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代表質疑 嵯峨サダ子 (6月13日) 

 

【概要】子ども医療費、国保料、放課後児童クラブ

               被災者支援など公約実行へ

 

嵯峨サダ子議員

嵯峨サダ子です。日本共産党を代表して、提案されている諸議案並びに市政の重要課題について質疑します。

初めに、第65号議案 一般会計補正予算(第1号)で債務負担行為設定が提案されているコールセンター等整備事業について伺います。2018年第3回定例会の補正予算で基本構想策定の業務委託が提案されて以降、既存の代表☏や直通ダイヤルインの回線の継続について「役割分担を整理し、市が主体的に決定する」ことや、基本構想策定にあたっては「特定の事業者のみが有する機能や条件とならないよう、公平性・公正性の確保に十分留意する」ばぢ、大事な点でいくつか確認してきました。市はコールセンターに回したり、職員の対応がわるくなるなどあってはならないと考えますがいかがでしょうか。また、そこに寄せられる貴重な市民の声がきちんと蓄積され市の施策にいかされるべきですが、いかがでしょうか、伺います。

さらに、コールセンターの業務を委託するという事業の性格上、そこで働く人の人員体制や労働条件が十分に守られるのかどうかという心配は残されたままです。市民教育委員会では「発注者として法令遵守はもとより適切な労働環境となっているかなど確認していく」との答弁でした。市が設置するコールセンターですから、働く人たちがワーキングプアなどの状況に置かれてはなりません。働き方改革が叫ばれているとき、公的労働として賃金はもちろん、労働環境が保障されるようにするべきです。いかがでしょうか、伺います。

次に、街路灯の補正予算についてです。街路灯電力契約で実態と食い違っていた契約を改めたことに対応して、減額するものとなっています。今後の支払いを正確にすること、再発防止の手立てを取ることは当然であり、それを優先して進めてきたことは理解できます。しかし、過去の間違った支払い、過払いも未払いもありますが、これをどうするのかは、未だ東北電力との協議が進んでいないようです。内容をお聞きしても、「過払い分は公金の不適切な支出にあたる」「適切な対応が必要」との「仙台市側の考えは理解する」が、「電力契約の約款に過払い金の払い戻しという仕組みがないため困難」とのお話です。この問題が明らかにされてからもう半年が経ちますが、この間一度も東北電力側で何が起きていたのかという説明はありません。東北電力にも責任の一端があるという表明もありません。再発防止策では、月々の請求書とともに変更分のデータも出すようにするなど改善に協力することはあっても、仙台市が求めたものに応えるという姿勢であり、自ら原因を究明し改善を考えるものではないと感じます。このままでは、原因究明も事態の処理も進まない、市民には納得できる説明もないまま、曖昧に過ぎ去ることになってしまうのではと危惧します。過払いについて、市の側が廃止手続きを忘れたとか、廃止の処理がなされたことを確認していなかったからとか、それは過大請求を発見できなかった問題であって、なぜ過大請求が行われたのかの解明にはなっていません。また、未払いについては、廃止手続きとは違って、申し込みは文書で行われていたわけですから、なぜ未払いとなったのか不思議でなりません。もし、仙台市が東北電力に黙って電線につなぎ電気を使い続けていたとすれば、窃盗罪になってしまいます。しかし、東北電力側からは、法的な訴えも、延滞料の請求もないところを見ると、東北電力も自らの責任があると認識していることがうかがわれます。電力会社は、公共性の非常に高い事業者です。経済産業省には、電力・ガス取引監視室があり、電力契約や供給がきちんと行われているか監査する役割があります。必要とあれば、こうした機関にも相談して、市民が納得できる説明を市は東北電力に求めるべきではないでしょうか、伺います。

さて、その東北電力の株主総会が、今月26日に開かれるそうです。仙台市は、519万株を保有する大株主でもあり、市民の声を代弁して権利を行使することができます。先日、脱原発市民会議と秋保石神町内会が、株主総会での市の対応について申し入れが行われ、女川原発再稼働に賛同しないこと、再生可能エネルギーに投資することなどを求め、株主提案議案に賛同するよう要請されました。女川原発2号機の再稼働へこの夏にも審査が終わり、宮城県に同意が求められる時期が迫っています。昨年10月、11月と行われた「原発再稼働の可否を県民投票で決めてほしい」という直接請求署名運動では、法定署名数の約4万筆を大きく超え、11万1743筆の署名が提出されました。原発問題への県民の強い関心と、再稼働への危機感の表れだと思います。県民投票条例案が県議会で審議されましたが、自民、公明、21世紀クラブの反対で否決されてしまいました。このことについて地元紙は社説で、『県民が「わがこと」と捉えて原発再稼働を問う住民投票を求めたのは当然だ。住民の政治参加の機会を認めなかった県議会の責任は大きい』と述べました。大事な問題で住民の意見をしっかり聞くことをしない政治こそあってはならないと考えます。原発には、命と環境を脅かす莫大なリスクと、膨らみ続けるコストがあることが人類共通の理解となっています。株主総会において、再稼働の中止を求める株主提案議案などが、しっかり審議されるよう、市も市民の声を積極的に代弁し議論に参加すべきと考えますがいかがでしょうか。

