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一般質問 庄司あかり議員 (6月17日)

【概要】認可保育所の整備、男性の育児休業

       公立保育所の廃止民営化ストップ

 

日本共産党仙台市議団の庄司あかりです。保育環境の充実と男性の育児休業取得推進について一問一答方式で一般質問いたします。

4月1日現在の本市の保育施設等の利用待機児童数が発表されました。昨年度比17人減の121人とのことですが、これは国の定義の待機児童数です。国定義の待機児童数は、利用申し込みをしたけれど待機通知が送られた人数から、特定の保育施設等を希望している場合や企業主導型保育事業を利用している場合、幼稚園の預かり保育を利用している場合など6つの場合の人数を除いて算定されます。この待機児童数から除かれた人たちは隠れ待機児童と呼ばれ、より実態に近い数として注目されています。まず、本市の隠れ待機児童の内訳についてお示しください。

保育基盤の整備と合わせ、保育の質の充実をはかることが求められています。国が「子育て安心プラン」で地域枠を認可保育所に準じる受け皿として位置付けている企業主導型保育施設が市内でも続々と設置されています。企業主導型保育事業は、審査が認可保育所に比べ格段に緩く、しかも認可保育所並みの整備補助金が出るということで急速に広がりました。しかし、全国的には保育士のいっせい退職や突然の閉園などのトラブルが相次ぎ、保育の質が問題になっています。また、乱立の結果として定員割れが顕在化していることも報道されています。本市の企業主導型の保育の質はどのように指導・監査されているのか伺います。また、定員充足率はどのくらいなのでしょうか。合わせてお答えください。

10月からの幼保無償化への対応が進められています。現在、保育料は所得の高い人ほど高く設定されています。無償化の財源を逆進性の強い消費税に求めると、逆に低所得者が重く負担し、高所得者が恩恵をうけるという不公平感が生まれてしまいます。幼保無償化は重要ですが、その財源は大企業や富裕層への適切な課税という累進課税の強化でまかなうべきです。財源以外にも、国が進める幼児教育無償化の問題点のひとつとして公立保育所の無償化は自治体が10/10の負担になっている点があります。自治体負担が4分の1の私立保育所と比べると、公立保育所は自治体負担が非常に大きく見えます。しかし実際は、今年度の幼保無償化の予算は全額国の交付金で対応されます。さらに来年度からは、無償化に関わる地方負担は交付税措置されることになっており、理論上、地方負担はないということになります。国はこれまで公立保育所の運営費や施設整備費の国庫補助を廃止し、一般財源化してきました。昨年の決算等審査特別委員会で花木則彰議員が、公立保育所の建替えや運営費について地方交付税として国費が投入されていることを明らかにして「全額が市の負担」だとしてきた市の説明の誤りを指摘しました。無償化においても、公立保育所は全額自治体負担であるという印象操作が行われてはならないと考えます。幼保無償化においては、公立保育所を含め地方負担分が交付税措置されるということでよろしいでしょうか、確認いたします。

男性の育児休業取得の推進について伺います。出産後の女性の体は大きなダメージを受けています。妊娠中の体から妊娠前の体へ戻っていく時期産じょく期といわれ、出産後6~8週とされています。産じょく期には大きくなった子宮が1ヶ月かけて元に戻る子宮復古、それに伴い起こる後陣痛、また悪露という血液や子宮からの分泌物が排出されます。ホルモンバランスの乱れによりイライラしたり、涙もろくなったりと精神的にも不安定な状態になります。産後の女性の身体の変化と望ましい過ごし方について、周産期医療の拠点病院である市立病院に伺います。

