【概要】特別支援学校・学級、
重度障害児の放課後デイサービスの拡充
〇庄司あかり議員
日本共産党仙台市議団の庄司あかりです。障害のある子どもたちの教育、生活環境の充実を求めて一般質問いたします。
障害者差別解消法に基づき「仙台市 障害を理由とする差別をなくし障害のある人もない人も共に暮らしやすいまちをつくる条例」昨年4月施行されました。本条例は、障害を理由とした不当な差別的な取り扱いをなくし、合理的配慮を推進することで、誰もが暮らしやすいまち仙台を目指すとしており、特に合理的配慮の提供については、市は法的義務、事業者は努力義務が課されています。条例の趣旨に鑑み、市の施策を抜本的に充実させるべきです。条例制定後、市はどのような取り組みを行ってきたのでしょうか、伺います。
宮城県が仙台南部に特別支援学校を新設する決断をしたことは、障害児とその保護者をはじめとする市民の長年の運動の成果であることは言うまでもありません。歓迎の声とともに、一刻も早く開設してほしいとの願いが寄せられています。市南部への建設ということですから、県に対して仙台市が立地を含めた積極的な提案を行うべきです。例えば、若林区荒井や、太白区あすと長町など、交通アクセスにも配慮した場所がふさわしいと考えますが、市はどのような働きかけを県に対して行っているのでしょうか、伺います。
先日、茂庭台小学校で特別支援学級の授業の様子を見学し、お話をうかがってきました。茂庭台小学校は、自閉・情緒障害学級と知的障害学級が2クラスの計3クラス14名の特別支援学級です。自閉・情緒障害の国語の授業では、5人の子どもに担任の先生と指導支援員が1人ついていました。担任の先生は、子どもたち一人ひとりの習熟度に合わせた教材プリントを用意しています。一人が「先生終わったよ」と呼び、先生が丸付けを始めると、別の児童が「先生、ここが分からない」と声をかけます。「ちょっと待って、こちらが終わったらね」と言うやいなや、また別の児童が「先生、熱をはかったよ」と体温計を手渡します。「先生、次はどのプリントをやればいいの」とまた別の児童。担任と支援員が5人の机を目まぐるしくまわりながら、1人ずつ教えたり、丸付けをしたり、体調管理をしたりと、なんとも忙しそうな様子を目の当たりにしました。校長先生が「今日は事前に見学者が来るよと話していたから、みんな緊張気味でした。いつもはもっと元気いっぱいでにぎやかです。」と教えて下さいました。普段なら、教室を飛び出して行った子を連れ戻すこともよくあるそうです。先生を信頼して楽しそうに授業を受けている子どもたちの表情が印象的でした。同時に、子どもたち一人ひとりの成長と発達を保障するために向き合う先生方のご努力によって学びが支えられているということも痛感しました。現在、特別支援学級の定数は8人ですが、権限移譲を機にせめて6人以下に改善すべきです。いかがでしょうか。
定数改善と合わせ、指導支援員の充実も欠かせません。茂庭台小学校は現在、知的障害学級が9人のため2クラスになっていますが、今年卒業生がいて、新年度には5人の1クラスになることが分かっています。心配なのは、引き続き支援員が配置されるかどうかです。支援員の配置の目安は、子ども6人以上に対して1人、子ども5人以下の場合は状況に応じて配置されることになっています。市内で支援員配置の要望がある学級数は115ありますが、要望したのに支援員が配置されていない学級が33あります。学校からの要望にこたえられるよう、支援員の配置を充実させるべきです。いかがでしょうか。うかがいます。
通常の学級において、発達障害がある児童生徒の学習や学校生活を支援する指導補助員は、小学校に159人、中学校で14人配置されています。この指導補助員は、おおむね3年間配置され、自立を促すということになっています。しかし、発達のしかたは子どもそれぞれで違い、おおむね3年間で自立できるという考え方に根拠はありません。当然、子どもの状況を見て対応し、ケースによっては3年に限らず配置が継続されることになってはいます。しかし、一昨年度から今年度までで、3年を超え継続の申請があった83人のうち18人については市教委が指導補助員の配置終了の判断をして、打ち切ってしまいました。おおむね3年と期間を区切るのではなく、子どもの状況を日々把握している学校の要望に応えて柔軟な対応をすべきです。いかがでしょうか。お答えください。