第66号議案 仙台市市税条例の一部を改正する条例は、地方税法が改正されたため、法人市民税の税率など改定するものです。法人市民税は地方自治体が直接得ることができる自主財源です。とりわけ、大都市にとっては都市特有の行政ニーズに応えるための貴重な財源となっています。ところが、国は、この法人市民税の税率を下げ、その分、国でかける地方法人税率を上げるという地方税法の改定を行ったのです。2014年度に2.6%引き下げられたのに続いて、今回は3.7%もの引き下げです。国は税収が増えた分を地方交付税の財源にすると言っていますが、地方の税源を増やしていくべき時に、全く逆行しています。政令指定都市は、一致してこの改悪に反対してきたと理解していますが、条例改正案の提案にあたって、改めて仙台市として地方自治体財政を守る立場から、断固抗議する姿勢を示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

市長は仙台の経済を活性化させるとし、特に地元中小企業に重きを置いた施策を展開しています。地域経済を活性化するには、家計消費を増やすことが大事です。ところが、安倍政権は10月から消費税を10%に上げようとしています。前回の消費税8%への増税で実質家計消費は年25万円も落ち込み、労働者の実質賃金も年10万円低下しました。自民党の萩生田光一幹事長代行は、7月1日に発表される「日銀短観」が示す景況感次第で「増税の延期もありうる」と述べました。7月以降でも、消費税増税の中止は可能なことを政権与党の幹部も認めているのです。財政局長は第1回定例議会の代表質疑で、消費税引き上げに関する花木議員の質疑に対して、「本市においては、国による増税への対策や経済見通しを踏まえれば、今後の市税収入は、基調としては堅調に推移するものと見込んでいるところでございます。」と答えています。ところが、内閣府は5月に発表した景気動向指数「悪化」に続けて先日も景気の基調判断を2ヵ月連続で「悪化」としました。こういう情勢の下での財政局長の経済指標の変化を踏まえた税収の見通しについて伺います。

経済の活性化にとっても、市民のくらしにとっても必要なのは家計を応援し、可処分所得を増やすことです。安倍政権がすすめようとしている消費税10%への増税はこれに逆行します。消費税増税は市民のみならず、市長が重点施策にかかげている地域経済にも大打撃になります。こういう状況下で消費税増税はもうやめるべきだと言うべきです。市長、いかがでしょうか、伺います。

次は、第68号議案 仙台市放課後児童健全育成事業及び家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の一部を改正する条例についてです。国の省令が改正され、放課後児童支援員認定資格研修が都道府県知事に加え、指定都市の長も実施できるようになりました。2018年5月現在、仙台市内の支援員は公営・民間合わせて907人です。国は今年度中に都道府県が行う支援員認定資格研修を修了することを求めています。市は現在、8割強の支援員が宮城県の研修を終了しているといいます。しかし、支援員が途中で退職したりして入れ替わったりしているところもあると考えられます。新たに支援員になった人や人手不足で研修を受けることが困難な状況にある人が残されていることが心配されます。この条例が通れば、仙台市も支援員認定資格研修を実施できるようになるわけですから、県任せにせず、研修の機会を増やすべきです。また、支援員認定資格研修は4日間です。研修に出ている間、代わりの人の配置が必要です。市はその分の人件費を補助して全員が研修を終了できるようにすべきです。いかがでしょうか。合わせて伺います。

先日、参院本会議で放課後児童クラブの職員基準を緩和する児童福祉法改悪など、13本の法律をまとめて見直す第9次地方分権一括法が、自民党、公明党などの賛成で可決、成立しました。これまで「従うべき基準」だった支援の単位ごとに2人以上、うち1人は都道府県の研修を終了した放課後児童支援員という職員配置基準が、拘束力のない「参酌基準」にされてしまいました。昨年12月の健康福祉委員会で児童クラブ事業推進室長は、こうした国の動きについて問われた際、「自治体で現在条例で設定している配置基準を見直すということが直ちにつながるというものではございません。本市においても、子ども・子育て会議の検討、それから議会でのご議論も経て基準条例を制定したという経過を十分に尊重する必要がある。」と答弁しました。市が自ら決めた基準を今後も維持するべきですがいかがでしょうか、伺います。

児童クラブ事業は112の児童館で実施されていますが、そのうち、半数以上の63館で本館以外にサテライトが置かれています。その数は88カ所です。本館よりもサテライトに通う児童が多いところもあり、場所がないため町内会集会所を借りているところもあります。児童クラブ事業が今のままでいいのか、根本的な見直しが必要ではないでしょうか。サテライトを単独の児童クラブとして、設置基準に合致したものにすること、支援員も固定して配置することを提案しますがいかがでしょうか、伺います。

また、放課後児童クラブ支援員の処遇を改善することを求めます。放課後児童クラブは遊びの場であるとともに、子どもの生活の場です。子どもの成長・発達を支える大切な場です。しかし、それを支援する支援員の待遇は低すぎます。支援員の皆さんの働く意欲を支えるために処遇改善は待ったなしです。いかがでしょうか、伺います。

関連して、保育士、介護士の処遇改善についても待たれています。保育・介護労働者は、公定価格や報酬で政府が賃金水準を決めますが、低く抑えられています。国の責任でしっかりと賃金水準を引き上げ、全産業平均との賃金格差をなくすべきです。こうしたことを国に求めながら仙台市独自でも処遇改善が求められています。市は経験年数3年未満の若手保育士等に月5000円の処遇改善をしていますが、対象も金額も拡大し、さらなる処遇改善を図るべきです。いかがでしょうか、伺います。

