一般質問 ふるくぼ和子議員 (2月19日)
【概要】学校給食は無償化へ。栄養基準に市は責任をもつべき
〇ふるくぼ和子議員
日本共産党のふるくぼ和子です。子どもたちの笑顔が広がる、安全でおいしい学校給食の充実を求めて一般質問を行います。
子どもたちにとって学校給食は、同じものの味を共感しあったり自分の思いを伝えあったり、たくさん食べた達成感や、苦手な食材にもどうチャレンジしていくか、など、楽しい特別な時間であり、大事な学びの時間でもあります。学校給食については学校給食法で、「健康の保持増進」や「望ましい食習慣」、「学校生活を豊かにし社交性や協同の精神を養うこと」をはじめ、食生活が自然の恩恵の上に成り立っていることや、食に関わる人たちの様々な活動に支えられていることについての理解を深めることなど、7項目にわたって目標が示されています。これらの目標は、教育の目的を実現するために達成されるよう努めなければならないとされ、学校給食が教育の一環として明確に位置づけられています。市内の小中学校、特別支援学校などでは、毎日7万7500食もの学校給食が子どもたちのに提供されています。人の一年間の食事回数は一日3食で計算すると1095食ですが、子どもたちにとってはそのうち、2割近くが学校給食です。子どもの体の成長はもちろん、生きることに欠かせない食事の大きな役割を学校給食が担っています。毎日の給食の時間には、子どもたちの元気な姿と笑顔が広がっている様子がうかがえますが、子どもの成長に多大な影響を持つ学校給食は、教育環境整備の充実という点でも欠かせない課題の一つだと思います。市長の学校給食に対する思いと評価、望む方向についてのご所見を伺います。
全国の自治体では、学校給食を充実させる様々な取り組みを行い始めています。文部科学省が初めて調査し、昨年7月に公表した、自治体における「学校給食費の無償化等の2017年度実施状況」によると、1740自治体のうち、82自治体が無償化を、一部無償化や一部補助については424自治体で実施していると報告されています。群馬県では無償化や一部無償などを行っている自治体は35自治体のうち21自治体にのぼり、鹿児島県では43自治体のうち27自治体で行っています。この調査以降にも実施自治体は増え続けており、新年度に向けて決断する自治体も生まれています。以前、市民教育委員会で私がこの報告を取り上げて議論した際に、当局は、実施自治体が人口の少ない町村に多いことや、継続的な予算の確保の課題が挙げられていることのみを紹介し、答弁されました。しかしこの文部科学省の実施状況調査では、無償化等を実施している自治体から出された、大変多くの積極的意見やメリットについて報告されています。たとえば、無償化を開始した目的には、「食育の推進」や「保護者の経済的負担の軽減、子育て支援」、「少子化対策、定住・転入の促進」などを挙げており、いずれも積極的導入です。成果の例としても、「安心して子育てできる環境の享受」や「学校・教職員の給食費の徴収・滞納者への対応負担の解消」、「食材高騰による経費増加の際にも保護者合意を経ずに措置が可能」と、保護者のメリットだけでなく、学校や自治体のメリットについても紹介されています。さらにこの調査では、一部無償化の具体的内容についても紹介されています。第2子以降の無償は7自治体、第3子以降は91自治体、第4子以降は6自治体、その他ひとり親家庭の児童や小6や中2だけといった特定学年を対象として無償化を実施している自治体が15自治体など、多様な在り方を紹介しています。一部補助についても、多子世帯だけでなく全児童を対象にしている自治体や、4月分だけは無償にしている自治体、地元食材を使用した場合や、主食分や牛乳の費用を一部または全部補助、年に数回自治体が全額負担して給食を提供するとか、食材費の上昇分を自治体が負担しているなど、よく考えられた施策が多彩に取り組まれていることがわかります。こうした全国で広がっている自治体の挑戦や努力の取り組みについて、市長はどのような感想をお持ちでしょうか。伺います。
仙台市でもできることがたくさんあるのではないでしょうか。この際私は、ぜひ学校給食の無償化を求めたいと思います。今、子どもの貧困問題にみられるように、子育て世帯の所得格差と教育にかかる費用の増大が、子どもの食生活にも大きな影響を与えています。2011年と2014年の厚生労働省が行った国民健康・栄養調査によると、年収600万円以下世帯に比べ、200万円未満世帯では果物や肉、野菜などの摂取量が少なく、入手困難の理由に「価格が高い」と答えていることを報告しており、所得によって栄養摂取に偏りがあることが示されています。仙台市が2017年1月にまとめた「子どもの生活に関する実態調査」でも、生活保護や児童扶養手当などの支援制度や事業を利用している世帯の保護者アンケートでは、経済的理由による食料の非購入が「よくあった」と「ときどきあった」を合わせると、37.6%にも上っています。