【概要】
〇安心して住み続けられる公営住宅を
・修繕予算を増やし、募集戸数をもっと
・県営住宅廃止はやめよの声を仙台市から
〇市民の参政権を保障するために
・期日前投票所の増設等、身近に投票できる環境整備
・大学等への投票所設置で若者の投票率向上
・主権者教育の充実
〇すげの直子議員
日本共産党のすげの直子です。安心して住み続けられる公営住宅の維持発展と市民の参政権を保障するための施策の充実を求め、一問一答で質問いたします。
「市営住宅に何度も応募しているが入居できない」多くの市民の皆さんから、依然としてこうした声が寄せられています。
本市の市営住宅における昨年度の応募倍率は平均でも8.63倍、高い所ではあすと長町で147倍、あすと長町第2で122倍、幸町で88倍、泉中央で87倍などとなっており、安定した住まいの確保を求める市民のニーズに応えることがますます求められています。
自治体には公営住宅法に基づき、住民に対する居住の安定を図る責任があります。住宅セーフティネットの根幹ともいえる市営住宅が必要とする方々に供給されるよう、市としての役割をいっそう果たしていくことを求めますが、郡市長のご所見を伺います。
また、現在本市は市役所経営プランにおいて、敬老乗車証や児童館児童クラブ事業などと同様に、市営住宅の減免制度や老朽化した住宅の建て替えについても、その在り方を検討するとしています。入居者や市民にとって不利益になるような見直しや検討ではなく、当然ながら、より市民の実態や声にこたえられるような方向での検討であるべきと考えますが、現在の検討状況や、その考え方についてお示しください。あわせて現在の市営住宅入居者のうち減免世帯はどのくらいなのか、割合もふくめお答えください。
宮城県が県営住宅の建て替えをせず、耐用年限が訪れるものから順次用途廃止するとした方針に対して、本市内の県営住宅にお住まいの方々から引き続き不安や怒りの声が寄せられています。「民間のアパートは高齢を理由に何カ所も断られ、ここにやっと入居できたのが4年前。知り合いもできて、落ち着いてきたのに…」とご高齢の方が肩を落として話されました。
県民の財産である県営住宅のいっそうの活用を求めて「住みよい県営住宅をつくる県民の会」が結成され、村井知事宛ての質問や要望、署名活動などをおこなっています。そのやり取りの中で宮城県は、県営住宅廃止の根拠となっている「宮城県住生活基本計画」の策定に際しては「県内35市町村と協議した上で策定しており、『県営住宅の集約に伴う移転支援の方針』についても、市町村のご意見を十分に伺った上で策定した」と答えています。
県の一連の計画や方針策定において、本市の意見や考えが十分反映されたとお考えでしょうか。伺います。
次に、投票環境の改善等、市民の参政権を保障する取り組みについてです。
7月30日に執行された仙台市議会議員選挙の投票率は、前回を1.77ポイント下回り、全市で34.30%と過去最低となりました。10月におこなわれた宮城県議会議員選挙についても、4病院の移転再編など市民にとって重要なテーマが問われましたが、やはり投票率は3割台と低迷しています。市政に関わる一人として、市議会がもっと身近で役立つものと感じていただけるような日常不断の取り組みが、私自身にも求められていることを強く実感しています。
選挙に対する市民の関心が薄れ、主権者としての権利を行使しない、あるいはできない市民が増えることは、民主主義の根幹にかかわる重大な問題です。
より投票しやすい環境づくりを早急に進めなければならないことは、選挙後の本市議会定例会や総務財政委員会でも多くの議員から指摘されていることからも明らかです。
この間の選挙啓発や投票所など投票環境の改善、若年層への働きかけや主権者教育などが今年おこなわれた選挙に、どのように活かされたとお考えでしょうか。この点を伺って、のちは一問一答でおこなってまいります。
◯市長(郡和子)
ただいまのすげの直子議員の御質問にお答えを申し上げます。
市営住宅に関するお尋ねでございます。
公営住宅につきましては、公営住宅法において地方公共団体の供給責任、これが明記をされ、住宅セーフティーネットとしても大変重要な役割を担うものでございまして、住宅に困窮する方々に適切に供給されるべきものと認識をしております。
本市におきましても、このような認識の下、市営住宅の供給や維持管理を行ってきたところでございますが、引き続き、応募世帯の状況や将来的な需要の推移なども踏まえながら、適切な供給に努め、住宅に困窮されている方々の居住の安定を図ってまいりたいと存じます。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