女性も男性も子育てに積極的に参加できるよう保障するのが育児休業制度です。しかし、厚労省によると、2017年の日本の男性の育休取得率はわずか5.14%にとどまっています。一方、連合の調査では、20代の子供のいない男性の8割近くが取得したいとの意向を持っていることが明らかになっています。
男性も育休を取得できるようにするには、育休制度の周知、代替要員の配置や育休取得による不利益の禁止など職場理解を促進していくこと、中小企業への助成拡充などが必要です。
企業では独自の努力も広がっており、先日は、三菱UFJ銀行が2歳未満の子供がいる男性社員に育休取得を義務化したことが報道されています。また、自民党の国会議員による男性の育休義務化の議連が立ち上がるなど、官民ともに動きは活発です。
翻って、仙台市の職員の皆さんの取得状況はどうなっているでしょうか。市長部局の育児休業取得率について、男性、女性それぞれお示しください。また、男性職員の育休取得の推進へどのような取り組みを行っているのか伺います。
一括での質問は以上とし、以降は一問一答によって質問してまいります。

 

◯市長(郡和子)

ただいまの庄司あかり議員の御質問にお答えを申し上げます。

私から、男性の育児休業についてお答えをいたします。
育児休業の取得を初め、男性が専ら育児と家事に携わる経験を持つということは、子供の成長を見守る喜びを深めるばかりでなく、子育ての実態に対する理解を広げる貴重な機会であります。このことは、育児と仕事との両立支援においても、また女性活躍の観点からも大きな意義があるものと、そう認識しております。
本市におきましては、事業主としての、職場で取り組む子育て推進プログラムに基づきまして、所属長から直接取得の勧奨を行うとともに、子育て期の男性職員同士の交流を促すなど、取得しやすい環境づくりを進めておりまして、平成30年度における市長部局等の育児休業の取得率は、男性が30.8%、女性が99%となっております。
今後も、来年度からスタートいたします次期子育て推進プログラムを策定する中で新たな取り組みの検討も行いながら、男性、女性を問わず、子育てしながら安心して働き続け、その能力を十分に発揮することができる職場環境づくりに努めてまいります。
そのほかの御質問につきましては、病院事業管理者並びに子供未来局長から御答弁を申し上げます。
私からは以上です。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

私からは、子供未来局に係る御質問にお答えいたします。

まず、待機児童数から除かれる人数の内訳についてでございます。
保育施設等への利用申し込みをしたものの利用できていない児童数、いわゆる入所保留児童数は本年4月1日現在で665人となっており、そのうち国の定義により待機児童数から除かれた人数は544人でございます。
その内訳としましては、特定の保育施設の希望者が305人、求職活動を休止している方が107人、企業主導型保育事業を利用している方が100人、院内保育などの自治体で運営支援を行っている施設を利用している方が16人、幼稚園の預かり保育を利用している方が16人、保育所が育児休業中で復職することが確認できない方はおりませんでした。

次に、企業主導型保育施設の保育の質の確保等に関するお尋ねでございます。
当該施設については、整備を主導する内閣府の委託を受けて、公益財団法人児童育成協会による指導、監査が行われてきたところでございます。
また、企業主導型保育施設は児童福祉法に根拠を持つ認可外保育施設でありますことから、本市としても、設置に当たっての届け出を受けるとともに、国の通知に従い定期的な立入調査を行っております。
なお、当該施設の定員に対する充足率は、届け出のあった71施設において、本年4月1日現在で55.4%になっております。

次に、幼児教育の無償化における地方負担に関する御質問にお答えいたします。
幼児教育の無償化における国と地方の費用負担については、昨年の国と地方の協議を踏まえ、現行制度の負担割合と同じ負担割合である国二分の一、都道府県四分の一、市町村四分の一と、公立施設は市町村等10/10となっており、実施初年度の地方負担分につきましては、子ども・子育て支援臨時交付金により全額国の負担となっております。
なお、令和二年度以降の幼児教育の無償化に係る地方負担につきましては、その全額が地方交付税算定の基礎となる基準財政需要額に算入されるものと認識しております。
私からは以上でございます。

 

◯病院事業管理者(亀山元信)