障害のある子どもたちの放課後の生活を保障するのが放課後等デイサービスです。市内においても放課後等デイサービスの事業所は着実に数が増え、94ヶ所となっています。音楽や運動療育など事業所によって特色もあり、子どもたち同士の交流などを通じて成長と発達を支える重要な場所になっています。一方、重症心身障害児や、医療的ケア児を受け入れる放課後等デイサービスは数が少ないという現状があります。今月13日には、未就学の障害時のママたち8名が「放課後等デイサービスの充実を求める要望書」を奥山市長あてに提出し、市の担当局との意見交換を行いました。この要望書には短期間で2200名を超える賛同が寄せられました。4月から名取支援学校に入学予定の重度の知的障害・四肢麻痺で重症心身障害、胃ろうと鼻・口の吸引が必要な子どものお母さんは、「医療ケアが必要なため、親か看護師がついていないと子どもは生きていけない。医療ケアが出来る放課後デイから断られ、学校から帰ってきたら母と子の2人で過ごすしかない。保育園でお友達と一緒に過ごしてせっかくの子どもの世界が広がっていると成長を嬉しく感じてきたのに、それを閉ざしたくない。」と話されました。また、4月から地域の小学校の特別支援学級に入学する経管栄養、カニューレからの吸引という医療ケアが必要な子どものお母さんは「看護師を配置して頂くことで地元の小学校に入ることが出来るようになり感謝している。重症心身障害なので1人のクラスになるため、学校以外でもお友達をつくる機会として放課後デイに通わせてあげたい。区役所に相談しても、事業所に聞いてくれと言われてしまう。そもそも事業所が少ないので、増やしてほしい。」と訴えました。肢体不自由、意識障害、てんかんがあり、経管栄養などの医療ケアが必要な子どものお母さんは「障害がある子につい時間がとられて、兄弟になかなか時間を費やしてあげられないことを悩んでいる。重症心身障害の放課後デイを断れてしまい、悩んでいても事態は変わらないので、自分たちで声をあげようと、要望書を提出しました。」など、それぞれ切実な胸のうちを話してくれました。主に重症心身障害、医療ケア児対象の放課後等デイサービスは仙台市内で北部に3ヶ所、南部には1ヶ所、定員は全市で20名程度です。まして、小学生から高校生まで通えるのが放課後等デイサービスですから、一度定員いっぱいになってしまってから空きが出るまでがかなり長いスパンがかかります。実際に、4月に就学予定の子どもたちが放課後等デイサービスに入れない状況を、市はどのように認識しているのでしょうか。うかがいます。
太白区門前町で、主に重症心身障害を対象として昨年4月に事業所を立ち上げた放課後等デイサービスpoppyでお話をうかがってきました。理事長は、以前は別の事業所にお勤めだった看護師さんです。立ち上げにあたっては、市の障害者支援課がとても協力的で、質の高い放課後デイを増やそうと尽力してくれたと話していました。しかしながら、重症心身障害対象の放課後デイが増えていかない理由として、看護師をはじめとする専門スタッフが集まらないこと、特に看護師資格があっても障害児ケアの経験がないと携わることが難しいという課題があるとのことでした。また、病院などに勤務するのに比べて、放課後デイの看護師は給料が低いという経済的な問題もあります。新年度には、看護師配置に市が加算をする予算が組まれています。切れ目のない支援をしていくためにも、放課後デイサービスでの看護師配置に市が上乗せ助成を行うべきです。いかがでしょうか、うかがいます。
市内の放課後等デイサービスの内訳をみると泉区25ヶ所、青葉区24ヶ所、宮城野区20ヶ所、太白区17ヶ所、若林区8ヶ所と地域的な偏りがあり、とりわけ若林区は数が少なくなっています。事業者が放課後等デイサービスを始めようにも、送迎しやすい場所や広さなどを考えると、土地や家賃が高く、いいところが見つからないとの事情もお聞きしています。市有地を貸出し借地料を免除することや、資料への補助など、市が出来る支援を検討すべきですが、いかがでしょうか。
