面のことを考えても、ボランティアなど地域力のある地域の住民はサービスを受けられるが、そういった力、資源が十分でない地域の住民はサービスを受けられないことになります。どこに暮らす市民も必要なサービスを受けられる制度こそ必要です。そのために必要な財源を獲得する立場こそ、住民から求められていると考えますが、いかがでしょうか。

子育て応援社会づくりでは、2017年4月の保育所待機児童解消を実施計画で掲げています。しかし、解消の基準、意味はどうなることなのでしょうか。認可保育所への入所を希望し、入所資格もある児童が全員入所できる状態を指しているのか。あるいは、第一希望は認可保育所でも、小規模保育施設など他施設への入所調整がつくという状態を指しているのか。市の考えを示してください。
市長は施政方針で、認可保育所の整備を鋭意進めると言いました。待機児童解消への詰めの段階では、地域的ニーズが読み切れず、民間頼みでは整備が進まないことは明らかです。公立保育所の整備も含めた計画が必要です。いかがでしょうか。

保育士不足の問題も深刻です。地域限定保育士で解消できるとは考えておられないと思います。公立保育所での待遇改善を図るとともに、民間にも保育士の待遇改善のための助成金支給や、保育所運営費の上乗せ増額などの施策を行うべきですが、いかがでしょうか。

苦し紛れの国家戦略特区、地域限定保育士の導入は、本来の問題解決にならないばかりか、新たな問題を持ち込む危険をはらんでいます。保育士と地域限定保育士という別の資格者で保育職場が構成されることになります。準保育士的な扱いで、実際に行う仕事内容や待遇に差が持ち込まれます。地域限定保育士の給与水準は低いものにされ、その存在を理由に保育士の給与水準も引き下げられます。これでは、仙台市域の保育士の給与水準はますます下がり、なり手がいなくなる危険があるものです。いかがお考えでしょうか。

保育所の待機児童とともに、放課後児童健全育成事業、放課後児童クラブの待機児童問題はさらに深刻です。現在の3年生までの希望者を受け入れるのも、現場では大きな矛盾を抱えています。順次六年生まで対象を拡大するわけですから、施設不足は明白です。
ところが、児童クラブの整備は、児童館整備で一学区一館と記載しているだけです。このレベルは既にほぼ達成しています。民間の部屋を借りるなど、サテライトをふやすとしていますが、例えば袋原では来年度五カ所にもなり、サテライト方式の限界です。放課後児童健全育成事業をおおむね40人とされる支援の単位ごとに行うことが大切で、専用施設の整備に踏み出す決断が求められています。いかがでしょうか。

若い世代に仙台を定住の地としてもらいたいと言いながら、子供の医療費助成制度を改善しようとしない市長の態度に、子育て世代は不信感さえ感じています。県内で外来の対象年齢が小学校3年生までで最低となっていた仙台市と多賀城市ですが、多賀城市も10月から、まず小学校六年生まで拡充することが発表されました。対象年齢でも一部負担金を取っていることでも、所得制限があることでも、文字どおり県内最悪の仙台市になったわけです。国が悪い、県が悪い、自治体による格差はいけない。これらは全て奥山市長がそこに予算をつけたくない言いわけだったのでしょうか。中学3年生までに拡充し、ワンコイン負担と所得制限をやめるのにかかる費用は、年間20億円です。子育て支援は重点なのですから、思い切って実施に踏み出すべきです。いかがでしょうか。その上で、各自治体の力を合わせて県に拡充を迫りましょう。伺います。

第三十四号議案障害を理由とする差別をなくし、障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例は、誰もが健やかに生涯にわたって生きがいを持ち、自立して豊かな生活を送ることができるまちにとって、なくてはならない条例です。とりわけ市が、この条例を生かして何をするのか、変えるのかが問われています。障害者医療の窓口無料化や、就労支援の拡充など、障害者施策を充実させることが必要です。
申し立てを受ける第三者機関を設けるのにつけた予算は120万円ほどです。障害を理由とした差別事案に対応するためには、申し立ての前にその入り口となる相談体制が欠かせません。市は各区保健福祉センターや相談支援センター、民間の相談支援事業者などを相談窓口にするとしています。当事者からは、少ない人員体制の中で、差別事例の相談対応や事実確認の調査に当たっていただけるのかという心配も出されています。福祉プラザに中心的な相談窓口を市の責任で設けるとともに、各区に専任の相談員を配置し、ただ相談を待つだけでなく、みずから出向いて障害者の生活や職場の状況を把握し、解決につなげていくべきです。いかがでしょうか。
当事者の方々は、新しいこの条例が効果を発揮しているか検証しながら見直しを進められるように、数年後の見直し規定を入れるよう求めています。しっかりした検証作業を保障するために当然だと考えますが、いかがでしょうか。

第七十号議案仙台市交通事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例について伺います。これは、事業区域を削り、本市と名取市及び多賀城市の区域だけに限定するものです。
市は基本構想で、公共交通を中心とした利便性の高い交通体系のもと、郊外の良好な生活環境を維持しながら、誰もが快適に暮らし活動できるまちを掲げています。しかし、地下鉄東西線開通で、多くの地域でかえって利便性が低まっているのは問題です。バス路線再編には、7千件以上の問い合わせ、苦情が殺到しました。私たち日本共産党市議団は、公共交通問題についてのアンケート調査を現在行っています。アンケート用紙の配布を始めて半月ほどで、既に約2000人の方が回答を寄せていただきました。
この条例には、第三条で常に企業の経済性を発揮するとともに、公共の福祉を増進するように運営するものとするとしています。この間のバス路線再編は、企業の経済性ばかりで、公共の福祉の増進には背を向けた再編になっているのではないですか、伺います。

公共交通は、民間の運輸事業者と公営交通事業者によって支えられてきました。公営交通事業者は、地方公営企業法で独立採算制が基本とされています。しかし、民間でも公営でも、バス事業で利益を上げることは大変困難な時代となっています。仙台市の自動車運送事業においても、長らく毎年の赤字と一般財政からの約30億円の繰り入れが続いています。私たち日本共産党は、このこと自体を批判していません。市民の公共の足を守るためには、税金を投入すべきだと考えるからです。むしろ経営健全化と称して行われる民間委託や職員の不補充、職員給与の抑制など一つ一つが、公共交通の後退になっていることを批判してきました。今や民間、公営企業に加えて、自治体が直接地域交通に責任を果たす形態がどうしても必要になっています。いかがでしょうか。
合併で広い市域にしてきた仙台市の、市民に対する責任は重い。郊外地域でも誰もが快適に暮らしていける公共交通を整備することなしに、コンパクトシティーなどと言って都心部だけに投資をすることは許されません。お答えください。

