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代表質疑 すげの直子議員 (6月13日)

 

【概要】給付型奨学金制度を来年度から実施できるように

 

〇すげの直子議員

日本共産党仙台市議団のすげの直子です。会派を代表し、提案された諸議案および、市政の重要課題について伺います。

間もなく郡市長が就任してから1年がたとうとしています。広範な市民からの要請を受け決断し、市長選挙に正式に名乗りを上げたのが昨年の6月9日。国会議員の職を辞しての挑戦に、多くの市民が共感をもって暑い熱い選挙戦を郡市長とともに戦いました。
何よりも、郡市長が掲げた市民への約束が共感と支持を得ました。まちづくりをブドウの房になぞらえ、房の大きさや見ばえよりも一粒一粒の実りを大切にしたいと、七つの重点政策を訴えられました。35人以下学級の拡充や教員の増員、仙台版給付型奨学金制度の創設、いじめの解決や再発防止、子育て支援や地元企業への支援を行っての経済活性化、日常生活圏域を単位とするまちづくりです。そして、現場主義を貫くことを市民に訴えました。
1年前に決断し、市民とともに選挙戦を戦った際の市政に対する思いは、今も揺るがず、市長の大切な姿勢として貫かれているのだと思いますが、いかがでしょうか。市長の御所見を伺います。

郡市長が掲げた市民への約束は、この間、前進をしています。4月当初の入学式では、学校の先生方や保護者の方々から、35人以下学級拡充に対する喜びの声を直接お聞きしました。小学校の先生からは、中学校だけじゃなく小学校もぜひとのお声も寄せられました。さらに着実に進めていくことが求められています。
また、子ども食堂への助成が本格的にスタートするという新聞報道があったときには、腹の立つ暗いニュースが多い中でこういうのは本当にうれしい、子供や子育てをもっと応援して少子化何とかしないとという御意見をいただきました。郡市政がどう進んでいくのか、市民は注目しています。
市民から熱い期待が寄せられているという点では、仙台版給付型奨学金制度の創設が強く待たれています。郡市政になって以降、市長の公約の大きな柱だったこともあり、議会でもさまざま議論がされています。市長は、国の動向を注視しつつ、他の自治体の状況も参考としながら検討を深めていきたいという答弁をされています。まず、この間の検討はどういった視点で行われ、どういう事柄を調査し、検討してきたのでしょうか、伺います。

経済的な問題で就学の機会が奪われるようなことがあってはならないという認識の広がりと、有利子貸与型の奨学金が圧倒的に多く、借りた額以上の返済に苦しむ若者たちが多数になる中、国の給付型奨学金制度がようやく始まりましたが、利用枠はわずか2万人です。奨学金の利用者が今や150万人となり、学生の二人に一人が利用していることからすると、まだまだ不十分です。昨年度の仙台市立高校に割り当てられた利用枠はわずか18人で、非課税世帯など国が示す要件をクリアしても、利用できない学生がいました。
今や国立大学でも、入学初年度は学費の負担が80万円を超えるという状況です。国が責任を持ってさらに拡充することはもちろん必要ですが、自治体の決断は待ったなしです。神戸市や札幌市など、既に政令市の中でも給付型奨学金制度が実施されています。来年度には実施できるよう目標を定めて検討を進めることを求めます。いかがでしょうか、お答えください。

その際、給付型奨学金には地元への就職要件は付さないようにすべきです。大学入学時には地元就職を希望しても、それがかなうかどうかわかりません。これでは、就職が決まるまで本当に給付型になるかわからず、不安な思いで学生生活を送らなければなりません。地元要件に縛られて、就職先がブラック企業でもやめられないなどの事態を生んでしまいます。地元定着については別の施策で対応すべきです。
先日、秋田県と秋田市に会派視察を行いました。奨学金返還助成事業の実施状況をお聞きするためです。
秋田県では、人口減少に歯どめをかけ、若者の地元定着を狙いとして、3年間で最大60万円の奨学金返還助成事業を実施しています。国がお金も出し、航空機や自動車など成長産業5分野に就職する大卒者等を対象とした未来創生分に加えて、民間企業就職者を対象とした県独自の制度を実施しています。募集人数に制限を持たず、また、正規雇用でなくてもよいとしている県はほかに例がないと、控え目ながら誇らしげに語ってくれたことが印象的でした。地元のコンビニでアルバイトしている青年も県庁の臨時職員の若者も申請し、認定されているというお話でした。初年度の認定者数は551人で、このペースだと最大でかかる予算は年間3億円ほどと見込んでいるとのことです。
県の姿勢もあり、秋田県では県内13の市町村が、県の制度に何らかの上乗せを実施しています。秋田市では、看護師、保育士と対象の職種は限定していますが、今年度から奨学金返還助成事業を新規創設しました。県の制度を受けている人に上乗せし、さらに県の上限3年間が過ぎた後も、2年間、県と同額の支援を行うとのことでした。若者たちは、どれだけ自治体に大事にされた、地元に育てられたという思いを持つでしょう。
国が後押しする制度すら実施していないのが、東北では宮城県だけです。先日、みやぎ奨学金問題ネットワークの学習会に参加してきましたが、近年、「借りた奨学金を払い切れない」という相談がふえているとのことでした。本市が課題としている地元定着や中小企業の人材確保に寄与する奨学金返還助成制度を、給付型奨学金制度とは別建てで創設することを求めます。いかがでしょうか、お答えください。