産後の女性の身体の変化と望ましい過ごし方についての御質問についてお答えをいたします。

出産後の女性は、出産に伴う疲労、ホルモンバランスの乱れ、また、出産直後から始まる育児への不安などにより、身体的、精神的に不安定な状態となる場合があります。
当院では産後ケア健診を実施しておりますが、中には、思ったような育児支援が受けられず不安を訴える方も多くおられます。家族などの育児支援が十分受けられることが望ましいと考えておりますことから、医師や助産師等が丁寧に話を伺い、できるだけ不安が解消されるよう努めております。今後とも、安心して出産、育児ができるよう適切に対応してまいりたいと考えています。
以上であります。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

すみません。先ほどの待機児童に関する御答弁の中で言い間違いがあったようでございますので、申しわけございませんが、訂正させていただきます。
幼稚園の預かり保育を利用している方が16人の後、保護者が育児休業中で復職することが確認できない方はおりませんでした。
以上でございます。

 

◯庄司あかり議員

待機児童数から除かれる場合の内訳についてお示しを今いただきました。305人と最も多いのが、ほかに入所可能な保育施設等の情報提供を行ったにもかかわらず、特定の保育施設を希望している場合になっています。特定の保育施設を希望している場合というのはどのようなケースでカウントするのか、御説明ください。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

これは、希望施設が1カ所のみの申し込みの方のほか、一次利用調整で入所保留になった方に対して、二次利用調整に向けて希望施設の追加の御提案を差し上げておるところでございますが、希望施設の変更をせずに二次利用調整でも入所保留となった方を特定の保育施設等の希望者としてカウントしているところでございます。

 

◯庄司あかり議員

二次調整で希望保育施設を追加しなかった方も特定の保育施設を希望している場合にしているということです。
一次でどのくらい申し込みされたのか確認したところ、最大で20カ所の申し込みをされていました。そういう方を特定の保育施設を希望しているとは言えないと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

一次利用調整により入所保留となった方で、希望する保育施設が保育所や認定こども園に偏っている場合等においては、小規模保育事業など3歳未満児専用施設の利用希望の追加を御提案しております。
それでもなお希望施設を変更しない場合には、特定の保育施設利用希望として待機児童数から除いているところでございます。

 

◯庄司あかり議員

以前は認可保育所に入れない子供がみんな待機児童になったわけですよね。保護者の方だって、10カ所も20カ所も希望を書いたのに、まさか特定の保育施設を希望しているということにされて、我が子が待機児童数から外されているなんて思いもよらないと思います。
特定の保育施設を希望している場合は昨年に比べて16人ふえています。国定義の待機児童数で減ったとされる17人と近似しています。この部分の調整次第で待機児童数はどうとでもなるんじゃないでしょうか、伺います。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

国の定義では、開所時間や立地条件等を考慮した上で、ほかに利用可能な保育施設等の情報提供を行ったにもかかわらず、特定の保育所を希望して待機となった場合は、待機児童数から除くとされております。この定義に基づき待機児童数を適切に算定しているところでございます。

 

◯庄司あかり議員

20カ所も書いて、そこに入れなくて、さらにあいているところはここですよと言われても、条件が合わなければそこを追加できないのは当然だというふうに思います。
兄弟が入所している保育所に入りたいと希望している場合も、特定の保育施設を希望しているという扱いになると伺いました。これまでも、兄弟で同じ保育所に入ることができない問題、議会でも取り上げられています。兄弟で別々の保育所に通っているのは467世帯とのことですが、多いのは3歳未満児と3歳以上児の兄弟で、待機児童の多くが3歳未満児であるということと関連していることがわかります。
未満児対策としてつけ焼き刃で小規模保育所をふやしても、兄弟が別々の保育所に通わなくてはならないケースはふえてしまうと思います。全年齢型の認可保育所をさらにふやすことが解決の道だと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