自分の力では呼吸がしにくい場合に期間切開し、喉に穴を開けそこからカニューレというチューブを入れ、気道を確保する状態を気管カニューレといいます。こうした状態の子どもたちの命をおびやかす通知が宮城県から出されたことが、主治医や看護師、教員、保護者をはじめ大きな問題となっています。昨年3月、県教委から県立特別支援学校長あてに「医療的ケア運営会議における確認事項について」との通知が送られました。気管カニューレが事故で外れてしまった場合に、看護師がその場にいても再挿入をすることは認められないというものです。この通知に従えば、特別支援学校において気管カニューレが抜去した際には、医療機関へ緊急搬送を行う、救急車が来るまでは再挿入は行わず緊急時マニュアルに沿って対応するとしています。実態としては、教員も看護師も目の前で苦しむ子供をただ見守ることしかできないということになってしまいます。昨年5月には石巻支援学校高校3年生の気管カニューレ等の事故抜去時の対応はどうなっているのかうかがいます。また、県教育委員会に対して通知を改めるよう求めるべきですがいかがでしょうか、合わせてうかがって私の第一問とします。
◯市長(奥山恵美子)
ただいまの庄司あかり議員の御質問にお答えを申し上げます。
障害者差別解消のための条例施行後の取り組みに関するお尋ねでございます。
昨年4月の条例施行以降、差別に関する相談窓口の開設や、相談では解決できない案件の調整を行う障害者差別相談調整委員会の設置などを行い、相談者と相手の方がお互いの状況を理解し合い、よりよい関係をつくりながら課題を解決する仕組みづくりに取り組んでまいりました。あわせて、事業者団体への訪問や町内会等へのリーフレット配布、シンポジウム、ワークショップの開催など、条例の趣旨の浸透にも努めております。
また、庁内においては、職員対応要領を策定し、職員の障害に対する理解や対応力の向上を図るとともに、主催事業や会議への手話通訳者等の配置、市政だより音声版のインターネットを通じた配信など、聴覚や視覚に障害がある方への情報保障の拡充を図り、合意的配慮を推進してまいったところでございます。
差別解消に向けました取り組みは着実に継続的に進めていくことが肝要であり、今後とも、障害当事者や御家族の皆様の御意見等をお伺いしながら、障害を理由とする差別をなくし、誰もが暮らしやすいまちづくりを進めてまいる所存でございます。
そのほかの御質問につきましては、関係の局長から御答弁を申し上げます。
以上でございます。
◯健康福祉局長(佐々木洋)
私からは、放課後等デイサービスに関する御質問にお答えいたします。
初めに、現状認識についてでございます。
放課後等デイサービスは、障害のある学齢期の児童の健全育成を図るため、生活能力の向上に必要な訓練や社会との交流を促進するための支援などを提供しており、利用者数、事業者数ともに年々増加しております。
一方で、重症心身障害児や医療的なケアを必要とする児童を受け入れる事業所が少ない現状にあり、通所できない児童がいる状況を改善し、家族の負担を軽減していくためにも、こうした児童が通える事業所をふやしていく必要があるものと認識してございます。
次に、看護師配置に対する取り組みについてでございます。
重症心身障害児を対象とした事業所への看護師配置の対策として、事業者や関係団体に対して、訪問看護ステーション等から看護師の派遣を受ける医療連携加算の活用を推奨してまいりましたが、なお看護師の確保が難しい状況にあります。
事業所増設に向け、給付単価や職員配置基準の見直しを国に要望するとともに、医療的ケアを行える介護職員の養成や看護師の確保について、関係団体とも連携しながら取り組みを進めてまいります。
最後に、放課後等デイサービス事業所開設のための市独自の支援についてでございます。
区によって事業者数に違いがあることから、これまでも機会を捉えて事業者や関係団体に対して、地域バランスを考慮した設置を働きかけてきたところでございます。事業所増設に向けた誘導策につきましては、今後、関係団体と協議する中で検討してまいります。
以上でございます。
◯教育長(大越裕光)