私からは、市営住宅に関する御質問のうち、市長がお答えした以外の御質問にお答えいたします。
まず初めに、市営住宅の在り方に関する検討状況についてでございます。
市営住宅の建て替えにつきましては、将来的な需要予測や各団地の立地環境、応募倍率など、様々な要素を含めて検討する必要があるものと考えており、現在、こうした各団地の状況について整理をしながら、今後の建て替えの考え方について検討を進めているところでございます。
減免制度の状況につきましては、管理開始より10年を経過する復興公営住宅については、市営住宅の減免制度に統合することとしており、個別相談会も行いながら、今年度より順次進めているところでございます。
減免世帯の状況としましては、令和4年度の実績で、市営住宅では1787世帯、入居世帯に対する割合は約23%、復興公営住宅では1711世帯、入居世帯に対する割合は約70%となっております。
次に、県の計画等への本市の意見の反映についてお答えいたします。
宮城県住生活基本計画や県営住宅の集約に伴う移転支援方針の策定の際に当たりましては、宮城県より県内各市町村に意見照会がなされておりまして、県に対し、住宅セーフティーネットの供給の在り方について本市と協議をしていただくことなど、数点の意見を回答しているところでございます。
最終的な各計画等の策定に当たりましては、本市だけではなく他市町村からも様々な意見が出されているということから、それぞれの地域の実情なども考慮した上で、県として判断し決定されたものと認識しております。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
投票環境の改善等についての御質問にお答えいたします。
今年7月執行の市議選に向け、当日投票受付システムを全投票所に導入し、従来の手作業と比べて正確で迅速な受付ができるようになり、混雑緩和にもつながったものと考えております。
選挙啓発の取組といたしましては、特に若年層にアピールするようなゲーム風キャラクターを用い、テレビや映画館等でCMを放映するなど、各種広報に努めたところです。しかしながら、投票率は過去最低となり、結果として選挙啓発の取組が十分であったとは言えないものと認識しております。
投票率の向上に向けて投票環境の改善を図ることは、選挙人にとって利便性が向上し、投票行動につながることが期待されますことから、各区選挙管理委員会事務局と共に投票環境改善の具体策を検討してまいります。あわせて、主権者教育の充実や選挙出前授業の実施など、若年層への啓発にも力を入れていきたいと考えております。
◯すげの直子議員
それぞれ御答弁いただきました。市長からは、住民の居住の安定を図ることは大事だという御答弁もありました。
市営住宅を希望する方々にできる限り提供する努力、もっと必要だし、可能だというふうに思います。空き住戸、今年8月時点で1670戸、修繕待ちも590戸ということで、住宅にお住まいの方々からも、いつまでも空いたままであると、早く募集したらいいのにというお声を度々お聞きいたします。この年ほどは少し増やしてきましたけれども、さらに修繕戸数を増やして、なるべく早く募集に出せるようにすべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
募集戸数の確保に向けましては、令和3年度より予算を拡充しまして大幅に修繕戸数を増やしたほか、応募倍率の高い団地、また比較的短期間で修繕が可能な住戸について優先的に修繕するなど、より効率的な募集に努めてきたところでございます。そのため、応募倍率の高い団地につきましては、空き住戸が少ない状況となってございます。
しかしながら、引き続き、住宅に困窮している方々が少しでも多く入居できますよう、申込みや空き住戸の状況も踏まえながら、募集戸数の確保に努めてまいりたいと存じます。
◯すげの直子議員
ぜひ努力を求めたいと思います。
市営住宅の減免については、以前から他都市の事例も示して、より必要な方が受けられる制度にと提案してまいりました。復興公営住宅以外の減免世帯、昨年度で1787世帯で、全体に占める割合23%ということです。以前お聞きしたとき一割台ということで、大変低いということで周知徹底も求めて、この間、御当局でも努力をされてきたということだと思いますけれども、まだまだ対象者はいるのではないかと思います。まず、現行制度、さらなる周知すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