若者の地元定着を進めることは、これ以外にも可能です。昨年度から教職員の採用が市教委独自で行えるようになり、2019年度の採用予定数は、前年度より1.9倍にふやすとのことです。その意気込みと実践を開始したことに、これまで求めてきた立場からも敬意を表し、歓迎するものです。
3月議会で議論になった学校職員の定数と現員数の乖離については、早急に解消しなければなりません。長年にわたって必要な定数を300人もの講師で賄ってきましたが、今度は講師不足が深刻となっています。私がお聞きした話では、ある中学校の入学式で教科担任が誰なのか決まっておらず、紹介されなかったというのです。新しい学校生活のスタートの時点で、自分の好きな教科の先生がいない。これほど残念なことはありません。まずは学校職員の定数を正職員できちんと満たすこと、年次計画を立て、確実に進めること。その上で学校現場に必要な職員の配置について、講師の採用もその待遇を強化してきちんと確保できるようにすべきです。お考えを伺います。

子どもたちや教職員が、学校で快適に安全に学び過ごせるための環境整備として、暑さ対策についても、本市議会ではこれまで多数の会派が取り上げてきました。私たち日本共産党仙台市議団も、繰り返し、学校の普通教室と職員室にエアコン設置を求めてきました。夏の教室や職員室が40℃近くになるという過酷な状況であることは、これまでの市教委の調査でも既に明らかです。子供たちへの影響はもちろんですが、教職員は夏休み中も毎日エアコンのない学校で仕事をしています。仕事の能率が上がらないばかりか、職員の健康上もこのままにはできない課題です。昨年の市長選挙では、学校へのエアコン設置を公約に掲げた方もいました。
このほど、文部科学省が学校環境衛生基準の一部改正を行い、通知しました。教室等の望ましい温度の基準をこれまでの30℃以下から28℃以下と見直し、その水準を遵守することが望ましいと、留意事項で上げています。学校設置者である自治体は、子供たちが日々過ごす環境改善に、より努力をしなければならないということです。
全国的に普通教室へのエアコン設置率はどんどん上昇し、2014年度の前回調査よりも17%上がって、49.6%となっています。
新しく就任された教育長はもちろんのこと、財政措置に責任を負う郡市長にも、まずは夏の学校がどういう状況になっているのか、現場に赴いて御自身で体感し、確認していただくことを求めます。いかがでしょうか、伺います。

切れ目のない子育て支援という郡市長の方針とどうしても相入れないのが、本市が約40年にわたって独自に実施してきた入学援助金、祝い金、修学旅行援助金の廃止方針です。
生活保護世帯、就学援助世帯等を支えてきたこうした直接支援は、子ども食堂への助成や学習支援などと引きかえにできるものではありません。経済的に困難を抱える世帯にとって、現物給付の直接的な支援が一番役立つことは、当局も含めてよくよく認識しているはずです。
5月以降、仙台でも、あちこちで制服姿の修学旅行生を見かけます。仙台駅で楽しそうにお土産を選ぶ姿を目にしながら、仙台の子供たちも旅先で楽しい思い出づくりができているだろうかと思いをはせました。
市内のある中学校の修学旅行費は、事前に支払う旅費が5万8000円、それ以外に、当日はお小遣いを含めて研修費などで1万7000円は持たせてほしいと言われるとのことです。それ以外にも、子供が数日旅行に出るとなれば、衣類や持ち物もできるだけそろえてあげたいと思うのが親心です。小学生で3000円、中学生で5000円が修学旅行に行く家庭に届くことが、どれだけ支えになってきたかを認識すべきです。
この間、市民団体の皆さんからも、廃止せず、継続をと申し入れも行われています。御当局は就学援助制度でかかった旅費は後から戻ってくるので問題ないとしていますが、先ほど述べた負担の合計7万5000円全てがその対象ではありません。この制度は、もともと申請ではなく生活保護や就学援助を利用している家庭に、学校を通じて漏れなく支給されていたものです。既に修学旅行は済んだとしても、対象は把握されているので、遡及して支給することは十分可能です。子供の貧困対策がこれだけ叫ばれているときに、こんなに対象者に喜ばれ、誇れる制度を廃止するなど、逆行です。いかがでしょうか、伺います。

子どもの新入学に係る費用負担が重過ぎることから、就学援助の新入学学用品費の国の基準額が引き上げられたことは大事な前進です。それによって、市が行っている就学援助世帯への入学援助金を続けると生活保護世帯よりも上回ることを理由にして、廃止するという方針でした。
しかし、今度は、生活保護世帯の入学準備金が、国のもとで小学生6万3100円、中学生7万9500円に引き上がることが決まっています。市民団体の方々との懇談で、御当局は、生活保護世帯と就学援助世帯の間に本来格差はあってはならないので、就学援助を引き上げるよう国に強く求めていくと述べました。もちろん国が制度として新入学学用品費を生活保護世帯と同様の額に引き上げれば、言うことはありません。しかし、直ちに国が応えなければ、市が本来あってはならないと言っている格差が、このままでは市の制度廃止によってつくられてしまいます。国に強く求めつつ、当然その状況を見きわめながら、市としての対応を検討しなければならないと考えますけれども、いかがでしょうか、伺います。