所得による栄養の偏りを生み出すことのない学校給食の役割はますます重要です。先に述べたように、学校給食は教育の一環です。憲法第25条には「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」とあり、第26条には「ひとしく教育を受ける権利」が書かれ「義務教育は、これを無償とする」となっています。しかし現実は、2016年度の文部科学省の「子どもの学習費調査」でも明らかなように、保護者が負担している学習総額費が公立小学校で年間32万2000円、公立中学校では47万9000円にも上っています。仙台市の学校給食費で見ても、小学校では年間約4万3000円、中学校では5万円にもなっていて、小学校に2人、中学校にも1人の子どもがいる世帯では、給食費だけでも年間13万6000円もの負担になっています。学校給食が、すべての子どもに安全で栄養バランスの摂れた食事として等しく提供されるのはもちろん、その費用は教育の一環である限り、無償が当然という立場をとるべきです。学校給食の無償化を国に求め、市としても実施を決断し、検討に入るべきですが、いかがでしょうか、伺います。
昨年11月の学校給食運営審議会で、学校給食摂取基準の栄養素を満たしていないことが報告され、市の学校給食の課題として明らかになりました。学校給食摂取基準は、厚生労働省が国民の必要な栄養摂取量について示し、文部科学省がそれに基づき学校給食の基準を定め、さらに地域特性を合わせて仙台市が摂取基準を定めているものです。子どもの成長に必要な栄養素として求められているのがこの基準ですから、市が責任を持って対応すべき問題です。ところが教育局では、学校給食運営審議会に保護者負担の給食費を値上げすることで解決したいと提案し、審議を進めることを求めています。しかし、給食費の額については「仙台市学校給食の実施及び学校給食費の管理に関する条例」で定められており、決めるのは市長となっています。条例ではその額を「食材購入費の範囲内」としているのであって、食材費の全額としているわけではありません。当局は、「食材費は学校給食法と条例で保護者負担」とお考えのようですが、条例には「学校給食費の減額」も規定しており、市長にその権限が与えられています。文部科学省の見解でも、学校給食法の食材費を保護者の負担とする規定については、あくまで負担のあり方を示したものであり、補助金を出すことによって無償化にすることなどを禁止するものではないと示しています。こうした見解からすれば、食材費を一律保護者負担とする考えは正していただく必要がありますし、減額はできる、市が食材費を負担することは可能だとしっかりと認識すべきです。保護者負担の増額ありきの狭い考え方を転換することを求めますが、ご見解を伺います。
栄養基準を満たしていない問題が明らかになって以降、子どもたちに毎日提供されている学校給食について、市からは直ちに改善しなければならないという表明や対応策も示されてません。今の状態が一年以上続くことについて、何の手立ても打たないというのは責任放棄に等しく、直ちに改善する対応を取るべきです。現在の給食費は一食当たり小学校で245円、中学校で290円です。今月8日に開催された審議会には、事務局から80円~95円の加算が無いと栄養不足が補えないとの試算を出しました。同時に、30円でも改善効果があるということも試算で示しました。先日、市民教育委員会に高砂小学校の栄養教諭を参考人としてお招きし、お話を伺いました。節分や七夕といった行事食だけでなく、オリンピックや伊達正宗生誕450年といった社会的行事に関連付けた給食、国語の教科書に出てくる食事をそのままメニューにするなど、大変苦労をしながらも楽しい給食づくりに努力していることなどが紹介され、「給食を楽しみに学校に来てもらいたい」と熱く語っておられたことが印象的でした。こうした現場での努力を支えるのが当局の仕事です。小中学校とも、一食当たり30円の費用を加算した場合、新たに必要となる食材費の総計は年間4億円程度です。緊急対策として、少なくとも来年度については市の負担で、学校給食が栄養バランスの摂れた給食とすべきです。新年度からは学校給食費の公会計化が始まりますので、事務的にも問題はありません。いかがでしょうか、伺います。