認可保育所は増えているものの、入所希望に追いついていません。市は待機児童が121人に減ったと言いますが、希望する認可保育所などの保育施設に申し込んでも入れない入所保留児童数は665人で、昨年より34人増えています。市はこれまでに13ヵ所の公立保育所を廃止してきました。この分の保育所定員数は全部で1213人です。公立保育所を廃止せず、民間の認可園を増やしていれば、とっくに待機児童を解消できたことは明らかです。郡市長は子育て支援に力をいれた施策展開を行っています。中でも保育所は子育て支援の重要な柱です。市民の切実な願いにしっかりと向き合い、「公立保育所廃止・民営化方針」は見直すべきです。いかがでしょうか、伺います。

子ども医療費への助成制度はすべての都道府県・市町村で実施されていますが、その対象は自治体によって違います。国の制度として、最低でも小学校就学前の子どもの医療費を所得制限なしで無料化することが求められています。そうすれば、その共通の土台の上に、自治体の助成制度をさらに前進させることができます。仙台市においては、市民の運動と議会の論戦で県も動かし、入院・通院とも中学3年まで医療費助成が拡大されました。しかし、それでも県内の助成状況をみると、仙台市は遅れた水準になっています。35自治体中、26自治体が18歳まで助成しています。助成対象が中学校卒業までで所得制限と一部自己負担があるのは名取市と仙台市だけです。国に対し、制度化を求めるとともに、市の助成対象を18歳まで拡大すること、所得制限をなくし、一部自己負担(ワンコイン負担)もやめるべきです。市にとって大した金額ではありません。いかがでしょうか、伺います。

高すぎる国民健康保険料が国民を苦しめています。しかし、市の国保料は今年も高くなります。市はその理由として、世帯数が1586世帯減少し、加入者も4910人減ったからだとしています。市は財政調整基金を5億9000万円取り崩し、国保会計に繰り入れましたが、あと5億円取り崩せば国保料を値上げせずにすむのではないでしょうか。基金は20億を超えてあるわけですから繰入れ額を増やすべきです。いかがでしょうか、伺います。

市は昨年度から18歳以下の子どもの均等割を3割減免し喜ばれています。自治体でやれることはやりながら、国保料引き下げのための根本的解決が求められています。国保加入者の所得は低いのに、保険料は「協会けんぽ」など他の医療保険と比べ高くなっていることが構造的な大問題です。全国知事会は国に対し、公費負担を1兆円増やすことを要望しています。また、全国市長会、全国町村会も公費負担を増やすよう要望しています。これは、所得がなくても家族の人数に応じてかかる均等割、一世帯ごとにかかる平等割に匹敵する金額です。仙台を例に、均等割・平等割をなくすと、保険料は4人家族で年収400万円の場合、36万6000円から22万4800円になると試算されています。国に対し、社会保障制度としての国保を支えるため、1兆円の公費負担を求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。

第75号議案 仙台市水道事業給水条例の一部を改正する条例に関連し、宮城県が水道の運営権を民間に売却するコンセッション方式について伺います。この問題は昨年の第3回定例会一般質問でも取り上げました。仙台市が事務局を務める17の受水市町が共同で県に対し10項目の質問書を提出しましたが、回答のほとんどが「検討中」でした。市当局に確認したところ、現在もそのままとのことです。また、村井知事は、事業計画案を作成する民間法人に「あずさ監査法人」を専任し、9月か11月の県議会に事業計画条例を提案する予定です。共産党県議団があずさ監査法人が行った「導入可能性調査」・「資産調査」結果資料を開示請求したところ、黒塗りのいわゆるのり弁状態でさっぱりわからない資料です。このままだと、民間業者の公募・選定過程も公開されない恐れがあります。受水市町が懸念している事項に回答もよこさないで民営化だけはどんどんすすめるのはまったく不誠実です。県に対し、ただ持っているだけでなく、責任ある「検証可能」な回答をよこすよう強く求めるべきです。いかがでしょうか、伺います。

東日本大震災から8年が過ぎました。被災者の生活再建はまだまだ困難を抱えています。あすと長町復興公営住宅の日照問題はこの間、テレビの全国ネットの特別枠で3回報道されました。5月26日のテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」の番組では、あすと長町復興公営住宅の集会所に集まった入居者のみなさんとスタジオが直接やりとりをした録画中継を流しながら仙台市の問題点と解決策についてスタジオで話し合うというものでした。高層マンションによる日影で部屋が真っ暗になった映像を見たビートたけしさんは「あんなに囲んじゃまずいだろう」と話し、知事まで務めた東国原さんは「移転の支援をしなくちゃ駄目でしょうね」と語りました。コメンテーターの大竹まことさんは、入居者の要望である採光システムを設置して住戸の明るさを確保すること、光熱費高騰による家賃の値下げ、北側に明り採り窓を設置することについて、「最低このくらいのことはできるでしょう。何とかできるのではないか」と述べ、司会者も「当然の要望だ」と述べました。みなさんが被災者に寄り添った発言をしていました。それに比べてインタビューを受けた市当局の発言は従来通りで冷たいものでした。3回も全国ネットでとりあげられるということは、市の復興の取り組みがいかに全国から見て異常に映っているかということであり、恥ずかしいことです。せめて北側玄関扉を明り採り窓がついたドアに交換するなど、被災者のみなさんが望んでいる方向での努力が必要です。市長のお考えを伺います。

