日本共産党 仙台市議団ウェブサイト

日本共産党仙台市議団と各議員の政策・活動を紹介しています。

一般質問 高見のり子議員 (2月17日)

 【概要】石炭火力発電所の建設がもたらすもの

   CO2排出・環境汚染は世界に逆行

 

 

〇高見のり子議員

日本共産党仙台市議団の高見のり子です。市民の健康と環境を守る自治体の責務について一般質問致します。

仙台市宮城野区港地区に建設中の石炭火力発電所仙台パワーステーションは関西電力と伊藤忠商事の各子会社が共同出資したもので、2015年11月に着工し、本年10月には運転開始が予定されています。仙台パワーステーションは出力11.2万kwからわずかに下回る設備容量であるため、アセスを行っていません。また、地域住民への説明も無いまま工事が進められてきました。石炭火力発電は、効率化・低排出のものでもCO2排出量が約2倍あり、地球温暖化対策にも逆行する「時代遅れ」のエネルギーであることは誰の目にも明らかです。この施設の4km圏内には、小中高大学などの学校が15校、病院や保育所、うみの杜水族館、夢メッセなどの集客施設も集中しています。硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじん、PM2.5や水銀などの大気汚染物質が排出されるため、住民の健康被害も心配されます。特にPM2.5は、微細であることから肺胞や血管にも侵入し、ぜんそくなどの呼吸器系疾患、急性心筋梗塞などのリスクが高まると言われています。日本では現在、合計48基、2282万kwに及ぶ石炭火力発電所の新増設計画があります。48基の計画のうち9基は被災地である福島県に6基、宮城県2基、岩手県1基の立地です。津波被災地が狙われるのは地価が安く、首都圏に近く、福島原発に対応した大規模な送電網があるからです。作った電気は首都圏に売電すると報道されています。復興支援などとうたっていますが、地元には何の恩恵も無いうえ、環境汚染や住民の健康被害のリスクをもたらす、石炭火力発電所を作るなんてひどい話ではありませんか。そうは思いませんか。市長の認識を伺います。

2015年、パリで行われた気候変動枠組条約締約国会義で採択され2016年11月に発効した「パリ協定」では、参加した世界の約200ヶ国が温室効果ガスの削減に向けて合意した、画期的な協定だと言われています。パリ協定が採択された後、英国は2026年に、フランスは2023年に、カナダは2030年に石炭火力発電所から撤退することを表明しました。世界の中では太陽光、風力、水力、バイオマスなどCO2をほとんど出さない自然エネルギー100%を目指す都市や企業も増えています。再生可能エネルギーへの転換は、地域経済の活性化に役立ちます。ドイツでは、38万人が雇用されており、優れた雇用効果があります。日本はいまだに石炭火力発電所新規建設計画があって、世界から「舵を切れない国」だと厳しい目を向けられています。気候変動政策ランキングは世界61ヶ国中60位であり、ワースト2です。2016年4月からの電力小売り全面自由化が、発電単価の安い石炭火力発電所新設に拍車をかけています。政府は小規模火力の急増を受けて2015年に、環境保全をテーマに検討会を設置しましたが結論を先送りしています。そこでは、事業者側から「環境アセスの対象になるとビジネスとしては時間がかかりすぎる」などと公害時代に逆戻りするような発言が続いています。国は環境アセスメントの基準を見直し、小規模であっても環境影響の大きい石炭火力発電所まで対象を拡大し、その運用を厳格化すべきです。地球温暖化対策は喫緊の課題です。エネルギー政策の根本的な転換を国に求めるべきですがいかがでしょうか。伺います。

NPO法人気候ネットワークは、メディア報道や事業者発表に基づいて把握した新設設計計画のうち、国や自治体の環境アセスメントの対象に一切なっていない7件の小規模案件について、情報開示請求や問い合わせを行いました。その結果、これらの7事業の中には汚染排出データ等、重要な情報を開示しないまま着工した案件が複数あること、効率の悪い旧式の技術を採用し、汚染物質の排出が相対的に高いことが明らかになりました。このうちのひとつが仙台パワーステーションです。「亜臨界」という1950年代の効率の悪い旧式の技術が使われ、年間約67万tというたくさんのCO2を排出すると指摘されています。市は地球温暖化対策として2020年までにCO2を2010年比で6.5万t減らすことを目標にしていますが震災後、CO2は増加したために、2014年度排出量からみると79万tの削減が必要になっています。この目標達成も大変なのに、仙台パワーステーションから67万tも排出されたらこの目標が吹き飛んでしまうことになります。CO2削減のための節電やゴミ減量にコツコツと取り組んでいる市民がむなしく感じると思いませんか。伺います。