学校給食で摂取を求める栄養基準を定めている文部科学省の「学校給食実施基準」では、学校給食の食事内容の充実を求めており、昨年7月に出された一部改正通知には地場産物や郷土に伝わる料理をおいしいと言って楽しく食べる背景の一つに、産直の食品、とりわけ自分たちがその作業に関わったり、生産者と一緒に学ぶといった敬遠が大きく作用することは、容易に想像できます。また、そのこと自体が「食育」であり、学校給食法の目標の一つでもあると同時に、関係者の多くが望んでいることです。国の第3次食育推進基本計画では、学校給食の地場産品の使用割合を30%以上、国産食材の使用割合を80%以上という目標を掲げています。仙台市でも「食育推進計画」で、2016年現況値で29.5%という地場産の使用品目数をさらに増加させるとしています。しかし、献立を見てみると、魚介類や肉類の多くが外国産です。アメリカ・カナダ産の豚肉を使ったハムカツやノルウェー産のシシャモ、シーフードカレーのエビはインド・パキスタンなど、毎日のように使われています。給食センターでは外国産の出来合いと思われる冷凍物も少なくありません。仙台、宮城県には、お米や野菜だけでなく、魚介類、食肉でも特産地場産品があります。総じて使用品目を上げるという目標にとどめずに、野菜類の地産地消を進めると同時に、子どもの体を作る大きなエネルギーとなる肉・魚類についても地場産品の使用割合を増やしていくべきですが、いかがでしょうか。
しかし実態は、センター給食で地場産品の使用を増やすのは大変困難です。大量に調理しようとすると、冷凍で規格のそろったものの方が扱いやすいという発想になりますし、効率性を考えれば、まっすぐなキュウリや、大きさのそろったニンジンのほうがいいとなります。さらに、洗って茹でる野菜よりも冷凍野菜、パックから出して包丁で切るよりカットされた冷凍豆腐のほうがいいとなります。また実際にそうした食品が給食センターでは普通に使用されています。こうした「効率的」とか、安上がり的発想から脱却すべきです。仙台市の小中学校の給食は、単独調理校方式が80校、給食センターは103校で、5つの給食センターのうち野村、高砂、南吉成の3ヵ所がPFI事業についても改めて検証する必要があります。食育や子どもの成長、教育の一環という視点を第一において考えるなら、PFI事業から手を引き、給食センターを解消して順次、単独調理校方式に計画的に切り替えていく方針とすべきです。単独調理校だからこそ学校給食を豊かに発展させている事例は、それこそ全国各地で取り組まれています。宝塚市では、義務教育9年間が直営自校方式の学校給食を実施しています。中川智子市長自ら「給食はお金に換えられない」と言って、炊き立てのおいしいご飯を提供するために現在も順次自校炊飯方式を進めています。子どもに食べさせたいものを作っていると言って、豆や小魚など、子どもが普段食べていないものを使い、ジャムやふりかけ、カレーのルーまで手作りしているとのことです。調理室から学校中に匂いが漂う給食は、子どもたちからも「めっちゃうまい」と大好評だそうです。仙台市でも、子どもたちの未来のために、学校給食を充実させる方向にしっかりと舵を取り、全ての小中学校で単独調理校とする計画を立てて、実行に移していこうではありませんか。最後に市長に検討を求め伺って私の第一問といたします。
◯市長(郡和子)
ただいまのふるくぼ和子議員の御質問にお答えを申し上げます。
学校給食についてであります。
学校給食は、成長期にある子供たちの健全な育成に資するだけでなく、食に関する知識や望ましい食習慣というものを身につける上で重要な役割を担っていると、このように思っております。
実は、先日、私も、子供たちと一緒に給食を食べる機会を持ちました。明るく、とても楽しい雰囲気の中で、給食を食べる一人一人の笑顔が大変印象に残ったところであります。
学校生活を送る仲間同士が食事をともにするということは、子供たちにとって特別なひとときでありましょうし、また、こうした体験が児童生徒一人一人の心の成長にも大きな影響を与えるものと、このように考えます。
学校給食に求められるニーズは多様化しておりますけれども、学校給食が引き続き身近な食への関心を引き出し、子供たちの成長を支えるものとなりますよう、教育委員会とともに取り組んでまいりたいと存じます。
給食費の無償化等に関する自治体の取り組みについて御指摘がございました。
国の調査を見ますと、学校給食の無償化や一部補助につきましては、子育て支援ですとか、それから定住の促進などを目的として、比較的小規模な自治体で行われている事例が多うございます。それぞれの自治体が抱える課題解決に向けた取り組みの一つであると、このように認識をしております。
本市におきましては、およそ7万8000名の児童生徒がおりまして、仮に給食費の無償化や補助を行うとした場合、新たな財政負担が必要となるわけでございまして、その財源確保は大きな課題であると、このように考えております。
そのほかの御質問につきましては、教育長から御答弁を申し上げます。
私からは以上でございます。
◯教育長(佐々木洋)
私からは、市長が答弁した以外の御質問にお答えいたします。
初めに、給食費の無償化の検討についてでございます。
学校給食法及び施行令では、施設整備費と人件費、修繕費は自治体の負担とされ、それ以外の経費は保護者負担とされております。本市では、保護者負担である光熱水費や備品、消耗品費等に係る費用につきましても市が負担し、保護者の皆様には食材費のみを給食費として御負担いただいているところでございます。