復興公営住宅の収入超過者問題でも市は被災者を苦しめています。3月26日、「住みよい復興公営住宅を考える住民の会(準備会)」が収入にかかわらず復興公営住宅に住み続けることができるようにすることなどを求める要望書を郡市長に提出し、実現を求めました。ある自治会長さんは同じ住宅に住んでいる世帯のことを話しました。「仮設住宅で独り暮らしだった方が、息子たちと同居してやっと孫とも一緒になって良かったと喜んでいた。ところが、家賃が3倍になった。こんなに家賃が高くなるとは思わなかった。住み続けることができないと話してている」と語りました。また、「このご家族はお孫さんと一緒に清掃活動など自治会の活動に協力的で、住宅から出ていくのはとても残念だ。基準を引き上げて住み続けられるようにしてほしい」と訴えまいた。また、その場でみやぎ県民センターが入居者向けに行ったアンケート調査結果の資料を、直接市長に手渡しました。被災者の切実な思いや要望が書き込まれたものと聞いています。市長はこれに目を通されたと思いますが、どのように感じられたか、所感を伺います。

今年度の復興公営住宅収入超過者認定世帯は、六郷を除いて176世帯です。家賃が最も上がった世帯は3万5000円から14万3400円になり、月10万8000円も上がりました。一番高い家賃は15万9900円です。これではとても暮らしていけません。住まいの復興は、終の棲家を得ることができるように支援することです。収入条件に関わらず、復興公営住宅に受け入れながら、事実上、明け渡しを迫るのは住まいの復興の理念にもとるものです。収入超過者問題は、公営住宅法に則り解決が可能です。震災で住宅を失くした入居被災者を「特に配慮が必要な」裁量階層に認定する。裁量階層の収入上限を公営住宅法施行令で認められている25万9000円に引き上げる。これらは、条例改正を行えばできます。そうすれば、大方の世帯は救済され、応分の家賃負担になり家賃収入も増えます。入居者にとっても、市にとってもいいことです。この問題は市がお金を出す話ではありません。生活再建を果たそうと必死に頑張っている被災者が住み続けることができるようにすべきです。いかがでしょうか、伺います。

被災家屋を修理しきれないでいる在宅被災者と呼ばれる世帯がまだ多数残っていることがマスコミで取り上げられました。4月20日の地元紙は、仙台市の被災住宅1万棟が修繕未了であることを報じました。新聞には破壊した自宅での生活を強いられる青葉区の被災者の事例が載っていました。2階の複数の柱に割れ目。2階のベランダがずれ落ち、屋根が引っ張られ天井がはがれた。1階の天井のはりは外れたままといいます。お金をかけて修繕したが直しきれず、市には一部修繕と申告したとのことです。また、この方は半壊住宅を解体・建替えた場合、最大300万円支給されることを知らなかったそうです。市は震災後、被災家屋に対する固定資産税軽減措置の減額割合を見直すため、未修繕世帯に対し、郵送で調査を実施してきました。昨年9月にも半壊以上の被害を受けた家屋の修繕状況を調査しました。それによると、修繕済み・解体済み合わせて1399棟だけで、未修繕は一部修繕4581棟含めて1万145棟です。なぜ8年経っても未修繕世帯が1万棟余りも残っているのか、何が阻害要因なのかを把握し、分析する必要があるのではないでしょうか、伺います。

石巻市では、補修目的の補助金(上限50万円)を2018年度に創設しました。石巻市は未修繕の住宅を個別に訪問し、生活の状況を確認しました。被災者から補修の意思や予定を直接聞き取り、申請希望者には必要な書類の揃え方などをアドバイスしました。その結果、600世帯以上が補修の意思を示し、申請件数が増加しました。行政当局は「手続きができない理由をきめ細かく聞き取り、できるまで何度も訪問した」とのことです。担当者は「自宅訪問という今までになかった手法を用いた結果、潜在的な修繕ニーズの大きさが初めて分かった」と話しています。仙台市でも実態調査を実施し、必要な支援策を実施することが求められています。ただちに戸別訪問調査を行い、修繕のための支援策をつくるべきです。いかがでしょうか、伺います。

在宅被災者の実態把握、意向調査を行う場合は被災者支援総合交付金を活用できます。政府関係者は国会答弁で「これは大変使い勝手のいいもの」と話し、石巻市で活用していると述べています。また、修繕のための補助金は取崩し型の復興基金を使えると話しています。多賀城市や東松島市、七ヶ浜町などは補修補助金の対象を半壊以上、利府町や松島町は一部損壊以上とするなど、比較的幅広く被災者をカバーしています。一方、仙台市は地震被害への修繕支援はありません。財源はあるので、やると思えばやれます。国から災害公営住宅家賃低廉化交付金が2035年度まで約300億円きます。この交付金は2012年から交付されていて、2016年度までの累計は55億8700万円ほどです。残りの53億9357万円は一般財源に振り替えています。このお金は十分あります。いかがでしょうか。このことを伺って私の第一問といたします。

 

 

◯市長(郡和子)