第三十一号議案仙台市環境基本計画に関する件について伺います。
変更の大きな点は、温室効果ガスの排出量、ごみの総量、燃やすごみの量の削減目標を引き下げ、リサイクル率の目標も引き下げるというものです。大震災の瓦れき処理などで排出量が大幅にふえたことは理解しています。しかし、もともとの目標も取り組みも、他自治体と比べて進んだものとは言えないものでした。環境計画を見直すのならば、この現状を克服する、施策や取り組みを強化することこそ必要です。ごみ減量の必要性を市民に訴え、分別を徹底して燃やすごみを減らすことなど、何をすればよいのか、各町内会単位で市民説明会を開くべきです。このような取り組みなしに目標を引き下げるのは許されません。いかがでしょうか。

奥山市長のもとで、市民の願いから離れた冷たいまちになっていくのはなぜでしょう。一つは、市長が、市民よりもまちの形を主軸に考えるからだと思います。もう一つは、間違った行革に固執しているからです。
施政方針で、大きなポテンシャルを持つこのまちが持続的に発展していくため、人がまちを元気にし、まちが人を呼び込む仙台の都市文化を築きたいと述べました。市長がまちづくりを主語に語り、そのために市民協働を必要と説くことは一貫しています。地下鉄東西線も市民のためにつくったのではなく、新たな都市軸のためにつくりました。コンパクトシティーも市民のためではなく、効率的な都市づくりのためです。ここを市民の暮らし中心に改めるべきです。市長、いかがでしょうか。

そして、市長の言う市民協働が、まちづくりに役立つ市民協働重視、市にとって都合のよい市民活動奨励となっていることも指摘をしてきました。自由で活発な市民活動を奨励し、その中で自分たちの問題、地域の問題を捉え、課題を解決する力を育むこと、自治力を市民がつけていくことが大切です。自治体としては大きくなり過ぎた仙台市ですが、中学校区くらいの地域なら、住民がみずから考え、行動することができます。条例に基づく地域自治区を設定し、権限も一定の予算も持った自治協議会をつくり育てる方向へ発展させるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
行財政改革は、もはや何が目的なのかわからない、行革を続けていくこと自体が目的とも言うべき状況です。市長、行財政改革の目的は何ですか。どこまで続ければ目的を達成するのですか、お答えください。

第四十三号議案仙台市職員定数条例では、また市長部局で69名、交通局で75名などの削減です。職員を減らしても、市の仕事を減らすことにはなりません。安上がりで民間労働者を働かせることになります。サービスの質の低下が起きてきます。安く出される仕事だとなれば、市の職員の仕事の質も落ちてきます。今、職員の不祥事が相次ぐのも、メンタルを初め健康を侵される職員がふえているのも、長年にわたる市の仕事、公務労働の価値が低められてきたあらわれではないでしょうか。市長の見解を伺います。

安倍内閣は、地方創生と言いながら、地方自治体の財政の自主性を次々と奪い、福祉切り捨てと財界奉仕に無理やり向かわせています。そこに、それぞれの自治体の個性も、住民の選択もありません。政府は、お金のかからない地方自治体をつくりたいだけです。住民の生活を守るために、地方自治体の本来の役割を果たすために、国に財源の保障を迫らなければなりません。それこそ自治体の長としての役割ではないでしょうか。奥山市長に強く求めて伺い、第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

 

市長(奥山恵美子)

ただいまの花木則彰議員の御質問にお答えを申し上げます。

まず初めに、本市の震災復興計画に関連してでございます。
本市の震災復興計画は、震災からの一日も早い復興を市民の皆様とともに達成することを目的として、住まいの再建や生活再建、防災、減災のまちづくり、震災の記憶の継承など、十のプロジェクトを掲げながら、これまで各般の取り組みを進めてきたところでございます。
そうした中におきましても、被災された方お一人お一人の生活再建を早期に実現していくこと、また、被災の経験を今後の強靱な都市づくりに生かしていくこと、この二つが本市復興事業の推進に当たって最も重要な視点であることは、現在も変わらないものと考えております。
今年度末をもちまして本市の復興計画期間は終了いたしますが、最優先としてまいりました住まいの再建に関しましては、この間の取り組みの成果が目に見える形でお示しできる段階と至っております。
また、沿岸部からの集団移転や被災宅地の復旧がおおむね完了を迎えることに伴い、復興事業局も廃止をいたしますが、これらにかかわらず引き続き必要な事業につきましては、新たな実施計画やそれぞれの事業計画に基づきしっかりと取り組みを進め、今後とも生活再建の確実な実現と、被災の教訓を生かした都市づくりに努めてまいる所存でございます。

続きまして、まちづくりの考え方についてのお尋ねでございます。
本市は、108万市民が日々の暮らしを営み、多様な団体や企業が活動し、また、近隣市町村からの通勤通学者を初め、国内外からも多くの訪問者を受け入れる都市でございます。このような皆様の生活や活動の場がまちでありまして、このまちには、保健医療、福祉や子育てはもとより、産業経済、交通、文化など多様な機能が備わることが必要と考えております。これらを実現するため、まちづくりは中長期の視点を持ちながら、ハード、ソフト両面の手段を用いて進めていくべきものと考えております。
今後とも、市民の皆様が心安らいで暮らしながら、楽しい学びや交流、多様な経済活動などを活発に行えるようなまちづくりを進めてまいる考えでございます。
そのほかの御質問につきましては、藤本副市長、交通事業管理者並びに関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

 

◯副市長(藤本章)