学校給食に必要な多くの経費をこのように本市が負担している中、児童生徒全ての給食費を市が負担するということは困難でございまして、こうした点について、国においても特に検討は行われていないものと認識しております。
今後も健全な財政運営のもと、将来にわたり安全・安心な学校給食を実施していくためには、食材費の負担については、引き続き保護者の皆様にお願いしたいと考えております。
次に、来年度の学校給食費についてでございます。
食材価格の上昇の影響により、近年、本市の給食の栄養量は、学校給食摂取基準を下回る項目がふえつつある状況にございます。来年度につきましては、食材価格の動向を注視しながら、年間を通じた堅実な献立作成や使用食品を工夫してまいりたいと考えております。
本市としましては、食材費はこれまでと同様に保護者負担をお願いするとの認識のもと、学校給食運営審議会からの答申を踏まえ、適切な時期に給食費を改定するなど、学校給食の充実を図る所存でございます。
次に、地場産品の利用についてでございます。
学校給食に地場の産品を利用することは、児童生徒が給食を通じて地域の食材、特産品のおいしさや生産者の苦労や思いを学び、食に関する理解や関心を深め、学校における食育に大きな役割を果たすものと認識しております。単独調理校、給食センターともに、それぞれで可能な範囲で地場産品を活用し、地産地消を図ってまいりたいと考えております。
最後に、小中学校の単独調理校化についてでございます。
本市の学校給食では、単独調理校、給食センターとも、野菜の多くは生の状態で納品され、洗浄やカット、加熱等はそれぞれの調理場内で行い、冷凍食品は補助的に使用しております。最新の保温、冷凍食缶が導入された給食センターでは、配送時間も考慮し、温かいものは温かく、冷たいものは冷たく提供できるよう、工夫を行っているところでございます。
給食センターは、老朽化した単独調理校の改修等に伴う一時的な代替提供を行う役割も担っており、今後もそれぞれの調理提供方式の特色も生かしながら、PFI事業のメリットも活用しつつ、安全かつ安定的な学校給食の提供に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
◯ふるくぼ和子議員
御答弁ありがとうございました。
市長は、学校給食の位置づけ、評価について、とても子供たちの情景を思い浮かべながら、子供たちにとって大事な給食なんだと、成長を支える大事な給食なんだと、こういう認識についてお答えいただきました。だからこそ、私は、なおのこと、やはりこの充実の方向で市が頑張らなければいけないんだというふうに思いまして、3つの点についての再質問をさせていただきたいと思います。
1つは、食材費について全て保護者が負担をするのは当然だとする考え方についてです。
まるで、学校給食法を出して、光熱費等は出してあげているんだと言わんばかりの御答弁だったわけなんですけれども、文部科学省の見解については紹介をしたとおりです。だからこそ、全国の自治体では、今いろいろやれることを何かないのか、どんなことをすればいいものになるのかという、こういう努力をして取り組んでいらっしゃるという、こういう関係なんですよね。いつまでも学校給食法の引用だけで枠を狭めているこの市の認識というのは、こうして頑張っている、実施している自治体が間違ったことをしていると、こういうことになってしまうわけであって、その文部科学省の見解すら否定することにつながりかねないという関係になってしまうんだと思うんです。
ですから、仙台市の条例を見ても保護者の上限を決めているだけなわけですから、減額もできるというふうになっていますから、そのやれない説明に幾らそのことを理由として述べられても、その理由自体が成り立っていないということになりますので、説明にはならないと思います。もう一度答弁を求めます。
2点目は、新年度も、その栄養不足と言われる今のままで給食提供を続けるのか、改善は行わないかという問題です。
教育長の答弁では、今の枠の中でとにかく努力するんだということなんですけれども、やはり1点目の再質問にも関連しますけれども、給食の保護者負担の範囲もその額も減額も、これは自治体が決められることになっているわけです。当然、市の財政、必要になるものですけれども、第一問で紹介したように、栄養改善が一定図られるとした30円、これを市が負担をしても四億円程度です。できない額ではないというふうに思いますし、子供を市民全体の財産と捉えて、子供の学びと成長のために公費を投入していこうということに対して、市民の合意というのも私は十分に得られるんじゃないかなというふうに思いますので、この点も再度伺いたいと思います。
3点目は、単独調理校への切りかえの問題です。
市長は、調理のにおいが漂い、先ほどそうやって答弁いただきましたけれども、給食を楽しみにしながら授業を受けている風景、あるいは給食を楽しくおいしく食べている子供たちの姿、これが自校方式の中でやられているということに、わくわくしないでしょうか。