待機児童の解消につきましては、近年の就学前児童数の推移や利用希望の状況を勘案した上で、昨年3月に保育所等の整備計画を見直し、平成30年度からの3カ年で約2300人分の定員拡充を図ることとしたところでございます。
整備に当たりましては、全年齢型の保育所を基本としながらも、待機児童の8割以上を3歳未満児が占めている実態を踏まえ、その受け皿となる小規模保育事業などを含め、引き続き計画的な保育基盤の整備に取り組んでまいります。

 

◯庄司あかり議員

だから、未満児対策として小規模保育所を整備すればするほど、兄弟が別々の保育所に通わなくてはならないケースはふえてしまうんじゃないかということで、全年齢型の認可保育所をふやすのが解決の道だというふうに伺っていますので、その点についてお答えください。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

全年齢型の保育所を基本とするということでございますけれども、実態を踏まえますと3歳未満児の待機が多いということがございますので、その点についてまずしっかりと対応していくという考えでございます。

 

◯庄司あかり議員

保護者の願いに真っすぐ応えるためにも、待機児童の実態を的確に捉えることが重要だと思います。しかし、これまで述べてきたように、国定義の待機児童数は待機児童を実態よりも少なく見せるものになっています。
隠れ待機児童も含めて把握できるのが、待機通知が届いた人の数である入所保留児童数です。今年度当初、国定義の待機児童数は17人減少していますが、入所保留児童数は665人で、昨年度に比べて34人も増加しています。なぜでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

昨年度に比べ、国の定義において待機児童数から除くことができる企業主導型保育事業の利用者が67人増加したことが、入所保留児童数が増加した主な要因と考えております。

 

◯庄司あかり議員

企業主導型がふえたのが理由だということですけれども、企業主導型は国の規制緩和で進められたもので、認可外保育施設です。認可保育所に入ることができないから、認可外保育施設を利用せざるを得なくなっているわけですから、認可保育所をふやして入所保留児童数を減らしていく基盤整備こそ必要です。しかし、国は、企業主導型も保育基盤の整備数に入れてよいとしてしまったために、仙台市でも今年度当初の整備量のうち、554人分が企業主導型です。
 企業主導型の指導、監査を行う児童育成協会による2017年度の立入調査結果では、企業主導型の76%で職員配置や保育内容などに不備が指摘されています。指導項目が4項目以上という仙台市内の保育施設もあり、必要な保育従事者数を配置すること、乳児室と保育室を明確に区分すること、アレルギー対応マニュアルを適切に整備することなど、職員配置、施設整備など最低限の基準にかかわる指摘がされていることは深刻です。このような調査結果に対し、市はどのように対応されているのか伺います。

 

◯庄司あかり議員

企業主導型がふえたのが理由だということですけれども、企業主導型は国の規制緩和で進められたもので、認可外保育施設です。認可保育所に入ることができないから、認可外保育施設を利用せざるを得なくなっているわけですから、認可保育所をふやして入所保留児童数を減らしていく基盤整備こそ必要です。しかし、国は、企業主導型も保育基盤の整備数に入れてよいとしてしまったために、仙台市でも今年度当初の整備量のうち、554人分が企業主導型です。
 企業主導型の指導、監査を行う児童育成協会による2017年度の立入調査結果では、企業主導型の76%で職員配置や保育内容などに不備が指摘されています。指導項目が4項目以上という仙台市内の保育施設もあり、必要な保育従事者数を配置すること、乳児室と保育室を明確に区分すること、アレルギー対応マニュアルを適切に整備することなど、職員配置、施設整備など最低限の基準にかかわる指摘がされていることは深刻です。このような調査結果に対し、市はどのように対応されているのか伺います。

 

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

企業主導型保育施設については、児童育成協会が行ってきた指導、監査に加えて、本市におきましても、開設前の個別相談に対する助言、指導や、届け出がなされた新設施設の巡回、定期的な立入調査を実施しているところであり、そうした中で不備が確認された場合は適宜改善を求めております。
また、本市が主催する保育従事者研修への参加を呼びかけるなど、従事する職員の資質向上に向けた働きかけも行っているところでございます。