行財政改革についての御質問にお答えをいたします。

本市を取り巻く行財政環境につきましては、年々厳しさを増しておりますけれども、そのような中にありましても市民福祉の向上に向けまして、新規、多様化、増大化するさまざまな行政課題に対しまして、的確な行政サービスを提供することが求められております。そのためには、何よりも効率的で効果的な市政運営が不可欠でございまして、平成7年以来今日まで、行財政改革計画を策定し、既存の事務事業の見直しを絶えず行い、歳入の確保を図りつつ財政の健全化を図り、定員管理の適正化などに努めてきたところでございます。 こうした長年の取り組みによりまして、新たに増大するさまざまな行政課題に対応してまいりましたし、直近といたしましては地下鉄東西線建設、東日本大震災からの復旧・復興に、市政推進に係る基本となる事業にも的確に対応してきたと認識いたしておりまして、いわゆる最少の経費で最大の効果に照らしまして、相当の効果を上げてきたと、このように認識いたしておるところでございます。 このたびお示ししております次期行財政改革計画におきましては、将来を見据えました効率的、効果的な市政運営を目指す取り組みに合わせまして、職員の意識、組織風土の改革とともに、市民との協働推進をより一層明確にいたしたところでございまして、さらなる改革の推進に取り組んでまいりたいと存じます。 本格的な人口減少、少子高齢化の到来など、社会経済環境の変化に伴い、ますます多様化、複雑化する課題に適切に対応し、活力と魅力あるまちづくりを進めていくためには、今まで以上に行財政運営基盤の強化が不可欠と認識いたしておりまして、今後とも行財政改革に不断かつ確実に取り組んでまいる所存でございます。 以上でございます。

 

 

総務局長(加藤俊憲)

職員の削減と仕事の価値との関係についての御質問にお答えいたします。

これまでの行財政改革の取り組みにおいて、職員定数の削減の主な要因は、ごみ収集業務、保育所等の民間委託、公の施設の管理への指定管理者制度の導入、バス事業における管理の委託などによるものとなっております。
これらはいずれも民間でできることは民間で、そして民間の創意工夫により、より効率的に行うという民間活力の活用により、従来、公務部門が担ってきた業務を担うこととしたものでございます。市民生活にとって必要不可欠な本市の事務事業そのものを削減することなく、その担い手や手法の見直しにより、事業を効率的に持続していくという取り組みでございます。
一方、公務部門におきましては、複雑多岐にわたる行政事業に対応し、高度化、専門化した業務を的確に執行していく必要がございますことから、高い意欲と実行力を兼ね備えた人材を育成し、その力を最大限に生かした市政運営を行っていく必要がございます。こうした要請に応えられるよう、職員の能力を向上させ、その力を引き出していく取り組みを引き続き進めてまいる所存でございます。
以上でございます。

 

 

まちづくり政策局長(大槻文博)

私からは、まず基本計画についてお答えいたします。

基本構想に定めました本市が目指すべき都市像や基本計画の考え方につきましては、東日本大震災においても発揮された市民力やコミュニティーの重要性、きずなの強さ等で改めて評価、証明されたものであると認識しております。策定から間もなく五年が経過しようとする現時点においてもなお、その意義は失われておらず、重点化方針は基本計画のもとで、さまざまな環境変化を踏まえて施策やプロジェクトの重点づけを行ったものであります。
新たな実施計画につきましても、震災復興計画や重点化方針の要素は盛り込んでおりますが、その基本的な骨格は基本計画を踏襲するものでございまして、基本計画の見直しは考えておらないところでございます。

次に、学生応援施策の充実についてのお尋ねでございます。
学都と呼ばれる本市にとりまして、学生はまちの活力の源泉の一つであり、その定着を図ることは、人口減少社会において本市のダム機能を維持し、都市の魅力を高めていくという観点から、大変重要であると認識しております。
御例示の施策でございますが、給付制奨学金につきましては、現在、国において無利子奨学金枠の拡充等が進められておりますことから、その活用を案内してまいりたいと考えております。また、学都フリーパスにつきましては、さらなる低価格化には事業採算性等の問題があり、また他の事業者への拡大には、各事業者の経営判断に委ねるところが大きいなど、さまざまな課題があると考えております。
本市といたしましては、学都仙台コンソーシアムを通じた大学間の連携の促進や、各大学と連携した地元企業の魅力発信など、各般の施策を組み合わせながら、学生が集まり、そして定着する、活力あるまちの実現に向けて努力してまいる所存でございます。

次に、住民福祉の増進における地域での支え合いについてでございます。
本市ではこれまでも、支え合う健やかな共生の都の実現に向けまして、高齢者保健福祉計画、介護保険事業計画、障害者保健福祉計画など各般の計画を定めまして、住民福祉の増進に向けた体制づくりや各種の施設の整備などを、必要な予算を確保しながら進めてきております。
地域において、高齢者や障害者、子育て家庭などが抱える課題が複雑化する中で、その解決に当たっては、こうした行政面での取り組みにとどまらず、地域の中で支え合う社会をつくることが求められており、こうした考えを基本構想を初め基本計画、実施計画において表現しているところでございます。
以上でございます。

 

 

復興事業局長(鈴木三津也)

私からは、復興に係りますお尋ねにお答えを申し上げます。

まず初めに、仮設住宅に入居されている方々の住まいの再建についてでございます。
住まいの再建に関しましては、防災集団移転による住宅再建や復興公営住宅への入居が本格化し、それぞれ完了が見通せるところまで至っておりまして、その結果といたしまして、仮設住宅入居世帯数はピーク時のおおむね3分の1、約4200世帯まで減少しており、さらに住まいの再建に課題を抱えておられる方々も約600世帯と、年度の初め、昨年4月に比しますと半減してきてございます。
さらには、再建方針が決まっていない世帯のうち、本市、仙台市で被災された方は75世帯まで減少するなど、この間の取り組みが着実に実を結んでいるものと考えてございます。引き続き、市外で被災された方も含めまして、仮設住宅に入居されている全ての皆様が、供与期間内に住まいの再建が果たせますよう、全力で支援してまいりたいと存じます。

次に、家賃補助などについてでございます。
復興公営住宅の整備に関しましては、現在まで残っている住戸に加えまして、入居辞退や退去により生じた住戸も含めて50戸以上ございますことから、新たな追加整備は考えてございません。
また、その家賃につきましても、国の基準によりまして決定されているものであり、一定の低所得世帯に対しましては、特別家賃低減制度を活用して軽減を図っておりますことから、さらなる家賃の軽減は考えておらないところでございます。
さらには、民間賃貸住宅への家賃補助についてでございますけれども、住まいの再建に課題を抱える世帯の方々につきましては、御事情を丁寧にお伺いし、経済面に課題のある方は福祉サービスへつなぐなどの取り組みにより、再建を支援させていただいているところでございまして、このようなことから本市として再建後の家賃補助を実施する考えはございません。