建設地のすぐそばには東日本大震災から奇跡的に復活した蒲生干潟があります。絶滅危惧種の貝であるフトヘナタリ、アカテガニなどたくさんの希少生物が戻ってきています。シギ・チドリ類や国指定天然記念物のコクガンも震災前と同じように飛来しています。蒲生干潟は国指定仙台海浜鳥獣保護区蒲生特別保護地域、仙台湾海浜県自然環境保全地域に指定されているほか、日本の重要湿地にも選定されています。大都市の近郊にありながら、多くの生き物を育む自然豊かな海辺の景観を残しており、それを生かした復旧が望まれます。また、市民の憩いの場や環境教育の場としての利活用が期待されています。蒲生干潟で活動している団体「日本自然大賞」を受賞したことも記憶に新しいと思います。本来、環境アセスメントが実施されていれば、評価されるはずの干潟の生態系への影響は何も考慮されていません。事業者側は一方的に「影響はない」としていますが、その根拠となるデータは明らかにされていません。市は事業者に根拠となるデータを提出させるべきです。また、市は自ら自然環境を守る立場で現状を把握し、自然環境のモニタリングをすべきです。伺います。

昨年3月2日、宮城県、仙台市、塩釜市、名取市、多賀城市、七ヶ浜町及び利府町と仙田氏パワーステーション株式会社が公害防止協定を締結しました。この協定の第1条には「事業所の操業に伴う公害の発生を防止し、環境負荷の低減を図る」と明確に事業所責務が記されています。また第20条には「環境情報の公表や事業所の公開等、地域住民に対する環境コミュニケーションを積極的に推進する」とも書かれています。火力初転所建設を知った地域住民からは、事業者に対して説明会を開いてほしいという声が上がりました。ところが、回答は「必要がない」というもので直接対話に応じていません。このことについて、昨年12月に山本公一環境大臣は「事業者の方に猛省を促したい。憤慨している」と述べ、事業者側の対応を批判しました。市長は記者会見で山本大臣の発言に対しての見解を問われて「大臣の発言により国としてどういう形で事業者との交渉に立ちうるのか国に聞きたい」「国としてできるのかを確認してみたい」と答えています。国に対して確認したのでしょうか。どのような答えがあったのかを合わせて市長に伺います。

市民団体の呼びかけで県議会と市議会で、勉強会が超党派で開催されました。県議会では公聴会を開いてほしいという請願が、環境生活農林水産常任委員会で本年1月20日に趣旨採択されました。本日開催される、県議会本会議において採択される予定です。こういった動きの中で仙台パワーステーションはやっと住民説明会を3月初めに開催すると言及しました。市民は「法的に手段がない」からと何もできないような発言ばかりしてきました。しかし、自治体や議会は住民の立場で毅然とした態度をとることが何よりも重要です。「説明をしてほしい」「情報を開示してほしい」という市民の声を大切にして、立地自治体である市は、説明会の確実な開催とあわせて、そこに出される要望に誠実に対応するよう事業者に強く迫るべきです。いかがですか。伺います。

今回の公害防止協定の前提となっているのは45年前、1971年制定の宮城県公害防止条例です。PM2.5もCO2も協定の規定の対象から外れています。協定には「予防原則」も「環境権」の発想もありません。仙台市は環境影響評価条例でアセスの対象を定めていますが、火力発電事業はこれまで対象になっていませんでした。仙台パワーステーションの案件が浮上した後に規則を変えて、3万kw以上の火力発電所も対象としました。石炭火力発電所は、アセスの対象とすべき事業だということを市が自ら認めているということです。仙台市のパワーステーションの開発許可は2015年10月で、規則を変えて義務化したのは2か月後の12月です。市は着工が規則を変える以前だったのでアセスの対象にはならないと言いますが、もっと早くに規則を変えることもできたはずです。市民の健康と環境を守る市の姿勢が問われます。今後、鍵となるのは自治体独自の公害防止条例であり、稼働後の監視体制をどう強めるかということです。市の公害防止条例は、県の条例で規制されている事業所を対象から除外しているため適用されていません。市の公害防止条例を改正して適用できるようにするとともに、県の公害防止条例では規制されていないPM2.5や水銀・CO2について厳しい基準を設けることが必要です。硫黄酸化物、窒素酸化物、ばいじんの基準も厳しく見直すことが必要です。世界の温暖化防止への大きな流れの中で、企業が積極的に温暖化対策に取り組むことを求めるのは、市民のいのちと健康を守る自治体の責務です。市は公害防止条例を時代に相応しい基準にし、それらを守らない事業者は出て行ってもらうという厳しい態度で取り組むべきです。このことを伺って第一問と致します。

 

◯市長(奥山恵美子)

ただいまの高見のり子議員の御質問にお答えを申し上げます。
仙台港に建設中の石炭火力発電所についてのお尋ねでございます。
本件につきましては、国や本市の環境アセスメント制度の対象とはならないものの、蒲生干潟を含め周辺の環境への配慮が重要と考え、宮城県や周辺自治体とともに事業者と公害防止協定を締結し、国の排出ガス規制値に比べて全て2分の1以下とするなど、環境負荷の低減に努めてまいりました。
当該協定には、住民との環境コミュニケーションに関する努力義務が定められたところでありますが、市民の方々から寄せられる御意見や御質問に対し、必ずしも十分な対応がなされたとは言えないと感じているところでございます。
このような認識に基づき、事業者への指導を重ねた結果、来月上旬に住民説明会が開催されることとなったものでございますが、今後とも、十分な環境コミュニケーションが果たされ、市民の皆様の不安解消へとつながることを期待するとともに、必要に応じ適切な対応に努めてまいる所存でございます。
そのほかの御質問につきましては、環境局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。