この間、市議団として公立保育所や児童館を訪問してきました。ある公立保育所で、「何か御要望や言いたいことはありますか?」と伺ったところ、若い男性保育士が話してくれました。「休みや休憩がとれなくても、子供たちのためと思って私たちは頑張ります。でも、欠員があることが当たり前というのは、やっぱりおかしいと思います」現場の率直な声です。また、別な保育士さんからは、「産休に入る職員がいて、出産というおめでたいことだから快くみんなで送り出したいとは思っていますが、かわりのめどはまだ立っていないんです」という声もお聞きしました。
この4月時点で、本市の公立保育所では欠員が正職員で13名、臨時枠で28名ということです。市が正規職員の欠員分の採用を行わないことが、この事態を生んでいます。こうした現場からの声を市長はどのように受けとめられますか。お聞かせいただきたいと思います。
実際に伺って、公立保育所の老朽化対策も急務だと実感しました。廊下などの床のささくれを職員がガムテープで補修しているのはどこにでもある上、園庭にある遊具の色落ちも激しく、私が伺った保育所の鉄棒などは、何年放置されていたのか、もとの色は何色だったのかわからないようなまだら模様になっていました。乳幼児が通う施設ですから、安全・安心はもちろんのこと、明るい夢のある雰囲気づくりなどもとても大切な要素だと思います。少なくとも、現場からの補修の要望を何年も待たせることなく、予算もふやして対応することを求めます。いかがでしょうか、伺います。

第88号議案専決処分事項に関する件に関連して、本市の児童クラブ事業について伺います。
放課後の児童の生活と遊びを保障するいわゆる学童保育、本市の児童クラブは、児童館事業の一環として実施しています。ことしは対象が小学5年生まで拡大されましたが、受け入れ人数はどんどんふえ、必要な面積も人も確保できず、市の取り組みが後追い、その場しのぎのような事態になっています。
登録児童数が市内最大の282人となっている錦ケ丘児童館でお話を伺うことができました。錦ケ丘児童館は3年前に錦ケ丘コミュニティ・センターと合築されました。当時の議論で、「児童館の面積が380㎡、放課後児童クラブの定員が140人では足りないのではないか」と指摘したとおり、あっという間に児童館だけではいっぱいになり、昨年、隣に2階建てのプレハブをつくり、さらにコミセンの一室を借りてサテライトにして対応しています。
プレハブのサテライトは120人ほどが利用しているそうですが、中に入ると、何の仕切りもない、ただ広い空間が1階と2階にあるだけです。元気に遊び回る子供たちの声がプレハブじゅうに響き渡り、ゆっくり過ごしたいと思う子供がいても、とても落ちつける場所がありません。さらに、子供たちが走り回るとプレハブの床が揺れてたわみ、昨年建てたばかりなのに床がへこんだままになっているところもありました。伺った日は晴れていたので外で遊ぶ子供も多かったのですが、これが雨の日だと、みんな室内に入ることになります。学校が終わった後で過ごす場所なので、子供たちのストレスが解放できるようにしてあげたいんですがと、職員の方から御苦労をお聞きしました。
そもそも市の児童館整備方針を単純に当てはめたため、錦ケ丘小学校の児童数と比較しても最初から狭過ぎたことが問題の発端です。早急に、まずはプレハブのサテライト室の改善を行うべきと考えますが、いかがでしょうか、伺います。

錦ケ丘児童館だけでなく、多くの児童クラブが、登録児童数の増加とそれに伴うサテライトなどでの対応によって課題を抱えています。サテライト室は年20カ所近いペースでふえ続け、今年度では85カ所にまで上っています。
市は条例の中で一人当たり1.65㎡を専用区画とする基準を設けたにもかかわらず、遊戯室やホール、図書室等の面積の6割まで含めて算出しているために、子供が落ちついて過ごすことができる生活スペースがほとんど確保できない事態になっています。せっかく条例で決めた専用区画の目的が果たせていません。また、登録児童数ではなく児童館ごとの利用率を掛けて実利用人数としていることも問題です。結局、騒がしい環境に耐えられず、登録したものの来なくなってしまうことを初めから想定しているということになります。条例の趣旨に鑑みて望ましい状況と言えるのでしょうか。指定管理者任せでなく、市の責任で放課後児童クラブの環境整備を行うべきです。いかがでしょうか、お答えください。

本市の復興のあり方は、引き続き市政の重要課題です。年月がたったからこそ生まれてくる課題に、その都度機敏に対応し、必要な手だてを打つことが求められています。
今、復興公営住宅の入居年数を重ねる中で、大幅な家賃引き上げが強いられるなど、新たな困難に直面しています。東日本大震災の復興のために建設された災害公営住宅は、入居の際には収入要件が問われない特例が適用されました。しかし、入居した後は通常の公営住宅法が適用されるため、所得月額15万8000円以上などの方々は収入超過者とされ、入居3年を超えると明け渡し努力義務が生じ、本来家賃を上回る割り増し家賃が課せられるのです。
今年度から入居4年目を迎えた青葉区上原など5つの住宅で、39世帯が収入超過者に該当しました。前年度と収入分位が変わらなくても、例えばある復興住宅では、昨年度は9万1400円の家賃だったものが、ことし4月からは12万7400円の家賃負担です。さらに、同居の子供が働き出したことで収入がふえたり、雑損繰越控除が終了したことなどの影響もあって、急激な家賃引き上げとなっている入居者もいます。最も高くなった事例では、昨年度4万1000円の家賃だったものが今年度は13万4200円と、実に9万円以上の家賃引き上げです。
地元紙の社説では、この問題を取り上げ、「特別法で迎え入れるが、その後は一般法に従ってもらうというのでは、竜頭蛇尾というほかない。仙台市に至っては、割り増し家賃を強要しないよう求めた署名簿を、対応の必要性なしと一蹴した」「民間賃貸住宅に余裕があるからとは、いかにも大都市仙台らしい説明だが、果たして被災世帯の生活や家計の実態を丁寧に調べた上での方針決定だったのだろうか」と疑問が呈されました。私もぜひお聞きしたいと思います。このことが及ぼす復興公営住宅入居者への影響などを踏まえた上で、この方針をとることを決めたのでしょうか、お聞かせください。