次に、津波被災者再建支援金制度についてでございます。
このたび創設いたします新たな制度は、津波被災世帯に対する生活再建支援金の支給額につきまして、本市としてもかねてより増額の要望を国に対して行ってきたものの、現時点でも認められていない状況にございましたことから、今回独自の支援金制度を創設することとしたものでございます。
そのため支給金額につきましては、生活再建支援金の制度趣旨を鑑み、暮らしの再建に最低限必要な家財購入などに役立てていただければと考えまして、20万円としたものでございまして、増額は考えておらないところでございます。
また、津波被災地域は、宅地被害に比べましても、家財の流出などより甚大な被害を受けているものの、生活再建支援制度上は同じ全壊扱いとなり、必ずしも被災程度に応じた支援にはつながっていないことから、今回の支援金制度は津波被災地域に限定して行うものでございます。

最後に、復興リポートについてでございます。
復興事業局におきまして、これまで毎月一回発行してまいりました仙台復興リポートにつきましては、集団移転や被災宅地の復旧、さらには復興公営住宅の整備といった大規模な事業がおおむね完了を迎えていく段階に至りましたことから、先ごろ発行いたしました第39号をもちまして区切りとし、最終号とさせていただいたところでございます。
今後の本市復興に係る情報発信につきましては、生活再建推進事業を中心に、これまでと形を変えながらも、引き続き議会や市民の皆様へわかりやすい形でお知らせをしてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

 

 

財政局長(西城正美)

初めに、新年度予算案における予算配分に係るお尋ねについてお答えいたします。

平成28年度予算につきましては、政策重点化方針2020に掲げる3つの方針の実現に資する取り組みを基本とし、編成を進めてまいりました。
ソフト面の取り組みとしては、子供を産み育てやすい環境づくりのための保育基盤整備等の子育て支援や、高齢者の方々が地域で安心して暮らしていけるよう地域包括支援センターの機能を強化する等の予算を拡充しております。また、各般の中小企業支援施策は、雇用される方々やその御家族の生活の経済的な基盤形成につながるものでございます。
そうした施策以外でも、津波被災者の暮らしの再建に向けた新たな支援制度の創設などのほか、継続的な福祉関係経費につきましても所要額を確保したところでございます。
本市が都市としての魅力、活力を維持、発展させていくためには、東西線を基軸としたまちづくりや、産業集積のための基盤整備といったハード的な取り組みも不可欠であり、今後ともソフト、ハード両面で各般の施策に対し、効果的に予算を配分してまいりたいと考えております。

次に、震災復興基金についてでございます。
震災復興基金につきましては、復興計画期間終了に当たり、新年度以降の震災復興事業の見通しを再確認した結果、東部復興道路整備や津波被災地域住宅再建支援、蒲生北部地区土地区画整理、海岸公園再整備等への充当により、その全額を活用すると見込んでいるところでございます。
引き続き、このような事業を推進いたしまして、被災者の生活再建と防災減災のまちづくりに取り組んでまいりたいと考えております。

次に、使用料見直しに関する数点のお尋ねでございます。
今回の見直しを進めるに当たりましては、昭和58年度以来の統一的な改定であり、多くの施設使用料を検討対象としている点を十分に踏まえ、昨年11月の総務財政常任委員会において、見直しに向けての基本的な考え方について御説明の上、市民の皆様の御意見をいただくため、パブリックコメントを実施したところでございます。
パブリックコメントの実施結果といたしましては、見直し案に対する御懸念をお持ちの御意見の中でも、施設を借りる方が入場料を徴収してホール等を利用する場合の割り増しを初めとした、使用料体系の見直しに関する御意見がございました。こうした御意見や個別施設ごとの使用料算定の精査結果を踏まえまして、現行の使用料体系を基本とした整理を行うこととし、現行水準から大幅な上昇を抑えますほか、引き上げ幅にも上限を設けるなど、利用される皆様の負担増に配慮いたしたところでございます。
このような対応につきまして、1月の総務財政委員会において御説明いたしますとともに、パブリックコメントに対する回答として、市のホームページにおいて公表したところでございます。
本市では、これまで30年以上にわたり使用料の見直しを行っておらず、受益と負担の適正化という観点から、使用料等の改定は必要なものと認識しております。このような基本的認識のもと、施設あるいは事業の所管部局と調整しながら進めてきたところでありまして、これまでの経緯、あるいは今回の見直しの内容につきまして、引き続き市民の皆様に丁寧に御説明してまいりたいと存じます。

次に、地方財政運営に関するお尋ねでございます。
地方自治体、とりわけ本市を含む基礎自治体にとりましては、都市の活性化や子育て支援、高齢化への対応といったさまざまな行政サービスを、地域の実情に応じ、かつ持続的に提供していくための自立的な財政基盤の確保が重要でございます。
同時に、国と地方を通じて多額の借入金残高を抱え、少子高齢化が進展する現実の中においては、現在国が進める、地方も含めた経済再生と財政健全化に向けた取り組みの方向性については、今後人口減少が見込まれる本市にとりましても、認識を共有すべき部分がございます。
これまでも税源移譲を基本とした地方財源の確保を国に対し継続して要望してまいりましたが、今後とも他の指定都市と共同しながら、税財政制度の確立に向けて強く求めてまいりますとともに、地方創生推進交付金を初めとしたさまざまな施策、財源につきましては、これを有効に活用しながら、本市として必要な取り組みを推し進めてまいる考えでございます。

 

 

◯市民局長(寺田清伸)

私からは、まず復興公営住宅への支援員の配置に関する御質問にお答えをいたします。

復興公営住宅におきましては、それぞれの区役所が中心となり、コミュニティーの形成を支援してきたところ、町内会の設立等が進んできてございます。 集会所への支援員の配置は考えてございませんが、引き続き地域の関係団体等の御協力もいただきながら、地域コミュニティーの核となる町内会の設立や、周辺町内会への合流等に向けた支援に取り組んでまいる考えでございます。 次に、地域自治区及び自治協議会に関する御質問にお答えをいたします。 地域自治区制度は、平成16年の地方自治法改正により創設され、市町村合併を行った自治体を中心に導入されたものと認識をしております。本市におきましては、合併から既に4半世紀以上が経過しておりますとともに、本市の町内会や連合町内会を初めとした地域団体は、それぞれの歴史や地理的な要因等により現在の活動地域を築き、連携しながら活動をいただいておりますことから、この制度を導入する状況にはないと考えてございます。 今後とも、地域の特性に応じたきめ細かなまちづくりの実現に向け、地域の皆様の声をしっかりと伺いながら、引き続き地域団体の活動を支援してまいりたいと存じます。 以上でございます。