市営住宅減免制度の周知につきましては、これまでも年2回発行の市営住宅だよりに掲載するなど、周知方法の拡充も図りながら、より多くの方々に制度を理解していただき、申請いただけるよう、取組を進めてきたところでございます。
今後とも、入居者の皆様と接する様々な機会を通じまして制度の御案内を行うなど、必要な方々に申請いただけるよう周知を図ってまいります。
◯すげの直子議員
必要とされる方が受けられるように鋭意努力をしていただきたいと思います。
ある住宅の方からお話を伺いました。住宅の維持管理を担っている業者側からの呼びかけで、毎年、維持修繕などを伝える場があって、昨年も要望を伝えましたが、その後何の連絡もなかった。そして、今年も同じようにそういう場が設定されたので、除草、共用部の改善など幾つか伝えたが、今年も2か月以上経つのに何の音沙汰もない。持ち帰ってどういう検討がされて、何ができてできないのか、いつやるのか、きちんと回答すべきではないかというお話でした。
一体何のための懇談なのかとの指摘は当然だと思います。ほかの住宅でもこのようなことがあるとすれば、非常に問題だと思いながらお聞きをいたしました。実情どうなのか、把握はされているでしょうか、伺います。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
指定管理者では、年一回、各団地の町内会を訪問しまして、修繕等の要望をお聞きしているところでございます。いただいた要望への回答が遅れ、町内会より御指摘をいただくということも以前はございましたが、現在では、本市と指定管理者との定例の打合せの場を設けまして、要望の内容や進捗状況を把握するとともに、必要に応じて適切に対応するよう指示を行うなど、取組を進めているところでございます。
◯すげの直子議員
私、この話を聞いたの今年なので、より実情把握もしっかりしていただきたいと思うんですけれども、せっかく公社側から設定もしているわけですから、そこで出された御意見に真摯に応えるということ、当然だと思います。こうした修繕の要望を聞くのは指定管理者ですけれども、住環境を快適にするため機敏に対応するためにも、市としてこれからもしっかり連携、把握をしながら、必要な予算、確保していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
修繕要望への対応につきましては、町内会訪問における聞き取りの結果ですとか、個別に寄せられる要望も含めまして、緊急性の高い内容から優先して取り組んでいるというところでございます。引き続き、修繕要望の状況や修繕規模なども踏まえながら、効率的な予算執行に取り組むとともに、必要な予算の確保にも努めてまいりたいと思います。
◯すげの直子議員
建て替えの計画についてです。これからだというような御答弁だったかとは思いますけれども、古くなった住宅については計画的に順次建て替えを行うことが必要だと思います。現在の総戸数は維持しつつ、ニーズの高い場所については、建て替えの際、戸数を増やすことも必要ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
市営住宅の計画的な建て替えに向けましては、将来的な需要予測とともに、応募倍率などのニーズ、また各団地の立地状況、交通の利便性など、団地ごとの状況を整理しながら、現在、建て替えに関する考え方について検討を進めているところでございます。
◯すげの直子議員
高倍率の例を先ほども示しました。さらに、市営住宅入居者として、高齢者、障害者だけじゃなくて、学生など若者にも提供していこうという流れもございます。公営住宅の重要性というのは今後も高まっていくんではないかと私考えます。
建て替えには、そして一定の財源必要になりますけれども、東日本大震災後、本市には、被災者の方々の家賃低廉化等の名目で、毎年国から20億円以上のお金が来ております。昨年度も約22億円来ておりまして、これまでの総額は170億円を超えています。そして、ほぼ全額一般財源に振り替えています。