復興住宅は、収入要件が課されなかったことで、現役世代を含めて、収入や年代もさまざまな入居者で構成できてきました。先日、私たち議員にも今の実態を知ってほしいと、復興公営住宅で自治会の役員をされている方々が議会に足を運んでお話を聞かせてくれました。
「役員として活躍してくれていた方から、家賃値上げを理由に引っ越しすると言われた」「入居者の見守りなどに積極的にかかわってくれていた方が、引っ越しを余儀なくされた」「あすと長町の3つの復興公営住宅には、仮設住宅からのコミュニティー入居で80世帯ぐらいが入っている。その人たちが中心となって新しい方々とコミュニティーづくりを進めてきた。しかし、このままではせっかく一緒に入居した方々が出ていかなければならない事態になる」と、口々に訴えられました。
この問題は、該当者の問題だけではなく、復興公営住宅のコミュニティー形成にも大きくかかわる問題です。市の方針として集団移転やコミュニティー入居を進めてきたのですから、その趣旨がきちんと維持されるようにするのは当然のことと考えます。被災者のコミュニティーづくりを支援するといいながら、実質、その担い手の追い出しになるようなことはやめるべきです。いかがでしょうか、伺います。

私たち日本共産党仙台市議団は、昨年11月の復興庁からの通知も示して、岩手県のように入居収入基準を引き上げることや、割り増し家賃分を減免することを求めてきました。そもそも復興公営住宅の家賃低廉化のためには、国から300億円もの交付金が来ることになっています。
市は、「民間賃貸住宅における空き住戸が十分あり、幅広い金額設定がされている」と言っています。要は、「えり好みしなければ探せるはずだ」と、被災者に言っているということです。被災者を復興公営住宅から追い立てるような復興であっていいはずはありません。いかがお考えでしょうか、お答えください。

第84号議案仙台市病院事業使用料及び手数料条例の一部を改正する条例について伺います。
これは、省令の変更に伴い、今年10月1日から、紹介状を持たない患者が仙台市立病院で診察を受けようとする際の初診料である「非紹介患者初診加算料」を、医師の場合、現行3240円を5400円に引き上げる提案です。さらに、「再診患者加算料」が新設され、市立病院から他院に紹介した患者が引き続き市立病院を受診すると、医師の場合2700円、歯科医師の場合1620円を新たに徴収しようとするものです。
これらの徴収を義務づけられる対象の基準が国によって勝手に変えられて、仙台市立病院もその対象になってしまいました。このような市民負担増となる省令に従わなければならないのか、これに従わなければどうなるのか、あわせて伺います。

昨年の実績で、「非紹介患者初診加算料」3240円を負担した患者は約700人、他院を紹介しても市立病院を希望して受診した患者は約200人とのことでした。市民への負担増となるとともに、市立病院から市民を遠ざけることになるということです。
今回の市の提案額は、厚生労働大臣の定める金額5000円に消費税400円を加えた額になっています。しかし、例えば仙台市立病院と同様に今回対象となった神戸市立西神戸医療センターでは、税込みで5000円としました。国が定める金額は5000円以上となっていますが、消費税を別に課さなければならないとはなっていません。でき得る限り市民の負担増を抑える努力をすべきと考えます。いかがでしょうか、伺います。

仙台市立病院は、市民に信頼される公立病院としての役割を果たさなければなりません。市民が安心して療養し、かかりやすくする努力が求められています。
私ども日本共産党は、これまでも、差額ベッド料については患者の同意がない場合取ることができないということを取り上げてきました。厚生労働省は、2018年度の診療報酬改定に伴い、差額ベッド料について改めて通知を出しました。この通知では、「大部屋がいっぱいだから個室になった場合、差額ベッド料を取ってはならない」と明記されています。ところが、実際、市立病院に入院した方から、大部屋がいっぱいでやむなく個室に入院し差額ベッド料を支払ったけれどもどうなのかとの御相談があり、病院が返金したという事例がありました。
厚労省からの通知を踏まえて、こういった場合には差額ベッド料の同意書を求めないこと、差額ベッド料の請求をしないことを院内に徹底することを求めます。お答えください。

次に、基本構想(中間案)のパブリックコメントが行われている市役所本庁舎、議会棟の建てかえについてです。
1965年建設の本庁舎と議会棟は、構造体の耐用限界があと11年から12年とされ、また、10カ所にも分散している分庁舎と仮庁舎の集約も含めた建てかえが必要となっています。約400億円の費用がかかる事業であり、これから長く市のシンボルともなる庁舎ですから、まさに市民協働で取り組むべきと考えます。
6月8日と9日には市民向け説明会が行われ、参加者から、市役所のあり方や建てかえの場所、規模などについて質問や意見が出されました。バリアフリーやユニバーサルデザインを具体的に取り入れていくためにも、計画策定への障害者の参画を求める意見もありました。パブリックコメントに多くの意見を寄せていただけるように、市民向け説明会を重ねることが必要です。また、基本構想から基本計画に向け、さらに具体的な意見やアイデアを気軽に出すことができる取り組みが必要だと考えます。市民の参画について、市長の御所見を伺います。