 

 

◯健康福祉局長(佐々木洋)

初めに、被災者に対する国保と介護の一部負担金等の免除についてでございます。

被災者に対する一部負担金等の免除措置は、本来国の全額財政支援により行われるべきものでございますが、それが実現されなかったことから、被災自治体に今年度まで拡充されている国保特別調整交付金の一部を活用して、実施してきたものでございます。 これまで市長会等を通じ、次年度以降の特別調整交付金の拡充の継続や、国の全額財政支援を重ねて要望してまいりました。しかしながら、現時点においてこうした国の財政支援が確実に措置される見通しは立っていない状況であり、本市としては市負担によって一部負担金等の免除を継続することは困難であると判断しているところでございます。 この問題につきましては、県内各自治体とも意見交換を重ねてまいりましたが、国保の運営状況、財政状況は異なっていることから、各自治体においてはそれぞれの状況を考慮して決定されているものと認識してございます。 次に、障害者差別解消の相談体制についてでございます。 差別に関する相談につきましては、新たに専門の相談窓口を設けるのではなく、障害のある方に身近な支援を行っている、区障害者総合相談窓口や相談支援事業所などで対応することとしており、新年度においては各区の窓口に相談員を増員するなど、相談体制の拡充を図ることとしております。 この相談体制のもとで、相談者、相手方の双方のお話を丁寧にお伺いするとともに、現場に出向いての確認や説明などにより、誤解を解いたり、障害に対する理解を求めるなど、必要な対応を行ってまいりたいと考えてございます。 次に、検証作業についてでございます。 差別解消に関する相談や各種施策の実施状況につきましては、これまで条例のあり方を審議してきた障害者施策推進協議会に報告し、評価、検証していただくこととしておりまして、その検証を踏まえ、より効果的な施策の展開を図ってまいりたいと考えております。 以上でございます。

 

 

子供未来局長(板橋秀樹)

私からは、子育て支援施策に関する数点の御質問にお答えをいたします。

初めに、待機児童解消の定義及び認可保育所の整備等に関するお尋ねでございます。
子ども・子育て支援新制度では、保育の量的拡充、確保を図るため、従来整備が難しかった場所などにおいて、比較的小規模でも保育の受け皿整備が推進されるよう、新たに小規模保育や家庭的保育、事業所内保育などさまざまな事業を公的支援の対象として位置づけ、待機児童の早期解消を目指すこととされております。
本市におきましても、新制度の目的を踏まえ、認可保育所の整備のみならず、認定こども園や小規模保育などさまざまな保育基盤の整備を進め、その中で入所調整を行い、待機児童解消を目指してまいりたいと考えております。
また、本市では、地域の拠点と位置づけた公立保育所におきまして、地域子育て支援の充実や保育の質の向上などの役割を担うこととしております。認可保育所整備に当たりましては、このような公立と民間の役割に加え、保育総量を確保する上で、国の資金の効果的な活用を図る観点から、民間保育所の計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。

次に、保育士の待遇改善等についてでございます。
本市におきましては、保育士の処遇改善と人材確保を図るため、来年度から非常勤嘱託職員及び臨時職員の報酬等を引き上げることといたしております。民間保育所等につきましても、新制度開始時、公定価格において3%の給与改善が図られ、さらに国の補正予算成立に伴い、4月にさかのぼって1.9%の改善が行われたところでございます。
また、国の来年度予算案におきまして、チーム保育体制の整備による保育士負担の軽減や、キャリアに応じた賃金改善による職場定着促進を通じた保育の質向上を図るため、公定価格に新たな加算を創設することが盛り込まれております。
保育士の処遇改善等につきましては、これまでも国に対し必要な財源確保等を要望してきたところであり、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

次に、地域限定保育士についてでございます。
地域限定保育士は、資格登録後3年間は限定した地域でのみ保育士としての資格を有することとはなりますが、求められる資質や能力、従事する業務内容は、通常の保育士と何ら変わるものではありません。
本市の公立保育所におきましては、地域限定保育士の任用に当たりまして、労働条件は全て通常の保育士と同一とする予定でございます。民間の保育所等につきましても、人材確保が課題となっている中、必要な保育士の確保のため、本市と同様の対応をとるものと考えておりますが、制度周知とあわせて適正な待遇や職場への定着が図られるよう、適宜指導等を行ってまいります。

次に、児童クラブの専用施設についてでございます。
児童クラブの専用施設につきましては、児童館の新設や建てかえの際に、必要となる児童クラブ専用室の確保に努めているとともに、新制度開始に伴う登録児童の増加に対応するため、小学校の余裕教室等を積極的に活用しているほか、早期の対応が求められる中で必要な受け皿を確保するため、民間物件の賃借等により、適時適切な居場所の整備を行っているところでございます。
今後、高学年児童の受け入れも控えておりますことから、引き続き地域の実情を踏まえ、多様な手法を組み合わせることにより、必要な受け皿の整備に取り組んでまいりたいと考えております。

最後に、子ども医療費助成の拡充に関するお尋ねでございます。
安心して子供を育てることができる基礎的な環境を確保する上で、子育て世帯への経済的な支援である同制度の充実強化を図ることは、重要な課題であると認識しております。一方で、本市単独で制度を将来にわたって安定的に維持していくことは難しい状況にありますので、引き続き宮城県に対し、あらゆる機会を捉え、県制度の拡充について強く申し入れを行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

 

環境局長(小山京)

ごみ減量に関する御質問についてお答えいたします。

ごみ排出量などに関する新しい目標の達成に向けましては、市民、事業者の皆様に、紙類を初めとする資源物の分別に積極的に取り組んでいただくことが何よりも重要であり、そのための広報、啓発の一層の強化が求められているものと考えております。
これまでもキャンペーンの実施や、町内会あるいはクリーン仙台推進員の皆様の御協力をいただきながら、職員が地域に入って出前講座など分別ルールに関する啓発活動を行ってきたところであります。今後もこうした取り組みを着実に推進してまいりますが、これらに加えまして、新年度におきましては、従来の取り組みではなかなかカバーすることが難しかった居住年数が短い市民の皆様や、若年層の方々に重点を置いた、効果的な広報、啓発に取り組んでまいる所存でございます。
以上でございます。

 

 

都市整備局長(小島博仁)