 

◯庄司あかり議員

先ほど御答弁の中で児童福祉法についても触れておられましたが、児童福祉法第24条は市町村に保育の実施義務をうたっています。しかし、企業主導型は自治体に課せられた保育の実施義務に関与しない施設であることを内閣府も国会答弁で認めています。市の認識も同じだと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

企業主導型保育施設は、児童福祉法により自治体に課せられた保育の実施義務にかかわる施設ではございませんが、認可外保育施設として、指定都市である本市には同法に基づく立ち入りの権限が与えられているものでございます。
当該施設における子供たちの健やかな育ちや安全の確保は欠かすことができないものであるという認識を持って、引き続き立入調査等を適切に行ってまいりたいと考えております。

 

◯庄司あかり議員

市が保育の実施義務に責任を持てない施設を保育施設の整備数に含めるべきではありません。企業主導型の保育士配置基準は、保育従事者の1/2が保育士であればよいというものです。それなのに、認可保育所並みの整備費、小規模保育所並みの運営費が助成されます。当然、企業主導型がふえていくわけです。
実際、市の保育所等整備状況を見ると、昨年4月に比べてことし4月は認可保育所が4カ所減り、定員も568人減って、定員伸び率は96.7%です。一方、企業主導型は23カ所ふえて、定員も246人増え、定員伸び率は179.9%です。保育所整備において、認可保育所がふえずに、認可外である企業主導型頼みになっているのは問題です。
認可保育所をふやすことを待機児童解消のかなめとして施設整備を進めるべきですが、いかがでしょうか、市長に伺います。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

平成30年度における保育基盤の整備につきましては、認可保育所を4カ所、認定こども園を1カ所整備したほか、小規模保育事業等を14カ所新たに整備したところでございます。また、認可保育所から認定こども園への移行が8カ所あり、結果的に認可保育所の数は減りましたが、保育定員全体としては485名の増となったところでございます。
待機児童解消に向けましては、引き続き、認可保育所を基本としつつ、保育需要等の実情を踏まえつつ、さまざまな保育基盤の整備に取り組んでまいります。

 

◯庄司あかり議員

定員全体、総量がふえたということをおっしゃいますけれども、認可保育所が減ったのは事実なわけですね。市が行った子ども・子育てに関するアンケート調査では、前回調査よりも、認可保育所の利用希望、約10ポイント上がっています。今求められているのは認可保育所をふやすことであって、それは公立も民間も力を合わせて取り組むべきことです。
そうしたときに、市が公立保育所の廃止、民営化を進めるのはもうやめるべきです。若林どろんこ保育園やパリス将監西保育園の事例について、これまでも繰り返し取り上げてきました。パリス将監西保育園は、4月にネットニュースで保育士の大量退職が報道されました。記事によると、2018年4月に民営化されてから、職員20人ほどのうち、保育士7、8人を含めて約10人が2019年3月までに順次退職していることがわかったというものです。保育士不足で0歳児、1歳児の受け入れ枠が減ったり、一時保育も受けられなくなったりして、定員90名に対して70名しか入っていないという状況です。
また、将監西保育所は、民営化に当たり応募要件として園長に保育士資格を求めていたにもかかわらず、保育士資格のない人を園長にしたいと申し出があり、市が了承したという経緯がありました。市は、主任保育士が有資格者で経験年数も長いので問題ないと説明してきました。
しかし、今回の退職者の中にはその園長と主任保育士も含まれています。わざわざ園長資格の要件緩和までしたのは何だったのでしょうか。民営化した市の責任も問われていると思いますけれども、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

パリス将監西保育園につきましては、適宜、職員の配置状況等を確認するとともに、適切な保育が実践できるよう、必要に応じて指導、助言を行ってきたところでございます。
公立保育所の建てかえ、民営化に当たりましては、円滑に移行し、民営化後の保育の質を適切に確保できるよう、今後とも本市の責任のもと進めてまいりたいと考えております。