市民の切実な声に応えること、住民福祉の向上こそが、自治体の本旨です。郡市長が進める35人以下学級の拡充やさまざまな施策について、本市の財政運営を危惧する声も聞かれます。本格的な財政の議論については九月の決算議会で行うつもりですが、本市は他都市に比べて財政調整基金が多いだけでなく、市役所の建てかえを含めた公共施設長寿命化のための基金も毎年28億円、ルール積み立てで確保できるほどの財政力を持っています。
扶助費の増加をことさら強調されますが、大幅にふえていたのは国や県の出し分であり、市の財源はそれほどふえていなかったことも以前明らかにしました。本市は、市民一人当たりの扶助費の額が、2016年度決算で見ると、政令市20市の中で下から4番目という低い水準です。郡市政のもとでの新年度予算額でも比較してみましたが、それでも13位ということでした。市民を直接支える施策にもっと重点を置くことが求められています。
市民の暮らしを支え、所得をふやし、それが地域経済に波及することで、市民の担税力が高まり、市税収入がふえる。福祉や教育予算をふやすことは、地域経済を元気にし、ひいては本市の財政にも寄与することにつながると考えますが、郡市長はいかがお考えでしょうか。最後に伺って、私の第一問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)

 

◯市長(郡和子)

ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えを申し上げます。

市政に対する私の思いについてのお尋ねがございました。
市長就任以来、市民の皆様方にとって一番身近な基礎自治体の長として、市民の皆さんたちの毎日の暮らしやこれからの仙台のまちづくりについて考えをめぐらせながら、市民の方々、それから事業者の方々など多くの皆様方に直接お声を聞かせていただき、そしてまた、さまざまな実情をこの目で確かめさせていただきながら、全力で職務に当たってきたつもりでございます。
さまざま現場に赴く中で、仙台市が取り組むべき行政課題というのは多々あるなと、そして、時にそれらは複雑に重なり合っているものも多くあるんだなということを実感をしてきたところでございます。
35人以下学級の実施、拡充など、市民の皆様方にお示しいたしました政策につきましては、実施に移したものもございますが、引き続き、多種多様な市政課題を前にして、政策の優先順位というものも考慮しながら、108万市民の皆様方のために、このまちの未来を切り開く諸施策を実行していきたいというふうに考えているところでございます。

それから、仙台版給付型奨学金制度についてお尋ねがございました。
仙台版給付型奨学金につきましては、若者の地元定着を支援するという観点からも、若者の経済的な支援と、そしてまた地域を支える中小企業の人材確保への支援、これを目指して検討を進めているところでございます。
経済的に苦しい御家庭の支援を主眼といたしました給付型奨学金制度は、家計の状況によって進学を諦めることがないように、高等教育の修学機会の確保を図るものでありまして、これは、基本国の責任において対策がなされるべきものであると考えております。
地元就職など一定の条件を満たす方を対象にして、奨学金の返済に対する補助により支援する方法などについて、ほかの自治体の実施状況や効果を調査しているところでございます。
先般、国におきまして、低所得者層を対象とする給付型奨学金の拡充が、経済財政運営と改革の基本方針の原案に盛り込まれました。その推移を見定めつつ、若者の地元定着を支援する奨学金支援制度の創設に向けて、鋭意検討してまいりたいと存じます。
福祉や教育に係る予算につきましてお尋ねがございました。

今年度の予算編成に当たりましては、私といたしまして喫緊の課題というふうに認識をしております未来を担う子供たちのための施策として、例えば切れ目のない子育て支援、あるいは35人以下学級の拡充などへ予算配分を行ったところでございます。
一方で、社会保障関係費の増加等により財政構造の硬直化が進む中で、市役所本庁舎の建てかえですとか公共施設の老朽化など、さまざまな課題への対応が求められているわけでございます。
私といたしましては、福祉や教育分野も含めた108万市民の皆様方の行政ニーズに応えるべく、地域経済活性化による税源涵養や、それから既存事業の見直しによる財源確保等に取り組みながら、限りある財源を最大限有効に活用できるように、重点化を図りながら、必要な予算措置をしてまいりたいと考えております。
そのほかいただきました御質問につきましては、病院事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。

 

◯財政局長(館圭輔)

私からは、本庁舎、議会棟の建てかえに係る市民の参画についての御質問にお答えをいたします。
本庁舎の建てかえに係る市民意見を頂戴するための取り組みにつきましては、先日開催いたしました市民向け説明会に加え、これまでもワークショップの開催や、市民2000人アンケートなどを実施してまいりました。
今後も、さまざまなメディアを活用した情報提供に加え、御要望に応じて、こちらから出向いてご説明をさせていただくなど、市民の皆様からより多くの御意見をいただけるよう、さまざまな取り組みを進めてまいりたいと考えております。
私からは以上でございます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

私からは、まず、修学旅行援助金についてのお尋ねにお答えをいたします。
修学旅行援助金につきましては、就学援助制度により交通費や宿泊料などの実費が支給をされ、また、他の指定都市の多くで同様の援助金制度を既に廃止していることを踏まえ、さらに子供の居場所づくりや中途退学未然防止事業など、子供たちの日々の生活を支える施策やその将来に向けた支援の充実を図る必要があると判断をしたため、限りある財源の中で事務事業の見直しを行ったものでございます。