ただいまの嵯峨サダ子議員の御質問にお答えを申し上げます。
 

まず、コールセンター等整備事業についてお答えをいたします。
この事業は、市民の皆様が必要な情報をより簡単に入手できる環境を整備し、市民サービスの向上を図ることはもとより、業務執行の効率化にも資するものでございます。
コールセンターには想定される受電数に的確に対応できるよう、専門のオペレーターを配置し、迅速、丁寧に対応してまいります。
代表電話等から各部署に入電したものにつきましては、これまでと同様に、職員が直接応対をいたします。コールセンターでは定型的な問い合わせに対応するため、各部署におきましては、専門知識を必要とする電話の割合が多くなることが想定されます。今まで以上に、職員一人一人が必要な業務知識を習得し、懇切丁寧な対応ができるよう努めてまいりたいと存じます。
また、コールセンターでの対応内容を記録として蓄積し、それらを分析、活用することで、市民の皆様の潜在的なニーズを把握し、業務の改善はもとより、本市の施策にも生かしてまいりたいと考えています。このようなコールセンターの運営を通じまして、市民の皆様方が気軽に親切な対応で、最適な市政情報を得られるよう取り組んでまいりたいと存じます。
 

それから、消費税率の引き上げに関する御質問にお答えを申し上げます。
消費税率の引き上げは、全世代型の社会保障制度の構築に向けまして、少子化対策や社会保障に対する安定税源を確保するために必要なものだと認識をしております。また、消費税率の引き上げによる増収分ですけれども、これは幼児教育、保育の無償化の財源として活用することとされておりまして、全国市長会といたしましても、子ども・子育て支援施策を確実に展開できるように、消費税率の引き上げを確実に行うということを要望しているものでございます。
消費税率引き上げに当たりまして、国ではあらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう対応することとしております。本市といたしましても、地域経済に影響が及ばないよう、しっかりと取り組んでまいります。
 

復興公営住宅に入居されている皆様から頂戴いたしました、アンケート調査結果についてでございます。
被災者支援を進めていく中では、入居者の皆様方のお声を丁寧に伺っていくということ、これは重要なことだと認識をしております。皆様方からは、収入面や健康面から生活が厳しい、また駐車場が足りないなど、日々の生活の中での困り事や不安な点などが多々生じているということを改めて感じたところでございます。
全ての御要望にお応えするということは難しい面もございますけれども、今後とも丁寧に御相談をお受けしながら、必要な対応に努めてまいりたいと考えております。
そのほかの御質問につきましては、水道事業管理者並びに関係局長から御答弁を申し上げます。
 私からは以上でございます。

 

◯財政局長(館圭輔)

私からは、財政局に係る数点の御質問にお答えをいたします。
 

まず、東北電力の株主総会に向けた対応に関する御質問にお答えをいたします。
東北電力の株式は、かつて本市が行っていた電気事業を国に譲渡した際、その対価として取得したものを基金で保有しているものでございます。基礎自治体である本市といたしましては、市民の皆様の暮らしや経済活動に必要な電力が安定的に供給されることが重要であると認識をいたしております。
株主総会に向けましては、こうした点を踏まえながら、過日いただいた要望や議案内容を十分精査の上、適切に対応してまいりたいと存じます。
 

次に、法人市民税の税率の引き下げに関する御質問にお答えをいたします。
大都市特有の財政需要を抱えている本市としては、都市的税目である法人市民税は重要な財源であると認識しており、地方公共団体間の財政力格差の是正を目的に導入され、法人住民税の一部を国税化した地方法人税は、受益と負担の関係や地方分権の趣旨に反するものと考えております。
本市といたしましては、これまでもほかの指定都市と連携し、国に対し、地方公共団体間の財政力格差の是正は、法人市民税などの地方税収を減ずることなく、地方への税源移譲や地方交付税の法定率引き上げ等の地方税財源拡充の中で一体的に行うべきであると要望してきたところであり、引き続き強く要望してまいる所存でございます。
 

次に、税収見通しのもととなる経済指標の変化に関する御質問にお答えをいたします。
先日公表されました経済財政運営と改革の基本方針2019の原案におきましては、我が国経済は緩やかな回復を続けているとされており、また、経済の回復基調に影響を及ぼさないよう、消費税率の引き上げ前後の需要変動を平準化するための十分な支援策を講ずることとされています。
本市においては、このような動向などを踏まえ、今後の市税収入は引き続き基調としては堅調に推移していくものと見込んでいるところでございます。
 以上でございます。

 

◯市民局長(斎藤恵子)

私からは、コールセンター等整備事業についての御質問のうち、労働環境についてお答えをいたします。
労働条件に関しては、受託事業者において決定する事項となりますが、本市としましても業務の発注者として、法令遵守はもとより、適切な労働環境が確保されるよう仕様書に明記し求めていく必要があると考えております。
業務の委託に当たりましては、従事者の定着に向けた取り組みを確認するなど、労働環境に十分配慮してまいりたいと存じます。
 以上でございます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

私からは、まず、介護士の処遇改善についてのお尋ねにお答えをいたします。
介護報酬は平成29年度、30年度とプラス改定をされ、介護職員処遇改善加算を取得している事業所の介護職員の平均給与額が、初めて30万円台となったことが公表されております。
また、今年10月には、経験、技能のある介護職員への処遇改善など、プラス2.13%の改定が予定されておりますことから、これらの状況を注視し、引き続き国に対して適切な介護報酬の設定を求めてまいりますとともに、関係団体などとも連携をし、離職防止のための取り組みを進めるなど、介護職員が安心して従事できるよう取り組んでまいりたいと存じます。
 