 

◯庄司あかり議員

民営化した後の保育の質、こういう状況になっているんですよ。民営化した後は、原則半年間だけ三者協議が行われて、保護者アンケートをとって、市のかかわりは終わりになってしまいます。その後は、数ある民間保育所の一つとしてしか扱われていません。
広島市では、公立保育所が88カ所ありますけれども、公立保育所の廃止民営化計画はつくったものの、凍結している状態です。広島市では、以前に公立保育所を廃止、民営化しようとした際に、民営化を受ける社会福祉法人の不正経理問題があったことによって信頼が失墜したからと伺っています。
仙台市でも、民営化した保育所でこれほどの問題が起きているのですから、検証を行って公立保育所の廃止、民営化は一旦凍結すべきですが、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

公立保育所の建てかえ、民営化に当たりましては、保護者アンケートなどを通じこれまでの事業を検証した上で、その後の事業へ生かしてまいったところでございます。
老朽化する公立保育所につきましては、早期の建てかえが不可欠なものと考えており、その際には、本市の限られた財源を有効に活用し、子育て支援策を一層充実させていくためにも、民設民営による建てかえを基本として計画的に推進してまいります。

 

 

◯庄司あかり議員

定員数をふやすということはもはや言えなくなりましたよね、将監西保育所の事例から。検証して、保護者の声を生かしてきたとおっしゃいますけれども、次々ですね、民営化した保育所で問題が起こっているという状況があります。公立保育所減らしは、これまでの公的保育制度を後退させるものです。公的保育としての施設整備、そして質の充実、図っていくことが求められています。
保育の質にかかわって、仙台市の認可保育所の保育士配置基準について御説明ください。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

本市の認可保育所における保育士配置基準でございますが、乳児がおおむね3人につき保育士一人以上、満1歳以上満3歳に満たない幼児がおおむね6人につき保育士1人以上、満3歳以上満4歳に満たない幼児がおおむね20人につき保育士1人以上、満4歳以上の幼児がおおむね30人につき保育士1人以上を配置することとしております。

 

◯庄司あかり議員

全国保育協議会が2016年に行った調査では、認可保育所の平均保育士配置数は国基準の1.9倍になっていることがわかりました。仙台市、今御説明いただいたのはまさに国基準どおりなわけですから、今、保育所ではそれ以上の努力を保育所の努力で行っているということです。
横浜市は、民間保育所に対して、1歳児4対1、2歳児5対1、3歳児15対1、4、5歳児24対1で独自の加配を行っています。仙台市でも保育士配置への独自の加配を行うべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

本市におきましては、独自の制度として、配置基準より1人以上多く保育士を配置している認可保育所に対しては、定員数に応じて人件費相当額の助成を行っているほか、2名以上多く配置した場合には、小規模保育事業等との連携施設となっていることを要件に助成金の加算を行っております。各施設とも必要に応じて本制度を活用し、保育環境の向上を図っているところでございます。

 

◯庄司あかり議員

ぜひ、配置基準の見直し、進めていただきたいと思うんです。
それは障害児保育についても同様です。市の障害児等保育加配を活用している保育施設がふえて、昨年度で114施設に上っています。重症心身障害児や医療的ケア児の受け入れ拡大が期待されているところですが、現在、認可保育所では重症心身障害児は受け入れていません。医療的ケアは、4月時点で公立保育所で2人、民間保育所で1人の受け入れにとどまっています。
千葉市では重度障害の場合に、堺市では重症心身障害児や医療的ケア児に、1対1の保育士加配を行っています。こうした取り組みに学び、障害児等保育の充実を図るべきと思いますけれども、いかがでしょうか。

 

 

◯子供未来局長(岡崎宇紹)