次に、入学時の支援についての御質問にお答えをいたします。
平成29年3月の文部科学省の通知により、同年4月の入学者から就学援助の新入学学用品費が増額をされ、生活保護制度の入学準備金と同額となったため、両者の差を解消するための入学援助金支給の必要性が失われたという経緯がございます。
このたび、生活保護制度の入学準備金が平成31年度入学者分からさらに増額されることとなり、このままでは就学援助の新入学学用品費との差が再度生じることになるため、本市として、その解消を国に求めることとしており、まずはその結果を見きわめてまいりたいと考えてございます。
以上でございます。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

私からは、公立保育所、児童クラブ事業に関する御質問にお答えいたします。

公立保育所の職員配置に関するお尋ねでございます。
正職員の採用については、退職者数の見込みや民営化の進捗等を踏まえ、保育士の将来的な年齢構成を見通しつつ、計画的に進めてきたところでございます。しかしながら、多様化する保育需要を背景に、本年度は障害児等保育の受け入れ児童数が増加し、そのために4月時点での欠員が生じている状況でございまして、喫緊に解決すべき課題と受けとめております。
現在、各保育所のフリー保育士や、子供未来局担当課からの保育士の派遣で対応しているところでございますが、欠員状態の解消に向けては、当面、臨時職員や非常勤職員で対応することとしており、引き続き、ハローワークや広報誌、本市のメール配信サービス等を活用した求人を積極的に行ってまいります。

次に、公立保育所の老朽化に関するお尋ねでございます。
公立保育所の老朽化対策につきましては、昨年度から公共施設総合マネジメントプランに基づく大規模改修を進めているところであり、今後も児童の安全に十分に配慮しながら計画的に実施してまいります。また、日々の修繕等につきましては、安全性の観点から緊急度を判断し、限られた予算の中で順次対応しているところでございます。
今後とも、現場の声に耳を傾けながら、職員の巡回による応急修繕、業者による修繕などを随時行い、安全で良好な保育環境の整備に努めてまいります。

次に、プレハブのサテライト室の改善についての御質問にお答えいたします。
児童クラブのサテライト室の整備に当たりましては、場所や運用方法等について運営団体等との協議を重ねながら進めているところでありますが、サテライト開設後におきましても、状況に応じて必要な修繕等を実施するなど、環境の改善に取り組んできたところでございます。
錦ケ丘児童館につきましては、開館後の利用状況を踏まえ、平成28年度にコミュニティ・センター内に、平成29年度にプレハブによりサテライトを整備しております。プレハブのサテライト室につきましては、供用開始後も修繕対応等を行ってきたところですが、今後とも、児童にとって安全・安心な居場所となるよう、必要な改善を図ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

私からは、復興公営住宅における収入超過者への対応に関する数点の質問にお答えいたします。

初めに、収入超過者への対応方針についてでございます。
復興公営住宅における各入居者世帯の支出の状況や貯蓄について、本市がこれを把握するということは困難でございますが、収入の状況につきましては、毎年の家賃決定に際し、収入申告により確認をしております。
収入超過者の基準となる所得月額につきましては、その世帯の総収入からさまざまな控除をした金額となっております。これを一般的な世帯の年収に置きかえてみますと、例えば夫婦と子供二人の世帯であれば年収にして約440万円を超える世帯、また、年金のみの高齢者夫婦世帯であれば年収にして約430万円を超えるような、一定程度以上の収入を得ている世帯が該当するものでございます。このようなことから、収入超過者につきましては、収入に応じた御負担をいただくこととしたものでございます。

次に、復興公営住宅の団地内のコミュニティー形成についてでございますが、復興公営住宅では、おのおのの家庭の御事情により、年間80世帯程度の方々が退去されております。このように一定数の入退去がなされている中にありまして、団地内のコミュニティーについては、その時点の入居されている方々で構成されるべきものと考えております。
退去後の入居者募集に当たりましては、通常の募集のほか、子育て世帯を対象とした募集を年2回行っておりまして、若い世代の入居を促すなど、多様な世代によるコミュニティー形成に配慮しているところでございます。

次に、収入超過者の居住の継続についてでございます。
収入超過者の家賃につきましては、収入に応じた御負担をいただくこととなりますが、居住の継続につきましては、最終的に入居者の判断によるものと考えております。
なお、本市では、平成25年度の住宅・土地統計調査で民間賃貸住宅における空き住戸が3万戸程度であると報告されておりまして、復興公営住宅の収入超過者の対象世帯に比べれば十分な物件があるものと認識しております。加えて、家賃は幅広い金額設定がなされておりますことから、収入や生活状況など個々の実情に応じた選択が可能であるものと考えております。
私からは以上でございます。

 

◯教育長(佐々木洋)

私からは、初めに、教員の採用に関する御質問にお答えいたします。
教員の定数管理は宮城県教育委員会で行っておりましたが、このたびの権限移譲を機に、本市が行うこととなりました。これにあわせて教員の採用も本市が単独で行うことにしましたので、今後、各学校の状況を十分把握した上で、職員定数を適正に管理しつつ、その枠の中で、正職員の教員を適切に配置してまいりたいと存じます。
また、講師の確保につきましても、給与等の勤務条件について県とのバランスなども考慮しながら、しっかりと取り組んでまいります。