次に、国民健康保険料についてのお尋ねでございます。
今年度予算における基金からの取り崩し額につきましては、震災以降交付されている国の特別調整交付金の今後の減少見込みを踏まえ、段階的に取り崩すことによって、この影響を極力平準化する等の考え方により設定をしたものでございます。
今後の基金からの取り崩しにつきましても、国費等の交付状況や国保事業費納付金の水準などを勘案しつつ、国保財政の安定的な運用に資するよう、活用してまいりたいと存じます。
保険料の負担軽減につきましては、国保が他の医療保険制度に比べ、低所得の方や高齢の方が多く、医療費水準が高いことから、保険料水準も高くなるという構造的な課題を抱えており、その解決が不可欠であると認識をしております。
本市におきましても、低所得世帯や子育て世帯を対象とした独自の減免により負担軽減に努めているところですが、さらなる国の財政支援の拡充や、他の医療保険制度との負担の公平性を図るよう、引き続き他都市と連携して国に求めてまいりたいと存じます。
 以上でございます。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

私からは、子供未来局に係る数点の御質問にお答えをいたします。
 

まず、放課後児童支援員の認定資格研修の実施と人件費の補助についてでございます。
平成31年4月現在、市内の児童クラブに在籍する支援員のうち、8割強の方は昨年度までに研修の受講を修了しており、残りの2割弱の方につきましても、本年度中の修了が可能となるよう、受講者枠の確保について宮城県と調整を行っております。
今回の条例改正は、今後必要が生じた場合に、本市主催研修を実施できるよう制度を整えるものでございます。
また、認定資格研修や本市主催の資質向上研修などの受講につきましては、児童館の事業運営上必要不可欠なものであり、それらを踏まえた職員体制を確保しているところでございますが、引き続き、運営団体と意見交換を重ねながら、人材確保、人材育成が図られるよう取り組んでまいりたいと考えております。
 

次に、児童クラブの職員配置基準についての御質問にお答えいたします。
本市の児童館におきましては、条例に定める放課後児童支援員等の配置基準を満たす人員は確保されており、また、有識者による検討や議会での御議論を経て、本市条例基準が定められた経緯を尊重すべきと考えておりますことから、本市の現在の状況におきましては、現行基準を維持することが妥当であると認識しているところでございます。
 

次に、児童クラブ事業の見直しについての御質問にお答えいたします。
現在の運営手法は、小学校と児童館との連携をベースにしながら、児童館本館とサテライト室を一体として管理運営するものであり、サテライト室を含む児童クラブに安定的な人員体制が確保できる適切なものと考えております。
また、児童館職員につきましても、日々のローテーションの中で児童館と児童クラブ双方の役割を担っており、それぞれの職員が地域の子供たちの乳幼児期から学齢期にかけて一貫したかかわりを持つことができるといったメリットも大きいものと考えております。
 

次に、放課後児童支援員の処遇改善についての御質問にお答えいたします。
児童クラブの現場を支える放課後児童支援員の処遇改善は重要な課題の一つであると認識しており、これまでも、国の補助制度を活用し、経験年数等に応じた処遇改善を行ってきたところでございます。
引き続き国に対して、指定都市市長会等として要望を行っていくことを基本としながら、運営団体とも情報共有を図り、安定した事業運営を進められるよう、引き続き検討してまいりたいと存じます。
 

次に、保育士の処遇改善に関する御質問にお答えいたします。
国においては、平成27年度以降、確実な賃金改善に充当することを要件とした加算制度が創設されるなど、一定の改善が図られているものと認識しております。
加えて本市では、若手職員が働きがいを感じ、長く活躍する意欲が持てるよう、経験年数3年未満の職員を対象とした独自の補助制度を昨年度から実施し、処遇改善に努めているところでございます。
 今後とも、国においてさらなる処遇改善が図られるよう、引き続き要望を行ってまいります。
 

次に、公立保育所の民営化方針についてのお尋ねでございます。
老朽化する公立保育所につきましては、児童の安全・安心、よりよい保育環境を確保するため、早期の建てかえが必要であり、その際には本市の限られた財源を有効に活用し、子育て施策をより一層充実させていくためにも、民間の力をおかりしながら、新たな保育サービスの提供や保育需要に応じた定員増なども図っていく必要がございます。
今後とも保育士等人材の確保策などもあわせて行いながら、建てかえ民営化を計画的に推進してまいります。
 

最後に、子ども医療費助成制度についての御質問にお答えをいたします。
本市では、子育て家庭に対する経済的負担を軽減するため、平成29年度に通院の助成対象を中学3年生まで引き上げるとともに、3歳以上の未就学児の利用者一部負担金を無料とする制度拡充を行ったところでございます。
将来にわたって制度を安定的に維持するためには、長期にわたる財源確保の見通しを立てることが前提となりますが、厳しい財政状況のもと、本市単独でさらなる制度の拡充は難しいものと考えております。引き続き、指定都市市長会などを通じて国による全額負担を要望してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