私たち、こうした補助金は、収入超過者含めて、被災者の家賃の軽減であるとか、復興公営住宅の日影問題の解消など、目的にふさわしい活用を求めたり、目的基金として積むことを求めてまいりました。しかし、市は国からのお金は一般財源としてほかのことに使うのをよしとして、その理由として、将来は市営住宅の大規模改修などで一般財源からお金を使うので、今はそちらに回してもいいのだという言い分でした。
であるならば、今後、市営住宅の建て替えの際に、一般財源から多少お金がかかっても、そのことを理由に戸数を減らさなければならないとか考えていく必要はないんだというふうに私理解しておりますが、それでいいのか、確認をしたいと思います。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
今後の建て替え、更新につきましては、一度建てますと、やはり建物の寿命化までの間、50年、60年といった利用をしますので、当然、将来的な需要を予測していくということは非常に大切だというふうに考えておりますので、その上で、予算の確保も含めて、順次建て替えに向けて考えていきたいというふうに考えてございます。
◯すげの直子議員
公営住宅というのは、役割は本当に、果たしていかなくちゃならない役割というのはそんなに低くなるということはないというふうに申し上げて、今後も議論はしていきたいというふうに思います。
県営住宅の廃止方針についてです。非常に何か県のこともおもんぱかるような御答弁だなと思いながらお聞きをいたしまして、県は、市町村とも協議したし、意見も聞いたと。それで計画も方針も策定しているというふうに言っておりまして、でも、私は本市の意見がきちんと受け止められたというふうには思えません。
公営住宅法の第三条には、「地方公共団体は、常にその区域内の住宅事情に留意し、低額所得者の住宅不足を緩和するため必要があると認めるときは、公営住宅の供給を行わなければならない」と明記されています。この規定は、本市はもちろん、都道府県にも求められているはずと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
公営住宅法第2条におきまして、地方公共団体とは市町村及び都道府県をいうものとされておりまして、第3条における地方公共団体には県も含まれております。
◯すげの直子議員
そうですよね。県も、だから役割ちゃんと果たさなければならないと思うんですね。そもそも宮城県は、東日本大震災時にも、当初は1000戸の災害公営住宅を整備すると言っておりましたが、1戸も造らずに市町村任せにしました。その上、震災に乗じて、被災した黒松第一県営住宅の一部を建て替えず、解体もしてしまいました。お風呂もない県営住宅などを十分な改善を行わず放置をしてきて、今度は古くなったから廃止ですなどというのは、自治体の責務を放棄していると言わざるを得ないと思います。
県営住宅の半数に上る約4600戸が本市内にあって、市民が生活しています。居住の安定を図るべき自治体が、その政策で住民の居住を不安定にさせるなど、あってはならないことだと思います。市民と共に厳しく指摘をしながら、公的責任を果たすことを強く求めるべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯都市整備局長(反畑勇樹)
県に対しましては、これまで、県と市町村の役割分担を含めた公営住宅の供給の在り方について市町村との協議の場を設けること、本市の市営住宅では県営住宅の入居者の受入れは困難なこと、また、移転先確保が困難となる場合には県営住宅の一部建て替えや借り上げによる対応も検討していただきたいということについて申入れをしているところでございます。
引き続き、県営住宅にお住まいの皆様の居住の安定の確保に向けて、宮城県が責任を持って対応いただくよう求めてまいります。
◯すげの直子議員
市民の参政権を保障する取組についてです。まずは投票所自体、もっと細やかに設置することが必要だと思います。高齢者が増える中で、投票所までとても行くことできないというお声、議員の皆さんだけでなく、市にもたくさん届いていると思います。本当に切実です。
お聞きしたところ、投票所の設置については、3000人に1か所という目安が以前示されたことがあると伺いました。本市で単純にいうと300か所になる計算です。現在は市内の当日投票所172か所で、四年前と変わっていません。