私からは、特別支援教育に関する数点の御質問にお答えいたします。
初めに、県立特別支援学校の立地に関する県への働きかけについてでございます。
特別支援学校の狭隘化は、本市の特別支援教育においても大きな課題であり、その解消に関して、これまで県教育委員会との間で、さまざまな機会を捉え、情報共有や意見交換を行ってきているところでございます。
昨年、知事が表明された特別支援学校の新設につきましては、県において、通学区域、通学手段等も踏まえて、設置場所を含む建設計画をまとめた上で進められるものと存じます。今後とも必要に応じて県と意見を交わすなど、特別な支援を必要とする子供たちにとって学びやすい環境の整備が行われるよう努めてまいりたいと考えております。
次に、権限移譲を機に学級編制の変更をとの御提案でございます。
特別支援学級においては8名が基準となっておりますが、本市におきましては、在籍児童生徒数が原則として6人を超える学級については、状況に応じて特別支援学級指導支援員を配置しており、複数で対応しているところでございます。
特別支援学級における編制基準の見直しに係る教員の配置については、基本は国の責任において行うべきと考えますことから、引き続き、国に対して要望してまいりたいと存じます。
特別支援学級指導支援員の配置についてでございます。
指導支援員は、在籍する児童生徒の数や学年の構成、障害の状態など、一定の目安に応じて配置しております。教育委員会では、学校からの要望に基づき、学校訪問を行い、状況をしっかりと把握した上で配置の必要性の判断をしているところでございます。また、年度途中の転入により在籍児童生徒数がふえた場合などにも、同様に判断の上、適宜配置を行っております。
今後とも、在籍児童生徒数や障害の状態等に基づき、指導支援員の適切な配置に努めてまいりたいと存じます。
次に、指導補助員の配置期間の目安をおおむね3年としていることについてでございます。
この事業は、児童生徒の自立を目指して必要な支援を行うために、一定の期間、指導補助員を配置するという趣旨でありますことから、3年間を目安に対象児童生徒の状態の改善に取り組んでいるものです。
しかしながら、配置期間が3年を超えた場合でも、学校からの申請に基づき、学校の指導体制や児童生徒の状況等を確認の上、総合的に検討し、継続が必要と考えられるものにつきましては、期間を延長して対応しているところでございます。
次に、本市立学校における医療的ケアが必要な児童生徒の気管カニューレ抜去等への対応についてでございます。
このような事象への対応は、学校において看護師が日常的に行う医療的ケアとは異なる緊急的な対応であり、一人一人個別の状態に応じた迅速な対応が求められることから、事前に医師や保護者と相談をして、当該児童生徒のための個別マニュアルを作成し、保護者や医療機関等と協力し、適切に対応できるように備えているところでございます。
最後に、県教育委員会の県立特別支援学校に対する通知についてでございます。
これは、県において、専門家で構成する医療的ケア運営会議での検討結果を踏まえ、所管する学校に対して通知したものと聞いております。
本市といたしましては、改めてこの通知の趣旨等について確認を行いながら、医療的ケアを要する児童生徒が安心して学校生活を送れるように、県に対して対応をお願いしてまいりたいと存じます。
以上でございます。
──再質問──
◯庄司あかり議員
市長がお答えになった障害者差別解消条例、つくって取り組んできたこと、そうした仙台市として、条例をさらに生きたものにしていく、そのための努力が求められているということなんだと思うんです。そういう点で見ますと、不十分な答弁が続いたというふうに思います。
3点について再質問いたします。
まず、仙台市南部に新設される特別支援学校についてですけれども、仙台市が積極的な働きかけをしているとは、今の御答弁ではとても思えないんです。県がまとめた上で示されてから意見を言ったって、遅いわけですね。県だけに任せていたら、結局は子供たちが長時間バスで揺られていかないと通うことができないという事態にもなりかねないと思うんです。市内につくるということですから、例えば高等部の子供が公共交通で通うことができる地域など、子供の成長と発達にふさわしい場所だって、市として提案できるはずです。場所も含めて市が提案して、一緒に考えていくべきだと思いますけれども、再度伺います。