人口37万人を抱える高崎市の前高崎市長は、自校方式は金はかかるかもしれないが、豊かな食事によって豊かな心と人格が形成される、未来を担う子供たちのためならば、教育費の増加は未来に対する効果的な投資と言える、無駄とかもったいないとか考えていませんと、こんなふうに述べていらっしゃいました。高崎市も進んだ取り組みをしている特徴のある自治体だというふうに思いますけれども、こういうことをおっしゃっていらっしゃいました。
PFIについては最大限メリットを生かしていくんだということがありましたが、そもそも事業期間があるんですね、これには。市が導入している三つのセンターごとに、その終了期間、ここに焦点を当てて、ちゃんと単独調理校に切りかえていくということ、あるいは、そのほかのセンターについてもそことあわせて全体の計画に盛り込んでいく。当然、小中学校の大規模改修だとか建てかえの時期というのも照らし合わせていく必要があると思います。それこそ来年、再来年にという話ではなく、何年もかかって取り組むという事業になると思われます。ですからこそ、見通して今からの検討をすべきだということを求めたものですので、再度この点も伺います。
以上3点について、再度答弁を求めます。
◯市長(郡和子)
私は、今3点ございましたけれども、1点、単独調理校に全て移行するべきではないかという点についてお答えをさせていただこうと思います。
先日、子供たちと一緒に給食を食べたということを申し上げましたけれども、栄養士は本当に御苦労なさっています。限られた予算の中で食材の調達に御苦労されていることも、切実なところで聞かせていただきました。本市におきましては、調理の提供方式が異なっておりましても、安全で安心できる食材の使用や特色ある献立づくり、これが行われていることもしっかりと確認をさせていただいております。
こうしたことを担う栄養士が、単独調理校、そして給食センター、それぞれに配置をされております。このことによって、食育ですとか食に関する指導なども、全ての小中学校において行うことができているわけでございます。それぞれの調理提供方式を生かしながら、安心・安全な学校給食を提供していきたいと、このように考えております。
私から以上でございます。
◯教育長(佐々木洋)
給食費の補助に関しての再度の御質問をいただきました。
平成31年度の当初予算で申し上げますと、学校給食に係る歳出予算全体が77億円計上してございまして、このうち食材費に係る経費は約41億円、この金額、私としても大変重い大きな金額であるというふうに認識しておりまして、これを単独費、市の単費で賄うことは非常に困難というふうに考えております。
また、栄養不足に関連して30円値上げした場合には4億円かかるという御指摘、御提案もございました。この部分につきましても、市で単独で賄うということは大変困難というふうに考えてございます。
先ほど答弁いたしましたように、平成31年度の給食につきましては、物価の動向も注視しつつ、年間を通じたさまざまな食材、それを効果的に効率的に購入することによって、安定した給食の運営に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◯ふるくぼ和子議員
時間をかけて議論を私も進めていきたいというふうに思いますが、1点だけ、再度伺います。
来年度の給食についてです。
ほかの自治体に学ぶことであるとか、仙台市で何ができるのかということについては、大いに時間をかけて検討していただいてもいいというふうに思います。むしろ、そうやってよりよいものにしていくという努力方向で頑張れるならば、そういうことに期待をしたいというふうに思いますけれども、学校給食、今日も提供されているんですね。今日も提供されているその学校給食に課題があるということがわかったというのであれば、やはりそれは直ちに解決をしなければならない、こういうものなんじゃないでしょうか。
市長は、先ほど栄養士さんが頑張っていらっしゃると。本当に私もそうだと思っています。栄養士さんが本当に努力して苦労を重ねて、少ない費用の中でどうやればということで、本当に頑張って頑張ってやっていらっしゃる。それで、その限られた予算の中で苦しんでいる。ここを応援しないんですかということなんですよね。こういう現場の苦労をそのままにしておく、一年間を経過させていいんでしょうかと。本当に市の責任で、そういう意味では緊急対応というのが必要だとは思わないのかということを再度問いかけたいと思います。
◯教育長(佐々木洋)
栄養量とも関係がございます給食の献立につきましては、他都市でさまざま栄養量の確保に努めているところがございますので、そういった他都市の事例に学びつつ、さらに、仙台市として献立あるいは食材の購入につきまして工夫することがないか、できないかということも含め、新年度も引き続き現場での工夫を促すよう、教育委員会としても努めてまいりたいと存じます。