本市においては、中程度までの障害があり、かつ集団保育が可能と認められる児童を対象に障害児等保育を実施しており、実施施設数や利用児童数は年々増加しているところでございます。
昨年度からは、医療的ケアを必要とする児童の受け入れ体制の強化のために、対象児童の在籍の有無にかかわらず、4カ所の公立保育所に看護師を配置したところでございますが、引き続き、本市における実情を踏まえつつ、他都市における取り組み事例等も参考にしながら障害児等保育の充実に努めてまいりたいと考えております。

 

◯庄司あかり議員

ぜひ保育の質の充実を図っていっていただきたいと思います。
育休についてですが、子ども・子育てに関するアンケート調査では育休についての回答もありました。父親の育休は、取得していないが91.7%、取得したは3.3%、取得していない理由について、仕事が忙しかったに次いで、職場に育休をとりにくい雰囲気があったというふうになっています。この市民のアンケート結果を市長はどう受けとめていらっしゃるでしょうか。

 

◯市長(郡和子)

お答えいたします。
育児休業など、仕事と子育ての両立を支援していく制度面での充実は図られてきてはいるものの、働く現場においてはなかなかそれを利用しづらい実態というのが、今回の子育て世帯を対象といたしましたアンケート調査でも浮き彫りになったと、このように思います。
その背景には、日本的な雇用慣行ですとか、それからまた人手不足などさまざまな要因があると思われますけれども、男女がともに育児にかかわって、子育ての喜びを分かち合える環境をつくっていくことが、これからの時代には求められているわけでございまして、個々の企業の取り組みはもとより、社会全体で機運を醸成していく必要があると、改めてこう認識したところでございます。

 

◯庄司あかり議員

先ほど第一問の御答弁でも、市長から男性の育休取得も含めた重要性が語られました。男性職員、市の職員の場合どうかということですけれども、男性職員が育休を取得しやすい環境づくりに取り組んでこられたという御答弁でした。
市職員の体験レポートなどもつくって啓発をしていらっしゃいますけれども、啓発を始めてから男性職員の育休取得率もふえてきているというふうに伺っています。私は2年前に出産したんですけれども、夫は当初育休をとるつもりはありませんで、そこで、市の職員さんの体験談、夫にも見せたところ、必要性を認識して、1カ月ですけれども育休をとりました。本当にいいレポートをつくっていただいて感謝をしております。
既に育休を取得したロールモデルがいることで、イメージがしやすく、不安が払拭されるという効果がございます。こうした取り組みに確信を持って市のトップが発信していくことも重要です。
NPO法人ファザーリング・ジャパンは、イクボスの発信力が男性の育休を推進するとしています。イクボスとは、職場で働く部下のワーク・ライフ・バランスを考え、その人のキャリアと人生を応援しながら、みずからも仕事と私生活を楽しむことができる経営者、管理者のことだそうです。ぜひ郡市長もイクボス宣言をして、仙台で働くパパ、ママを応援していただきたいと思います。そのためにも市役所の中での男性の育休取得をさらに推進すべきです。
2018年度でいうと、政令市では千葉市に次いで2位になっています。政令市ナンバーワンを目指すべきですけれども、いかがでしょうか、最後に郡市長に伺って、私の質問を終わります。

 

◯市長(郡和子)

お答えいたします。
本市における男性職員の育児休業の取得ですけれども、他の政令市との比較におきましても一定の浸透が図られていると、このように私自身誇らしく思ってはいるところでございます。こうした流れを今後も定着させていくということが重要であろうと思っているところです。
そのためにも、イクボスの考え方にも示されておりますように、管理職がみずからワーク・ライフ・バランスを実践しながら、部下の職員が安心して育児に参加できるよう支援していくことが必要だと、このように認識しておりまして、仕事と子育ての両立の重要性について、管理職を初めとした職員への意識の浸透を図ってきたところでございます。
今後も、仕事と子育ての両立支援などに関するさまざまな取り組みを進めていく中で、育児休業の取得など男性の育児参加をより一層進めていけるように、引き続き取り組んでまいりたいと思います。

 

 
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