次に、学校の暑さ対策についてでございます。
これまでも、教育委員会では、音楽室や保健室などへのエアコンの設置、普通教室への扇風機増設などの対応を行ってきたところでございます。今年4月に学校環境衛生基準の一部が改正され、望ましい基準が示されたことも念頭に、教室や職員室の実際の状況を確認してまいりたいと考えております。
学校の環境整備につきましては、校舎の老朽化対策やトイレの洋式化などの整備にも多額の費用を要しますことから、優先すべき内容を見きわめつつ、エアコンの設置に関しまして、引き続き検討してまいりたいと存じます。
以上でございます。

 

◯病院事業管理者(亀山元信)

私からは、病院事業に係る数点の質問にお答えを申し上げます。

まず、省令変更への対応についてであります。
今回改正されました厚生労働省令である保険医療機関及び保険医療養担当規則、これは健康保険法に基づき保険医療機関の指定を受けた全ての医療機関が、保険診療を行うに当たって守るべき責務を定めたものでございます。
当該省令に違反することは、厚生労働大臣の指導を受けるにとどまらず、健康保険法に規定されている保険医療機関の指定の取り消し要件にも該当することにもなり、その場合には当院の運営に多大な影響を及ぼすものと考えております。

次に、改定額についてのお尋ねでございます。
今回の非紹介患者初診加算、この金額の改定につきましては、かかりつけ医からの紹介により受診していただくという我々大規模病院としての役割を当院がしっかりと担っていくためのものであり、金額の設定につきましては、近隣同規模病院の設定状況を含め、行ったものでございます。
市民の皆様には、今回の改正内容についてきめ細やかに御説明を行い、当院が担う大規模病院としての役割を御理解いただけるよう努めてまいりたいと考えております。

次に、差額ベッド代に関する御質問にお答えいたします。
差額ベッド代の取り扱いにつきましては、医師が治療上必要と判断した場合や、4人部屋が満室であるなど当院の都合による場合には、患者さんからは徴収しないこととし、これまでも院内に周知してまいりました。今後とも、差額ベッド代の取り扱いについて院内でさらに周知徹底を図り、適切な運用を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

大変失礼をいたしました。児童クラブの環境整備に関する御質問についてお答えをいたします。
児童クラブの受け入れ上限数につきましては、本市の条例で定められた基準に従って算出しております。その基準の取りまとめに当たりましては、仙台市社会福祉審議会児童福祉専門分科会での御議論やパブリックコメント、管理運営団体の意見なども踏まえたものとなってございます。
また、児童クラブ運営に当たりましては、児童館やサテライト室など限られたスペースの中で、時間帯や空間を区切るなど、さまざまな工夫を凝らして対応しております。
今後の児童館整備に当たりましては、将来的な児童クラブの利用見込み数を踏まえた規模となるよう検討いたしますとともに、管理運営団体会議等の場において、サテライト室のさまざまな課題やその対応策を共有するなど、よりよい児童クラブ運営を行えるよう、環境整備に取り組んでまいる考えでございます。
以上でございます。

 

◯すげの直子議員

二点について再質問をさせていただきます。
一点目は、仙台版給付型奨学金制度についてです。
市長から御答弁がありました。私、1問目でも申し上げたんですけれども、仙台版給付型奨学金制度というものについては、やはり今高い学費に苦しんでいる学生をすぐ支援する制度として行うべきだというふうに思うと。そして、地元定着ですとか人材確保という点では、ほかの自治体でもやっているように、奨学金の返還助成制度を、これを別建てで、別々のものとして行うべきではないのかという質問をさせていただきました。
私、奨学金返還助成と、給付型奨学金制度というのは、やはり別々なものではないかというふうに思うんですけれども、御答弁をお聞きしていますと、給付型奨学金については国の動向もあって、それも注視もしていきたいと。なので、奨学金返還助成制度を市としては先行して検討もし、こちらをできれば先んじて行いたいというふうなお考えでいらっしゃるのかどうかということで、一点確認をしたいと思います。

それから、復興公営住宅の収入超過者の問題です。
都市整備局長から御答弁いただきました。毎年80世帯ぐらいが退去もしているので、その中でコミュニティーもその都度つくられているものだからというような御答弁もありました。こういう退去を加速させている一つの要因が、収入超過者、この家賃引き上げ、割り増し家賃の問題でもあるんです。そして、市として、コミュニティー入居とか集団移転を進めてきたはずです。もうそれは、じゃあ何かどうでもいいのかと、もう今となってはというふうにも聞こえるような御答弁だったかなというふうに思うんですね。
仮設から復興住宅に入居して3年といえば、ようやく生活に落ちつきを取り戻したところです。それなのに、また家賃が上がって出ていかなければならないというのでは、被災者の生活再建が、いつまでもかなわないということになってしまうんじゃないか、だから考えなければならないのではないでしょうかということをお伺いをしておりますので、この二点について伺います。

 

◯市長(郡和子)

給付型奨学金制度について再質問ございました。お答え申し上げます。
給付型という点につきましては、私からも申し上げました、すげの議員からも御発言ありました、国の低所得者層を対象とした給付型の奨学金の拡充というのが予定をされているわけでして、まずその推移を見定めていきたいということでございます。
それから、若者の経済的な支援と地域を支える中小企業の人材確保への支援、これを双方うまくいくように目指して、今、検討を進めているということでございます。
私からは以上でございます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