私からは、被災者の生活再建に関する御質問のうち、市長がお答えした部分以外の御質問にお答えいたします。
 

初めに、あすと長町復興公営住宅の日照問題についてでございます。
当該住宅においては、入居後に周辺のマンションが建設されたことに伴い、従前と比べて日照時間が短くなるなどの生活環境の変化があったことは、本市としても認識しているところでございます。
しかしながら、その日照時間については、季節により状況が大きく異なっており、冬の時期においては短くなるものの、春から秋にかけましては一定の日照が確保されております。
また、日照時間が短くなる冬の時期におきましても、復興公営住宅と南側マンションとの距離が大きいところで約60mほど離れているため、天空からの拡散光によって日常生活に必要な一定の明るさは確保されるものと考えております。
そのため、あすと長町復興公営住宅の北側の玄関扉につきましては、その仕様が公営住宅として一般的なものであり、また、建築後間もないことから、その費用対効果なども考慮すると、交換は困難であると判断をしております。
 

次に、復興公営住宅の収入超過者への対応についてでございます。
国からの通知では、条例により入居の収入基準となる額の引き上げが可能とされておりますが、このことについては、各自治体により被災の状況や復興の進捗度合いが異なることから、それぞれの実情に応じて判断することとされております。
本市におきましては、市内の民間賃貸住宅に十分な空き住戸があり、家賃についても幅広い金額設定がなされているため、収入や生活条件など個々の実情に応じた選択が可能となっているなど、収入超過者への対応を行った他の市町とは状況が大きく異なっております。
このようなことから、本市としましては、現行の収入基準額を上回る収入超過者に対して、収入に応じた御負担をいただくこととしたところでございまして、居住の継続につきましては、最終的に入居者の判断によるものと考えております。
 

次に、家屋修繕のさらなる支援についてでございます。
本市といたしましては、被災した地域の状況や損壊の程度等に応じて、災害救助法による応急修理制度に加え、半壊世帯も一部対象とした本市独自の被災地域住宅再建補助事業などにより、住まいの再建を支援してまいりました。また、被災された方々に対しましては、さまざまな支援制度について、復興定期便や地域説明会開催などにより、広く周知を図ってきたところでございます。
現在も未修繕となっている家屋に対する支援につきましては、既に各種支援制度等の活用により、修繕や再建をなされた方々との公平性も勘案し、国の交付金を活用した調査や補助制度の新設は考えておりません。
今後とも、区役所や関係局において、暮らしの再建について御相談をお受けし、情報を提供するなど、実情に応じた支援を継続してまいりたいと存じます。
 私からは以上でございます。

 

◯建設局長(小高睦)

私からは、道路照明灯の電力契約に係る東北電力との協議についてお答えをいたします。
これまで東北電力には、契約情報の提供や現場調査の実施などの協力をいただきながら、原因の究明を行ってきたものであり、再発防止に関しましても、本市管理台帳との定期的な照合の仕組みの構築など、連携を密にしながら取り組んでいるところでございます。
現在、その調査結果等をお示しするとともに、この間の議会での御議論もお伝えしながら、過払い金と未払い金の取り扱いについての協議を進めております。
双方協議が調うまでには、なお時間を要するものと認識しておりますが、可能な限り早期に協議を調え、議会の皆様並びに市民の皆様に御報告したいと考えてございます。
 以上でございます。

 

◯水道事業管理者(板橋秀樹)

私からは、水道事業へのコンセッション方式導入に関する県への対応についてお答えを申し上げます。
これまでも県の水道事業の運営を民間事業者に長期間委ねることに関するさまざまな課題につき、17受水市町合同で県に対し回答を求めてまいりましたが、多くの項目で、詳細は事業者公募に向けた実施方針を策定する中で検討する旨の回答でございました。
今後、実施方針条例の県議会への提案の約2カ月前に、実施方針素案でのパブリックコメントを実施するとされております。本市といたしましては、実施方針条例案に17受水市町の意見が反映されるよう、改めて県に求めてまいります。
また、県においては、実施方針策定後、民間事業者の募集要項の公表などの諸手続を経て、最終的な内容は選定された事業者との協議により決定すると伺っております。このため、実施方針策定後も引き続き災害時等のリスク管理の現状からの変更点など、市民の疑問や不安の解消につながる諸点について、詳細な根拠を含めて詳しい内容を示すよう、県に求めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。

 

◯嵯峨サダ子議員

3点再質問させていただきます。
 

まず1点目、消費税の増税に関する市長の対応について伺った問題なんですけれども、市長はただいまの御答弁で、国においてあらゆる対策を講じている。地域経済に影響を及ぼさないように要望している旨の御答弁でございました。私は、市長のその認識は、国民の間での認識とは大きくずれているのではないかと、このように考えます。
世論調査で、増税反対は6割を超えております。市民も同様だと私は思っています。増税容認の立場の人たちからも、10月からの増税は中止すべきだという声も上がっているわけです。ですから、もはや何のちゅうちょもなく増税は中止すべきだと、そういうふうに言わなければならないんだと思うんです。市民の暮らしを守る責任がある市長なわけですから、いつまでも何か同じような答弁を繰り返すのではなくて、誰に遠慮することもないのです。市長は首長として、市民に本当に責任ある方なわけですから、ぜひここのところは再度お伺いをしたいと思います。
 

それから、次は、国民健康保険料についてですけれども、昨年度の国保会計剰余金のうち、財政調整基金に21億3000万円積み立てました。そして、今年度そのうち5億9000万円を取り崩しています。財政調整基金にはまだ15億4000万円残っているわけですから、あと5億円取り崩しても何ら問題はありません。保険料を上げない努力を求めますけれども、再度伺います。
 