人口密度が高い地域でこの考え方を機械的に当てはめる必要はないとは思いますけれども、例えば青葉区芋沢の大竹地域、以前は大竹児童館で投票できたのに、児童館が廃止されたこともあり、今回落合市民センターが投票所になりました。とっても歩いて行ける場所ではありません。山坂越えなければたどり着かないような場所では、高齢者などはとても投票に行きたくても行けません。地域の集会所などの施設を活用して、抜本的に当日投票所増設など改善が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
本市においては、小学校等の新設があった際に、その学区を単位として当日投票所の分割を行ってきた経緯があります。また、投票所については、複数の票を同時に扱う選挙にも対応できるスペースの確保やバリアフリー対応が行えることなど、一定の要件を備えていることが必要であると考えており、投票所の配置、新設につきましては、こうした投票所の要件に加え、地域の実情を踏まえ、検討してまいりたいと存じます。
◯すげの直子議員
当日投票所の場所自体、他都市と比べても決して多くはありません。ぜひ前向きな検討を強く求めます。
区役所、総合支所、アエル以外の期日前投票所の設置、以前から求めてまいりました。ショッピングセンター等の期日前投票所、6年前の衆議院選挙のときには全国186か所だったのが、昨年参議院選挙時点では376か所と増えていますが、本市は残念ながら一か所も増えておりません。例えば新潟市、有権者数約65万人ですけれども、期日前投票所23か所ありました。大型商業施設は急な選挙の際の場所の確保など課題があるということですけれども、ほかの自治体ではそれでもこの間増えているわけですから、本市でも増やすべきです。
また、市民センターなど市の公共施設を活用することも十分考えられるんではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
期日前投票所の増設など投票環境の改善について、自治体それぞれの事情や状況により、様々な工夫を行っているものと認識しております。
今後の投票環境の改善の取組につきましては、市民センターなどの活用も含め、地域の実情を踏まえつつ、各区選挙管理委員会事務局と共に具体策を検討してまいります。
◯すげの直子議員
あわせて、移動型の期日前投票所の取組が必要ではないかと思います。各区の選挙管理委員会で、日時や場所を決め、事前にお知らせして、その地域を投票箱を持って回って投票してもらう、全国的な取組について把握されているでしょうか。投票率向上に一番大きく貢献すると思いますけれども、ぜひ実施に向けて検討すべきですが、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
他の自治体におけるバス等を利用した移動期日前投票所の活用については、山間部などでの投票所の統廃合に伴うものが多く、それぞれの自治体の事情を反映したものであると考えております。
本市においては事情が異なるものと認識しておりますが、高齢化の進展等により交通手段の確保が困難となる有権者の投票機会確保の観点において、有効な手段の一つと考えられますことから、投票環境改善の具体策を検討する中で、今後取り上げていきたいと存じます。
◯すげの直子議員
総務省でも積極的な取組をということで呼びかけられていますし、地域の実情という御答弁、先ほど来していますけれども、本市は政令指定都市の中でも本当に広い市域を有している地域ですので、そういうことも十分加味しながら検討をぜひしていただきたいと思います。
高齢者の方々の入所施設、病院などの施設に積極的に周知をして、申請していただいて、そこにいる市民の皆さんがきちんと選挙権を行使できるようにすること、また、自宅で郵便等投票できる条件が、要介護五の方、両下肢体幹移動機能の障害1級か2級の方など、非常にその枠が狭過ぎます。改善が必要だと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
不在者投票指定施設を増やすことは、病院や施設へ入院、入所されている方にとって投票しやすい環境が整うことになるため、令和五年二月に市内の対象施設に対して制度の御案内を送付し、県選管へ指定の申請を行うよう呼びかけたところです。今後とも、県選管と連携して、対象施設へ働きかけてまいりたいと考えております。
また、郵便等投票につきましては、制度の見直しが必要と考えており、郵便等投票の対象者拡大に係る制度改正を各指定都市と連携して国へ要望してきたところであり、今後とも要望を継続してまいります。
◯すげの直子議員
国にも求めつつですが、市としても何かできないのか、真剣な検討を求めたいと思います。