私から、復興公営住宅におきますコミュニティーの活性化に向けた取り組みについてお答えをいたします。
本市におきましては、復興公営住宅のコミュニティー活性化に向けまして、平成28年11月より、市社会福祉協議会との連携のもと、つなぐ・つながるプロジェクトを実施してまいったところでございます。
具体的には、復興公営住宅での支援活動を希望する団体の御紹介や町内会が行うイベント等の開催経費に対する助成制度などを冊子としてまとめた、つなカタログを町内会に配布をし、これを活用したサロン等が開催されているところでございます。また、各町内会役員や地域の支援者の方などさまざまな立場の方を対象とした情報交換会なども定期的に開催をいたしております。
こうした取り組みは、住民同士の顔の見える関係づくりや町内会が主体的、持続的に活動していくための後押しになっているものと考えておりまして、被災された方々が地域で安心して暮らしていくために、地域コミュニティーの活性化が重要でございますので、本市として引き続きこうした取り組みの継続に努めてまいりたいと考えてございます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

収入超過者に対する対応に対する再度の御質問にお答えいたします。
復興公営住宅に入居されているそれぞれの世帯の家計の状況というのを、先ほども御答弁申し上げましたが、本市が把握するというのはなかなか困難でございますので、その生活実態をそれぞれ細かく見ていくというのは大変難しいという面がございますけれども、先ほどの繰り返しになりますが、収入超過者の基準となる所得月額につきましては、一般的なモデルとなる世帯につきましても、年収にしますと一定程度以上の年収がある方ということになりまして、このようなことから、やはり収入超過者につきましては、それぞれの収入に応じた家賃の御負担をいただくということが、他の公営住宅入居者との公平性の観点ということからも必要というふうに考えたところでございます。

 

◯すげの直子議員

ちょっと再々でお伺いさせていただくんですけれども、仙台版給付型奨学金制度、じゃあ、市長が御検討されていらっしゃるのは、ちょっと私の考える給付型奨学金制度というのではなく、奨学金返還助成制度なのだろうかと思ってちょっと伺ったんですけれども、奨学金、若者の経済支援と地元定着、だから、奨学金返還助成制度のようなものをつくりたいと思っていらっしゃるということなのかということを、給付型奨学金制度についてはどうなるのかということもあわせてお聞きします。

それから、復興公営住宅の収入超過者の問題なんですけれども、そのコミュニティーづくりは大事だというふうにおっしゃっているんですけれども、だから、第一問で、私、自治会の皆さんからのお声も紹介しましたけれども、収入超過者への家賃引き上げ、割り増し家賃が課されることで、そういう方々がもう出ざるを得ないということが起きているんだということなんです。だから、コミュニティーづくりにももちろん弊害も起きているし、だからこそ収入超過者の問題をその点からも解決をしなければならない。
そして、入居の際に収入要件を外す、その特例の趣旨が、機械的に公営住宅法を適用させるしかないというようなことでそういう御答弁になっているんだと思うんですけれども、それではやっぱり被災者の方々がこういうふうに追い出しになってしまうという、実質ね、出ていかざるを得ないということが起きるという矛盾があると思ったから、国も通知を出して、どうぞいろいろ減免をやってもらっていいんですよという通知を出し、そして、石巻市や気仙沼、女川、先ほども言いました岩手県なども、それに応えて、そういうことが起きないように、それぞれ自治体で減免したりやっているんですよ。
なので、民間賃貸住宅があるからとか、そういうことではなくて、その特例の趣旨がやっぱり生きるようなことが、国もやってもいいと言っているし、そういうことをしているところもあると。そういう形で仙台市だって取り組むということが必要だというふうに思います。
家賃が上がることで引っ越しを余儀なくされている被災者の方々、こういう復興のあり方でいいのかということ、これは、じゃあ二点ともぜひ市長にお伺いしたいと思います。

 

◯市長(郡和子)

再々質問をいただきました。
給付型奨学金制度の検討についてどうなのかという再々度のお尋ねでございます。
私が就任をさせていただきましてから、この制度創設につきましても幅広に検討させていたというところではございますけれども、国におきまして、今般、低所得者層を対象とした給付型の奨学金の拡充ということが新たに出てまいったということでございまして、その推移を見定めてまいりたいということでございます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

東日本大震災におきましては、御存じのとおり、広範な地域で民間の賃貸住宅を含めた多くの住宅が甚大な被害を受けたと。そのために緊急に多くの被災者の居住の安定を図るために、収入条件などの入居時の資格が特例により緩和されたということでございます。
そのことにつきまして、その後の一般の公営住宅の制度が適用されるということにつきまして、昨年11月の復興庁の事務連絡につきましては、収入超過者の家賃と特別家賃低減事業の対象者の家賃について、各自治体における状況等に応じて、必要があれば独自に減免することが可能であるという通知がなされたものでございまして、沿岸部の他の市町におきましては、収入超過者の家賃について御指摘のように独自の支援策を実施するということを表明しているところもございますが、そうした沿岸部の市町につきましては、もともと民間の賃貸住宅の数自体が少なかったり、あるいは津波により民間賃貸住宅も大きな被害を受けたりして、その復興もまだ途上にあるという状況にございますため、災害公営住宅で居住の安定を図る必要性が大きいという考えから、それぞれの地域の状況を踏まえて判断したものと考えております。そのため、本市とは状況が大きく異なるものと認識しておりまして、本市は先ほどのような判断をさせていただいたところでございます。

 

 
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