それから3点目ですけれども、在宅被災者についてであります。
住宅が半壊の場合への支援制度は、応急修理制度しかありません。しかも、自宅を補修しますと、避難所、仮設住宅、災害公営住宅からは排除されます。制度のすき間にあるのが在宅被災者です。
市の調査で、半壊以上の未修繕世帯が一万棟以上あることが明らかなのに、いまだに何も手がつけられておりません。これでいいのでしょうか。在宅被災者の問題はマスコミで取り上げられてから、その実態が浮き彫りになり、支援のあり方がまさに今焦点になっています。市は最後のお一人まで復興が果たせるようにすると、前市長からずっと述べてきました。郡市長もそうです。この分野でもしっかり取り組むべきです。再度お答えください。

 

◯市長(郡和子)

お答えを申し上げます。
消費税の増税というのは大変重い判断だというふうに思います。増税反対の世論がふえているという報道も私も目にしておりますけれども、この問題というのは負担と受益の関係にもあるわけでして、私どもが消費税率の引き上げについて国会の中で議論した際にも大変な状況でございました。我が国の将来を考えて、やはり少子高齢化の問題や、そしてまた社会保障制度の安定的な維持を図っていくためにも、やはり私どもは必要だというふうに思っているところでございます。
消費税率の引き上げについて、地域経済に影響を及ぼさないように、本市といたしましてもしっかりと経済対策に取り組んでまいりたいと思います。何分この秋から始まる幼児教育、保育の無償化に係るこの財源、先日の全国市長会におきましても、これは確実にやっていただくということが何よりも重要であるということで、決議を上げさせていただいたところでございます。私はそういう立場で申し上げているところでございます。
 そのほかの質問につきましては、関係局長から御答弁を申し上げます。

 

◯健康福祉局長(舩山明夫)

国民健康保険料にかかわりまして、基金からの取り崩しについての再度のお尋ねでございます。
 重ねてのお答えになって恐縮ではございますけれども、今年度の取り崩し額につきましては、今後に向けまして基金を段階的に取り崩し、今後の影響を極力平準化するということの考え方に立って設定をいたしたものでございます。御理解を賜りたいと存じます。

 

◯都市整備局長(小野浩一)

被災した家屋の修繕への支援に関する再度の御質問にお答えいたします。
東日本大震災により被災しました住宅の再建や修繕に対する支援につきましては、被災した地域の状況ですとか、あるいはそれぞれの損壊の程度等に応じまして、国からの支援に加え、必要に応じて本市独自の支援を行ってきたところでございます。その中で、被災の程度が比較的小さい住宅については、他の支援制度や被災者間のバランス等も考慮しまして、独自の支援を行わないこととしたものでございまして、このことにつきましては、これまで他のさまざまな支援制度とあわせて、これもさまざまな機会を捉えまして媒体もさまざま用いまして、広く周知を図ってきたところでございますので、既に修繕工事を済ませた方などとの公平性も勘案しまして、本市が新たな調査を行うこと、あるいは独自の支援制度を創設することについては、考えておらないところでございます。御理解を賜りたいと思います。

 

◯嵯峨サダ子議員

在宅被災者への支援というテーマは、私も初めて議会で取り上げたんですけれども、市の言い分は、自分にとって都合のいい理由ばかり並べ立てていると、そういうふうにしか私には聞こえません。これで本当に仙台市の復興がこれでいいのかという、これがまさに問われている問題だからです。
あすと長町にしろ、収入超過者にしろ、そうです。東日本大震災で被災を受けた唯一の政令指定都市なわけですから、全国で被災している自治体にとっても市の動向が非常に大きな意味を持つわけですよ。そこのところをしっかりと私は市長にきちんと認識をしていただきたいし、自覚も高めていただきたいと思います。
再々質問は、消費税の増税の関係ですけれども、市長は幼児教育の無償化のためにも消費税増税が有効だみたいなふうな、そんなお話をされたんですけれども、何も幼児教育無償化が消費税に頼らなければできないというものではなくて、十分やれるわけですね。税金の集め方、これを変えれば。大企業の優遇税制だとか、大金持ち優遇税制をやめれば、十分財源をつくることが可能なわけですから、こういうことにこそ市として国に強く働きかけをするべきだと思います。
お金のあるところから取って、お金のないところに回す、それが所得の再分配機能なわけですから、こういう税の基本に立ち返って考えるべきだと思いますが、いかがでしょうか、お答えください。

 

◯市長(郡和子)

再度お答えを申し上げます。
税の問題に関して、どういう制度にしていくのかというのは、基本的には国において決められていくものでございます。私が国会におりましたときにも、それこそ血のにじむような議論を重ねて、こういうことを決定をさせていただいた経緯をその場にいて知っている立場で、今回いろいろな形があって延期がされてきたわけですけれども、今般私は地方自治体の首長として、何しろこの秋から保育無償化、幼児教育の無償化というふうなことで、もう既に制度設計をしているわけでございます。その財源を確保していくためにも、やはり国から安定的なお金を引っ張ってくるということで、その国としての安定財源は消費税であるというくくりであったわけですから、これはそのとおり実行していただきたいと思います。
ただ、地域経済に与える影響というのは十分に考えていかねばならないということで、国においても検討していただかねばなりませんし、私どももしっかりと対応してまいります。
 以上でございます。
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