選挙公報については、毎回の選挙で、届かない、遅過ぎるとの御意見、必ず寄せられます。立候補の届出後に作成され配布が始まる。委託業者には、投票日の2日前までに配布を終えるという契約になっているとのことです。告示翌日からの期日前投票を呼びかけ、今や投票総数の3割近くになっていることを考えると、もっと早く市民に情報が届くことが必要です。少なくとも版下ができた時点で、それをQRコードで見ることができるよう投票所入場券に掲載するなどの工夫は可能ではないでしょうか。
また、税金を払って委託しているんですから、配布漏れなどは論外であり、期間中なるべく早く配布が完了するよう、把握しながら進めることを求めますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
市長選と市議選に関しては、選挙公報を告示日に本市ホームページに掲載しているところです。
他都市においては、入場券やポスター掲示場にQRコードを印刷し、選挙公報を見ることができるなどの対策を実施しているところがあり、本市においても、こうした手法を検討してまいりたいと考えております。
また、選挙公報の配布につきましては、配布計画などから配布漏れや遅配を防止し、できるだけ早期に配布が完了するよう努めてまいりたいと存じます。
◯すげの直子議員
若者の投票率向上についてです。大学などへの期日前投票所、これまでも求めてまいりました。この間の検討状況をお聞かせください。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
大学への期日前投票所の設置に関するこれまでの議論では、大学生は住民票を移していない場合が多く、仮に大学に投票所を設けても、投票できる若者が少ないという課題がありました。
さらに、指定都市の場合は区ごとに投票所を設ける必要があるため、仙台市に住民登録のある大学生の全てが投票できるようにするには、投票所を五つ設けなければならないといった事情もあり、設置は難しいという考えがございました。
◯すげの直子議員
全国的には取り組んでいるところもあるのに、やってみようというぜひ意欲を感じたいところなんですけれども、松山市は、2007年全国初で大学キャンパス内に期日前投票所を設置して以降、専門学校や大学の学生を選挙コンシェルジュに認定して、一緒に出前講座や児童館でのイベントに参加するなど、啓発活動にも取り組みながら、今年の県議会議員選挙の際にも、3日間、大学内に期日前投票所を設置しています。秋田市では、市内の大学等に投票所の設置についての意向調査を行って、具体に秋田大学に設置するなど、何らかの取組をしている自治体たくさんあります。改めて大学等への期日前投票所の設置、実施を強く求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
大学等への期日前投票所の設置については、特に設置した大学等の学生への啓発効果は大きいものと考えております。若年層への選挙啓発については、それ以外にも主権者教育や選挙出前授業などを行っており、こうした取組を継続して行うことにより、選挙への関心を高め、投票行動につながるよう努めていきたいと考えております。
今後は、大学等への期日前投票所設置に限らず、選挙啓発や投票率の向上に向けた取組を検討してまいります。
◯すげの直子議員
引き続き議論をしたいと思いますけれども、主権者教育についてです。選管が実施している出前授業、模擬投票が多く、それ自体も大切ですけれども、小中高校それぞれの発達段階に応じた主権者教育の実施が欠かせません。学習指導要領では、主権者教育で育成を目指す資質や能力についてどのように示されているでしょうか。
◯教育長(福田洋之)
学習指導要領では、小中高校それぞれの段階に応じて、主権者として、社会の中で自立し、他者と連携、協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を主体的に担う力を育成するものとしております。
具体的には、政治、経済、法などの諸課題に関する現状や制度についての理解、情報を効果的に調べまとめる技能、事実を基に多面的、多角的に考察し公正に判断する力、根拠をもって主張し合意形成する力、自立した主体として国家、社会の形成に主体的に参画しようとする力となっております。
◯すげの直子議員