特別支援学級の定数についてですけれども、代表質疑で少人数学級の実現を迫っても応えようとしないと。障害のある子供たちの特別支援学級定数の改善にも応えないと。権限が仙台市に移譲されても、市として前向きな努力をしようというのが全く感じられません。
これまでも紹介してきましたけれども、山形県は、独自の少人数学級に取り組むさんさんプランで、一人一人が大切にされる教育を実践しています。特別支援学級の定数も6人にしています。
また、市内でも、鶴谷特別支援学校は、これは国の基準ですけれども、定数は6人、重複障害の場合は3人ということになっているわけですから、特別支援学級でも子供一人一人にしっかりと向き合うことができるよう、定数改善を行うべきです。改めてお聞きいたします。
最後に、放課後デイについてですけれども、事業所の努力で放課後デイの数はふえてきました。しかし、御認識示されたように、重症心身障害児、医療的ケア児対象の放課後デイは現在4ヵ所しかなく、ふやしていかなくてはならないという状況です。特有の課題があるということは、第一問で述べたとおりです。事業所の努力任せでは限界があるということを、現状は示していると思うんです。訪問看護師で対応しているというふうにおっしゃいますけれども、質の高い放課後デイをふやしていくためにも、仙台市が常駐する看護師配置への助成などを行うことで、熱意を持っている事業者の背中を押すことになるのではないかと思うんです。これについても再度お伺いいたします。
◯健康福祉局長(佐々木洋)
放課後等デイサービスに関する再度の御質問にお答えいたします。
看護師の配置についての取り組み、御質問がございましたが、看護師不足の要因は、障害児ケアに対する理解や経験の不足という側面、あるいは医療的ケアを行える介護職の不足ということが背景にあると存じております。
今後は、関係団体とも連携した啓発、あるいは介護職員向けの医療的ケアに関する研修の充実、こういったことを図りながら、重度心身障害児あるいは医療ケアの必要な方を受け入れる体制の整備に努めてまいりたいと存じます。
以上でございます。
◯教育長(大越裕光)
特別支援教育に関する再度の御質問にお答えいたします。
まず、1点目が、南部における県立の特別支援学校の設置についてでございますが、この点につきましては、先ほどもお話ししましたように、知事が表明されて、県の教育委員会においても、今、非常にいろいろな総合的に判断して立地についてお考えなさっているところでございます。私どもも、いろいろその点において情報交換をさせていただいておりますが、特別支援学校というのは、小中高とそれぞれの部門が設置されることから、普通の小中学校に比べると大きな、かなり広大な敷地も必要とするということでございますので、そういう点も十分踏まえて、先ほどもお話しさせていただきました通学区域、通学手段、その点を踏まえて、県がこれから十分検討なさった上で立地を決定されるというふうに理解しているところでございます。
2つ目の特別支援学級における定数改善のお話でございます。再度の御質問でございます。この点につきましては、私ども、6人を超える学級については、市独自に特別支援学級指導支援員という形で支援員を配置しており、可能な限り学校における教員の負担を軽減するべく、配置しているところでございます。また、子供の状況に応じても対応が弾力的に行えるよう配置しているところでございますので、まずは編制基準の見直しに係る教員の配置につきましては、国へ今後も粘り強く要望をしてまいりたいと存じます。
──再々質問──
◯庄司あかり議員
再度お伺いしたいと思います。
特別支援学級の定数については、6人以上なら支援員を配置しているというふうにおっしゃいますけれども、第一問では、その支援員の配置すら、学校の要望に応え切れていないという問題を指摘しているわけです。やはり必要なのは学級定数の見直しだというふうに思います。このことは申し上げておきたいと思います。