地域公共交通と自治体のかかわり等に関する二点の御質問にお答え申し上げます。

本市では、都市計画マスタープランにおいて、機能集約型市街地形成と地域再生をまちづくりにおける基本的な方向の一つに位置づけ、都心や都市軸への多様な都市機能を集約するだけでなく、郊外地域においても、暮らしを支える都市機能の維持、改善を図り、暮らしやすい環境の形成を目指すこととしております。
とりわけ高齢化や人口減少が進行する中では、郊外地域における買い物や通院など日常の移動手段の確保が重要課題となりますが、その対応をバス事業者のみに頼ることは困難になりつつあると認識しております。
こうしたことから、国の動向及び他都市の事例なども踏まえつつ、地域、交通事業者、行政などの連携のもと、交通事業者との役割分担や地域の主体的な取り組みのあり方など、今後検討を深めてまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

 

教育長(大越裕光)

初めに、少人数学級の拡大と教職員の増員についてお答えいたします。

本市の教育行政において、いじめ対策が最重要課題であることから、全市立中学校等65校へいじめ対策専任教諭を、市立小学校30校程度へ児童支援教諭を新たに設置することとしております。こうした教員の増員やいじめ対策支援員の配置などにより、教員の負担の軽減が図られ、いじめ問題への対応体制がより充実するものと考えております。
なお、少人数学級の拡大につきましては、国による教職員定数の改善が基本であることから、これまでも他の政令市と連携して、国に対して繰り返し要望してきたところであり、今後とも引き続き求めてまいりたいと存じます。

次に、使用料の改定のうち、市民センターに関する御質問にお答えいたします。
本市の市民センターは、公民館としての位置づけを踏まえつつ、御利用をいただく方々に日常的な管理運営経費の一部を御負担していただく受益者負担の考え方で、昭和42年より一定の使用料を設定しております。
その後、全市的な改定に合わせ使用料を改定してきており、今回につきましても、市民の学習や交流の拠点としての機能を向上させ、安定的に運営していくため、使用料の改定は妥当と考えたところでございます。
また、公民館運営審議会につきましては、市民センターの各種の事業、講座等について調査、研究し審議をいただくほか、事業評価を行っていただくことを目的に設置しているものでございます。使用料改定は、利用者にかかわることでもございますので、1月の公民館運営審議会において、市民利用施設の使用料の見直しについて御報告しているところでございます。
今後とも市民センターが、生涯学習の支援拠点や地域づくりの拠点としての機能を発揮しつつ、社会教育が充実していくよう取り組んでまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

 

交通事業管理者(佐藤清)

バス路線再編についての御質問にお答え申し上げます。

今回の路線再編におきましては、バスと地下鉄が連携した公共交通網の形成を目指して、東西線への乗りかえを基本としたバス路線と、利用状況に見合った便数の設定に努めてまいりました。
市営バス事業の現状は、平成28年度当初予算では、運送収入の40%を超える補助金を受けるなど、残念ながら経済性を発揮しているとは言い難い状況にあり、地方公営企業法上の経営原則である経済性の発揮と公共の福祉の増進という要請に応えられるよう、今後とも一層の経営努力を重ねてまいりたいと存じます。

 

 

──再質問──

花木則彰議員

いろいろ御答弁をいただきましたけれども、困難を抱える被災者や市民の現状について、本当に見て見ぬふりをする答弁ばかりだと思います。もう全部言いたいのですが、余りにも全部は言えないので、再質問を4つしたいと思うんですけれども、一つは、市は仮設住宅室長名で先日、応急仮設住宅の供給は下記の期日をもって終了となりますので、期日までに退去できるよう御準備くださいという通知を出し、はがきに退去日を書いて出すようにと迫っています。
今、御答弁でもありましたように、転居先が決まっていない被災者、これは一体誰なのかというのは市はわかっているんですよね。そういう方のところにまでこういう通知を送る。そういう人たちは一体どう書けばいいのかと、非常に困っているわけです。一軒ごとに事情をつかんでいるなら、そういう世帯には送らないと。そして、相談にやはりこちらから伺うということをやらなければいけない、今レベルの段階ではないでしょうか。
結局、市長の答弁を聞いても、復興事業局長の答弁を聞いても、集団移転だとか、宅地のほうは大体終わったと。だけれども、今仮設に残っておられる方で決まらない人はまだまだいるんだということで、とても完了したということではないんだと認めた答弁だったと思います。しかし同時に、これまで同様、努力するんだということしか言わない。努力の中身も問われていますけれども、一体その努力でどこまで行けるのかということについての見通しを持ってこそ、ああいう施政方針の演説になるんじゃないですか。その見通しについてしっかり説明をしてください。ないならないで、そういった方針演説はだめだと言わざるを得ないと思います。
追加支援や制度拡充も含めて本当に完了するまで責任を果たすと、そういう部局はどこなのか。誰がやるのかということも明らかにしなければ、やはり被災者としては切り捨てだということにならざるを得ないと思います。そして、このまま事態が進行すれば、仮設からの追い出し期限がどんどん迫っているんですね。復興公営住宅の増設はやらないとか、家賃の補助制度もやりませんということを言うばかりで、じゃあ民間の賃貸住宅あるいは市営住宅を希望している人もいっぱいいるわけですけれども、入れないでしょう。どうやってその希望に応えていくのかということについて、責任を持った答弁というのが要るのではないでしょうか。
この状況で復興事業局を解体ということになれば、奥山市長がいかに無責任なのかということを全国に宣伝することにしかならない。そんな都市に文化観光局をつくっても、誰が魅力を感じるのかという中身だと思います。これはやはり市長にその責任についてはっきりと答えていただきたいと思います。

もう一つは、医療費、介護利用料の免除についてです。
健康福祉局長からの答弁でした。国の追加の財政支援が確実でないので継続は困難と。この間には随分距離があるんですよ。ほかの自治体は、国の財政的な支援はないけれども、それをかち取るためにも継続をすると言って継続しているんですよ。石巻もしている、気仙沼もしている、塩竈も多賀城もしている。そういうところと状況がいろいろ違うから、そこは勝手にしたんだろうと、判断したんだろうというようなお答えでしたけれども、状況が違うとすれば仙台市はいかに状況がいいのかという話ですよ。国からのお金が出なければ、なぜ継続できないのかということについて、ちゃんと説明をしなさい。それを求めているのに、全く説明がありません。やはり基金もあると。それから、独自繰り入れも使えるということで、やれることというのはいっぱいあるはずなんです。被災者の命を守るということよりも優先をする課題があるとは、私は思えません。
財政局長は、185億円基金あるけれども、いや道路に使うんだとか、蒲生の区画整理に使うんだとか、それで全部使うんだと言ってましたけれども、何でそちらのほうが優先するのか。全く理解をできません。これはしっかり説明をしていただきたいと思います。