 

◯環境局長(小林仁)

残余のお尋ねにお答えいたします。

初めに、国のエネルギー政策に関するお尋ねについてでございます。
我が国のエネルギーにかかわる政策につきましては、安全性や安定供給、経済効率性、環境適合などといったさまざまな課題に対し、総合的な観点からの対応が重要であり、基本的には国においてこれを適正に推進すべきものと認識しております。
しかしながら、大震災におけるエネルギーの途絶という危機を経験した本市は、都市におけるエネルギーの自律という課題の重要性を認識いたしました。
この間、指定避難所への防災対応型太陽光発電システムの導入や、省エネなどを推進するせんだいE─Actionの展開など、エネルギー自律都市としての取り組みを進めてまいったところであり、今後とも防災環境都市づくりを鋭意推進してまいります。

次に、温室効果ガスの削減目標についてでございます。
電気に係る温室効果ガスの排出量は、当該地域における電気の使用量により把握することとされております。
お尋ねのあった発電所の電気は首都圏で使用されることから、本市の排出量に算入されないところでございます。
しかしながら、市域の排出量に計上されるか否かにかかわらず、環境負荷の低減は重要であり、事業所としての排出削減につきましては、これが適正に図られるよう今後要請してまいりたいと存じます。

次に、施設稼働後のモニタリングについてでございます。
このことにつきましては、宮城県や周辺自治体とともに締結した公害防止協定に基づき、事業者が環境負荷項目等の測定を行い、その結果を記録、保存し、定期的に本市に報告した上で、一般に公表するよう努めることとされております。
具体の項目については今後協議することとなっており、蒲生干潟の影響にも留意しながら適切に対応してまいります。

次に、国への確認についてでございます。
環境省に確認したところ、指導権限がないことから個別の対応は限られるが、今後、経済産業省など関係省庁と情報共有の上、可能な対応があれば検討していきたいとのことでございました。
本市といたしましても、国の動向を注視し、適切に連携を図りながら、環境の保全に向けできる限りの対応を行ってまいりたいと考えております。

次に、事業者への働きかけについてでございます。
先ほど市長からお答えいたしましたように、公害防止協定に基づき、地域住民に対する環境コミュニケーションの積極的な推進を指導したところでございます。
今後、説明会が開催される予定ですが、その後につきましても市民の皆様の不安の解消に向けて適切な対応に努めてまいります。

最後に、公害防止条例についてでございます。
お尋ねのPM2・5については、直径2.5マイクロメートル以下の粒子の総称であり、その発生の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物、ばいじんは、大気汚染防止法により排出が規制されております。
また、水銀については、同法により平成30年4月1日より規制が予定されております。
二酸化炭素については、排出規制という概念になじまず、総量削減に向け取り組んでいるところでございます。
今後につきましては、国の関係法令や本市の公害防止条例に加え、環境アセスメント制度を的確に運用することにより、事業者に対して可能な限りの環境負荷低減を促し、市民の皆様の健康で安全かつ快適な生活を確保してまいる所存でございます。
以上でございます。

 

◯高見のり子議員

御答弁ありがとうございました。
一点だけちょっとお尋ねしたいんですけれども、可能な限り対応する、その具体的な中身についてもう少し詳しく教えてください。

 

◯環境局長(小林仁)

これは、説明会の場でどういった話がなされ、住民の方々からどういった話が出るのかということにもよってまいろうと思いますし、私どもにおいて、管理監督、指導という名に値する権限があるというものではございません。
ですが、この件については粘り強く事業者とこの間私どもは交渉し、打ち合わせを重ねてまいったところでございまして、その状況に応じ、全体の状況あるいは蒲生干潟ヘの影響も鑑みながら、繰り返し、諦めることなく事業者との打ち合わせあるいは要請ということを継続してまいりたいと考えております。

 

◯高見のり子議員

県の公害防止条例も市の公害防止条例も、既に時代おくれだということはもう明らかなわけですね。ですから、私たちは新たな条例をつくるということを提案をしておりました。そして、それができ得る限りのその中に入るのかどうかということをもう一度お伺いします。

 

◯環境局長(小林仁)

私どもの環境基本計画におきましても、将来的な環境を保全するための条例を含めた枠組みづくりというものが明確に位置づけられております。具体的にはそれは検討していくというレベルにとどまるものでございますけれども、例えば、新年度におきまして、事業所の活動の排出量削減に向けた計画書制度、このモデル事業というのに取り組みたいと考えております。そのモデル事業の実施結果と私どもの検討結果次第というところはございますけれども、その中では、その結果を踏まえての計画書制度の条例化ということも私どもの視野には入ってございまして、そのような点も含めながら今後厳正に対処してまいりたいと、このように思います。

 

 

 
1297
Return Top