昨年度、文部科学省が都道府県、政令指定都市を対象に主権者教育の実施状況調査を行って、報告書を取りまとめています。18歳選挙権ばかりが強調されている、投票行動を促すことはもちろん、主権者教育の本来の意義である社会を生き抜く力や地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うことができる力をどのように身につけさせていくか、教科横断的に根づかせる必要があるという課題認識などが示されておりました。
自治体によっては選挙管理委員会も協働して、子供たちと学校のルールや校則など身近な課題を扱って、全ての生徒が自らの意見を持ち、他者の意見を尊重し、合意形成を図ろうとする経験を積み重ねている実践も紹介されています。本市でも主権者教育の一層の充実を図ることをぜひ選管にも、そして教育局にも求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯教育長(福田洋之)
小中学校では、社会科や特別活動等におきまして、生活上の課題を話し合ったり、協働して解決することの大切さや合意形成のための方法などの学習を通して、主権者として求められる資質、能力の育成に努めております。
高等学校では、小中学校の学びを土台に、選挙管理委員会とも連携し、有権者となる意識を醸成する取組を進め、公民科をはじめ、教科等横断的な視点で政治的教養の育成を図っております。
今後も、地域や関係機関と連携をし、児童生徒が主体的に社会に関わる機会を提供するなど、主権者としての自覚が高まるような指導の工夫に努めてまいりたいと存じます。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
これからの時代を担う子供たちが、選挙権を有することとなる18歳より前に、選挙の意義を考え、主権者となる意識を持つことは、大変重要なことであると認識しております。
今後も、高校での選挙出前授業などに力を入れていくとともに、教育局とも連携して、主権者教育を推進してまいります。
◯すげの直子議員
投票率向上のための取組は本当に多岐にわたります。選挙管理委員会事務局の果たす役割は大きいものがあります。私たちは、これまで各区の選管も専任化することを求めてまいりました。公職選挙法の理解をより深めて事務に当たるためにも、そして選挙がある時期だけにとどまらず、投票環境の充実に日常的に取り組めるようにするためにも、各区に専任の人や部署を配置することを改めて求めたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
◯選挙管理委員会事務局長(千葉茂雄)
現行の区選管は、総務課、まちづくり推進課、区民生活課などの職員への併任発令により組織され、それぞれの選挙事務を担当しております。
区選管を組織として専任化することにつきましては、選挙の有無で業務量の変動が大きいことなど、課題があるものと考えております。
区選管の組織としては、現状を基本としながら、業務量に見合った体制の確保とともに、選挙事務にたけた職員の育成に努め、今後とも適正な選挙執行ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
◯すげの直子議員
いかがでしょうか、総務局長にもぜひお伺いしたいと思います。
◯総務局長(佐野直樹)
選挙事務につきましては、ただいま選管の事務局長も御答弁申し上げましたとおり、執行する選挙の種別あるいは回数によりまして業務量が大きく変動することから、現在、各区の統計選挙係を中心とした既存の区役所組織の併任による体制を取りつつ、選挙の回数等に応じて増員も併せて行いまして、対応してきているところでございます。
今後につきましても、現行の組織体制を基本としつつも、投票率の向上などの各般の取組、そういった内容も十分勘案しながら、必要な体制についてはこれは重要というふうに認識してございますので、人材の育成も含めまして、その確保に努めてまいりたいと存じます。
◯すげの直子議員
いろいろ求めてまいりましたけれども、選挙の時期だけじゃなくいろんなことをやらないと駄目なんじゃないかということで、るる議論をさせていただいてまいりました。
市民の参政権を保障するというのは、指定された日に指定された場所でという考え方から、日常的な生活の流れの中でという視点で進めることが大切です。市民がより身近に投票できる環境を具体に、そして本市では抜本的に改善していかなければならないということを、改めて今回質問準備をする中で感じました。ぜひ抜本的改善をすることを強く求めて終わります。