子供の医療費助成も同様です。国や県に制度の拡充を求めるというためには、まず一番身近な仙台市が市民の願いに応えようと努力しなければいけないと。その姿勢がほかの県内の自治体の中で一番弱いということが、今の仙台市の状況なんです。財政力はほかの自治体に比べてこんなに大きいのに、仙台市に住む子供たちは大切にされないと。大変情けないことだと思います。
教育長がいじめの問題、大事だと言いましたけれども、子供たちをもっともっと大切にするという、そういった姿勢を大人が示さなければ、行政が示さなければ、一体誰がやるんですか。地下鉄東西線をつくりましたとか、そういうことでお金を全部使うんだということで、そっちが軸になってしまっているんじゃないかと指摘したんですけれども、まさにそれの繰り返しです。子供たちのために使うということをはっきり言えばいいんです。やればできるんですよ。なぜできないのか。
政策重点だと言っているんですから、やはりやっていることが食い違っているのでは困ると。子ども・子育ての支援のために、子供の医療費の助成、年齢拡充をしましょう、県に迫りましょうと、これはもう一度市長に伺います。市長、よろしいですか。

あと市民協働ですけれども、これほどこのことを市長が繰り返し繰り返し口にしています。きょうの答弁の中でもどれだけ言ったかと。それなのに使用料、手数料の値上げについては、なぜ市民としっかり向き合おうとしないのか。説明会をやりますと、誰がするんですか。市長、行くんですか。本当はそういう説明会をしっかり決める前、提案してそれを議会がかける前にやるということが大事なんじゃないですか。公の施設は市長のものではないんです。公の施設は住民のものなんです。だから、その現状がどうなっているのか。本当に財政が大変で、このままではやりくりできないんだということだったら、それを率直に住民に説明をする。そして、一緒に考える。そして、一緒に決める。これが市民力であり、私の言う自治力だと思うんです。
30年間上げてこなかったわけですから、何もことしそんなに急いで、何カ月かでやらなければいけないという話じゃないんです。来年度時間をかけて市民と話し合えばいいと。そういうことをやらないという市長の対応が、結局市民を信頼していないということなんじゃないかと思うんですけれども、このことを伺って再質問とします。

 

 

◯市長(奥山恵美子)

再度のお尋ねのうち、まず、子供医療費の問題についてお答えを申し上げたいと思います。 子供を育てる若い世代にとって、子供が病気になったときに負担をしなければいけない医療費の問題というのは大変重要な課題であると、私も認識をしております。この現在の事業の仕組みにつきましては、御承知のとおり県がその土台となる制度を一定年限、子供の年齢に応じて組み立て、そしてまたその上に私ども基礎自治体がそれぞれの財政状況を勘案しつつ、制度を独自に立てているという状況でございます。 そうした中で、十分御承知のとおりでございますけれども、宮城県はこの間、全国で最低の県負担ということで事業が行われているということでございまして、これを全県的にやはり県にしっかりと、県戦略の中でさまざまな税負担をして県民がいるわけでございますので、しっかりとそれを負担をするということを県の責任においてやっていくべきであるということを、私はかねてから申し上げているわけでありまして、このことにつきましてはまず仙台市がやるべきであるという御提示でございますけれども、私は従前のとおり、まず県がこの制度の土台をしっかりと構築すべきであるということを重ねて訴えてまいりたいと考えているものでございます。

また、公の施設の使用料等の改定につきましてでございます。 文化行政またスポーツ行政におきまして、その活動の場を提供するということは大変重要なことであると考えてございます。そうした中で、今回、33年ぶりの使用料の改定ということでございまして、これにつきましては、物価の値上がり等この間の経緯、またこの間33年ぶりということで大変多岐にわたる料金体系になってありましたことの、体系としての整理などもあわせて見直しをしたところでございます。市民の皆様にとって大変関係の多い、利用される施設でございますので、この説明につきましては丁寧に申し上げ、また多くのパブリックコメントも頂戴いたしまして、それらの御意見により我々の案を再度見直し、修正を加えたものとして御提示をしているところでございまして、これを現在の提案から次年度にまた繰り延べるという考えは持っておらないものでございます。

 

復興事業局長(鈴木三津也)

私からは、住宅再建の見通しをというお尋ねにつきまして、改めてお答えを申し上げます。
先ほども御答弁申し上げましたけれども、本市で被災なされた方々のうち、住宅再建につきまして検討中、まだ未定という方々が七十五世帯でございます。さらに申しますと、そのうち経済的理由など大変困難な課題が背景にあるのではないかと考えられる世帯は十数世帯と考えてございます。このようなことから、先ほども申し上げましたが、我々の取り組み等々につきましては、実績といいましょうか成果として着実に上がっているものと考えてございますし、今後ともまさに個々の世帯、個々の御事情に我々のほうでも把握させていただいているところが多々ございますので、そちらに寄り添うと。より寄り添っていき、そして生活再建、住宅再建を果たしていただくということに全力を挙げていきたいと考えてございます。先ほども申し上げましたが、やれることは最大限、今後ともやらせていただきたいと存じます。

それからもう一つ、組織として新年度どうなるのだというお話もいただきましたけれども、これにつきましては、現在、復興事業局の中の生活再建推進部につきまして、新年度におきましてはまさに福祉部門と一緒に取り組むということで、健康福祉局の中に配置をするということをお示しをさせていただいておりまして、これまで同様、これからも健康福祉局、そして各区役所等々、関係する社協等々の団体の皆様と一緒に、きちんとしたサポートをさせていただくということは何ら変わらないものでございます。
以上でございます。

 

 

◯健康福祉局長(佐々木洋)