再度伺いますのは、特別支援学校、南部に県がつくることですけれども、特別支援学校が地域につくられるということで、その周辺に放課後デイがふえたり、就労施設ができたり、そうした地域的な発展も期待されているわけです。だからこそ、どこにできるかというのは、決定的な問題だと思います。
仙台市がこれまで再三にわたって県に求めて、特別支援学校の市南部への新設を決断させたんだと自負されているのであれば、積極的に意見を言えるはずだと思いますけれども、おっしゃれないのは何か市がつくらないことに対する負い目でも感じていらっしゃるんでしょうか。仙台市の子供たちが通うことになる特別支援学校なわけですから、市が意見を言うのは当然だというふうに思います。なぜ場所の提案をすると言えないんでしょうか、伺います。
続いて、放課後デイについても再度伺いたいんですけれども、厚労省の調査でも、特別支援学校ですとか小中学校において医療的ケアが必要な子供の数は年々増加傾向にあります。医療技術の進歩によって、以前は救うことができなかった命を救うことができるようになって、在宅で過ごしたい、学校に通いたい、そうした願いがかなえられるようになってきているということだと思います。
奥山市長は、障害児のお母さんたちが提出した放課後デイの充実を求める要望書をごらんになったんでしょうか。2200名を超える賛同者の名前も、一緒に提出されました。要望書の提出には、自由民主党、市民フォーラム仙台、公明党仙台市議団、日本共産党仙台市議団から、超党派の市議が同席をいたしました。重症心身障害児や医療的ケア児がふえていく中で、学校はもちろん、放課後デイでも看護師の配置を初めとする特別の手だてが必要だというふうに思います。
先ほど私も第一問で紹介したように、看護師自身が障害児ケアの経験がないとという問題も確かにございますので、研修会も非常に重要ですけれども、それ以外にも経済的な事情があるということも御紹介しました。看護師配置にやはり独自の上乗せを行うということも、市ができる手だての一つだというふうに思います。要望書をごらんになったかどうかとあわせて、奥山市長に伺います。
◯市長(奥山恵美子)
まず初めに、市内南部に予定をしております特別支援学校の開設ということでございます。
ただいま教育長が御答弁申し上げましたとおり、特別支援学校の開設は、県においてこれを行うということでございますので、まずは主体的に現在の通学の状況等も踏まえながら、県として適切な土地の確保に努められるということがあろうかと思います。
それに際しまして、例えば県のほうから利用可能な市有地等の情報について提供してほしい等、これまでも、例えば分校、分教室等を設置する場合に、さまざまなお互いが持ちます利用可能な資源の調整については教育委員会相互でお話し合いを進めながら、この特別支援学校、また特別支援の分校等の開設に努めてまいったということでございまして、今後ともなお両教育委員会で十分な情報共有を図りながら、適切な学校設置ができますように、教育委員会としても努力を続けたいということでありますし、また、私としてもそれを支援するという考えでございます。
それから、重症心身障害児の放課後ケアということでございますけれども、御要望書については、私も拝見をいたしております。先ほど来、健康福祉局長から申し上げておりますとおり、放課後のデイそのものが、やはり今後さらに増設されていく必要があるという認識、また、特に重症心身障害児への対応については、なお力を入れていく必要があるということについては、私も認識をしているところでございます。
その対応ということの中では、先ほど健康福祉局長が申し上げましたとおり、現在、看護師の方の確保が課題になっているわけですが、やはり一般の疾病と、また障害児への日常的な対応も含めたその看護のあり方という点での理解を進めていくこと、そしてまた、看護師と限らず介護施設の職員、介護に当たられる職員の方のスキル度支援というようなこと、この点については、本市としてでき得る施策があるというふうに考えているわけでございますので、まずは、そのでき得ることについてしっかりと対応しながら、今後の見通しを持てるように努めてまいりたいと思います。