被災者に対する一部負担金免除の財源についてでございますが、国の全額財政負担がない場合に考えられますのは、国保特別会計において国保財政調整基金の取り崩し、一般会計からの法定外の繰り入れ、そして保険料ということになろうかと思います。 このうち国保財政調整基金は、現在残高が約2億3000万円となってございまして、予期せぬ歳入不足ですとか、給付の増などに備えるべきものと考えてございます。また、一般会計からの法定外の繰り入れでございますが、保険料や国からの補助金の不足などによる収支不足の補填のために、やむなく予算計上しているものでございまして、収支均衡以外の目的でこれを使うということは考えてございません。 そして、保険料を財源とする場合は、これに充てるためにほかの被保険者の保険料負担が増すことになります。したがいまして、国からの全額財政負担、これが確実に措置されなければ、一部負担金免除を継続することは困難であるというふうに考えてございます。 以上でございます。

 

 

──再々質問──

◯花木則彰議員

まず、被災者の医療費、介護料ですが、今、健康福祉局長からお話がありました。国からの財源がないとき、三つありますと。そのうちの一つは、法定外繰り入れだと。その目的は、国からのお金が不足するときにやむなく入れるんだと言ってるじゃないですか。国に求めていくと、2億9000万円かかるということであれば、国保のは2億4000万円ですが、それだけかかるとすれば、やはりそれだけちゃんとよこしなさいということを国に求めていくと。しかし、12月にそれが来ないということになったときには、国からの不足があるんだからやむなく一般財政から入れる。一般財政の場合に、この普通のところから入れるのか、あるいは被災者のためのということですから、それは復興基金を取り崩して行うということも十分考えられるでしょう。 ほかの石巻だとか、気仙沼だとかもそういった工夫や努力をして決断をしているんですよ。必ず国から財政を引き出そうということで、頑張ろうという背水の陣を敷いているんですよ。なぜ仙台市はそういう戦いを国に対してやらないで、口先だけ国に求めていきますと言ったのでは、国からも見透かされるし、市民や被災者からもやる気がないんだなと見透かされているんです、これでは。こういった国や県の対応を変えさせる意欲も持っていないという宣言にしか聞こえません。 継続的にということは無理でも、何年かなら頑張れるだけの財政力はありますよ。その間に国や県を落とすと、そのことに必死で取り組むというのが市長の仕事なんじゃないですか。この前の被災者の方の要望の中でも、市長は国に求めていますと言うけれども、一体この話で何回行ったんだという問いがありました。実際に国に財政支援を継続させるということは、ほかの継続を決断した自治体と一緒になって、本当に必死でこれは取り組まなければいけない仕事だし、それは本当に市長がやるべきことなんです。その責任を果たせということなんですから、ぜひそこをこれは市長が受けとめる必要があると思っています。 仮設住宅から復興公営住宅に、あるいは民間賃貸住宅に今多くの人が移るんでしょう、復興事業局長。それはこれまで家賃負担をしていなかった被災者の方々に、大きな家賃負担がかかってくる今の時期なんですよ。みんな今、大変な思いをしているんです。そういうときに医療費のこの免除を打ち切るなんていうのは、本当に許されないことだと思います。医療は安心して受けることができるように、これが優先すべき最大の課題だと思います。復興のトップランナーだというふうに市長は言いますけれども、これでは国からの切り崩しに真っ先に寝返る、そういったトップランナーになってしまうじゃないですか。これでいいのか。余りにも仙台市の市長として、唯一の被災地の中での政令市の市長として情けないと、私は思います。それを伺います。

もう一つは、市民利用施設の問題ですけれども、これから丁寧に説明すると言っているんですよね。いや、そういうことじゃだめだというのが、これまでの議会との間での話だったんじゃないですか。まず市長が行って、やはりよく話も聞くし、説明もすると。広く住民の人たちに影響があるんだと、大変大事なことだと言っているんだったら、まずそれをしなければいけない。 ごみの有料化のとき、私たちは反対しましたけれども、あのときはあの梅原市長でさえ行きましたよ。各町内会単位まで説明会に行きましたよ。何でそれができないんですか。梅原市長は全然市民協働なんて言わなかったですよ。市長はそれとは手法が違うんだと、私は市民協働でと、ずっとやってきていて、その奥山市長がなぜ行かないのか。市長が行かないだけじゃなくて、誰も市の説明会を開いてないんですからね。おかしいじゃないかと私は思います。 丁寧にこれから説明をさせるということではないと。議会をその前に通過させるなんて、本当に議会を何と思っているんですかと。やはりこれでは議会との信頼関係も、また市民との信頼関係も壊れてしまいますから、これはぜひ撤回をすべきだというふうに思います。これについても市長の答弁を求めます。 以上です。

 

市長(奥山恵美子)

国保医療費の一部負担金の免除の件についてお答えを申し上げます。
ただいま議員からも制度について、るるお話がございました。一般会計からの繰り入れということにつきましては、これは国保運営上の基本的な考え方の部分に当たるかと思いますけれども、私は先ほど局長から答弁申し上げましたとおり、収支の均衡が不足している場合についてこれを一般会計から繰り入れるということについては、この間百億円に上る場合もございましたし、多額のものを繰り入れながら均衡を図ってきたという経緯もございました。
しかしながら、今般の一部負担金につきましては、その対象となるものではないというふうに考えるものでございまして、私としてはそうした他市における御判断の根拠というのはつまびらかではございませんが、本市としては私の判断はそのようなものでございます。
引き続き、しかしこの間、国に対する追加の財政支援についての要望は私、宮城県市長会会長、また東北市長会会長としても続けてきたものでございます。しかしながら、それが実現しなかったということもあるわけでございまして、その点については大変遺憾なことであるというふうに思うところでございます。
引き続き医療の、現在さまざまな形で病院にかかっていらっしゃる方もいらっしゃるわけでございますので、そうした方々については所得が低い方々に対するさまざまな援助措置等については、丁寧にこれを御案内して御利用いただくように努めてまいりたいと考えるものでございます。

また、公の施設の利用の使用料等についてでございます。この施設利用料の件につきましては、この間、大変長期にわたって値上げをしてこなかったということも踏まえて、この間の物価上昇の分をそっくりそのまま転嫁するということではなく、市民の皆様の御負担が一定限度の中におさまるようということで、さまざまな配慮を加えた上での原案とさせていただいているところでございます。
そうした我々の制度の改変に向かっての留意事項等を十分に議会にも御理解をいただく中で、御質疑をいただき、議会としてお認めをいただきたいということで、このたび提案をさせていただいているものでございます。これは決して議会軽視のゆえにそうなったということではございませんで、議会を決定をいただく大変重要な場と考えているがゆえに、常任委員会の御説明も含めて、このような段取りをとってきたということでございます。
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